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1962-04-11 第40回国会 衆議院 運輸委員会観光に関する小委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十七年四月十一日(水曜日)    午後二時二十九分開議  出席小委員    小委員長 塚原俊郎君       生田 宏一君    簡牛 凡夫君       福家 俊一君    竹内 俊吉君       細田 吉藏君    石村 英雄君       勝澤 芳雄君    内海  清君  出席政府委員         総理府総務長官 小平 久雄君         文部事務官         (文化財保護委         員会事務局長) 清水 康平君         運輸政務次官  有馬 英治君         運輸事務官         (観光局長)  梶本 保邦君  小委員外出席者         内閣審議官   近藤 道夫君         厚生事務官         (大臣官房国立         公園部長)   木村 又雄君         専  門  員 小西 眞一君     ————————————— 三月二十三日  竹内俊吉君が委員会において小委員追加選任  された。 同月二十八日  簡牛凡夫君委員会において小委員追加選任  された。 四月十一日  小委員細田吉藏君二月二十二日委員辞任につき、  その補欠として細田吉藏君が委員長指名で小  委員に選任された。 同日  小委員石村英雄君三月二十六日委員辞任につき、  その補欠として石村英雄君が委員長指名で小  委員に選任された。 同日  小委員勝澤芳雄君二月二十二日委員辞任につき、  その補欠として勝澤芳雄君が委員長指名で小  委員に選任された。 同日  小委員内海清君二月二十一日委員辞任につき、  その補欠として内海清君が委員長指名で小委  員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  観光に関する件      ————◇—————
  2. 塚原俊郎

    塚原委員長 これより運輸委員会観光に関する小委員会を開会いたします。  観光に関する件について調査を進めます。  質疑の通告がありますので、これを許します。簡牛凡夫君
  3. 簡牛凡夫

    簡牛小委員 最近、特にオリンピック東京開催を目途として、広く観光事業が振興強化されて参りまして、一般に観光機運の盛り上がりがだんだん高まって参りましたことは、まことに御同慶の至りでございますが、この観光施設整備をするということと、あるいは外客誘致などに万全を期するというようなこととあわせて、観光問題と申しますか、オリンピック開催準備として考えなければならぬことがあるように存じます。というのは、心ある人たちが、しきりに、機会あるごとに指摘しております問題でございますが、日本観光地を初めとして、汽車でも電車でも、公園道路、そのほか人の集まるところといえば非常にきたなくなっておる。これをどうにかしなければならぬじゃないかという気持相当むくむくしておりますが、まだほんとうに徴底した手がつけられていない。現に国鉄にしましても、その他いろいろな民間団体などでも、心ある人たち環境の浄化について相当苦心をして努力をしておる跡も見えますけれども、この三十九年のオリンピック開催に備えて、ここで全国をあげて、これはもう党派をこえ、官民を問わず、すべての国民が、自分たち国土をきれいにするという運動を盛り上げることはできないか。これは非常に多岐にわたる問題でございますが、やり方によってはまた非常におもしろい国民運動にもなるのじゃないか。これに関係を持つ役所もたくさんあるように思われます。第一、文部省などが、教育の上で、もっとやっぱり交通道徳を初め公衆、公共道徳というようなものについての教育に力を入れるとか、あるいは自分たち環境をきれいにすることについて、奉仕作業子供たちに行なわせることによって奉仕精神を養わせるとか、さらにわれわれのこの国土をきれいにするということは、国民各自の共同の責任である、というような考え方などをだんだん高めて参りますということも、文教上非常に大切なことのように思います。文部省それから自治省などが各都道府県市町村などを動かして、それぞれの県あるいは市町村などをきれいにするということについても、これは現に厚生省などがしきりにやっておりますが、この際環境衛生というような立場からも、現在やっております以上にうんと力を入れて、予算もかけて、まあ町でいえば清掃人夫などもずっと増強する、あるいはごみ箱なども整備する、清掃車衛生車なども十分設備を強化いたしまして、ともかくも町をきれいにする、蚊、ハエあるいはネズミなどというものも、ここ三年あるいは五年の期間を区切って、年次的にこれの絶滅を期するというようなことも当然考えなければならぬことだと思いますが、屎尿の処理場を作るとか、あるいは塵埃の焼却場を作るとか、下水を整備するとかということになれば、相当大きな仕事でございますけれども、これを徹底させることが、今日本の経済的にも相当ゆとりを持ち得るようになって参りました国民生活水準を高める上からも、ぜひ必要じゃないか。外客をうんと迎え入れる前に、でき得るならばぜひそういうことも一つ成果をあげたいものだと思います。厚生省文部省自治省、運輸省、山野の保護という面からいえば、もちろん農林省の林野局もございます。建設省などの公園整備というようなこともございます。さらに民間団体などにも働きかけまして、ほんとう国民がみなこぞって、それぞれ知能をしぼり、みずから手を下してお互いの周辺をきれいにするということができないものか、こういうことについて、小平総務長官の御意見を伺いたい。そういう積極的な、各省のそれぞれ担当の部門を動員して企画を提供させて、これを取りまとめた一つ運動体にしていただくというようなことについて、こういう御意見を持っておられますか、伺っておきたいと思います。
  4. 小平久雄

