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1962-05-07 第40回国会 衆議院 災害対策特別委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十七年五月七日(月曜日)    午後二時九分開議  出席委員   委員長 濱地 文平君    理事 古川 丈吉君 理事 岡本 隆一君    理事 角屋堅次郎君 理事 下平 正一君       伊藤宗一郎君    伊藤  幟君       内海 安吉君    大石 武一君       仮谷 忠男君    正示啓次郎君       田邉 國男君    谷垣 專一君       保科善四郎君    前田 義雄君       牧野 寛索君    松澤 雄藏君       保岡 武久君    足鹿  覺君       島本 虎三君    田口 誠治君       二宮 武夫君    西宮  弘君       日野 吉夫君  出席政府委員         文部政務次官  長谷川 峻君         文部事務官         (大臣官房長) 宮地  茂君         農林事務官         (農林経済局長坂村 吉正君         建設政務次官  木村 守江君         建設技官         (河川局長)  山内 一郎君  委員外出席者         警  視  長         (警察庁警備局         警備第二課長) 倉井  潔君         農林事務官         (大臣官房総務         課長)     石田  朗君         農林事務官         (農地局参事官富谷 彰介君         建設技官         (河川局防災課         長)      畑谷 正美君         建 設 技 官         (道路局一級国         道課長)    村上 永一君         建 設 技 官         (住宅局住宅建         設課長)    尚   明君         自治事務官         (財政局交付税         課長)     山本  悟君     ————————————— 五月七日  委員大倉三郎君、岡本茂君、岸本義  廣君、纐纈彌三君、首藤新八君、辻  寛一君、早川崇君、原田憲君、小林進  君及び中村英男辞任につき、その  補欠として保科善四郎君、牧野寛索  君、松澤雄藏君、大石武一君、内海安  吉君、田邉國男君、伊藤幟君、伊藤  宗一郎君、西宮弘君及び日野吉夫君  が議長の指名で委員に選任された。 同日  委員伊藤宗一郎君、伊藤幟君、内海  安吉君、田邉國男君、保科善四郎  君、牧野寛索君、西宮弘君及び日野  吉夫辞任につき、その補欠として  原田憲君、早川崇君、首藤新八君、  辻寛一君、纐纈彌三君、岡本茂君、  小林進君及び中村英男君が議長の指  名で委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  災害対策に関する件      ————◇—————
  2. 濱地文平

    濱地委員長 これより会議を開きます。  災害対策に関する件について調査を進めます。  この際、宮城北部地震による被害状況及び融雪等による被害状況について、関係当局からそれぞれ説明を聴取いたします。警察庁警備局倉井警備第二課長
  3. 倉井潔

    倉井説明員 お手元に三部資料を差し上げてありますので、その資料について御説明申し上げます。  初めに、北海道の、主として石狩川流域融雪による出水被害でありますが、四月の三日、四日に発生しております。全道の被害の集計がここに出ておりますが、これを申し上げますと、人的被害としましては、死者負傷者行方不明者はございません。罹災世帯数は六百三十八世帯ということになっておりまして、罹災者の概数は二千四百十二名ということになっております。それから建物被害でありますが、家屋全壊が六棟、家屋半壊が一棟、床上浸水、これは非常に多うございまして、五百九十一棟でございます。それから床下浸水が一千二百九十棟でございます。それから非住家被害が十棟、こういうことであります。その他の被害としましては、畑の冠水が十ヘクタール、道路損壊が二十四カ所、橋梁流失が十八、堤防決壊が九、山くずれ、がけくずれが七、鉄道軌道被害が二カ所、それから木材の流失、この百八十立方キロというのは誤りでありまして、三百三十立方キロメートルでございます。それから船舶の被害が一隻でございます。  三日、四日の被害は、北海道全域に発生しておりますけれども、主要なものは石狩川の本流でありまして、水位の上昇に伴いまして支流に逆流し、それから溢水したり、小河川はんらんがあったり、そうして低地帯溢水であります。  大きなものとしましては、石狩川支流当別川の溢水はんらんが大きいようであります。四日の午前五時ごろから当別町の当別橋の付近で氷雪が詰まって流水がせきとめられた結果、低地帯に水が流れ出しまして、自衛隊の住宅街でありますとか、それから同町の引揚者の住宅街に流れまして、一時は大へんな床上浸水がありまして、当別町長避難命令も発せられ、そして被害者は高台の小学校に避難させたという状況でございます。最高時には、二百八十五世帯、千三百六十名というような方々が床上浸水被害をこうむっております。床下浸水は四百五十世帯でございます。それから道路損壊が四カ所、堤防決壊が一カ所あります。しかし、翌五日の午前十時ごろには減水しておるのであります。  それからもう一カ所は、石狩川支流の幌向川の逆流、はんらんに基づいたものでございます。夜間に入りましてから幾春別川の合流点にあります水門工事現場付近から溢水しまして、岩見沢市の上幌向二俣部落方向に逆流し始め、ここの部落四十世帯が非常に危険になったので、岩見沢市長退避命令が出まして、その四十世帯のうちの二十世帯というものは非常な危険になって孤立したのでありますけれども、岩見沢署長以下の応援出動によりまして救出できたという状況になっております。この地域におきましては、床上浸水が四十世帯の二百名、床下浸水が二十二世帯道路損壊一カ所、堤防決壊一カ所ということでございます。  そのほか、床上浸水が十世帯以上の地域というのを書いておきましたが、江別市の八幡地区、砂川市の豊沼地区、羽幌町の上幌地区、宗谷郡の猿払村、それから網走川流域地区でございます。  以上が、三日、四日の石狩川流域中心とします融雪による被害状況でございます。  次は、四月の二十八日に、今度は北海道道南方面に発生した集中豪雨被害でございます。これも、ここにございますように、人的被害はございません。建物被害は、床下浸水が十棟、虻田郡の狩太町、胆振郡の白老町であります。そのほかは、橋梁流失五カ所、鉄道被害が三カ所というふうになっております。  次は、先般の宮城県の北部地震による被害を御報告申し上げます。  被害発生状況でありますが、これは、五月四日午前八時現在の数字でございます。人的被害としましては、死者が三名であります。負傷者が百九十七名、うち、重傷者が三十一名、罹災世帯が九百九十八世帯罹災者六千百八十五名というふうになっております。それから建物被害でありますが、家屋全壊が百六十一棟、半壊が八百三十七、一部損壊が一万一千六百五十七、非住家被害が一万三千五百七十一棟でございます。今回の地震被害は、比較的建物被害が大きいようでございます。特徴としましては、かわら屋根とか石造の家がやられたというようなこと、それから地震の振幅が南北にゆれたために、南北向き家屋が倒れている、こういうのが特徴のようでございます。  それから被害発生地域でありますが、一番ひどいのは田尻町と小牛田町のようであります。そのほか、ここにありますように、一市十六町二村に被害があったようでございます。  簡単でありますが、以上で御説明を終わる次第であります。
  4. 濱地文平

  5. 山内一郎

    山内一郎政府委員 建設省関係の、現在までに報告をとりました宮城北部地震による被害の概況を御説明いたします。お手元資料が参っておりますので、これに基づいて御説明いたします。  一番初めは、公共土木施設関係のうちの直轄災害でございますが、これに河川道路とございます。河川は、江谷川におきまして、護岸、それから堤防亀裂、この被害金額は、現在まで、二千五百四十万円、こういう報告を受けております。道路関係では、一級国道の四号線でございますが、古川市におきまして三カ所、路面の亀裂、それから橋梁等被害がございますが、復旧金額調査中でございます。  次は、公共土木のやはり補助関係でございますが、県では、宮城県、岩手県の二県でございます。おもな被害地は、ここにございますように、宮城県におきまして、古川市、石越町、築館町、鹿島台町、南方村、こういう被害地中心地河川道路橋梁でございますが、一番右に現在の被害報告額が書いてございます。河川が二十カ所で八千六百万円、道路が四十七カ所で二千二百万円、橋梁が二十九カ所で一千六百万円、合計九十六カ所、一億二千五百万円、なお、岩手県におきまして、花泉町で橋梁の一カ所だけ被害報告が参っておりまして、二百二十万円、合計いたしまして九十七カ所一億二千七百万円、こういう状況でございます。  次は住宅関係、これは住宅局関係でございますが、便宜上申し上げます。市町村名全壊半壊、一部破損、こういう区別をして書いてございますが、ここに書いてございますように、全壊古川市外十四町村で百九十一戸、半壊が九百戸、一部破損が二万三千七百六十三戸となっております。これはちょっと記録が古うございまして、五日現在で全壊が三百四十戸、半壊が千百十四戸、こういうふうになっております。  最後は都市関係、これも都市局関係でございますが、古川市の街路におきまして被害額約二十万円の被害があった、こういう状況でございます。  それから雪解けにつきましては、資料はお配りいたしておりませんが、例年のごとく、一月、二月、三月、四月にわたりまして冬季風浪雪解け災害がございますが、おもな被害県は、北海道青森秋田新潟福井県でございまして、総計いたしますと、現在までの被害報告額は四十二億七千九百万円、こういう額に上っております。  一番大きいのは北海道でございまして、十億一千百万円、青森が四億二百万円、秋田が五億七千三百万円、新潟が三億五千四百万円、福井が七億四千九百万円、大体以上の通りでございます。
  6. 濱地文平

