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1962-04-24 第40回国会 衆議院 運輸委員会 第25号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十七年四月二十四日(火曜日)    午前十時五十三分開議  出席委員    委員長 簡牛 凡夫君    理事 關谷 勝利君 理事 高橋清一郎君    理事 塚原 俊郎君 理事 久保 三郎君    理事 肥田 次郎君       伊藤 郷一君    生田 宏一君       宇田 國榮君    川野 芳滿君       木村 俊夫君    佐々木義武君       壽原 正一君    砂原  格君       西村 英一君    細田 吉藏君       前田 正男君    加藤 勘十君       勝澤 芳雄君    田中織之進君       内海  清君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 斎藤  昇君  出席政府委員         総理府総務長官 小平 久雄君         運輸政務次官  有馬 英治君         運輸事務官         (大臣官房長) 広瀬 真一君         運輸事務官         (自動車局長) 木村 睦男君         建設事務官         (道路局長)  河北 正治君  委員外出席者         内閣審議官   上平 輝夫君         警視長交通局         (警察庁交通企         画課長)    藤沢 三郎君         通商産業事務官         (重工業局自動         車課長)    佐々木 学君         日本国有鉄道総         裁       十河 信二君         日本国有鉄道常         務理事     中村  卓君         専  門  員 小西 真一君     ————————————— 四月二十四日  委員増田甲子七君辞任につき、その補欠として  前田正男君が議長指名委員に選任された。 同日  委員前田正男辞任につき、その補欠として増  田甲子七君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  連合審査会開会に関する件  自動車保管場所確保等に関する法律案(内  閣提出第一五六号)  日本国有鉄道経営に関す  る件      ————◇—————
  2. 簡牛凡夫

    簡牛委員長 これより会議を開きます。  国鉄経営に関する件について、調査を行ないます。  質疑の通告がありますので、これを許します。久保三郎君。
  3. 久保三郎

    久保委員 国鉄総裁にお尋ねをいたしたいのですが、実は先般の国鉄労組との紛争の、あなたの方で言う一つの結末だと思うのでありますが、職員に対してそれぞれ処分をなさった発表が出ておりますが、ものの順序としてお尋ねしたいのは、いかなる観点からこの処分をされたのか、まず第一点としてお伺いしたい。
  4. 十河信二

    十河説明員 年度手当の問題につきまして、いろいろ団体交渉をいたしておりました。それでだんだん団体交渉を煮詰めて参りまして、われわれ当局最後案を提示いたしました。ところが、ある組合はこれを受諾してくれたのでありますが、ある組合はこれを受諾してくれないうちに、全国全線の各区にわたりまして業務の阻害行為が始まりまして、皆さんに非常に御迷惑をおかけいたしました。私としては、組合を説得する十分な説得力がなかったということは、非常に遺憾であります。ああいう事態を引き起こしましたので、やむを得ずああいう処分をしなければならぬことに相なった次第であります。
  5. 久保三郎

    久保委員 お話によりますれば、年度手当の問題についてのことでありますが、年度手当については、なるほど総裁おっしゃるように、たしか先月の二十六日であったと思うのでありますが、二十六日の日に団体交渉の場が持たれた。その中で、団体交渉は一応継続するということで、国労との間では継続状態にあったわけであります。ところが、今お話があった通り国鉄部内には幾多の組合がありまして、その他の組合とは、国労との団体交渉継続中というか、中断中に妥結を見た、こういうことが一つの問題であろうかと思います。ところが、従来の労使慣行は、この席でも前に話が出たと思うのでありますが、三十二万、大半の組合員というか、職員を擁する国鉄労働組合というものの動向によって一切の問題は片がついてきたというのが、実際の成り行きであります。ところが、今回の年度手当の問題については、残念ながらそういう型がくずれてきたというところに大きな問題があったことは、御承知かと思うのですが、いかがですか。
  6. 十河信二

    十河説明員 お話しのように、従来は大きい組合と小さな組合とが相次いで——ほぼ同時に妥結をすることになったと思っておりますが、今回は、御承知のように、期日が非常に迫っておりまして、私の方からも、でき得る限りの譲歩をいたしまして最後案を提出いたしたので、それをある組合は承諾しておる。ある組合は承諾が得られないで、さらに団体交渉を続けておったのでありますが、そのうちにああいう事態が起こった次第であります。
  7. 久保三郎

    久保委員 話を聞けば、この三月三十一日に一応労使の間で妥結がついた一つ条項の中には、当局は今回のこの事態について、いわゆる遺憾の意を表明したといわれているが、その通りでありますか。
  8. 十河信二

    十河説明員 私の力及ばずしてああいう事態を引き起こしたということは、まことに遺憾に存じまして、私は、国民に対して遺憾の意を表した次第であります。
  9. 久保三郎

    久保委員 いや、そうじゃないのです、総裁。私がお尋ねしているのは、結局労使最後にこの問題で一応の結着をつける際に、当局はかかる慣行無視というか、そういう事態を招いたことについて遺憾の意を表した条項があるように聞いておりますが、それはその通りですかと聞いているのです。
  10. 中村卓

    中村説明員 私がかわって補足的に御説明申し上げます。  三十一日に妥結いたしましたときには、大体内容といたしましては、何も文書でかわしたものではありませんけれども、こういう趣旨で妥結の一項ができております。今回の措置は、労働慣行を変更するものではない。しかし、結果として紛争の生じたことは遺憾である。
  11. 久保三郎

    久保委員 今、中村常務が発表されたように、結果としてかかる事態が出たことは遺憾であるということは、当局がお認めになったと思うのです。であるから、今度の事態については、労使慣行を変更するものではなかったにしても、結果としてかかる遺憾な事態が出たということは、当局に少なくとも一半責任はあるということです。これに対して、この処分は不当ではないのか、こういうふうに考えるわけです。いかがなものでしょうか。
  12. 十河信二

    十河説明員 当局といたしましては、誠心誠意、でき得る限りの譲歩をして妥結をいたしたいと、団体交渉を続けて参った次第であります。私どもは、当局にそういう事態を引き起こす責任があったというふうには感じておりません。
  13. 久保三郎

    久保委員 責任は感じていないとおっしゃるが、ただいま中村常務が発表されたものについては、遺憾であるということは、やはり責任一半じゃないですか。結果としてそうなったのはまずかったということじゃないですか。まずかったという裏は、やはりある程度の責任というものがありましょう。一方的なものではなかったと思うのです。だから、そういうことについての反省は、少しもおありにならないのかどうかということです。それからもう一つは、あなたが先ほどおっしゃったように、組合を説得するだけのあれはなかったということについては、あなたも責任を感じられておる。それに対しての、責任に対するあなたの身の振り方はどうなんですか。職員について云々より、その点はどうなんですか。
  14. 十河信二

    十河説明員 私としては誠心誠意手を尽くした次第でありますが、その点について、私は、ただ力が足りなかったということは遺憾だということを申し上げた次第であります。
  15. 久保三郎

    久保委員 力が足りなかったということは、総裁として四十五万の人間を的確にこれを使っていくというか、管理していくということについては力の不足ということで、よってこの責任はあるべきである、こういうふうに思うわけです。  さらにこの事態が起きたもう一つ原因は、中村常務が今おっしゃったような、いわゆる遺憾であったという一つの問題と、もう一つは、結局政府並びに社会党というものが、当時あっせんに乗り出した。ところが、あっせん案に対する当局態度がいかにも不誠意であり、消極的であったから、問題自体は発展していった、こういうふうにもなるわけです。これはもっとスムーズに解決されるならば、かかる事態は起きないで済んだはずです。これについてどう考えますか。
  16. 十河信二

    十河説明員 私は、誠心誠意皆様に説得してお願いしたのであります。その証拠には、午前二時でも、あるいは三時、四時になっても、これから会いにいきたいというから、どうぞおいで下さいということで、私はとうとう徹夜をしてお待ちした。それほど私は心から誠意を尽くして皆様お話しをした次第であります。
  17. 久保三郎

    久保委員 ちょっと総裁は御用があるそうですから、中村常務に申し上げます。  総裁は、今そういうお話をしておりますが、なるほど徹夜して起きていた。その誠意は認めましょう。しかし、起きていただけでは問題は解決しないのでありまして、起きていただけで解決するなら、何も問題はありません。解決しようという意欲があって起きていたなら別です。そういう意欲がなくてやったとしか、私たちは考えておらぬ。しかも、河村労政といわれている、その労政に振り回された形が、今日の国鉄首脳部のあり方ではないかという新聞批評も出ている。これは事実そうです。これについて、中村常務はいかように考えられますか。
  18. 中村卓

    中村説明員 われわれといたしましては、あくまでも、先ほど総裁お話しになったように、誠意を持って交渉したのでありますが、御承知のように、最終提案として出しましたものにつきまして、ほかの三組合妥結をいたしましたので、われわれとしては、それ以上にプラス・アルファの条件をつけるというわけには、あの段階ではいかなかった、こういうふうに考えております。  なお、河村労政云々の問題につきましては、私たちは、総裁以下管理者一体となってこういう問題は処理しておるのでありまして、決して河村職員局長独断でああいうことをやったというふうには考えておりません。
  19. 久保三郎

    久保委員 独断でやったわけでないが、巷間伝えるところによれば、あなた方の政治的配慮が、河村労政に立ちはだかられて一歩も前進ができなかったというのが実態だそうでありますが、そういうことでありますか。
  20. 中村卓

    中村説明員 そういうことはございません。
  21. 久保三郎

    久保委員 副総裁にこの前もお尋ねしましたが、とにかく管理者なのか経営者なのかわからぬような立場が、今度の労使ともに不幸な事態を起こした原因ではなかろうか、われわれは考えておる。これに対して、十分反省の必要がありはしないか。とにかく徹夜して起きていた総裁誠意を買いますが、ただ起きていただけでは問題の解決にならぬと思う。それもこれも、何か河村労政という障壁があって、その壁をぶち破ることができなくてうろうろしていたというような新聞評もあるわけであります。こういうことであっては、今後の国鉄経営自体について、問題が所々方々に出てきやしないかと思うわけであります。これはまたほかの人もやりますから、私はあれですが、とにかくあっせん案が出ていて、しかもあっせん案から一歩でも後退したとか、前進したというのなら別であるけれども、その当時のあっせん案と何ら違いのないもの、これを中心にして妥結したのです。だから、これはそういう背景があって、時間的に遷延させて、ことさらにああいう紛争の中にたたき込んだというのが、実態ではなかろうかと私どもは考える。だから、これは意識的な遷延ではなかろうか、こういうふうに思いますが、どうですか。
  22. 十河信二

    十河説明員 私どもの方では、年度内に妥結しないといけないという期限的、時期的な制限がありますので、それで、できるだけ早く妥結を見たいということで懸命の努力をいたしたのであります。不幸にしてわれわれの努力が、力及ばずしてああいう事態になったことは、まことに遺憾千万だと申し上げておる次第であります。
  23. 久保三郎

    久保委員 だから、結局、政府社会党も、この問題は、年度末に期限がきめられているから、しかもそういう事態が起きることは予想されているから、なるべく早く事態を円満に解決するというところの努力をしたんだが、国鉄当局としては、やるならやってみろという態度があったのではないか。いかがですか。
  24. 十河信二

    十河説明員 そういう態度は毛頭ございません。できるだけ早く妥結いたしたいということを念願して、一生懸命に努力いたしたのであります。
  25. 久保三郎

    久保委員 なるほど、神様のような十河さんだそうでありますから、総裁そのものはお答えの通りかもわかりませんが、しかし、国鉄の機構は、あなた一人で動かし得ない実態に今日なっておるわけであります。そこに問題がある。一番重大なときは総裁決定がぴたりといくというような組織、これは必要だと思うのです。反面——全部じゃないのです。だが、そうでないふうに世間が全部とっておる。そこに問題がある。こういうことです。いずれにしても、これは遷延して、そういうところに巻き込んでいく、そして大量処分すれば、さらに分裂工作もいくだろうというようなことでやる。これはおくれた労務管理であります。労務管理は、御案内の通り、前向きでなければならぬ。これは大体十三年うしろに下がったところの労務管理であります。これからの発展をするところの、近代的経営の中の労務管理とは、もしそういうことがあるならば、言えない。総裁は、なるほどそうかもしれない。ところが、中身においてはそうじやなかった。結果においてそうだった。しかも、国鉄経営陣労使交渉妥結の際に、労使慣行を変更するものではないが、かかる事態ができたことは遺憾であるという表明をせざるを得なかったのは、労務管理が下手だったということでしょう。下手なものは、これは改めさせなければいけません。私はそう思うんです。いかがです。
  26. 十河信二

