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1962-01-31 第40回国会 衆議院 運輸委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十七年一月三十一日(水曜日)     午前十時十六分開議  出席委員    委員長 簡牛 凡夫君    理事 關谷 勝利君 理事 高橋清一郎君    理事 塚原 俊郎君 理事 福家 俊一君    理事 久保 三郎君       伊藤 郷一君    宇田 國榮君       川野 芳滿君    木村 俊夫君       佐々木義武君    壽原 正一君       砂原  格君    竹内 俊吉君       西村 英一君    細田 吉藏君       三池  信君    石村 英雄君       加藤 勘十君    勝澤 芳雄君       島上善五郎君    田中織之進君       肥田 次郎君  出席政府委員         運輸政務次官  有馬 英治君         運輸事務官         (大臣官房長) 広瀬 真一君         運輸事務官         (海運局長)  辻  章男君         運輸事務官         (船舶局長)  藤野  淳君         運輸事務官         (船員局長)  若狹 得治君         運 輸 技 官         (港湾局長)  坂本 信雄君         運輸事務官         (鉄道監督局         長)      岡本  悟君         運輸事務官         (自動車局長) 木村 睦男君         運輸事務官         (航空局長)  今井 榮文君         労働基準監督官         (労働基準局         長)      大島  靖君  委員外出席者         警  視  監         (警察庁保安局         参事官)    富永 誠美君         労働事務官         (職業安定局雇         用安定課長)  木村 四郎君         建設事務官         (道路局路政課         長)      高橋 弘篤君     ————————————— 一月三十一日  委員高橋英吉君及び矢尾喜三郎辞任につき、  その補欠として竹内俊吉君及び横路節雄君が議  長の指名委員に選任された。 同日  委員竹内俊吉君及び横路節雄辞任につき、そ  の補欠として高橋英吉君及び矢尾喜三郎君が議  長の指名委員に選任された。     ————————————— 一月二十七日  船員法の一部を改正する法律案内閣提出第三  八号) 同月二十九日  特定船舶整備公団法の一部を改正する法律案(  内閣提出第三九号)     ————————————— 本日の会議に付した案件  南大東島における高層気象観測に必要な物品の  譲与に関する法律の一部を改正する法律案(内  閣提出第三七号)  船員法の一部を改正する法律案内閣提出第三  八号)  特定船舶整備公団法の一部を改正する法律案(  内閣提出第三九号)  港域法の一部を改正する法律案内閣提出第三  四号)(予)  海運に関する件  陸運に関する件      ————◇—————
  2. 簡牛凡夫

    簡牛委員長 これより会議を開きます。  内閣提出南大東島における高層気象観測に必要な物品譲与に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出船員法の一部を改正する法律案内閣提出特定船舶整備公団法の一部を改正する法律案及び内閣提出予備審査港域法の一部を改正する法律案一括議題とし、審査を行ないます。
  3. 簡牛凡夫

    簡牛委員長 まず、政府当局より提案理由説明を聴取いたします。有馬政務次官
  4. 有馬英治

    有馬政府委員 ただいま議題となりました南大東島における高層気象観測に必要な物品譲与に関する法律の一部を改正する法律案提案理由につきまして、御説明申し上げます。  御承知のように、わが国は、台風その他の自然現象による災害によって、年々多くの人命、財産の損失をこうむっております。これらの災害予防、軽減に資するためには、気象観測整備をはかり、かつ、予報業務強化して、的確な気象予報を行なうことが必要でありまして、政府といたしましても、これら気象業務の円滑な運営に鋭意努力を重ねて参っている次第であります。  中でも高層気象観測は、一般気象予報はもちろん、台風予報にも航空機の運航にも重要な資料を提供するものであります。この点にかんがみまして、かねてから高層気象観測網整備をはかって参りましたが、昭和三十五年度には、気象庁と琉球気象台協力業務として南大東島について整備いたしました。さらに今回は、琉球気象台石垣島において高層気象観測を実施するにあたり必要な援助を計画したわけであります。  石垣島は、御承知通り沖繩本島より西南方海上四百キロの地点にありますが、石垣島高層気象観測を実施いたしますれば、日本天気変化のおもな原因となります東支那海南部発生する低気圧の発生、消滅、進行の予想台風予想にも大きな役割を果たすことになるのであります。また、このようなことから、石垣島高層気象観測は、世界気象機関(WMO)においてもその開始を勧告されているものであります。  よって、政府は、この重要性にかんがみ、琉球気象台高層気象観測業務を開始するため必要な経費を援助するとともに、その観測に必要な物品譲与するため必要な経費昭和三十七年度予算として計上いたしている次第であります。  また、観測に必要な物品譲与することにつきましては、琉球気象台高層気象観測資料本邦観測資料と統一して利用するため、本邦における高層気象観測同一様式観測器械を使用し、かつ、同一観測方式で実施されることが必要であるからであります。  従いまして、琉球気象台南大東島高層気象観測と同様に物品譲与できるように、財政法第九条の規定特別立法措置を講じたのであります。  以上が、この法律案を提出する理由であります。  次に、船員法の一部を改正する法律案提案理由につきまして、御説明申し上げます。  現行船員法は、昭和二十二年に新憲法の施行に伴い、海上労働に関する労働基準法として全面的に改正されたものでありますが、経済情勢労働情勢ともに著しく不安定な時期に制定されたため、必ずしも現状に即さない点もあり、また、その後の経済の成長とともに労働情勢も推移しており、その変化に対応させる必要性も生じて参りました。よって、政府は、昭和二十八年船員中央労働委員会に対し、船員法改正について諮問いたしました。船員法は、申すまでもなく、労働基準法と並んで海上労働者労働基準に関する基本法としての性格を有するものでありますから、その改正は慎重に行なわなければなりません。同委員会は、このような配慮を前提に、慎重な態度をもって八年間にわたり船員法の全条文について検討を行なったのでありますが、特に、船員法が現実の国内及び国際労働慣行に適したものであるか、あるいは労働基準法と均衡を失した点はないか、あるいは国際海上労働条約との関係はどうか、あるいは最近の労働情勢の推移に適応しているかどうか等の見地から、細部について審議を行なったのであります。その結果、公労使三者の完全な意見の一致を見たものについて昨年末までに答申がなされましたので政府は、この答申の趣旨に従い、ここにこの法律案を提出した次第であります。  このたびの改正のおもな点は三つに大別されますが、その第一は、船員労働条件適正化に関するものであります。御承知のように、船員長期間遠く海上を航行する船舶をその労働の場としておりますので、その居住、労働の環境を適正なものとすることが特に要求されております。このたびの改正案におきましては、まず衛生管理者制度を設け、船内衛生状態の改善、船員健康管理傷病発生予防等に従事させることとし、これと関連し、従来の船医制度合理化をはかりました。また、労働基準法において労働安全衛生規則が定められておりますように、船内作業による危害を防止し、船内衛生を保持するため必要な船舶所有者及び船員の順守すべき事項命令で定める等の措置により、船員労働の安全及び衛生確保に資する、ようにいたしております。このほか、労働時間制について、外航・内航船内の各部を問わず適用することとし、その基準化に努める等の改正を行ない、また、労働基準法と同様に、傷病船員、産前産後の女子船員解雇を制限し、予備船員解雇について予告制度を採用することとして船員の地位の安定をはかることとした等、船員労働条件適正化をはかっております。  第二に、船員法適用範囲の拡張についてでありますが、近時、漁船の性能の向上と漁法の発達とにより、船員法適用を受けない小型漁船沿岸より沖合いへと出漁する傾向が見られるに至っております。その乗組員につきましては、陸上労働対象とした労働基準法によるよりも海上労働法としての船員法によることが適当であると考えられますので、これらの漁船船員法適用対象とすることといたしました。  第三に、船舶航海安全確保に関する規定整備について申し上げます。従来より、船員法におきましては、船舶航海安全確保に関する船長の職務について規定しておりますが、わが国海事法体系整備をはかるという見地から、船舶安全法に基づく命令により定められておりましたこれと同様の性質の事項船員法に統一的に規定することとし、今後一そう航海安全確保に努めることといたしました。  以上が、この法律案を提案する理由であります。  次に、特定船舶整備公団法の一部を改正する法律案につきまして、御説明申し上げます。  この法律案改正点は、第一に、特定船舶整備公団業務範囲を拡大し、港湾運送事業者等と費用を分担して、はしけその他の港湾運送用船舶の建造、貸し渡し等ができるようにすること、第二に、公団資本金四億円を五億円に増額しようとするものであります。  第一の改正点につきましては、昨年の半ばころより、各主要港において船込み現象が著しくなり、国際収支国内生産その他わが国国民経済の上に、種々の影響を与えていることは御承知通りでありますが、このような現象を引き起こした原因一つに、はしけ不足がありまして、今後なお増加する貨物量に対応し、船込みの解消をはかるためには、はしけその他の港湾運送用船舶を増強することが必要であります。  はしけは、従来、港湾運送事業者の手によってその整備がはかられて参りましたが、港湾運送事業者の大半は中小企業者でありまして、資本金五百万円未満のものが七割を占めている現状であります。従いまして、これら事業者融資を受ける場合の信用力担保力は著しく不足しているため、通常の金融ベースでは資金調達を行なうことが著しく困難であり、これが、はしけ新造を阻害する要因となり、今回のようなはしけ不足現象を招いたものであります。  以上のような事情にかんがみ、港湾における船込みを解消し、今後増大する貨物量に対応する荷役能力の増強をはかるための施策の一環として、特定船舶整備公団業務範囲を拡大し、資金調達困難な港湾運送事業者等対象として、公団との共有方式により、はしけその他の港湾運送用船舶新造を行なうことができるよう措置を講じた次第であります。  なお、このため、三十七年度におきましては、公団に対する資金運用部資金五億円の融資が予定されております。  第二の改正点につきましては、公団旅客船建改造業務執行のための事務経費は、政府の出資する資本金運用益をもってまかなうことになっておりますが、昭和三十七年度におきましては、業務を円滑に運営するには事務経費を増加する必要がありますので、これに充てるべき運用益の増収をはかるため、旅客船事業予算七億円のうち、一億円は出資金をもって充て、現在の資本金四億円を五億円に増額することとしたのであります。  以上が、この法律案提案理由及び概要であります。  次に、港域法の一部を改正する法律案提案理由につきまして、御説明申し上げます。  この法律案は、港湾事情変化に伴い、港の区域が実情に沿わなくなったものを改める等の必要が生じておりまするので、港域法の別表を改正しようとするものであります。  改正を必要とするおもな事情を述べますと、第一に、背後地産業活動の発展による港湾建設船舶出入の増加に伴い、田子の浦港、安藝津港について、港則法を施行する等のため、新たに港域を定める必要が生じたことであります。  第二に、港湾の埋め立て、埠頭工事の進展に伴い、港湾施設が拡張される等、船舶交通事情変化したため、京浜港外九港について、その実情に合致するよう港域を変更する必要が生じたことであります。  第三に、大阪港及び堺港のように隣接した二港が、臨海工業地帯造成等によって、経済的にも、また船舶の航行及び停泊の事情からも、一体港湾として機能を発揮しているものについて、港域法上の一体港域として合併する必要が生じたことであります。  以上が、この法律案を提案する理由であります。  何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛成いただきますようお願いいたします。
  5. 簡牛凡夫