  7. 富谷彰介

    富谷説明員 農林省関係被害額を申し上げます。  本年一月以来現在までに発生いたしました農地局関係農地被害は四千二百万円、農業用施設が二億九千三百万円、その他合計いたしまして三億五千三百万円となっております。この中には、今回の宮城県の地震によります被害額一億九千六百万円という報告が県から参っております。  次に、北海道その他各地で出ました融雪水害状況ですが、農地被害額千三百万円、農業用施設被害額四億四千六百万円、その他合計いたしまして四億五千九百万円となっておりまして、そのうちで一番大きいものが北海道の一億五千五百万円でございます。  以上が農地関係でございますが、山林関係被害額を申し上げますと、本年一月から現在までに発生いたしました被害額、これは山、施設両方を含めまして七億三千三百万円となっております。内訳で一番多いのが、北海道の三億七千四百万円という被害額になっております。現在農林省では、北海道融雪水害関係につきましては、現地係官が参りまして調査中でございます。なお、宮城県のものに関しましては、県と打ち合わせの結果、明日より調査いたすことになっております。  以上でございます。
  8. 濱地文平

  9. 長谷川峻

    長谷川政府委員 私は選挙区の関係がございますから、ちょうど官房長が出席いたしておりますので、官房長から御報告いたします。
  10. 宮地茂

    宮地(茂)政府委員 それでは、文部省関係で、特に宮城県の北部地震につきまして、係官が出張いたしまして、また県からの詳細な報告を徴しておりますので、この点を御説明申し上げます。  今回の宮城県の北部地震文教関係被害を申し上げますと、公立学校関係でございますが、小学校五十校、中学校三十一校、高等学校十五校、計九十六校が被害を受けております。その被害額の総計は一億一千万余でございます。それから、ほかに私立学校、それから公民館等被害が約三百万余でございます。従いまして、一億一千四百万近くの被害額になっております。  今回の被害特徴でございますが、学校建物関係では、倒壊はございませんが、半壊と認定される建物が相当ございますし、また、外観の損傷は軽微でも、構造的に破損しておるものが相当含まれておりますので、実態調査その他詳細調査をいたしますれば、被害額が増大するのではないかというふうに考えられます。  復旧措置につきましては、目下、民家公共施設等被害が大きいので、学校では被害個所の清掃とか応急措置といった程度にとどまっております。ただ、授業は平常の授業をいたしております。また、日ごろ火災等避難訓練が徹底しておりました関係上、児童生徒被害というのはごく軽微でございまして、重傷を受けた高等学校生徒三名がおりますが、これは天井裏から電灯が落ちてきたので、びっくりして屋根から飛びおりたという生徒が三名重傷を負っておる程度でございます。  大体概要は以上の通りでございます。   〔委員長退席古川委員長代理着   席〕     —————————————
  11. 古川丈吉

    古川委員長代理 質疑の通告がありますので、これを許します。大石武  一君。
  12. 大石武一

    大石委員 私は、特に宮城北部地震について二、三の質疑をし、なお希望を申し述べたいと思います。  この宮城北部地震につきましては、私も去る三日、四日の両日にわたりまして現地調査して参りましたが、あまりにもみじめな状態に非常に心を痛めて参ったのでございます。何とかしてこの復旧事業を急速に行なって、一日も早くもとのように明るい住民の生活を取り戻さなければならぬ、こういう決意をいたしまして、ぜひとも政治力を結集してその復旧事業を早急に完成してもらいたいと心から念願しておる次第でございます。  先ほど宮城県知事から陳情がありました通り、現在被害総額は二十四億五千万円でございます。御承知のことと思いますが、地震の場合はどうしても被害がだんだんあとからふえて参ります。たとえば住宅の柱が折れたのをあとから気がついたとか、だんだん出て参りますので、おそらくは、もっと正確な数字を集めますと、この二十四億五千万円をこす金額になることとは思いますけれども、この二十四億の金額にいたしましても、被害町村が二十カ町村であり、しかもそのうちには軽微なところも相当ございますので、おそらく十カ町村くらいが相当な被害激甚な町村となるわけでございます。従いまして、十カ町村で二十数億の被害を受けたということは、これは復旧に非常に大きな負担を要するということになるわけでございまして、その点を十分に勘案しまして対策を立ててもらいたいと思う次第でございます。こういうわけでその二、三についてお聞きしたいのでございます。  実は建設省河川局にお尋ねしたいのでございますが、ただいまその御報告にもありましたように、堤防亀裂なりその他の被害が出てきております。これは今、江合川一カ所の護岸個所しか出ておりませんが、おそらくはほかの河川にももっとあることだろうと考えられます。従いまして、一日も早くこれらの被害調査してもらいたいと思うのであります。それから、御承知のように、六月、七月にはもう出水期になります。そうしますと、堤防亀裂の生じたまま放置しておきますと、出水期にどのような水害を引き起こすか、これははかり知れないものがございます。従いまして、この堤防その他護岸につきましては、一日を争うほどの早急な対策を講じて、出水期に万全を期さなければならぬと考えております。そういうわけで、この護岸調査あるいはいろいろな災害査定と申しますか、それらのことにつきましては、すでに万全のお手配をしておることと思いますけれども、現在までどのような方策を講じておられるか、そしてまた、今後どのような方策を講じられるかということを一応伺っておきたいと思います。
  13. 畑谷正美

    畑谷説明員 今回の被害は、今お話通りに、これから出水期を控えておりますので、特に河川護岸堤防、これが今後最も重要な問題になると思います。私の方としては、きょう査定官現地に派遣いたしまして、とりあえず出水期までにしなければならぬ護岸堤防、そういうような問題点現地において直接指導、協議をいたしまして、すぐ工事にかかれる手配をいたしております。  それから、もう一つ、前にお話がありましたように、地震災害ですから、表面に出た格好だけでは非常にわからない問題があります。この点につきましては、今後とも引き続き十分な調査あるいは監視をいたしまして、今後の様子を見ながら、それが早くわかり次第どしどし災害に取り入れまして、そういう手配も万々怠りなくいたしたい、こういう手配をいたしております。
  14. 大石武一

    大石委員 ただいまの防災課長さんのお話を聞きまして、非常に感謝する次第でございます。どうかそのような方針で万全を期せられるように心から願っておきます。  次に、農業関係について少しお尋ねいたしたいと思います。これはいろいろな災害対策が今までの経験でできておりますから、あまりきまったことは抜きにしまして、多少、今後どうしていいかわからない点について御質問いたしたいと思います。  一つは、もちろん、水路の復旧であるとか、いろいろな問題がございますが、それは当然間違いなくりっぱな収穫ができるように、時期を間違わないで、そして再建に努力してくれると思いますので、これは省きまして、小さい問題のようでありますが、宮城県の北部には新しい開田がたくさんございまして、被害調査におきましてもおそらく数千町歩に上ると思います。これは今まで畑であったところ、あるいは傾斜地ヤブ畑を、反当三万、五万という金をかけまして、開田して米を作っておる。ここ四、五年そのような傾向がはやったのでありますが、そのようなことをして開田したものが数千町歩ございます。この開田というものが相当程度——くろと申しますか、傾斜地でありますから、この傾斜地に面したくろがみんなくずれ落ちまして、水をたたえることができない。従って、この開田はことしは使えないようなところがたくさんあるわけであります。これをどのようにして復旧するか。これを復旧するには反当一万か二万の金がかかるのでございまして、こういうことにつきまして、その費用の分担と申しますか、全部個人負担か、どうなるのか、それからその費用はどのようにして借り入れるのか、そういうことについてお考えをお伺いいたしたいと思います。
  15. 富谷彰介