    小平政府委員 ただいま簡牛先生の御提唱のような、環境を美しくすると申しますか、国土を美しくすると申しますか、そういう運動が特にわが国におきましては必要であり、ことにオリンピックを目前に控えまして、このような運動政府あるいは民間をあげて推進するということの必要性につきましては、全くわれわれも同様に考えておるのであります。御指摘通り明後年にはオリンピックを控えておるわけでありまして、特に外客もたくさん参るでありましょうし、それを迎えるにあたりまして、われわれの国土を美しくいたしまして、これらの方々に気持よく日本での滞在を過ごしていただく、こういうことはふだんももちろん必要でございますが、特にこういうチャンスをとらえて一そうそれに馬力をかける必要があるということは、全くわれわれも同じ考えに立っておるわけであります。御承知通りオリンピック準備といたしまして、運動競技施設、あるいは関連する道路交通の問題、あるいは外客受け入れ施設自体等につきましては、それぞれの分担をきめまして、若干まだ最終的な決定を見ないものもありますが、大ざっぱに申しますならば、大体の見当が今日ではつきました。三十七年度予算におきましても大体軌道に乗った、こう申し上げて差しつかえないと思うのです。そのような、いわば物的な施設の面はおよその目安がついて参ったのでありますが、これらの物の面での準備とあわせて、一般的にいって環境を美しくするとか、あるいは心の準備とでも申しますか、そういう面での準備というものをどうしても急がなければならぬ、私どもはそういうふうに痛感をいたしておるのであります。  ただここで、そういう運動を起こし、国民の間にいわばムードを一つ作っていくということがどうしても必要なんでありますが、そういう場合に一体どこが主体でそういうことをやることが適当であるかという段になりますと、いろいろこれは問題もございまして、かりに御指摘通り政府関係役所もあるわけでありますが、それらがあまり先頭を切ってそういう運動をやるということになりますと、いわゆる官制的な色彩を帯びて参りまして、はたしてほんとう国民の自発的な協力なりあるいは運動なりを招くことができるかどうかということも、なかなか微妙なものがあると思うのであります。しかしながら、ただほうっておいたのでも、これは自然に盛り上がると申しましても、なかなか実際問題としてその辺もむずかしい。そこで、政府といたしましては、幸いに御承知通り生活運動協会というものが従来からございまして、政府もこれに対しまして年々相当の援助をいたしまして、一般的に社会道徳の高揚であるとか、あるいは環境整備であるとか、そういう運動協会中心として全国的に、またその組織を持ちまして従来からやって参っておりますので、特にオリンピックを控えてそれらの問題を推進するという意味合いもあり、三十七年度のこの新生活運動協会に対する補助予算におきましても、それらの点を考慮いたしまして、従来よりも一段とこれを増額いたしたのであります。従来は大体年間一億三千万円程度だったと思いますが、三十七年度におきましては、二億五千万円の補助を新生活運動協会に出すことに、すでに予算の御審議をいただいたわけであります。その二億五千万円のうち一億五千万は、大体従来からやって参りました事業を引き続いて協会としても強化しながら行なう、こういう建前であり、特に残りの一億円は、ただいま先生の御指摘のような国土を美しくする、こういった運動を新生活運動協会におきましても特に今年度を初年度といたしまして取り上げよう、こういう考え方もありましたので、その方面に充当する、こういう建前補助金を特に一億円増額いたしました。さっき申します通り、合わせて二億五千万円の補助を新生活運動協会の方に出すことにいたしたのであります。新生活運動協会といたしましては、この運動を強力に進める、大体三カ年計画くらいでやりたい、こういう考えのようでありますが、この推進のために、特に推進委員会とかというようなものを作りましてやって参るという計画に相なっておりす。  ただ、もちろん予算等が十分でありますならば、これを全国的に一挙にやれば一番よろしいのでありますが、今申します通り、さしあたって三十七年度における予算はその面では一億円でございますので、協会といたしましては、まずもって東京を初めとする大きな都市を重点的に着手をいたしたい。その具体的な目標といたしましては、先ほど先生からもお話がございましたが、たとえば道路をきれいにするとか、あるいは交通道徳を高めるとか、河川あるいは水をきれいにするとか、蚊やハエをなくするとか、それからいわゆる花一ぱい運動を進めるとか、酔っぱらいをなくす運動だとか、公園等公共施設をきれいにするとか、あるいは草木鳥獣を愛護するとか、紙くずを散らさない運動をするとか、たんつばを吐き散らさない運動をするとか、お互いに親切にする運動をするとか、清掃等奉仕活動を盛んにするとか、あるいは看板、広告等を整理しあるいは美しくするとか、その他の地域または団体で独自に、趣旨に沿ったような運動をしていただくとか、こういったようなことを具体的には実施に移すように持っていこう。しかしながら、これは一面から考えますと、協会だけの力ではもちろんできないのでありまして、一方におきましては、国の行政機関がそれぞれ担当いたします事項もたくさんあるのでありますから、政府としての協力あるいは民間団体協力、特に報道機関等協力も強く仰ぎまして、強力に推し進めて参ろうということで、せっかく予算も御承認いただいたのでありますから、われわれとしては、総理府が新生活運動協会を所管いたしておりますから、今後とも具体的な運動の進め方については十分協議もいたし、指導もいたして参りたい、かようにただいま考えておるのであります。
  5. 簡牛凡夫

    簡牛小委員 小平長官もかねがね国土美化の問題について御苦労をなすって下さっているということを伺いまして、非常に私ども心強く思いますが、これをどういうふうにして徹底させるかということにつきましては、さらに後刻速記を抜いて懇談をさせていただいて、勝澤委員もそれぞれ抱負を持っておられるようでございますが、民間の特殊な団体の力などももちろんうんと借りなければなりません。今長官お話しのように、やはりこの行政機関ほんとうに動かすことができなければ、全国、特に大都会を初めとして、都市中心にした運動相当徹底させられなければいかぬと思いますけれども、これなどは相当経費も要しますし、企画も十分整えなければなりませんことでありましょうが、そういうふうにして行政機関を全面的に動かし、それに関連して、たとえば都市でいえば衛生組合とか、あるいはいろいろな自治会というものもありますが、末端にいけば結局国民全体が動くことになって参ります。そういうふうにして、国の機関を通じて全国民がこういう方向に動き出していくことを考える方法はないものか。そういうことについてさらに検討をさせていただきたいと思います。ことに、こういう運動が発足するときは、はなやかに発足いたしますが、なかなか徹底しない、かけ声だけに終わってしまうということが多い。私は鎌倉に住んでおりますが、鎌倉というところは人の集まってくるところですが、山などに行ったら、ほんとうにこれからは足の踏み場もない、新聞のくず、弁当のかす、カン詰のから、ごみための中を歩いているようなものです。このごろ汽車に乗れば、ごみために乗ったような気がする。鎌倉では蚊やハエをなくする運動をやっておりますけれども、これなどはきわめて不徹底なものでございます。もう少し力を入れれば完全になくなると思っても、どうにもしょうがない。ただ特殊な人が少数でやっておるということで、すべて不徹底に終わるおそれがあります。国会などの中にも国土美化に関する特別委員会というようなものでも作って、委員の数は五十名でも七十名でもよろしゅうございます。各府県にわたってそういうことに関心を持った人を集めて、こういうところはこうしなければならぬと、一々場所を指摘して、それぞれのところにこの運動の徹底を促すようなことを国会特別委員会などがやっていく、各関係官庁などもそれで動いてもらう、地方の自治体などにもそういう委員会などを作って、行政機関を督励していくということを考えて、とにかく始める以上は徹底したことをやる。予算も、これは相当思い切った予算をかけなければ、厚生省などでやっておる環境衛生に関する予算もこのごろは相当ふやしておりますけれども、これなどは何年かの計画で、少なくとも重要な地域などは徹底させるという点まで考える必要があるのではないか。そういうことで、これを盛り上げる懇談の機会を一つ作っていただきたいと思います。  私はこれで終わります。
  6. 塚原俊郎