    簡牛委員長 各案に対する質疑は、次会に譲ります。      ————◇—————
  6. 簡牛凡夫

    簡牛委員長 運輸行政について調査を行ないます。  質疑の通告がありますので、これを許します。關谷勝利君。
  7. 關谷勝利

    關谷委員 先般、大臣から予算関係あるいは提出予定法律案のこと等につきましては御説明をいただいたのでありますが、あの御説明だけでは十分にわかりかねることがありますので、国民に周知徹底いたしますため、あるいは業界混乱を防ぎますために、お尋ねする必要のありますことを簡単に御質問を申し上げてみたいと思います。  まず第一番に、海運基盤強化対策の件でありますが、これは昨年末予算を編成いたします当時に、海運造船合理化審議会答申の線に沿いまして、海運企業整備計画審議会を設けることが予算化をせられ、そうしてうしろ向き並びに前向き両方面施策が推進せられるかのように私たちは信じておったのでありますが、最近の情勢を見ておりますと、何だかもたもたいたしましては、はっきりしない点があります。いろいろ銀行筋あるいは業界筋等におきましては、どうなるのであろうかというふうなことで、非常に不安の目をもって見ておるようでありますので、これがどういうふうに進んでおるのか、またどういうふうに進めようとしておるのか、またその見通しはどうなのか、この点を簡単明瞭に一つお答えを願いたいと思います。
  8. 辻章男

    辻政府委員 お答え申し上げます。  ただいま關谷先生からもお話がございましたように、運輸省といたしましては、昨年の予算折衝を通じまして、海運企業基盤強化のために、開発銀行の過去の債権に対します金融措置を行ないたいということで折衝をした次第でございます。一応予算交渉におきましては、海運企業基盤強化について、何らかの措置を必要とするであろう。従って、個々の海運企業整備計画審査するための審議会設置が認められたのでございますが、いかなる措置をするかにつきましては、私どもの方の金融措置についてそれがいいかどうか、なお政府部内において検討する必要があるということで、目下財政当局の方と検討いたしておるというのが現状でございます。  見通しの点でございますが、運輸大臣大蔵大臣その他関係の方々で御折衝願っておりますので、どういうふうにきまりますか、私ども事務当局としてははかりかねるのでございますが、海運につきましてはこれが最大の問題でございますし、また政界におきましても、財界におきましても、その実情をよく認められておるような情勢でございますので、必ずや何らかの適当な措置がとられるであろうということを私どもは信じておる次第でございます。
  9. 關谷勝利

    關谷委員 私いろいろな情報から判断をいたしまして、結局大蔵省の考え方といいますのは、海運企業整備計画審議会において審議をしてしかる後に、こういうふうなことを主張いたしておるようでありますし、運輸省といたしましては、あの海運造船合理化審議会答申案の線でこれはできたんだから、あれを前提としての整備計画を立てさせて、そしてこの整備計画審議会でこれを審議するのだ、こういうふうなことで意見が食い違っておると思いますが、私は、これは予算編成の最初の交渉の際に、そこらに多少行き違うような原因がひそんでおったのではないかと思います。今まででも、海運の問題につきまして助成をいたしますためには、運輸省において審査をいたしておったはずであります。そして各会社の内容その他につきましては、私は、資料は全部整っておるはずだと考えております。  なお、そういうふうな資料から判断をいたしましてどういうふうにすればよいのだという結論も、私はすぐ出てくるのじゃないかと思いますが、そういうふうな資料がありますことをはっきりと大蔵省に明示して、海運整備計画審議会ができましたならば、すぐそこに資料を提出して、そうして四月一日から実施するのには十分間に合うのだということがはっきりいたしましたならば、私は、この問題というものはおのずから解決するのだというふうに考えておるのでありますが、これらの資料が整っておるのかおらないのか、この点があいまいなために私はもたもたしておるのだと思います。この点さえはっきりすれば、問題は一挙に解決すると考えるのでありますが、資料があるのかないのか、今まで審査をしてはっきりしたものがあるのかないのか、その点だけをお尋ねしておきます。
  10. 辻章男

    辻政府委員 ただいまお話がありましたように、私どもは、今まで協会等を通じましていろいろ関係会社からの資料を持っておりますので、こういう基盤強化を実施するに必要な資料は、運輸省としては整備いたしておる、かように考えております。
  11. 關谷勝利

    關谷委員 それで私も安心いたしましたが、その資料をはっきりと大臣に御説明をして、大臣がそれを腹に入れて、そうして大蔵省折衝いたしましたならば、私はすぐ解決すると思いますので、その点を一つ局長大臣との間ではっきりと納得のいくような説明といいますか、お話し合いが願いたいと思います。基盤強化の問題はそのくらいにしておきます。  次に、石炭専用船の問題についてお尋ねを申し上げたいのであります。これは今特定船舶整備公団石炭専用船を作ることになったということを聞いておりますので、また予算化せられておることを聞いておりますので、その点は私は適当な方法であるというふうに考えております。しかし、これを作りますのに、どういうふうなものに作らせ、どういうふうな運航形態をとるのか、この点が私たちはっきりわかりませんし、また内航海運といたしましても、非常にこれを懸念いたしておるようであります。こういうふうな船が出て参って運航せられますと、その専用船で運びます石炭運賃の下がることは当然でありまして、そのためにこれを作るのでありますから、その点に対してとやかく言うものではないのでありますが、従来やっております内航、沿岸の船に及ぼす影響であります。この石炭専用船以外の船で運びますものは、従来の運賃を保障することができるのかどうか、その具体策を持っておられるのかどうか。石炭産業を保護いたしますために、この内航なり沿岸海運が犠牲にされるというふうなことでは、たまったものではないのでありまして、同じ国内の一方の産業を助けるために一方の産業が破壊されるということは許されないことであり、また拙劣な方策といわなければなりませんので、その点は、従来やっております内航あるいは沿岸運賃保障をすべきものであるというふうに考えておりますが、この具体的の方法を御説明願いたいと思います。
  12. 辻章男

    辻政府委員 石炭専用船を作りまして、これのコストが安くなりまして、従って、長期の契約をいたしますれば、現在一般の内航船で運んでおります石炭のものよりも運賃が非常に安くなることは、その通りであります。それは今まで運んでおります一般の内航の石炭運賃をたたかれる材料になりはしないかという点の御指摘でございますが、これはまことにごもっともでございまして、私どももそういうおそれがないことはないというふうに感じまして、実はこの問題が起こりましてから、通産当局としばしば会合したのでございますが、そのつど通産当局と私どもの方と力を合わせまして、現在運んでおりまする石炭船運賃につきまして、この新しくできます石炭専用船運賃がしわ寄せするような措置はとらないように、石炭業界の方に行政指導していくということを、しばしば通産当局に話をいたしまして、通産当局も了承いたしておりますので、今御懸念されるような面は何とか切り抜けられるというふうに考えております。ただ今申し上げましたように、その方法行政指導の面でございまして、いわばきめ手はないのではないかというふうな面があるかと思いますが、石炭につきましても、内航船主海上運送法上の運賃同盟を結んでおりますので、これの結束を通じまして運輸省としては推進していきたい、かように考えておる次第であります。
  13. 關谷勝利

    關谷委員 この問題につきましては、業界の安心のいくような具体的な方法をとっていただきたい、内航海運混乱をしないような措置をとっていただきたいということをお願いいたしておきます。  次は、日本沿岸航路に従事をいたしておりまする小型船舶無線電話の件でありまするが、沿岸航路に従事いたしておりまする小型船舶の大多数が、無線電信設備がなく、また、せっかくその設備がありましても、通信士不足というようなことから、結局通信できない船が続出いたしております現状は、航行安全上及び海運業務能率増進の上から見て、ゆゆしい問題であります。一日もゆるがせにすべきも一のではないのでありまして、このためには、各船に無線電話設置するのが最も望ましいということは、これは識者がみんな認めておるのであります。今北海道、三陸、四国、九州方面には、すでに無線電話海岸局設置がありまして、この方面を航行いたしております船は、航海安全と能率増進上非常に便利になっておるのでありまするが、これらの地区よりも一番大事でありますところの京浜を含みます関東地区海岸局設置がないのでありまして、関東沿岸を航行いたしております船が、非常に不便を感じております。そして電電公社あたり設置を要請いたしましても、なかなかこれが実現をしないというふうなことで、利用組合でありますか、そういうふうなものを作ろうというふうなことになりまして、それを近く申請をするのだそうであります。こういうふうなことは、これは海運局といたしましてはむしろ積極的に推進すべきでありますのに、どういうことで今までこういうことができておらなかったのか、そういうふうな事情も承りたいし、そういうふうなものが出て参りました場合には、郵政省へ許可をするように海運局といたしまして努力をする用意があるのかどうか、この点伺っておきたいと思います。
  14. 辻章男