    富谷説明員 ただいま御質問のございました融資によります改善復旧でございますが、これはおそらく非常に規模の小さいたんぼがあちこち散在している格好ではなかろうかと思います。小災害査定は、今のところ県から報告がございませんので、だいぶ時間がかかると思いますけれども、とりあえずの復旧といたしましては、やはり農林漁業金融公庫から融資を受けられておりますので、それに基づいて復旧するということではなかろうかというふうに考えておりますが、なおよく検討いたしまして遺漏なきを期したいと思います。
  16. 大石武一

    大石委員 次に、今度の地震で非常にいたんだり、倒れたりしております。ことに、住家でない、いわゆる農家の作業場あるいは堆肥舎というものが大部分崩壊しております。これをどうするか、こういうものに対してはどのような融資なり補助の道がありますか、それをお伺いいたします。
  17. 坂村吉正

    坂村政府委員 ただいま御質問共同利用施設とか個人施設についての災害復旧については、今までの例にならいまして、融資の道を——主として農林漁業金融公庫でございますが、十分一つ検討いたしまして、万全を期したいと考えます。
  18. 大石武一

    大石委員 わかりました。  それから、これも今までの例があることと思いますけれども、今度は農業倉庫、ことに米の一ぱい入っている石積みの倉庫がほとんどくずれまして、使えない場面が非常にございます。これに対してもやはりいろいろな方法があると思いますが、これはいずれ六月には梅雨が参りますから、今のままではとても米の保管はできないわけです。そうすると、急いでそこから米を出させるか、応急の手当をしてこれを防ぐということしかないのでありますが、応急に米を出させるならば、それだけ農協に経済的な打撃を与えることになりますし、何か応急対策を講じなければならぬわけでありますが、そのようなことに対してはどのような方法がございましょうか。
  19. 坂村吉正

    坂村政府委員 農業倉庫の米の問題については、当面どういう扱いがありますか、食糧庁の関係の問題でございまして、私ちょっと的確なお答えを申し上げるわけには参りませんけれども、農業倉庫自体がこわれたとか、つぶれたとかというものにつきましては、先ほど申し上げましたように、農林漁業金融公庫あるいはその他融資の道を十分一つ考えて参りたいと思っております。また、共同利用施設につきましては、暫定措置法によって補助の対象にもなっておりますので、そういう点からも十分一つ検討してみたいと思います。
  20. 大石武一

    大石委員 それから続いて伺っておきますが、農協建物地震ですっかり傾いて、今後使用にたえないところがございます。これは一カ所か二カ所でございまして、小さい問題でありますが、こういうものに対してどのような融資の道がございましょうか。
  21. 坂村吉正

    坂村政府委員 今まで災害のつど、農協建物等がつぶれました場合の措置については、いろいろ問題があったのでございますけれども、今まで政府として特別にこのための措置を講じた例はないのでございます。大体私どもといたしまして、全体の農協の陣営の中で、これは信連の融資なり、あるいは農林中金の融資なり、そういうような形で、農協事務所等建物についての復旧はお互いに助け合ってやってもらうように、こういうようなことで指導していきたいと思います。
  22. 大石武一

    大石委員 次に、これは建設省住宅の方の関係だと思いますが、民家がひどくやられまして、数字を見ましても、今までにわかっている数字が大体二万三千七百六十三戸ございます。これはわずかの一部破損である、こう書いてあります。実際われわれが現地を回って見ますと、しろうとが見てもわかるのでありますが、家の中に入りますと、別に家はひどく傾いておらない、普通のような格好をしておりますけれども、なげしとか柱が折れたり、それから部屋部屋の間の継ぎ目がはがれたり、いろいろな被害を受けております。これを直すのに、五万、十万では直すことのできない被害を受けておる。あるいは屋根がわらが落ちておるとか、こういうようなことについては、もちろん融資なり補助の道があると思いますが、これは個人民家の問題でございますけれども、これに対してはどのような措置を講ずるのでございましょうか。
  23. 尚明

    ○尚説明員 個人住宅につきましては、御承知のように、住宅金融公庫災害特別貸付がございまして、これは新築と補修費両方について融資が行なわれます。それで、今御指摘がありました補修費も、十数万円まで貸付ができるようになっておりまして、これにつきましては地区を指定しなければなりませんので、大蔵省と共管になっておりまして、ただいま建設省大蔵省において手続中でございまして、近日この災害に関しては告示が行なわれまして、いずれも公庫からの融資が受けられる体制になる予定になっております。
  24. 大石武一

    大石委員 今のお話で、補修とか改築に要する費用の一部を融資が受けられるということでありますが、大体どのくらいの金額で、どのくらいの年限で、どのくらいの利子でありましょうか。
  25. 尚明

    ○尚説明員 こまかい数字はちょっと忘れたのでございますが、新築が三十五万円で、補修が十六万円を限度といたします。条件は、十八年、五分五厘、そして必要に応じて据え置き期間を三年くらいまで置ける、そういう条件になっております。
  26. 大石武一

    大石委員 補修が十六万円、改築が三十五万円では非常に少ない金でありますけれども、これはいずれあとの問題として、その点は了承いたします。  次に、文部省関係にお伺いしたいのでございますが、この前、政策審議会におきまして、公立学校なり、そういった建物災害復旧する場合には、たとえば前に木造であったものを今度は鉄筋コンクリートになし得るというような法案を審議したような記憶がございますが、そのような方法はございますか。それが国会を通っておりますか、どうでしょうか。
  27. 宮地茂

    宮地(茂)政府委員 これは、この国会に激甚災害法が出ておりますが、いまだ通っておりません。それで、文部省の方といたしましては、激甚災害法との関連がございますので、文教施設、特に学校被害を受けました場合に、一般の場合でもいわゆる改良復旧ができるようにという改正案を出しておりますが、まだ通っておりません。それで、一般法としましては、三分の二の補助ということで原形復旧ということになっております。
  28. 大石武一

    大石委員 あの法案が通っていないのは非常に残念だったと思いますが、やむを得ないことと思います。  次に、これも小さな問題でございますが、二、三の町村において、役場が非常に傾いて使用不可能になっているものがございます。これにつきましては、当然起債なりが認められるものと思いますが、いかがでございましょう。これは自治省関係でしょうか。
  29. 山本悟

    ○山本説明員 ただいまの役場関係の庁舎の災害を受けたものでございますが、それにつきましては、例年通り、単独災害復旧事業債の対象になっておるわけでございます。
  30. 大石武一

    大石委員 最後にもう一つお尋ねいたします。これは大へんむずかしい問題かと思いますが、たとえば中小企業の酒屋さんであるとか、あるいは食料品店であるとか、そういうところでは、地震によってみんなびんがこわれまして、数十万円、あるいは多いところでは数百万円の被害を受けたうちが相当あるわけでございます。これにつきましては、何かこれに対する融資の道が当然あり得るものと思いますが、どのような道がございましょうか、お聞きしたいと思います。——関係の方がおられなければ、仕方ありません。  いろいろお聞きして参りましたが、その対策につきまして多少認識を得たことを感謝いたします。ほかにも質問者がたくさんございますので、私の質問は一応これで打ち切ります。
  31. 古川丈吉

    古川委員長代理 西宮弘君。
  32. 西宮弘

    西宮委員 私は農林省関係についてだけお尋ねをしたいのですが、ただいま大石委員からいろいろ御質問されましたので、ダブらないようにして御質問いたしたいと思います。  先ほど農地局の参事官から被害の総額等について一億九千六百万というお話があって、農地農業用施設でそういう金額だというお話であったのでありますが、その言われた農業用施設は何をさしておられるのか、ちょっと内訳を聞かして下さい。
  33. 富谷彰介

