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1962-07-31 第40回国会 衆議院 オリンピック東京大会準備促進特別委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十七年七月三十一日(火曜日)    午前十一時三十七分開議  出席委員    委員長 島村 一郎君    理事 伊能繁次郎君 理事 小金 義照君    理事 田中 榮一君 理事 阪上安太郎君       荒舩清十郎君    伊藤  幟君       大高  康君    佐々木秀世君       正示啓次郎君    高橋 英吉君       中山 マサ君    藤原 節夫君       松永  東君  委員外出席者         文部事務官         (体育局体育課         長)      西田  剛君         文部事務官         (体育局スポー         ツ課長)    佐々木吉蔵君         建設技官         (都市局街路課         長       大塚 全一君         建設事務官         (道路局次長) 高田 賢造君         建設事務官         (営繕局管理課         長)      千葉  茂君         参  考  人         (首都高速道路         公団業務部長) 村田 義男君         参  考  人         (東京道路建         設本部長)  竹ケ原輔之夫君         参  考  人         (オリンピック         東京大会組織委         員会会長)   津島 壽一君         参  考  人         (オリンピック         東京大会組織委         員会事務総長) 田畑 政治君         参  考  人         (日本体育協会         専務理事)   竹田 恒徳君         参  考  人         (東京オリン         ピック資金財団         理事長)    靱   勉君     ————————————— 七月三十日  委員松澤雄藏辞任につき、その補欠として天  野公義君が議長指名委員に選任された。 同月三十一日  委員天野公義君、上村千一郎君、大沢雄一君、  金子一平君及び濱野清吾辞任につき、その補  欠として高橋英吉君、荒舩清十郎君、正示啓次  郎君、伊藤幟君及び大高康君が議長指名で委  員に選任された。 同日  委員荒舩清十郎君、伊藤幟君、大高康君、正示  啓次郎君及び高橋英吉辞任につき、その補欠  として上村千一郎君、金子一平君、濱野清吾君、  大沢雄一君及び天野公義君が議長指名委員  に選任された。     ————————————— 五月七日  一、オリンピック東京大会準備促進に関する件 の閉会中審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  オリンピック東京大会準備促進に関  する件  派遣委員から報告聴取      ————◇—————
  2. 田中榮一

    田中(榮)委員長代理 それではこれより会議を開きます。  高村委員長は所用のため、理事の私が委員長の職務を行ないます。  オリンピック東京大会準備促進に関する件について調査を進めます。  本日は、まずオリンピック東京大会開催に伴う地方公共団体等協力態勢及びスポーツ施設整備等についての実情調査のため、愛知県及び岐阜県の両県に派遣いたしました委員より報告を聴取することにいたします。阪上安太郎君。
  3. 阪上安太郎

    阪上委員 去る五月三十日から六月一日までの三日間にわたりまして、オリンピック東京大会開催に伴う地方公共団体等協力態勢及びスポーツ施設整備等についての実情調査のため、愛知県及び岐阜県に派遣されました委員を代表いたしまして、私から調査の結果について御報告申し上げます。  なお、その詳細につきましては、委員長のお手元に文書をもって提出いたしてございますので、参考のためこれを会議録に掲載されるよう、委員長においてお取り計らいをお願いいたしたいと存じます。この際はその要旨についてのみ報告を申し上げることにいたします。  今回両県に調査に参りまして、まず第一に痛感いたしましたことは、オリンピック東京大会に対する全国民の理解協力を得るために全国的なPRを積極的に推進するとともに、中央地方を通ずる協力態勢の一そうの強化をはかる必要があるということでございます。オリンピック東京大会は、東京中心国際的行事であって、地方に直接関係のない行事であるとの意識がいまだに地方に存することも否定できないのでございます。私たちは両県に参りまして、県民各位理解協力を強く要請して参ったのでございますが、両県におきましてもさらに積極的にPRをして参りたいということでございました。と同時に、スポーツ振興法による国の補助増時、スポーツ少年団の結成に対する国の積極的な援助スポーツの日を休日とする措置等について強い要請が各方面からございました。  次いで、地方におけるスポーツ施設整備充実について申し上げることにいたします。  オリンピック東京大会は、中央のみならず、地方におけるスポーツ振興をはかるためには絶好の機会でございます。地方におきましても、オリンピック東京大会記念事業として、水泳プール体育館、運動場建設の機運が高まっておりますが、これらスポーツ施設整備充実は十分とは言いがたい現状にございます。地方におけるスポーツ施設整備充実について国の積極的な財政措置が強く望まれているのであります。と同時に、オリンピック東京大会終了後のエキジビションゲーム地方開催についても特別の配慮が必要であると思うのであります。オリンピック選手による国際競技地方開催は、地方におけるスポーツ振興オリンピック精神の普及、高揚にきわめて貢献するところが多いと思います。エキジビションゲーム地方開催並びにそのためのスポーツ施設宿泊施設整備充実について特別の配慮と国の援助措置が強く要請されるのであります。  以上、簡単ながら今回の調査の概略について御報告を申し上げました。
  4. 田中榮一

    田中(榮)委員長代理 これにて阪上君からの報告は終わりました。  なお、同君の御要求通り、詳細にわたる報告書についてはこれを会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 田中榮一

    田中(榮)委員長代理 御異議なしと認め、さように取りはからいます。      ————◇—————
  6. 田中榮一

    田中(榮)委員長代理 この際、参考人出頭要求の件についてお諮りいたします。  オリンピック東京大会準備促進に関する件について、首都高速道路公団業務部長村田義男君を参考人と決定し、本日その意見を聴取いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 田中榮一

    田中(榮)委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さように決定いたしました。      ————◇—————
  8. 田中榮一

    田中(榮)委員長代理 なお、本日は参考人として、東京道路建設本部長竹ケ原輔之夫君、オリンピック東京大会組織委員会会長津島壽一君、同じく事務総長田畑政治君、日本体育協会専務理事竹田恒徳君、東京オリンピック資金財団理事長靱勉君、以上の方々の御出席をいただいております。  質疑の通告がありますので、これを許します。阪上安太郎君。
  9. 阪上安太郎

    阪上委員 私は、この際、東京オリンピック大会組織委員会会長津島さんに組織関係について若干質問を申し上げたいと思います。  その一つは、過般の新聞で拝見したのでありますが、今回の東京大会名誉総裁天皇陛下推戴することにきまったようであります。このことにつきまして、過日来から行なわれております各競技会等成績等を見ましても、水泳等について若干金メダルへの希望が持てるような状態にありますけれども、なおかつ不十分であります。こういった見通しの中で、国民の象徴である天皇総裁推戴したということでありますが、よほどの決意をもって推戴をされたのではないか、私はかように思うのでございます。その間の経過委員会決意とをこの際伺っておきたい。まず第一に御質問申し上げます。
  10. 津島壽一

    津島参考人 阪上委員の御質疑に対してお答えいたします。  オリンピック東京大会名誉総裁天皇陛下を御推戴申し上げたという点でございます。これにつきましては、御承知のように、従来各国で行なわれたオリンピック大会においては、その国の元首または首長という方が開会宣言をするという規定が憲章にあるのでございますが、   〔田中(榮)委員長代理退席委員長着席〕 それに関連いたしまして、それらの国においては、パトロン・オブ・ザ・ゲームズという、肩書きと申しますか、みな元首、大統領あるいは王、女王がお持ちになっておることは、御承知通りでございます。これらの観点からいたしまして、名誉総裁という言葉は、これは日本でわれわれの作った言葉でございますが、どうしても各国並みに、その上に立つ方を、パトロンと申しますか、そういったようなことに推戴するのがいいだろう、こういうことだったのでございます。従いまして、この件につきましては、五月中旬の組織委員会の決議を経まして、政府意向を伺い、お願いを申し上げたのですが、政府においても、閣議においてこれが決定されまして、その上でわれわれは所定の手続をとって名誉総裁に御推戴申し上げた、こういうことになっております。爆音の関係からいって、開会宣言陛下名誉総裁としてお願い申し上げるという点も宮内庁方面了承を得まして、このことをモスクワIOC総会報告して各国委員了承を得た、これが経過でございます。  そういった観点から申しまして、私どもはこの大会に対する準備運営についてさらに一段と努力しなければならぬという非常に深い責任を感じておるわけでございます。お尋ねの点の特に選手強化の問題は、おかげさまで選手強化実行後だんだんとその効果が現われておるというように、全体的に申し上げて言えるだろうと思います。しかしながら、この選手強化の問題は今後さらに一段と力を入れてこれを実行しようという決意でございまして、資金計画の上におきましても、従来の十六億円程度の計画を、六億何千万を増加して三十二億五千万円か二十三億近いものにして、三十七年度、八年度、九年度と、この三年間にわたって最善を尽くしたい、こういうような計画になっております。その他の点についても同様でございまして、こういった手続をとった以上は、さらに一段と各部面仕事の完全を期するという決意を新たにしておる、こういう次第でございます。
  11. 阪上安太郎

    阪上委員 ただいま天皇陛下推戴せられました決意のほどが非常によくわかりました。少なくとも東京大会において、私どもは、こういったことになった以上は、やはり金メダルの五つや六つはどうしてもとらなければならない。今後さらにその決意を進められまして、ぜひ一つそういった選手強化方向に一段と力を入れていただきたい。同時にまた、それだけでは東京大会は完璧だとは言われませんので、今問題になっております道路整備の問題とか、あるいはオリンピック資金関係充実の問題とか、いろいろな問題が出てくると思います。こういう問題については、いずれあとで御報告があると思います。  さらに、組織関係について、名誉総裁はできたけれども総裁は一体どうなっているか、こういう私たちは疑問を持つわけなのであります。順序からいえば、総裁をきめられてから名誉総裁をきめられるのがしかるべき方向ではなかったかという考え方も持つわけであります。一体、そういう決意でございますならば、総裁についてはどういうように持っていかれるつもりであるか、差しつかえない範囲で一つお話を承りたい、こういうように思うのであります。
  12. 津島壽一

