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1962-03-06 第40回国会 衆議院 オリンピック東京大会準備促進特別委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十七年三月六日(火曜日)    午前十時四十六分開議  出席委員    委員長 島村 一郎君    理事 伊能繁次郎君 理事 臼井 莊一君    理事 小金 義照君 理事 田中 榮一君    理事 阪上安太郎君 理事 平岡忠次郎君    理事 山中 吾郎君       上村千一郎君    金子 一平君       中山 マサ君    藤原 節夫君       松澤 雄藏君    大柴 滋夫君       村山 喜一君  出席政府委員         総理府総務副長         官       佐藤 朝生君         文部政務次官  長谷川 峻君         文部事務官         (体育局長)  前田 充明君         建設政務次官  木村 守江君  委員外出席者         建設事務官         (都市局参事         官)      鶴見良一郎君         参  考  人         (東京都オリン         ピック準備局         長)      関  晴香君         参  考  人         (オリンピック         東京大会組織委         員会会長)   津島 壽一君         参  考  人         (オリンピック         東京大会組織委         員会事務総長) 田畑 政治君         参  考  人         (東京オリンピ         ック資金財団理         事長)     靱   勉君     ————————————— 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  オリンピック東京大会準備促進に関する件      ————◇—————
  2. 島村一郎

    島村委員長 これより会議を開きます。  オリンピック東京大会準備促進に関する件について調査を進めます。  この際、参考人出頭要求の件についてお諮りいたします。  すなわち、オリンピック東京大会準備促進に関する件について、東京オリンピック準備局長関晴香君、オリンピック東京大会組織委員会会長津島壽一君、オリンピック東京大会組織委員会事務総長田畑政治君、東京オリンピック資金財団理事長靱勉君参考人と決定し、本日その意見を聴取いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 島村一郎

    島村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。      ————◇—————  なお、本委員会が今後調査を進める上におきまして、東京都、オリンピック東京大会組織委員会及び東京オリンピック資金財団からたびたび御出席をお願いせねばならないと思われますので、先刻の理事諸君との御協議通り、本委員会において必要を生じました場合には、右関係者参考人として出席を求めることとし、その人選及び手続等につきましては委員長に御一任願いたいと思いますが、これに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 島村一郎

    島村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。      ————◇—————
  5. 島村一郎

    島村委員長 この際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。  本日は、御多用中のところ、本委員会調査のためわざわざ御出席を賜わりまして、まことにありがとうございました。厚く御礼を申し上げます。  御意見は、佐藤総理府総務長官関参考人津島参考人田畑参考人靱参考人の順序で伺うこととし、そのあと委員諸君の質疑があれば、これにお答えを願いたいと存じます。  それでは、佐藤総理府総務長官からお願いいたします。
  6. 佐藤朝生

