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1962-03-27 第40回国会 衆議院 オリンピック東京大会準備促進特別委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十七年三月二十七日(火曜日)    午前十一時五分開議  出席委員    委員長 島村 一郎君    理事 伊能繁次郎君 理事 臼井 莊一君    理事 小金 義照君 理事 田中 榮一君    理事 阪上安太郎君       上村千一郎君    金子 一平君       佐々木秀世君    濱野 清吾君       藤原 節夫君    南  好雄君       大柴 滋夫君    村山 喜一君  出席政府委員         総理府事務官         (内閣総理大臣         官房審議室長) 江守堅太郎君         文部事務官         (体育局長)  前田 充明君         建設事務官         (都市局長)  前田 光嘉君  委員外出席者         参  考  人         (東京オリン         ピック準備局         長)      関  晴香君         参  考  人         (オリンピック         東京大会組織委         員会会長)   津島 壽一君         参  考  人         (オリンピック         東京大会組織委         員会事務総長) 田畑 政治君         参  考  人         (オリンピック         東京大会組織委         員会事務次長) 松澤 一鶴君         参  考  人         (東京オリン         ピック資金財団         理事長)    靱   勉君     ————————————— 本日の会議に付した案件  オリンピック東京大会準備促進に関する件      ————◇—————
  2. 島村一郎

    島村委員長 これより会議を開きます。  オリンピック東京大会準備促進に関する件について調査を進めます。  本日は、参考人として、東京オリンピック準備局長関晴香君、オリンピック東京大会組織委員会会長津島壽一君、同事務総長田畑政治君、東京オリンピック資金財団理事長靱勉君、以上の方々の御出席をいただいております。  この際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。  本日は、御多用中のところ、本委員会調査のためわざわざ御出席を賜わりまして、まことにありがとうございました。厚くお礼を申し上げます。  この際、発言の申し出がありますので、これを許します。臼井莊一君
  3. 臼井莊一

    臼井委員 組織委員会会長さんにちょっとお尋ね申し上げますが、オリンピック大会準備についてはいろいろお進めいただいて大へん御苦労さまでございます。当面至急に解決しなければならない問題につきましてお尋ね申し上げます。  一つは、資金の問題、これは競輪とか競馬とかいうような問題でいろいろ法案等整備を待って進められる問題もありましょうが、施設の面では私ども承知いたしておりますのは、一つ交通の問題、交通の問題でも道路の問題でございまして、先日新聞でちょっと拝見をいたしますと、都の方の予算の面が何か立ちのきの補償費用が足りないというので、都の建設局ですか、これではオリンピックに間に合わないかもしれないというようなお話があった。もう一つは、羽田から東京に通ずる高速道路の一号線の問題、それからもう一つボートコースの問題と思いますが、そのほかに、いろいろございましょうけれども、何かとりあえず解決しなければならぬ問題がございますか、その点をお伺いいたします。
  4. 津島壽一