    津島参考人 先ほど申しましたように、名誉総裁——英語パトロンと訳しておりますが、これは各オリンピック大会において必ず置かれておる一つの名誉ある地位でございます。しかし、ほかの国を調べてみましても、組織委員会会長というのはございますが、総裁という肩書きのある役目を貫いてあるケースはほとんどないと言っていいくらいだと思います。メルボルンの場合に、何か特別の事情があったりして、あとからそういった役目を置いた例を聞いております。従いまして、会の運営上今日の体制で押していこうという意味で、この名誉総裁の方はどうしてもオリンピック運営上の必要を認めてこういった地位を設けたわけでございまして、それなら総裁を先にきめるかというと、そういったようなものは今まであまり例がないようでございますので、それは考慮に入れなかったわけでございます。
  13. 阪上安太郎

    阪上委員 そうしますと、小理屈になりますが、われわれは、ああいうふうにして名誉総裁天皇推戴されたということでありますので、当然総裁というものがこの組織の中に日本特有のものとして出てくるのじゃないか、こういうように考えておったわけです。今の御答弁によりますと、そういった総裁というものは置かないということにもう組織委員会としてはきまっておるのですか。
  14. 津島壽一

    津島参考人 名誉総裁推戴のときにこの問題が考慮され、また意見の交換があったかという点だけを申し上げます。その場合にはまだこれが問題にならなかった、総裁のことについて絶対どうだという意味の御答弁を申し上げたわけじゃございません。
  15. 阪上安太郎

    阪上委員 大体それでけっこうでございますが、今こういう段階でありますので、私は、総裁を作られるなら早く作られたらいいんじゃないか、こういうように思うのです。もし作られないならば、名誉総裁などということではなくして、陛下総裁推戴したらいいんじゃないか、それはやはり名誉総裁ということでありますならば、早くやはり総裁を作られた方がいいんじゃないか、そういったところがはっきりしないと、やはりオリンピックも完璧に遂行できることにならないんじゃないか。今組織委員会会長からお話がありましたようなことでありますならば、何かそこにもたもたしているものがあるのじゃないかという感じがするのであります。その点は大丈夫でございますか。
  16. 津島壽一

    津島参考人 ただいまの御意見は御意見として拝承いたしておきます。まだ今日のところそういう問題について審議したという事実がないというだけのことでございまして、絶対にそういうものは置くべきものではないとか、いけないとか、必要であるとかいうことは、しばらく私の意見を留保したいと思います。
  17. 島村一郎

  18. 松永東

    松永委員 私はこの機会津島組織委員会会長にお伺いしたいことがあるのです。それは全国定時制と申しますか、定通教育と申しますか、すなわち義務教育を終えてから、家が貧しいために全日制高等学校にいくことができない、従って、昼間のうちは工場あたりで働いてそうして夜学に通う、それが定時制、さらにまた、それもできないで、通信教育を受けている者もおる。そうした青年たちが今全国にざっと十五万くらいおるようでございます。実は両三日前から新潟でこうした全国定通教育学校の校長さん、主事さんあたりが集まっていろいろ議論を戦わしたわけです。そのうちで一番おもな問題は、この働きながら夜のひまを利用して勉強している恵まれない青年に、せめてスポーツだけでも機会を与えるようにはからってもらいたいということが、強い希望を持って全国人々から主張されたのであります。申すまでもなく、彼らは朝早くから起きて工場で働き、あるいは野らで働いておる。同じ青年でありながら、全日制人々自分のうちから学校に通い、そうして自分らはこうした重労働の仕事にいそしんでおる、そうして夜の余暇を利用していわゆる夜学にいっておる、せめてはわれわれにもスポーツぐらいは親しむような機会を与えてもらいたい、こういう気持を持っております。ともすればこれがひがみとなって現われてきておる現状でございます。ちょうどまた年ごろも義務教育を終わったばかりの青年でございます。スポーツに親しみたい適正年令と称してもよかろうと思います。でありますから、彼らをして健全な健康体を保持せしめ、さらに精神的にも右のような偏狭な気持を払拭するということも必要ではないかと思うのでございます。ことに、この定通教育を受けておる人々のうちにも、りっぱなスポーツについての技能を持っておるものもあります。新聞にも出ております通りに、ある学校定通教育を受けておる青年が、スポーツで屈指の技術を持っておるということが新聞に出ておりました。従って、こういう青年のうちからりっぱな優秀な選手を選び出すということも、やはり組織委員会会長としてはお考えになるべきであろうと思うのです。こうした問題について会長の御意見一つ承りたい。  端的に申しますと、夜学校にいって定時制教育を受けておる子供たちに、せめても運動場照明施設を完備して、夜でもスポーツにいそしむことができるような設備をしてもらいたい、これがこの間集まった人たち要望でございます。これに対してどういうお考えを持っておられるか、それを一つ伺っておきたいと思います。
  19. 津島壽一

    津島参考人 ただいまの御趣旨は、まことに私の立場からいっても同感でございます。所管としては直接文部省側にあると思いますが、しかし、御趣旨組織委員会会長としての御意見はどうかということでございますので、これに即応してお等えいたします。  定時制高校等におられる生徒方々スポーツをやる機会に恵まれないということは、かねがね私も痛感しておるところでございます。ただいまのお説のように、せめて照明でも教育施設のところにつけてやれば、ほかのものと同じようにスポーツをやる機会を与えられるじゃないかという具体的な御提案もあって、私も全然同感でございます。要は、昨年の六月にスポーツ振興法というああいうりっぱな法制ができたのでありますから、これによって三十七年度の予算もわれわれ非常に期待をして、地方スポーツ施設その他の関係においては相当飛躍するものがあると思っておりましたが、これが十分に目的を達せられなかったように思うのであります。従いまして、ただいまのごとき御提案は、われわれ今後これを推進していく、しかもその時期は、三十八年度の予算を編成するにあたって、こういう問題を含めて、あのスポーツ振興法がただ法制でなくて、ほんとうに実のあるものにしたいという考えでございます。その場合において皆様におかれてももちろん御推進をお願いしたい、こういう考えでございます。
  20. 松永東

    松永委員 今組織委員会会長の御説明でそのお気持をよく了承いたしました。ちょうど幸いに文部省課長さんが見えましたが、課長さんからも文部省意向を承れればけっこうだと思います。  それはこの三十七年度の予算にもたしか織り込んでもらったと思います。要するに照明に要する費用、三十八年度の予算に必ずその編成の中に加えていただくというお気持かどうか、それを一言承っておきたい。
  21. 西田剛

    西田説明員 定時制高等学校生徒体育振興のためには、健康と明るさということが最も大切なことであろうかと思いますが、一昨年来、御承知のように、定時制生徒に対しましては、夜間高校生徒に対して三十六年度からミルクを無償給与され、さらに三十七年度からはパンも無償給食が認められているような状況でございます。ただいまお尋ね夜間照明施設につきましては、特に定時制高等学校体育振興、また定時制教育の明るさを与える、こういう点から特に必要であろうと思いますし、この種の御要望も大へん強いので、昨年一応予算要求いたしましたが、資料その他不十分な点もありましたので、現在その種の調査全国的にいたしております。明年度はその調査に基づきまして大幅に夜間照明施設整備に関するスポーツ振興法裏づけ予算として十分計上いたしたいというふうに考えております。
  22. 中山マサ

    中山(マ)委員 関連して。今松永委員より定時制という言葉が出ておりましたが、私がちょっと読みました読みものの中に、その定時制へいっている子供たちが、われわれは定時制ではありません、ただし制であります。いわゆる会社自分たちを好まない傾向がある、ただし書きというものがついておって、いろいろ就職するときにおいて定時制にいかないような人をとりたがる傾向があるから、私ども定時制と思っておりません、ただし制でありますという言葉があったようでございます。私は非常にこれに胸を打たれまして、今松永先生がおっしゃいましたように、こういう人たちは非常にひがむのではなかろうかというお言葉がありましたので、ここに私は関連質問をする気になりましたのでございますが、ただ、その生活の中に、そうして会社においてすらも学校に出る時間もおくれがちの子供たちがあり、その雇い主が非常にこの子供たち向学心をはばむような面もあるということを訴えておるものを私は読んだことがあるのであります。ですから、わが自民党の総裁池田先生は、近ごろ人作りということを非常に強調していらっしゃいまして、これはまことに喜ぶべき御発言であると思って私は感心しておりますのでございますが、どうぞそういう意味合いにおきまして、このスポーツ精神というものを徹底的に一つこの際高揚していただきまして、こういう子供たちも明るい気持で、でき得べくんばこのスポーツの大祭典に何とか一つほがらかな気持で参加できるようなことをしていただきたいということが、私が今日お願いをしたい筋でございます。あるいはこれに関係はございませんけれども、ついでながら文部省お願いしておきたいことは、こういう子供向学心に燃えておりながらも、会社に対しましてはまるで日陰者のような感覚を持っておるということ、非常に裕福な家庭からいい人物が出ておるかと申しますと、私は今日までのいろいろな伝記を読みますと、かえって逆境におります人の中から有為な人物が出ていると思いますので、こういう子供にも一つ大いに希望を持たしていかなければなりませんから、あるいは労働省の問題かもしれませんけれども、私はまた社会労働委員会がございましたならばこれを取り上げようと考えておる一人でございますので、文部省の方といたしましても、そういう子供にどうか一つあたたかい——いわゆる青年希望をということがスローガンの一つと私は心得ておりますので、これをやっていただきたいということ。  関連質問でどうかとは思いますが、次の段階におきましては、私ども地方に選挙区を持っておる者といたしましては、非常にこのオリンピックPR不足のように私は考えております。いただきましたポスターは張っておりますが、これはまことにわずかなものでございます。この間切手をちょうだいいたしまして、こういうことが始まったかと思って拝んでおりますが、このPR関係をどこまで御進展をしていらっしゃいますか、伺いたいと思います。今も名古屋及び岐阜の方へお越しになりました調査団のお言葉の中にも、地方で非常にPR不足だという御報告がございましたので、この点を一つ伺います。
  23. 津島壽一