  7. 勝澤芳雄

    勝澤委員 今簡牛先生から言われました国土をきれいにするという運動ですが、総務長官お話を聞いておりますと、やはり考え方が固定しているのではないか、もう少し考え方を広げてみてもいいのではないかと思うのです。確かに今までの運動は官製的なものであって、国民の自発的なものから遠のいておる。だから、国民の自発的な運動を待っておるというものの考え方ですが、やはりもっと国なり政府が積極的に取り上げなければならぬ。ものの考え方をただ精神運動道徳運動というところに中心を置いてはいけないと思います。こういうところに中心を置くのが間違いであって、やはり環境整備することに中心を置かなければならぬ。たとえば簡単な例をあげると、国会の中は割合きれいです。ごみもちり紙も落ちていない。なぜかというと、あまりきれいになっているので、捨てるのが恥ずかしい、あるいは捨てたら直ちにきれいになっている。こういうことですから捨てられないわけです。ですから、だれでもきれいにしようという気持は持っているわけです。だから、ここではごみを捨てない人でも、上野公園へ行けばみな鼻をかんだ紙を捨てるわけです。結局は環境だと思うのです。  そこで、私が経験した話を二、三参考に申し上げますと、池田さんは中国の話はきらいですが、私が数年前中国に行ったときに、ハエがいるとかいないとかという論議がありました。いないとかいるとかいうより、少ないわけです。その運動やり方はどういうことをやったかということを聞いてみると、日本向こうを占領しておるときには、とにかくハエを何匹持ってくると幾ら賞金をくれる、ネズミを何匹持ってくると幾ら賞金をくれる、こういう形でやった。ところが、幾らでも賞金が出るので、向こうはどうしたかというと、魚を腐らせてはハエを製造してそれを持ってくる。だから幾らたってもハエはいなくならない。今の政府になって何をやったかというと、ハエがおると伝染病病源になるんだ、だからハエがおることによって伝染病が起こる、ハエネズミがいなくなれば、われわれの米が食われないし、経済的に豊かになり、生活が豊かになる、こういう形で教育した。それでハエがだんだん減ってきた、こういう話をしておりました。それから、汽車に乗ると、一つの車に一人ずつ掃除夫がおる。一つの車に一人の掃除夫がおれば、汽車はきれいになるのがあたりまえです。きれいになっておれば、ごみを捨てるのに、通路に捨てるより、まずくずかごに捨てようという気持になる。駅へ行ってみると、駅の待合室も駅の前もきれいです。そこにはほうきを持った人が立っていて、ちりを捨てればその人のところに行って掃く。たんつばを吐くと、その人の前に行ってちゃんと手できれいにふく。ですから捨てられない。公園に行けば、公園には掃除夫一ぱいということじゃないが、相当な面積にたくさんの人がおって、いつもきれいにしておる。結局そういうことをすることによって、国民がものを捨ててはいけない、紙くずかごに入れなければならぬというふうに、言葉で教えるのでなく、動作で教えておる。この間上野動物園子供を連れていって驚いたのですが、紙くずだらけです。休憩所に行ってもびんがごろごろしておる。結局入り切れないほど人が入っておって、売れさえすればいいから、跡片づけもしないで売っておる。極端にいうと、人が多過ぎる。小さなところに人が入り過ぎておる。中国公園に行けば、広々しておるところに、ほんのわずかしか入っていない。公園もたくさん作っておる。日本なんか、公園を作るよりほかのものを作っておる。結局そこに問題があると思うのです。だから、掃除夫をたくさん雇って、そしてみんなが散らかしても、直ちに三十分か一時間くらいできれいにするように人を配置してごらんなさい。とたんにきれいになると思う。あるいはごみくずかごをたくさん作っておく。こういうことをしながら精神教育をしていくことが一番大事じゃないかと思う。金を使わずに、何とかかんとかえらい人ばかりを作って、それで事なれりではいけないと思う。だから、ものの考え方を、なぜ町がきたないか、きたないのは、極端にいえば、ごみ取りが一週間あるいは十日に一度しか来ないということがあるのですから、そういう面からものを考えていくということが、私たちのまわりには足りないのじゃないだろうか、こう思うのです。国会の中を見て、上野動物園に行ってみて、それがよくわかるわけです。ですから、ぜひそういうものの考え方をしていただきたい。そういう立場からやる国民運動なら、これは国民はついてくると思うのです。今まで町にくずを集める人が十人しかいなかったのが、今度三十人になった、それだけでもテンポは早くなってきれいになっていくのですから、そういう点からのお考えをぜひしていただきたい。あわせて私は要望申し上げておきます。  そこで、観光関係について少し入らしていただきますが、観光事業審議会に、昨年十二月十五日ですか、「オリンピック東京大会開催にともなう観光対策いかん。」「国民所得倍増目標とする長期経済計画に対応すべき観光施策いかん。」こういう諮問がなされていると思うのですが、この諮問に対する答申というのは大体どういうようになっておりますか。
  8. 近藤道夫

    近藤説明員 観光事業審議会には、ただいま先生の御指摘通り諮問事項が昨年暮れに出されまして、それに基づきまして、それぞれの諮問に応じまして部会を構成いたしまして、その部会目下審議中ということでございます。答申が出ます予定は、審議会の諸先生の御勉強のことでございますので、はっきりは申し上げられませんが、おおむねことしの七月過ぎ以降、順次答申になる運びということにいたしております。
  9. 勝澤芳雄

    勝澤委員 今答弁なされましたように、観光的なものの見方から考えるならば、実におくれているわけです。ですから、たとえば道路を作る場合にいたしましても、競技場を作る場合にいたしましても、やはり全体的な関係から観光事業審議会というのはもっとずっと先に出て、そして総合的な計画を立てて、その中から建設省なり何なりにやる、こういう形にしなければいけないと思う。そこが一番問題になるわけです。ですから、たとえば今の国土美化運動もそうなんです。ものの考え方をぜひこの際変えていただいて、とにかく先に立ってリードしていくのだ。観光事業振興のために、あるいは国じゆうをきれいにする運動のリードをするためには、だれも官製だとか文句を言う人はないわけです。ほかのことですと与野党の意見が違うかもしれませんが、これは何も意見が違わないわけです。意見は違わないけれども、おくれている原因は何かと申しますと、これはあとで私申し上げますけれども、いろいろ問題があると思うのです。一つ今の問題はぜひ早く、もうおくれているのですから、その一番先にやらなければならぬ観光事業審議会が、オリンピック東京大会に対する観光施策がまだできていない、それから、所得倍増のこれからの計画もまだできていないということは、これは大へん私は残念だと思うのです、受け入れそのものができないわけですから。  それで、次にお尋ねいたしますのは、観光事業調査委託費というのが三十五年度は四百四万円ついておった。三十六年度は七百六十四万円ついておった。三十七年度予算を見るとこれがなくなっているわけです。これはどういうわけなんでしょうか。
  10. 近藤道夫

    近藤説明員 観光事業調査委託費は、前年度及び前々年度に一応予算に計上されてありまして、それに基づいていろいろ調査を進めて参って、目下まだ調査結果を集計中でございますが、委託調査の目的はそれぞれそれで完了いたしましたので、その調査を打ち切りました。ただし、観光事業重要性といったようなものは十分考慮していただけまして、調査委託制度は廃しましたけれども、今年度の予算におきましても所要の事項調査するという意味で、調査謝金、約百万ばかりでございますが、計上してございます。委託調査という経費をやめまして、たとえば観光協会その他に調査をお願いいたしまして、それを謝金でお支払いをするといったようなことで、予算の立て方が変わり、予算の額が少し減りましたけれども、計上はしてございます。
  11. 勝澤芳雄