    津島参考人 ただいま御質疑の点、オリンピック組織委員会としてこれから解決を要するいろいろな問題についてどういうものがあるか、特に御指摘の二、三の問題がございますが、この際ちょっと簡単に申し上げます。  いよいよ来年度から三十七年度予算並びに機構の改正事業計画の確定、経理規程改正とか、こういうような一連の仕事を明日の組織委員会総会にかけまして、新しい態勢でやっていこうということに相なっております。これらはいずれも、交通問題にも一つの部を置くといったような問題も含んでおります、また、選手村の設営関係一つその部において処理する、そういったいろいろな問題がございますが、そういった態勢を整えていこうということになっております。この件をまず御報告申し上げます。  さて、それ以外に当面未解決の問題でわれわれ苦心しております二、三の問題、それは申し上げるまでもなく資金の問題であります。これにつきましては、資金財団は非常に御努力いただいておりますが、この全体の資金のワクがどうも現状においては予定よりも多くなるのではないか、それに応じてこれを調達する資金事業計画というものも拡充し、また内容を充実しなければいかぬ、こういう問題であります。これにつきましては、一体どのくらいの経費予定増加を必要とするかという問題を、今具体的な計数を出しております。今月一ぱいにそういうものができるという予定でございます。それに応じて、こういった事業からこのくらいとらなくちゃならぬだろうとかいう、いわゆる財源調達の部面の全貌がここにでき上がってこよう、こういうことになっております。これに対しては当委員会においても御説明申し上げて、またいろいろ御配慮願い、お知恵を仰ぐということに相なろうかと思っております。  そこで、具体的の事項としては、第一は競技施設の問題、これは大体九分通りきまったと申し上げていいわけでございます。これに対する予算の裏づけもあるのでございますが、一つ今まだ競技場として検討を加えておるのが自転車の競技場、これが後楽園の競輪場を利用する予定でございましたのが、競技の実行上の技術面から多少これに欠点があるということで検討中でございます。その他は、競技場候補地と、またそれに対する措置は大体きまっております。ただ、御承知のような問題、すなわち戸田漕艇場の問題でございます。コース自身はできておりますから、競技ができないとは言えないのですけれども、御承知のような周辺の事情でございまして、この国際的な行事をやるにあたって、現状のあの周辺では、どうもこれに対する批判というか、あとで取り返しのつかぬことが起こるのではなかろうか、だから、ある程度の公園整備という意味措置が必要である。この問題も、総理府中心として関係各省、またわれわれも参加して検討を加えておるのでございまして、また御質問に応じてお答えすることが適当かと思います。  それから、こまかい問題になりますが、御承知のように、モスクワで六月五日から始まるIOC総会に、あらゆる企画、プログラムを持っていくわけでございます。その中には当然に、会期の問題、またその会期内のプログラム各種競技の日取りというか、時間割というか、その問題がございます。六月からある会議でございますから、四月一ぱいぐらいにはこれも確定したいと思っております。それから、デモンストレーションのやり方の問題がございます。これもモスクワへ持っていくために、なるべく適当な案を早く固めて、こちらの報告書の中に加えなければいかぬ問題でありましょう。それから、トーチ・リレーの問題、これは今、人を派して検討中でございます。そういったようないろいろな問題がございます。なお、受け入れ態勢として、少年団等の外国からくる者に対していかなる設営をするかという問題が検討の一項目になっております。  しかしながら、一番関心を持っているのは、戸田コースとともに交通の問題でございますが、御指摘の、羽田から都心へくる高速一号のハイ・ウェイでございます。これは当委員会においても、すでに昨年いろいろ御熱心にこの点について御検討をいただいたのですが、その段階において大体十二月一日からあそこのボーリングを始めるとか調査をするということが、地元との間に協定ができて進行しておる、こういう状況でございます。ただし、補償問題がまだ万全の解決をしていないというように私は承っております。この高速一号は絶対に必要なものであって、現状における京浜国連のあの交通麻痺から、このままにおいてオリンピックになった場合の事態を想像いたしますと、オリンピック玄関口において失敗するというようなことになるのじゃなかろうかということで、今日は東京都のオリンピック準備局長もお見えのようでございますから、こういった問題については私よりも局長の方からお答えするのが適当であろうかと思う次第でございます。  大体以上の点が当面の諸問題として私ども作業に従事し、一定の時期までに仕上げて準備態勢を確立する、こういうようにしたいと思っておるわけでございます。
  5. 臼井莊一

    臼井委員 大体承りましてわかりましたが、東京都のオリンピック準備局長の関さんにお伺いします。この間新聞で見ますと、今もちょっとお話し申し上げましたように、何か補償予算が足りないので、この分が間に合わなくなるかもしれぬということが出ておって驚いたのですが、この点については都の方ではどういう準備をされておりますか。
  6. 関晴香

    関参考人 これは当初百工億ほどの予算オリンピック関連道路の三十六年度作業を始めたわけでございますが、非常にスムーズに事業が進展いたしまして、百二億ではとうてい足らぬという見込みが昨年十二月にすでに立ったわけでございます。そこで、概算いたしまして約六十億が年度末までに不足する、ということは、予算以上に六十億の事業ができるということで、われわれも喜んでおったわけでございます。その金繰りにつきましては、大蔵省当局とも道路につきましては話がついておりまして、できればできただけめんどうを見るということでございましたので、東京都と政府と連絡をとりましたが、約六十億の不足については国の補助金が間に合わない、一応都で立てかえておけということで、都といたしましてはその金繰りに一時非常に困りましたが、何とか借入金等で一応六十億のめどがつきまして、幸い年度末までには合計百七十億の消化ができる見通しに現在なりまして、御安心いただきたいと存じます。
  7. 臼井莊一