    十河説明員 たびたび申し上げた通りでありまして、私は、理事局長と絶えず接触をいたしておりまして、そういううしろ向き労働対策は絶対にとらせないというように、今日までも指導して参りました。今後もそういう指導をいたすつもりでおります。
  27. 久保三郎

    久保委員 河村職員局長は、かつて新潟の局長時代、国会の問題にまでなった当面の人であります。その後、労務管理の頂点に立ちまして、やや前向きになろうかと思ったんだが、残念ながら十年あとに向いた格好であります。この辺であなたも考え直さぬというと、東海道新幹線が思わぬ一角からくずれる場合がありはしないかと私は心配をいたします。私は、決してこの今回の問題だけでとやかく言うのじゃありませんが、あなたの誠意を買えば買うほど、東海道新幹線はあなたの手によってやろうという熱意を買えば買うほど、こういうつまらぬ問題で労使の間で紛争を起こすこと自体について、あなたに十分考えてもらわなければならぬと思う。  それからもう一つ申し上げます。中村常務に具体的に聞いた方がいいでしょう。今度の処分方針は、いかなる方針処分したか。なるほど、先ほど総裁が言ったように、国鉄法なりあるいは公労法によって切ったということでありますが、その切り方は、どういうふうにして切ったのですか。
  28. 中村卓

    中村説明員 主として免職についての御質問だと思いますので、その点について申し上げます。  日鉄法につきましては、三十六名免職になったうち、二名ございますが、これはいわゆる職員として不当な行為があった、暴力行為その他がございましたので、これは日鉄法によっておりますが、その他は公労法十八条を適用して処分しております。これは中央組合機関責任者を初めといたしまして、地方地方本部、あるいは支部分会の、当該の相当激しい違法行為を行なったところの地方機関責任者を、処分しております。
  29. 久保三郎

    久保委員 これは、組織責任者としての処分でありますか、いわゆる行動面においての処分でありますか、どちらです。
  30. 中村卓

    中村説明員 地本委員長あるいは副委員長、そういう方については、大体組織責任者としての責任を追及してございますが、分会あるいは支部、そういうところにつきましては、組織責任者としてのと同時に、相当みずから指揮あるいは指導をしておりますので、そういう点の責任を追及してございます。
  31. 久保三郎

    久保委員 国鉄労働組合は、連合体ではなくて、単一体であります。単一体であなたの言われる通り指令を出す場合には、大会なりその他の機関にかけて、組合の中の決定として出すわけです。その場合の最高責任者は、いわゆる国労にとれば中央執行委員会です。そのもとにおいて、いわゆる中央集権的な立場から指令をして、実行されるのです。各局、あるいは分会、あるいは地方本部という、そういうところには、指令実行の権限はないはずです。いずれも上からの指令によって行動するということでありますならば、いわゆる組織責任者は、中闘そのものでなければならぬ。にもかかわらず、分会末端までやるということは、理屈に合わぬのじゃないですか。いかがです。
  32. 中村卓

    中村説明員 上部機関指令が出ましたときに、具体的な実行方法決定する場合はもちろんでございますが、あるいはただ単に伝達するというだけのあれでございましても、やはり争議行為につきましては、そういう地本なり支部なりで決定をする、本部からの指令を受けてその通りやるのだという決定をすること自体が、組合にそういう行為を慫慂する効果をもたらすものでありまして、その点につきまして、公労法十八条に該当するというふうに考えるわけであります。なおまた、上部機関指令でございましても、内容が違法なものにつきましては、当然拒否できる立場にあるわけでありまして、無条件に必ずしも抱束されるというふうに考えておるわけではございませんので、それを下部機関指令した場合に、やはりその責任は免れないというふうに考えております。
  33. 久保三郎

    久保委員 それはあなたの一方的な解釈でありまして、結局指令権のあるところは中闘でありまして、これを実行するについて相談するとかなんとかいうのは、中央集権的な立場からの末端機関としてやることでありまして、その責任の所在は、いずれにしても中闘である、こういう解釈をわれわれはとっている。  それから十七条を云々いたしますが、十七条自体にも、いろいろ解釈がございます。その解釈自体が、あなたのそれで正しいということにはならぬかと思います。しかも、この中には、実行にも参加しないし、当日休みで家に寝ていた者まで処分を食っているわけです。それもあなたの解釈に入りますか。これは当然ですか。いかがですか。
  34. 中村卓

    中村説明員 われわれの解釈といたしましては、やはりその立場にある方はそれだけの組織上の責任をとっていただかなければならないと考えておりますので、たとえば病気でもって長く休んでおられるという方につきましては、われわれの方としても処分いたしておりません。
  35. 久保三郎

    久保委員 それは、あなたの方の認定でやれるものじゃないでしょう。会議にも参画しないし、実行にも参画しないというなら、何をもってやるのですか。組合の役員というのは、あなたの方でつけた肩書きではないでしょう。そういう処分をもしやるというなら、組合内の規律であります。そういうものまでやること自体については、行き過ぎもはなはだしいと私は思います。いかがですか。
  36. 中村卓

    中村説明員 われわれの方といたしましては、地方機関においてそれぞれ相当慎重に事実を調査した上で処分をいたしたわけでありますけれども、もし万が一事実に誤認がありました場合には、十分調査の上再考慮いたしたいと思っております。
  37. 久保三郎

    久保委員 再考慮は、どういう形であるのですか。あなたの一方的な認定ですか。いかがです。
  38. 中村卓

    中村説明員 これは再調査をいたしまして、いずれ弁明、弁護の段階というのが、御承知通りございます。その他の機会もあると思いますが、当局側の事実の誤認ということがはっきりいたしました場合には、その程度において修正いたします。
  39. 久保三郎

    久保委員 対外的に新聞には発表され、地方においてもそうですか、実際に大へん問題があるわけです。そういうものに対して、道義的責任は当然あるべきだと思う。これはいずれまた問題になります。  時間もありませんから、最後に、私は総裁に申し上げておきますが、こういうことを繰り返していたのでは、国鉄はりっぱにならないと思う。だから、経営者として——単なる管理者ならば、違法なことがあれば処分するということで、責任がとれるかもしれません。少なくともあなたは経営最高責任者として、国鉄経営責任を全体として負っている。それを考えれば、こういうことを繰り返さないように十分な考えをしなければならぬ。それには、一つは、先ほど申し上げたように、前向きの労政のとれるような人事構成も考えるべきだ。と同時に、今申し上げたようなそういう不当な処分は、即刻正しい姿に直すということが二つ目だ。三番目は、つまらぬところに意地を張らぬ方がいいだろうということです、簡単に言えば。今までの国鉄には、官僚というのはないそうですか、古いからがあって、力こぶを入れなければいけないところには力こぶが入らぬ。つまらぬところに力こぶが入っておる。そのためにこの三月三十一日の事態ができたのです。こういうことを十分反省しなければならぬと思うのです。あなたの方は、昔の官僚以上です。そういうことでは、今後の経営は万全を期し得られないと思う。よろしくやって下さい。
  40. 簡牛凡夫

  41. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 関連をして二、三お尋ねいたしたいと思います。  昔から国鉄は、国鉄一家とか、あるいはまた国鉄大家族とかいう長い伝統があったわけであります。終戦でどこもかしこももううつろで、仕事をしなかった時分に、動いておったのは鉄道だけだった、こう言われておりました。そのことは、いかに国鉄従業員というものが仕事に熱心で、国家目的のために沿って仕事をしてきたかという証左だと私は思うのです。雨あらしの中でも、とにかく招集がなくても、みなうちから出てきて、線路はどうだ、汽車はどうなっているだろうかと心配をして、自発的にどんどん仕事をしているわけです。そういうことだからこそ、総裁は、就任をされたときに、線路をまくらに討ち死にするつもりで国鉄の再建をはかる、こういう御決意を持ってお仕事をされておったと思うのです。しかし、その結果、総裁になられてから今日までどういう状態になってきたかということを考えてみると、私は、総裁事志と違った方向に進んでおるではないだろうかという点で、大へん心配をいたしておるわけであります。まさに今回のこの三月三十一日の問題というのは、私は仕組まれたもので、防ぐことができたにかかわらず、防げなかった。それはどこにあったか。それはやはり総裁なり、あるいは中村常務なりが、決意をしてやめさせることができたんじゃないだろうか。それが、世上伝えられるように、河村職員局長に振り回されて、総裁も副総裁も、あるいは常務も、とにかく押えることができずに、ついにこのような事態に入った、こう言われておるわけです。また、私も実はそのように感ぜざるを得ない点がたくさんあるわけです。このことを私はやはり考えなければならないと思うのです。このことは、国鉄として今一番考えなければならぬ。いつか私はあなたにお聞きしたと思うのですが、総裁就任以来、あなたは何人首を切りましたかという、実にいやな質問を私はいたしました。当時、合計首を七十六人切って、たしか一万六千人の訓告を除いた処分をいたしましたという書類を、私はいただいたことがありますが、今度の処分を見ましても、まさに百何名という首を切っているわけであります。首を切ったのは、やった行為が悪いから首を切ったのだと言う。約二万名、訓告を入れれば、約五万名くらいになるだろうと私は思う。これだけの処分をしただけで、あなたは処分をせざるを得なかった責任から考えれば、私は、その責任を十分痛感しなければならぬ、もうこの辺でやはり悪循環を直さなければならぬと思う。直すために、どこに欠陥があるか。それはもうちまたの中からいろいろとあなたは言われておる。せめて総裁がこうだと思ったことはやはり実行させるような管理体制に、私はしなければならぬと思う。あなたはなっている、こう言われると思います。それは当然であります。しかし、外から見て、第三者から見て、あるいは与党から、野党から、あちらからこちらから見て、もう少し国鉄の姿勢というものは、弾力のある、かつての国鉄の伝統を持った形にいかないものだろうか、こう私は言われておると思うのです。その点についてのお考えをまずお尋ねいたしたい。
  42. 十河信二