    津島参考人 定時制一校の関係の御所見、全く同感でございます。文部省側からもそれに即応したお答えがあることだろうと思います。  ただいま最後の御質疑でございますが、オリンピックPR地方に浸透していないようだというお言葉でございましたが、あるいはそうかと思います。実は私は、徹底的に全国にわたってのPRは、オリンピックの骨格というか、計画、具体的の全体の図どりができて一斉に一つ活発にやりたい。今日までもいろいろやっておることは、パンフレットその他いろいろございます。スポーツ関係部面の方においては特にしょっちゅう集まっていただいて、そのPRお願いしておるわけでございますが、ちょうどモスクワIOC総会を機といたしまして、幸いに会期の問題、種目の問題、特に女子の種目にバレーを入れたといったような大体結構がこの六月をもってきまったわけでございます。これで大体競技場もほとんど全部が施設がきまって、本格的の発足というか、準備が整った。これからやることは当然やるのですけれども、そういった非常にいい機会になったわけでございます。残るところは資金の問題でございます。これらがちゃんとまとまった見通しがつけば、もうこれでわれわれ組織委員会側としては確信を持ってりっぱなオリンピックができるというような段階に今達したわけでございます。今後の皆様方の御助力、地方各位の御協力によってここに活発なPRを行なう、こういうようなつもりでおりますので、どうぞ今後とも御協力お願いいたします。
  24. 島村一郎

    島村委員長 それでは、続いて、オリンピック道路建設の進捗状況、オリンピック資金計画及び資金調達の現況、並びにオリンピック選手強化対策の実況について、順次参考人より説明を求めます。まず竹ケ原参考人お願いいたします。
  25. 竹ケ原輔之夫

    ○竹ケ原参考人 私、オリンピック道路の建設の方を担当いたしております東京都の道路建設本部長の竹ケ原でございます。いろいろオリンピック道路に関しまして御高配をいただいております点、厚くお礼を申し上げます。  最初に、オリンピック道路の進捗状況について要点を申し上げたいと思います。  御承知通りオリンピック道路は、小さいのも入れますと三十一路線ございますけれども、何と申しましても、赤坂見附から渋谷を通りまして三軒茶屋の方に向かいます放射四号線、これと環状六号線の外側に相なっております環状七号線、この両線が、私ども担当しております路線のうちで大半を占めておるのでございます。三十五年ごろからいろいろ地元の方にもお願いし、PRもいたしまして、昨年の後半から非常に御協力を得まして、現在までの状況を申し上げますと、小さい点は省略いたしますが、用地の点におきましては約四八%程度でございます。それから物件の補償でございますが、これは約四〇%、それから工事関係はまだ幾らも着手しておりませんので、約一五%、総体といたしまして三五%程度でございます。御承知通り、私どもは来年の三月までに用地と物件の補償を大体九〇%程度行ないまして、特殊なものはあとに回しましても、来年の三月には相当大規模に工事にかかれる段階に持っていきたいという第一目標を持っておるのでございます。やはり何と申しましても、用地と補償が、困難度におきまして非常に大きな要素になっておりますが、昨今は、昨年の初め、一昨年に比べまして、早く買ってもらいたい、早く補償をしてもらいたいという方の声が非常に大きくなって参っておるわけでございまして、私ども今後の完成に非常に明るい光を得たように感じておるわけでございます。こういうわけで、これから三月までは早くさら地にいたしまして工事にかかる段階ということでやっております。そこで、とかく民間だけをせっつきまして、官庁関係とか、そういう公関係の方はおそいじゃないかということでございますけれども、放射四号線の東宮御所の関係でございますが、これもようやく話がまとまりまして、間組が落札いたしまして、植樹の移植は完了いたしておるのでございまして、土塁の移設を本格的に来月の五日から始めまして、ことしのうちにあの約二キロにわたる御所関係のところの道路の拡幅を行ないたいと考えておるわけでございます。また青山四丁目から六丁目にかけましては、お通りになってもわかると思うのでございますが、うしろの方に全部入る建物を建て、または立体的な十一階とか六階とか、そういう建物を建てまして、一日々々と移転の状況が見えて参っております。それから渋谷を過ぎまして大橋付近とか池尻の方にかけまして、御承知のように規定の幅に広がった部分がございまして、逐次移転の度を早めつつございます。なお、そのうちで三軒茶屋と上通の四丁目でございますが、これはいわゆる立体的な町作りをいたすように、御審議を願いましたあの法に準じまして自主的に立体的な町作りをしたいということで、近く具体的な線に乗りかかるような段取りに相なっております。それから環状七号線の方でございますが、大体板橋、練馬の方は早くからかかっておりまして、ほとんど概成いたしておるのでございまして、板橋の一部、練馬の一部にただいま交渉中のところが若干ございますが、その他は全面折衝いたしております。そのうちで、放射二号線、三号線というのがございまして、つまり大田区の南洗足、北洗足、この方が一番最後に始めましたので若干おくれておりますが、環状七号線に関しましては、現地をごらん願えばわかりますが、それも逐次軌道に乗って参ってきておるわけでございます。総体といたしまして約四、五カ月おくれておるのでございます。幸いなことにオリンピックも何カ月かおくれておりますので、私ども何として世紀の、平和の祭典にこの道路を完成いたしまして、なお東京都の交通難の打開の一環としても、何としても完成するように、本部の者を入れまして約一千名の者が日夜担当いたしましてこのオリンピック道路に努力を続けておるのでございます。パーセンテージは現在三五%程度でございますが、主要幹線におきましては、放射四号線におきましては約五四%、環状七号線におきましても五一%程度進んでおりまして、神宮周辺とか駒沢周辺の小さい道路は短期間でできますので、順序といたしまして主要幹線に力を入れております。今後一そうの努力をいたしまして、何としても来たるべきオリンピックまでに完成いたしたいと努力を続けておるわけでございます。  簡単でございますが、進捗状況を申し上げました。
  26. 島村一郎

    島村委員長 次に、津島参考人お願いいたします。
  27. 津島壽一

    津島参考人 委員長から御指示のございました東京オリンピック大会関係の資金の問題でございます。これにつきましては、お手元に、全年度資金計画という表を差し上げてありますから、これによって若干の御説明を申し上げ、なお御質疑に答えたいと思います。これは昭和三十四年度から昭和四十年度までの全部の期間にわたってこの資金計画でございます。なお、裏に年度別計画表がついておりますが、それはそれとして、一応全年度の計画をきわめて簡単に御説明し、なお、これを担当した者からおのおの御説明申し上げる、こういうことにしたいと思います。  ここにあります支出の面においては、「前回」、「今回」とございますが、これは全部を通じて、「前回」というのは、大体一昨年の暮れ、三十六年の暮れに作った資金計画でございます。「今回」は、今月の上旬に非常に精細な検討を加えて作ったものでございます。しかして大体三本建になっております。(1)は組織委員会が運営準備のために必要とする経費、これが前回九十二億六千八百万円が、精査の結果九十一億九千六百万円、大体七千二百万円の減少、その内訳は説明を省略いたします。これに対しての収入見込みが右側の欄にございますが、従来と同じように、政府及び都から四十億円、オリンピック組織委員会といたしましての事業の収入が三十億円、それに対する二十一億余万円を加えて、ここに九十一億九千六百万円の資金調達計画を立てておる、こういう次第でございます。  (2)の技術向上ということは、俗にいわゆる選手強化というものでございます。これは前回の計画では十六億三千四百万円、それに六億三千三百万円増加いたしまして、合計二十二億円、その内訳はここに書いてある通りでございます。なお、これに対する資金の調達の面が右側の欄にございます。国庫の補助金は、前回の計算では六億五千万円、それを二億一千万円ばかり増加していただきたい、こういうような資金計画でございます。なお、体協においてもこのために資金を募集いたし、その調達に当たっておりますが、若干増加しても二億七千六百万円、その他を資金財団にお願いをするというような計画でございます。この資金調達の面において資金財団に非常に大きな負担をおかけするという次第になっておるわけでございます。  それから次のオリンピック記念会館、これはまた後刻説明申し上げますが、オリンピック大会運営上絶対に必要な会館の建設、また同時に、これは将来においては、日本スポーツ体育の中心機関であるこの会館によって全国にわたってスポーツ振興をはかっていこう、こういう趣旨のもので、前回は七億五千万円計上したものを、いろいろな計画を具体的に検討した結果、十億を増して十七億五千円、これに対する資金の調達方法が右側の欄にあるわけでございます。  資金財団の事業遂行に要する経費は前回通りということでございまして、これは自分の資金を自分で調達する、こういう次第でございます。  総括といたしましては、前回案では百十八億四千万円、今回の案においては十五億円ばかり増しまして百三十四億円という支出の見込みに対して、同様の数字が資金調達の中に入れているわけでございます。  最後に総括したものとしての資金財団の調達はどれほどであるかという計数もここに書いてあります。これらにつきましては、資金財団の理事長も見えておりますから、これに説明をおまかせすることにして、私の説明はきわめて概要でございますが、おのおの担当の面についての説明をまた加えるということにして、私の説明はこの程度にいたします。
  28. 島村一郎