    臼井委員 準備を十分されているようですから、私ども信頼いたしますが、きょうは高速道路公団の方はお見えになっておりませんか。
  8. 島村一郎

    島村委員長 見えておりません。
  9. 臼井莊一

    臼井委員 それでは、この次に参考人として公団の方においでいただいて、今の高速道路一号線の問題とか、完成期予定等——というのは、これは東京都の場合もそうですが、予算でも今言ったように約六〇%も増加しておるというようなわけで、すべての建設工事というのは意外に手間取るものです。そして完成期予定をいつにされておるかわかりませんけれども、普通の仕事と違って、もうオリンピック大会予定日はきっちりきまって動かせないものですから、もしこれが狂ってしまうと大へんなことになりますので、これらの点について一つただしたいと思います。  それから戸田ボートコースの問題がまだ大蔵省埼玉県、それから組織委員会の方とぴったり意見が一致していないように伺っておるのでありますが、本日も実は大蔵省に来てもらいたいのですが、予算で参議院の関係もあるので、次会にこれを一つぜひお呼びしていただいて、ただしたいのです。それ以外の面で組織委員会の方の御意見をこの機会に承りたいのは、先般来伺っておりますところでは、コースは、予算が文部省で一億九千二百万でございますか、ついたので、これはできた。ところが、まわりの環境の整備費用が、総額六億でやりたいというのが、大蔵省でその三分の一を出してくれない、要するに二億出してくれないというので、埼玉県の方で四億は出さない、それで非常に縮小した案でやるように聞いておりますが、これはやはり大蔵省で三分の一出さない以上は、自分の方としては、何かこの前伺ったのでは、二億前後のように聞いておりましたが、その範囲内でやるより仕方がない、こういうような意向でございましょうか。
  10. 津島壽一

    津島参考人 戸田コース関係しまして問題が三つあります。一つは、拡幅、すなわち九十メートルにこれを広げるという問題、これについては一億九千万の予算がつきましたから、三十七年度においてこれは実行できます。第二は、競技場に必要な設備でございます。たとえば審判台であるとか、スタンドであるとか、その他艇庫とか、そういういろいろな地上設備でございます。この予算は、私どもは三十八年度所要額をいただいて、三十八年度にこれを実行する計画でございます。これはまだ大蔵省で三十八年度につけるという約束というか、それを得ておらぬわけでございます。三十八年度においてどうしてもこれはやっていただかないと、競技そのもの支障がある、こういう問題が第二でございます。第三は、周辺整備であります。すなわち、このコースの両側でございますが、主として川沿いのところにあるいろいろな建物を整備して、これでオリンピック競技場としての体裁を整え、また同時に、二万、三万の人がここに観衆として集まるものに対してのそういった通路とかいうものを拡大するというような両面の必要がある。この公園整備の問題、これは大体六億をもって全部が完成し得るという予算計画のもとに、公園整備費政府から二億円、三分の一、埼玉県は県費をもって四億出す、そういう計画であったのであります。これが三十七年度予算に全部計上されなかったという事態が今日の状態でございます。その後いろいろ調査いたしまして、埼玉県、また政府当局総理府中心となって関係者の会合をいたしておりまするが、現状においてはまだ一致点を得ておらないわけであります。その点は、埼玉県の考え方は、政府公園に対する補助というものなくしては、全面的の整備計画はやらない、一文も出さない、県費でやるということは、県民、県議会がこれを認めない、従いまして、全然ないとすれば、それに間に合わせ——と言ってはいけませんが、一応の計画としては、現在の周辺整備というものについては手をつけないで、この周辺公園地帯としての形を整えていこう、こういうふうに逆になるわけでございます。そういう状況であります。そのために、予算計画としては、約二億八千万の予算県費に計上していいということになりましたが、三十七年度県議会においてはこれを提案せずに用意して待っておる。もしこの周辺家屋整備までも加えてやれるということになれば、この予算を四億に増していこうという腹づもりもございまして、現実県議会には提案されてないという現状であります。しかし、政府側といたしましては、この周辺家屋、特に必要なのは、われわれはこれをE地区と言っておりますが、この艇庫の裏に九十五戸の非常にきたない家屋がございますが、これはぜひ最小限度とっていただきたいというのが、われわれ組織委員会の希望でございます。そういう点において、その金は大体——Dという工場がございますが、その地区はしばらくおいても、ここに二億円ばかりの経費が要るわけでございます。それに対して政府がどれだけの補助をするか、そういうふうに限定した場合でございますが、そういった問題が今まだ折衝の段階にあって、詳細申し上げませんが、未決案件としてある、こういう状態でございます。埼玉県としては、政府が出せば、自分の方では四億予定通り出してやろうという方針は、当局がわれわれにはっきり申しているわけでございます。そういったような現状でございます。
  11. 大柴滋夫