    十河説明員 私どもは、ただいまお話のように、国鉄一家として力を合わせて正しくいけるようにしたい、こう考えて、私は日夜努力いたしております。不幸にして、職員が四十五万人もおりますから、私どもの意のままにならぬ場合も往々にしてありますけれども、今後とも私は、そういう努力を懸命に続けていきたい、こう考えております。私の力の足りなかったことについては、私は強く反省して、さらに今後一そうの努力をいたしたいと覚悟いたしておるものであります。
  43. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 そこで、くどいようですが、この三月三十一日の闘争がまとまった内容をあなたも御存じだと思いますが、この内容が、なぜ三十日のまだ夜の十時なり、十一時なり、十二時、どこもまだその闘争の被害が起きないうちにまとめることができなかったのかということから考えてみますと、あの内容を見れば、この程度のものならばもっと早くまとまるではないか、あなたが決意すれば。その決意が、極端にいえば、おくれた、決意をきめさせるためにいろいろ手間どった、こういうことが言えると思うのです。あの中身の状態、この程度のものならば……。ですから、そこに、あなたの意思が、労働政策の中にしっかりいっていない。そのために、いつも過去から今日までいろいろなものが問題として起きて、たくさんな首を切ったり、あるいは処分をしなければならないようなことになったり、こういうわけです。ですから、その点は、もうこの辺でこの際一つ十分検討してもらわにゃいかぬ。そのためには、私は今の決意を十分生かしていただくようにしていただきたいと思う。  それから次に問題は、今国鉄の中にはたくさんな組合があります。それは従業員のことだからおれは知らない、こう言われるかもしれません。しかし、あなたが見ても、われわれが見ても、どなたが見ても、これは不幸なことなんです。十六とか十七とかという組合があるわけです。その組合ができた原因についても、私は申し上げませんけれども、それはやはりお考えにならなければいかぬ問題です。なぜならば、私はいつも言うのですが、一体機関車に乗っている乗務員が、一人は国鉄の労働組合で、一人は動力車の労働組合だ。下の線路工手は線路組合だ、電気は電気の組合、こういうふうにばらばらに分かれておって、それがほんとうに相和して、同じようにお互いが協力し合って組合の中で仕事をし合っておるならば、何も心配はないと思うのです。それが今度のような形で一つのくさびを打ち込まれ、仕組まれた中に、わざわざ対立を激化させるようなことをすればするほど、仕事がうまくいかないということは、あなたもおわかりになると思う。これはやはり十分お考えにならなければならぬ。この原因はどこにあるか、私が言わなくても、あなたの方はよく御存じだと思う。まさかあなたがここでその真相について明確にすることは、困難でありましょう。しかし、そのことも、一にかかって私が先ほど申し上げましたように、今日まで行なわれてきた労働政策の中にも問題があるのだという認識は、この際してもらわなければいかぬと思うのです。  それからもう一つの問題は、今回の処分というのは、私は、従来にない大量の処分だったと思うのです。しかも妥結をした内容妥結をした時期、こういうことも考えてみれば、一体こんなに大量の処分をしなければならないほどのものであったかどうかという、常識を疑われると思うのです。この常識を疑われるようなものがまたどこから出てきたかといえば、これはやはり総裁事志と違った形で行なわれている。これは、やはり総裁にこの際十分お考えをいただかなければならぬ問題だと思う。あなたがお考えにならないならば、またこれ以上の状態が出てくるでありましょう。先ほど久保委員が、その点については十分申し上げたはずですから、私はそれ以上のことは申し上げませんが、この際、この辺でもう過去の悪循環はおやめになって、そうして真にお互いが裸になって、今合理化のために一生懸命努力しているわけですから、その合理化のためにも十分話し合いをして——とにかくまとまってものが前進をしている事実があるわけですから、そういう点から考えれば、私は、あなたが話をしてわからないような労働組合ではないと思うのです。あなたなら、あなたが責任を持って、あなたが経営者として、こうなんだというお話をしていくならば、私は問題がないと思う。それが、今日までそうなされていないところに問題があるわけです。  今度の問題につきましては、また別の機会にどこかでいろいろと別の角度から検討されるでありましょうから、ここは運輸委員会でありますから、ぜひ一つその点は、これを契機に、一つ反省期を迎えた新しい労務管理のあり方、労働政策のあり方を十分検討して、転換をすることを私は強く要望いたしまして、なおこの処分の問題につきましては、またわれわれとしても十分検討して、いろいろな問題について異議を申し上げることにいたしまして、質問を終わります。
  44. 簡牛凡夫

  45. 前田正男

    前田(正)委員 この際、特に皆さん方の御了解を得まして、過般の鉄道審議会におきまして、われわれ地元が多年要望しておりました五新鉄道、その第一期工事であります阪本線について、原則としてはレールでもってやるけれども、現在路盤ができた一部の城戸間を暫定的にバスが使用することを認めるというふうな決定がなされたのでありますけれども、しかし、この決定にあたりましては、われわれ関係の地元の者といたしましては、これに大へんな異議がありまして、その点について、審議会の委員の方、あるいは関係当局に十分に申しておりました関係上、その決定に際しましては、県の中の意見が一致するならば、さらに結論について十分考慮する、それまでの間は、その工事は保留する、こういうような話になっておったわけでございます。  ところで、その後私たちの県の中におきましても、意見の調整をいたしまして、本日関係の者が陳情に出て参りまして、その調整した結果を関係方面に陳情いたしておるわけでありますが、すでに御承知だと思いますけれども、この問題につきましては、奈良県の県会におきまして、自由党、社会党、民主社会党、無所属クラブ、全会一致をもって、一人の反対者もなく、今まで審議会できめておられました通り、レールでもってこれを一日も早く完通してもらいたい、こういう決議をしておられまして、その沿線に当たります五条市、あるいは大塔村、十津川村、野迫川村その他のところは、全部村会の決議をもちまして、これまた同じようにレールでもって一日も早く完成してもらいたい、こういうことでありましたが、ただ一部に異議がございましたので、その点の調整をいたしまして、その結果、奈良県選出の国会議員、衆議院の者が全会一致、参議院の者が三名全会一致と、合計八名の者がみな一致いたしまして、この結論に従って行動しようということになったわけであります。先ほど申しました通り、奈良県の意見が一致するならば、これについては十分に考慮するということでございました。  ところが、この問題について皆さん方に特にこの際お願いいたしたいと思いますことは、これはすでに経過も御承知通り、大正八年以来、長年にわたりまして、私たちの先々代ごろからこの実現に努力して参りまして、昭和十四年には、一部工事着工されましたにもかかわらず、戦争で中断されましたが、さらに終戦後、地元関係者その他関係当局の御好意によりまして、第一回の建設線に入りまして、二十七年から工事を始めておったのであります。ところが、三十五年になりまして、これが一部バスに変更するというようなことから、これが工事が中断されておたっのであります。ところが、大体この鉄道審議会で一番初めに決定されました通り、この五新鉄道というのは、資源開発をするというのが主なる目的でございます。資源開発をするところのものをバスに変更するということは、大体その目的を達成できないだけでなく、さらに資源開発地方でありますから、地域も大へん狭隘なところがありまして、現在できている路線も、バスには非常に不可能なところでございます。さらに、これに並行しまして二級国道が走っておりまして、それには現在民間バスが走っているわけであります。それにさらにこの両方あわせて、こういうような既設の路盤のところにバスを通すということは、国費の二重投資になりまして、私は、その責任もあるのではないかというように考えるのであります。私たちは、たびたびこの問題について、関係当局あるいは審議会の方たちにもお話して参ってきたのでありますけれども、要するに、地元の意見が不一致なところがあるから、こういうお話であったのでありますが、しかし、その地元の意見が不一致ということは、これは国鉄の方がバスをやろうというふうなことを言い出して、その関係で一部にそういう意見を述べた人がおったのでありまして、先ほど申しました通り、県会におきましても、さらに今度は国会議員全員一致して、暫定的にバスを通すということの不合理性、その危険性、その開発の目的に反する点について、強くこの際私たちは打ち出しまして、ぜひ当局反省を求めていきたい、こう思っておるのであります。しかるところ、過日は、国鉄では、予算がないとかあるいは困難だとかいうようなことを言っておりながら、この審議会がきまったというと、直ちに調査員を派遣しまして調査をして、二億円で来年四月にはバスを通すというようなことを宣伝して回ったという話も聞くのでありますが、これは先ほど申しました通り、審議会の決定に対して、運輸大臣も立ち会っておられましたが、責任者の方たちと県が一致した、工事を保留するという言明にも反するわけであります。そういうような非紳士的な行動をとって、そうしてこういうことを強行するというようなことならば、われわれ地元の関係の者も、あげて強力な反対態勢をとらざるを得ない、こういうふうな段階に参っておりまして、国会の審議の貴重なる時間の最中に無理をお願いしまして、私が緊急に質問させていただいたのも、そういうような状態でございます。従いまして、これは当然そういうふうな工事を保留する——前の約束通り保留していただくと同時に、あらためて現在の段階におきまして、全会一致の県会の決議と同時に、国会議員も今度は全員一致したのでありますから、この機会にこの審議会の決定というものを、審議会の決定されたときの事情に照らして再検討していだだいて、そうしてこの本来の目的に沿うように、一つレールに変更していただくのが当然ではないかと思うのであります。その点について、運輸政務次官及び国鉄総裁の御意見をお聞かせ願いたいと思います。
  46. 有馬英治

    ○有馬政府委員 ただいまの阪本線の問題でございますが、このことにつきましては、御承知通り、去る三月末の建設審議会におきまして、具体的な結論が出たわけでございます。その決定にあたりましては、諸般の情勢を各位において検討した結果、結論が出たわけでございますが、もちちん前田委員の仰せのようなことも十分勘案された結果であろうと存じます。運輸省といたしましては、一般的に申しまして、鉄道建設審議会の結論を忠実に順守いたしまして、国鉄に対しても、その決定実行させることが前例になっております。おそらくその問題につきましては、鉄道審議会の結論というものも、いろいろと意味深いものもあるかと存じますので、地方の実情がまた変わって参りましたというお話でございますが、近く国会終了後、鉄道建設審議会が開かれるようになっております。従いまして、おそらく会長初め、この問題についてもこれが論議の対象になりまして、いろいろ御相談があることではないかと思っておりますので、その結論をいただきまして、運輸省といたしましては、どこまでも実情に沿って進めることができますように、今後とも善処していきたいと存じます。
  47. 十河信二

    十河説明員 ただいま運輸省の政務次官のお話通りであります。私どもといたしましても、建設審議会の御意向を体しまして、政府と十分に御相談いたしまして善処いたしたい、こう考えております。
  48. 前田正男

    前田(正)委員 ここで一つ、運輸省は監督の責任があると思うのでありますが、国鉄の方に対しまして、特に責任問題を私もこの際あらためて追及したいと思っておるのです。それは、二十七年に運輸審議会できまりましてから、国鉄自身は、運輸大臣のところへ鉄道レールで阪本まで引きますという申請を出されて、そして運輸大臣の認可を得ておられるわけです。それは当然やらなきゃならぬ責任があると私は思う。それに基づきまして、すでに数億円の金を投じておられるのでありますけれども、その当時から、そのそばに並行してバスが走っておったわけです。それがわかっておりながら、さらに新しくここへ巨額の金を投じて資源開発をしようというわけでありますから、その当時から、国鉄というものはレールで引いていこうという考えで認可をもらうのは当然のことだと、われわれは思うのです。それを国鉄がバスにされるということなら、われわれはこれに賛成することはできません。われわれも、少なくとも国会議員の一人であります。そんな二、三百メートル離れたところに、しかも国道に、そして民有バスが通っているところに並行して、国鉄がバス路線をつけるという、そんな国家のむだな金を投じるということは、われわれも了承できないわけです。これは長年われわれが希望して参りましたように、レールを引こうということでありますから、われわれも賛成し、ぜひともお願いしてやってきた。それを途中で国鉄が一方的にバスに変えるということを申請するというのが、大体私は責任問題があるんじゃないかと思うのです。  それから、さらにこれについて言及したいと思いますことは、この工事を始めるにあたりまして、非常に費用がかかるから、その間いろいろと国鉄の方ではお困りになる、こういう話でありまして、これができ上がるまでには何年かかかるでしょうけれども、一番時間のかかるのはトンネルである、トンネルから先に工事を始めたらどうかということを、われわれ地元を代表してお願いした。ところが、国鉄の方は、それでは時間がかかり過ぎるから、五条から城戸までの間を先にやらせていただいて、その当時はそこは汽車でやっておられたが、これを途中からディーゼルで通すから、そういうふうにしてくれということで、われわれも了承した。ところが最近になると、城戸までディーゼルで運転すれば赤字が重なるから困る、こういうようなことを国鉄の内部で言っておられるらしい。一体、そういうことは国鉄のどういう考えからそういう話が出てくるのか。国鉄自身が初めからきめられたものを、国鉄当局の中からそういうふうな声が出てきて変更申請するというふうな、そういう無責任なことで——この金は一体だれの金であるか。国民の金だ。現在の国鉄職員の人の鉄道ではない。これはみんなが出し合った金、その国民の金を使った国民の鉄道が、そういう責任をのがれたような、自分たちがやってきたことをのがれたようなことを言って、そうして変更申請をするというようなことは、実に私は無責任じゃないかと思う。  さらに、この際考えてもらいたいと思いますことは、これを今バスに変更すると言っておられるけれども、既設路面は、レールのために数億円投じて、そのように作られておるわけです。これをバスに変更するためには、国鉄の言っておられるように、二億円ぐらいの金はどうしても使わなければならぬ。しかも、それは、今度の建設審議会の決定でも御承知通り、全部レールの線として認められておって、今度もこれはレールとして許可を与えておられる。ただ暫定的にバスを使う、そういうことになれば、バスに切りかえたその二億という金は、阪本まで開通すれば捨てなければならぬ。そんなむだなことには使えない。しかも、そこは民有のものが走っていながら、そういうことを国鉄から申請されるということ自身が、私はおかしいと思う。この点については、総裁にわれわれもいろいろとたびたびお願いに上がって、非常に理解ある言葉をいただいておったのでありますけれども、しかし、現段階に及んでまたそういうことを申請するということになれば、総裁としても、その部内の監督に対して厳重な責任を感じてもらわなければならぬのじゃないか。また、運輸省としても、そういう国鉄がむだに使われることに対して——これはきょうここへ建設省の道路局長も来ておられますけれども、国道というものも、国鉄というものも、これはみんな国家のものです。
  49. 簡牛凡夫

