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1962-07-10 第40回国会 衆議院 石炭対策特別委員会 第27号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
三十七年七月十日(火曜日) 午前十一時一分
開議
出席委員
委員長
有田
喜一君
理事
岡本 茂君
理事
神田 博君
理事
齋藤 憲三君
理事
始関
伊平君
理事
中川
俊思君
理事
岡田 利春君
理事
多
賀谷真稔
君
理事
中村
重光
君 倉成 正君 藏内 修治君
白浜
仁吉
君 周東 英雄君
綱島
正興君
中村
幸八君 井手 以誠君 田中 武夫君 滝井 義高君 松井 政吉君 渡辺
惣蔵
君
伊藤卯四郎
君
委員外
の
出席者
通商産業鉱務監
督官
(
鉱山保安局
長)
八谷
芳裕君
—————————————
七月十日
委員濱田正信
君
辞任
につき、その
補欠
として綱
島正興
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。 同日
委員綱島正興
君
辞任
につき、その
補欠
として濱
田正信
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。
—————————————
本日の
会議
に付した案件
石炭対策
に関する件(
江迎鉱業所
の保安問題)
——
——
◇—
——
——
有田喜一
1
○
有田委員長
これより
会議
を開きます。
石炭対策
に関する件について
調査
を進めます。
九州地方
の
集中豪雨
による
石炭鉱山
の保安問題について質疑の通告がありますので、これを許します。
白浜仁吉
君。
白浜仁吉
2
○
白浜委員
ちょっと
当局
にお尋ねしますが、私
どもテレビ
あるいは
新聞
などで
承知
している
程度
で詳しいことはわからないのでありますが、最近
長崎
県の
北松
、特に
江迎
を中心にした
地区
で
ボタ
が
崩壊
し、それで人民が
避難措置
をとっているというふうなことだけしかわからないのでありますが、通産省におかれまして、その後の詳報なり、あるいはまたその
対策
なりについて、何かありましたならば詳しくお知らせ願いたいと思うわけであります。
八谷芳裕
3
○
八谷説明員
お答え申し上げます。
日窒鉱業株式会社
に所属いたしております
江迎炭鉱
の一坑の
ボタ山
が、
集中豪雨
のために
崩壊
いたしまして、
鉱業施設
だけでなく、
一般民家
あるいはまた
国鉄等
の
公共施設
にまで
被害
を与えましたことを深くおわび申し上げます。 ただいま御
質問
のその
状況
でございますが、私
ども
の
関係
も非常に
通信綱
が貧弱でございまして、昨日の朝からジープで
現地
に、
佐世保並び
に福岡の
監督局
から課長ほか
担当官
が数名
調査
に出かけておりますけれ
ども
、
現地
からの
情報
はどうしてもまだ確実な
調査
結果が得られておりません。それからきのうも
鉱山保安局
からも、
事態
を重視いたしまして、係官を派遣いたしておりますけれ
ども
、おそらく
現地
には着き得たと思いますが、
付近
の
炭鉱
あるいは
変電所等
極力利用してこちらへ
情報
を流すようにと厳に申しつけておりますけれ
ども
、いまだ確実な
情報
が得られないわけでございますが、ただいままでに
現地
の
鉱山保安監督局長
から
中央あて
に入りました
情報
の
概要
をまず申し上げたいと思います。 この
江迎炭鉱
の一坑の
ボタ山
の
崩壊
は、七月の八日の朝五時過ぎから
堆積
中の
中央部
より
崩壊
を始めた
模様
でございまして、八日の八時ごろには、
のり
じりより約二百メートル下に
砂防堤
を築堤いたしておりますが、これを押し流しまして、そのすぐ下にあります
民家
五戸を押し流しておる、そうして午後五時ごろでございますが、
流出
した
ボタ
は、さらに
付近
にございます
国鉄
の
潜竜
駅まで到達した
模様
でございます。それから翌九日でありますが、九日未明の二時半ごろから、