    大柴委員 関連質問。実は津島さんにお尋ねするのがいいのか悪いのかちょっとわからないのですが、私どもオリンピックの話をいたしますと、オリンピックのことについて多少知っている人からは、必ず戸田コースの話が出るんです。あんなところに幾ら金をかけてもきれいにならぬではないか、ああいうところで国際的な試合をやるのは、日本としては恥ずかしいではないか、できれば相模湖の方へ持っていきたい、そういうようなことをオリンピック関係を多少知っている人は言うんです。私は、相模湖がいいか、戸田がいいかということは知りませんけれども、もしたとえば相模湖なら相模湖ということを決定するには、何か特別の悪い材料とか、あるいはお金がかかるとか、そういうことがありますか。
  12. 津島壽一

    津島参考人 戸田国際競技場としてふさわしくないということをおっしゃる方もあるようでございます。しかし、それは過去の状態をいっての話だと思うのでございます。今われわれの企図しているような計画が実現すれば、これは現在国際競艇界責任者も来て、ここがいいということを言われているくらいでございますから、私は決して恥ずかしくない国際漕艇競技ができるものと思っております。  それはそれとして、それより他にいいところはないかという意味において、たとえば相模湖のごときがよりいいのではなかろうかという話もずいぶん聞くのでございます。そこで、この問題については、われわれ部内関係の者はもうすでに一昨年もそこを見て、調査もしました。ただ、これはそこをやるというための調査ではなかったのです。他にも適所ありやという意味においての調査でございます。組織委員会としては、あれはいけないという決定をしないで、こちらがいいということで決定しているのが現状でございます。  そこで、御質問のありました相模湖の例を申し上げます。これは専門的に研究したものでございますから、私の答弁で十分でなかったならば補足するということにいたしまして、概略をちょっと申し上げたいと思うのです。私は専門の者ではありませんから、その点は一つ専門家に補足していただきますということを前提に置いて申し上げます。  これはボート競技場としては、やはりコースをどうとるかという問題が大きい。景色とか何とかいうことも、つけ加わるものとしては、よければなおいいということですが、今までのわれわれ内部の専門家検討によれば、あの途中の水面において、ゴールスタンドの配置からいって、スタンドからゴールのところが見られないように途中に島なんかがあって、その技術的な設計をするときに非常に厄介なものがあるということを申してきたのであります。それから水深の問題でございます。三十九メートルの水深相模湖は持っておる。戸田はわずか数メートル、まあ三、四メートルのものでございます。ここへ線を引いてコースをきめるという場合に、非常に深いところへ行くと——鉄線を張るわけでございますが、作業が非常にむずかしく、また動くという競技上の欠点があるともいわれておるわけでございます。それから、分村をしなければいかぬという問題がある。相模湖には何人の選手役員が集まるかということは、今後の問題でございますが、大体従来の例からいって、選手は、カヌーもいたしますとして、七百人の収容は必要だ、役員は百人、約八百人の分村というか、ちゃんとしたビレッジは作らなければいかぬという問題がある。戸田の場合は、ワシントン・ハイツは広うございますし、距離も近うございまして、道もできるという前提のもとに、あそこに分村というものは作らないで、わずか休憩するような仮りの施設というか、そういうものを作って間に合う。ところが、十日、二週間あそこへ泊まるということになると、ほかの例におきましても、あそこへ分村式のものを必要とする。非常に距離が遠いものでございますから、これには相当金がかかる。人件費も、それだけの設営をするだけの担当者も置かなければいかぬ、こういうような欠点がここにあるわけです。また、駐車場設営しなければいかぬ、これについては、ある程度まで人家を撤去しなければいかぬという問題もあるかと思うのです。やり方にもよりますが。それから、多数のボートをあの距離運んでいくということも、われわれ組織委員会として相当経費をここに負担しなければいかぬというようなことも考えなければいかぬ。もう一つは、電信電話設備です。直通電信電話施設をあそこへ作るということについては、これは直接でありませんが、部内の者がいろいろ関係当局と話したところによると、どうも直通電話をあそこまでやるという期間の問題、技術的問題が非常に支障が起こるというようなこともございます。また、内外の通信記者団、これがまたあそこへ出かけていって競技を見る場合の設備ということも考えなくちゃならぬ。東京都内においては、プレス・ハウスを作って、ちゃんとした便宜を一括してやれるというようなこともございますので、ヨットの場合は例外でございますが、一つ競技のためにそういった大きな施設をするのは、国費の上、われわれの運営上どうであろうかということは、どうしても考えなければならぬ問題であるので、私どもはあそこがあるということは知っており、また、国内の練習競技などに使う場合においては適地であって、将来も利用するということも当然私は考えなくちゃならぬことであり、また、現実練習場に使うということについては、もうすでにやっておるものもあるわけでありますが、要するに、コースをとることの技術の問題、また水深関係、その他運営の問題、設営関係において、あのために相当多額費用が要るということがわれわれの見ておるところでございまして、戸田ならば、今言ったような設営の金も、全部入れましても——コース関係は残るものでございまして、決してこれはオリンピックのためだけだとは申しません、その他の点からいっても、戸田ということに組織委員会としては決定をし、また昨年十月末にも再確認をして、そうして閣議においてもこれは了承されておる、そして拡幅は認められたということでございますので、そういった意味合いで——甲乙優劣は、いかなる場所についても、いかなる競技場についてもあることでございまして、いろいろな意見があるということは非常にけっこうなことだと思うのですが、われわれの見ておるところの概略を申し上げて、これはやはり変更するだけの理由はないんじゃないか、こういうことでございます。
  13. 島村一郎