    簡牛委員長 前田君、簡潔に願います。
  50. 前田正男

    前田(正)委員 そういう点で、もう少し責任ある考え方で善処していただかなければならぬのじゃないかと、私は思うのであります。先ほども申しました通り、われわれの方の意見も、今度は全部国会議員も一致しました。また県会も全部一致しました。この審議会の問題について、われわれの方も陳情いたしますけれども、ぜひ一つ誠意ある態度をとってもらわなければならぬ、こう思うのであります。その点について、政務次官と国鉄総裁の、一つ善処をされることについて、あらためて御答弁をいただきまして、私は臨時でありますから、これで終わります。
  51. 有馬英治

    ○有馬政府委員 先ほども申しました通り、十分御意向は拝聴いたしました。私といたしましては、運輸大臣にもこれをお伝え申し上げ、また、建設審議会から結論が何か出ますならば、それに従って善処を申し上げたいと思います。
  52. 十河信二

    十河説明員 政務次官のお話にあります通り、近く鉄道建設審議会も開かれることでありますから、私ども鉄道建設審議会の御意向を体して、政府と十分に御相談をいたしまして善処したいと考えております。
  53. 前田正男

    前田(正)委員 どうもありがとうございました。      ————◇—————
  54. 簡牛凡夫

    簡牛委員長 自動車保管場所確保等に関する法律案を議題とし、審査を行ないます。  質疑の通告がありますので、これを許します。久保三郎君。
  55. 久保三郎

    久保委員 委員長に要望しておきます。が、ある時期には、法案審議の中途においては、最高責任者の御出席をいただきたいと思うのであります。  本日は、最初でございますから、本日御出席の関係の方々に御質問を申し上げます。  まず第一に、本法案というのか、交通問題についての政府における閣僚懇談会、あるいは交通対策本部というのがございますが、あらためてお尋ねしますが、本法の担当はどこの官庁が持たれますか。
  56. 有馬英治

    ○有馬政府委員 運輸省、建設省、並びに警察庁、三省庁の合議でございます。現行法に基づきまして、ただいまございますそれぞれの担当のところが合議をいたして決定しておる次第でございます。
  57. 久保三郎

    久保委員 大体今までの行政の中では、三省庁協議というか、あるいは連絡というか、そういうものにまたがるものは、はなはだ的確に行なわれない実態があると思うのでありますが、これはあらためて川島行政管理庁長官にもおいでをいただいて、お話をお聞きしたいと思うのでありますが、この法案を見ても、中心がどこなのかというと、三省庁である。そうしますというと、はなはだ言いにくいことでありますが、今日の官僚組織では、いわゆるセクショナリズムが片方にある。官庁のなわ張り根性がある。さらにもう一つは、責任の回避という問題がうらはらになっておる。この二つの側面がある限りにおいては、かかる法律も実効を期し得られないと私は思うのでありますが、これはどうなんです。
  58. 有馬英治

    ○有馬政府委員 交通問題は、御承知のように、関係当局が多いのでございまして、従いまして、久保委員のおっしゃるような間違いが起こるということはきわめて望ましくないことでございますので、従いまして、現内閣におきましては、閣内に交通閣僚懇談会を設け、またその下部に幹事会を設けて、各省が緊密な連絡をとって事を進めておるような状況でございまして、今日までの状況では、きわめて円満に連絡も行なわれ、そして責任においても回避するどころでなく、いずれも積極的に自分の分野を守りながら前進を進めておる状況でございます。必ず責任を持って実施できると、政府としては考えております。
  59. 久保三郎

    久保委員 そこで、取りまとめというか、そういうことをやるのは、交通対策本部のあるところの、大体総理府だと思うのです。  そこで上平審議官にお尋ねしますが、この法案は、なるほど道路における交通の渋滞を緩和するということで、それぞれ車庫を持たせようというねらいである。これは交通渋滞を緩和する一つの方策でありまして、全部ではないことは、御承知通りであります。ついては、交通対策本部なり、閣僚懇談会なり、それぞれできておりますが、今日までおやりになった仕事は、どういうものがありますか。われわれが関係したというか、法律として提案されたものは、去年の三十九国会で踏切道の改良促進法が一つ、さらに最近のこの四十国会では、駐車場法の一部改正が出てきた。あるいはいわゆる道路交通法の一部改正、これは今日国会にかかっておりますが、さらにもう一つは、明日から始まるところの、これは行政措置でありましょうが、車種別規制、こういう問題だと思うのです。それ以外に何か手が打たれているかどうか。
  60. 上平輝夫

    ○上平説明員 交通対策本部は、一昨年の十二月に発足いたしまして、昨年の十二月に閣僚懇談会ができるまでの間は、たとえば時差通勤、通学の実施とか、あるいはダンプカー、砂利トラックの事故防止対策、あるいは都道府県交通対策協議会の設置対策ということにつきまして、関係各省協議いたしまして、案を作ってやったわけでございます。昨年の十二月に閣僚懇談会ができましてからは、閣僚懇談会の庶務を担当するところとしましてやっておりましたが、閣僚懇談会で現在までに討議して取り上げましたことは、先ほど御指摘があったように、たとえば運転免許の資格の引き上げの法律改正の問題とか、あるいは車種別、時間別規制の実施とか、あるいは阪神高速道路公団の設置の問題とか、あるいは踏切道改良促進法による立体交差、ないし踏切の構造変更を要する踏切の指定の問題とか、あるいは道路工事の促進のための方策とか、そういうことにつきまして、もっぱら討議しておったのであります。最近では、ただいま御提案になっております自動車保管場所確保等に関する法律案につきまして、閣僚懇談会で討議していただきまして、国会提案の運びになった次第であります。
  61. 久保三郎

    久保委員 私が述べたことと変わったことは、阪神の高速道路の問題だけでありまして、あと目新しいものは御発表にならない。そこで、これは上平審議官にとやかく申しても始まらぬことでありまして、きょうも交通問題閣僚懇談会があったそうでありますが、委員長、どなたか閣僚の一人、当面の責任者である運輸大臣なり総務長官にこちらに御出席願って、きょうの閣僚懇談会では何をおきめになったのか、御相談になったのか、特にお聞きしたいと思うのでありまして、お手配いただきたいのであります。  そこで、来るまでの間にお尋ねを進めて参りますが、今あげられたものの中で、やや恒久的だと見られるものは、残念ながら阪神の高速道の問題、あるいは半恒久的とも見えるのは踏切道の改良促進法、こういうようなものだと思います。これらは交通を円滑にするというか、時代に応じてその交通を円滑に流すということが主体であります。人や物を円滑に流すというのが、交通の主眼点であります。そのために、やむを得ず規制というのがつきまとうわけであります。でありますから、本来からいうならば、規制というのは、これは早く言えば邪道と言ってはちょっと語弊がありますが、少なくとも規制というものはやらないで済むことが、文明国家として一番名誉だと私は思うのであります。しかし、当面の問題として、規制をやらざれば交通難の緩和はできないということでありますから、交通難の緩和であるところのいわゆる規制は、どこまでも暫定的な措置である、こういうふうに考えるべきだと思うのでありますが、特に自動車を扱うところの運輸省の自動車局長は、いかように考えますか。
  62. 木村睦男

    木村(睦)政府委員 道路交通につきましては、申すまでもなく、お話しのように道路上を車を円滑に流すことがその目的でございまして、あすから実施しようとしております交通規制は、本来の道路使用という面から申しまして、本来の考え方とは若干違うわけであります。しかし、これも道路が非常に容量が少なくて、交通量が非常に多過ぎるためのやむを得ない措置としてやるわけでございまして、これが本則とは決して思っていないのであります。しかし、全般的に流れのよどみがある場合に、少しでも流れを円滑にするために、やむを得ず一時規制をするというのが、あすからとられる措置の根本的な考え方でございます。  なお、今回提出いたしております自動車保管場所確保等に関する法律につきましては、本則に戻りまして、路上をふさいでいるものをのけて、車を円滑に流し得るようにしよう、これは、本来の道路の使用の建前から申しましても、本来の考え方に基づいた法律である、かように考えておるのであります。
  63. 久保三郎

    久保委員 局長、あなたは今最後に、道路を本来の目的にするための車庫の確保の法律である、こうおっしゃいましたが、そう言い切れるのは道路でしょう。道路というのは、なるほど主眼点としてはそこを通るということであります。その反面、それに関連して、人間なり物がそこでとまるということがあります。そのとまる場所も、やはり道路でなくてはならぬ、こういうふうに考えるべきだと思うのですが、いかがですか。
  64. 木村睦男

    木村(睦)政府委員 道路上を輸送機関として自動車通ります場合に、その輸送の使命を果たす必要上、荷物をおろす、あるいは客を乗せるという意味におきましてとまるということは、車が道路を使用いたします場合の当然のことでございまして、私が申し上げておりますのは、そういう意味で道路にとまるということでなしに、車を使用しない場合に、これを休めるために車庫のかわりとして道路上を使うということは、非常に交通量の多い場合につきましては、特に避けなければならない、こういう意味合いで申し上げておるのであります。
  65. 久保三郎

    久保委員 今の最後の方でありますが、別に言いがかりをつけるわけではありませんが、道路の容量に限界があるので、結局そういう規制をするわけでありますね。だから、あなたのおっしゃることも一理あります。しかしながら、本来の問題として取り上げる場合には、基本的な問題としては、道路の容量を時代に合わして広げていくというのが一つであります。それからもう一つは、特に都市に集中するところの車両、こういうものをさばくのに道路の容量を広げるということにも限界がありますから、一つの側面としては、やはり都市の分散ということがある。道路を拡充するということが一つと、都市の分散ということが一つ、この二つが基本線でなくてはならないわけであります。でありますから、これは、われわれは基本的には反対じゃありません。今日の自動車交通、都市の交通を見ますならば、少なくとも車庫を確保させなければいかぬということは、万人ひとしく認めるところであります。しかしながら、そのことに依存して、あるいは駐車禁止、駐車制限、一方交通、そういうことによってのみ都市の交通難を緩和していくということは、時間的にもう制限があるということです。時代は進歩するのでありますから、これに応じたところの道路構造を変える、さらには都市の分散をするということが、少なくとも基本的な政策として打ち出される反面、暫定的な措置として、あるいは万やむを得ない措置として、こういう規制をするべきではないかというふうに考えるわけです。いかがでしょう。
  66. 木村睦男