    辻政府委員 沿岸小型船に対しまする無線通信の問題でございますが、これにつきましては、中短波によります方式と超短波による方式二つ方式があるわけでございまして、現在普及いたしておりますのは、中短波方式でございます。ただ、この中短波のものは周波数が非常に限定されておりまする関係上、将来の問題としては超短波方式にいきたいというのが、電電公社及び郵政当局の考えのようでございます。しかし、これらを全国に網を張りますには、まだ相当の期間と資金を要するのでございまして、将来の問題といたしましては、超短波方式の方が便利であり、また技術的にもいいのかもしれませんが、私ども今目先の問題といたしましては、中短波を利用して船舶の航行安全をはかり、また業務の推進をはかりたいという要望については、全面的に推進いたしたい、かように考えております。  それで、今問題がございました利用組合を結成して、関東地区に私設の無線局設置したいというお話も承っておりまして、郵政当局、電電当局の方へもそれの実現方を運輸省から強く推進いたしておるところでございまして、大体それは認められるという期待を私どもも持っておるわけであります。
  15. 關谷勝利

    關谷委員 実現する見通しということを聞いて安心をいたしましたが、ぜひそうお願いしたいと思います。  それから中短波、超短波という技術的なことは、私は十分わかりませんけれども、中短波で今できております海岸局は、みなそれでよく通じておりますし、なお中短波の方が長距離へきくということであります。そうして周波数のことは、現在使っておる周波数でどの局へも通じるということで、便利でありますので、周波数はもう要りません。なお電波の関係は残っておる点もあるそうでありますので、これは強制をするということでなしに、今の実情に出合うように、やはり中短波のもので関東地区へも海岸局を作るという方針で進んでいただきまして、超短波というようなことはこれからの問題で、将来よくなった場合にはまたその方法がつくと思いますが、とりあえず今の場合におきましては、この中短波のものが一番便利であるということになっておりますので、この点一つぜひ推進をしていただきたいと思います。  次に、貿易の自由化に伴いまして、今年の十月に九〇%、三十八年の十月までには一〇〇%貿易が自由化せられるはずでありますが、そうなって参りますと、今まで外船を雇い入れること等につきましては、為替管理法の第四十二条によってこれを押えることができたはずでありまして、運輸省といたしましては、この為替管理の面においてこれを制約したのでありましょうが、しかし、これが一〇〇%自由化せられるということになりますと、外国資本の入っておる会社その他におきましては、運賃の安い外国船を雇うというような方法に出てきて、邦船が非常な圧迫を受けるのではないかというふうな懸念があるのであります。おそらくそういうようなことになってくると思いますが、そのときになっていろいろうろたえても間に合わないのでありますが、この面については海上運送法等を改正いたしまして、船舶の譲渡、借り受けあるいは貸し渡しというようなことについての一つの制約をすることができるような方法を考えておるかどうか。これは私は、考えなければ大へんなことになると思います。アメリカはシップ・アメリカンというようなことで、アメリカ船ですべてを運へというようなことを強調いたしておりますので、何らか為替管理法にかわるようなものが海上運送法でやれるというふうなことにしておかなければならぬと思いますが、この点をお尋ねいたしたいと思います。日本の方でいろいろ外船に不利益を及ぼすような法律は作りたくないというお考えかもしれませんが、アメリカではボナ一法を作って、日本の船も規制に従わなければならぬということになっておりますので、その点は差しつかえないと思いますが、海上運送法改正してこれらの点について善処しなければならぬというようなお考えがあるかどうか、またそういうようなことを今研究しておられるかどうか、この点承りたいと思います。
  16. 辻章男

    辻政府委員 貿易の自由化に伴います外国用船の問題でございますが、私どもいわゆる伝統的な海運国といたしまして、国際海運というものは自由であるべきだということを、長年、国際海運界のいろいろな問題に対しまして、政府としてはそういう立場をとってきたわけでございます。御指摘の通り、アメリカにおきましては、ドル防衛に関連しまして、シップ・アメリカンというふうな問題が起こり、また、東南アジアの新興国におきましては、少し行き過ぎた民族主義的な見地から、海運について国旗の差別的な待遇をしようというふうな風潮もあるのでございます。それらに対しましても、私どもは、国際海運は自由であるべきだという見地から、シップ・アメリカンに対しましては、ことあるごとにアメリカ政府に対しまして反省を求め、また、新興海運国に対しましても、国旗差別をしないようにということで進んで参っておる次第でございます。貿易の自由化ができ、為替管理は制限される暁においては、外国船の用船なり外国船が多くなって、日本海運が非常な打撃をこうむるおそれはないかという点であります。私どもは、日本海運企業の経営力あるいはその集貨力につきましては、世界に劣らないと考えております。ただ、資本の不足あるいは借入金の過多等によりまする金利負担を中心とした不利な点が重なり重なりまして、現在非常な企業の弱体化を来たしており、またコストの面においては、金利負担が非常に高くなっておる。これらの企業基盤強化し、金利を国際並みにやり得るならば、十分に世界海運の競争場裏において、日本海運は決してひけをとらない。かように考えておる次第でございまして、何とか国際場裏に競争し得るだけの公平な場を与えれば、特に外国用船について規制を加える必要はないのじゃないかというふうに、現在のところ考えておる次第でございます。今御指摘がありましたような自由化に伴いまする情勢の推移を見まして、もし何らかの法的な措置が必要ならば、そのときに考えていきたい、そのように考えておる次第でございます。
  17. 關谷勝利

    關谷委員 海運局長のその今の考え方は、非常に私は甘いと思います。必ず二年先には私が言った通りになるのではないかと思いまするが、よくこの点は御検討を願いたいと思います。たとい日本が経営力あるいは集貨能力においてまさっておるといいましても、海運企業基盤強化策が徹底しておりません今日において、それが同じような競争ができるとは思いません。これは為替管理にかわる何ものかを海上運送法規定するか何かの方法でやっておかなかったならば、日本のタンカー業界が受けるこの脅威は、私は大きいものがある、こういうふうに考えております。今から警告をいたしておきます。ことに、石油業法が今度できょうといたしておりまするが、この石油業法ができましたならば、これは石油価格の安定というふうなことが出ておりまするが、私はこの安定ということは、安い価格で安定せしめるような方法をとると思います。そうなってきますと、この石油価格の三〇%から三五%を占める運賃の面に必ず強いしわ寄せがくるというようなことも考えられますが、その際外国船で耐えられるぎりぎり一ぱいの線まで競争してきました場合に、日本海運業界というものは一たまりもないと思います。これは必ずそのような時期がきますので、そのような甘い考え方をせずに、私は今から検討をしていただきたい。その時期がくるまでに十分検討していただきたい。これは今から私は警告をいたしておきます。  次にお尋ねを申し上げておきたいのは、水中翼船の問題でありますが、最近、水中翼船の非常にたくさんの出願があるやに聞いております。この水中翼船につきましては、十二人以下の人を運びます小型のものにつきましては、今の海上運送法でいきますと、旅客船としての制約を受けないはずでありますが、こういうような速度の早い、一時間に七十キロも走るというようなものでありますと、十三名以上積みます船あたりに匹敵をする輸送力を持ちますし、これは何とか規制をしなければならないのではなかろうかというふうに考えますが、海上運送法改正その他は考えておられるのかどうか。そうしてこの水中翼船というものについては、これからどういうふうに指導していこうとしておられるのか。その点を二点伺っておきたいと思います。
  18. 辻章男

    辻政府委員 現在海上運送法で旅客船といたしまして規制をいたしておりますのは、十三名以上の旅客定員を持ちました船でございます。今御指摘ございましたように、水中翼船で十三名未満の小型のものが、ぽつぽつ出て参っております。この小型の水中翼船が、既存の定期航路にいわゆる政府の許認可なしに進出して、当該定期航路が混乱するおそれがないかどうかということにつきましては、業界からも御意見がございますし、われわれも、その意見を中心にしまして検討し、また業界とも話し合ったのでございますが、現在、運輸省といたしましての認識の点でございますが、大体この水中翼船、特に小型のものにつきましては、ガソリン・エンジンを用いておりますので、非常に燃料費が割高になっておる。それからまた、旅客の定員に比べまして船員費がかさむこと、また耐波性がないというような点から、航法といたしましては非常に不定期的になりますし、コストといたしましては、現在の小型の旅客船に比べまして五倍ないし六倍程度のコストになるんじゃないかということで、この小型の船をもちまして定期航路を脅かすような運航はできないのじゃないか、かように考えております。ただ、現在実はすでに二はい運航いたしておりますが、これはいわゆる二点間の定期的な輸送ではございませんで、ある港を中心にしまして港の付近を遊覧するというふうな運営をいたしておりますので、この小型の水中翼船による定期航路の混乱という事態は、さほど懸念することはないのじゃないか。かように考えておる次第でございます。従って、さしあたり海上運送法をこれがために改正する必要はないのじゃないかというふうに考えております。  将来、水中翼船というものをどういうふうに旅客定期輸送の関連で考えておるかという点でございますが、現在、日本でも七十名ないし八十名の大型の水中翼艇の建造計画を各造船所で持っております。コストは、どういたしましても、既存の船よりは大型になりましても、やはり割高でございますけれども、大型になればなるだけコストを下げることも可能でございますし、これら大型のものにつきましては、耐波性もございますので、これらが、全部の航路とは申し上げかねるのでありますが、ある特定の航路については将来実用的になってくるのではないか。そういうふうに行政指導していきたい、かように考えておる次第でございます。
  19. 關谷勝利

    關谷委員 私、時間の関係で、これで一応打ち切らしていただきまして、次の機会に一緒にやりたいと思います。      ————◇—————
  20. 簡牛凡夫

    簡牛委員長 陸運に関する件について調査を進めます。  質疑の通告がありますので、これを許します。久保三郎君。
  21. 久保三郎

    ○久保委員 二つほど当面の問題で簡単にお尋ねをするわけでありますが、一つは、先般新聞等でも報じられた志村観光自動車の集団雇用の問題に関連して、自動車運輸輸送の状況、これと、もう一つは、明日から施行というか、実施されるところの車両制限令に関連しての、特に都市交通の問題をお尋ねしたいと思うのであります。  さしあたり第一番目には、志村観光自動車の集団雇い入れ問題でありますが、この事件については、すでにそれぞれ監督官庁において必要なる監査もいたしておるやに報道されておるので、まず第一に運輸省自動車局の方から、この事業所の監査の結果について御公表をいただきたい、こういうように思います。
  22. 木村睦男

