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勝澤小
委員 今
簡牛先生から言われました
国土をきれいにするという
運動ですが、
総務長官の
お話を聞いておりますと、やはり
考え方が固定しているのではないか、もう少し
考え方を広げてみてもいいのではないかと思うのです。確かに今までの
運動は官製的なものであって、
国民の自発的なものから遠のいておる。だから、
国民の自発的な
運動を待っておるというものの
考え方ですが、やはりもっと国なり
政府が積極的に取り上げなければならぬ。ものの
考え方をただ
精神運動、
道徳運動というところに
中心を置いてはいけないと思います。こういうところに
中心を置くのが間違いであって、やはり
環境を
整備することに
中心を置かなければならぬ。たとえば簡単な例をあげると、
国会の中は割合きれいです。
ごみもちり紙も落ちていない。なぜかというと、あまりきれいになっているので、捨てるのが恥ずかしい、あるいは捨てたら直ちにきれいになっている。こういうことですから捨てられないわけです。ですから、だれでもきれいにしようという
気持は持っているわけです。だから、ここでは
ごみを捨てない人でも、
上野公園へ行けばみな鼻をかんだ紙を捨てるわけです。結局は
環境だと思うのです。
そこで、私が経験した話を二、三参考に申し上げますと、池田さんは
中国の話はきらいですが、私が数年前
中国に行ったときに、
ハエがいるとかいないとかという論議がありました。いないとかいるとかいうより、少ないわけです。その
運動の
やり方はどういうことをやったかということを聞いてみると、
日本が
向こうを占領しておるときには、とにかく
ハエを何匹持ってくると
幾ら賞金をくれる、
ネズミを何匹持ってくると
幾ら賞金をくれる、こういう形でやった。ところが、
幾らでも
賞金が出るので、
向こうはどうしたかというと、魚を腐らせては
ハエを製造してそれを持ってくる。だから
幾らたっても
ハエはいなくならない。今の
政府になって何をやったかというと、
ハエがおると
伝染病の
病源になるんだ、だから
ハエがおることによって
伝染病が起こる、
ハエや
ネズミがいなくなれば、われわれの米が食われないし、経済的に豊かになり、
生活が豊かになる、こういう形で
教育した。それで
ハエがだんだん減ってきた、こういう話をしておりました。それから、
汽車に乗ると、
一つの車に一人ずつ
掃除夫がおる。
一つの車に一人の
掃除夫がおれば、
汽車はきれいになるのがあたりまえです。きれいになっておれば、
ごみを捨てるのに、通路に捨てるより、まず
くずかごに捨てようという
気持になる。駅へ行ってみると、駅の待合室も駅の前もきれいです。そこにはほうきを持った人が立っていて、ちりを捨てればその人のところに行って掃く。
たんつばを吐くと、その人の前に行ってちゃんと手できれいにふく。ですから捨てられない。
公園に行けば、
公園には
掃除夫が
一ぱいということじゃないが、
相当な面積にたくさんの人がおって、いつもきれいにしておる。結局そういうことをすることによって、
国民がものを捨ててはいけない、
紙くずかごに入れなければならぬというふうに、言葉で教えるのでなく、動作で教えておる。この間
上野の
動物園に
子供を連れていって驚いたのですが、
紙くずだらけです。
休憩所に行ってもびんがごろごろしておる。結局入り切れないほど人が入っておって、売れさえすればいいから、跡片づけもしないで売っておる。極端にいうと、人が多過ぎる。小さなところに人が入り過ぎておる。
中国の
公園に行けば、広々しておるところに、ほんのわずかしか入っていない。
公園もたくさん作っておる。
日本なんか、
公園を作るよりほかのものを作っておる。結局そこに問題があると思うのです。だから、
掃除夫をたくさん雇って、そしてみんなが散らかしても、直ちに三十分か一時間くらいできれいにするように人を配置してごらんなさい。とたんにきれいになると思う。あるいは
ごみくずかごをたくさん作っておく。こういうことをしながら
精神教育をしていくことが一番大事じゃないかと思う。金を使わずに、何とかかんとかえらい人ばかりを作って、それで事なれりではいけないと思う。だから、ものの
考え方を、なぜ町がきたないか、きたないのは、極端にいえば、
ごみ取りが一週間あるいは十日に一度しか来ないということがあるのですから、そういう面からものを
考えていくということが、私
たちのまわりには足りないのじゃないだろうか、こう思うのです。
国会の中を見て、
上野の
動物園に行ってみて、それがよくわかるわけです。ですから、ぜひそういうものの
考え方をしていただきたい。そういう
立場からやる
国民運動なら、これは
国民はついてくると思うのです。今まで町に
くずを集める人が十人しかいなかったのが、今度三十人になった、それだけでもテンポは早くなってきれいになっていくのですから、そういう点からのお
考えをぜひしていただきたい。あわせて私は要望申し上げておきます。
そこで、
観光の
関係について少し入らしていただきますが、
観光事業審議会に、昨年十二月十五日ですか、「
オリンピック東京大会開催にともなう
観光対策いかん。」「
国民所得倍増を
目標とする
長期経済計画に対応すべき
観光施策いかん。」こういう
諮問がなされていると思うのですが、この
諮問に対する
答申というのは大体どういうようになっておりますか。