    島村委員長 次に、靱参考人お願いいたします。
  29. 靱勉

    ○靱参考人 お手元に若干の資料をごらんに入れておりますが、三十六年度におきましては大体組織委員会及び体育協会に約一億八千万円程度配分いたしまして、三十七年度、本年度に二億五千万円未配分金として持ってあがっております。それから三十七年度の財団の調達予算といたしましては、すでに前国会の委員会等においてこれは御説明申し上げておりますが、約十億というものを見込みまして、三十七年度の体育協会並びに組織委員会に対する配分、これが五億をこえますが、それと同額の五億程度は三十八年度にまた未配分金として持ってあがれる計画になっております。しかしながら、三十八年度、三十九年度というものは、非常に多額の配分、要するに、組織委員会並びに体育協会から調達要望が強く出て参りますので、これに備えておかなければなりませんので、三十七年度の実行におきましては、私ども十億程度で満足しないで、さらに五億程度伸ばしたいということで、現在努力中でございます。  それが大体の概観でございますが、すでに前国会におきましてもしばしば申し上げました通り、資金調達を確実にして、ともかく組織委員会日本体育協会等におきまして準備、運営、選手強化等の経費に不安ないようにいたさなければならぬのが私どもの務めでございますので、できるだけ資金調達の確実性を期さなければならぬということで、何とかあと新たなる調達事業を考え——考えるといいますが、これはやはり政府、国会等の御援助もいただかなければなりませんので、そのような希望を在来申して参りましたが、ただいま津島組織委員会会長から御説明ありました通り、まだ最終決定ではないようでございますが、一応概計としまして、在来の百十八億余の全体の資金に対しまして、百三十四億という全体の資金のワクに増額される。主としての増額内容はただいま御説明あった通りでございますが、それによりますと、在来の——前回と先ほど御説明ありましたが、前回の予定案におきましては三十八億一千万円ということでございましたのに対しまして、資金財団としまして五十二億一千五百万円調達しなければならぬというような状態になったわけでございます。そこで、お手元に、三十六年度から三十九年度資金調達事業とその見込額という、横紙二枚つづりがごらんに入れてあると存じますが、これはその見込額と期待額と変な分け方をしておりますけれども、見込額は、これは絶対確実最低のものという意味で、期待額も、単に期待しているというのではなくて、この程度は伸ばし得るという考えのもとに私ども策定いたしておるのでございますが、これによりますと、御案内のように三十一億ないし三十九億というものが調達できる。そこで、前回の三十八億程度ですと、各方面の力をどうしても拝借しなければなりませんし、ことに専売公社の御協力に対しましては、どうも先般のやり方ではとうていだめだということで、これは本年に入りまして、また昨年来大蔵省ないし専売御当局に対しまして新たな方法をお願いして参っておるわけでありますが、これらも確実に相なりますればほぼ前回の目標は達し縛るという計算にいたしておりますが、ここにさらに増額ということになりますと、私ども資金調達をする当局といたしましては絶対確実を確保しませんと、足りなくなって騒いでもいたし方ないので、ここでもう一ぺん新たなる今年度の改定資金計画を真剣に検討いたしまして、財団としましては、一応たばこを除外しまして三十億は絶対確実だ、伸びることは伸びますが、一応これは安全弁として残しておく、そういたしますと、五十億に対してどうしても二十二億程度の不足額が出てくるということになりますので、ただいま申し上げます専売公社の御協力をどうしても三億ないし五億お願いしたい、さらに私どもの現在やっております各種の調達事業は、この表でごらんになられる通りでございますが、先般の国会におきまして、公営競技におきましても体育関係に配分できるような格好に相なりましたので、この方面に多額にして確実なる資金を得るためには、どうもいろいろと——悪い言葉でございますが、あっちこっちこまかい手を用いても、多額の金は、もう二年後に迫りましたのに対しましては、なかなか困難であるということで、ぜひ公営競技の御協力を得たいということで、これに対しまして二十億ないし二十五億期待する、そういうことにいたしますと、五十三億ないし六十億というものはまず絶対確実になる、こういうことで、五十一億に対しましては、たばこの方に最低三億程度、公営競技に最低二十億というようなものをお願いすることによって、これで資金調達はもう大丈夫だというところに——もうすでに二年後に迫っておりますので、私どもとしましては、これも言葉は悪いのでございますが、終盤戦態勢でこの際はっきりと態勢を整えなければならぬというようなことで、現在いろいろと各方面お願いに上がっておる次第でございますが、まだ全体の所要経費につきまして必ずしも関係方面で最終的決定を見ていない状況でございますから、私どもできるだけ打てる手は打って、余裕のある態勢で、必要額は絶対に確保するという考えのもとに努力いたしておりますが、どうぞ当委員会におきましても、今後においていろいろと御指導、また御支援をいただきたいと存じます。  以上、簡単でございますが、資金調達関係について説明を終わります。
  30. 島村一郎

    島村委員長 次に、田畑参考人お願いいたします。
  31. 田畑政治

    田畑参考人 選手強化のことを説明いたします。  実は私、選手強化につきましては相当意見もありますし、また阪上君がここに見えておりますけれども日本の水泳を世界一にしたという実績もありますので、これについては非常な執着もありますけれども、何といってもオリンピック組織委員会の最高責任者でありますし、そっちの方が非常に多忙でありますので、また閣僚懇談会におきましても、責任体制をはっきりしろという御意見もありますので、私は、この際、大島君にお願いして、オリンピック組織委員会の方に専念するために、選手強化対策本部長は辞任いたしますけれども、過去のあれで十分わかりますから、一応おもなことを御報告申し上げたいと思っております。  とにかく、今委員の方からもお話があったように、東京オリンピック大会全国的に非常にムードが上がらないというお話、確かにその通りでございます。むしろ国外の方が非常にムードが上がっておりまして、国内の方はムードが上がらないという感じが事実ありますが、これは何といってもどうも選手が強くない、日本東京大会をやって、相当の金もかけるし、いろいろとやってみて、はたして日の丸が上がるかどうか、ひいきのしがいがあるかどうか、どうも今のままではひいきのしがいもないという点が、ムードが上がらない一番大きな理由だというふうに私は考えております。それについて、あまりにも世界の水準が高くなっておりますし、日本が、少なくとも過去十数年足踏み状態だったというところでそういう悲観的の観測が非常に強かったのですけれども、最近においては、非常に明るい見通しと期待を持ち得るようになったと存じます。  日本スポーツ振興で一番隘路は、やはり日本が極東にあるということで、なかなか国際競技ができないという点が大きな難点だったのであります。外国ならば、大阪くらいまで行くことによりましてどんどん国際競技ができるという意味で、呼ぶにも行くにも簡単で金もかかりませんけれども日本の場合には飛行機運賃も莫大にかかるというので、これができなかったというところにも一つの原因はあると思います。  もう一つは、やはりそういう外国選手との交流がなかったというところから、極東の井戸の中に住んでいて、ほんとうに世界のスポーツ界をはっきり観察しなかった。日本人は、どうもからだが小さいからだめなんだ、負けてあたりまえなんだということもありませんけれども、そういう一種の劣等感をからだ自体持っていたということも、非常な大きな原因だったと思います。従いまして、三年前からの選手強化の目標といたしましては、まず人間のからだ作りということを一番の主眼に置いてやって参りました。たとえば瞬間的に力を出す筋肉を作ること、あるいはいわゆるスタミナ、持続的に筋肉力を強くするという問題、あるいは循環系統、呼吸系統の肺臓を強くする問題、心臓を強くする問題、この点につきましては、ソ連とドイツ、アメリカからそれぞれ世界第一流の生理学者その他に日本に来てもらって、コーチ並びに選手に直接指導してもらったというところから、選手のそういうからだ作りにおいては非常に進歩しております。  今の段階は、戦争前の日本人と違って、今の青少年、スポーツに志す者がどうも根性がない、これは彼らが一番不幸な時代に育ったのですからやむを得ないかもしれませんけれども、根性がないということが一番問題になっておりますので、今心理学その他の研究からも、今の根性作りということを最後の問題としてやっております。これに対しては相当の金も出していただいてやっておりますし、交流につきましても非常に強化費を出してやっておりますので、非常に進歩したと思います。  御存じのように、最近、去年のものといたしましては、女のバレーが一番強いソ連を負かし、東欧圏全部を席捲して世界一になったという事実もあります。また、体操が、この間の大会で、男の体操は世界選手権をとりました。また、柔道は、いいとき負けた——ということはないかもしれませんが、いいとき負けたので、ほんとうに試合方法あるいは気持を立て直しまして、どうしてもこの四つの種目全部に勝つということでやっております。さらに一番意を強くすることは、オリンピックのメーン・イベントの陸上であります。これはほとんど希望がないということがスポーツ界一般の常識でありましたけれども、最近におきましてはこれが非常に上昇しまして、織田君がこの間ヨーロッパ遠征から帰ってきまして、初めて希望を持てる外国遠征をしたということを羽田で語っております。事実この間の予選会でも相当の結果を示しております。またレスリングが、一時はよかったのですが、最近だめだったのですが、これもこの間の世界選手権で非常にいい成績をとっておりますし、また、ウエートリフティングも非常にいい成績をとっております。ボクシングも、軽い方では一人は必ず金メダルをとれるだろうという見通しもあります。  それで、私たちの目標と申しますか、開催国とすればどの程度やらなくちゃならぬか、どの程度やれば、来た外国選手も、日本選手はよくやった、おれたち来てよかったという気持を持って帰ってもらえ、また国民の皆様方もやってよかったという気持になるにはどうすればいいかと申しますと、戦後におきましてソ連とアメリカがべらぼうに強くなっておりますから、この二つはたな上げしまして、開催国は必ずその次に第三位に入ってきています。豪州は人口の非常に少ないところですけれども、メルボルンの大会では、はっきり覚えておりませんが、十三の金メダルをとりまして、先進国のイギリスもフランスもドイツも押えて第三番目に入っております。今度のローマ、これは金メダル十七と思いましたが、やはり開催国がとりまして、ソ連、アメリカの次に第三番目に入っております。ですから、日本が、ソ連、アメリカの次に、先進国のイギリス、フランス、ドイツというところを抑えて第三番目に入ってくれば、国民の皆様も、来た選手の方もみんな満足して帰ってもらえるだろうということであります。しからば、今度の場合にどのくらい金メダルをとれば三番目に入れるだろうかと申しますと、ローマが十七でありましたから、十七以上、二十とれば絶対だと思います。これが可能であるか、不可能であるかという問題でありますけれども、今申し上げましたように、柔道が四クラスになります。これは日本で育って、日本で世界的になって、日本オリンピックに入れた種目でありますから、絶対勝たなければならぬ、一生懸命やれば勝てるというので、この四つと、今申し上げましたバレーの六つ、それに体操が五つ、四つと六つと五つ、これですでに十五であります。しかし、今のバレー、柔道、体操は、あらゆる努力、研究を集中して世界一になろう、オリンピックでは日本を破るということでやっておりますから、決して安閑としてはいませんけれども、今まで以上に努力をすれば、これの確保は決してむずかしいものではないと思います。それから、今まで世界で日本が一番強かったのだという水泳、これがあまりにもアメリカが強くなり過ぎています。日本は沈滞しているということもありますけれども、これもだんだん出てきましたので、おそらく私は、千五百とバタフライ、ブレスト、バックの四つのうち二つはとれると思います。さらに八百リレー、メドレー・リレー、これで八つとれるということになります。そのほかには、今申し上げましたように、レスリングが非常に強くなっているようでありますが、軽い方で二つとるということは決して困難な問題ではありません。もちろん一生懸命やらなければなりませんけれども、不可能ではありません。それからボクシング、ウエートリフティングの軽い方で一つずつ、これはとり得ると思います。そうしますと、二十五というものは決して不可能ではない、非常に大それた望みでないと思います。これが一つ二つ狂いましても、二十をこすという可能性は当然ありますから、そうすれば、皆様方も、あるいは外国から来た選手も、よかったというように思ってお帰りになると考えております。その上に、今申し上げましたオリンピックの中心であります陸上が、あるいはマラソンなり、あるいは三段飛びなり棒高飛びなりで、その中から一つをとってくれれば画龍点睛で、問題ないと思いますけれども、こういうことで、私は、今まで開催国がとった数だけは日本が必ずとれるという確信を持っておるわけであります。  そういうふうでございますから、オリンピックそのものがローマ大会で一応のあれができまして、ベルリン大会開会式、入場式のすべてのスタイルをきめたもので、これが空前絶後であろうと言われましたが、私は、開会式、閉会式、あるいは競技運営、あるいは選手村の選手の生活というものについては、これは絶後とは申しませんが、空前に彼らが満足するものができるだろうと思います。問題は、しぼって選手の問題、選手がローマあるいはメルボルンで開催国がやったと同じようにできれば、今は、オリンピックは早過ぎると反対の方も事実いらっしゃいますけれども、しかし、やったときには、東京オリンピックをやってよかったと言われるようになるだろうと考えておりますが、その可能性は十分あるというふうに考えております。  以上で私の意見といたします。
  32. 島村一郎