堆積
中の
ボタ山
の下部の旧
ボタ山
、これは
昭和
十一年ごろから
堆積
したものでございますが、この旧
ボタ山
に亀裂が入りまして、これがまた動き出した、そうしてきのう、九日でございますが、朝の七時ごろまでには会社の
炭住
二百七十戸、それから
潜竜
駅、
丸通
、その
付近
にございます
飲食店等
の五戸が
流失埋没
したようでございます。また
炭鉱
の
鉱業所
の
施設
といたしましては、
工作事務所
、
変電所
、
鋳物工場等
が倒壊いたしておりますほか、一坑の
坑口主要巻
でございますが、六百
馬力
の巻がありますが、それと
人車巻
とが埋没流失いたしまして、六百
馬力
の巻は、百五十メートル後方に押し流された
模様
でございます。もちろん一
坑関係
は
全員坑外
に上っておるわけでございます。 こういう
状況
のために、この
流出ボタ
によって
江迎
川が、これは
国鉄
のすぐ
わき
を流れておるわけでございますが、
江迎
川がせきとめられまして、水は
国鉄
を越しまして、
県道
の方が若干高いと思いますが、
県道
の方面へまでも流れまして、この
江迎
川のせきどめという
事態
によりまして、
道路側
の
商店
が
浸水
を始めまして、
避難
しておるわけでございます。この
状況
は
新聞
、
テレビ
などで報道されている
通り
でございます。 それから九電の
潜竜変電所
が
浸水
をいたしましたために、九日の夜半でございますが、この
付近
が全部
停電
をいたしまして、一坑の
ボタ山
を積んでおりますところの
江迎炭鉱
の一坑の
保安電力
は、ずっと
反対側
の
山向こう
の方に
江里
という地域がございますが、この
坑口
の方の
変電所
から受電をいたしまして、かろうじて
保安電力
だけは確保している
模様
でございます。先ほど申し上げましたように、一坑は全員昇坑して待機をしておるわけでございますが、この
停電
によりまして
付近
の
潜竜炭鉱
、宏安
炭鉱
、
山福炭鉱
、
前岳炭鉱
、こういう
炭鉱
が目下のところ
操業停止
をいたしております。しかしこれは仮
変電所
の建設ができ次第、そう時間がかかるものではございませんが、
送電
が行なわれる
模様
ということでございます。 ただいま
自衛隊
の
関係
で約百五十名の方に、
民家
の
避難
の
応援等
のために出動をお願いしておるわけでございます。目下のところ
幸い
にしまして、
昭和
三十年に七十七名の尊い生命とそれから
負傷者等
を出しましたあの
佐世保炭鉱
のような
悲惨事
は起きないで、人命には
一つ
も異常はない
状態
でございます。これは
集中豪雨
の
情報等
を刻々流しまして、
ボタ山
を
警戒
いたしておりまして、
流出
の
状況
を的確に把握して適当な
措置
が講ぜられた結果だと思います。 これは御
承知
のことかと思いますけれ
ども
、一日から五日までの間の
降雨量
は五百六十ミリに達しております。それからその
あと
二次的に降りました七日から八日の夜半にかけまして百二十ミリ、こういう六百八十ミリに及びます
集中豪雨
のためにこういう
崩壊
が直接的には起きたものと考えるわけでございます。 この
被害
を及ぼしました直接の
ボタ山
でございますが、この
ボタ山
は旧
ボタ山の上
にさらに五十七メートルの新しい高さの
ボタ
を積むことでその
ボタ量
が八十三万
立米
でございますので、比重二トンといたしますと、百七十万トン
程度
になるわけでございます。こういう
ボタ山
をするということで認可されているわけでございます。
昭和
三十五年の十月に特別にこの
ボタ山
を検査いたしましたときの
状況
は、
流出
の一番下の
のり
じりから高さが百六十三メートル、
流出
する場合の
傾斜
が十九度、毎日の
ボタ
捨て量が三百四十
立米
から三百五十
立米
、最大の
傾斜
が三十八度で、
平均傾斜
が十九度になっているわけでございます。けさ入りました電話によります
現地
の
鉱山保安監督局
がつかみました
概要
からいたしますと、この
堆積場
の
崩壊
と同時に、
地すべり