    木村(睦)政府委員 ただいま御質問のありました先般東京都内におきますタクシー会社であります志村観光自動車株式会社につきまして監査の結果、道路運送法に基づく行政処分を東京陸運局長においてやっておるのでありますが、監査の内容を申し上げます前に、一応それまでの当局が関知いたしました事柄を前提としてまず申し上げたいと思います。  実は、昨年来、東京都におきまして、ハイヤー、タクシーの輸送力が足らないということで、輸送力の増強措置をして参ってきたのでありますが、一方におきまして、運転手がかなり足らないというふうな実情のために、車はふやしたい、一方運転手がなかなか手に入らないというのが実情でございまして、そういう状況下におきまして、昨年の暮れ時分だと思いますが、この志村観光自動車会社が札幌の方面に運転手を探しに参りまして、約四十名くらいを引き抜いたというふうな情報を陸運局はキャッチしたわけであります。さらに、一月に入りまして、一月の下旬、今月の二十三日ころでございましたか、このスカウトされました運転手のうち代表者の者が数人東京陸運局に参りまして、募集されたときの条件とこちらに来ての実際の待遇と非常に違うということにつきまして、るる陳情があったわけでございます。そこで、当局といたしましては、ただ単に雇用関係が契約と実質と違うということだけでは取り調べようもございませんので、一般的に道路運送法にのっとって適正な事業をやっておるかどうかという観点から、去る二十四日に、早朝から午前中にわたりまして、この会社を東京陸運局は監査をいたしたわけでございます。その監査の結果につきまして、道路運送法あるいは道路運送法に基づきます諸規則に抵触して、適正な運営をやっていないというふうな事実が相当発見されたわけです。  その内容につきまして、ただいまの御質問のお答えとして申し上げたいと思います。  第一点は、道路運送法に基づきます運輸規則によりますと、運転日報というものを作成して、常に保管しておかなければならないということになっております。運転日報と申しますのは、個々の運転手が作業、勤務についた場合の運行の実績等でございますが、従って、この運転日報を見ますと、一日にどのくらい走ったかということもわかるわけであります。この運転日報を明らかに改ざんしておると認められるものが相当ありました。二十八両のうち十八両にそういう事実が発見されたわけであります。単に改ざんということだけですと、まともにはこの規則に触れるわけではございませんが、改ざんされた中身を検討いたしますと、一日三百六十五キロの走行キロの制限が付されておりますが、どうもこの制限をこえて運転しておるというふうなことを推定するに足る事実も発見したということであります。  それからその次は法規の違反で、相当ひどいものも小さいものもありますが、この際でありますので、小さいのも一応あげておきますと、道路運送法の施行規則によりまして、事業用自動車の場合には、車体にタクシーの旨の表示をすることになっておりますが、このタクシーであるということの表示をしない車が十両あったのであります。  それから、同じく運輸規則によりますと、労務員の仮眠施設とかそういった休養施設、そういうものが十分できていなければならないのでございますが、この会社を監査いたしましたところによりますと、仮眠室はありますが、そこで必要な員数の運転者が休むための寝具が非常に不足しておる。この場合大体三十二組の寝具が必要であるのでございますが、十八組しか寝具がなかったというふうな点でございます。  それからその次は、昨年の十二月二十八日付で仮採用した十八名の運転者がございますが、これは日雇いのままで本年の一月一日から現在までずっと業務に服させておった。正式な雇用契約の締結をしていないという事実が発見されました。これは普通車一両につきましては、大体二・四人分の運転者が必要でありますので、この二・四人に相当する運転者は、正式な雇用契約のもとに採用した運転手でなければならないのでありまして、それ以上に運転手を補充的に使う場合には日雇いのままでいいのでありますが、この必要な員数内において日雇いの運転手を使っておったということが運転規則に違反しておるのでございます。  それからその次は、労働基準法によりますと、連続勤務は二十八日ということになっておりますが、運転手の場合につきましては、勤務の状態あるいは事故防止の観点から、十四日以上続けて勤務をさせることはよろしくないというふうに運輸規則になっておるのでございますが、事実を調べてみますと、昨年の十月二十六日から同じく昨年の十二月四日までの間に十五日以上の連続勤務をされられた者が十一名もおった、必要な休暇を与えていなかったという事実がございました。  それから自動車事故につきましては、事故報告規則によって、重大事故につきましてはその都度報告をすることになっておったのであります。監査の結果、三十五年の十一月六日、同じく十一月十日、それから三十六年の一月十一日、それぞれ重大事故を起こしておるのでございますが、重大事故の報告を全然していないというふうな事実も発見されたのでございます。  なお、次に車両法によりまして、常に使用車両につきましては十分整備しておく必要があるのでございますが、検査いたしました二十二両の車両のうち、八両は整備不良の車があったということでございます。  そういった違反事実が発見されましたので、このように多数の項目にわたって、道路運送法あるいは車両法、それに基づく省令等に違反して、運営の適正がはかられていなかったというふうな事実が発見されたのでございます。
  23. 久保三郎

    ○久保委員 今お話がありました監査の結果というか、内容でありますが、これを大体通観してみまするに、一つには現在の保有車両に対して運転手の確保ができていないということ、もう一つはいまだに前近代的な経営管理をしているのではなかろうかという疑いが出るわけなんです。これはいろいろ問題点はあろうかと思うのでありますが、一つにはこういうふうに地方の都市から東京に集団的に運転手を引き抜いてくるというのは、昨年の当委員会においても同僚委員から指摘された事項でありまして、最近の大きな事件といいますか、事柄であると思うのです。これに対してお尋ねしたいのは、運輸省当局としては、まず第一に輸送力増強として昨年東京都においては増車を決行したが、増車を決行する際において、運転者の確保についての見通し、あるいは対策というものも関係方面との協議の上においてこの増車を決定したのかどうか、これをまず第一点としてお伺いしたいのであります。
  24. 木村睦男

    木村(睦)政府委員 東京都の場合に、特に二十三区の場合に、輸送力を増強をいたし、車両をふやします場合には、御承知かと思いますが、陸運局長の諮問機関であります自動車運送協議会というのがございまして、この委員にはそれぞれ関係の行政機関の代表者の方あるいは民間の経験者あるいはその方面の権威者の方を入れた協議会に諮問いたしまして、そして増車についてのいろいろな点を検討していただいて、その答申に基づいて増車をいたしておるわけであります。お話しのふやす車と運転者が足らないというふうな実情も、当時この協議会において議論されたのであります。従いまして、その結果、増車の場合につきましては運転手の確保等についても十分なる措置を講ずるようにというふうな答申を陸運局長は受けております。これに基づきまして、増車の場合の陸運局長の方針といたしましても、増車に必要な運転者の入手見通しの確実性ということにつきまして、当局としては十分これを見ていくという方針を明示いたしております。なお、運転者が不足というふうな状況から、運転免許の所管をされております公安委員会の方にも、その対策について考えていただきたいということを、自動車運送協議会の名において建議もいたしております。そういうような方法を講じまして、増車を申請する側におきましては、あくまでも運転者の確保が十分であるということの見通しの上に申請をするように指導いたしております。
  25. 久保三郎

    ○久保委員 ただいまのお話だというと、見通しをつけて増車をするようにという話でありましたが、いろいろの会社がございましょうから、これに対して個別に審査をしていくと思うのであります。たとえばこの当該のタクシー会社にしても、昨年三十何両か増車をしておるそうでありますが、これを許可するにあたっては、ただいまお話しの通りの運転者の確保がまずなされておるかどうか、こういう前提でやっておると思うのでありますが、結果はそうじゃなくて、増車全体のワクがきまると同時にきまるというか、増車の申請後こういう事業所からそれぞれ出てきておる。そのために業者自身は運転者の確保についてはあまり確信はないが、一つこの辺で増車に飛びついておかなければ損だろう、こういうふうな考えから、両方からいってこの問題が起きておると思うのであります。この両方、運輸省当局、さらには事業者、この両者から問題が今日出てきておるわけでありまして、この点を解決しなければ抜本的な解決はできないだろうと私は思うのであります。でありますから、今の御答弁では、どうもわれわれ自身は納得しがたい。はたしてこの事業者会社が運転手の確保ができるのかどうかという見通しが立たないうちに、警察庁に向かって、いわゆる公安委員会に向かって、運転者の手配も一つ何とかしてほしいという建議というか、そういう書面を出しただけで、それであとは増車をやっていくということについては、無方針のきらいがあるのではないか、こう私は思うのであります。  その問題はいずれにいたしましても、とにかく当該会社のただいま発表されました監査の内容についても、どうもわれわれ自身、この会社だけの問題ではなさそうに今日思うわけであります。これは推測でありますから、業界に対しては大へん失礼かもしれませんが、われわれの見るところ、この一社だけでなくて、数多くの会社がこういう実態ではなかろうか。この粛正というか、この態勢を整備するということが今日一番大事な問題ではないだろうか、こういうふうに思うのでありますが、これに対しては自動車局長いかに考えておりますか。
  26. 木村睦男

    木村(睦)政府委員 御指摘のように、こういった事業の運営が適切を欠いておるというふうな実情会社が他にもあろうかと私も考えるのであります。そこで、陸運局といたしましては、常に事業者の監督指導ということに意を用いて、適切なる指導をやっておりますが、しかし何さま東京都下におきましても事業者の数が三百有余ございます。そこで、特に今回こういうふうな事件が当局の監査の結果明らかになりましたので、この点も十分反省いたしまして、事業者別の監査を厳重に、しかも数多くやりたいということで、目下それらの事業者につきまして抜き打ち的な監査を実施いたしております。なお、いかなる事業者からやっていくかというふうな問題につきましては、陸運局のいろいろな考え方によりまして業者を選んでやっておりますが、特に警視庁の方から、この会社は非常に事故が多いというような連絡をその都度受けておりますので、そういうことも非常に強い参考資料といたしまして、監査の対象の業者を次々ときめて監査をいたし、その結果によりまして、指導改善できるものは指導改善する。また罰則を適用して、制裁を与える必要のあるものは処分をするというふうな措置を講ずるように、目下それを実施いたしております。
  27. 久保三郎

