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木村(睦)
政府委員 広くいろいろな問題に対しまして非常に適切な御指導をいただいたわけでありますが、御指摘の点について順を追ってお答えしたいと思います。
まず第一点は、運転手が不足しておるために車が休んでおる
状況についてのお話でございましたが、運転手が不足しておる事実は十分存じておるのですが、しからば一体どういうふうな
実態でどの
程度不足しておるかということは、実はなかなかつかみにくいわけであります。そこで手っとり早くこれを推定する方法といたしまして、過般
東京陸運局におきまして、
会社を一部抜き出しまして、その
会社についての
実態を調べたことがございます。ごく最近の話でございますが、それらを総合いたしてみますと、その調べました全体の中で、休んでおるという車が大体五%ぐらいでございます。もちろんどういう理由で休んでおるかということを調べましたところ、運転者が不足しておるためにやむを得ず休んでおるというもの、あるいは車の
整備が悪いので
整備中で休んでおるもの、いろいろあるわけでございまして、それらを含めまして大体五%ぐらいの休車
状況であるということをつかんでおります。もちろん全社にわたって調べたわけではございませんで、いわゆる抽出方法でやったのでございますが、一応そういう推定ができる一つの資料として業務上の参考にいたしております。
なお従来ハイヤー、タクシーにつきましては、営業上からもフルに車を使うということで、一両につきまして大体二・四人
程度の運転手を必要として三交代でやっておりますが、運転手の不足のために、一両の車について一人の運転手にして八時間労働をさせるというような方法も認めておりますが、運転手が足りないために、
会社の
経営にはうま味はありませんが、やむを得ず一両について一人の運転手でやっておるというところが、
会社にいたしまして現在約二十社ほど、その画数は百両余りというふうな実情も
陸運局において把握しておるわけであります。運転手の不足の
状況について当局が一応推定し得る事柄の数字は以上でございます。
それからその次の、しからば
旅客用運転手である二種
免許の養成に対してはどういうふうにやっておるかというお話でございますが、前回久保
先生の御質疑のときにもちょっと申し上げましたが、現在運転手の養成機関といたしまして、
陸運局長が指定の養成機関がございまして、この機関で養成を受けますとある
程度早くその資格が得られるということになっておりますので、努めて
陸運局長の指定を養成所は受けるように指導をいたしております。なお、業界におきましても、あるいは事業者におきましても、みずから養成機関を持っていろいろやっておられますので、そういうことに対しましては、当局としてもできる限りの応援をいたしたい、かように
陸運局の方を指導いたしております。
それからその次は福岡における白タクの問題でございますが、全国的に警察の非常な協力を得まして、白タクの取り締まりはかなり浸透いたしておりますが、御指摘のごとく、まだ全く平静に返ったという状態ではございません。はなはだ遺憾でございますが、今後も引き続き努力をいたすつもりであります。
ところで福岡につきましては、お話のようにいまだ組織が残っておるというお話でございますが、ごく最近の情報はまだ聞いておりませんが、あるいは御指摘の
通りだろうとも思います。ただ福岡につきましても、特に前から全国的に見て
北海道と並んで白タクの非常にばっこしておった地域でございますので、警察との連絡等については十分努力いたしておるわけでございますが、特に福岡の
陸運局では、昨年の人事異動に伴いまして、責任の
自動車部長を、警察から優秀な人物をもらいまして、これを
自動車部長にして局長を補佐いたしておりますので、福岡に関する限りは、今後の取り締まりにはさらに一そう徹底できるものと信じております。なお、お話の点は、早速福岡に連絡をとりまして、一そう取り締まりの徹底を期するように注意を促すつもりでございます。
それからその次は、例を福島県にとられたわけでございますが、
日本通運が地方のタクシー事業の
免許の
申請をやっておるという問題に関連しての
質問でございます。
日本通運が直接ではないかと思いますが、
日本通運の出身の方あるいは退職の方が、
日本通運からあるいは経済的な応援等を得てタクシーの
申請をされておる事実は、これは、福島県郡山、福島もそうでありますが、他の地域にも一、二あるやに聞いております。この問題につきましても、各方面からいろいろ私も
陳情とかあるいは御意見を聞いておるわけであります。事はタクシー事業の
免許に関することでございまして、申し上げるまでもなく、御承知でございますが、
免許につきましては、道路運送法による
免許基準というものがございます。この基準に照らしてやるわけでございまして、特定の一つの
会社、広い基盤を持つ大きな
会社が
申請をしたからといって、これがいいとかいけないとかという判断はにわかにはできないわけであります。ただ
東京とか大阪とかそういった非常に業者の数も多い、車の数も多い大都会は別といたしまして、地方の中小都市以下におきまして、わずかに数社の小規模の
