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滝井委員 地方医療協議会も中央のそれぞれの団体と無
関係ではないわけです。これは御存じの通り、系統的に中央から地方に連なっておりますから、
保険者だって、被
保険者だって、療養担当者、みんなつながっておりますから、やはり中央の問題が片づかないと、地方でなかなかうまくいかない。というのは、地方の民生部長で、私のところは実は
準備ができました、やりたいと言っておるところがある。あるけれ
ども、まさか
厚生省がそれをやるなとは言ってはいないと思いますけれ
ども、
厚生省に工合が悪いからと言っておりますよ。中央が発足しないのに私たちのところだけやったのでは、保険局ににらまれますから、こうおっしゃっておる。だから、これは大脳がきちっといかぬと、末梢神経はなかなか動かぬわけです。そこでこの一番早い解決の方法は、やはり
大臣が腹をきめることです。そして医療協議会を発足させることです。遅疑逡巡する必要はない。発足させることです。発足させれば、これはカナマイシンにしても、あるいはその前のときにしても、医師会が何か言っておったけれ
ども、おさまったと同じです。これは今度逆療法です。それをやる以外にない。そうするとどうなるかというと、今度は医療報酬
調査会提案反対と言っておる方がまずおさまる。
一つおさめなければいかぬ、二つとも今いきり立っておりますから、どっちか
一つをおさめる方法は、発足させれば
一つはおさまる。そうしたらおもむろに今度は
一つと話したらいい。これ以外にないです。これが最高の方法です。
その次の方法は何があるかというと、医療懇談会を開くことです。もう一ぺん。これは必ずしもうまくいくかどうかわかりませんが、医療懇談会を開いてフリー・トーキングをもう一ぺんやるのです。このために作ったのですから、和解の局所ですから、そこにあらためてもう一ぺん集まってもらって、和解の場所でもう一回けんかをやってみる、ディスカッション、フリー・トーキングをやってみる。これで
意思の疎通ができればあなたは
法律をお出しになればいい、こういう方法が
一つあります。
もう
一つ方法があるのです。それは、すでにできた
法律はいかんともしがたいわけです。従って問題は、臨時医療報酬
調査会です。そこでこの医療報酬
調査会というものを一体どういう工合に出してくるかということです。当面われわれが今の日本で一番必要なものは一体何なのかというと、診療報酬を作るということの前にもう
一つ必要なものがある。それは日本の医療
経済の実態を把握するということです。これが把握されてない。これを把握することなくてルールも何もできやしないです。ところで、これは昨年
厚生省は多分三千万円くらいで医療
経済の実態
調査をやる
予算を組んだけれ
ども、医師会等の反対で流れてしまった。これをもう一ぺんやることです。そして病院、診療所の実態、
保険者の実態、被
保険者の実態、これを
調査するわけです。そしてまず
調査の機関をお作りになる第一前提として、そのできた
調査のものを臨時医療報酬
調査会と同じ役割を今度は医療協議会におさせになったらいい。
調査機関だけをお作りになって、徹底的に
調査をして、来たデーターをきちっとまとめて、これを医療協議会に提示するわけです。これで
一つあなた方がルールを作ってくれ、
調査はわれわれがやりました
——これだけで一歩も二歩も前進です。そうするとこれは顔とかなんとかいうとやくざのようになりますが、
灘尾さんの顔も立ち、被
保険者の顔も、担当者の顔も立つ。これならば文句は言わない。今やろうとすれば、この三つしかない。
いかにあなたが今の段階であの答申に出たものを
——われわれはちょっと曲げておると思いますが、それを出そうとしても、そんなものが国会へ出てきたら、
社会党はあれは答申と違いますから、反対します。そうしますとこれは通らぬようになってしまう。それならばこの二つというものはいわば対で出ている。これは和解の案ですよ。和解の案が一方で出て、他方で出してないところに支払い側の文句があるわけですから、やはり対で出てこなければいかぬ。対で出すためには出すような方法を講ずるより方法がない。そうすると今言ったように、
一つは思い切って勇断をもって発足をさせる。今両方がいきり立っておるのですから、あなたが宮本武蔵みたいに両刀使いなら両方切り落とすことができるけれ
ども、今は両方強いですから、そうはいかぬ。宮本武蔵に匹敵するくらい一方の担当君側も、日経連も強いから、この両方を手玉にとるのはなかなか問題です。自民党も問題だし、
灘尾さんもわれわれが見ておっても問題ですよ。だからまず
一つの方法として、一方にすわっておってもらわなければならぬ。あなた方立ってきちゃいかぬ、すわっておってもらわなければならぬ、こういう形がやはり必要です。この三つしか方法がない。とにかく今までの通りあなたの
基本方針を強行しようとしても、これはとても無理です。だからそれを強行しようとすれば、医療懇談会で一ぺん荒ごなしをする以外に方法はない。ところが問題は、ここに出てくるかどうかという問題があります。しかしこれをやることも
一つの方法だと思います。そうでなければ今言ったように、
調査会にかわる実態
調査をやる
委員会をお作りになる。これは日本の医療にとっては
一つの大前進ですよ。日本の医療の実態がわからぬところにやみくもに議論が行なわれるから、
保険者も健康保険組合の財産が五千億あるのだ、医師会は相当の財産を持っているということをこの前も言われておった。こういうことは
国民の前に明らかにする必要がある。これはお互いが
委員を出して、実態
調査をして、健保連の財産はこんなになかったということがはっきりすれば、折り合いが出てくる。医師が非常にもうけていると言っているし、一方ではもうけてないと言っている。もうけておるかおらぬか、実態
調査をしてみたらいい。
保険名はどのくらいの
負担能力があるか、その上に立って実態
調査がきちっと出たら、今度は診療報酬のルールができるかできないか。これはすでに各方面から見てもそんなものはなかなかできない。散髪屋さんの技術をきめる報酬さえもなかなか議論が多くてよう出ない。散髪屋さんよりもっと複雑な医師、歯科医師の技術料というものは、すでにあの優秀な
——あえて優秀と申しますが、優秀な曽田さんが心魂を打ち込んで作った医療費体系でも、われわれとの理論闘争で理論的にやり合ったところでは、いかんともしがたかった。そういうことがあるわけですから、ここらあたりで
大臣は、この機会にあなたの
基本方針をきちっと明らかにしてもらう必要がある。そしてこういう方法でやってみよう
——私がいろいろ
考えてみたけれ
ども、こういう三つくらいしかないだろう。だからここでもうちょっと、わしにまかせてくれ、わしにまかせてくれでは困るので、自分はこういう方法で打開するから、
一つ国会は自分を全面的に応援してくれないかという積極性が厚生行政にないと困る。そういうあれがないと、厚生行政はいつもそれぞれの
関係団体に引き回されて、おのれの進む
方向がわからない。時計でも左、右にゆれていますよ。左、右にゆれていますけれ
ども、心棒は必ず前進していますよ。これでなくてはならぬですよ。そういう意味で、あなたは、こういう
方向でいくのだということを国会に示して、これを与野党どうですという、これだけの胸襟を開いたフェア・プレーがない。これをやらなければいかぬが、何かしんねりむっつりとあちこち話して、ついにどうにもならぬで、七人の人にまかせた。自民党に
関係ないと言うけれ
ども、七人にまかせた。臨時医療報酬
調査会にまかせたというようなことが新聞に出ておるが、そんなことではいかぬ。国会で
法律はやったことですから、こんなことではいかぬ。だから、堂々とあなたの所信を披瀝して、これで
一ついくということを明らかにしていただきたいと思います。