○久保田(豊)
委員 抽象的にはそういうことになろうと思いますが、現実にそういう点がテンポが各
官庁が合ってないように思うのであります。今通産省の方からもらったいろいろの
資料によりましても、たとえば大阪市の例をとってみましても、今のお話のように、根本は、何といっても
工業用水道を早急に整備をしなければ、問題の基盤的な解決はできないということになるわけです。これは言うまでもないことであります。ところが、その
計画を見ますと、今の指定
地域だけでも、大体において大阪
地区は尼崎と西宮を含めて五百七十五億の一応の
事業計画がついておる。そしてこれによって日量が二百三十六万立米の
工業用水を持ってこよう、こういうことになっておりますが、この
計画を見ますと、一期から九期になっておる。期間は三十四年から四十五年までになっておる。しかも、大阪市を呼んで聞いてみますと、この
計画通り進んでいない。相当予算がつくが、どのくらいのテンポで進んでおるかというと、金が足りないためにどうしてもこれより二割からそれ以上ずれる。従って、全部の
計画を実施するのには、どうしても十年から十二、三年は今のテンポでいってもかかるというのであります。そこで、それじゃ地盤沈下の力はどうかというと、三十三年かの
調査によりますと、一番多いところが年間に十四センチであります。ところが、昨年あたりの
調査を見ると、一番ひどいところは二十一センチもいっておる、こういうことであります。しかも今指定
地域になっているのは、大体今後地盤沈下の起こると予想される
地域の半分もいっておりません。大体三分の一であります。来年度あるいはことしあたりさらに指定
地域がふえるようでありますけれ
ども、そういう実情であります。さらに、その水源を見ると、下水道を再浄化して使うという
計画よりは、淀川を使うという
計画が大部分であります。その淀川はどうかというと、あちらから担当者を呼んで聞いてみますと、今度は工場排水をしてだんだん濁ってきて、このままではもう四、五年もたつと水源がなくなる、こう言っておるのであります。使えなくなってくる。どうするのだと言ったら、どうも私
どもの方としては考えようがない、こう言っているのであります。これはおそらく今のところ指定
地域が集中をしているのは
東京並びに川崎、横浜のグループと、それから名古屋を中心とする四日市のグループ、それから大阪を中心とする尼崎、西宮のグループ、この三つが大体の中心だろう。おそらく同じような事情がどこにもあると思うのであります。こういうことになりますと、建設省は建設省で地盤沈下あるいは都市建設という点でおやりになっても、
工業用水が、今度の規制でやりましても、これは
あとで聞きますけれ
ども、どの
程度地下水のくみ上げが規制できるか疑問であります。そうなってくると、今のように一年間に二十センチも沈下していくということになれば、十年後には一メートル以上の沈下になる。今の一番ひどい中之島一帯の地帯なりその他の地帯というものは、一生懸命防波堤の積み増しを次々とやっておったって追っつかなくなるのじゃないか。しかも、こういう点について、片方の水源はどんどん工場ができて濁ってきて、これがか先は使えなくなりそうだといって、現地の人たちや担当者は心配しております。そうすると、これは単に都市建設ないしは
工業用水、
地下水の地盤沈下ということだけでなくて、もっと工場の分散なりあるいは建設
計画なり、そういうものを含めた全般的な
計画を立てていかなければとても追っつかない。今度の部分改正も一応の地盤沈下の抑制にはなると思いますけれ
ども、とてもこんなテンポでは話にならない。おそらく今後三、四年たてばまたこうやくばりか何かをする。そしてだんだん矛盾が大きくなって、しかもこういうことで都市全体がふん詰まりになっちゃうということになっていくのが、今の実情ではないかと思うのであります。こういう点も
政府としてはもう少し総合的に、各
官庁の
——おれは地盤沈下が問題なんだ、それに対する対策だ、おれは
工業用水の確保の対策なんだ、こういうばらばらな考えでなく、
法律を作ることも大事でありますが、総合的な、積極的な、先を見た思い切った施策をやらないと、今自動車と道路との
関係がちぐはぐになってふん詰まりになったと同じように、今後は
工業用水の問題、あるいは地盤沈下の問題、それから工場の排水の問題、その他公害の問題で、都市は人間のすみかでなくなる、こういう心配さえ私は相当あると思うのであります。こういう点についてもう少し突っ込んだ施策を
政府はとらなければならない。それには、これは
官庁の
機構でやむを得ないと思いますけれ
ども、今のように、これは建設省だ、これは通産省だ、これは自治省だというようにばらばらで、そう言っちゃ失礼ですが、
事務当局だけがおのおのの分野でやっておったのでは、もう
あと四、五年もたちますと、ちょうど今の都市の自動車と道路の
関係と似たり寄ったり、もっと深刻な影響が出てくると私は思うのですが、こういう点について何か根本施策を講ずるお考えなり具体的な措置を始めておられるのかどうか。これは両大臣にそれぞれお聞きをいたしたいと存じます。