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長谷川(四)
委員 大臣もおっしゃるように、
わが国の
エネルギー政策のうちで
石油は全く重大な使命を持っておる。その一例は、
わが国は他国とは違って周囲が全部海に囲まれているというこの状態、こういう中にあっての
石油業法でございます。少なくとも
佐藤大臣がお出しになるならば
——先ほど
業界からの反対のような声もやっと
調整をとったというようなお話も承りましたけれ
ども、
業界が反対する、あるいは
経済界が反対する、
国民が反対をするだろう。この法律では反対をしても仕方がないじゃないですか。なぜならば、どこに
国家という中心の柱があるのでしょう。私が申し上げたいのは、冒頭に申し上げたように、
世界にどんなようなことが起ころうとも、六カ月間は
国民よ
心配するな、一滴も
石油の制限をしないぞ、
電力もとめないぞ、この間大いに
日本の
産業を拡大していけ、輸出をどんどんやるような状態にしてくれ、
国民よ安心しろという、この一言がこの
業法の中にあったとするならば、たとえば
外国の
業界が
日本に来ておるとしても、あるいはフィフティ・フィフティの
会社であろうとも、どんな
経済圏であろうとも、
電力会社であろうとも、祖国が中心になった
業法であるとするならば、何人が反対するであろうか。そういう法に反対する反逆的な
考え方を持つものは、わが九千万
国民の中には一人もおらぬと断言いたします。こういう上に立って、このような
業法では、
お互いの
利益にのみ走るということは当然でなければならないと私は思う。
業界の保護育成のために作ってやった
法案に
業界が反対したとおっしゃって、私は驚いた。どこを見ても、九千万の
国民よかく安定しろということは、この条文の中には
一つもありません。
大臣があるとおっしゃるならば、このところにあるではないかということを
指摘してもらいたい。少なくとも
佐藤さんは次期政権の担当者であります。私は
佐藤さんに投票いたします。投票する一人です。しかるに、このような
国家目的が何もない
法案を出して、次期政権の担当者だなんていうことが言えると
考えますか。少なくとも私たちは
政治をやっておるのである。
政治をやっている以上は、少なくとも
国民の気持を安定させ、安心させなければならぬが、それがこの条文の中のどこにもないということだけは、返す返すも私は残念であります。いろいろな
考え方もあるであろうが、
国家、
国民というものが中心になった
業法を作ってもらって、そうして
業界の方々にも十分にもうけていただこうじゃありませんか。
スマトラ、
アラビア、
国内ともに生かそうじゃありませんか。そのような法文にしてもらうことを心から念じておったわけであります。ところが、あけてみたら反対がある。反対があるのは当然であって、
お互いの
利益の
確保のために大いに戦えという
——何もない
法案では
業法ではございません。ほんとうに
石油業者の保護政策だけやった問題だ、こういうふうに私は言わなければならないと思う。その問題は
大臣みず
からも十分にお
考えになっていることでしょうから、よけいなことをあまり言っても仕方がないと思う。
これに関連をいたしまして、現在の
石油化学の問題もある。今の
日本の
石油化学は、御
承知のようにまだ揺籃期を過ぎたばかりでありましょう。アメリカの
石油化学の設備というものは、大体
日本の二十倍ぐらい完備しておるというようなお話でございます。この設備を持っておりますから、製造過剰の傾向にもなってきているようでございます。従って、現在の能力で参りますと、大体八〇%弱でアメリカの
国内は間に合うのだ。そうなって参ります−と、どうしても二〇%というものは
海外輸出をやらなければならない。こういうような
理由のもとに、その二〇%を、タンピングといってはどうかと思いますけれ
ども、事実タンピングしている面も十分に見受けられると私は
考える。従って、昨年初期より
日本に向かいましてもダンピングを行なっておるようでございます。これによってフランス外二カ国の三カ国はアメリカに対して厳重な抗議を申し込みましたところが、すみやかにこれを撤回しております。わが
日本もいろいろな技術提携の上に立ち、技術の導入の上に立って莫大な資本投下を行なわしめておるのであります。この
日本のペトロール・ケミカルをこのままにしておくということになるならば、おそらく苦境に立ち、苦境に立つばかりでなくして、
日本の技術の振興という点についても大きな変化がくるのじゃないか、こういうように
考えるわけでございます。たとえばポリエチレンの昨年の例をとってみますと、大体一キロ百六十円から百七十円、
日本製品は大体二百三十円。さらに、これは
日本の例でなく、よそでありますけれ
ども、規格外と称しまして八十七円から百五十八円でダンピングをされた国があります。
日本のペトロール・ケミカルも日浅くはあるけれ
ども、せっかく今日のように設備が完備をして参っのでありますから、一番大事なときだと
考えるのであります。これについてアメリカ
政府に向かって何か考慮を求めるというか、抗議をするとか、あるいはまた
国内に向かっての行政指導という面も何かしなければならぬと思います。こういう点について
大臣はどのようにお
考えになっておりますか。これらは
政治問題だと私は思う。