    島村委員長 ただいまの各参考人説明に対して質疑の通告がありますので、これを許します。伊能繁次郎君。
  33. 伊能繁次郎

    ○伊能委員 ただいま津島会長、靱理事長田畑総長、さらに道路関係についていろいろ御説明がございまして、皆さんの非常な御熱意を聞き、私ども感銘をいたしておるわけでございますが、実はきょうかような席で申し上げることが適当かどうかとひそかに考えたわけでございますけれどもオリンピックの開催を心配するあまり、質問かたがた意見を述べお伺いしたいと思うのであります。  きょう政府部内でオリンピック関係の閣僚懇談会が開かれまして、私、どういうことか、関係者の一人として閣僚懇談会に招致を受けたのでありますが、かようなところでその印象を申し述べることは若干いかがかと思いますけれども、きょう閣僚懇談会の閣僚諸公のお話を承っておりますと、今後の問題について、主として資金関係を中心になかなか容易でない、政府のこれからの資金の内容を決定するについては、せっかくの皆さんの御努力にもかかわらず、なかなか容易でないということを実は痛感して参ったわけでございます。道路、交通等の、いわゆるオリンピック環境の整備の問題については、比較的関係閣僚の理解が深いようであります。ところが、オリンピックの運営プロパーの問題については、私は必ずしもそういう印象を受けないわけであります。さいぜん先輩中山先生からも、定時制高校その他の青年の今後のスポーツ振興の問題についてのPRについてもお話がありましたが、せっかく皆さんがそれぞれの分担において大へんに御努力をしておる、しかもその内容が、一般はもちろん、政府の内部においてすら十分の理解がなされておらないということを私は非常に遺憾に思う。また、国会における当委員会において、超党派でこの問題については各委員諸公が非常な御熱意をもってオリンピックの遂行の完璧を期すべく御努力をなさっておるにもかかわらず、そういう状態であったということは、私はまだかような印象を述べることは早過ぎるという感じを持ちながらもあえて申し上げる次第でありますが、大事な資金関係については、津島会長、靱理事長から詳細な御説明を伺ったのでありますけれども、どうも大会運営、組織委員会の経費が非常に膨大だとか、何かうわついた調子でやっているのではないかというような印象を受けることについては、まだ十分なPR——一般だけでなく、政府内部にも皆さんの御努力を周知徹底せしむる必要が多分にある、かように私感じたわけでございます。さいぜん津島会長オリンピック記念体育館の建設費の問題にも触れられてお話があったのでありますが、記念体育館は、オリンピック大会運営に不可欠のものであると同時に、将来の体育向上の奨励の上に何としてもなくちゃいかぬ、こういうお話もございましたが、これらの問題についても十分政府部内において理解を徹底するような努力がもっと必要ではなかろうか、かようにも考えます。また、大会の準備及び実施に関する経費のうちにおいても同様な問題が二、三論議をせられたわけであります。オリンピック関係の方方が、あるいはローマの実情を調査せられ、あるいは先般モスクワへ行かれ、また近くアジア・オリンピックが開かれるというような点についても、決して皆さんが大切な金をむだにしているのではなくして、また浮いた気持ではなくして、直摯態度で終始やっておられるということもわれわれはよく理解できるし、私自身もまた過去一年間本委員会関係をいたしまして、皆様の御努力については涙ぐましいもののあることもよく承知をいたしておる次第でございますが、これらの問題について、ローマにおいてはどういう経費がかかったか、またメルボルンにおいてはどうだ、ヘルシンキにおいてはどうだというようなことを、よその例も詳細に引かれて、決して日本の実情が浮いた調子で多額の金を使っておるのではない。また、ただいま田畑事務総長から、ほんとうに熱誠あふるる選手強化に関する御説明があった。私どもこういう問題についても、これは単に将来の見込みとして日本がいたずらな宣伝をしているということではなくして、この種の決意、また決意の基礎というものについて、文部省はもちろん、関係閣僚によく理解をせしむるためには、皆さんが実情をそれらの人々によく御説明をする労をいとわないということがきわめて大切ではないか、かように存ずるわけでございます。本日も不足経費の問題について靱理事長から関係閣僚に御説明、御報告があったのでありますが、その二十数億の不足経費の調達についても容易ならざる空気を私は察知し、今後われわれとしてこの問題については皆さんと一体になって努力をいたさなければならぬ、かように存じておるのでございますが、こういう点について具体的にいろいろとPRの問題なり、さらに今後の予算のこの百三十四億というものを関係の各方面理解せしむる方法等についてもとくと御検討をいただいて、できるだけ早く、もちろん予算時期が逐次迫って参っておりますので、政府部内、なかんずく大蔵当局においては事前にこれだけを優先に決定するということは困難であることは私はよくわかっておりますが、少なくとも財団並びに組織委員会側として、これを確固たるものにするためにはもっと大きな努力が必要ではないか。と同時に、ただいまのお話のような点について克明に関係閣僚初め関係方面理解せしむる努力が必要であるということを実は痛感し、おそらく田畑事務総長もその点についてはきょうの閣僚会議お話で御決意を持たれ、今後どうしていくかというような点についてもいろいろお考えもあられることと思いますが、われわれにできることはもちろんわれわれいかなる御援助も惜しまない次第でございますけれども、これらの点についても一そうの御決意と、同時にまた、今後の推進についての具体的な考え方等も伺えれば非常にありがたい。もちろん、われわれ御一緒にどんな御協力をも惜しまない次第でございます。きょう会長はほかの用事で退席されましたが、実は会長にもよく聞いていただきたい、かように考えた次第でございます。事務当局の御苦心がそのまま受け入れられないところを私非常に遺憾に存じております。それだけに、今後皆さんとともにこの問題に十分取り組んでいきたい、こういう感じを持っております。御意見があれば伺わせていただきたい。
  34. 田畑政治

    田畑参考人 要するに問題は、集まってくるお金だと思うのであります。決して私たちむだな金を使おうとか、便乗して何かしようとかいうことはありませんけれども、とにかく東京オリンピックをやるならば、国民方々も、外国から来た選手諸君も、日本でやってよかったという程度のことはぜひやりたい、こう思います。それともう一つは、オリンピックをやるという以上は、やはりスポーツというものが国民の中で必要なんだということが、もう一つのやる大きな理由でしょうから、これをやったあとスポーツ振興に役立つというものにつきましてぜひとも作らしたいというように思う次第でございます。
  35. 靱勉