    ○久保委員 その監査の方法その他については、それは御当局に御一任申し上げますが、ただもう一点、これに関連して申し上げたいのは、昨年増車をされましたが、増車先についての監査がどういうふうになっているか、増車はしたが運転手がなくてこの会社と同じようなケースになっているものがありはしないかということが、まず第一だと思うのです。増車が完全にされて、聞くところによれば、増車した分は、大半が稼働していないというふうにも聞いている。まさかそうではないと思うけれども、そういう話もあるわけです。これはどうですか。いかがですか。
  28. 木村睦男

    木村(睦)政府委員 監査にあたりましては、昨年中増車いたしました会社は、もちろんその対象に含めて監査をいたしております。  それから増車をした車が、運転者が不足のためにほとんど動いていないというお話でございますが、的確なことは調べにくいのでございますが、運転手が足らないためにやむを得ず休んでおるというふうな場合もあるように聞いております。ただ運転手の使い方でございまして、従来事業の運営その他からいいまして、三交代制でその車を使うというのが従来のやり方でございますが、運転者が不足しておるような場合には、一両について一人の運転手で、しかも労働時間、勤務時間というものを法規の範囲内において考慮してやるというふうな方法も、いろいろ方法を講じて車を使用しておるというふうな実情もあるのでございます。
  29. 久保三郎

    ○久保委員 まあ、いずれにしても当局は増車をした責任というのはやはり感じてほしいと思うのであります。増車したものは、いわゆる交通逼迫ということから増車をしたのでありますから、それが事実上運行されていないというような実態にあるとするならば、これは当局の責任でもあろうかと思います。決して私は責任を追及する意思でもって申し上げておるのじゃないのであります。しかも業者も自分の実力というか、そういうものも考えずに、とにかくこの際一車でも二車でも増車をして、権益だけは擁護しておこうという考え自体も反省さるべきだと思うのでありますが、その前に先ほど申し上げたように、実態として稼働していないとすれば、これをいかに正常に稼働させるかがまず当面の問題であろうかと思います。そういうことをまず考えられると思うのです。  そこで関連して、警察庁から富永参事官がおいでになっておりますから、お尋ねしたいのですが、先ほど自動車局長からお話がありました運転者の確保については、そういう要請があったと思うのでありますが、これに対してはいかなる対策を今日とっておられるのか、これについてお伺いしたいと思います。
  30. 富永誠美

    ○富永説明員 車が足らないから運転者を確保するという確保の問題は、率直に言いますと、これはむしろ自動車行政をやられておられる方、あるいはまた業界あたりでみずから育成すべき問題だと思うのでございます。私の方は、あくまでもその人が運転免許をとられるのに値するかどうかという見地から試験を行なっておるわけでございます。ただタクシーの運転者につきましては、現在のところ第二種免許という形になっておりますので、たとえば二種免許にしますると、その資格において経験年数が三年要るというふうな点がありますので、これは公安委員会が教習所を指定した場合においては、その三年の期限を二年に短縮できるというふうな緩和の措置はそれぞれ地方ではかっておるというふうにいたしておるわけでございます。それ以上運転者が足らぬからどうするんだということになりますと、直接は、私どもはやはり行政機関でございますので、確保の問題につきましては、ここでどうと言うわけにはちょっと私の方の立場として申し上げにくいと思うのであります。しかし、今申しましたように、経験年数の緩和といいますか、この点の措置は講じております。
  31. 久保三郎

    ○久保委員 そこで今お話があった通りでありまして、運転者の確保は、言うまでもなく、運輸行政の一環として考える性質のものである。と同時に、それ以上に当該事業者が当然自分の責任において確保することが先決でなかろうかと思う。  そこで、これはできるかどうかわかりませんが、せっかくこの業界は大きい業界だそうでありますから、業界が自分たちの傘下においてこの確保をやることも一つではないかと思うのです。なるほど、聞けば各事業者単位でそういうことをやっておるそうでありますが、そういたしますと、免許をとったその次の日にはさよならということで他へ行ってしまう、こういうようなことがあるのだそうでありますが、こういうのも業界自身の工夫と努力によってはある程度防げると思うのであります。こういうことを運輸省としては指導はしていないのでありますか、いかがですか。  それからもう一つ続いて申し上げたいのは、二種免許の基準について、これは改める意思があるかどうか。
  32. 木村睦男

    木村(睦)政府委員 ただいまお話しのように、運転手の養成あるいは確保の問題につきましては、業界もわれわれとともにその方法を講ずるべきでありまして、業界といたしましても、個々の事業者それぞれ大きいところでは自分のところでそういった養成機関を作っておりますし、また業界全体として昨年来運転者不足実情にかんがみて養成機関を作って養成しているのであります。当局といたしましても、そういう場合にできる限りの協力はいたしたい、かように考えて、連絡もとらしております。  なお、運転者の資格、ことに旅客川営業車の運転者の資格等につきましては、陸運局長の指定しております養成機関等もありますので、そういう場合の当局としての指導その他につきましても、今後さらに一そういろいろな点におきまして力を入れていきたい、かように考えております。
  33. 久保三郎

    ○久保委員 この運転手の雇用の問題について労働省の方に続いてお伺いしたいのでありますが、まず第一に、この当該の志村観光自動車の雇い入れ、いわゆる募集並びに雇い入れの方法は適法であったのかどうか、いかがでありますか。
  34. 大島靖

    ○大島政府委員 ただいま先生から御指摘のございました志村観光タクシーの問題につきましては、運輸省から先ほど報告申し上げましたように、北海道地方から約四十人ばかりを集団的にこちらへ募集したケースでございます。ここから起こったトラブルでございます。私どもの方の労働法の観点からの問題点は、一つは、労働基準法の十五条に、労働契約の締結の際には労働条件を明示しなければならないこいうことがあります。もう一つは、職業安定法の三十六条に、御承知通り、人の募集は原則として公共職業安定所、いわゆる職安が行なうことになっております。それ以外は有料、無料の職業紹介事業によるほかは、直接の新聞広告による募集、この場合は、募集の内容を職安に通報することになっております。それ以外に、直接にその事業の地域外から募集を行ないます場合には、労働大臣の許可を要することに三十六条は規定をいたしております。本件の問題につきましては、先月ずっと、関係当事者を労働基準監督署に招致いたしまして、双方の言い分も聞き、また直接の労使の間の折衝も持ってもらいまして、一昨日一応の解決をいたしたのであります。ただ、問題は、この志村タクシーが、直接募集を無許可でいたした疑いがあるのではないかという点も考えられまして、現在、東京の所轄の安定所並びに北海道の所轄の所において、その辺の募集の際の実態を詳細に調査せしめております。まだ結論は出ておりませんが、若干そういった疑いがございますので、詳細に調査いたしたいと思います。  なお、この件について、久保先生の御質問になります趣旨は、一方において、先ほどもお話のありましたように、中小企業全般、ことにこういったタクシー業界における労働条件の向上、労務管理の近代化、こういった問題と、もう一つは、最近のような求人難の時代でございますので、こういった直接募集の問題が今後も出て参ると思うのでありまして、こういった点についての問題であろうと思います。ことに、この直接募集につきましては、新聞広告の場合ですと労働条件が明らかになりますのですが、ただ直接募集の場合は、職業安定所で行ないます職業紹介、この全国的な計画を撹乱される問題もございますし、ことに、この募集の条件が、口で言いますのと事実とが食い違うという点が間々起こりやすいと思いますので、こういった点、私どもの方の職安の紹介をできるだけ全国的、広域的に行ないます努力と並行いたしまして、無許可の地域外直接募集、こういった問題については一つ御趣旨の線に沿って強力に取り締まって参りたい、かように考えます。
  35. 久保三郎

    ○久保委員 そこで続いてお伺いしたいのは、ただいまお話通り、運転者の確保というのは、非常に乱戦この上なくなっているわけです。これはいわゆる需給の安定をはかるというのが一番大事だと思います。そこで、これは安定局長の権限かもわかりませんが、安定局長は、労働の需給関係の調査、研究をなして、これを公表すると同時に、需給調整をはかるという任務があると思うのでありますが、もうこの需給関係をはからなければいかぬ時代なんです。これは単にタクシー運転手ばかりではないのでありますが、特に問題は深刻になってきておる。地方における運転手、都会地における運転手、これがしょっちゅう波動を来たしておる。しかも正常な姿でない。この事件になったような形で今日までやってきておる。これを安定をはかるという方法は、これは当然労働省として確立して、この方針で需給安定をとにかくはかるということが必要じゃないかと思うのですが、これに対しての御方策はいかがですか。
  36. 大島靖

    ○大島政府委員 現在、御承知のような求人難と申しますか、労務需給のアンバランスが生じておりまして、全般的に職業紹介の仕事が、単に職安の地域内といった問題じゃなしに、全国的に雇用の流動化をはかり、職業紹介の広域化をはかって参るという方向に進まねばならぬという点は、先生御指摘の通りであろうと思います。ことに、このような業界におきましては、特に問題がはなはだしく、またその結果が、一般公共の福祉への影響が非常に大きい問題でありますから、先生御指摘の通り、早急に運輸当局とも連絡をとりながら、こういった問題について広域的な職業紹介並びに運転手の積極的な養成、こういった問題についてできるだけの努力を早急にいたしたい、かように考えております。
  37. 久保三郎

    ○久保委員 とにかく安定法十四条でありますかには、今申し上げたような条項がございますので、これはやはり有効に働かせて、とにかく戦線を整理する——言葉は悪いのでありますが、お互いに引き抜き合戦をやっていて、そうして——こういう事故を起こすということになる、しかも稼働すべき車が遊んでおる、片一方は入り用な車がたくさんある、こういうことは一刻も早く解決すべき事項だと思うのでありまして、そこで、政府代表として出ておられる運輸政務次官にお尋ねしたいのは、早急に閣議の席なり何なりに持ち込んで、さしあたりこの自動車運転者の需給安定の方策を確立して、強力ないわゆる戦線整理の方途を講ずる意思があるかどうか、これをお伺いしたい。   〔委員長体積、高橋(清)委員長代理着席〕
  38. 有馬英治