    勝澤委員 それから、この観光の総合的な計画というものが必要だと思うのです。一ころ観光事業振興法の案が考えられておったようでありますが、それによると、やはり関係行政機関関係都道府県、こういう形で総合的な観光計画を立て、そうして方針を立てて、それに基づいて各部門々々がそれを実施していく、大へんいいものの考え方だと思うのですが、そういう点が実はないのです。そこで、今、長官の悪口を言って大へん申しわけないのですけれども、長官自体も、観光事業審議会なりあるいは観光予算関係というものについて、よく御存じなんでしょうけれども、力の入れ方が不十分のように思うのです。そこで、オリンピックの問題についてはいろいろお考えになっておるようでありますけれども、たとえば都市交通では、交通対策閣僚懇談会とかいうのがありますね。ですから、今一番大事なことは、観光閣僚会議というようなものを当然作るべきだと思うのです。国際親善あるいは国際収支の改善、こういうところからいきましても当然必要であります。アメリカでは国際旅行法というのができまして、アメリカのPRをしながら、親善友好という立場で、相当積極的な施策が打ち出されているのです。アメリカのような国でさえそうなんですから、日本なんかは今国際収支が悪いので、観光産業というものを発展させるのに一番いい時期にきている、一番いい条件にあると思うのです。そういう点からいうならば、観光のための閣僚懇談会ですか、何かそういうものを長官が持ち出して御検討していただきたいと思うのですが、その点いかがでしょうか。
  12. 小平久雄

    小平政府委員 お話観光事業振興法案というものにつきましては、自民党におきましても研究をなされまして、また政府におきましてもこれに呼応して検討いたしたわけでございますが、遺憾ながら今国会に提案をいたすというまでに意見の一致を見なかったわけであります。もちろんこの問題につきましては引き続きましてわれわれも熱心だ検討をいたし、なるべく早く成立するようにいたしたいと考えておるのであります。なお、それまでの対策として、もちろんこれは法案ができても必要かもしれませんが、観光関係の閣僚の懇談会を設けてやったらどうか、こういう御提案でございます。従来、御承知通り観光の問題につきましては、関係行政機関が多岐にわたっておりまして、その間の意見の調整ということは、これは総理府の本来の仕事でございますから、問題がありました際にはその調整の任に当たっておるのでありますし、一面また審議会の御意見も徴しまして全般的な観光施策を進めておるわけですが、お説のように、関係閣僚の懇談会等を持ちまして、一そう活発に観光の仕事を進めていくという意見も、きわめて意義の深いことと存じます。従いまして、せっかくの御提案でございますし、意義深いことと存じますので、今後関係閣僚等とも御相談をいたして善処したい、かように思っております。
  13. 勝澤芳雄

    勝澤委員 政府所得倍増計画の中で、大体所得倍増というのが進んでおるのは私は観光収入だけだと思う。目標に従って着々伸びているわけです。しかし、現実には、イタリアは観光客一千五百万といわれておりますし、スイスが七百万、日本はまだ二十万ですから、まだまだこれから伸びる余地があるわけです。そこで、観光というと、とかくみな何だか遊びだというふうにものの考え方をしているわけです。一生懸命働いて遊ぶ、いやこれから働くために遊ぶんだ、ものの考え方がいろいろ昔から違ってきていると思うんです。そういう点から考えてみますと、やはり観光というものに対する考え方というものは、相当まだまだPRしなければならぬ点がたくさんあると思うのです。たとえば飛行機ですと、航空議員連盟というのができた。海運は、海運何とか議員連盟ができた。まだ飛行機やなんかならいいけれども、観光議員連盟というとホテルや旅館のおやじさんの代表で、こんなものはというふうに思われがちですね。そこに間違いがあると思うのです。やはり観光というものをもう少し広い大きな立場から国の基本政策として、何もない国なんですから、基本政策としてもう少し重要視する、こういうことに置きかえていかなければ、いつまでたってもいけないと思うのです。そうして、その根拠はどこにあるかといえば、やはり観光行政の問題になるのです。それで、一体観光行政の責任者はだれであるかという点が、実は私はいろいろ調べてみたんですけれども、よくわからない。一体日本観光事業を振興していく人はだれだろうか、責任者はだれだろうかということを調べてみますと、ほんとうに言いまして、実はわからないわけなんです。運輸省の観光局というのは、いやあれは補助金もらって、金もらっちゃ補助金を下へ出している団体なんだということになりそうなんですね。あるいは財政投融資もらっちゃホテルを建てるということで、金融のあっせんをしているだけなんです。極端に言うと、こうなると思うんですよ。ですから、全体的な国のこんないい資源というものを保護し、それを助長し、そうしてお客をたくさん呼んで日本の国がもうける、そうしてまた宣伝をし、仲よくする、こういうことがどこからも忘れられているように思うんですけれども、一体観光行政の責任者というのはだれがなっているのかという点を一つお尋ねしたいと思います。
  14. 小平久雄

    小平政府委員 観光行政の責任者はだれか、こういうお尋ねでございますが、この点も、勝澤先生の御指摘のように、観光というのがどの範囲のどういう事項をさすかというとりようにもよりましょうが、常識的にいわれておりまする観光、それを扱う役所、従ってその責任者というものがきわめて多方面に分かれておりますことは御指摘通りであり、また先ほど私からも申し上げた通りでございます。このことは、現在の日本の行政組織全般のあり方という問題と結局関連する問題じゃなかろうかと存じますが、たとえば交通の問題にしましても、御承知通り交通行政というものを一元化せよ、こういう御主張もあり、あるいは一元化できぬまでも、総合的な施策というものを立て、あるいはそれを推進する機関を作れ、こういう御主張もございます。おそらく観光の問題につきましても、やはり同様のことが言い得る現況ではないか、さように私ども日ごろから考えておるのであります。  そこで、御質問の、だれが責任者か、こう申されると、それぞれの観光関係する部門々々についての責任者がある、こう申し上げるはかなかろうと思うのでございますが、ただこれでよいのかという問題になりますと、確かに検討しなければならぬ問題がたくさんあると思います。今回御承知通り臨時行政調査会等も設けられまして、わが国の行政機構全体について検討をされるということに相なったわけでございますので、調査会等におきましても、おそらくはこの種の問題も御検討をいただけるものじゃないか、また、私どもも、行政管理庁長官にも連絡をとりましてぜひ御検討いたしたいものだ、かように考えるのであります。
  15. 勝澤芳雄

    勝澤委員 そこで、観光というのは、内容としてはいろいろあろうと思うのです。一番大事なことは、長官として政府の閣僚諸公にぜひ観光というものについてもう少し認識を持ってもらうということが大事だと思うのです。そうしてその結果今度われわれ国会観光重要性について教育をしてもらいたいと思うのです。そうしなければ、私はよくならないと思うのです。  そこで、長官もお忙しいようでありますが、これだけ一つ聞いていっていただきたいのですが、「観光研究」という本に、日本観光協会副会長の平山孝さんが、「観光事業十六年をかえりみて」ということで書いている。この中で、観光資源の保護ということでこういうことが書いてあります。「中央で如何に旗を振っててみても駄目なので、各地方がその重要性を認識しなければ効果がない。清争な湖水に汚水を流すのを平気で見ていたり、風景上最も重要な地点に広告塔を許したり、ブザマな建物を許可したりするのは結局各地方の当事者に観光事業重要性の認識がないことに起因する。」こういうことが書かれておりますし、たとえば「法隆寺はいつまでも保存されるであろう。しかし、法隆寺のみを残してその周囲に鉄筋の建物が乱立したとしたら如何であろう。比叡山の根本中堂の囲りに土産品店が軒を並べ、千年の杉が一本もなくなったとしたら如何であろう。御蔵は昔のままに保存されるとしても、それを取り囲くお堀や河が隅田川のごとく悪臭フンプンとしていたら如何であろう。」なお、イタリアは古道具でもうけている。何千年となく古いものをそのままにしておいて、それが観光施設になっている。たとえば広島の原爆の跡を取り除くというが、原爆の跡をそのままにしておくことが観光施設になるのではないかというようなことを書かれているわけです。私は、今の日本観光施設をだんだんつぶしていく、ほんとうに力の弱いところだけがそれを守ろうとして、あとは政治家やあるいは一切がっさいの人が寄ってたかって観光施設をつぶして、実にばかばかしいことが行なわれていると思うわけです。ですから、こういう点などについてもどこかが考えなければいかぬ。どこかがというと、やはり一番観光中心になっておるのは私は総務長官のところじゃないかと思うのですが、もう一回だけその点を……。
  16. 小平久雄