    ○靱参考人 ただいま伊能委員から、オリンピックの準備、運営、選手強化その他のことにつきましてきわめて御理解のあるお言葉をいただきまして、私ども非常に努力の足らない点を痛感する次第でございますが、財団といたしましては、この一年半、ごらんのようないろいろな方法をやって参りました。御案内のように、当時トトカルチョをやったらというようなお話がありましたが、世論の反対によりまして、いろいろな方法によってできるだけ国民の皆さんの御協力を得て、いわゆる民間からも、単に政府なり地方団体の公の資金の援助だけではなく、そういう資金によってこの大会をりっぱにやりたいという御趣旨で財団が設立されたわけであります。その線に沿いましてこの一年半やって参りましたが、実際の経験から申しますと、五十億といいますとこれはなかなか巨額でございます。これを調達いたしますためには、やはり確実で、かなり一度に——一挙にたくさんというのははなはだ欲張った方法でありますが、確実に十分に確保できる方法を考えておきませんと、これはなかなか労ばかり多くして、経費ばかりかかってどうにもならぬという状況で、二十二億というものを絶対確実にいたすためには、あるいは専売公社の御協力、私ども、公営競技としましては一部三県の競馬から御協賛をいただいておりますが、さらにその他の公営競技からも御協賛をいただきたいというような方法が、どうしてもこの際残された調達方法ではないか。いろいろと世論もあるかと思いますが、やはり体育スポーツ振興ということと、当面ともかくこの東京大会に対する資金を十分に確実に確保するという意味合いにおきまして、これは財団ひとりよくすることでございませんで、関係方面の皆さんの御協賛、さらに場合によりまして国会の御支持をいただかなければならぬ次第であります。今後とも何分の御支援、御指導をいただきたいと存じます。
  36. 田畑政治

    田畑参考人 具体的のお願いを申し上げますと、一つは、今伊能委員からお話があったように、選手強化組織委員会の方の運営費等についてまだ問題があるように受け取れましたけれども、これは決して不当のことを言っているわけではございません。こちらでは文部省と十分連絡をとって検討しておるものですから、これは何とか一つ皆さん方の御協力を願いたいと思います。  もう一つは、オリンピックをやる場合には、今組織委員会は赤坂離宮に事務所を持っておりますが、これはとても事務所になりません。ローマで見ましても、参加各国の代表と連絡アタッシェと、内外の新聞記者と、実際に競技を運営します国内と国外の競技団体が組織団体と一緒になっていなければ、とてもオリンピックの運営は不可能になってきます。これは実績から言いましてもどうしてもそのスペースは六千坪は要するのであります。その上に、今度東京大会をやったあととして、日本スポーツ振興するための一つの殿堂として残るようなオリンピック会館を、非常な難関でありますけれども、皆様方の絶大な御協力によりましてどうしても実現するようにぜひともお願いしたいと思います。よろしくお願いします。  それと、具体的に申しますと、これは靱さんが一生懸命にやっておりますが、私なんか一九二四年からオリンピックの金集めばかりやっておりますけれども、なかなか金は集まらないので、何か今言ったような別の公営競技とかなんとかいうような抜本的なことを考えていかないと、なかなか十億を単位とする金というものは、不可能だろう、こう考えますので、その点もぜひともよろしくお願いいたしたいと思います。
  37. 島村一郎

    島村委員長 田中榮一君。
  38. 田中榮一

    田中(榮)委員 ただいま靱君からもいろいろ資金募集の非常に困難な点につきまして承ったのでありますが、今後募集するその五十二億の金というものもなかなか困難であろうと私は思っております。そこで、実は先ほど阪上委員から、われわれが現地に参りましていろいろ事情を聴取いたしましたその状況について、代表で報告いたしましたその中にございます通りに、地方に参りましても、オリンピックに関心を持っております者は、知事であるとか、あるいは体育関係の職員であるとか、あるいは学校の一部の方々、あるいは体育関係者という、ごく少数の者に限られまして、全体の国民としてのオリンピックに対するムードがまだ全然盛り上がっておりません。この資金募集の今後の成績がわれわれの予期するような結果を得るかいなかということは、結局私は、一にオリンピックPRが十分に国民の間に浸透できているかいないかということにかかっておるのじゃないかと考えるのであります。  そこで、まことにこまかいことで恐縮でありますが、せんだってあのオリンピックのポスターを拝見いたしまして、デザイン、それから規格等は大へん私はよかったと存じておりますが、あのポスターは一体何万枚くらい印刷して、どういうところに配布して、どのように宣伝をしておるのか、ちょっとそのことについてお伺いしてみたいと思うのであります。
  39. 田畑政治

    田畑参考人 あれは五万枚刷った、そうであります。それで、非常にデザインそのものもいいということになっておりますし、印刷会社も非常な犠牲を払いまして、一枚がデザインからすべてひっくるめて八十円、これを今海外に配布しているのと、大きな会社あたりに配っているのでありますが、なかなかこの輸送費が大へんです。たとえばあれを国鉄——私鉄もまぜればけっこうですが、国鉄だけの駅でも全部張れば相当の効果が上がると思うのです。ところが、これがただでは張ってくれないのであります。どこかとタイ・アップしてああいうものは全国の駅にでも張り得るというようなことになったりすればいいと思いますが、主として今のところ公共団体、学校とかいうものを目当てにしてやっておりますが、その点がまだ枚数が足らないということと、輸送費、郵送費その他の関係で、なかなか張ってもらうための費用というものが十分でないということになっているのであります。
  40. 田中榮一

    田中(榮)委員 私はあのポスターを拝見しまして、大へんみごとな、りっぱなものと考えておりますが、現在張ってあるところを見ますと、区役所であるとか、県庁であるとか、学校の一部であるとか、あるいは外客の出入するホテルとか、主としてそういうところに張られているわけであります。私ども考えでは、むしろそういうところに来る方は割合にオリンピック理解のある方であるのですが、一般の国民大衆に対しますPRとしましては、まことに制限された方法じゃないかと思うのであります。そこで私は、あのポスターは大へんいいと思うのでありますが、一例を申しますれば、たとえばわれわれが選挙の際に、あの小さなポスターを至るところに張ります。それは主として大衆の自由に出入し得るところという意味で、たとえば浴場であるとか、環境衛生関係の営業者であるとか、あるいはそのほか、いろいろな中小企業であるとか、あるいは場合によっては百貨店、そういったところにも張り得るようなもう少し小型の大衆的なポスターをお作りになって、そうして中小企業の方々にも一つこれが宣伝に御協力願う、そしてまたそれが国民大衆にすっかり浸透するような方法を講じませんと、あの大きなポスターでは非常に一部の階級にのみ宣伝されて、国民に対してはまだ全然徹底しないのじゃないかと思います。  それからもう一つは、たとえばテレビのスポット・ニュースといいますか、そういうところに若干の金をかけて、一年間でも二年間でもよろしゅうございますから、絶えずオリンピックというものに対して一般の国民に関心を持たせるような宣伝の方法、あるいは週刊誌、雑誌、新聞その他を通じての絶えざる宣伝をすることによって、国民大衆がオリンピックというものに対して非常に深い関心を持つ、そういうことがやがて財団の資金募集の上に非常に心理的な効果を及ぼし、また財団の募金の成績も上がってくるのではないかと私は考えておりますが、現在五十二億のうちで一五億ぐらいを寄付金つきの切手でございますか、あとの残りはいわゆる競馬であるとか競輪であるとか、そうしたものに重点を置かれるようでございますが、実はきょうの東京新聞でありましたか、いろいろな投書の整理をしたその際の結論の中に、オリンピック資金財団が、いわゆる特別競輪、特別競馬をすることによって資金を調達することはまことに不適当であるというような投書が非常に多かった。しかしまたこれに反して、仕方がない、こういうような方法もまた有効だというような投書も多かった。しかし大体においては反対の投書が非常に多かったというようなことも書かれておりまして、私は、国民オリンピックというものに対して深い関心を持ち、深い理解を持つことによって、こうした投書というものが逐次なくなっていくのではないか、こう思うのでありますが、どうしても行なわなくてはならないオリンピックであるからして、資金調達のためには、いわゆるこうした特別競輪、特別競馬をどうしてもやらなくては仕方がないのだというような気持国民に与えるためには、オリンピックPRというものをもっと徹底して行なっていただかなければならぬのではないか、かように私は考えるわけであります。それにつきましては、今も私は一例を申し上げましたけれども、あの大型のポスターというものは特定の場所のみにしか張れませんので、いま少し大衆的なPRのできるような小型のポスターをお作りになって、これを各所に張らせる、それならばどこの中小企業の店でも張ることに喜んで協力していただけるのではないかと私は考えておりますが、そうした御計画はあるかないか、一つお伺いしたいと思うわけであります。  それからなお、農村、工場、各銀行、会社の職場等にも十分にPRをしていただいて、そうして単に特定の場所以外に、一般の中小企業、もちろん百貨店、学校、農村、漁村、山村、それから工場、至るところの教育施設あるいは社会事業団体あるいは福祉施設、こうしたところまでも、すみずみ残るくまなくポスターを張って一つ宣伝をしていただく。一方においては、目を通じ、耳を通じ、あるいは映画のスポット・ニュース、あるいはスライド写真によってやるとか、あらゆる方法を講じて国民オリンピックに対する関心を十分に持たせる、そうした上においてこの募金をしたならば、私は、五十二億の募金もそう困難ではないと考えておるわけでございますが、そういう点についてお見込みはいかがでございましょうか。
  41. 田畑政治

    田畑参考人 ポスターの点、どうも初めて御教示を受けて大へんありがとうございます。実はあれはポスターをりっぱなものを作ろうということで、第一回、第二回もデザインとしては国際的に非常にほめられるものであることは間違いありませんけれども、あまりそういう国際的とかどうとかいうことを考え過ぎ、大き過ぎて実際には張ってもらえないということがあると思います。実は私は今度浜松へ行きまして、あれを十枚も持っていって張ってもおらうと思ったところ、張ってもらいたいというところはあっても、張る余地がないということでございますから、少なくともあの四分の一ぐらいのものを多数作って、そういう浴場であるとか、環境衛生関係とか、中小の商店あたりに張ってもらうようなことを早速考えたいと思います。  それから、今の田中さんのおっしゃったことと同じことで、実はこの間電通の社長のところに行って、どうも金の問題があるから協力してもえないかと言ったら、あなたは逆なんだ、金集めをする前にムードを起こすようなことを徹底しなければだめじゃないか、まず、いかにしてオリンピックというものを徹底さすかということに全力をあぐべきで、その上での金集めなんだ、その点は自分の方で十分考えてみるからということで、おっしゃる通りでありますが、その点は今後十分努力してやっていきたいと思います。  ポスターの点は、至急、今の四分の一ぐらいのものを考えたいと思います。
  42. 靱勉