    富谷説明員 水路でございますとか、ポンプ場でありますとか、そういった構造物でございます。
  34. 西宮弘

    西宮委員 そうしますと、さっき大石委員もお尋ねをしておりましたが、例の農業倉庫ですね、そういうのは含んでおりませんか。
  35. 富谷彰介

    富谷説明員 含んでおりません。これは農地局所管の農地農業用施設被害額であります。
  36. 西宮弘

    西宮委員 現在の状況から申しますと、私どもも現地に参りまして非常に被害の深刻なのに驚いたのでありますが、さっきお話のあった、これは主として農地局関係のお調べになったものだと思いますが、それ以外の問題で、たとえば苗しろの被害、これは経済局の所管かと思いますが、振興局ですか。——要するに、苗しろが非常に激しくゆられたために、苗が浮き上がってしまって、そのまま枯れてしまったというようなのが相当ありまして、今調べたところでは、十七万坪ばかりになっておるわけでございますが、これも相当の被害があるわけです。こういうのに何らかの対策があり得るかということが一つの問題でございます。
  37. 坂村吉正

    坂村政府委員 苗しろのやられた被害に対する対策は振興局でやる仕事かもしれませんけれども、対策といたしましては、追いまきをする指導をさせるとか、苗についてだめなもの、間に合わないものはほかから補給をさせるとか、そういうあっせんの仕事をやっておるのでございますけれども、今のところは、はなはだ何でございますが、十分的確なお答えができるような状況でございませんので——官房総務課長が来ておりますから……。
  38. 石田朗

    ○石田説明員 お答え申し上げます。お話ございましたように、先ほど農地局の参事官が申しました農地農業用施設被害のほかに、県からの報告によりますと、苗しろにおきまして約二千六百万、農協施設等で七千四百万の被害があるという報告が参っております。苗しろ被害につきましてどのように対処いたすか、これはなかなかむずかしい問題があるわけでございます。私ども県と連絡いたしましていろいろあれしましたところでは、苗しろ被害と申しますのは、地震を受けましてそのために浮き苗等を生じたというのが多いようでございまして、被害面積もかなりにわたっておりますが、その中でまき直しを要しますものが、今までの調査では約十七万坪というふうにいわれております。これにつきましては、県と連絡をとりまして、県からも十分御指導願いまして、その種もみの確保等に万全を期しておるところでございます。現在までのところ、県外から種もみを持ってこなければならぬというようなことはないかと思いますので、宮城県と連絡をとって、できるだけ指導に万全を期すようにいたして参っておる次第でございます。
  39. 西宮弘

    西宮委員 今の点については、経済的な損害に対する補てんの方策というのはありませんか。補助金を出すとか、そういう道はないのですか。
  40. 石田朗

    ○石田説明員 この問題につきましては、今の経済的補てんの問題になりますと、全般的な経営に関する被害をどう見るかという問題であろうかと思います。これにつきましては、全般的な制度といたしましては天災融資法等の制度がございますが、この天災融資法につきましては、国民経済に影響を及ぼすような大きなものにつきまして、政令で特に指定をいたしまして発動いたすようになっております。この面からの措置がとり得るかどうか、今までの農業被害では、従来の形からいたしますとむずかしいように存ぜられますが、そういう面でどういうふうに今後考えて参るかは、被害状況に応じて措置いたさなければならぬかと思います。それ以外については、一種の個人被害でございして、補助金等の措置はなかなか簡単には参らないというのが従来の例ではなかろうかというふうに思っております。
  41. 西宮弘

    西宮委員 それでは、あまり前に例がない、ことに苗しろがそういう状態で苗が枯れてしまったというような例は今までにないと思いますから、従って前例としてのそういう適切な方策がなかったのだろうと思いますが、これを一つの新例にして十分研究されたいと思います。前例に徴して今ここで即座に御返事をもらうことはできないかもしれませんけれども、十分御勉強をお願いしたいと思います。  それから、たとえば畜産関係等で畜舎とかサイロとか、ああいうものがこわれたり、くずれたりしておりますが、こういう点についてはどうでしょうか。
  42. 坂村吉正

    坂村政府委員 個人施設の場合におきましても、共同利用施設の場合におきましても、できるだけ農林漁業金融公庫その他の融資措置いたしたいというふうに考えております。
  43. 西宮弘

    西宮委員 今のような問題は、要するに対策としては融資があるということですな。  それでは、先ほど大石委員もお尋ねしました農業倉庫の問題ですね。あれも融資対策があるというお話だったのですが、あの場合はどうでしょうか、例の農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律に基づくところの補助があってしかるべきだと思うのですが、その点はいかがですか。
  44. 石田朗

    ○石田説明員 ただいまお話がございましたが、協同組合等の所有管理いたしております共同利用施設、これにはいろいろなものがございますが、これにつきましては、現在、農地農用施設等の災害復旧暫定措置法によりまして、二割の補助があることになっております。
  45. 西宮弘

    西宮委員 今の農業倉庫に適用するというわけにはいきませんか。
  46. 石田朗

    ○石田説明員 農業倉庫につきましても、やはり共同利用施設として作られましたものは同じような取り扱いになっております。
  47. 西宮弘

    西宮委員 これは融資の問題があるそうでありますが、融資だけではやはり容易でないので、ぜひ今の暫定措置法を適用して補助を出してもらうという方針を決定していただくように、むろん、現実の被害等は十分調査しなくてはおわかりにならぬと思いますけれども、それはぜひやってもらうように特にお願いしておきたいと思います。  それからもう一つだけ、自創資金のことでありますが、これはワクの拡大、あるいは先ほど融資限度額の引き上げという点についても陳情があったわけでありますが、その二点、ワクの拡大及び融資の限度を引き上げるという問題について、どうでしょうか。
  48. 富谷彰介

    富谷説明員 融資限度の方は、三十七年度から二十万円が三十万円になりましたばかりで、従って、一戸当たり十万円ふえましたワクで各県別に割り当てておるような次第でございます。従いまして、現在災害がございましても、これに必要な災害復旧資金等は、そのワクの中の自作農の維持資金の方をお使い願います。もしそのワクが足りなくなった場合に、増ワクという問題が出るかと思いますけれども、私どもの考え方といたしましては、この災害のために特別ワクを設定いたしますのは、天災法の指定がございました場合に、それに伴ってワクの追加ということを考えておりますので、天災法の発動その他と見合った上で考えるようにいたしたいと思います。
  49. 西宮弘

    西宮委員 現在宮城県では一億四百万ほどのワクをもらっておるわけです。今度の災害で、これは思わざる災害に出会ったわけでありますから、これではとうてい足りないので、少なくともこれと同額以上のものをもらわないと、とうていこれに対処できないと思うのです。その意味で、ぜひワクの拡大をお願いしたいということで、これはどのように検討してもらえるか、もう一ぺんお伺いしたいと思います。
  50. 富谷彰介

    富谷説明員 留保ワクといたしましては、実はまだかなりの留保がございます。ございますけれども、この災害のために増ワクいたします場合は、さっき申し上げました通り、天災法の発動があったところを特に重点的に増ワクの対象と考えるということでございます。従って、この宮城県の場合にも、天災法の発動の状況というものを将来見ながら考えるということになるわけでございます。
  51. 西宮弘

    西宮委員 災害という特別な事情ですから、その意味で特別な考慮が必要だと思うのであります。しかしながら、自創資金のワクをふやすという問題は、必ずしもそういう特殊な事情がなくても従来あり得たのですから、そういう面で天災法と必ずしも関係なしにワクをふやすということはできるんじゃないですか。
  52. 富谷彰介

    富谷説明員 大体従来の例を見ますと、留保分を二十数億円持っておりましても、年度内に災害が非常にたくさん起こるものですから、逐次天災法の発動につれて増ワクしていくという関係で、ほとんど毎年使い果たしております。そういう関係もございますので、直ちには先生のおっしゃった通り措置はむずかしいかと思いますけれども、一つ研究させていただきます。
  53. 西宮弘

    西宮委員 これは、私の方では一億数千万円のワクをもらいたいということでありますが、金額のことは役所としても十分検討しなくてはならぬでしょうから、その上での判定でけっこうだと思いますけれども、できるだけ——今一億少々のワクをもらっておるのですが、少なくともこの程度あるいはこれ以上のものが今度はどうしても必要だと思うので、その点だけ十分認識をしておいていただくようにお願いをいたします。  それからさっきの限度額の引き上げの問題、これはこういう特殊の事情のもとでもできませんか。
  54. 富谷彰介

    富谷説明員 貸付の限度を引き上げますと、当然のことでございますけれども、一方その対象になります戸数が減って参りますので、限度の引き上げと同時に、総ワクの増加ということを三十七年度は初めて行なったようなわけでございます。従って、今の御質問のように、さらにこの三十万円のワクを引き上げるということは非常に困難かと考えます。
  55. 西宮弘