    有馬政府委員 実情は仰せの通りであると思います。御意向を十分大臣にお伝えいたしまして、御相談いたしまして、善処いたしたいと思います。
  39. 久保三郎

    ○久保委員 そこで、基準局長のお話では、現在、募集なり雇い入れの方式が違反の疑いがあるので取り調べ中だというのでありますが、これは事この会社に限らない問題でありまして、多くの問題がひそんでおると思うのであります。これは一つ強力に監査なりを通じて、やはり摘発ばかりが能じゃないと思いますので、指導を強化する必要があると思うのでありますが、特に来年度予算等においては、そういう費用はたくさん盛ってありますか。
  40. 大島靖

    ○大島政府委員 この職業安定行政全般について、特に細分してそういった経費を明記して掲げてありませんが、全般的に先ほど申しましたような職業紹介の広域化、雇用の流動化あるいは職安業務の拡充、こういった点については相当な予算を計上いたしまして、現在御審議を願っておるわけであります。
  41. 久保三郎

    ○久保委員 それから、基準法関係で、先ほど自動車局長があげられた監査の内容からいっても、これは基準法違反の疑いが相当あると思うのであります。これまた同様に処置をされることを要望しておきます。  そこで、時間もありませんから次に移りますが、運転者不足につけ込んで、いわゆるやみの運転者供給の組織網があるやに伺っておりますが、自動車局長は御存じでありますか、まず第一にこれを伺っておきます。
  42. 木村睦男

    木村(睦)政府委員 そういうふうなうわさのあることは聞いておりますが、事実をつかんではおりません。
  43. 久保三郎

    ○久保委員 ある人の言うことでは、これは東京都の交通裁判所でありますか、そこかたまりに行くと、すぐにわかるそうであります。私がここに持っているのは、これは北海道のものでありますが、本部が東京にあるわけです。これは表は、いわゆる自動車事故の調停役といいますか、そういうことでしてあるようにも見受けられるのでありますが、たくさんいろいろな事業をやることになっております。そうして社団法人でございます。そこで、これは広告欄でございますか、広告というかこれは「会員への特典」ということで、その中にこういうことが書いてあります。この会員になれば、「運転者の就職斡旋並びに臨時運転者の派遣をいたします」ということが書いてある。これは労働省にお尋ねしなければなりませんが、これは職安法なり基準法に——基準法はどうでございますか、とにかく職安法に抵触するものだとわれわれは考えているのでありますが、いかがでしょうか。
  44. 大島靖

    ○大島政府委員 職業安定法によりますと、労働組合が職業紹介をすることは許されておるのでありますが、その他公共職業安定所以外において、そういった労務供給を行ないますことは禁止されております。
  45. 久保三郎

    ○久保委員 これは全国に組織があるということで丁寧に地図まで書いてございます。なるほど表向きの官庁への届出には、今申し上げたような条項はないことだろうと思うのでありますが、実態としてそれはどういうふうになっているか。これも私が直接調査したわけではございませんが、現在の運転手不足につけ込んで、これとまた違うのでございましょうが、いろいろなたまりがありまして、そこに参りますと、いわゆる本職は何かやっておる、たとえばそば屋の出前持ちをやっておるような人を一日限りで連れてきて運転をさせている面がある、こういうことを聞いておるわけであります。これは監査の結果の中にも入っているのではなかろうかと思うのでありますが、当該会社側は、そば屋の出前持ちをやったかどうかは別として、そういうものに類したものがこの中の監査には現われたかどうか、いかがでしょうか。
  46. 木村睦男

    木村(睦)政府委員 ただいま御説明申し上げましたように、会社が日雇いで採用しておる者が十八名あったということでございますが、この十八名の日雇いの運転手はどういう前身であったかということまでは実は調べておりません。日雇いであったという事実の限度までしか調べておりませんので、その背後のことはわかりません。
  47. 久保三郎

    ○久保委員 これはやはり労働省の管轄になりますが、こういうものの実態について今までお調べになったことがございますか。
  48. 大島靖

    ○大島政府委員 御承知通り、職業安定法によりますと、有料の職業紹介事業というのがございます。しかし、これは特別の職種に限られておりまして、芸術関係とか、そういったものに限られております。タクシーの関係につきましてはそういうことはございませんし、従って、東京都内には労働組合による供給事業がたしか二カ所くらいあったかと思います。それ以外については承知いたさないのでありますが、そういう問題についてはもちろん不許可の違法の問題でございますから、取り締まりの対象になるわけであります。当然私どもも調査いたさなくてはならないと思います。ただ、現在まで寡聞にして今御指摘のそういった組織については私ども承知いたしておりませんでしたが、なお一つ詳細に調査をいたしたいと思います。
  49. 久保三郎

    ○久保委員 ただいまお話しの通り、早急に先ほど申し上げた需給安定をはかるという面からも軌道に乗せるのが必要だと思うのであります。実際はそういうものもあるのでありますから、頭数としてはある、しかし正規のルートには乗っていないところに戦線の混乱の一因もあるのでありますから、これを軌道に乗せるということでやはり御調査を急がれた方がいいのではなかろうかと思います。これはかなり有名な人が責任者になっておられるのです。でありますから、この名前から見れば、まさに法違反などはやっておらないだろうし、やみの運転手供給事業などはやっておらないことだと確信をしていますが、こういうふうに書いてあると、何かそれに関連するのではなかろうかと思うのであります。これは富永参事官がおられますからなんでありますが、何か東京で交通事故を即決するところがございますね。これは事故を起こした運転手がたまりに一ぱい詰めかけて、首をうなだれているのを、肩をたたきながらこういうものがある、一つおれのところにくらがえをしないかということがあるのであります。これは目の前で事故原因を作っているような事態があるそうでありますから、一つおりを見てお調べをいただきたい、こう思うのです。話に出ました労働組合の供給事業は、われわれも承知しております。こういうものをやはり相当に育成していくということも、この際真剣に考えるべきであります。  そこでお尋ねしたいのは、自動車局長はそういうものがあることを御存じでしょう。いわゆる供給事業というか、自動車運転手の労働組合が、そういうことを一生懸命やっておられるという事態をおわかりでしょう。
  50. 木村睦男

    木村(睦)政府委員 存じております。
  51. 久保三郎

    ○久保委員 存じておられるとするならば、やはり運輸省当局も真剣にこれらの組織を強化発展させることも考えるべきだと一つには思うわけです。  それからもう一つお伺いしたいのですが、実態は、先ほど申し上げたように、業者はやみに依存しておる割合が相当多いという事実であります。これをどう処理されるか、運輸行政の立場から自動車局長いかがでしょうか、どうしますか。現実に先ほど申し上げたようなやみのルートで雇用して、その場しのぎをやっておる。これをどうしたらいいか、いかがでしょうか。
  52. 木村睦男

    木村(睦)政府委員 その問題まで運輸行政として手を広げることは非常にむずかしいと思いますが、私の考え方としては、問題は増車する場合の全般的な運転手の点から生じておると思います。そこで、既存の事業者の場合に増車をいたしますときには、東京では大きな一つの協会がありまして、もう一つ別に小さな協会がありますが、いずれにいたしましても増車の場合には、協会、団体として会員と十分相談をされ、増車の計画を立てて当局に申請されるわけであります。そこで、この団体を通じまして、いやしくもすでに免許を得て事業をやっておるタクシー事業者というものは、これが非常に公益性の高い事業であるという意識が非常に強いわけでありますので、そういう個々の会員がそういう意識を高めて、公益的な精神を持たせて、増車の場合の運転手の入手等につきましても、運輸関係の法規はもとより、労働関係の法規にも違反しないで運転手の確保ができるという範囲内において増車を考えていただくということをわれわれとしては強く要請いたしたいと思っておりますし、それから新規に免許を与える場合におきましては、もちろん運転手確保見通しにつきまして詳細に調べるとともに、免許をもらって四カ月以内にいよいよ事業のスタートをいたしますときには、事業開始の確認という行為があるのでありますが、特にこの時点におきまして具体的に、そろえておる運転手というものが合法的にそろえられておるのかどうかということを、われわれの手の届く範囲内におきましては十分確認をして事業開始を認めておるということをやっておるのであります。さらにこの点をより一そう遺漏のないように、またできる限り的確に詳細に調べてこれを認める措置をするという点を一そう強めていく、こういうふうに考えております。  なお、お話が違いますが、ついでに申し上げておきますが、今回のこの事件につきましては、気の毒な目にあわれた運転手につきましては、出は北海道でありますので、協会からのお話を聞きますと北海道の方の協会で、これらの運転手が北海道に帰るための旅費あるいはその間出費したもの等について十分めんどうを見て北海道に帰し、それぞれ就職のあっせんをするというような措置を講ぜられることになっておるようでありますので、われわれとしてはその点を非常に多とするものであります。
  53. 久保三郎

    ○久保委員 時間もたくさんないようでありますから、もう一つだけこの問題をお尋ねして終わりにしたいと思います。  いずれにしても、戦国時代のような形をとることは、公共性の面からも安全性の面からも、あるいは事業発展の面からもまずいことでありますので、先ほど政務次官に申し上げた通り、特にさしあたり需給安定のきっちりした計画を立てて、そのためには先ほど申し上げたようなやみの問題も取り締まるというか、これを軌道に乗せるというようなことも必要とわれわれは考えております。早急に確立をしてほしい。そのためには、運輸省あるいは労働省あるいは自治省とか警察庁とか、そういう関係者が集まったものを一つ作る。あるいは業界も、単に業界としてありながらも、各営業者というか、事業者が各個ばらばらな形でそういう協定を守り得ないということは、これは恥ずべき行為だと思います。自殺行為でありますから、厳に慎ませるよう運輸省としても指導監督をしたらいいのじゃないか、こういうふうに思います。  そこで、次の問題に移りたいと思います。次は、あしたから実施の運びになりますところの車両制限令についてお伺いをしたいわけでありますが、この車両制限令を作った一つの大きな眼目——というよりは、それが最近の事象からいえば、ほとんどではないかと思うのは、狭い道から大型の車を追放するというのが、まず中心だと思います。ところが、この車両制限令からいいますと、三十九年の七月一ぱいまでは、まあまあということであるそうであります。これではたしていいのかどうかということが一つ。  もう一つは、あしたからこの狭い道路に対するところの車両制限令の規制をするわけでありますが、これに対するところの施設なりあるいは要員の配置、こういうものが完備しているのかどうか。漫然と車両制限令を作っただけであって、これに対するところの実際的な行動が伴わぬならば、残念ながら車両制限令は紙に書いたようなものになると思うが、この事実について、建設省が主管でありますから、建設省にまず第一にお伺いします。
  54. 高橋弘篤