も起こっているような
状態
もあるようであるということでございます。これは的確な
調査
をしてみないとわかりませんが、この
地帯
は
地すべり地帯
にもなっておるところでございまして、特に
堆積場
の
中央部
の一部が
地すべり防止区域
になっているわけでございます。
堆積場
の最上部では、現在地はだが出て、水がこんこんとわいているというような
状態
に見受けられます。しかしこの地はだは本来の
地表面
かあるいは
地すべり面
かがまだ明確にわかっていない
状況
でございます。今のところ一応落ちついているような
状況
に見受けられます。しかし今後さらに雨が降るということになりますと、今まで一応の落ちつきを示しているものがさらに
流出
を始めるというようなこともございますので、
現地
では極力
警戒
をいたしまして、これ以上の
被害
の拡大を極力防止するようにいたしておるわけでございます。
江迎炭鉱
の
ボタ山崩壊
によります
被害
の
状況
は、
概要
以上の
通り
でございます。
白浜仁吉
4
○
白浜委員
ただいまの
局長
からの詳しい
状況報告
で
概要
はわかったわけでありますが、県並びに
自衛隊
あるいは
現地
の
町当局
あるいは
消防団
その他の
方々
が非常な御努力を払われて
対策
を講じておられるというふうなことも、私
ども新聞
、ラジオ、
テレビ
などで
承知
をいたしておるわけであります。
幸い
にしまして
死傷者
がなかったということを私
ども
喜んでおるわけでございますが、今の
状況
を承りましても、
現地
の悲惨な
状況
が手にとるようにわかるわけであります。
現地
に最も詳しい
綱島先生
も
幸い
に本
委員会
に本日おいでになっておるのでありますが、当
委員会
としましても、願わくば、衆議院として行かれるかあるいはまた本
委員会
として行かれるかは別としまして、適当な最も早い
機会
に
現地
に
一つ調査団
なり
慰問団
なりを派遣するようなことを考えていただいて、
現地
の
方々
を激励し、
対策
を立てていただければ
幸い
だと思いますので、私の考え方なり意見なりを申し上げて各位の御賛同をお願いしたいと思うわけであります。よろしく
一つ
お願いします。(拍手)
有田喜一
5
○
有田委員長
中村重光
君。
中村重光
6
○
中村
(重)
委員
今の
北松江迎
の
被害
は直接的には
ボタ山
に限られておる、こういうことですが、非常に雨が多くて
坑内
の
浸水等
が起こって参りますと、必然的に
ガス
が多量になって、
ガス爆発
の
危険性
が考えられる。そろいうことに対して、
保安当局
としてはどのような
措置
をとっておられるか。特に
派遣班
の増強、あるいは
警戒班
、そういったような万全の
措置
を講じておられるかどうか、そういう点を
一つ
。
八谷芳裕
7
○
八谷説明員
ただいま
ガス
とか
坑内
の危険問題についての御
質問
がございましたが、一般的に申し上げますと、この梅雨時に、特に
気圧
が下がりましたときには、
ガス
が古洞その他から湧出して参りまして、
坑内
が非常に
ガス
の多い
状態
になるということでございますので、常に
現地監督局
では
気圧
の
状況等
を把握いたしまして、
派遣班等
を督励して
現地
の
監督
に当たらせているわけでございます。
例年
こういう
集中豪雨
の際には、
相当
中小炭鉱
におきましては、
坑口
からあるいはポンプの
容量不足
のためにふけの方が水でとられるというような
状況
も多々あるわけでございまして、こういう点につきましても、
現地
の
派遣班等
を極力回らせまして、
台風
時あるいはこういう
集中豪雨
のときには、全
炭鉱
を一応回るような態勢をしいて、その後の
復旧
の促進あるいは直接的な危害の
防止等
を推進するようにいたしているわけでございます。ただいまのところ、この
集中豪雨
のために
被害
が起きてきたという
情報
がまだ参っておりません。おそらく今度の場合は風を伴っていなかったため、
電気施設関係
がほとんど、この
江迎地区
の場合は特別といたしまして、全般的にその点で