    島村委員長 ちょっと御参考に申し上げますけれども、きょう津島会長はドイツの大使との予約がございますので、もうしばらくしてここを御退席になります。それから田畑参考人は、イギリスのオリンピック委員長が来ておられまして、やはりその人と午餐をともにしながら打ち合わせをやるという予約をお持ちのようですから、お二人はしばらくして退席いたしますから、御質疑がありましたら、できるだけお急ぎいただきたい。
  14. 臼井莊一

    臼井委員 それでは、事務総長会長さんもお急ぎのようですから、きょうは簡単にとどめておきますが、今の相模湖の問題については、まだ大蔵省などには多少そういうような考え方があるようでございますので、この点は、この次にでも、そういう考えでなく、やはりもう予算もつけたのでありますから、一つ整備の方を十分やるようにわれわれも質問をしたいと思います。  そこで、今伺いますと、埼玉県では、二億八千万だけは、かりに政府から二億の予算がなくても、つけようという用意はあるが、決議をしない。というのは、かりに大蔵省の方が出ないとこのままでいくことになりますが、時期的に、せめて埼玉の方だけでも一億八千万の決議をいただいて進めないと、それだけでも非常におくれるんじゃないかと思うのですが、その点、埼玉県の方はどうお考えなのでしょうか。これは埼玉県にお伺いしなくてはならないのですが……
  15. 津島壽一

    津島参考人 埼玉県の計画は、家屋の撤去という問題をあと回しというか、触れないで、公園地帯を造成するという金だけ見たのです。ところが、私どもは、先にそれだけやって、こっちを残してしまうと——公園造成は、スタートのずっと先のところまでのりっぱな公園の形態ですが、大事なものをあとに残すと、そういったことが実行不可能になる懸念もあるということを知事さんも考慮になって、しばらくこの問題が処理されるところを見て、そしてもう絶対変えぬならそこで出そう、特に公園造成という仕事ならば、そんなに二年も三年もかかる仕事じゃないから、三月末に予算決定しなくても十分間に合うものである、こういう観点からちょっと見送っておるというのが現状でございます。
  16. 臼井莊一

    臼井委員 最後にちょっとお伺いしたいのは、オリンピックが済みましてからの戸田コース全体の所有とか管理とか、使用というようなことは、どういう方面でおやりになるのですか。
  17. 津島壽一

    津島参考人 これは文部省の方からお答えがあると思います。国立で文部省が管理するようになると思いますから……
  18. 前田充明

    前田(充)政府委員 オリンピックの済みましたあとの問題でございますが、漕艇場は、現在はいろいろな関係になっておりまして、水利組合も一部持っており、それから埼玉県も一部持っておるというような関係でございますが、それを全部国に寄付をしていただきまして、文部省の管理で将来運営をしていく、そういう考え方でおります。
  19. 島村一郎