    高橋説明員 両制限令についての御質問にお答え申し上げます。  すでに重量につきましては一部行なっておりますが、幅だとか重量の一般的な制限等につきましては、明日から施行になるわけでございます。昨年七月に車両制限令が公布になりまして以降、この趣旨、またはこれについて趣旨通りに円滑に施行するための施行通達も出しまして、また、各ブロックごとに説明会を開催いたしまして、また各県は、それに基づきまして各市町村を集めまして、具体的にいろいろPRの会合を催したのでございます。  それからこの車両制限令の実施につきましては、建設省、運輸、警察、三者が共同してよく協議をして施行することが必要になって参りますので、三者協議会の設置要領を作りまして、これの具体的な協議事項その他につきましても、各県に通達をいたしまして、すでに指導いたしておるわけでございます。  具体的に申し上げますと、地方からは具体的な詳しい報告はないわけでございますが、東京につきましては、すでに幅の制限につきまして、繁華街、駅前においては、よりその制限を強めるということができるわけでございますが、それにつきまして、十三カ所ばかりその指定の準備をいたしまして、その指定をいたしますと、どういう幅の車がその道路は通行できる、それ以上の車は通行できないということを示す道路標識を立てるわけでございます。この準備もすでに東京都はいたしておりまして、あすから実施することになっておるわけでございます。
  55. 久保三郎

    ○久保委員 東京都については十三カ所、こういうことでございますが、標識とか、たとえば道路監察員ですか、そういうものの配置はもうできておるのでありますか、いかがですか。
  56. 高橋弘篤

    高橋説明員 東京都につきましては、すでにそういう準備態勢を整えているわけでございますが、地方につきましては、実情がまだ詳しくわかりませんけれども、そういう要員の配置だとか、道路標識を立てるとかいうことは、まだ予算折衝の段階で、できていないと聞いているわけでございます。ただし、この道路標識につきましては、この車両制限の中でよりきびしくするときに特に必要になって、これを敷設するわけでありますので、東京都以外のところで、まだその制限令にある幅の制限よりももっと道路管理者として制限をきびしくするという措置をとらない限りにおきましては、さしあたりは道路標識の必要がない、こう考えるわけであります。
  57. 久保三郎

    ○久保委員 大体お話を伺っており、あるいはこの制限の内容を見ますと、この政令は、まあまあできるだけやったらいいだろう、こういう性格にとられますが、いかがでしょうか。
  58. 高橋弘篤

    高橋説明員 この車両制限令の趣旨というものは、狭い道路から大型の自動車を追放しまして、事故をなくして、道路の高度の保全をするということでありまして、御指摘の通りでございます。従って、この車両制限令の円滑な、また確実な実施ということが、事故防止あるいはロードの欠損を防止するという意味において非常に重要でございますので、この点につきましては、ただそういう制限が実施されればいいということではなくて、もっと道路の実態を把握しまして、道路管理者として十分実情に合うように、より円滑に実施するということで指導いたしているわけであります。
  59. 久保三郎

    ○久保委員 大体お話はそういうことになるでしょうが、実態はそうではないと思います。  政務次官、あなたの所管ではないが、関係省として車両制限令を真剣に実施していく気がまえがあるのですか、どうですか。
  60. 有馬英治

    有馬政府委員 昨年の末以来、交通関係の閣僚懇談会で熱心に討議された結果に基づいて、関係各省がその方向に従いまして鋭意努力していることでございまして、十分な熱意を持って進めているものと確信いたしております。
  61. 久保三郎

    ○久保委員 自動車局長にお伺いしますが、特にバスあるいは路線トラック、これはバスがおもでしょうが、バスの車両制限令によるところの規制は、三十九年八月から実施されるというのですが、その間はどういうふうにしていこうということですか。新聞紙上であなたの方の参事官の談話発表を見ると、そう簡単に路線変更とかなんとかいうことはできませんという記事が出ております。それも一つでしょうが、三十九年八月からこの面が実施されるから、それまではまあまあそのままやっておけ、こういう態度にとれますが、いかがでしょうか。
  62. 木村睦男

    木村(睦)政府委員 バスあるいは路線事業につきまして、三年間の猶予が置かれてあります点が、最近非常に問題になっております。いろいろ私たち説明も十分でないために、誤解を起こしている向きもありますので、いささか詳細に申し上げたいと思いますが、とのバスあるいは路線事業につきましての、特にバスが問題でございますが、三年間の猶予を置いてありますのは、この政令の性質からしまして、東京とか大阪とかいう大都会にのみ適用されるのではございませんで、全国的に適用されるわけでございます。そこで、かりに一例をとりますと、ごくいなかの町村等で、一本の道路しかない。そこに従来ある程度——五十乗りなり四十五人乗りなりの中・大型の車が走っている。それが今度の車両制限令の適用を受けますと、とたんにそれが走れなくなるという場合に、それでは、あすから実施になるとあすから直ちに走れなくなるということになると、利用者が非常に困る。それではどうしたらいいか。で、考えられますことは、走れるように、制限令に合うように道路の拡幅をする。これもすぐにできる問題ではございません。次に、それじゃもうそこでバスをやめてしまう。これは簡単でございますが、やめてしまうと、沿道の人たちは交通の利便を失うということになります。これもできがたい。そうしますと、結局ある期間の猶予をもらって従来通りその車で走るか、あるいは車両を小型にかえまして、制限令に合うような車を走らすということになるわけでございますが、車両を小型化いたしまして制限令に合うように走らすためには、そういう地方で営業いたしておりますバス会社は、おおむね小規模なものが多いわけでございます。特に、経営上配当などもほとんどやっておりません、どっちかといいますと、財産を食いつぶしながらやっておるというのが実情でございますので、一両ぐらいの車を買うならまだしも、そういったいなかの路線ばかり持っております業者としては、相当小型の車両を買わなければならない。そうすると、自力で買えないので、銀行から借りなければいけない。そういうふうな面もございまして、直ちに小型を全部そろえて走らすというわけにもいかないというふうな実情にありますので、そういうふうな全国的な観点から考えまして、三年間の猶予を置いて、その間に道路の方で直せるものは直す、それからかわりの道路があるならそれを使う工夫もする、あるいは車をどうしてもかえなければならない場合には車をかえる、そういった措置をするというふうなことがありますので、その間にわたっていやしくも利用者が車の便を失うということはできるだけ避けるというふうなことで、三年の間にそういう措置をするという時間的余裕をつけたのであります。もちろん、すぐそばに代行の道路があったり、あるいは都会のようなところで、大会社で自分の路線の一部をそういう車にかえればいいというような犠牲の少ないところでは、三年を待つまでもなく、できるだけ早くこの措置をとるように、われわれも行政指導いたしますし、また業者みずからもそういう心がまえで準備をいたしておるようであります。そういう意味合いの三年という猶予でございますので、三年間眠っておって三年の終わりごろに全部やるという趣旨では毛頭ございませんので、その点を御了承願いたいと思います。
  63. 久保三郎

    ○久保委員 路政課長にお伺いしますが、自動車局長の御説明でわかりました。なるほど全国的でありますから、三年目の終わりというか、三十九年の七月に全部やるというわけじゃなくて、その間いろいろやるんだ。ところが、この政令が出てから半年になる。建設省が出した政令でありますが、それじゃ三年後には政令通りやるということでありますね。政令通りにやろうとするが、費用の問題その他で早急にはできないから、三年後にやる。そういう余裕があるのだ、なるほどそうだろうと思います。だとするならば、少なくともこの半年の間に、全国的に問題点を集約してあるかどうか。ここは道路を拡幅するのが可能であるから道路の拡幅でいく、ここは拡幅不可能であるから路線変更でいく、あるいは一方通行でいく、あるいは全然通さぬ、こういうようなケースが一応あると思います。その手順が踏まれていないであしたから実施ということには、私はどうも承服しかねると思うのです。だから、先ほど申し上げたように、漫然と三十九年の八月まで見てようかというふうにとれる。出したが、できるところからやってほしいという政令じゃないかと思う。真剣にやられているならば、そういう手順がきめられていいはずであります。もしもきめてあるというなら、それじゃ来年度は、そういうものを件数にしてどの程度道路の面では拡幅するのか、制限令に基づく規制の影響によるところの拡幅はどの程度、何カ所ぐらいか、あるいは運行の制限なりをするのはどの程度になるのか、これはどうですか。おわかりでしょう。
  64. 高橋弘篤

    高橋説明員 今の制限令の適用につきましては、路線バス、トラックにつきましては、これは三年間猶予でございますけれども、その他の一般車両については、明日から適用になるわけであります。これは道路管理者がいろいろ指定その他をしなくても、幅だとか長さ、高さ、重量につきましては、制限が加わるわけでございます。従いまして、この関係の道路がどういう状態にあるかということを調査をいたしておるわけでございますが、主要地方道以上、一国、二国、高速道、主要地方道につきましては、調査がまとまっておりますけれども、市町村道につきましては、現在のところまだ調査が完了いたしておらないわけでございます。その調査結果を待ちまして、早急に、都市交通との関連で、都市の交通の渋滞がないようにいたしたいと考えておるわけであります。  それから路線バス、路線トラックにつきましては、三年間の猶予期間がございまして、その趣旨は、運輸省の局長さんからお話があった通りでございます。これにつきましても、施設の整備であるとか、交通路の指定とか、いろいろな措置が必要になってくるわけでございまして、これにつきましては、先ほど申し上げましたように、運輸、建設、警察と三者の協議会を設置いたしまして、具体的にこの政令の円滑な実施ということを協議するとともに、今後路線バス、トラックにつきましては、この場所におきましてはバスの路線の変更をした方がいい、また、この場所におきましては一方交通の措置を警察でとってもらえば緩和できる、また、それはどうしてもできなくて、施設の整備をしなければ一般国民生活に非常に不便を与えるというもの、そういう分類ができるわけでございまして、そういうものにつきましては、極力建設省系統で道路の拡幅なり舗装を行なって、一般に迷惑のかからぬようにいたしたいということで計画をいたしております。その具体的なことにつきましては、調査結果を待ちまして、三者協議会で各都道府県単位ごとに具体的に協議をして、そうして中央でも三者の間で十分打ち合わせをいたしたい。そうして、三年間猶予期間がございますけれども、できるだけ早く、この車両制限令の趣旨の通りに実施されるようにいたしたいと考えておるわけであります。
  65. 久保三郎