幸い
しておったのではないかと思います。もしこれが、この
集中豪雨
前に
台風
が出てきて
送電線
がやられているということになりますと、
坑内関係
の
相当
な
被害
が予想されるわけでございますが、
幸い
ただいまのところ
情報
が入っておりませんけれ
ども
、これから十月初めぐらいにかけまして、
例年
のことではございますけれ
ども
、
台風
によります
被害
が常に起きるわけでございまして、こういう点につきましては、
現地
の
監督局並び
に
派遣班
を督励いたしまして、万全の
措置
を講じて参りたいと考えております。
中村重光
8
○
中村
(重)
委員
今
局長
は
重々警戒
をする、こういうことですが、私
ども
が
炭鉱
をずっと視察をして参りまして、また、北海道に参りましても感じたことですが、
教育訓練
という点についてまだまだ、何といったらいいのか、きわめて不徹底である、むしろ軽視されているといった方が適切であろう。そういう点に対しましては、これはきわめて異常な
状態
に入っておりますから、十分な
配慮
を願いたい。 さらに、この
機会
にいま
一つ
お尋ねをしておきますが、
長崎
県の西彼杵郡
高島
は、最近非常に
災害事故
が発生をいたしております。先月だったと思いますが、
ガス爆発
によって十二名の
死傷者
がありました。ところがこの
災害
が
保安当局
が
奨励
している
ビニール管
、これから火を発して
ガス爆発
になった、こういうことが言われている。そうなって参りますと、全国的に
炭鉱
には
ビニール管
の
奨励
をいたしていると思います、その
奨励
をしている
ビニール管
からこうなったということになって参りますと、今まではこれは
不燃性
のものであると考えておったものが、事実私が伺ったようなものであったとすれば、ゆゆしき問題であろうと思います。実は本日の
委員会
に間に合わせるために資料をお願いいたしておりましたが、間に合いません。しかし
当局
にはすでにその内容についての詳報が入っているかと思いますので、まずその点について
調査
の結果を伺いたい。
八谷芳裕
9
○
八谷説明員
ただいま御
指摘
がございました
高島
の
ガス爆発
につきましては、今まで実は私
ども
があまり
対策
を講じていなかった種類の
災害
であるということでございます。当初
パイプ
が切れまして、そこを修理するために
——
そこへ
ガス
がたまった。その
あと
で
作業
を停止しまして、
従業員
を一応入
気側
に
避難
させまして
——
ここには
電気施設
も何も入っていないわけでございします。ハッパもやっておりしません。そらしていわゆる空気で動かします
扇風機
を動かしたとたんに
爆発
した、こういうことでございます。これにつきましてただいままで考えられます点は、
火源
は何らございません、そういうふうに係員が
作業員
を
わき
に
人気側
に置いて、もちろん
扇風機
は入
気側
にあるわけでございますので、そこで開放したとたん、
電気
で申しますとスイッチを入れたとたんに
爆発
が起きた、こういうことでございます。この問題につきましては、ただいま私
ども
に予想されますことは、いわゆる
静電気
が
粒子
の衝撃によりまして起きた、こういうことでございます。
静電気
によります
スパーク
によって
ガス
に引火した、こういうふうにしか考えられないわけでございまして、これはその後
高島
で、こういう
粒子
を、
岩粉
でございますが、こういうものを入れてふかした場合に、二千ボルトの電圧が生じた。これは
監督官
が立ち会いで、
鉱害
と同じような
条件
でやったわけでございます。おそらくこれ以外に現在は考えられない、こういうふうに思うわけでございます。この点はさらに、他に
火源
がなかったかどうか、あるいは
静電気
によりましてどういう
条件
の場合に
スパーク
が起き、また
ガス
に引火するかということを一度よく
実験
してみないと、私
ども
も的確に言えないわけでございまして、きのう
工業技術院
の
資源技術試験所
に私が参りまして、この問題を第六部長と
打ち合わせ