    木村(睦)政府委員 お話しの問題につきましては、関係する省がいろいろございまして、私が一括してお答え申し上げるのはどうかと思いますが、交通行政をあずかる一人として申し上げさしていただきますならば、都市におきましては、全く今久保先生のお話し通りでございまして、ただ単にこれを道路とそこを通る自動車の問題だけに限って措置をするということでは、とうてい根本的な解決はできないわけであります。都市の分散も大きな一つの必要な問題でございますし、また、その都市内における住宅の建設の配置の問題、いろいろそういった都市構造等につきましても、あらゆる角度から検討いたしまして、総合的に大都市における交通問題の解決に当たらなければいけない、かように考えております。そういう意味合いにおきまして、現在内閣に設けられております交通対策本部、あるいは交通関係閣僚懇談会等におきまして、総合的にこういう問題を取り上げて解決していこうという方向に、われわれも参画いたしまして検討をいたしておるのでございまして、今回提案いたしました法律も、その一つの現われであるというふうに解釈していただきたいと思うのでございます。  なお、これらの問題につきましては、私の所管外のことでもございますので、あるいは出席の政府委員から、重ねて答弁があろうかと思います。
  67. 久保三郎

    久保委員 建設省の河北道路局長、さしあたり特に都市が中心になると思うのでありますが、道路拡充というか、改造というか、そういうものについて、政府方針としてはいかが考えられておるか。道路五カ年計画というのがございますけれども、この中でどうなのかということであります。
  68. 河北正治

    ○河北政府委員 道路整理五カ年計画で私ども道路の整備の促進をはかっておりますことは、御承知通りでございます。都市内の道路が非常に交通難で困っておるということも事実でございますが、その点にもかんがみまして、私どもといたしましては、都市内の道路の整備にも重点を向けていくという工合に考えて、道路整備を進めております。
  69. 久保三郎

    久保委員 基本的な対策として、最近におけるような進み方で、はたしてこの交通需要に応じた道路改良ができるかどうかということであります。いかがですか。
  70. 河北正治

    ○河北政府委員 先ほど御指摘の中にもありましたように、阪神地方におきましては、阪神高速道路公団を作りまして、都市内の交通の緩和に資していこうと考えております。また、東京におきましても、都市計画街路、その他オリンピックを目標といたしまして約百億の支出もいたしておりますが、これもオリンピック関連道路とは申しながらも、東京の交通難緩和には相当に役立つものだというふうに考えております。
  71. 久保三郎

    久保委員 道路の問題については五カ年計画でやろうというのでありますが、それも都市の問題も含めておやりになるというお話であります。私が言いたいのは、これはあとでけっこうですが、たとえば今度の大きな問題は、自動車と道路の問題なんですね。人間と道路の問題もありますが、その前に、やはり道路と自動車、いわゆる車両の問題になっているわけです。この関係について、日本における自動車の保有の趨勢と道路の関係を、やはり御検討なさっておると思うのであります。そういうことについて、建設省自体が、ある年次がくれば、大体この程度の自動車保有量においては十分まかない切れるという自信をお持ちなのでありますかどうか、そういう点、簡単にお答えいただければけっこうであります。
  72. 河北正治

    ○河北政府委員 道路整備五カ年計画で、御承知のように二兆一千億の道路投資を考えておりますが、その基礎といたしましては、たしか昭和三十三年だと思いますが、昭和三十三年の自動車一台あたりの道路試算というものを出しまして、それにただいまの自動車保有量の伸びとかけ合わしたもので二兆一千億というものが積算されておりますが、現在の道路整備計画をやっていけば、私どもの予想いたしました自動車保有台数の伸びと実際の自動車の伸びというものが狂いますればともかくも、現在では、三十六年度以降においては、そう大きな狂いは見ておりません。
  73. 久保三郎

    久保委員 木村局長、今の問題いかがですか。狂いはなくて、うまくいきますか。
  74. 木村睦男

    木村(睦)政府委員 自動車の伸びは、御承知通り非常に高いのでございまして、これに伴いまして道路の整備拡充計画がどうであるかということにつきましては、われわれも非常に強い関心を持ちながら行政を進めておるのでございます。ただいま建設省の方から御説明がありましたような計画でございますが、われわれとしては、さらにこれがもっともっと拡充されまして整備されることをもちろん希望するのでございますが、いずれにいたしましても、国の予算の限界等がございますので、われわれも側面的にこれを応援をいたしまして、道路はもともと広くかつ長いに越したことがございませんので、その方向に向かいまして十分協力しながらやっていく、かように考えております。
  75. 久保三郎

    久保委員 運輸大臣がいらっしゃいましたから、さっそくお尋ねいたします。  ただいま、御提案がありました自動車保管場所確保等に関する法律案についてお尋ねをしておるわけでありますけれども、この法律自身については、われわれは基本的には賛成であります。今日の事態を解決するのには、やはり車は車庫を持っていただくということが基本だと思います。しかし、その持たせる方法その他についても、いろいろな問題が出てこようかと思うのです。基本的な問題については、今申し上げたように、都市の分散あるいは道路改良の促進ということの二つに尽きると思うのであります。その問題をないがしろにしておいて、いろいろな規制やこまかい点をやって万事終われりというのでは、残念ながら交通対策は成り立ち得ないと思うのです。本法案についても、やはりこれはある程度時限的なものでものを考える必要がある。というのは、反面、政府はそれによって責任を感じて、私の申し上げる基本的な方策を推進しなければならぬということであります。恒久的にこういう方法を全部やっていくのだ、車種別規制も今後ずっとやっていくのだ、さらにひどくなれば全部に及ぼすのだ、この確保等に関する法律案もその通りで、全部将来にわたってやっていくのだというような考えでおりますと、これは、残念ながら都市の分散に対しての方策もできかねるし、道路の改良の方策もできかねると思うのです。そのことは一応今申し上げた通りでありますが、少なくともそういう基本的な線を貫き通す中において、それに到達する暫定的な措置として、今回提案されたような法律の効果があろう、こういうふうに思うのですが、いかがですか。   〔委員長退席、高橋(清)委員長代理着席〕
  76. 斎藤昇

    ○斎藤国務大臣 ただいまの久保さんの御意見は、全く同感でございまして、政府といたしましても、その方針によりまして、まず主要都市の道路面積を広くすること、このためには道路の拡幅あるいは新設が必要でございまして、これを急速にいたす所存でございます。同時に、都市の分散、少なくとも現在の都市にこれ以上集中してこないような方策を講ずる。また、同じ東京都にいたしましても、都心にベット・タウンというものを設けて、都心にどんどん人がくるということをできるだけ避けていくという方針を、都市計画の実施の面に、あるいは道路拡幅の面に、都市構造の改善の面に、急速に進めたいと努力をいたしておる次第でございます。ただ、いかに道路が広くなっても、またいかに都市の集中の弊を避けることにいたしましても、今後自動車のふえて参るという趨勢は避け得ないと思います。しかしながら、できるだけ経済やあるいは文化に支障を来たさないような方向で、自動車交通の円滑をはかって参りたい、かように考えておるわけであります。
  77. 久保三郎

    久保委員 ただいまのお話はその通りだと思うのでありますが、それにしては、先般大臣が提案理由の説明をなされました際に、この規定は全国に適用されることが望ましい、これは全国といっても、全部ではないのでありますから、ある程度わかりますが、しかも、そのあと、地域を政令で指定して実施します、逐次これを拡大していきたいということでございますから、そうなると、ただいまの御答弁とは少し食い違うのじゃないか、こういうふうにわれわれは思うのであります。これは逐次拡大するのではなくて、必要なところで必要な地域に細分化して適用していくという、最小限度の規制を考えるべきではなかろうかと思うのです。これは、別に車庫ばかりではございません。いろいろなものも入っています。そういう意味で私は申し上げるのでありますが、それはいかがですか。
  78. 斎藤昇

    ○斎藤国務大臣 お説のように、こういうものがないことが望ましいと思うわけでございますが、先般の提案理由で地域を逐次拡大していくと申しましたのは、今直ちに全地域、あるいは主要都市につきましても、全地域についてやるということになりますると、現実に車庫あるいは自動車保管場所を持たないで道路上に保管せざるを得ないという、この現状は認識せざるを得ませんので、従って、これらに対しまして、逐次自動車保管場所を作っていくという施策をあわせ行ないまして、そうして車庫、保管場所がわりに道路を使わなくてもいいという情勢を作り上げて、そうしてそういうところから、実施をして参りたいというのが、本旨でございます。
  79. 久保三郎

    久保委員 けさ閣僚懇談会があったようでありますが、これらの問題については、けさは御討議になったのでありますが、いかがですか。
  80. 斎藤昇

    ○斎藤国務大臣 交通閣僚懇談会におきましては、かねて、本法を実施いたしますためには、どうしてもただいま申しますような現に路上を車庫がわりに使っているという地帯における車の保管場所をできるだけ作ることを助成する方策をとっていかなければならぬという基本方針は立てておったのでありますが、きょうの閣僚懇談会におきまして、ことに中小企業の方々にそういうことが非常に現在としては多いわけでございまするので、通産省からの要望といたしまして、公共駐車場の設置を促進するとともに、過渡的措置として、公共施設、たとえば公園、学校等の敷地を夜間に限り保管場所として利用できるようにすることというのが一点と、いま一点は、事業協同組合等が共同施設として車庫等を施設しようとする場合には、所要資金の確保につき十全の配慮を加えることとし、また国有地、公有地の払い下げもしくは貸付、税制上、財政上の特別措置等について検討すること、この二点の要望がございました。交通閣僚懇談会におきましては、趣旨は全く同感である。ただ、第一項の、学校等を夜間に限って自動車保管場所として利用するという点には、相当難点があるかもわからないので、これは文部当局ともよく連絡をとって考えていこう。第二項の点につきましては、全く趣旨同感であるから、この趣旨によって急速に実施し得るよう、関係各省協力して実施案の作成をしよう、こういうことにきょうの閣僚懇談会は相なりました。
  81. 久保三郎

    久保委員 ただいまきょうの閣僚懇談会のお話がありましたが、この法案の裏づけは、今大臣述べられた閣僚懇談会の線が十分に配慮されなければ、中小企業を圧迫し、あるいは自動車産業にまで累を及ぼすというふうな大きな問題になると思う。しかしながら、この車庫は持ってもらわなければいかぬ、こういうことでありますから、この法案と同時に、かかる諸政策を具体的に国会に出すなり、御発表いただくのが当然かと思うのですが、今御発表になったのも、やはり抽象的でありまして、それでは具体的に公用地の払い下げなり利用はどうするのか。あるいは事業協同組合のやる共同の車庫というか、保管場所の設置については、所要資金を十分にやるというが、どの程度やるのか。あるいは税制の面でめんどうを見るというが、それはどうするのか。そういう具体的な策が、この法案審議中には出ないですか。いかがですか。
  82. 斎藤昇

    ○斎藤国務大臣 現実に実施いたしまする案といたしましては、この国会中にあるいは困難であろうかと存じまするが、できるだけ至急にただいま申し上げました事項を実施に移すようにいたしたいと存じております。これらの実施につきましては、法律を要しないで、事実上行政措置としてやれる分がございまするし、予算の措置も、さしあたっては補正予算ということを要しないでやれる面が相当あろうと存じます。事実上実施に移して参りたいと、かように思っております。
  83. 久保三郎

    久保委員 予算を要しない、あるいは事務的にできるという面も、お話通り、あるかもわかりません。しかしながら、法案審議の建前からいけば、この問題が一番裏づけとして必要なんでありますから、やはり具体的な方策をお示しいただかぬと、国会審議には支障がありはしないかと、われわれは考える。ついては、この法案審議中に、もう少しこまかい点までわかるように御努力いただきたいと思うわけでありますが、いかがでしょう。
  84. 斎藤昇

    ○斎藤国務大臣 できるだけ努力をいたしまして、御趣旨に沿うようにいたしたいと思います。
  85. 久保三郎

    久保委員 そこで、通産省からお見えでありますけれども、通産省は、自動車産業の方の担当かと思うのでありますが、今お話に出ました車庫を確保するという、中小企業に対する対策等は、御関係がないかと思うのですが、いかがでしょうか。ありましたらばお尋ねをしたい。
  86. 佐々木学