    小平政府委員 今、実例と申しますか、平山さんの記事を御披露いただきまして、私ども全く同感に存じます。今お話を伺っておって私も思い出したのでありますが、もう十年ばかり前ですが、私がたまたま外遊したときにパリへ参りましたらば、あそこでは、建築の色彩等についてまでも、何か規制と申しますか、制限を加えて、昔ながらのパリの空気というものを乱さぬようにやっておる。そういうお話も聞きまして、多少違うか知りませんが、今のお話のような点を非常に重要視して、パリのいわば観光の、パリの空気というものを乱さぬように、それがまた観光施設に役立っておる、そういうところまで気を配っておるという話を聞いたことがございますが、そこまでいきたいものだと思ったのであります。  それから、この観光問題の元締めといいますか、それが総理府なんじゃないかというお話でありますが、この点はなかなか実ははっきりとさようでございますと私が申し上げるわけにもいきません。総理府の設置法を見ますと、総理府の役目というのは、各省の仕事の総合調整という任務だけ与えられておるのであります。従って、各省で意見観光事業について違っておるというような場合に、それを取り上げて総合的に調整するというまでの任務は私どもに与えられておるのでありますが、積極的に観光施策をどう立てていくかというところまで参りますと、若干総理府に与えられておる任務からするとはみ出すことになるんじゃなかろうか。その辺は、厳格にどう解していいか、行管なり法制局の方の意見を聞かなければならないと思いますが、一応私はさように理解をしておるのであります。そこで、先ほども申しました通り、これを総括的に施策を積極的に進めていくということになりますと、これは行政機構全般として検討を要するのではなかろうか、さようにただいまのところ考えておるわけでございます。
  17. 勝澤芳雄

    勝澤委員 次に、私は自然美と文化財の保護という立場からお考えを聞きたいのですが、観光立場から考えますと、それを保護する場合、いろいろ今もう支障が起きておると思うのです。そういう点から、文化財保護にどういうふうなお考えを持ってやられておりますか、その点少しお伺いしたいと思います。
  18. 清水康平

    ○清水政府委員 申し上げるまでもなく、文化財保護行政の内容は、保存と活用ということに相なっておるわけであります。保存と活用ということは、文化財保護の上から申しますと、いわば車の両輪というような関係でありまして、保存だけに熱中しますと死蔵してしまう、観光とは全然相反し、そうかといって活用だけにいきますと、文化財の内容いかんによりましては破壊されるおそれがある。非常に密接な関係はあるけれども、その辺の関係がむずかしい。しかし、文化財保護行政の立場から申しますと、文化財の保存ということを中心考える、その範囲内において大いに活用してもらわなければならぬ、かように考えておるわけでございます。今自然美のお話がございましたが、建造物でありまするとか美術品でありまするとかいうものを除きまして、自然美関係では、大体史跡あるいは名勝、天然記念物というものが文化財の内容でございますが、これなどがやはり活用の面、言いかえれば大いに国内観光、国際観光に努力したいと思っておるわけでございます。ただし、今日ややもしますると、観光に名をかりましてこれらのものを毀損する傾向がなきにしもあらず、文化財が観光資源としてきわめて重要であるにもかかわらず、それを犠牲にしてまでも観光しなければならぬということは、一部でございますけれども、そういうきらいがありますが、観光事業をその範囲内で大いに奨励はしますけれども、あくまでも自然美というようなものを、史跡、名勝、天然記念物というものを保存しつつ、その範囲内において大いに観光していただきたいという気持で、行政をいたしておるつもりございます。
  19. 木村又雄

    ○木村説明員 厚生省の国立公園部では、自然公園を対象にいたしまして、それの保護並びに利用についていろいろ規制をし、指導をしておるわけでございます。自然公園と申しますのは、先生承知通り、国立公園、国定公園及び都道府県立の自然公園という三つに分かれておるわけでございます。特に厚生省が積極的に関係いたしておりますのは、国立公園と国定公園でございます。その国立公園と国定公園は、厚生大臣の指定によってその地域を指定しておるわけでございますが、その際に同時に公園計画というものを立てます。その計画につきましては、保護計画と利用計画というふうに分けまして、十分現地を検討いたしまして、景観のすぐれたところについて保護すべき点があれば、それについて保護計画を立てまして、その地域については特別地域というものを特に設定して、これが保護に当たっておるということであります。さらに、その特別地域の中で特に重要な観光資源につきましては、特別保護区というものを設けまして、これが保護をはかっておりますが、その地域におきますいろいろな工事については厳重な規制を加えまして、厚生大臣、都道府県知事の許可にかからしめる、そういうふうなシステムでやっておるわけであります。
  20. 勝澤芳雄

    勝澤委員 私はあまりひまと金がないもので、まだよく全国的に知りませんけれども、ちょっと気がついた点で、北海道に参りまして阿寒湖と摩周湖を比べてみますと、摩周湖というのは自然の実にすばらしい湖だと思うのです。しかし、阿寒へ参りますと、残念ながらこれはもう商業観光といいますか、まさに自然美をつぶして宣伝ばかりをしておる、こういう点を見るわけです。そういうのを見ると、だれもそう私と意見は違わないと思うのですが、一体なぜああいうふうになるのか、そうすると、もうける方の力が強くて、それを保護しようとする力が弱いのじゃないだろうか、こう思うのですが、ああいう点などについて何とか少し規制をするなり、何か方法はないのでしょうか。
  21. 木村又雄

    ○木村説明員 先ほども申し上げました通り、国立公園等につきましては、公園計画を立てまして、この地域については特にこれを保護しなければならぬ地域である、この地域については利用の基地として利用施設を設ける必要があるというような計画を立てて、運用しておるわけでございます。最近は御承知のように観光業者が非常にふえて参りまして、観光開発が盛んになって参りました。それに関連いたしまして、先ほど来お話が出ました公園等がよごされるというふうな状況もございますが、私どもはできるだけ環境衛生施設整備その他利用施設整備というものをはかりますとともに、特にそういう傾向が増大して参りますと、反対に保護すべきところはさらに強力に保護をしなければならぬということで、今後おもにそういう線でやって参りたいと思います。
  22. 勝澤芳雄