会社なり法人が、車両数の少ない事業規模で事業をやっておる、それが平穏にかつ利用者に対するサービスもよくやっておるという
状況下におきまして、にわかに大きな資本をもって、しかもそれが他の運輸事業等もやっておる大規模の
会社がそこに進出してタクシー事業をやるということは、その地域におきまして小規模ながらサービスもよくやっておる、あるいは
経営もどうにか健全化しておるというところに進出することは、今までのそういった事業者に心理的にも影響するところが非常に多いと私は思うのであります。従いまして、そういった場合にそれをどう取り扱うかということは、法的にはそういった事業を
免許することが公益上はたして必要であるか、あるいは適切であるかという条項がございまして、これに照らして
陸運局長がその土地々々の実情に応じて適切な判断をしてやるべきであると私は
陸運局長を指導しておるのでございますが、一般的に申しまして、そういった巨大な資本をバックにして中小都市のタクシー事業に不必要な不安を与え、あるいは不必要な摩擦を与えるということは、これはやはり避けるべきではないか、かように
考えております。特に、中小企業育成という見地から、この問題は慎重に
考えるべきだということは、先般全国の
自動車部長
会議を招集いたしましたときにも、当局の意のあるところは十分伝えておいた次第でございます。その次の、道路運送法の改正に関連いたしまして白タクの取り締まりのための強化策、このお話でございますが、この問題につきましては、申し上げるまでもなくわれわれとしてもぜひ法的措置を講じて、取り締まりをさらに効果あらしめたいと
考えております。現在のこの法案の進んでおる
状況を申し上げますと、方法としまして、そういった違反行為のあった行為者とそれからこれに使った車、この両方を取り締まりの対象にいたしませんと徹底が期せられないということをわれわれ
考えておりまして、車につきましては、現行法で任意にナンバー・プレートを提出さすようになっておりますし、また使用の停止もできるわけでありますが、さらにこれを確保するために、ナンバー・プレートを強制的に取り上げる方法を
考えております。それから、人つまりそういう運転をした者に対しましては、やはり何としても運転
免許証を取り上げるということをしなければ制裁にならないということで、運転
免許の問題は、公安
委員会の問題でもございますので、警察と密接に連絡をとっておりまして、ただいまのところ一応私の方で
考えております草案を警察庁の方に渡しまして、警察庁の方で検討してもらって、近く何らかの回答をいただき、協議を進めて、本国会に間に合わせたい、かように
考えております。
それから、交通混雑しておる大都会の交通対策についての根本策はどうかというお話でございましたが、この問題につきましては、内閣交通
関係閣僚懇談会、あるいはその事務局になっております内閣の交通対策本部——われわれも参画しておりますが、ここでその原因、方法、打開策等を協議いたしておりまして、新聞等でも御承知かと思いますが、根本策としては、私は、やはり圧倒的に道路が少ない、狭い、これが一番大きな原因であると
考えております。従いまして、根本策としては、どうしても、その土地における、
東京なら
東京におきます経済活動あるいは都民の日常生活に対応するだけの交通量をまかなえる道路を作るべきである、こう思うわけでございますが、ただこれは一朝一夕にできないわけでございまして、そうなれば、応急策としてはやはり交通規制をやらざるを得ない、かように
考えております。しかし、交通規制につきましても、できるだけその影響するところを少なくし、しかも交通規制の効果を大きくするということを眼目といたしまして、その方法論につきましては、私たちといたしましても交通
行政に携わる経済官庁として、経済あるいは日常生活等、そういう見地から、今申し上げましたような最大多数のために最小の被害にとどめる具体策というものにつきまして、公安
委員会等のお立てになる規制の案に対しましても十分協議もいたし、意見も申し上げたい、かように
考えております。
それから
陸運局にあります
自動車運送協議会がどうしておるかという御
質問でございますが、
自動車運送協議会に
陸運局長が諮問すべき項目は相当たくさんございます。ただ現状を申し上げますと、大都市におけるハイヤー、タクシーの
輸送力の策定、ほとんど各
陸運局ともこういう問題に今までは終始しておるのが事実でございます。これはかつて道路運送法の改正の際に、
自動車運送協議会が設けられましたいきさつからいたしまして、そういう経過をたどって参っておるのが実情でございますが、もちろん協議会にはそのほか運賃料金の基本問題あるいは服務規律その他いろいろな問題が諮問できることになっておりますので、そういう線に沿ってこの
運営をはかりたい、かように常々私自身も
考えておりますが、
陸運局長に対しても、そういうふうな
運営の仕方でこれを
運営するようには話しております。ただ実情は、御指摘の
通り、ハイヤー、タクシーの
輸送力の策定ということに現在までは終始しておるということが事実でございます。