    佐々木説明員 私どもの担当は、自動車の生産、輸出、輸入ということを担当しております。もちろん中小企業対策そのものは担当外でございますけれども、しかし、これは重要な需要先でございますので、これが影響を受けるということは、結局自動車産業が大きな打撃を受けるということでございます。これが救済策につきましては、交通対策本部、及び通産大臣を通じまして閣僚懇談会におきましても、ぜひこれが対策をやっていただくようにお願いしておるわけでございます。もちろん、先ほど運輸大臣からも御説明がございましたように、法案を用意いたしませんでもできる対策、たとえば中小企業の協同組合に対する、共同施設に対する補助金とか、こういうようなものについては、できるだけ特に立法措置をしなくても実施したい、こういうふうに考えておるわけでございます。
  87. 久保三郎

    久保委員 そこで、こういう問題の取りまとめのお仕事をやっておる総理府の上平審議官にお願いしておきます。ただいま運輸大臣から御発表になりましたように、いろいろな対策がございます。これに対して、現在でき得るものは何と何があるのか。たとえば中小企業に対する資金のあっせんというのはどの程度か。これはもちろん通産省へお尋ねをいただいて、あしたの当委員会までに全体としてお出しをいただきたい、こう思います。よろしゅうございますか。
  88. 上平輝夫

    ○上平説明員 ただいま運輸大臣からお話があった事項の中には、法律改正その他を要する問題もございますが、今のお話でございますと、現在直ちにできるものはどうかという点でございますが、この点につきましては、通産省の方と至急連絡を取りまして、あしたの委員会に申し上げます。
  89. 久保三郎

    久保委員 それでは、この問題は、それをいただいてからまたお話をしたいと思います。特に税制の問題もありますし、これは固定資産税その他で、自治省の方にも御連絡をいただいて、やるとすればどういうお考えであるのか、一応帰って、資料としてまとまるものは、資料として出していただきたい。もちろん、あした継続的にやるつもりでありますから、自治省その他からも一つ御出席をいただきたい、こう思います。  そこで、この中小企業対策というか、車庫確保に関する対策は、ただいまの運輸大臣の大まかなお話をさらに細分化していくということでなければ、実際は法律としては役に立たぬであろう、こういうようにわれわれは思うわけであります。ついては、くどいようでありますが、本法案審議中に当委員会に具体的な方策をお示しいただきたい、こういうように思います。  そこで、これは通産省にお尋ねするわけでありますが、このような状態のままでかかる法律が通った場合に——これは実際は通さねばいかぬと思うのです。しかしながら、お話も出ている通り、相手が、特に中小企業の問題がございます。それと同時に、自動車の需要というか、販売というか、そういうものは相当に影響を受けやしないかということをわれわれは考えるのですが、あなたの方では、これに対する影響はどういうふうに考えておりますか。
  90. 佐々木学

    佐々木説明員 車庫設置の問題につきましては、やはり多少需要に影響するかと思います。思いまいすけれども交通が渋滞いたしますと、結局それが再び自動車の需要にはね返って参りまして、渋滞することによって、またさらに需要が減少すると思います。また、自動車本来の使命からいいまして、迅速にお客さんなり、あるいは貨物を運ぶということが任務でありますので、私の方は、多少需要が減退いたしましても、交通の円滑化にはやはり協力をしたいと思います。三十七年度の見込みといたしましては、おそらく現在の金融事情その他の問題もございまして、自動車全体といたしましては、三十六年度の実績をやや下回るのではないかというふうに考えております。   〔高橋(清)委員長代理退席、委員長着席〕
  91. 久保三郎

    久保委員 三十六年度をやや下回るということでありますが、最近設備投資の御計画もなさっているようでありますけれども自動車の自由化の問題もございます。自由化があると同時に、日本の自動車産業が、外国に比べてマス・プロ的になかなかいけない。いわゆるコストの低減というものは、非常にむずかしい。この産業は、御案内の通りマス・プロ産業でありますから、そのマス・プロに問題があるとするなら、コスト低減というのはできない。コスト低減ができなければ、いわゆる自由化の嵐に吹きまくられる、こういう事態がくると思う。そこへ持ってきて、考えてもらわねばいかぬのは、早くいえば生産制限というか、そういうことにも波及してくる。あるいは販売制限というか、そういうものにも波及してくる。そうなりますと、これを回避する方法を考えておらないかどうか。
  92. 佐々木学

    佐々木説明員 先ほど自動車全体で三十六年度の実績を多少下回ると申し上げましたが、これを具体的な車種種別についてみますと、三輪車の需要がかなり減退する傾向でございますので、三輪車が減産するのではないか。そこで自動車全体としては、多少三十六年度の実績を下回るかもしれない。しかし、四輪車は、自由化の問題と同時に、将来の輸出産業として確立しなければならない多くの問題を含んだ車種でございますけれども、この四輪車につきましては、大体昨年度の一〇%ぐらいは生産を上昇するのではないかというふうに考えております。ただ、御承知のように、自動車の販売は、すべて月賦販売でございます。一年半から二年の長期月賦でございまして、運転資金が、こういうような金融情勢のもとでだんだん窮屈になりますと、多少販売に影響することもある。こういうような情勢を加味いたしまして、一応見通しを立てましたのが、大体四輪車については、昨年度の一〇%アップくらいではないかというふうに考えております。  なお、お説の通り自動車は、マス・プロ産業でございまして、マス・プロでなければコストが下がらないし、従って、自由化の問題にも耐えていけないというところが確かにございますので、われわれといたしましては、この需要を開拓するというような面において、たとえば販売資金とか、そういうような問題について検討しておるわけでございます。
  93. 久保三郎

    久保委員 自動車課長からお話がありましたが、多少影響はあるだろう。いわゆる三輪車の減産があるだろう。こういうことでありますが、三輪車ばかりではなくて、いわゆる自動車そのものが、全体として追い込まれるのではなかろうかという心配があるわけです。今のお話では、これをどう解決していくかという問題については明確なお答えがないのでありまして、われわれは、車庫は持たせなければいかぬ。あるいは路上の問題を規制しなければいかぬ。しかしながら、といって、日本のいわゆる総合産業であるところの自動車工業に相当な打撃があるという場合には、この打撃をどう緩和していくかということ——先ほど申し上げたように、自由化の問題を一つとっても大きなものであります。しかも、設備投資の問題にしても、昨年に比べて規制していこう、こういうことでしょう。今度は使用の面においても規制していこう、こういうことでありますので、この規制の問題と関連して、この対策が、自動車産業に対してなければならぬのではなかろうか。しかも、これは関連する産業でありますから、特に下請や小さい中小企業がございます。最近の独占のあり方として、当たりは中小企業へ参ります。そうなると、今度は中小企業が、車の使用の面からも、自分の仕事の面からも、規制されてくる。両面から規制されてくる。こういう結果もあるわけです。これは一つの政策として確立した上において物事を考えないというと、ただ単に車庫を持たせればいいのだ——これはだれもわかっている。しかし、だれもわかっていることをやるのが政治ではなくて、だれもわからないこと、できないことをやることが政治だと思う。そういう意味で、通産省にあしたもまたお尋ねすることになると思うのですが、少なくともあしたまでに、そういう問題に対してどういう考えがあるのか、できるなら一つ書いたものを御発表いただきたい。確たる方針があるのかどうか。ただ単に、今までの御方針では、普通の四輪車は一〇%くらい上がるだろう。上るだろうというが、こういうことをやりまして、はたして上がるだろうかということでありまして、非常にわれわれは心配しておるのですが、いかがでしょうか。
  94. 佐々木学

    佐々木説明員 車庫によります具体的な影響につきましては、お恥ずかしいのでありますが、この算定が、実際問題として非常にむずかしいわけでございます。どの程度の中小企業者が現実に車庫を持っていないかということにつきましても、これは運輸省の登録の場合に、ものによってはわかるのでありますけれども、普通の自家用車においては、こういう調査をいたしておりませんし、また、遺憾ながらわれわれのところにおきましても、現在調査していないわけでございます。  それから将来の需要者がもし車庫を持たなければいかぬということになったならば、どんな影響を与えるだろうかということにつきましては、非常にむずかしい想定でございまして、現在、われわれの方と、それから車の販売店協会連合会の方で共同して調査しております。なお、中小企業の車庫の現状につきましては、中小企業庁において調査をしておる現状でございます。それがわかりましたならば、ほんとうにどの程度の影響があり、また、具体的にどういう対策をとるかというきめのこまかい対策も立て得るかと存じますけれども、遺憾ながら、現在は、そういう調査中の段階なのでございます。
  95. 久保三郎

    久保委員 非常にむずかしい問題ではありますが、やはりそういう問題に対する配慮というか、対策が並行して行なわれないと、非常に困難すると思う。都市交通なら都市交通が一応スムーズにいっても、今度は別なところへ当たりがくるということでは、政治ではないと思うのであります。そういう意味で、先ほど運輸大臣から御発表があった閣僚懇談会の問題も、もう少し具体的にやると同時に、お宅の方でのいわゆる自動車産業に対する配慮、それに関連するところの中小企業のあり方、これをどうしたらいいかということは、やっぱり十分に対策を立てて御発表いただくのが国会審議に協力するという意味ではないだろうかと思うので、明日もあるそうでありますから、明日までにもし何でしたら、一つさらに御検討いただきたい、こういうふうに思います。  そこで、時間もありませんから、若干法案の内容へ入らせていただきたいのであります。小平長官がおいでになりましたが、運輸大臣からけさほどの問題はお聞きしましたけれども、残念ながらまだ大ざっぱでありまして、この法案の裏づけをするのには少し足りませんので、法案審議中にこれは具体化してほしいということと同時に、あなたの方の上平審議官に、今日ただいままでできる方策は何と何があるか、明日までに資料を出すようにと申し上げたのですが、この際小平長官にも聞いていただきたいのは、基本的にはやはり道路の交通容量を高めていくということ、道路改良の問題と、もう一つは都市の分散というものがこの交通緩和という時代に合ったところの方策ではないか。この基本線があって初めていろいろな暫定措置なりあるいは規制の問題なり、こういうものが出てくるのが当然だろうとわれわれは考えている。ところが、今までの政府の政策には、なるほど二兆一千億の五カ年計画はあるが、今道路局長に聞けば、大体自動車生産に見合ったような道路になるだろうというようなお話を聞きましたけれども、残念ながらそういうふうにも今日とりかねる事態がある。都市の分散については、なおさらのこと、どうも推進できないようだ。これに対しても十分御配慮いただきたい、こういうふうに考えます。  そこで法案に若干入りますが、この法案を通観するというか、全部目を通しまして見られるのは、どうもこの法律はほんとうにやる気があって出したのだろうかという——大へん失礼でありますが、そういう気持がしてなりません。まず第一に、われわれは、車庫を持たせるという趣旨には絶対に賛成です。車を持つ者は必ず自分の車庫を持ちなさい、これは当然です。車両保全の上からいっても当然だと思う。ところが、この法律自体にはいろいろなことが書いてあるが、どうもこれはまじめにやるつもりで出してきたのだろうかという気がするわけです。そういうことを前提にして私はお尋ねするわけでありますが、たとえば第三条は訓示規定だと思うのでありますが、これはどうですか。
  96. 木村睦男

    木村(睦)政府委員 第三条は、自動車の保有者が道路上の場所以外のところに保管場所を確保しなければならないということをここで明言しておるのでございまして、訓示規定ではないかという御質問の趣旨は、おそらくこれには違反した場合に何ら処置がないではないかという意味だろうと思います。第三条につきましては、お話のごとく、一応一般的な道義的な義務と思われておりましたものを、一応法律上の義務としてここに明確にいたした次第でございまして、この第三条を受けまして第四条というものがございます。第四条におきまして、これに違反しております場合には罰則の適用等がございますので、第三条と第四条とはあわせて一体となっておりますので、これをあわせて読んでいただくことによって、第三条の趣旨がはっきり生きてくる、こういうふうに考えるのでございます。
  97. 久保三郎