    勝澤委員 今私具体的にあげました、とえば阿寒などの場合は、あれは大体ああいうやり方でよろしいと思うのですか。私はどうも何かもう少し総合的なことをしないといけないと思うのですが、そういう点どうなんでしょうか。あるいは行政としてそこまではいれないとするならば、やはり県——あそこは北海道で、道庁ですかあるいは市なりに、そういうところについてのある程度強力な指導行政というものができないでしょうか。
  23. 木村又雄

    ○木村説明員 ただいま先生の御指摘通りでございまして、阿寒湖と摩周湖を比べますと、阿寒については多少開発が進み過ぎているというふうな感じがいたすのでありますが、私どもの非常な悩みは、アメリカと違いまして、アメリカでは国立公園というのはいわゆる営造物公園というふうになっておりまして、その土地なり施設が全部国有でございます。従って、これが規制というのは国の計画に従ってその通りやれるわけでございます。日本の国立公園等地域性というものをとっておりまして、そこには国有もあれば民有もあれば県有もあり、その他いろいろの所有関係が錯綜しておるわけでございます。その上に地域を指定して、そしていろいろと保護を加え、利用の施設を許可をしてやっていくということでございますが、そこで、問題は、私有権というものの尊重あるいは、産業との調整という問題が、私どもの行政をやっていく上におきまして非常にむずかしい問題でございます。その調整をはかるために、特に私どもの方としましては、自然公園審議会という機関もございまして、そこに重要な案件につきましては諮りまして、その意見を聞いて厚生大臣がこれを決定するというふうにいたしておりますが、ただいま申し上げましたような私有権の尊重ということと、景観の保護というものの調整をいかにはかるかというところに、非常にむずかしい問題があるのじゃないかと思うのでございます。
  24. 勝澤芳雄

    勝澤委員 先ほども、仁徳天皇のあれですか、新聞にちょっと出ておりました。あの問題でちょっと話が出ておりましたけれども、私有地なんだから、おれがみやげもの屋を建てようが便所を作ろうが勝手だ、確かにそうだと思うのです。しかし、そういうのを法律で規制しなくても、常識で規制をしていくということをやはりやっていかなければいかぬと思うのです。ですから、そのために私有財産なり私有権を尊重しなければならぬですけれども、やはり常識をはずれたようなものというのは、そいつは常識的にものを解決させるようなことにしていかないと——ですから、この間、行政調査会の関係で、私が早稲田大学の吉村という教授からちょっと意見を聞いたのですけれども、今の日本では、日本の役人は法律を知り過ぎている、何でもかんでも法律でやろうとする、常識でものを解決しようとしないという意見が出ていまして、これは一つ意見としてはだいぶおもしろい意見だと思うのであります。おまわりさんに法律ずくめでもって取り締まりをやれというよりも、お前の常識でやれといえば、大体日本教育程度は高いわけですから、いいこと悪いことということは大体判断がつくと思うのです。ですから、そのいいこと悪いことを判断すれば、ここへこういうものを作っていいか悪いかということがわかっているはずだと思うのです。だから、そういうものをやった場合には、やはり社会的にみなで、そういうものはいけないのだという規制というものをやらなければいけない。ですから、そういうの一つでも二つでもあなたのところでお取り上げになって、縮こまって、それは法律違反じゃありませんということじゃなくて、これは常識に違反しているのだということを大きな声にすることが私はいいんじゃないだろうか。それをつかまえて、それを法律の中に入れて法律規制をしよう、それは無理だと思うのです。ですから、日本のあらゆる観光施設というものはみなつぶされているのです。日本は非観光国だといわれていると思うのです。先ほどちょっと言いましたけれども、イタリアは古道具でもうけている。自然そのままでもって、あとは人を入れていればいいわけです。日本は、あっちを作ったり、こっちを作ったりしている。そこら辺が私は少し考えなければならぬ問題だと思うのです。  そこで、もう一つ、これは例ですから申し上げておきまして、こういうものがいいか悪いかということによって、やはり全体的な常識的なものの考え方をさせるように私は教育しなければいかぬ。この間、伊豆の下田に行きましたら、寝姿山というのがあります。あれはどっちの関係ですか、おわかりになりますか。——寝姿山というのがあるのですね。あすこにロープ・ウェイができたわけです。あれを自然のままに置けば実にいい山なんですけれども、ロープ・ウェイができたために、景色がますます半分も減っていると私は思うのですよ。ですから、あれがもし法律に何も違反をしてなくて作ったというなら、それはそれでいいのですけれども、あれはやはり常識的に見て、もう少し何とか考えそうなものだ。景色をもう少し——それはロープ・ウェイを作る方はもうかりますし、また、登る人から考えればもうかりますけれども、やはり何かあまりにも商業資本が入り過ぎておるじゃないだろうかと思うのですが、ああいう問題についてどうお考えになるでしょうか。
  25. 木村又雄

    ○木村説明員 そういった問題につきましても、先ほど来申し上げた考え方でございますけれども、これも一つの利用と保護という両方の問題がございまして、非常に利用者が多くなっていきまして、青少年はもとよりですが、老いも若きもそれが利用されるように、できるだけ多くの人が利用をして観賞することがいいという考え方、そうじゃなくて、それはあくまで歩いて登って行くべきが山である、それは十分にそういう角度から保護していかなければならぬ、従ってそういう施設は認むべきじゃないという、保護中心とした考え方と二つございまして、私どもは、どちらかといいますと、自然公園というものは保護ということを重点に置いて考えていかなければならないが、同時に、あわせて、保護というものと利用ということを考えていく。しかしながら、利用と保護をどう調整するかということについても、いろいろと意見があるわけでございます。まあ、極端な例でございますけれども、たとえば富士山の問題をとってみますと、私どもは、富士山にロープ・ウェイを作って、頂上までだれでも登れるようにするということは、好ましくないという考え方を持っておりますけれども、考え方によりますと、日本国民の山であるから、どういう人も行けるように、便利に登れるようにする方がいいじゃないかという意見もございまして、まあいつかずっと前に世論調査をしたことがあるそうでございますけれども、大体五分々々の意見だというふうにも承ったことがございますが、そういった保護と利用というものをいかに調整していくかという問題は、先生が御指摘になりましたように、やはりそういう保護すべきであるという国民的な思想と申しますか、考え方というものが、だんだん認識されていかなければ、利用と保護の調整というものは十分にいかない。そういう意味から、私どもの方は、自然保護協会というものを昨年作りまして、保護思想ということをだんだん徹底していきたい、こういうふうに考えてやっておるわけでございます。
  26. 勝澤芳雄