    西宮委員 その点は、私前段に申し上げた、今度の災害用のワクをふやしてくれという問題と関連をして検討してもらいたい問題なんでありまして、今あるそのワクの中で限度を引き上げるということでは該当者の数が減ってしまうでしょうから、それはまことに困るので、むしろこの機会に該当者が非常にたくさんに出るということが予想されるわけですから、それでは全く結果は逆になってしまう。私の言うのは、もちろんそういう意味ではないので、限度の引き上げと同時にワクの拡大をしてもらいたい。ワクの問題を先にお話したものですから、それを前提にしての考えでしょうけれども、ぜひワクの拡大と限度の引き上げという二点について、数字のことは十分検討していただいて、現地の要請にこたえることのできるように、ほんとうに現在困っておりますから、応急並びに恒久の対策が立てられるように、ぜひその点はお願いしたいと思います。  それで、私は、重複を避けて二、三の問題をお尋ねいたしましたが、何しろまだ本省としての十分の調査ができておらないようでありますから、具体的な金額その他に触れての答弁をいただけないということは非常に残念でありますけれども、まだ時間もあまりたっておらないのでまあやむを得ないかと思われる節もあるので、一つ早急に実態を調査されて、有効適切な対策をこれまた早急に立てていただくように、特にこの際奮起をしてもらうようにお願いしたいと思います。
  56. 古川丈吉

    古川委員長代理 日野君。
  57. 日野吉夫

    日野委員 私もすぐ飛んで行って災害地を見て、意外にこの災害程度のひどいのに驚いて参っているわけであります。そこで、調査資料等も、五月二日のものとか、五月四日、七日というふうにいろいろ持っております。被害の額がだんだんふえてきています。今、宮城県の知事の説明を聞いても、これが最終のものじゃない、もっと詳細な調査をすればふえるだろう、こう言っておられるので、調査が非常に困難な事情はよくわかるのです。今まで災害をわれわれもいろいろやりましたけれども、地震災害対策は今度初めてなんで、そういう点から、困難な事情はわかりますし、小範囲であるということと、被害総額から見ると小さいようですけれども、これはその振幅の範囲内において全部が多少にかかわらず被害を受けているのですから、そういう意味において特徴があると考えるので、役所関係等でもまだ十分な調査が出ていないと思うのです。それで、早急にこれはやはり調査の正確を期さないと、対策の正確が期せないので、国会等でもいろいろ調査団等を考えておられるようですが、役所関係でも調査の迅速正確を期するため、一つ早急な調査団というか、調査網を完全に使うとか、そういうことを考える必要があるのではないかと考えますし、対策についても、従来の災害対策と違ったいろいろのケースがあるので、その適用を研究するというような答弁が出ておるのですが、きょうは関係各省の全部がそろっていないで、文部政務次官建設政務次官と二人だけだから、関係省の次官会議でも開いて対策を立てるお考えが両次官にあられるかどうか、聞いておきます。
  58. 木村守江

    ○木村(守)政府委員 今回の地震による災害はきわめてまれなる例でありまして、その上、今日に至るもまだ正確な調査ができておりません。従って、査定官をきょう建設省では出しましたので、その結果を待ちまして、必要に応じまして各省の連合会議等を催しまして、的確な対策を講じて参りたい考えでおります。
  59. 長谷川峻

    長谷川政府委員 文部省は、すでに二名の係官を派遣して、全部現地調査して資料を持ってきたものを御報告申し上げたのであります。しかしながら、私、罹災地の一人としますと、この委員会で御発言がありますように、各省、そうして非常に細部にわたっております。たとえば国民金融公庫の問題一つにいたしましても、あるいは市中銀行の特融の問題にしても、あるいは信連あたりの融資の問題にしても、あるいは農業倉庫の補償の問題とか見舞金の問題にしても、非常に細部にわたっておると思いますので、問題の所在については、日野委員が言われたように、やはり一つのアドヴァイスとして、政務次官の会合のときなどにこれは御研究願って、ここで事務当局がお答えできなかったような問題について、政治的な方針といいますか、そういうようなものを御研究願うのも、私は一つの考えじゃなかろうかと思う次第でございます。  この際に申し上げておきますが、文部省といたしましては、御承知のように、午前十一時半ぐらいの地震でありました関係もありますが、とにかく小中学校生徒にけが人がなかったということ、これは最近の教育状態からして、現場の先生方が災害にあたって生徒の誘導よろしきを得たということから、私は現場においても賞揚して参りまして、非常の際において子供のけがのなかったことから、父兄が非常に先生を尊敬しておる、そういう意味でほめても参りましたが、これから先もそういうふうにやってもらいたい。一方、学校の環境の整備については、ちょうど私も視察したものですから、帰って参りまして、関係局長あるいは課長とも相談をして、ちょうど今予算の配賦のときでもありますし、先ほど官房長説明したように、三分の二の原形復旧ということもあるけれども、何さま、あの通り貧乏な地方が老朽校舎をかかえて、そこえ災害がきたものですから、こうしたときに、いろいろ政治の手心のよさを一つ示してやる方向に持っていっていることも、日野委員に御了承願いたい、こう思っている次第であります。
  60. 日野吉夫

    日野委員 まあ熱心に取り組んでおられる姿はよく見受けられるのでありますが、今の発言中に、次官会議等のついでに御研究願ってというようなことでありますが、やはりこの種のものは、熱心に取り組むならば、この問題について一つ関係次官会議をあなた方の力で盛り上げていただいて、それでぶつかっていかないと、あなた方のせっかくの熱心なあれが効果が上がらないことになりはしないかと思うので、ついでにそこまで乗り込んで取り組む、こういう決意を一つほしいと思うのです。  それで、私は主として公共土木関係のことで木村政務次官と建設省関係の方に伺いますが、やはりこの建設省資料を見て、まだ調査がついていない、こう見るのです。直轄災害護岸決壊があるのですが、この直轄災害補助災害との関係ですね、路面亀裂を生じた一級国道四号線、古川市の江合がここに出ているんですが、同じ一級国道の四号線で古川から築館の間、この関係は今工事中なはずですが、工事中だから、新しく土盛りしたところが決壊し、亀裂を生じ、せっかくかけた橋のコンクリートが離れてしまったというような大被害があるのですが、これは請負者がまだ完成していないということで全部その職員にまかせて、建設省関係しないということだと、これは非常に危険な事態が起こると思うのですが、こういうのをどう評価しておられるのか。こっちの補助災害の方に、四号線(築館町)道路四十七カ所と出ておりますが、これは特に地建等を督励して調査の完全を期させる。これは土盛りは留岡組かどこかがやった、それに日本舗道が舗装をやるんだということで調査しているところにちょうど僕が出っくわしたので、連中からいろいろ事情を聞いたけれども、僕の心配はどうもこういうところでますます深まるのですが、同じ一級国道四号線でありながら、こういうふうに、補助災害の分と、それから直轄災害として区別しているのは、工事中の関係かどうか、その点ちょっと……。
  61. 村上永一

    ○村上説明員 四号線につきましては、古川市の先の江合橋までは建設大臣が直轄で管理しております。ですから、江合橋までは、こわれれば、全部建設大臣が直轄で復旧する責任がございます。それから江合橋から先き、築館との間、ただいまお話のあった問題でございますが、これにつきましては直轄でもって工事中でございますが、工事中の災害は、直轄として工事中の手戻りで復旧するようにいたしておりますので、それを含めまして直轄としてあげたのでございます。金額につきましては、ちょっと休暇中その他ありましてけさ参った資料がございますが、江合橋は多少調査がおくれておりますけれども、その他につきましては、直轄で約千二百万ほどの復旧費が要るのでございます。そのほかに、江合橋のけたが食い違っておりますが、これの復旧は四、五百万ぐらいでできるのじゃないかと考えております。従って、合計いたしまして千六百万ぐらいの直轄道路復旧費が要るという予定でございます。
  62. 日野吉夫

    日野委員 そういうことが今の課長さんの説明でわかったのですが、そうなると、この数字はその被害が正確にわからないと出ないわけですね。今出ている数字とはだいぶ違うわけでしょう。
  63. 村上永一