    久保委員 第三条は一本じゃなくて、第四条とあわせて一つだ、こうおっしゃいますが、この三条でいう自動車と第四条でいうところの自動車では違いますね。いかがですか。
  98. 木村睦男

    木村(睦)政府委員 第三条は全部の自動車について言っておるのでございまして、第四条はその中で登録を必要とする車を対象に言っておりますので、そういう意味では、第三条と第四条との間には、同じく自動車と申しましても、対象の範囲が違っておるのでございます。
  99. 久保三郎

    久保委員 だから同じじゃない。そうしますと、第四条で縛り得ない軽自動車、登録を必要としない自動車——この法案では二輪車は除かれておりますから、いわゆる同じ四輪車であっても、軽自動車は車庫設置の義務に対しての縛り方はないのでありますか。
  100. 木村睦男

    木村(睦)政府委員 最初この法案を作ります場合に、いろいろ検討いたしたのでございますが、第三条といい、第四条といい、いずれも第五条以下の、とにかく道路上を車の保管場所として使用しないように、保管場所として使用しておるものを排除しようということが主軸でございますので、第五条以下におきまして、登録を要する車であろうと軽自動車でありましょうと、道路上を保管場所として交通障害を来たす場合に排除ができるということになっておりまして、第三条と四条は、それを一方におきまして担保する措置といたしまして考えられておるのでございます。従いまして、自動車の保有者に対しまして、保管場所を持つことをどういうふうにしてチェックすればよかろうかという方法論になって参りますと、自動車の登録という制度が設けられて、この適用を受けます車につきまして、登録という段階でチェックする以外に現在のところ適切な方法もございません。御指摘のごとく、軽自動車につきましては第四条の適用がございませんので、その点につきましては、第五条以下の目的を担保する第四条としては若干十分でないという点も見られるのでございますが、とりあえず登録を要する車につきまして、第五条以下の措置を担保する意味におきまして、登録の段階保管場所を持っておることをチェックしようという考え方で第四条を起案したわけでございます。
  101. 久保三郎

    久保委員 自動車局長お話では、どうもさしあたりというか、そういうことだろうと思うのでありますが、少なくとも車庫を持たなければならぬという原則を貫き通すというのが本法の趣旨だろうと思うのであります。そうなった場合には、道路上に置いてはいかぬというのです。そうだとするならば、小型であろうが大型であろうが、やはりこれを規制する。小さいから、道路交通のじゃまにならぬからこれは除くということなら、はっきりそうすべきだと思うのです。しかし、小さくてもやはりじゃまになる。第三条は全部と言っているのでありますから、これは法の体裁から言って一本にすべきではないかと思うのであります。私はわかりませんからお尋ねしたいのですが、大体車庫の保有率をお調べになったことはないと思うのでありますが、概括的に言って、最近の小型の四輪車、軽自動車の方が、実際からいって手軽にちょっと置けますから、車庫の保有率としては少ないのではなかろうかと思います。大型になれば当然防護装置も必要だし、しかも高級車になれば金目のものになりますから、そうなれば当然車庫に入れて格納するということになると思うのです。そういうことから類推すれば、第四条から除外したところの軽自動車の方が車庫の保有率は低いのではなかろうかと思いますが、どうですか。
  102. 木村睦男

    木村(睦)政府委員 自動車の持ち主が車庫を確実に持っておるかどうかという調査につきましては、従来はそういったことを調査いたします行政上の必要に迫られていませんので、調査をいたしておりませんが、今お話しのように、軽自動車につきましては、おそらく登録を要する車よりもあるいは保管場所を持っていない場合が多いのではないかと一般的には私も想像いたしております。ただ、保管場所をどの段階でチェックしようかという方法論につきましていろいろ考えました結果、登録の段階で押えることが一番確実であろうということから、第四条におきまして登録の車を対象にいたしたのでございますが、もちろん登録を必要としない軽自動車につきましても、第三条というものは罰則の裏づけこそございませんが、これが通りますと、国民の総意によりまして、車の持ち主は保管場所を道路外に持たなければならぬということを法律において一応強制されるわけでございますので、善良な国民の立場に立って考えますならば、この第三条の趣旨を十分体してこれを守るというふうにしてほしいものと思いますし、われわれ行政指導に当たる者も、その方向におきまして行政指導をさらに強化していくことによって効果を上げたい、かように考えておるわけであります。
  103. 久保三郎

    久保委員 はっきり言うと、何べんお話を聞いても除外した理由についてはわかりません。除外する根拠というものがないわけです。ただ、車庫のチェックをする場合に登録の段階でやるのが一番いいからやるのだ、これはわかります。それだから軽自動車はどうするのだという理由にはなりません。どうしてそういうことをお尋ねするかというと、第五条の担保は罰則によって担保している。第五条は「何人も、道路上の場所を自動車保管場所として使用してはならない。」と書いてある。ところがこの担保する罰則をチェックするためにだれがそういう方法をとり得るかという問題なんです。現実問題としてそれだけの人手と予算というものが今日組まれているかどうか非常に疑問があるから、軽自動車もやはり同じ方向でやるとするならば、やはり何らかの対策を講じなければならぬのじゃないか、こういうふうに言うわけです。第五条で軽自動車が含まれておりますから、これが罰則で担保できるというなら、これはこれでいいのですよ。しかし、そういう実態には今日ないじゃないですか。警察庁から藤沢課長がおいでになっておりますが、警察庁で第五条の「何人も」というやつを的確にチェックできますか。法律は完全に守らすべしであります。ところが前提として抜け穴ができていることを私は言うわけです。せめて第四条で云々とされるなら、軽自動車についてもやはり当然なさるべきではないか。いかがですか。
  104. 木村睦男

    木村(睦)政府委員 考え方から申し上げますと、久保先生のおっしゃるように私も考えるのでございますが、たびたび申し上げますように、チェックの一つの方法として考えます場合に、登録という段階をとらえませんと、現状ではなかなか簡単にチェックするということがむずかしいものでございますから、そこでとにかく第五条以下におきまして、路上からこういった路上障害を起こすような保管場所等に使っているものを排除するということを的確にやってもらいまして、あと路外に駐車場を持つ、それを担保する意味におきましてやろうという考え方から、できる方法といたしまして、現状で考えられます登録という段階でこれをとらえたわけでございますので、これで一応実施いたしてみまして、さらに軽自動車につきまして路外に車庫あるいは保管場所を持つことが、この法律で罰則がないがゆえに、非常に乱れまして、その結果さらに道路の交通の障害を起こすというふうな事態が起こってくるような情勢でありますれば、またそのときに軽自動車につきましても何らかの適切な方法を考えなければいけないのであろうとは思いますが、現段階におきましては、登録という最も実効を期し得る段階においてチェックをするという必要上、やむを得ず軽自動車と登録を要する車との扱いが分かれておるという次第でございます。
  105. 久保三郎

    久保委員 やむを得ずと言うが、方法手段を考えればあるんじゃなかろうかと思います。この問題は明日またお尋ねしますが、われわれとしては、どうもこの法律は、そういう点からもなかなか守り得られない法律ではないだろうか、こういうふうな心配をしておるわけであります。規制するというなら規制すると、実際いってぴたりとしなければいかぬですよ。こうなった場合に、そういう人もたくさんはないと思うのでありますが、今までは小型のトラックを使っていたが、今度はミゼット級のトラックで間に合わせようかということにもなってくるわけです。そうなりますと、貨物の輸送量は減りますから、今まで一台で済んだものを二台にする、こういうことになりまして、必ずしも実際的に交通緩和というか、そういうふうにならぬ。なるほど車庫も作りましょう。作りましょうが、この方がめんどうくさくなくてよろしいということになりますよ。車庫の確認をどこでやるのか知りませんが、あとでお尋ねしますが、そういうことをやったりなんかしないですぐ手に入って——それじゃ今のものはもう売ってしまう、それで二台にするということになりますと、道路を今まで一台で走っていたものが二台走る、ものの計算からいえばこういうことになる。そうばかりはいかぬと思いますが、そういう計算が出てくる。こういうことも十分考えてこういう法案は出すべきじゃないかと私は思うのであります。これはいずれにしてもあと回しにいたしますが、少なくとも少し疑問があるということであります。  それから第四条の、道路運送車両法第十三条の、これはいわゆる「移転登録」でありますが、移転登録の場合にもやはり同様の書面を出さなければいかぬ、こう書いてあります。移転登録の場合は、「使用の本拠の位置の変更を伴う場合に限る。」とここに書いてあるが、使用の本拠の位置の変更を伴わない場合にもこれは規制しなければいかぬじゃないですか。いかがですか。
  106. 木村睦男

    木村(睦)政府委員 第十三条の場合のうち、使用の本拠の位置の変更を伴う場合だけに限りまして、登録の場合に保管場所の証明書を出すということにいたしましたのは、第十三条は、所有権が変わって、甲から乙へ車を売ったりする場合でございますが、従来の使用の本拠がそのままでありますと、従来の保管場所あるいは車庫は、従来の使用の本拠のそばにあるのが普通でございます。この使用の本拠が違ってきますと、在来の車庫または保管場所との距離も隔たって参りまして、かりに在来の保管場所を使用するといたしましても、事実上使用し得ないというような場合がございますので、使用の本拠が変わらない場合には、従来の車庫が通常の場合当然使用されるということを考えまして、使用の本拠の位置の変更の場合だけを証明書を必要とするというふうにきめたわけでございます。
  107. 久保三郎

    久保委員 使用の本拠の位置の変更がない場合でも、これは所有者が変われば車庫は移動することが相当あり得ると思うのです。こうなった場合は、この条文ではよろしいというのですか、これでは不徹底じゃないですか。  それともう一つは、十三条の場合は、届出に使用の本拠の位置の変更というのがあるんですか、ないんでしょう。
  108. 木村睦男

    木村(睦)政府委員 十三条の場合について申し上げますと、Aが車を持っておりまして、それをBに売るという場合には、普通Bもその車を買って自分の目的のために使用するわけでございますので、Aが持っていた場合とは全然違いますから、従って新しい買い主でありますBはBとして、自分のところの目的のために当然使用の本拠が違う場合が普通でございます。登録の場合には、移転登録でございまして、移転の登録の欄には使用の本拠を書くようになっております。それが前所有者のAの使用の本拠と当然違うのであります。そういう場合にはもちろん証明が要るのでございますが、AからBに変わりましても、使用の本拠が違わないという場合は、たとえて申しますと、販売業者から月賦で私が車を買うといたしますと、普通の場合月賦が完済しますまでは販売業者のものになっておるわけであります。月賦が完済されますと、私の名義になるのでございます。そのときに移転登録ということが行なわれるわけでございまして、その場合には、私が最初から月賦で車を使っておりますので、使用の本拠は変わらないという場合があります。こういう使用の本拠の変わる場合と変わらない場合と通常十三条によって考えられます二つの態様がございますので、特に使用の本拠の変わらぬ場合にはよろしいというふうに考えます。
  109. 久保三郎

    久保委員 時間もありませんから、第四条だけにしておきますが、保管場所を確保していることを証明するのはどこでやりますか。
  110. 木村睦男

    木村(睦)政府委員 保管場所を確保しておる証明でございますが、この法律が施行になりますまでに政令で作るべく、現在関係各省と折衝をいたしておりますが、いろいろの方法が考えられるわけでございます。的確に証明できるということをあくまでも主にして考えるわけでございまして、現在関係省との間で検討考慮しておりますのは、警察官署に証明してもらう、あるいは一般の官署に証明してもらったらどうか、あるいは公法人的なものに証明してもらったらどうか、いろいろ考えておるのでございますが、そういったうちでどこをとりますか、この法律が実施になるまでに政令の段階で今申し上げましたような点を十分検討いたしました上できめたい、かように考えております。
  111. 久保三郎