    ○靱参考人 ただいま川中委員の御発言、まことにごもっともでございまして、事実基本的にムードが上がっておりませんと募金というものはなかなか困難でございます。昨年国民全体にお願いするというので、十円募金を実施しましたが、これはおかげさまで五千万円の目標は達したのでございますけれども、これはとてもそういう程度ではまだまだ困る。本年度は一応七千万円という実際の計画を立てました。今度は二億に増しまして——これは二億以上ということでございますが、その際には、六大都市におきましては、単に切手売りさばき所だけではなく、たばこ小売商が全部これに協力してやろうということになりましたので、切手売りさばきとたばこのところには、事実昨年は大きなポスターを作りましたので、たばこ屋さんで獲れない。今度はステッカーで、割合にどこでも張れる。それから大きいのは、一般に目のつくところの、取扱所でないところでむしろPRする。それから電車の中でも、中張りというのですか、ああいうのも利用しようと思っておりますが、全体的に前回も新聞、ラジオ、テレビ、ラジオにおきましては最後までやっていただいたところもございます。そういうようなことで、今回はまた全面的にプレス関係、放送関係お願いいたしたいと思っておりますが、なお、東京ではお米屋さんが全部やってやろうということで、この九月一日からの十円募金を機会に、募金のPRでなくして、実はオリンピック自体のPRが根本でございまして、その上に募金は持っていかなければなりませんが、今田中先生のおっしゃっことはまことにごもっともで、組織委員会にも十分お願いいたしまして、なお研究いたしたいと思います。
  43. 田中榮一

    田中(榮)委員 それから道路問題につきましてちょっと御質問いたしたいと思います。  第一目標としては、来年の三月ごろまでに用地買収と物件補償につきましては大体九〇%完成する予定である。現在ではいずれの点も平均して三五%しか進捗していないというお話でございますが、実は本年の二月、ちょうどあとオリンピックまで千日あるというところで私は本委員会におきまして質問をいたしたのでございます。その際に、高速道路を含めて、主として道路でございますが、はたして三十九年十月までに完成するかどうかということにつきまして、非常に困難ではないかということを私は申し上げたのであります。そこで、きょうが七月の三十一日、残りを計算しますと大体七百九十七、八日しかない。もう毎日々々がわれわれとしては非常に貴重な時間になっているわけであります。このオリンピック開催まで八百日以内におきまして、現在寸断されております道路拡張、工事、それから高速道路というものをはたして完成できるかどうか。私が本委員会におきまして質問したときは、ちょうど千五日ほどあったと思います。それが現在二百日たっておりまして、そうして進捗の度合いというものは、まだそれほど進捗していないという状況でございます。そこで、道路の問題で一番困難を来たしておりますのは、七地の買収と補償の問題でございます。一体土地の買収つきましては、都におきまして土地評価委員会というものがあって、一々土地評価委員会の議にかけて、土地評価委員会が決定しなければ現実に土地買収ができぬという状況でございますが、手続上はどうなっておるか、土地買収委員会のメンバーはどういうものであるか、それについて本部長から一つ説明を願いたいと思います。
  44. 竹ケ原輔之夫

    ○竹ケ原参考人 お答えいたします。  進捗の状況でございますが、全体として平均して三五%でございますけれども、お力を入れております大きな幹線におきましては、約半分程度できておりまして、ちょうど先生の御質問のあった当時は、いろいろ反対とか、その他もございまして、半ばするというような格好でございましたが、今日に至りましては、やはりあと残すところ幾ばくもないという、終わりがきまっております関係と、すでに五千何百戸のうち約二千五百戸程度は移転の準備もし、完全に移転したのは約千数百戸でございますけれども、青山通りども、一日見なければというほどで、どんどん移転しております。それから私どもやはり完結をしないとパーセントにあげないものですから、たとえば準備しております分でも、移転過程のものなどは移転として勘定いたしておりませんけれども、しかし、何と申しましても、これは田中委員のおっしゃる通り、私は難事中の難事であると思うのでございます。と申しますのは、約六十キロにわたって、大々的な都市改造であるならばいざ知らず、細く長く人の土地をこちらの思ったように削り取り、そして買い主が一人であって、他のものを選ぶことができない、時期も遷延させることができないというような三大制肘がありまして、やはりいろいろ再建対策の問題その他で非常に困ることがございますが、こういうことにつきましてようやく私の方でもいろいろな措置をとりまして、御賛同を得ております。何といたしましてもこれは完成するように努力いたしておりまして、また逐次その線が伸びて参っておりますので、今後ともよろしく御指導御鞭撻のほどをお願いいたしたいと思うのでございます。  なお、土地の買収でございますが、これは東京都に十何人かの編成になっておりまして、半数は民間の銀行の不動産の部長さんとか、その他民間を代表する人が半数、半数は都の財務局長とか管財部長とか、その他、都の吏員のうちにおきましてその方面の者が合体いたしまして委員会ができておるわけでございます。そうして土地評価委員会に出ます前に出先の事務所におきまして、まず関係のない特定の専門家に委嘱いたしまして大体の値踏みをいたし、これを建設局におきまして、土地調整協議会というものがございますが、そこにおいて全般的なつり合いその他、適正であるかいなかを検討し、相当程度固めたものを土地評価委員会にかけて最後の決定をいたしてもらっておるわけでございます。土地の値段は、御承知通り、これほどめんどうなものはないと思うのでございますが、幸いにして、今まで土地の値段につきましては、大体評価委員会におきまして決定願いました分に従いまして御賛同を得ておるわけであります。
  45. 田中榮一

    田中(榮)委員 ただいまのお話によりますと、建設局内の土地調整協議会、それから都全体の土地評価委員会、二つの関門を通過するわけでありますから、そこで、土地調整協議会並びに土地評価委員会で、一定の水準といいますか、基準というもの、評価価格に対する基準額というものがきまっておるわけでありますが、基準額は、昭和何年何月ごろの土地価格を基準にしてそれを設定されておるのでございますか、その点をお答え願いたい。
  46. 竹ケ原輔之夫

    ○竹ケ原参考人 土地の問題につきましては、国におきましても公共用地取得の協議会がございまして、あらゆる角度から試案をし、また審議もいたしておるわけでございまして、東京都におきましては、基準はございますが、これは御承知通り適正なる価格、こういうことでございまして、いろいろな条件はございます。地勢、環境、日照の程度とか、数項にわたる決定要素はあるわけでございますが、これを都内全般に照らし合わせまして最終決定をするわけでございますが、やはり近傍類似の売買価格も参考にいたします。ただ私ども、たとえばこの地点に銀行を建てるならば、坪三百万円であろうが四百万円でありましょうが、いわゆる銀行屋としての土地取得の価格は適正であるかもしれませんが、道路という公共性である以上、再建の回復の度を犯してはいけませんが、まずその沿道の道路にかかる方も再建し、土地の値段も適正であるというところから、基準の数項目を参照いたしまして、また時価も参照いたしまして決定いたしておるわけでございます。
  47. 田中榮一

    田中(榮)委員 今回の道路拡幅事業、それから高速道路の土地買収の件は、大体最後の締め切りの期限というものがきまっておりまして、昭和三十九年十月までにこれを完成せればならぬという一つの締め切り期限がきまっての事業でありますから、土地を持っておる者もその辺は見越しての要望だろうと思いますが、ただ普通の道路拡張工事とは違いまして、そうした期限付の事業でありますので、適正価段もけっこうでありますが、単に適正値段でやっておりますと交渉が非常に長引きまして、私の考えでは、こうした事業はお上の必要によってどけといってどかせる——表現が非常にまずいかもしれませんが、政府の方針により、国の方針によって、三十九年十月までに道路を作るのだから、どけ、こういうようなことで押しつけるのでありますから、従来のずっと古いときにお作りになった土地の評価基準というものをあくまで固守しておやりになっておったならば、これはなかなかまとまらぬ。その辺の事情は土地評価委員会委員方々もよくおわかりと考えておりますので、その辺は一つ融通性を持って土地評価の値段を決定していただいて、同時に、やむを得ずその土地を追われる人々の立場も考えて、ある程度の要望はこれを達成して、一日も早く土地買収の契約を進めていただく、こういうようにいたしませんと、ごしごしお互いがやり合っておりますと、これは法律問題にもなって、法廷闘争になって参りましたら、二、三年そのために道路が全然できぬという結果になるおそれも私はあると思いますので、その辺のことは都の皆様方も十分御理解ある態度で一つ臨んでいただき、また土地調整協議会並びに土地評価委員会関係者の皆様方もそういう点を十分御理解の上で、あと残されたタイムというものが七百九十七日、もうわずか八百日足らずしかないのでありますから、この一日々々というものは私は貴重な時間ではないかと考えておりますので、そういう点を十分御考慮の上で善処されますることを強く要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
  48. 島村一郎

