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日野委員 政務次官段階では、原形
復旧というようなものはないような印象を受けるのですが、各省の直接担当される諸君、ことに県等の
調査報告の基礎は原形
復旧になっておると思うのであります。そうなると、もし改良
復旧の方針でこれに対処しようということならば、予算がもっともっとふくれる、こういう点も今後
調査の場合に圧縮してやる、予算の
関係から苦しい立場であろうと思いますけれども、完全な
復旧をやるためには、国土保全の意味で、雨季を前にして、少し金を倹約したために
水害を食ったら、どのくらいの損害が来るかはかり知れないものがある、そういう腹で
一つ次官
会議等に臨んでもらいたいと思うのです。四、五年前ですか、
災害対策でいろいろ議論して初めて改良
復旧の問題が登場したとき、志津川という町の
護岸を何べんやっても、波が来るとひっくり返る、それで行って見たら、貝がらが固まって岩盤のようになっておるので、これにコンクリートをつけて何回も
復旧をやったが、みんな流される、あれでいいのか、あれを取りのけて岩盤まで杭を打ち込んでやらなければだめじゃないかと
現地の町長に言って、そうやります——具体的なそういうあれが出て、そこで約束した。これは
農林省の漁港の
工事ですが、それを完全にやったところが、過般のチリ津波でほとんどみな倒れたのに、海のどまん中に
護岸だけが残っていたということがありますけれども、それを基礎にして
工事をやって、完全な改良
復旧が今厳然として残っております。こういうように、ちょっとした財源でできるのですから、この機会に、原形
復旧をやめて改良
復旧という線でやっていただきたい。もしそのために多少の予算の膨脹があっても、これこそ両次官の方で次官
会議ででもそういう点を力説されて、
災害民の期待にこたえ、そして今後そういう方針を打ち立てて次々に来る
災害に対処していくという腹を固めて、この
災害を乗り切っていただきたい、こう要望を申し上げて、私の
質問を終わります。