    ○村上説明員 プリントに、直轄の国道とありますところ、約千七百万くらいになる予定でございます。
  64. 日野吉夫

    日野委員 その点はわかりました。  その先の現に工事中のもの、この種の災害で受けた損害を全部請負者の負担に負わせるということについては、大きな問題が起こると思いますが、これは何か別な災害復旧の費目から追加するとか、何かそういう法律はありますか。
  65. 村上永一

    ○村上説明員 それは、大体工事中の災害でございますと、手戻りとして処置いたしまして、改築費の方でこの程度のものでしたら見るようにいたしております。
  66. 木村守江

    ○木村(守)政府委員 ただいま日野先生の御質問ですが、今度の地震による災害は、不可抗力の災害でありまして、請負者が怠慢なためとか、あるいは故意に起こった災害ではないのであります。そういう点からかんがみまして、工事中に不可抗力の災害でもって損失をこうむりました場合には、その損害を請負者にだけかけるというようなことはありません。従って、これは建設省におきましてその査定額に見合う金を改良の費用から出して補てんするようになっておりますから、御心配は要らないと思います。
  67. 日野吉夫

    日野委員 その災害復旧のために建設省で見てやる、それは何で見ますか。
  68. 村上永一

    ○村上説明員 この程度の手戻りでしたら、直轄の改築費が三十七年度のものがございますから、この中から見るようにいたします。工事中で、ここに改築費がついておりますので……。
  69. 日野吉夫

    日野委員 こういう点も、今のような答弁ではきわめてあいまいなんですが、こういう事態が起こった場合の建設省の方針というものを明確にきめておいてやらぬと、請負者の方でも非常に不安だし、完全な復旧ができない、そういう心配があるので私申し上げておくのですが、こういう意味からも、次官会議とか、あるいは関係各省の——閉会中は直ちに法律もできないでしょうが、行政措置でも私はできると思う。そういうあれで一つ対処していただきたい、こう注文をいたしておきます。  道路関係では、そのほかに県道やいろいろのものがめちゃくちゃに亀裂を生じています。こういう点でも建設省が十分指導性を発揮しないと、県だけあるいは町村だけではとてもやれないと思うので、これらの点にも一つ十分な配慮を願っておきたい、こう考えるわけです。  河川局長は帰ったようですが、さっき知事からも話があり、大石君からも話がありましたけれども、迫川という川があるのです。これはあばれ川で、しょっちゅう災害をこうむって、復旧事業がもうだいぶ進んではいるのですが、これが雨季を迎えて今の状況だと、堤防にひどい亀裂を生じていますから、非常に危険です。こういうものを雨季前に——これは県が代行しているのですか。河川はやはり建設省が十分に調査をし指導をして完全な施設をやらせるようにしないと、しょっちゅう災害に見舞われているところで地方民が非常に不安を持っているので、こういう点も建設省で十分指導性を発揮してもらいたい。一度みんなであの辺を見ていただきたいと思っているのですが、そういうところまで一つ乗り出してもらいたいと思うのです。  そのほかにまだたくさん聞きたいことがありますけれども、今のお話で、何割が原形復旧で、何割が改良復旧というようなことを言っておられますけれども、今ごろそんなことを言われるのは少しおかしいのじゃないかと思うのです。もう復旧というのは、原形復旧という観念を捨てて、木村次官あたり、災害に対して全部改良復旧という  一つの原則を打ち出して、これと取り組む要はありませんか。改良復旧に対する御意見を次官から伺いたい。
  70. 木村守江

    ○木村(守)政府委員 今、迫川のお話が出ましたが、迫川は、私も行って見まして、よくわかっております。あの川の堤防が非常な亀裂を生じて、出水期に向かって非常に不安を感じている、ごもっともだろうと考えています。そういう点から、建設省から査定官を二人つかわしまして、現地において状態を詳細に査定いたしました後に、現地において指導しまして、出水期までには皆様方の御心配のないような復旧をいたしたいというような考え方を持っております。  それから、ただいま災害復旧の問題で、原形復旧あるいは関連復旧、あるいは関連助成の問題が出ましたが、御承知のように、つい二、三年前までは、災害復旧というのはほとんど原形復旧であったのであります。きわめてまれに関連事業を行なったような状態でありますが、昨年度あたりからこれを大きく変えまして、現在におきましては、原形復旧というようなことでもって災害復旧をやっておりません。関連事業を大きく取り入れて災害復旧をやっておるような状態であります。ただ問題は、この災害関連ということに名をかりましてこの際みんなできるだけやってしまおうというようなことでは、また国費に際限がありますから、そのけじめが非常にむずかしい問題でありますが、現在の状態では、先生がおっしゃる通り災害関連事業あるいは助成事業等によりまして、原形復旧でなく、再度災害の起こらないような災害復旧並びに災害関連事業をあわせ行なっておるというような状態であります。しかしながら、この問題につきましても、なおもう一歩進んでもっと完全なものにしようというようなお話でありますので、その前に実際の問題を検討いたしまして、御趣旨に沿うようにいたしたいと考えております。
  71. 長谷川峻

    長谷川政府委員 どうも私も、政府委員のところにいるよりも、そちらの委員の席でお話し申し上げ、当局に要望した方が早いのですが、災害の起こったのが三十日の午前十一時で、私は実は二十九日の日に、奈良県の中部の、伊勢湾台風でやられた地方に行っておったのであります。ところが、村議会の副議長さんが来ましていろいろ雑談しておる間に、私の方で伊勢湾台風の際に、村役場に通うのに弁当を持って三時間ずつかかるので、村を離れようと思った、しかしながら、最近原形復旧から改良復旧に方針を変えられたために、これだけの砂防工事が行なわれ、道路がすっかりよくなったので、村にとどまってこの通り仕事しております、政治のあたたかみというものをこんなに感心したことはありませんというお話を聞いたのです。その翌日地震なのでありまして、木村政務次官が前に御因縁があって現場もごらんいただいておりますから、こうしたときに今のような御要望などが委員から出るのも当然だと思いますし、さらにまた、宮城県自体が大体再建整備をようやく脱したくらいですから、それに便乗して何もかも改良復旧するというようなインチキはいたしませんから、ここで建設政務次官ともお話しておりますけれども、いずれ政務次官会議で、こうした有力な建設政務次官と一緒になって、関係問題について罹災地の皆さん方の御要望に沿うようにすることが私たちの責任じゃなかろうか、こう思っておりますことを御了承得たいと思います。
  72. 日野吉夫

    日野委員 政務次官段階では、原形復旧というようなものはないような印象を受けるのですが、各省の直接担当される諸君、ことに県等の調査報告の基礎は原形復旧になっておると思うのであります。そうなると、もし改良復旧の方針でこれに対処しようということならば、予算がもっともっとふくれる、こういう点も今後調査の場合に圧縮してやる、予算の関係から苦しい立場であろうと思いますけれども、完全な復旧をやるためには、国土保全の意味で、雨季を前にして、少し金を倹約したために水害を食ったら、どのくらいの損害が来るかはかり知れないものがある、そういう腹で一つ次官会議等に臨んでもらいたいと思うのです。四、五年前ですか、災害対策でいろいろ議論して初めて改良復旧の問題が登場したとき、志津川という町の護岸を何べんやっても、波が来るとひっくり返る、それで行って見たら、貝がらが固まって岩盤のようになっておるので、これにコンクリートをつけて何回も復旧をやったが、みんな流される、あれでいいのか、あれを取りのけて岩盤まで杭を打ち込んでやらなければだめじゃないかと現地の町長に言って、そうやります——具体的なそういうあれが出て、そこで約束した。これは農林省の漁港の工事ですが、それを完全にやったところが、過般のチリ津波でほとんどみな倒れたのに、海のどまん中に護岸だけが残っていたということがありますけれども、それを基礎にして工事をやって、完全な改良復旧が今厳然として残っております。こういうように、ちょっとした財源でできるのですから、この機会に、原形復旧をやめて改良復旧という線でやっていただきたい。もしそのために多少の予算の膨脹があっても、これこそ両次官の方で次官会議ででもそういう点を力説されて、災害民の期待にこたえ、そして今後そういう方針を打ち立てて次々に来る災害に対処していくという腹を固めて、この災害を乗り切っていただきたい、こう要望を申し上げて、私の質問を終わります。
  73. 古川丈吉