をして参ったわけでございますが、この
実験
をやりまして、その
条件
を見つげまして、それに対する的確な
対策
を講じなければならぬわけでございます。通常の
状態
で、それではそういう
条件
で今まで
災害
がなぜ起きなかったか、こういうことは、
粒子
が
パイプ
の中に
相当
に
堆積
するか何かというような
状況
で起きてくるのじゃあるまいか。そうすると、常時ふかしておるような場合には、いわゆるサクションがかかっておりませんので、
粒子
が中に入り込まない。こういう
条件
で今までこういったものが起きなかったのじゃないか、こう予想されるわけでございます。 この
対策
といたしましては、あるいは特別の
中性塗料
を塗るとか、あるいはアイソトープのような
粒子
を中に入れるとか、いろいろ学問的にはあるわけでございますが、いずれにしましても、
坑内
では鉄管のようにいわゆるフレキシブルでないものは非常に使いにくいということで、
ビニールパイプ
を
奨励
してきた、ところが一方において、こういう新しい
危険性
がこれによって生まれるということでございますので、早急に、きのうも
打ち合わせ
をして参ったところでございますが、
実験
をいたしまして、その
条件
をつかみ、そうして
対策
のためにどういうことをやればいいかということも至急に出したい、かように考えておる次第であります。
中村重光
10
○
中村
(重)
委員
事故
が発生してから、すでに一カ月くらいになろうかと思います。昨日そうした
試験
をしたということですが、すでに
現地
の
高島
では、
爆発
が起こりました直後に
試験
をいたしております。その結果
スパーク
する、火を放つということを事実をもって認めております。そうなって参りますと、全国の
炭鉱
に
ビニール管
を使っておるということでありますと、これは非常に重大な問題であろうと思います。一カ月経た今日、ただいま
調査
を進めておる、検査をするんだ、そういったようなことでは、そんななまぬるいことではどうにもならぬのじゃないか。少なくとも、そうした異常の
災害
に対してはもっと真剣な
取り組み
をして、再びそのような
事故
を発生させない、そういう
配慮
があってしかるべきだと思う。もっと
一つ
真剣な
取り組み
を要望しておきたい。さらにまたそのことに対しましては、
高島
について特別に
調査
をされて、そうしてその
報告
を
一つ
求めたい。
有田喜一
11
○
有田委員長
綱島
君。
綱島正興
12
○
綱島委員
江迎
、
潜竜
の
災害
のことですが、
日窒
の一坑がくずれたと言われますが、私はあの地元ですからよく存じておるのですが、一坑の
ボタ山
というと非常に高くそびえている。あれがくずれたということになると、
道路
も何も埋没したろうと思うのですが、その後の処置は、それはあなたの方がなさることではないけれ
ども
、大体できたように思われますか、どうなっておりますか。
八谷芳裕
13
○
八谷説明員
ただいま
自衛隊
あるいは
県等
に
応援
をお願いしまして、
復旧作業
を進めておるわけでございます。先ほ
ども
御
報告
申し上げた
通り
でございますが、ただこの
対策
といたしましては、
災害
によります当面の問題と、それから二度とこういうことを起こさないという問題と、二つに分かれるわけでございます。当面の問題にきましては、一応雨がこのまま中止すれば、
ボタ山
は再度
流出
しないような一応の
安定状態
になっているんじゃないか、こういうことでございます。そうしますと、市街地に流れ込みましたもの、あるいは
潜竜
駅に流り込みましたもの、それから急を要しますものは、河川に
流出
しまして、これがせきとめられまして、
商店街
の方にも
オーバー
・フローしていっている、こういう
状況
でございますので、この浚渫、こういうことを直ちに急がなければならぬわけでございます。これは私
ども
も、当初御了解を得ましたように、
現地
の動きが、その辺がまだはっきり的確な
情報
がつかめておりませんので、どういうふうに動いているかということも、私
ども
としてもまだその