    島村委員長 伊能君。
  20. 伊能繁次郎

    ○伊能委員 さいぜん同僚の臼井議員からお尋ねのあった資金の問題でございますが、津島会長からは、今月一ぱいには大体オリンピック終了までの経費の全貌についても調査をし、当委員会等にも報告をされる、こういうお話がございましたが、これについては私どもできるだけそういう方面についても御援助申し上げたい、かように思っておりますが、反聞いたしますところによると、財団の方でもいろいろ御苦労願っておる。競馬法の関係については、衆議院はもう通過をしてしまっておるので、参議院等でもいろいろ配慮されておりますが、今回は御希望のようにはいかなかった。あるいは競輪、オートレース、その他の点については、スポーツ関係に拠出できるような努力も皆さんもされ、また国会等においてもそういう考え方で援助をされるやに現に伺っておりますが、その他いろいろな、たとえば先般新聞に出ました郵便切手の問題あるいはたばこ等についても、いろいろ御検討をされ、かたがた御苦心をされておられるというようにも伺っておりますので、今後これらの問題等についても、財団等の資金の調達方法、また、政府部内でたばこ等については若干停滞しておるという向きも伺っておりますので、次会においては、さいぜん同僚臼井委員からもお話がありましたが、総務長官を初め政府関係の方々においでを願いまして、政府部内戸田の問題とか、その他意見の一致を見ていない——このときにおいて意見の一致を見ていないということは、はなはだどうもオリンピック遂行上にもいかがかと思われますので、これらの点が明確になるように、政府委員等においても次会はぜひ十分お打ち合わせを願って御参集いただけるように、一つ委員長から御配慮いただきたいと思います。
  21. 島村一郎

    島村委員長 承知いしました。  津島参考人及び田畑参考人は所用のため退席いたしますが、オリンピック東京大会組織委員会事務次長の松澤一鶴君を参考人として御出席席願うことにいたしますから……
  22. 伊能繁次郎

    ○伊能委員 ほかにお尋ねの方がなければ、文部省に一つお尋ねをいたしたいと思います。  政府部内オリンピック関係の業務機関ができておることも承知しておりますが、何としてもこの問題は文部省が中心になられて全体の取りまとめをするということでなくちゃならぬと考えております。戸田の問題その他についても、なおいろいろと政府部内においても意見の一致を見ていないというような点も、ただいま同僚からいろいろお尋ねがあったようでありますが、これらの点について文部省としてはどういうように推進しておられるのか。場合によれば、次会に文部大臣でも来ていただいて、それらの事情もわれわれはぜひお聞きをしたいと思っておるのですが、文部省としてオリンピック推進上これらの問題についてのお考えを伺いたい。
  23. 前田充明

    前田(充)政府委員 文部省にオリンピック準備室を設けまして推進役をするということにおいては、私どもそのようにいたしておるわけでございますが、先ほどお話しの政府対策協議会は、総務長官が委員長をしておられまして、各省関係の調整は総務長官のところでやっていただくということで参っておりまして、現在、戸田につきましても、すでにもう四、五回にわたりまして、総務長官を中心にいたしまして、もちろん私どもも参っておるわけでございますが、建設省、大蔵省、それぞれ関係の方にお集まりいただきまして調整をし、また推進すべきことを推進していただいておるわけでございます。従いまして、私ども直接表として文部省が各省をお呼びしてそうして調整するということでなく、私どもは縁の下の力持ちというような立場と申しますか、そういう意味総理府とは毎日のように十分御連絡もいたしておりまして、形式的には、総務長官を中心にして調整をし、推進をする。そういうようなやり方を現在までとっておる次第でございます。
  24. 伊能繁次郎

    ○伊能委員 それから、さいぜん同僚委員からもお尋ねがありましたが、津島会長の御答弁では、自転車競技については、後楽園のプロ自転車競技場では適当でないというお話があって、それについて今後御研究を願う、しかし、六月のモスクワにおける会議については、全貌を全部決定して持っていかなければならぬ、かような御答弁があったのですが、そのほかに、五種競技とかその他いろいろな問題で、まだきめる必要のない、これからで十分間に合うというような点もあられるのかもしれませんが、その他は、競技場その他は全部決定いたしておるのかどうか、その辺をお伺いしたい。
  25. 松澤一鶴