    古川委員長代理 島本君。
  74. 島本虎三

    ○島本委員 私の場合は、おもに北海道中心にして質問を展開してみたいと思います。委員長の方から、なるべく簡単にということですから、その趣旨にこたえて、大体五点に集約して質問します。  まず第一点ですが、この四月の三、四日の北海道に発生した融雪による出水被害、これの報告がありました。これによりますと、人的な被害はございませんが、罹災世帯数が六百三十八世帯罹災者の概数が二千四百十二名、ことに一番多いのは、床上浸水が五百九十一棟、床下浸水が千二百九十棟、こういうようなデータがはっきり出ておるわけです。この中心になるのは石狩川です。石狩川がいつでも融雪の際の災害中心になっており、また同時に、集中豪雨の場合も災害中心になっておる。雪の場合も、雨の場合も、国の方がちゃんとやっている直轄河川である石狩川がいつもこの災害の源をなしているということについては、これはやはり対策ばかり当たってもだめな段階ではないかと思う。石狩川そのものに対して、根本的に災害を起こさないような方法を考え、実施するのでなければ、雪の場合でも、雨の場合でも、このようにしていつでも災害が起きてくるということが、このデータによって明確になったのではないか、こういうことについて根本的に災害を起こさないような方法を考えて、実施されているのかどうか、これを具体的に一つ御答弁願いたいと思います。
  75. 木村守江

    ○木村(守)政府委員 石狩川が出水時あるいは融雪等によって災害をこうむっておる、これに対して根本的な対策をやっておるのかというような御質問でありますが、この出水による災害の問題につきましては、治山治水特別会計というものを昭和三十五年から作りまして、治山治水の基本的な対策を立てておることは、御承知通りであります。これは、御承知のように、十カ年大体一兆二千億の計算で、この一兆二千億程度の治山治水事業を行なったならば、全国の災害というものを大体半分に押えることができる、年間二千四百億程度の連年の災害であるが、これを半分程度に縮めることができるだろうというような計画のもとに行なっておりまして、その前期五カ年を特別会計でもって行なっておるのであります。従って、石狩川の問題につきましても、この基本方針に従いましてその後工事を施行しておる次第でありますが、この完成を待たない間に再度の災害をこうむったことは、まことに遺憾しごくだと考えております。しかし、実際問題としまして、この治山治水の十カ年計画を立てましたその後におきましては、あるいは物価の値上がり、あるいは社会情勢の変化、あるいはいろいろ産業の発達等がありまして、この金では所期の目的を達し得ないというような状態になっておりますので、この災害を減少せしめていくためには、この治山治水の計画というものもあらためて立て直さなければいけないのではないかというような状態にまで立ち至っておりますので、建設省におきましては、これらの問題につきまして鋭意検討中でありまして、近いうちに皆様にお諮りを願いまして、ほんとうに不安のないような国土保全の状態を作って参りたいと考えておる次第であります。
  76. 島本虎三

    ○島本委員 物価高で、十カ年一兆二千億の治山治水特別会計によるところの計画の実施も困難になってきておる、これは目的達成のためにもっと考えなければならない、こういうふうに言われるわけですが、この雪という特殊事情と水という特殊事情は一緒ではないのです。冬は雪、夏は水なんです。そしてこの報告に、警察の方から明確にされたように、去年集中豪雨による災害を受けたところがまた受けているわけです。すなわち、江別市の八幡地区だとか、それから当別町だとか、これは融雪によるところの被害をまた受けておるわけです。こういうふうにして、立ち直らないうちにまた雪と雨によって、これは往復びんたを食らうようなものなんです。これはもっと計画を急がせるか——雪の降っているところ必ず災害があるとは限らぬわけです。ことに新潟なんかは雪が多いはずです。ところが、雪によるところの被害よりも、雨によるところの被害が向こうは多かった。しかし北海道の方は、こういうふうな特別会計でもっと進んでいたはずなんですが、依然として水と雪による被害がこういうふうに往復びんたのようにして繰り返される、ピストンのように繰り返される。これはやはり何か対策そのものに一つメスを入れなければならないような点があるのではないかと思うわけです。今具体的に言いましたところの江別市の八幡地区、ここはいつでも起きているんです。石狩川のそばです。それと同時に、当別、これは去年も受けている。これも石狩川支流のそばですが、今回もまた受けているわけです。これあたりなんかは、ほんとに何と言っていいのか——前には、感謝して踏みとどまるという気になったという文部政務次官の何かいろいろな例を引いての言葉があったが、これでは、往復びんたを食らって、北海道から逃げ出していけというような措置のようにも聞こえるので、先ほどの答弁と比べれば天と地の違いがあるのではないか、根本的に対策にメスを入れる必要があるのではないかと思うのですが、この点はどんなものでしょうか。
  77. 木村守江

    ○木村(守)政府委員 災害復旧が完了しないうちに、またそこから災害が起こるというような状態を繰り返しておったのではいけないじゃないかというような御意見、ごもっともでございます。そういうような考え方から、今まで、大体災害復旧というのは、緊急災害復旧といたしまして、三、五、二の三カ年計画をやっておったのであります。しかし、こういう状態ではいけないので、緊急災害復旧は二カ年で完了するような状態に持っていきたいというようなところから、本年の予算から、全部そういうわけには参りませんが、三、五、二の三カ年緊急復旧というのを、二カ年の五、五に向かわせるような予算の計上をいたしておる次第でありまして、こういうようなことを進めて参ることによってできるだけ災害を少なくして参りたいと考えております。
  78. 島本虎三

    ○島本委員 それでは念のためにお伺いしますが、そうなると、これは前の三、五、二の措置よりも前進ですから、これはよくやって下すったというふうに、称賛の言葉を山ほど浴びせたいところなんです。ところが、それはそれでいいとしても、この多雪地帯に対して、またそういうふうにしてしょっちゅう起こるところに対しては、特別に意を用いた対策が必要ではないかと思うわけです。これなしに、総なめにしてただ計画を進めていくのだでは、あまりにもデスク・プランに陥るんじゃないかと思うのです。どういうふうにして多雪地帯に対しての具体的な対策というような点を考えられておりますかどうか、これをまず伺いたい。
  79. 木村守江

    ○木村(守)政府委員 その一つ一つ河川につきまして、これは多雪地帯あるいは洪水の頻発する河川というような、一つ一つ河川について、その河川災害を免れるような状態にするにはどのくらいかかるかというような、一本々々の川の積み重ねが、先ほど申し上げましたように、治水十カ年計画、一兆二千億弱ですが、そういう状態に相なっておるのでありまして、従って、多雪地帯の方は多雪地帯として特別に考えておるのであります。しかし、なかなかそれが目に見えないで、年々同じような災害をこうむるというような状態になっていることは、まことに遺憾の至りに考えております。
  80. 島本虎三

    ○島本委員 政務次官のその言葉、わかりました。それでは、事務当局の方で、具体的に多雪地帯に対する、災害を再び起こさないというようなどのような対策がおありですか。事務当局の御答弁を伺いたいと思います。
  81. 畑谷正美

    畑谷説明員 今の災害復旧事業の進捗の問題ですけれども、先ほど政務次官からお話しの通りに、三十六年度からはその一端として相当予算がついたわけです。特に北海道、東北方面のいわゆる雪解けで相当被害が起こるというような地区には、昨年の予算の配賦のときに特に考えましてそういう配賦をしたわけですが、たまたま昨年度は非常に補正予算の時期がおくれたために、どちらかというと、地方の団体が消化し切れないほどの予算というか、実際には消化の限度額一ぱいがいった、こういうことで処置したようなことになっております。今後も、そういうようなことで、できるだけ早い機会にそういう消化ができるめどをつけまして予算の配賦をしたいと思います。
  82. 島本虎三

    ○島本委員 よくわかりました。その範囲ではわかったのですけれども、多雪地帯の工事はこういうようにするというような、具体的な工事の改良実施の何か変わった点があるのかということなんです。それは今までの、普通の水の場合でも雪の場合でも、同じ工事の計画ですよということであるならば、まあそれはそれなりに答弁を願いたいのです。多雪地帯であれば、水と雪と交互に受けるわけですから、往復びんたを食らうような災害なんですから、これを水なら水だけでやってお  いても、どっか抜けたような結果になって、再び改良復旧をしても災害に見舞われるおそれが十分あるんじゃないかと思われるから、その具体的なプランを聞いているわけです。あるのですか、ないのですか。
  83. 畑谷正美