    勝澤委員 そこで、保護と利用の調整というのですが、私は利用というふうにものを考えないのですよ。やはりあまりにも金もうけ中心になっておるような気がするわけです。たとえば寝姿山の場合、もうちょっと下へ下げてごらんなさい。夜の景色というものは変わってくるわけです。ちょっと上がっておるために、全然ひっくらかえっておるわけです。ですから、そういう愛情がやはりほしいと思う。この前もたしか例で話したのですけれども、この間国政調査で京都の方に参りましたときに、大津で道路公団が道路を作っておりました。そうしてターミナルで、そこが停留所になるわけであります。その山の上から湖を見る場合、実にいい景色なんです。しかし、そこへ今度は、ある学校が相当高い建物を建てる。たまたまそれが私有地でなく、何か林野庁かどっかの関係だったから、建物をもう一メートル下げてくれ。一メートル下げればそれがちょうど見える。一メートル上げれば、わざわざそこに展望台を作った意味がなくなるということ。そこで、道路公団が一生懸命に市に話をする、あるいは林野庁に話をする、そうして学校に話をする、学校は、いや、二年だか三年前に許可したのだからということで、いろいろ大騒ぎになったけれども、マスコミというものも協力して、それを下げるべきだということで、きまったという話を聞きました。あるいは、道路を作りながら、道路公団がまん中に緑地帯を設けておる。あれは交通安全のためにもあるのでしょうけれども、やはり一応せっかく作る道路観光というものを考える。ですから、そういう点から考えてみますと、私は相当その場その場でいろいろ考えておる人もあると思うのです。ですから、役所全体みなが、全体的にやはり愛情を持って自然美を保護するというものの考え方をしていけば、そういうことがなくなるのではないかと思うのです。ですから、それはただ単なる保護と利用ということでなくて、その利用の方に商業資本が入って、それがやはり資本主義の政治ですから、少しでももうければ、みな競願なんといって、いろいろ競争し合うでしょうから、そういうことに政治が巻き込まれて、自然美というものをだんだんつぶしていくというふうに私はなっていくんではないかと思う。それと、今度は、文化が進んでいく中で一番観光資源をこわし始めているのは、鉄道の新幹線の問題、あるうは高速自動車国道の問題、あるいは電源開発の問題、こういたものを作るときにも、もう少し作る人たち、路線をきめる人たちにも、観光的なものの考え方、何のために作るかということから考えれば、やはり観光的なものを考えるのは当然だと思うのです。そういう点から、私は強くそういう考え方、たとえば道路の路線をきめる、あるいは鉄道線路をきめるときに、一つ文部省意見を聞いてくれ、厚生省意見を聞いてくれ、こういうことくらい言ってもいいんじゃないだろうかと思うのです。ですから、そういうふうな点が足りないのじゃないだろうか、あるいはそういう場合の国家の調整機関といいますか、するところがないのじゃないだろうか、こう思うのです。そういう点について何か少し——まあ直ちによくなるとは思いませんけれども、それでも十つぶすやつが八つになっても、あるいは六つになっただけでもいいわけですから、そういう点で国家的調整をさせるというようなことについてのお考えはどうなんでしょうか。
  27. 清水康平

    ○清水政府委員 だんだんとお話を承って、私、率直に申し上げまして、心から同感、敬意を表する次第でございます。  今東海道の問題が出ましたが、私どもの方、文化財保護委員会の立場から申しますと、あの道路を作ること、東海道線を作ることそれ自体は、日本国土開発にけっこうなことでありますが、敷く場合には一体どこを通るか、どうしてもここを通らなければならぬ場合には、史跡、名勝、天然記念物に指定してあるところはぜひ避けてもらいたいということで、運輸省あるいは道路公団と折衝いたしまして、ただいまおっしゃいましたような十になるところを八つにしていただいたり、六つにしていただいたり、それからどうしても通らなければならぬ土地に古墳があるとかというような問題は、そこを調査するまで一つ工事をやめてもらいたいというようなことをお願いいたしまして、予算も出して調査いたしておる次第でございまするけれども、なお不十分な点もございます。法律には、御承知のごとく、国土開発あるいは住宅その他の公共事業については、たとい指定してあるものについても調整をはからなければならぬということが書いてあるわけです。その調整する場合でも、やはり私の立場から申しますと、文化財を保存しつつ、その範囲内において調整したいということで、努力しておるわけでございます。  それから、今までの経緯で一番困っておりますのは、たとえばあるところへ道路を作る、そこに史跡、名勝などが指定してあるという場合に、業者は、道路建設省、バスは運輸省である。そこを通るものは指定してあるから、私の方の許可を得なければならぬといった場合に、それぞれ各個撃破して参りまして、そうして運輸省も許可になった、建設省も許可になった、さあ今度は文化財保護委員会だ——同じ国家意思が非常に違ったことがありまして、非常に迷惑したところがあります。それで、数年前でございますが、文化財保護立場から、公共事業をやる場合でも、各省と文化財保護委員会とよく連絡をとってあれば、文化財保護委員会がよろしいという点に沿うてやってもらいたいということの協力、文化財保護のために各省協力するという意味の閣議決定がございまして、その後、私らの立場から申しますと、非常によくなったと思っております。しかしながら、まだまだ不十分な点がございまして、指定してあるところがそうなんでございますが、未指定のところが常識的に見まするといかぬと思いまするけれども、無断でもってやるようなことが多々あるということは、まことに残念でございます。その際も行政的な指導を行なうのでございますが、結局は、最後は常識、言いかえれば協力の問題になるのじゃないだろうかと、私ども常日ごろそう反省いたしておるわけでございます。
  28. 勝澤芳雄

    勝澤委員 そこで、今言われましたように、相当お互いの調整はされている、しかしまだ不十分な点がある、結局私はこう思うのですよ。今国鉄の新幹線が、何か小田原の試験線のところで、一軒——国鉄の土地ですよ。戦争中買い上げた土地で、そうしてまだ本人から——国鉄はもう戦争中買い上げてあるけれども、今度はただどいてもらうだけだ。その補償金の額をめぐって意見が食い違って、とうとうその試験線ができずに、路線を変更しなければならぬというような状態になっているという話を聞きました。ですから、一個人のことになると、それほど路線というのは曲がるわけです。ですから、それと比べてみると、文化財というものはまだそれよりもうんと軽く扱われているわけですね。ですから、それほど常識的なものの考え方ができずに、非常識が通っておるわけです。ですから、そういう点から言うならば、もう少し、私は、文化財保護委員会なんというものが、運輸省よりも、あるいは建設省よりも、国土の保全なりあるいはそういう文化財保護という立場から言うならば、そこの許可権というものは、もっと権限を強く、そこの許可がなければほかの許可ができない、こういうものにしなければいけない。そういうものにするためにはどうしたらいいかというと、簡単なんですよ。力の強い大臣がそこに行けば、そこの行政が強くなる。力の弱い大臣が行けば端からやられてしまうのですよ。これは笑い話ではないのですよ。そういう点から考えると、私は、もう少し全体的に、皆さんを初め、さっきも総務長官にもちょっと笑い話のように言いましたけれども、やはり閣議全体についてもう少しそういうものについて認識を深める、それから、政治がもう少しそういうものを大事にする、それで国民の常識がやはり許さないという形に私はしなければいけないと思うのです。そうしないと、これからますます文化が進んでいく、それと自然との対抗の中で、保護すべきものはみんな私はつぶされてしまうと思う。そうして、やはり一体人工美がいいか、天然美がいいか、もう日本には天然美というものはほんとうにわずかしかなくなってしまう、こういうことになるような気がして私は仕方がないのです。  そこで、次に、日本は何といいましても温泉の国だ、こう言われているわけですが、温泉の場合におきましても、だいぶいろいろと乱掘りというのですか、そういう点でやはり相当規制をしなければならぬ、保護しなければならぬというような話を聞いておりますが、そういう温泉資源の保護というようなものは、どういうふうに今なされておるのですか。
  29. 木村又雄