    ○松澤参考人 先ほど津島会長からもお話がありましたように、大部分決定いたしておりますが、まだ最後的には一、二決定いたしておりませんものがございます。たとえば自転車のトラックといいますか、自転車の競技場、自転車のピットの問題が、大体最初後楽園の自転車競技場を改造して使う予定にいたしておりましたところ、この競技場の斜面、トラックにできます斜面の傾斜が、アマチュアの方が急であって、今の自転車競技の方で使っておりますプロの方の斜面の方がむしろゆるいというような問題、これがオリンピックのためにそれを作りましたあとにおいてプロの方で使えないという問題が起きて、これが使えなくなりました。従って、これを新しくどこか別なところに作らねばなりませんので、目下のところでは、八王子の多摩御陵の下の方にあります陵南グラウンドといったようなものを作り直す案と、都の方においては、上井草競技場を作り直したらといったような問題等を今研究中でございまして、これが決定しないものの一つで、ございます。  それから馬術のうちに、三日間にわたりますスリー・デーズ・エベントというようなものがございまして、それのうちの耐久競技が、道路を含みまして三十数キロの距離を競走するのでございます。とても東京近郊にこれを求めることができないので、これを地方にやはり持っていかなければならないのではないか、この点につきましてまだ最後的決定を見ておりません。非常に困難な問題の一つで、一、二の候補地はございますが、いろいろ土地問題等がつきまとっておりまして、まだ決定いたしておりません。  それからあと、陸上競技のうちのマラソン競技道路の問題、マラソン競技と、それからウォーキング・レース、競歩というのがございまして、これはいずれもマラソンが四十二キロ幾ら、競歩の方がやはり五十キロといったような長距離を走ったり歩いたりいたしますが、これを今私ら組織委員会といたしましては、競技場から出て競技場へ帰るというコースをとりたいと思っておりますが、御承知のような交通問題で、なかなか思うような道路交通規制なしでとるということは不可能であります。ことに競技場付近の道路の工程の目安がつかない点もございまして、これらがまだ最終的に本ぎまりになっておりません。これも至急きめなければならぬ問題でございますが、これは競技場と言えるかどうか知りませんが、競技に用います道路を選定いたしかねるといったような事態になっております。  それからオリンピック競技において競技とともに重大な問題に、芸術の展示がございます。これは一つ日本古来のよい芸術を見せたいというようなことで計画が立っておりまして、先ごろ東京都の美術館等がお貸し願えるような決定までされておりますが、会場その他において多少問題がありまして、最終的の決定——これは芸術といいますか、絵画ばかりでなしに、歌舞伎とか音楽といったような芸能においても、できるだけ展示と申しますか。これを聞かせてやりたいと考えております。これらの会場の決定でございますが、この方は、困難ながら大体の見通しは立っておりますけれども、これも最終的決定は見ておりません。  そのようなことで、細部に至りますと若干むずかしい問題がございますが、おそらく今の自転車の問題、それからマラソンとか競歩とかの道路決定の問題等を中心といたしまして、それから野外競技の問題等、いろいろこまかい点ではまだ決定いたしておりませんが、いずれも一応の案は持っておりまして、これを固めるのに努力いたしておるという状態でございます。
  26. 島村一郎

