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勝澤委員 そこで漁政部長、ちょっと漁業法との
関係で、漁業補償の問題が、これは
法律的にいってどうしても理解できないのは、たとえば今名古屋の港なんかで七十億ぐらいの補償をしなければならぬということですね。しかし、漁業法の建前から、漁業権が消滅できるという
法律上の建前からいきますと、漁業権は切りかえねばならぬ。十年なら十年というように……。そこを見越しながら工事を進めていけば、漁業補償というのは、そんなに大きな金にならないように思うのですよ、
法律上は。来年切れる。だから、来年切れるところを先に工事をやる。あるいはあと三年たてば切れる。そういうように
計画的にやれば、一応
法律上は漁業権というものはみな切れて、そうして工事に移れる。これは国の全体の許可の問題ですから、当然水産庁、
運輸省と
相談しながらやれば、そういう
港湾整備でも、むしろ補償に出す金よりも建設に出す金の方にもっと潤っていって、もっと建設が進むと思うのです。あるいは港になるようなところは、相当前からいつも空白にしておく。そうすれば、その問題も起きない、こういうように思うのですよ。まして最近の沿岸というのは、工場の汚水とか何とか、いろいろな問題が出ているわけです。そういう点から
考えると、何かこれは
考える余地があるのじゃないだろうか。補償をしなければならぬということもよくわかるのです。しかし、たとえば十年間という期間をきめているわけですから、お前は十年間だけは魚をとってよろしいというのだから、十年とったらやめねばならぬのですよ。
法律上でいうと、そうなておるわけです。しかし、それを十年たっても、取り上げるときには、また同じように電源開発方式で十年余の補償をしなければ、これが解決しない。これはもし
法律が間違っているならば、実情に合わないならば、実情に合わせるように
法律をしなければならぬ。
法律が間違いがなくて、実情があれでしたら、やはりどこかでピリオドを打たなければならぬと思います。電源開発の補償におきましても、この間会計検査院に来てもらって聞いてみますと、結局、電源開発の言い分としては、まごまごしておって工事がおくれたらそれだけ損だから、そこで一千万や二千万金が多くても、極端にいえば一億や二億多くても、先にやってしまった方がよいということを言われるわけです。これは全体的に金利コストを
考えれば、その通りだと思います。あるいは東海道の新幹線でも、たとい会計検査院からたたかれ、高いなと言われても、三十九年までにやらなければならないという至上目的のためには、高くても怒られても、やった方がよいのだという矛盾があるわけですね。こういう点は、公共用地を取得する場合には、大へんいろいろな問題があると思います、特に最近
港湾整備かおくれておる原因を見てみますと、問題は、やはり漁業補償の問題もありますけれども、金全体が足りないということです。ですから、漁業補償を含めて金をふくらませればいいわけでありますが、補償にそれだけとられれば、建設工事が減ってくる。そこで今度漁業法も検討されておるようでありますが、何かすっきりいきません。すっきりいきませんが、許可を与えておるという国の立場から、いやもう神代の時代からやっておって、あれは権利なんだ、取り上げるのには金を出さなければ何でもとれないのだということならば、それでもいいわけですから、その分を水産庁の立場からいって、漁民に補償しなければならぬから補償してやってくれ、やってくれということになると、
運輸省の立場では、港を作らければならない、補償金はなるべく少なくしなければならないということで、ぶつかる問題があると思います。
法律的に裸にしてみますと、何か割り切れないような点があるので、実はきよう
質問をしたわけでありますが、その点をもう一回お答え願いたい。