  49. 阪上安太郎

    阪上委員 先ほどからのいろいろな質疑応答の中から、私さらにこの際御質問を申し上げ、同時に委員長にも要請いたしたいと思うのであります。御案内のように、東京オリンピヤードというものは、四年の会期をもってすでに二年、その半ばを過ぎておる現在の段階において、先ほどからのいろいろな問題がまだ依然として目鼻が十分についていないという状態であります。非常に遺憾であります。ことに先ほど伊能さんからの発言がありまして、私は実はがく然とした。今のこの段階において、この程度のオリンピック予算、これがきわめて膨大な予算であり、またきわめてぜいたくな予算であるということを政府当局は考えておる。こんなことはもうとっくに議論済みのものであると私は考えるわけであります。会期あとわずかに二年しかないという段階において、そういった関係閣僚の考え方というもの、全くオリンピックに対する認識を欠いておるような発言をしておるということを先ほど伺ったのであります。われわれこの委員会は、御承知のように、東京オリンピック大会準備促進委員会であります。われわれの建前からいっても、ああいったものの考え方に対しては相当思い切った追及をする必要があるのであります。本日は川島さんあたりここに見えるだろうと思っておったのでありますが、何か所用で出てこられないということでありますので、控えておった。また先刻も津島会長質問しておるのですが、そういった点を含めて、きわめて意味深長な質問をしておったつもりであります。組織委員会としてはかなりの決意を持っておったようにも思えたのでありますが、あにはからんや、肝心の政府当局の考え方がああいったものの考え方であるということについては、私は非常に残念に思っておるわけであります。従って、次の機会に、そういった考え方を持っておる政府当局に対して十二分に私はそのことを明らかにしていきたいと思いますので、オリンピック関係閣僚を全部ここに呼んでもらいたい。このことを私は委員長一つお願い申し上げておきます。  それから今度のこういった問題につきまして、私もほぼ予測はいたしておりました。この中には、私の考えとしては、多くの人事問題も含まれておると思うのであります。そういうことになりますと、非常に忌まわしいオリンピックというものが作り上げられていくというおそれもなきにしもあらずという考え方を持っております。この際特に組織委員会の方にお伺いいたしますけれども、もう少し組織委員会充実する必要があるのではないかと思うのであります。現在組織委員でかなり欠員があると思うのでありますが、そういったものに対する補てん等は組織委員会として考えておられるのでありますか。そういうことにつきましては、そのままでいってしまうという先ほどのお話があったのでありますが、そういう考え方に立っておられるのかどうか、こういうことを伺いたいのであります。もっと組織委員会充実して強力なものにしていくという考え方があるのか、それは強力なものにする必要はもうないのだ、このままでもうずるずるべったりでいってしまうのだ、こういう考え方を組織委員会としてはお持ちになっておるのか、これは端的でけっこうでありますから、はっきりとしていただきたい。総裁問題なんかでも、名誉総裁天皇陛下をああいうふうにかつぎ出してきておる。従って、そういうことをやるならば、総裁などについても、もう少し組織委員会強化する意味において考えられるべきだと思うのでありますけれども、そういった点についても、先ほどのように、ただ漫然と、今まだ議題に上っていないというような程度で押し切っていこう、こういう考え方で組織委員会はおられるのか。全国的にちっともPRされていない、また盛り上がっていないと言われますけれども、その多くの欠陥の一つとして指摘されるのは、先ほどの、今どきになって政府当局がそういうものの考え方でおるということなんです。関係閣僚懇談会を開いて、そうして担当の大臣まできめておるのだから、もう少し思い切った前向きの姿が出てくるだろうかと思っておったところが、きょう伊能さんからの報告によると、これはごく一部の報告だったと思うのでありますけれども、何かうしろ向きの、足を引っぱるような動きになっているということは、これはまことにけしからぬ。それと同時に、そのことについては私は次の委員会で十二分に問いただしていきたいと思いますが、組織委員会としてもやはり考えなければならぬ点があるのじゃないか。そういう点について、何かみずから省みてお考えになっていることがあるかどうか、これをこの際一つ何っておきたいと思います。
  50. 島村一郎

    島村委員長 ただいまの御発言中、委員長に対する御要望がございましたが、これは必ず善処いたすことに御了承願いたいと思います。
  51. 田畑政治

    田畑参考人 今の阪上委員の御発言は、組織委員会整備強化しようというお話、これについては、津島会長の力で考えていらっしゃると思います。私の方で案を立て、これを組織委員会の方でOKをとって、これを実施に移していくということが私の仕事ですから、その点につきまして、組織委員会に案として上げるものが、りっぱなものと申しますか、完全なものでなければなりませんが、そういうための私の方の事務スタッフを強化するということは今考えておりますし、着々着手しております。問題は、何と申しましても三年間ですから、強力な職員を集めるということは実際問題として非常に困難であります。結局、失業者救済のような状態に陥るおそれが強いので、そうでなくて、ほんとうに熱意もあって腕もあるという人は遊んでいないというところに非常に問題がありますので、現在は役所ないしは大きな会社から出向さしてもらう、方々会社で放したくないという人を、三年間借りてくるのだということで、事務組織強化したいということを今やりつつあります。現に今警視庁、警察庁、防衛庁、大蔵省、文部省からも、多数ではありませんけれども、優秀な人を出向してきていただいておりますし、さらに競技関係については、これはこちらから名ざしで地方の県にいる若い人を集めてもらうようにということを文部省と話し合っておりますけれども、この点も何か旅費の問題、転任の問題というようなこと、それからあとの恩給の問題ですか、退職金の問題ですか、そういう点についてなかなか問題があって全面的にいかぬというので、これは文部省の方でも研究してもらっております。それから大きな会社からも最近十名程度の非常に優秀な、言葉のできる君を出そう、しかもこれは無償と申しますか、経費を自分が負担して出そうという申し出もありますししておりますので、ことしの十月ごろにはスタッフははっきりしたものができるだろうと考えておりますから、執行の面については私は十分やっていけるだろうと思います。  さらにこれに対して、大きな方針をきめる方の組織委員会については、これはおそらく今度自動的に——職務上なっておりますのは、経団連の会長とか日商の会頭とかいう職になっておりますが、今度社会党の重盛さんが、参議院議員でなっていたのが落ちまして、この問題もありますし、あるいは総務長官がかわったということがありますので、そういう点に関連して会長の方でお考えになっているのじゃあるまいか、こういうふうに思います。
  52. 阪上安太郎

    阪上委員 そうしますと、組織委員はある程度今度は欠員を補てんしなければならないという段階にきているのじゃないかと思うのです。組織委員会の顔ぶれについて、一々私から人物批判をするわけには参らないのでありますが、よほどこの委員会としてもしっかりした態度で選定されることが必要じゃないかと思うのであります。少しうがち過ぎたものの見方かもしれませんけれども、先ほどの閣僚懇談会等においてぼつぼつ出ているようなああいう引っ込み思案的なものの考え方の背後には、やはりそういった人事問題ともからんだものの考え方が出ているように私は推測するのであります。従って、そういう点についても組織委員会は、批判を受けないような態度で、適正な人事をなさることが必要じゃないか、こういうふうに思うのであります。  いろいろ申し上げたいことはたくさんあるのでありますが、それは今のような段階ではまだあまり公にすべきことではないと私は思いますけれども、いずれにしても、この段階に至って政府の態度がきわめて非協力的な態度に変わってきているというようなことは、これはおそるべきことだと私は思っております。これは政府組織委員会もともに何か考えなければならぬ問題があるのじゃないかというふうに考えますので、実は質問をしたわけであります。私の質問はこれで終わります。
  53. 島村一郎

    島村委員長 なお、この際、私から、先ほどのオリンピック関係の閣僚懇談会の模様につきましてちょっと申し上げますが、大体は先ほど伊能委員からの御発言にありましたので御了解がいただけたと思いますけれども、きょうの主要な問題としては、資金調達の問題が重点でございました。これにつきましては、川島担当大臣から関係閣僚に向かって協力方を強く希望していただきましたので、私どもも、ああこれは政府としてようやく本腰が入ってきたなという感じを持たされたのであります。その次の問題は、道路の進捗状況につきまして、一体東京都の財政はどんな調子なんだということで、鈴木副知事から御説明がありまして、財政が苦しいから、何とかこれは起債のワクでもふやしてくれというようなお話まで進みました。それに対して大蔵大臣もできるだけ協力的な態度を示すような御発言がございました。大体申し上げますと、簡単ですが、その程度で閣僚の懇談会を終わりました。その前に、昨日川島大臣から招かれまして、伊能委員も御同席でしたし、それから前の閣僚の中村建設大臣、それから福永労働大臣ですか、こういう方も呼ばれまして、懇談いたしたのでありますが、結局今申しましたような、これからの資金繰りをもう少し徹底的に、しかも急速にやっていかなければなるまい、どんな問題をとらえて持っていったらよいかというようなお話もございまして、それに対しましては、きょう参考人でおいでになりました靱さんからもいろいろ御発言がございまして、川島さんはすべて納得して、それじゃ他の閣僚にぶつかっていこうというような決意のほどを示されたような次第であります。一応きのうときょうの閣僚懇談会の模様を、簡単ですが、御報告申し上げておきます。
  54. 伊能繁次郎

    ○伊能委員 さいぜん私の申し上げたことで若干誤解を生ずるといけませんから釈明しておきますが、政府部内には、ただいま阪上さんからお話のあったような非協力というような空気は、これはつゆさらありませんです。ただ、今後急速に実施をしていく上において、事態を明確にしなければいけない、従って、まだ資金の内容その他については十分事態が明確でないものがあるように感ぜられるということで、それらの事態を十分明確にして、必要なものはこれは十分に計上しなければいけないが、必ずしもそうとも受け取れないようなものがあるのではないか、従って、その内容を十分に検討すべきではなかろうかという意見と、同時に、資金調達の方法についても、政府部内としては、この際、さいぜん靱理事長から御発言があったような問題についても十分検討をして、急速にきめなければならぬというような、若干慎重論があったということで、非協力的であったということではなかったということを、私の質問のうちで誤解を受けるといけませんので、その点だけ明らかにいたしておきたい、かように思います。
  55. 島村一郎

    島村委員長 本日はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後一時四十一分散会      ————◇—————