    島村委員長 靱参考人から答弁の補足をしたいという申し出があります。靱参考人
  27. 靱勉

    ○靭参考人 先ほど伊能委員から、資金について次会においていろいろ質問いたしたいというような御発言がございましたが、ちょうど本月の十九日に、財団といたしましては、会、理事会を開催いたしまして、三十七年度予算決定いたしまして、今文部大臣の方にお届けしているような事態でございます。そこで、実は三十七年度につきましては、伊能委員からも御発言がございましたように、組織委員会、体協等におきまして今後全期間の見通しというものをこの際さらに再検討して、結局におきましては、在来のおおむね百十五億というものがさらにあるいは相当増額されるのではないかということも考慮いたしまして、できるだけ調達計画というものを、その際において困難を来たさないように計画いたしたかったのでございますが、現在におきましては、どのくらいの御要求が出てくるか、私どもまだ確定的に承っておりませんと同時に、三十六年度、本年度の実績から見てみますと、私ども計画としましては、できるだけ確定的なものを予算として掲げた方がいい、そう考えました結果、三十六年度に実行して実績あるもの、それからかなり確実な資金調達の見込みを算定いたしまして、その他に対しましては、これは努力目標といいますか、そういうものを考えて策定いたした方がいいという結論に相なりまして、結局、三十七年度におきましてはおおむね十億の調達、その方法によりますと、実績のあるものだけを積み上げていきますと十億余りになる、そこで、現在確定しております配分計画としましては、組織委員会に一億八千九百万円余り、体育協会に三億四千六百万円余りということで、約五億三千万円というものが確定しております。従いまして、もちろん十億程度の調達で配分には支障がないのでありますが、前にも申し上げましたように、三十八年度、三十九年度としまして急激に格段の配分を必要とするわけでございますから、計画的に申しますと、どうしても三十七年度において相当多額の調達をいたしておく必要があるわけであります。従いまして、十億と申し上げましたが、理事会、評議員会におきましても、最低さらにプラス五億というものを計画しなければならないという点を十分御説明いたしまして、予算としては十億、しかしながら十五億程度の調達をどうしても必要とする、こういうようなことで承認をいただいたような次第に相なっております。  そこで、先ほど伊能委員からもお話がありましたが、そういう多額の調達をさらに必要とすることになりますと、在来の方法につきましてさらにこれをできるだけ伸ばし得るものは伸ばすのが当然でありますが、さらに新規としまして、公営競技関係、すなわち、競馬、競輪、モーターボート、オートレース等、それから三十六年度におきまして実施しまして予想と非常に相反しました専売公社の御協力というものにつきましては、どうしても当初特別措置法を作りましたとき予定された調達が可能であるようにしていただかなければならぬわけであります。そこで、専売公社の方には再三おじゃまいたしましてお願いしておりますが、現在の段階におきましては、なかなか問題も多くありまして、まだ最終的にどの方法を新規にやるか、やらないか決定しておりませんが、近々に御決定に相なるものと期待しております。それから公営競技につきましては、競馬につきましてはすでに東京都並びに付近の三県から御協賛をいただいております。これを今回の改正法律におきましても可能であるように規定されているように私ども承知いたしておりますが、それはぜひ一つ三年間実施していただきたいという希望を各方面に申し上げております。それからあと新たに公営競技としてただいま国会で御審議中のものにつきましては、いずれも体育あるいはスポーツの振興ということに配分できると規定されているように私ども承知いたしておりますので、これらの法律の成立後におきます配分につきましては、ぜひ関係方面の御協力によりまして、大会に必要な資金あるいは選手強化に必要な資金等に配分を願うようにお願いしたい、こういうふうに考えるわけでございます。  なお、先ほどのお話のように組織委員会から一応再検討した改正案が出ましたら、それに対してまた御説明申し上げたいと思っております。
  28. 伊能繁次郎

    ○伊能委員 最後に一点、これはあるいはお尋ねするのは適当でないかもしれませんが、さいぜん同僚委員から戸田の問題についてお尋ねがありましたけれども、いろいろ政府部内で、予算をつけながら、戸田でなくて、なお相模湖に執着を持っておるような向きもあるようですが、それを陰ながら支援する格好になっているかどうか、その辺はわかりませんか。カヌーを相模湖でやるとかなんとかいう話を聞いておりますが、そういうふうに別々な格好で——あるいはカヌーの協会がきめるのですか、組織委員会がきめるのですか、そういうことになっては非常に支障があろうかと思うので、その辺のところは組織委員会あるいは文部省として統一的に十分検討されて、そういうばらばらになるようなことのないように配慮がなされているのかどうか、その辺も一つ伺いたいと思います。
  29. 松澤一鶴

    ○松澤参考人 相模湖の問題につきましては、先ほど会長のおっしゃられましたように、こちらの方も、戸田コースだけでなしに、相模湖あるいはその他のところも研究いたしております。現在では、将来の問題その他を考えて、戸田コースの方でやるという以上は、カヌーもあそこで同時に実施するという方針で進んでおります。いろいろの困難な点はございますけれども、現在としてはボート並びにカヌーを戸田コースで実施するという方針で、それに対する準備をいろいろお願いしておるのであります。
  30. 前田充明

    前田(充)政府委員 元来、オリンピック東京大会を実施いたしますのは組織委員会でございますので、政府といたしましては組織委員会決定によって動く、これに協力する、基本的態度はもちろんこれでございます。しかし、ただいまお話がございました戸田をまた相模湖に検討してはどうかというようなことは、個人的に一部にはあるいはそういう方もあるかもしれませんが、しかし、公式に役所としてとか、あるいは公式な立場において、たとえば戸田について、相模湖の方がいいというような意見は現在私はないものと思っております。組織委員会においてきめられた通り私どもとしてはやるつもりで考えておる次第でございます。
  31. 島村一郎

    島村委員長 この際参考人各位に申し上げます。  本日は貴重な御意見の開陳をいただきまして、まことにありがとうございました。本委員会を代表いたしまして私から厚くお礼を申し上げます。  次会は、公報をもってお知らせいたします。  本日は、これにて散会いたします。    午後零時二分散会