    ○木村説明員 これは御承知のように温泉法というのがございます。温泉法の目的は、温泉の保護とその利用を促進することによって、公共の福祉に役立てるということになっておりますが、温泉を掘さくする場合におきましては、都道府県知事の許可を得てこれを行なうということになっておりまして、この際に、都道府県知事は、許可にあたっては、既存の温泉なり泉源に対しまして、湯量を低下させるとか、あるいは温度を低くするとか、あるいは泉質に影響を及ぼすというふうな、その他公益上支障が起こることが考えられる場合におきましては、これを許可をしないというふうなことで、都道府県知事の運用によってその保護をはかっていく。その場合に都道府県知事が許可するにあたっては、それぞれの都道府県に温泉審議会というようなものがございまして、審議会にこの許可をしてしかるべきかどうかということを諮問をいたしまして、審議会意見を聞いた上で、慎重な検討の上で都道府県知事がこれを許可する、こういう建前になっております。
  30. 勝澤芳雄

    勝澤委員 そこで、最近の文化財保護なり、あるいは自然公園、あるいはこういうものの保護という立場で、国の方の予算関係はどういうふうになっておりますか。
  31. 清水康平

    ○清水政府委員 文化財が観光資源として非常に大切であるという考え方は、だれもそう思っておるわけでございますが、それの保存に要する事業費といたしまして、三十七年度におきましては七億円であります。それから、保存の内容は、建造物、美術品の修理あるいは天然史跡名勝の保存費、それから国宝、重要文化財に指定されておりますものの文化財の災害防止、特に火災防止の点でございます。あるいは日本の無形の文化財でありますものの補助というようなものを含めまして、文化財保存事業費として約七億円、三十七年度に計上してございます。
  32. 勝澤芳雄

    勝澤委員 公園の方はどうですか。三十七年の前はどうなんですか。傾向でいいのですが、ふえているのですか、減っているのですか。
  33. 清水康平

    ○清水政府委員 約一億ばかりふえたと思っています。
  34. 木村又雄

    ○木村説明員 国立公園関係につきましては、はっきり保護と利用の関係の区別はしにくいのでございますけれども、総体といたしまして三十七年度の予算は約三億でございます。私どもとしましては、国立公園が現在十九ございますが、その国立公園にそれぞれいわゆるレーンジャーという国立公園の管理員というものを置きまして、その管理等に当たっておりますので、この人件費というものが入るかどうかわかりませんけれども、現在五十二名の管理員を置きまして、国立公園保護に当たるというふうなことをやっております。
  35. 清水康平

    ○清水政府委員 文化財保存事業費といたしまして、昨年度の三十六年度よりも一億二千五百万余ふえております。
  36. 勝澤芳雄

    勝澤委員 私は、今まで申し上げましたように、観光資源というものを十分保護し、なおそれを活用していくという面で強力な施策を行なうべきだ、こういうふうに思います。  そこで、私は、最後に、野立ち看板というのですか、あるいはネオンですか、案外観光地で立っているようでありますけれども、こういうものについては、何か取り締まりといいますか、あるいは指導といいますか、こういうものはどうなっておりますか。たとえば文化財なりあるいは自然公園の場所に立っているのはどうなるのですか。
  37. 木村又雄

    ○木村説明員 自然公園につきましては、先ほど申し上げましたように、公園計画なり保護計画というものを作っておりますので、そういう広告物等を作る場合には、これは景観の保護という面から、必要がございます場合には許可をとるようにいたしまして、いわゆる工作物の設置についての許可ということでできるだけそういうものを作らないように指導をいたしております。
  38. 清水康平

    ○清水政府委員 文化財の行政におきましては、指定物件、指定地内においてそのようなものを設置しようとする場合には、許可事項になっておりまして、専門審議会諮問をいたすわけでありますが、大体の傾向といたしましては、それを認めない方針になっております。特に建物などは、一つの例を申し上げますが、法隆寺の建物とか、あるいはそういうところには電気ももちろん許しません。いわんや指定地内においては、そういう螢光灯でありますとか広告というようなものは、もちろん許さないことになっております。  ただ、あからさまに申しますと、指定地外に、たとえば奈良なら奈良全体の環境にマッチしないいろいろなものを作ります。これなどは、先ほど来いろいろおっしゃったのでありますが、教育委員会を通じ、あるいは私どもの出先機関を通じて、内面指導で、あまりにぎごちないもの、マッチしないものは何とかやめてもらいたい、あるいは変更してもらいたいというようなことを折衝いたすのでありますが、指定しておりません関係上、あるいはこちらの言うことを聞いてくれることもありますが、最後は、文化財保護法の立場から申しますと、一定の限界がございまして、そのところまでは私どもの方は手が届きません。
  39. 勝澤芳雄

    勝澤委員 割合に国の行政というのは地方に対してはきついので、文化財保護あるいは自然公園の場合においても、ある程度規制というものが守られる点があると思いますが、権限を県知事に移譲されておる分については政府的になってしまって、そういうものはやはり考えなしに利権が多くはさまる点が多いように思います。先ほどもちょっと話したのですが、京都のりっぱなお寺のところに五重の塔が見える、その向こう側に大きなガソリン・タンクが見える、一体何のために展望台があるのかということになるわけです。ですから、そういうことは、今文部省なり厚生省に申し上げても、ほかの省の関係もあることでありますから仕方がないと思いますが、やはり全体的にものの考え方というものを変えていかないと、私は今が一番大事なときじゃなかろうかと思う。なぜ私がこういうことを申し上げるかというと、幸いオリンピックがあるわけです。やはり観光ということについてある程度みんな認識を持つ。そうしてやはり外から来る人たちは案外そういう点に気がつくわけです。たとえば日本の京都を見ようというときでも、京都があまりにも洗練されてしまって、あまりにも鉄筋コンクリートの建物ばかりできてしまって、どこに行ってもつまらなかったというようなことになっては私はいけないと思います。そういう点からいうならば、やはりこの際、特に観光に縁のある行政機関が集まって、この自然美と人工美の観光資源をこわさないようにするという立場から、何とか考えていかなければならないのじゃないか、こう思うわけであります。  先ほども申し上げましたように、国家的調整にいたしましても、保護と利用という立場からいろいろと問題があると思いますが、やはり今の段階では、利用というよりも保護というものを強めていかなければならないときにきておるのじゃないか。保護幾ら強めてもまだまだ利用の方が力が強いわけでありますから、ましてやレジャー・ブームという形で何か遊ぶ場所を作る、こういうふうになっておりますので、何でも人工を加えて、そうしてそこに人を集めるということになっておりますが、もう少し自然美の中で健全なレジャーが進んでいくというようにさせるべきじゃないかと思いますので、そういう点をぜひ御検討を願いたいと思います。  きょうはこれで終わります。
  40. 塚原俊郎

    塚原委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後三時五十九分散会