    ○久保委員 私が言いたいのは、この路線バス、路線トラックの問題を延ばしておくから、これを延ばしておくことの事情はわかったが、さしあたり手をつけていくところがはっきりわからぬということであります。そこで、特に東京都内の問題でありますが、先ほど自動車局長から十三カ所指定した、こういうことでありますが、その十三カ所の指定というのは、どのような指定ですか。通しちゃいかぬという指定ですか、一方交通の指定ですか。
  66. 高橋弘篤

    高橋説明員 先ほど申し上げましたように、幅の制限につきましては、これは一般の場合におきましても、すでにあしたから、道路管理者が何ら特別の指定をしなくても、制限が加わるわけでございます。市街区域内と市街区域外で違いますけれども、制限が加わるわけであります。たとえば、二・五メートルのトラックが、あしたからは、通常の場合におきましては、最低の道路の総幅員が六・五メートルなければ通れないということになる。これは市街地区域外におきましては、六メートルということになるわけであります。これは道路管理者が、特に歩行者の多い駅前だとか繁華街の道路というところで歩道のないところにつきましては、時間を区切ってこの指定をいたしますと、それがよりきびしい制限になるということでございます。結果的には、七・五メートルなければ二・五メートルのトラックは通れないということになるわけでございます。これは一般に幅の制限というのは、その車道におきまして車がすれ違いするということができて、そのすれ違いの余裕幅というものを〇・五メートルとるわけでございますけれども、歩行者の多いそういう繁華街だとか駅前におきましては、一・五メートルということで、一メートルよけいに幅をとるということから、そういうことになるわけでございます。そういう指定を十三ヶ所、東京都が道路管理者としてとったということを申し上げたわけであります。
  67. 久保三郎

    ○久保委員 そこで、警察庁富永参事官にお尋ねしたいのですが、今度の車両制限、だけから見ると、あなたの方はらち外にいるような形になっているのです。たとえば今も路政課長御説明通り、繁華街あるいはこの車両制限令に基づいてのいわゆる制限にしても、道路管理者側が指定する。指定する場合には、どうなんですか、関係の公安委員会と協議の上やるのですか。あなたの方が積極的にこの申し出をするわけですか、どうなんですか。
  68. 富永誠美

    ○富永説明員 狭い道路に比して幅の広い車両が通るということは、一般的に申し上げまして、交通上非常に危険が多いわけであります。そういうわけで、車両制限令なるものができますことを長い間要望いたしておったような状況でございます。従って、具体的に車両制限令が、特に今建設省の方から話がありましたような、場所を指定して、ここの道路は通行する車の幅の基準はこういうもの以下であるというような場所がどんどんできることは、私どもも熱望いたしておるわけでございます。従って、私どもの、たとえば公安委員会規制との関係は、これは質問外でございますが、具体的に非常に危険があり、また具体的に交通の円滑を欠くというようなところは、公安委員会指定でやるわけでございますが、一般的にいって、具体的な危険まではいかないが、しかし、車両全体、幅が非常に広い車両が狭い道路を走るのは困るというようなところは、道路管理者でやっていただくことが望ましいことは、先ほどお話し申し上げた通りでございます。従って、今建設省の方から話がありました具体地点につきましては、もちろん私の方からも要望いたしておるわけでございますし、そのうちの一部でございますので、今後、先ほど話にありました関係機関の三者の協議会に、どんどん私の方といたしましても、要望はいたしたいというふうに考えておるわけでございます。
  69. 久保三郎

    ○久保委員 この三者の協議会の話が出ましたが、半年たって、三者の協議会というのはもうできて動き出しておるのですか、いかがです。
  70. 高橋弘篤

    高橋説明員 これはすでに都道府県単位別にできておりまして、東京都はその三者協議会を先般開きまして、その三者協議会の結論として十三カ所を指定したということになっているわけであります。
  71. 久保三郎

    ○久保委員 そこで自動車局長にお尋ねしたいのですが、なるほど運輸行政というか、そういう輸送の面からいけば、簡単にバスの路線の変更などはできかねるものが多いかと思うのです。しかし、これは地方の方は別として、特に東京都のような都会地において、やはり強力に、早急にこれを何とかしなきゃならぬとわれわれは考えておる。これに対して、東京都にも三者連絡協議会というものが持たれたそうでありますが、実際はあしたからやるのに、この間事務のものに聞くと、路線バスの中でこれにひっかかるというか、規制にひっかかるものは、大体約六割くらいだろうと思うのです、そういうことを言っているのです。路線別にいって。そういうことを考えると、これ一つ解決しても、今日の交通混雑というか、そういうものもある程度緩和できると思うのですが、いろんなことを政府もやっておられるようでありますが、話はわかる、問題点は出尽くしているのじゃないですか。これをどういうふうにやるかという問題が、当面の問題です。ところが、制限令は出したが、まあ大体路線バスあるいは路線トラックの方は三年後までに除々にやっていこう、こういうことでは、残念ながら当面の対策にはならぬと思うのです。でありますから、ここで政務次官にお尋ねしたいのは、この三者連絡協議会を早急に強化して、一刻も早く、この除外されている事項についても、逐次解決することが必要だと思うのであります。ついては、ただ単にそうやりましょうだけでなくて、具体的にある程度のこれは緊急的なめどをつけるように、四月一ぱいぐらいに、まだ三月ありますから、この三ヵ月間ぐらいにやる考えがあるかどうか、お尋ねします。
  72. 有馬英治

    有馬政府委員 関係各省の関係の会同でございますので、運輸省だけでどうするというわけには直ちに参りませんが、運輸省としてはその必要性を十分認めておりまするので、お説を大臣にも報告いたしまして、実情に即するように、できるだけ早く処置をとれるものからやっていくように努力するようにしたいと考えます。
  73. 久保三郎

    ○久保委員 なるほど関係各省がございますから、なんでしょうが、政務次官、私が言っているのは、路線バス、路線トラックの方はあなたの方が主管でありますから、この車両制限に合わぬところの路線はわかるわけでありますから、これについて、そういう対策を一つでも二つでもこれは解決すべきだと思うのだがどうですかと聞いているので、全般的な問題は、あなたのおっしゃる通りです。いかがですか。
  74. 有馬英治

  75. 木村睦男

    木村(睦)政府委員 ただいま政務次官からお答え申し上げましたことを補足いたしますと、御指摘のように、東京都内等につきましては、速急に必要な措置を講じて参りたいと思っております。現在でも、車両制限令の関係ではなしに、道路交通混雑緩和の建前から、警視庁の方でいろいろ右折禁止あるいは一方交通の道路を指定されております。これにつきましては、そこを従来通りのバスの運行では支障がある場合に、迂回するとかあるいは一方交通に直すということは、すでに実施いたしております。  さらに、東京都内におきましては、路線の系統等からいいますと、六割ぐらいもひっかかるところがあります。キロ数からいいますとそれほどございませんが、現在狭隘区間が、バスの通る道路で約二百四十ヵ所ほどございます。それらにつきましては、一方交通にするとか、あるいはほかの迂回の道路を見つけて、そこをバスを通さないようにするという措置をいたすつもりでおるのでございまして、そこらの個所も、ほとんどもう調べが上がっております。あとはいかに対処するか。たとえばその道路をやめて他に迂回の道路を通るということになりますと、その迂回の道路の曲がり角が狭くて通れない、あるいはそこの路上に駐車禁止してないためにバスが通れないというふうな問題がありますので、そういう問題につきましては、建設省なりあるいは警視庁の方にお願いして、そういった協力をしてもらう、こういうふうにして迂回の道路も通れるところを作って、そっちへ回すというようなこともやる必要がございますので、そういう意味で関係各省とも関係がある、こう政務次官が申し上げたような次第でございます。
  76. 久保三郎

    ○久保委員 それはわかりました。そこでさらに要望しておきたいのは、大体先ほど申し上げたように、この車両制限令というものの受け取り方は、どうもできるだけやったらいいだろうというふうにとれる。それは私もとっております。世間も実際そうとっておるわけです。それからもう一つは、この車両制限令というものは、道路の保全維持というか、そういう観点からと、もう一つは交通安全という二つの面、しかも政令の主管省は建設省であります。従来の交通行政は、いつも問題になっておるのでありますが、各省割拠主義というようなところから、二つの性格を持っている車両制限令についても、そういう目で今日世間と私が見ている。そのそしりだけは免れるように、積極的にあしたから実施するというならば、的確に実施ができて、これで交通混雑の緩和の一助になったという証左を政府は示すことが先決だと思うのです。これを要望しておきます。  いずれにしても、都市の交通混雑緩和という、これはこればかりでなく、たくさんの問題がございますが、一つの制限令を実施するというからには、もっと真剣に——と言っては語弊がありますが、もっと切迫した事情を汲み取って、的確に一つでも二つでも解決すべきだという観点から申し上げたのであります。この結果については、いずれ今会期の終わりにでもお尋ねしますが、ぜひ三者連絡協議会というものをもう少し強化して、進度を早めてやってほしい、こういうように要望して終わります。
  77. 簡牛凡夫

    簡牛委員長 次会は、明後日二月二日金曜日、午前十時より委員会を開会することとし、本日は散会いたします。    午後零時二十二分散会