復旧
、それから家屋あるいは
避難者
に対する
応急措置
という問題につきましては、ここで的確に御
報告
するまでに参っておりませんけれ
ども
、
現地
においては極力、ただいま申し上げましたように
自衛隊
あるいは市町村、
県等
に
応援
をしていただいて、
応急
の
対策
が講じられておるようでございます。
幸い
だだいまのところ一名の
死傷者
もなかったわけでございますけれ
ども
、もしこの警報その他が不十分な場合には、佐賀県の藤津郡で起きましたような
災害
、あるいは
昭和
三十年に起きました
佐世保
の
炭鉱
の
ボタ山崩壊
というようなものに類するようなものが起きたのではないかと心配されたわけでございます。 今後の
ボタ山
に対する
対策
につきましては、ただいままでも年々特別の
ボタ山対策
を、
鉱害費
として
保安局
でも予算をとってやっておるわけでございます。何しろ土地が狭いところへ高く積んでいるという
状況
のわけでございます。これを緑化する、あるいはコンクリートによる
砂防堤
を築く、いろいろの方法をやりましても、緑化するにしても緑化する期間に
相当
の
被害
が、
鉱害
によります
流出ボタ
が田畑を荒らすという問題も起きるわけでございます。あるいはさらに問題を突き詰めて参りますと、何かこういう
ボタ山
、特に、ただいまの
江迎
の
ボタ山
は生きている
ボタ山
でございますけれ
ども
、死んでいる
ボタ山等
を切りくずしまして埋め立てていく、そうして高いものをなくしていくという
根本対策
が別途に必要じゃないか、こういうふうにも考えている次第でございます。
綱島正興
14
○
綱島委員
政府委員
は
現地
を御存じでございますか、どうりでございますか。そこでちょっと答えていただきたい。
八谷芳裕
15
○
八谷説明員
大体存じております。
綱島正興
16
○
綱島委員
あれは御
承知
の
通り
、町の上に
ボタ山
がかぶさったようになっておりますね。それで伺いたいのは、
江里
とかなんとかいうところももとよりですけれ
ども
、
民家
がどういうふうになっているか、人は逃げたけれ
ども
、
民家
は何とか片がついたか、それとも押しつぶされてしまったか、その辺のところがどうか、それも伺っておきたいと思います。
八谷芳裕
17
○
八谷説明員
私
ども
に入っております
情報
では、
潜竜
駅
付近
の
丸通
、それからこの
付近
にございます
飲食店
ほか
商店
五戸が
流失埋没
をした、こういうことでございます。それから先ほど申し上げましたように、
江迎
川がせきとめられまして、
道路
の方に、いわゆる
商店街
の方に水が
オーバー
・フローしていったということで、いわゆる
浸水
ということが起きたようでございます。それ以後の
状況
はまだ的確につかんでおりません。
綱島正興
18
○
綱島委員
それから
保安電力
でございますね、それが
江里
から来ているという先ほどの御
報告
ですが、
江里
の
地帯
は四、五年前から
地すべり
が非常に始まっているんですよ。それでもう一触即発のような
状態
にあれがなっているのです。これは私がよけいなことを申し上げるかもしれませんけれ
ども
、あれは何か多少の
保安設備
でも置いておきにならぬと、あすこはちょっとあぶないんじゃないかという気がするのですが、そこはどうでしょう。
八谷芳裕
19
○
八谷説明員
先生
の御
指摘
の
江里
の
ボタ山
というのは、ずっと前の、日満時代の
江里
の
ボタ山
でございますか。あの
状況
を最近私も的確に把握しておりませんけれ
ども
、あの
ボタ山
も確かに過去において一部
流出
の記録がございます。従いましてこれにつきましては、今度のこの
ボタ山
、
——
生きている
ボタ山
、死んでいる
ボタ山等
につきまして、早急に安全なように
被害
の
防止対策
を講じたい、このように考えております。
有田喜一
20
○
有田委員長
それでは、
次会
は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 午前十一時三十三分散会