    畑谷説明員 そういうこまかく計画的に、これは多雪地帯だからこういう段取りでこういうようにする、そういう意識した計画というほどにはいっておりませんけれども、実際のいわゆる復旧工事の工法の問題、あるいは予算の配賦の面についてそういうものが反映されるようにはできるだけ進めていっておるし、今後ももっと強力にやっていきたいと考えます。
  84. 島本虎三

    ○島本委員 それではもう少し私の方で具体的に聞くのですが、石狩川はなぜ仮堤防のままにしておいて本堤防にしないのですか。そういうようなところからいろいろ災害の根本的な発生が始まるんじゃないかと思うのです。こういうような点はそのままにしておいてもいいのか悪いのか、これは根本的になぜそこをやってくれないのか。これは私あまり言いたくないのですが、どうです。
  85. 畑谷正美

    畑谷説明員 私の今までお話したのは、災害復旧の問題についてお話したのです。今の先生のお話しのことは、いわゆる石狩川の治水事業、そちらの方の問題だと思うのです。これにつきましては、先ほど政務次官が言われました通りに、いわゆる治水事業十カ年計画で進めておりますけれども、実際問題としては、最近のそういう状況からしてなかなか満足すべき状態にいってないわけでございまして、最近の災害状況にかんがみまして、それを今後できるだけそれに合うような計画に立て直さなければならないというようなことで、現在実はそれの検討をしておるわけであります。その点若干のひまがかかると思います。その点でもう少し考えていかなければならぬと思います。
  86. 島本虎三

    ○島本委員 次官、この災害を根本的になくするためには、やりかけたものは完全にやる必要があると思う。まだ原始河川のままにしておって、仮堤防のままにしておくと、いつもやられます。特に石狩川の場合にはこういうような現状がまだあるのですから、この仮堤防はすみやかに本堤防にすべきであると思うのです。この点はどうなんですか。
  87. 木村守江

    ○木村(守)政府委員 石狩川を仮堤防のままにしてある、このままにしておいていいのかというような端的な御質問でございますが、これはお言葉のように、仮堤防をすみやかに本堤防にしなければいけないのでございますが、先ほど言ったように、治水十カ年計画の中で十カ年かかってやるようなことになっていますから、一ぺんにそっちもこっちもできないというような状態が実際の状態でありまして、仮堤防のままにしておいていいという考えではないのです。やはりなるべく早く本堤防にして災害を免れるような状態にいたしたいと考えております。
  88. 島本虎三

    ○島本委員 そこなんです。災害がしょっちゅう起こるのは、額の点からいっても、本年は土木関係で四十二億七千九百万円のうち、北海道だけで十億一千百万円という報告があったばかりです。そのほかに、農業関係被害も多いのです。こういうような、根本的なものはやはりそこにあるというところから、先ほど私がついた通りなんです。ところが、仮堤防、原始河川そのままだということは、災害対策委員報告によっても、昨年度から明らかです。これはしょっちゅう起こるところは早く直さなければだめなんです。改良復旧でやる以上は、これは再び起こらないような計画で完全実施する以外にないのははっきりしているのです。ところが、しょっちゅうその川から起こるということになれば、その川を中心にして重点的に早くそういうようなことを起こさせないようにするというのが、やはり行政の本旨じゃないかと思うのですけれども、それも他の川と全部同じようにやっていったならば、金をどぶに捨てる結果になって、やるとまた流され、さいの河原みたいなことになる。こういうようなことはやるべきでない。そこで重点的にやる必要があると思うのです。石狩川を重点的に見ますか見ませんか。
  89. 木村守江

    ○木村(守)政府委員 ただいま、災害の起こる川と一般の川とを一緒に考えておっては困るというようなお話でございます。ごもっともでありますが、十カ年計画で一兆二千億弱の金を要する。しかも前期五カ年で特別会計四千二百億というような金を作ったのは、いわゆる十カ年計画のうちの五カ年計画、それは五カ年でもって重点的にどこからどこまでやるというように、今あくまでも重点的に施行するような状態になっておるのであります。そういう点からいって、石狩川のただいま御指摘の部分は非常に重要じゃないか、これを一体どうして放置しておくのだというようなお話でありますが、おそらくはやはり五カ年計画に入っておる場所だと考えますので、前期五カ年でもってその地方の治水計画を施行して参りたいという考え方を持っております。
  90. 島本虎三

    ○島本委員 やはり重点的にやるという答弁のようですが、今聞いても、一兆二千億弱のうち、前期五カ年の四千二百億だから、前期の方が少ない、後期の方が重点的なんです。そうじゃなしに、私の方としては、前期の方に重点を置いて、その期間においてこの重点河川ですか、災害のしょっちゅう発生するような河川を完全整備すべきであると思うのです。やはりこれでないとだめです。
  91. 木村守江

    ○木村(守)政府委員 前期の方が少なくて後期が多い、後期に重点を置くのかというお話でありますが、そうじゃないのです。これはほんとうでしたら治水十カ年計画なんと言わずに、治水十カ年計画というものを五カ年にも短縮して全部をやるというようなことが好ましいのです。しかも年間二千四百億といわれるくらいな膨大な災害がきております。そういう点から考えると、できるだけ早くやりたいのですが、国家財政の状態からかんがみまして、これはだんだんに上がっていく、前期から後期に上がっていくというのが、すべての予算の編成の状態でありますので、決して後期に多くやるからあと回しでもいいんだというような考え方ではありませんから、その点御了承願いたいと思います。
  92. 島本虎三

    ○島本委員 それでは、石狩川を重点的に見ますか見ませんか。
  93. 木村守江

    ○木村(守)政府委員 ただいまのお話ですが、石狩川を重点的に見るか見ないかという御質問でありまして、これに対して的確にただいま御答弁申し上げることはできませんが、おそらくは、ただいま御指摘あったような状態であるならば、これは当然重点的にやらなければならないところだという考え方を持っております。なお、帰りましたならば、当局と話し合いまして、御趣旨に沿うようにいたしたいと考えております。
  94. 島本虎三

    ○島本委員 どうもあなたの答弁はうまいですね。それでは、これは重点的に見るというふうに私受け取っておいてよろしゅうございますか。
  95. 木村守江

    ○木村(守)政府委員 事務当局とよく相談しまして——これはおそらくは前期五カ年計画に入っておると思います。前期五カ年計画に入っていないと、ちょっと困る点がありますが、しかし、連年災害をこうむるというような状態でありましたならば、そのところを、治水十カ年計画ではなく、災害復旧並びに関連事業としてこれは施行することもできますから、御趣旨に沿うようなことができるだろうと考えております。
  96. 島本虎三

    ○島本委員 それで一つ画期的に行政を実施してもらいたいという気持にピリオドを打っておきたいのです。というのは、行政の方は、他の方はそういっていない。五月から六月にかけましていつも発生するだろうというこの災害をまとめて査定しているわけです。必ず起こるというような前提に立っているわけですから、これは越こさないという前提に立たないとだめなんです。ですから、この点を政務次官の方からはっきり言うて、五月、六月にまとめてゆっくり査定いたしますというような、こういう融雪災害に対する査定の仕方については、今後はそういうことではなく、そういうことはあまり必要のないことであるから、災害があったならば、すぐ行って査定をして、これに対して的確に早く対処しておきなさい、こういうふうにすべきだと思う。六月の夏になってから、ゆっくり行って査定するということでは、マンマンデーで、これでは災害慢性症ですから、だめなんです。北海道はあくまでも宝庫ですから、そういうような観点から、これから北海道というものを重点的に見ないといけない、そういう点も今後十分考えて実施してもらいたい、こういうふうに思いますが、この点いかがでしょうか。
  97. 木村守江

    ○木村(守)政府委員 先ほど再三申し上げましたように、連年災害をこうむるような状態にある場所につきましては、特に建設省におきましては重点を置きまして、御趣旨に沿うようにいたしたいと考えております。
  98. 島本虎三

    ○島本委員 これで終わりますが、なお特に要望しておきます。ただいま御答弁なさったことは全部会議録に載って明確になっております。これを一々点検しながら、再びこういうようなことを起こさないという確信のもとに来年度を迎えたいものと思います。  以上をもって私の質問を終わります。
  99. 古川丈吉

    古川委員長代理 本日は、これにて散会いたします。    午後三時五十四分散会