    久保委員 局長、今のどこで証明するか、どこで確認するかということは非常に大事な点でありまして、これがいまだに、この法律の審議最中に、政令できめるのだから、あとで法律が通ってからゆっくり相談してきめましょうでは、法律審議にはならぬのであります。たとえば、警察でやるというなら警察でやるでいいですけれども、東京都では、聞くところによれば、毎月一万台の車がふえているそうでありますね。その中身は、結局三万台新規登録があって二万台廃車になっていく、差引一万台多くなっておるのだそうですか、この確認をいかなる機関でやるかが非常に重大であります。運輸大臣、いかがでしょうか、どこでやるかきまらぬというのは大へんな問題ですよ。
  112. 斎藤昇

    ○斎藤国務大臣 おっしゃる通り、法案を提案いたしまして御審議をしていただきながら、まだ重要な所定の内容が具体化しないということは、おしかりを受けるのはもっともなことだと考えております。われわれ早急にこれを決定いたしたいと思っておるのでありますが、大体警察で証明をしてもらおうということに方向は一応そうなっております。まだ省令の作成には当たっておりませんが、国家公安委員長も警察でやらざるを得ないだろうと思うという考えを交通閣僚懇談会で言っておられますので、そういうように決定をするであろうと思っております。
  113. 久保三郎

    久保委員 ただいま運輸大臣は、不確実でありますが、警察で大体やってもらうということに方向はなっておると言われました。そこで、警察庁の藤沢課長にお尋ねしますが、ただいま私は東京都の例を一つ引きました。警視庁管下に警察官の要員がどれだけあるのかわかりませんが、今差引一万台多くなる。その中にはもちろん登録の必要がないものもありましょうが、大体一万台ふえていく。これの車庫確認と、さらには第五条、第六条の問題も東京都においては当然やらなければならぬ。そういうものをやりおおせるだけの人員は整っておりますか。
  114. 藤沢三郎

    ○藤沢説明員 車庫を持っておるかどうかという確認でございますが、この確認といいますか、証明の仕方につきまして、警察がやりましても、どういうやり方でやるかという問題については、まだはっきりきめてない。問題が残っております。と申しますのは、第四条につきましては、御承知のように第八条で、虚偽の書面を出して登録を受けた者は三万円以下の罰金に処するという罰則がついております。そこで、この場合警察の証明の仕方はどうあるべきかというような問題について、なお検討しなければならないことが残っております。実際上これは確かにその人の保管場所であるかどうかというような立ち入った調査までできるかどうかというような問題については、問題が非常に複雑でございますので、今直ちにお答えしかねると思いまするが、しかしながら、これを警察が証明いたす場合には、相当の事務量がふえて参りますことはお説の通りでございまして、これに対して今の人員でやれるかどうかということでございまするが、これにつきましても、この証明の仕方で事務量の多い少ないが相当変わって参ると思います。われわれといたしましては、この法律案の趣旨を十分生かしまして、警察が証明いたします場合には、その目的が達し得るような仕事をしたいと思いますが、その反面あまりに事務量がふえないように研究をしていきたいと思っております。  なお違法駐車の取り締まりにあたりまして、相当の人員を要するのではないか、現在それでいいかというお話でございまするが、御承知のように違法駐車の取り締まりは、非常に人手と、しかも長時間にわたる努力を必要とするのでございまして、現在でも必ずしも十分にこれを行なっておるとは言いがたい点もございます。さらにこの法律が成立いたしました場合におきましては、いわゆる非常に長時間駐車という問題が出て参るのでございまして、この場合に長時間駐車の始点と終点をどういうふうに考えていくか、どういうふうに警察がとらえるかというような技術的な問題もございます。これについては、今後警察の取り締まり技術という面において検討を加えまして、できるだけ法律の趣旨が生かされるようにしていきたいと思っておりまするが、それにいたしましても、相当数の警察官の増員を考えなければできないのではないかというふうに考えておる次第でございます。
  115. 久保三郎

    久保委員 お尋ねすればするほど、問題が非常に深刻だと思うのです。それで、小平長官のところが取りまとめ役だそうでありますから、こういうことで法律として出しておるというのは、どうも不見識ではなかろうかとわれわれは思っております。先ほど自動車局長に聞けば、不確実な点もあるし、警察庁にお尋ねすればこれは大へんだというような見通しもあるし、それからどういうふうにやろうか、それは研究する——もちろん第五条は一年経過後でありますから、それは一年間ゆっくり御研究いただけばいいのだということにはなりましょう。しかしながら、その他は法律公布後三カ月でありますか、そういうことで、実施なされまして三カ月後には、まだ国会は、参議院選挙がありますから、これは出て参りません。そうなりますと、非常に問題が出てくるのではないかと思います。大体においてこの国会末期にこういう不確実な法律を出されることは、非常に国会軽視といってはなんでありますが、その現われの一つでもあろうかというふうに言う人もあります。私はそう思いませんが、実際いってこういうまだ裏づけがない、ちっとも整わぬものを出されることは、なるほどこの車庫を持たせることには賛成だが、裏づけがなくては残念ながらどうもうまくないだろうと思います。これは、小平長官、もう少し裏づけをぴたっとして、大体こういうふうにするというふうな取りまとめをなさるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
  116. 小平久雄

    ○小平政府委員 この法案をもっと早く提出をいたしたいということで、交通対策本部なりあるいは交通関係閣僚懇談会等を中心といたしまして、関係各省と十分検討をいたしたのでございますが、先ほど来先生からも御指摘がございますように、率直に申しまして、自動車を持っておる者は車庫を持つべきである、あるいは公道を駐車場所、保管場所として使うべきではない、こういった、いわば道義的あるいは原則的なことは、今日の交通事情に顧みまして、どなたもおっしゃるわけなのでございますが、これをいざこの法案にまとめるとなりますと、むずかしい問題がたくさんありまして、実は各省の意見等もときにはずいぶん調整が困難のような意見も出ました。そういうことで相当の時日を要したわけであります。しかし、今日の交通事情から申しまして、どうしてもこの国会で御審議を願うことが適当であろうということで、いわゆる裏打ち的な施策等も確かにまだ不十分でございまするが、しかし、その方はその方として、一つ急いで引き続いてやろうということで、この法案を御提案申し上げたわけでございます。  すでに運輸大臣その他からお話があったと思いますが、たとえば本法の適用されるであろう地域の中小企業者等が必ずしも保管場所を持っておらぬという現実がございます。それに対しましても、今後共同の保管場所等につきましては政府としても十分対策を講ずる、こういうことでございます。さらにまた、取り締まりの面から申しまして、警察官がかりに証明書を出すなり、取り締まりをするなり、そういう点でこの警察官も足らぬじゃないかというお話がございましたが、その点につきましても、かねてから閣僚懇談会でもお話が出ておりまして、どうしてもこの際交通関係の警察官というものはふやすべきだという考え方については、実は一致をいたしておるのでありまするが、申し上げるまでもなく、そのことは法の改正もございまするし、あるいは警察官の大部分が地方の公務員、こういうことになっております関係上、都道府県の自治体とも十分連絡をとらなければならぬ、こういうことで具体的にどれだけの人員を増加することが適当であるか、それを公安委員会の方が中心になりまして目下検討をいただいておる、こういう実情にあるわけでございます。いずれにいたしましても、冒頭申し上げました通り、この法案に対して当然関連してやらなければならぬ処置がたくさんあると思います。そういうものは今後極力急いで行ないまして、関係方面に対する被害と申しますか、影響がなるべく少なくて済むように私どもとしては処置をとって参りたい、かように考えておるわけであります。
  117. 久保三郎

    久保委員 時間も限られておりますから、明日に譲りますが、いずれにしても、完全な裏打ちというのはどの法律あるいは制度でもなかなか日にちのかかるものでありますが、少なくともこの法律くらい裏打ちの不適格、と言っては語弊がありますが、ないのはないのじゃなかろうかと思っている。こういうふうにあわてて提案して、あわてて通過させることについても多少疑義がある。われわれは完全なものを作って国民大衆に守ってもらおうというのが主眼でありまして、それがなければ第三条一つでいいのじゃないかと私は思うのです。そういうふうなことならば、第三条一本でいいのじゃないかと思う。とにかく自動車保管場所を確保しなさいという訓示規定で事が足りやしないか。むしろ、先ほど小平長官なり運輸大臣がお出になります前にもお話しした通り、運輸大臣からけさのお話が出ましたが、そういうものを確立することをやっていけば、当然こういう保管場所が確保できるのじゃないかと思うのです。私は、法律さえ出して取り締まればうまくいくのだという思想は、この辺でもう少しお考えをいただきたい、こう思うのです。ただ保管場所は確保しなければいかぬ、それにはこうしなさいという行政指導なり政策があって、それに移行するのが当然いい方法じゃないか、こう思うのです。それなくして、その方はあとから逐次やっていきますとか、今相談しますということで、罰則もついたものでぴたっといくのはどうかと私は思う。たとえば警察官の増員について小平長官からお話がありましたが、私も、特に警察官といっても交通関係に限っての増員をしなければいかぬ、専門の他に流用できないところの警察官をたくさん作れという主張を従来しているわけですが、そういうものを作って、この法律に基づくところの保管場所のチェックなりあるいは駐車禁止のチェックをするならば——交通渋滞の主たる原因はいろいろありましょうが、少なくとも一番ひどい交差点におけるところの渋滞の一つ原因は、機械にまかせていることです。見る目を持っていない機械、信号というのは、見えませんから、時宜に応じてのさばき方ができない。そのために、この間も私はこの委員会で申し上げましたが、少なくとも一人々々警察官がそういう交差点に立って、見る目と動く手を持っておれば、これは自由自在にさばけるのです。ところが、今その人員を取り得ないので、結局機械に依存する。機械は残念ながらさっき言ったように見る目を持っていませんから、時宜に応じたさばき方ができない。そこに問題が一つあるわけです。むしろ警察官の増員は、そういう交差点における渋滞の交通整理に重点を置くべきであって、保管場所なりあるいは駐車、道路上に置いてあるというものを摘発することにその人員が回ったのでは、これは逆だと思うのです。うしろ向きだと思うのです。私は、そういう意味でこの法律はどうも疑問が多い、こう思うのです。御趣旨のほどは十分わかります。だから第三条だけでけっこうで、先ほど運輸大臣からお話があったり、小平長官からお話があった点を細部にわたって確立していただいて、国民大衆にその政策を進めていくということの方が実効が上がりはしないか、こういうふうにさえ思うのです。  いずれにしても、明日引き続いてやりますから、時間の関係でこの程度にしておきますが、ただ一つ、第四条でけりをつけておきます。第四条で規制するのは、いわゆる登録で規制するわけですが、登録にかからぬものはそのままですね。登録にかからぬというよりは、四条、十二条、十三条、十四条あるいは新規登録という、この五つのものにかかる以外のものは、簡単にいえば今日ただいま登録してあるというものは、このままでいいわけですね。この点では何らの規制はないわけですね。
  118. 木村睦男

    木村(睦)政府委員 さようでございます。
  119. 久保三郎

    久保委員 そうしますと、第四条は三カ月ですね。登録がえをする、車をもう廃車する、新しく買いかえるという時点にならなければ、今ある車の規制というか、第四条の規制ということができないというのでありまして、それでは第五条でやるというならば、先ほど警察庁からお話通り、これもなかなかチェックの段階ではむずかしいということになりますと、どうもこれはかえって法律があって野放しになるのじゃないか、こういう極端な考えも出てくるわけです。だから、私は、くどいようでありますが、先ほど運輸大臣、小平長官からお話があった点を先行すべきが順序ではないかということを痛切に考えております。そういう点についてまた明日もお尋ねいたしますが、いずれにしてもそういうことを一つ的確に確立されるようにお願いいたしておきます。  本日はこれでやめます。      ————◇—————
  120. 簡牛凡夫

    簡牛委員長 この際連合審査会開会の件についてお諮りいたします。  本委員会において審査中の自動車保管場所確保等に関する法律案について、地方行政委員会より連合審査会開会の申し出がありますので、連合審査会を開会するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  121. 簡牛凡夫

    簡牛委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  なお、明日の連合審査会及び委員会の開会時間は委員長に御一任を願います。  本日は、これにて散会いたします。    午後一時二十四分散会