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前田(正)
委員 この際、特に皆さん方の御了解を得まして、過般の
鉄道審議会におきまして、われわれ地元が多年要望しておりました五新
鉄道、その第一期工事であります阪本線について、原則としてはレールでもってやるけれ
ども、現在路盤ができた一部の城戸間を暫定的にバスが使用することを認めるというふうな
決定がなされたのでありますけれ
ども、しかし、この
決定にあたりましては、われわれ関係の地元の者といたしましては、これに大へんな異議がありまして、その点について、審議会の
委員の方、あるいは関係
当局に十分に申しておりました関係上、その
決定に際しましては、県の中の意見が一致するならば、さらに結論について十分考慮する、それまでの間は、その工事は保留する、こういうような話になっておったわけでございます。
ところで、その後私
たちの県の中におきましても、意見の調整をいたしまして、本日関係の者が陳情に出て参りまして、その調整した結果を関係方面に陳情いたしておるわけでありますが、すでに御
承知だと思いますけれ
ども、この問題につきましては、奈良県の県会におきまして、自由党、
社会党、民主
社会党、無所属クラブ、全会一致をもって、一人の反対者もなく、今まで審議会できめておられました
通り、レールでもってこれを一日も早く完通してもらいたい、こういう決議をしておられまして、その沿線に当たります五条市、あるいは大塔村、十津川村、野迫川村その他のところは、全部村会の決議をもちまして、これまた同じようにレールでもって一日も早く完成してもらいたい、こういうことでありましたが、ただ一部に異議がございましたので、その点の調整をいたしまして、その結果、奈良県選出の国
会議員、衆議院の者が全会一致、参議院の者が三名全会一致と、合計八名の者がみな一致いたしまして、この結論に従って行動しようということになったわけであります。先ほど申しました
通り、奈良県の意見が一致するならば、これについては十分に考慮するということでございました。
ところが、この問題について皆さん方に特にこの際お願いいたしたいと思いますことは、これはすでに経過も御
承知の
通り、大正八年以来、長年にわたりまして、私
たちの先々代ごろからこの実現に
努力して参りまして、昭和十四年には、一部工事着工されましたにもかかわらず、戦争で中断されましたが、さらに終戦後、地元関係者その他関係
当局の御好意によりまして、第一回の建設線に入りまして、二十七年から工事を始めておったのであります。ところが、三十五年になりまして、これが一部バスに変更するというようなことから、これが工事が中断されておたっのであります。ところが、大体この
鉄道審議会で一番初めに
決定されました
通り、この五新
鉄道というのは、資源開発をするというのが主なる目的でございます。資源開発をするところのものをバスに変更するということは、大体その目的を達成できないだけでなく、さらに資源開発
地方でありますから、地域も大へん狭隘なところがありまして、現在できている路線も、バスには非常に不可能なところでございます。さらに、これに並行しまして二級国道が走っておりまして、それには現在民間バスが走っているわけであります。それにさらにこの両方あわせて、こういうような既設の路盤のところにバスを通すということは、国費の二重投資になりまして、私は、その
責任もあるのではないかというように考えるのであります。私
たちは、たびたびこの問題について、関係
当局あるいは審議会の方
たちにも
お話して参ってきたのでありますけれ
ども、要するに、地元の意見が不一致なところがあるから、こういう
お話であったのでありますが、しかし、その地元の意見が不一致ということは、これは
国鉄の方がバスをやろうというふうなことを言い出して、その関係で一部にそういう意見を述べた人がおったのでありまして、先ほど申しました
通り、県会におきましても、さらに今度は国
会議員全員一致して、暫定的にバスを通すということの不合理性、その危険性、その開発の目的に反する点について、強くこの際私
たちは打ち出しまして、ぜひ
当局の
反省を求めていきたい、こう思っておるのであります。しかるところ、過日は、
国鉄では、予算がないとかあるいは困難だとかいうようなことを言っておりながら、この審議会がきまったというと、直ちに
調査員を派遣しまして
調査をして、二億円で来年四月にはバスを通すというようなことを宣伝して回ったという話も聞くのでありますが、これは先ほど申しました
通り、審議会の
決定に対して、運輸大臣も立ち会っておられましたが、
責任者の方
たちと県が一致した、工事を保留するという言明にも反するわけであります。そういうような非紳士的な行動をとって、そうしてこういうことを強行するというようなことならば、われわれ地元の関係の者も、あげて強力な反対態勢をとらざるを得ない、こういうふうな
段階に参っておりまして、国会の審議の貴重なる時間の最中に無理をお願いしまして、私が緊急に
質問させていただいたのも、そういうような
状態でございます。従いまして、これは当然そういうふうな工事を保留する
——前の約束
通り保留していただくと同時に、あらためて現在の
段階におきまして、全会一致の県会の決議と同時に、国
会議員も今度は全員一致したのでありますから、この機会にこの審議会の
決定というものを、審議会の
決定されたときの事情に照らして再検討していだだいて、そうしてこの本来の目的に沿うように、
一つレールに変更していただくのが当然ではないかと思うのであります。その点について、
運輸政務次官及び
国鉄総裁の御意見をお聞かせ願いたいと思います。