    佐藤(朝)政府委員 オリンピック東京大会関係政府施策概要につきまして御説明いたします。お手元に「オリンピック東京大会に対処する政府施策概要について」というのをお配りしてございますが、それにつきまして御説明申し上げます。  まず事務体制整備でございますが、オリンピック東京大会準備対策協議会を一昨年の昭和三十五年十月の閣議決定総理府に設置いたしまして、会長総務長官委員各省次官幹事各省局長が当たりまして、各省庁オリンピック東京大会準備対策に関しまする連絡調整に当たっておるわけでございます。随時小委員会を設けまして、具体的問題を処理し、現在まで競技種目に関する小委員会、あるいは選手村に関する小委員会を随時開いておるわけでございます。  次が組織委員会構成への参加でございますが、これは組織委員会の発足当時から、政府を代表いたしまして総務長官文部大臣委員として参加しておりますほか、個人的資格建設大臣自治大臣労働大臣も就任されております。付属機関総務委員会あるいは特別委員会等には、各省庁次官局長、課長が参加しておるわけでございます。  次に、オリンピック関係閣僚懇談会運営でございます。ワシントンハイツ選手村の問題に対処いたしますため、昨昭和三十六年の八月一日にその第一回開催以来、問題あるごとに随時開催しております。参加閣僚文部、外務、大蔵、建設労働自治、防衛の各閣僚並びに総務長官でございます。  次に、競技施設整備につきまして申し上げます。  競技施設のうち、国で全面的に責任を持って整備に当たっておりますのは、国立競技場国立屋内総合競技場国立戸田漕艇場及び朝霞ライフル射撃場でございます。これらの施設整備に要しまする経費は、特に昭和三十七年度予算において十分考慮することといたしております。これは後刻予算につきまして私御説明いたしますので、そのときに詳しく申し上げたいと存じます。国で直接整備するものではございませんが、東京都、神奈川県、埼玉県、組織委員会その他のところで整備責任を持っておるものにつきましても、国としてできるだけの協力援助をしていく方針でございます。  次に、組織委員会援助競技技術向上助成等につきまして申し上げます。  オリンピック東京大会組織委員会は、大会企画実施責任団体でございまして、昭和三十四年九月に任意団体として発足いたしましたが、昭和三十六年七月一日付で文部省所管財団法人として認可されたわけでございます。組織委員会構成政府の職員が参加しておりますことは、先ほど申し上げました通りでございますが、そのほか、政府はこの団体に対しまして年々運営費の三分の一相当額補助金を交付しております。競技技術向上、つまり選手強化に関しましては、日本体育協会がその事業推進しておりますが、政府としてもできるだけの協力をしていく方針でございます。なお、三十八国会で成立いたしましたオリンピック東京大会準備等のために必要な特別措置に関する法律によりまして、組織委員会事業選手競技技術向上のための国等援助を積極的に規定したわけでございます。次に、東京大会を真に成功させますためには、全国民の理解と支持が必要でありますので、政府といたしましては、国民一般、なかんずく青少年にオリンピック精神を普及高揚するなど、また、新生活運動協会等民間団体協力も得まして、国民啓発運動を積極的に展開するなど、努力していく方針でございます。  次に、オリンピック選手村の整備につきまして申し上げます。  選手村の用地は、当初埼玉県の朝霞のキャンプ・ドレイクを予定しておりましたが、いろいろの事情から、昨年十月代々木のワシントンハイツに変更、決定されました。この土地は約二十八万坪の国有地でございますが、現在米軍家族の住宅があり、これを移転させる必要がありますので、日米合同委員会協議を経まして、日本側経費負担によりまして、これを同規模のものを調布水耕農園建設いたしまして、そこに米軍家族移転させることに双方の合意が成立したわけでございます。目下代替施設建築にかかる細部事務につきまして協議、検討しておりますが、日本側経費負担は約百億円でありまして、これを主として三十七年度予算において処理する方針であります。米軍家族移転後の残存家屋は、ほとんどそのままこれを選手村の施設として利用することになっておりまして、また、大会あとは、この地区国立屋内競技場その他所要部分を除きまして東京都に譲渡いたしまして、森林公園とする予定でございます。  次に、関連公共施設等整備について申し上げます。  大会実施に直接必要なもののほか、大会を成功させるためにこの際ぜひ実施しなければならない重要問題がございます。これは組織委員会などの団体仕事というよりか、むしろ国地方公共団体責任において処理すべき問題であります。  まず第一は、道路街路整備に関してでございます。いわゆるオリンピック道路といわれます約二十数路線整備はぜひとも完遂しなければなりませんが、ただいまのところ、計画通り順調に進んでおります。昭和三十七年度末には、道路街路で約六〇%、首都高速道路で四七%が完成する見込みとなっております。  次は、下水道や清掃施設整備につきましても、外客を迎える立場上、極力万全の措置を講ずる方針でございます。  さらに、輸送宿泊施設整備外客接遇観光対策等に関しましても十全の措置を講じて参りたいと存じます。すなわち、国鉄東海道新幹線建設を完了いたしまして、地下鉄整備、私鉄の都心乗り入れ工事完成等を初めとしまして、東京国際空港拡充整備、ホテルの増設、観光案内所の新設、ガイドの養成等諸般の問題について十分の措置を講ずる方針でございます。  最後に、昭和三十七年度予算につきまして申し上げます。  三十七年度オリンピック準備事務が最高潮に達する年でありますので、政府といたしましても、組織準備委員会東京都その他の関係機関団体と十分に協力して準備に万全を期する方針でございます。三十七年度予算におきましては、国費支出総額は約三百四十億円でございまして、三十六年度の百七十億円のほぼ二倍に相当しております。その他財政融資、起債の面でも特別な考慮を払っておる次第でございます。  予算の点につきまして少し詳しく申し上げますと、お手元に「オリンピック東京大会対策政府関係事業年次別予算」というのをお配りしてございますので、これのおもなものだけを申し上げたいと存じます。  2に競技施設整備といたしまして、国立競技場拡充というのが出ております。これによりまして現在の国立競技場拡充いたしまして、観覧席現在五万五千人を八万五千人分に拡張いたします。三十七年度予算が九億一千六百万円でございます。これは三十五年度から三十八年度までの四カ年継続となっております。工事完了は三十八年六月の予定でございます。次が国立屋内総合競技場、先ほど申し上げましたワシントンハイツ東南地区約三万坪に建設いたすものでございますが、これに要する予算が、三十七年度におきまして二億、三十八年度におきまして二十億の予定でございます。規模は、屋内水泳場約三千坪、一万三千人ないし一万五千人の収容付属小体育館が約一千五百坪で、三千人ないし三千五百人の収容設備でございます。国立戸田漕艇場につきましては、三十七年度におきまして一億九千一百万円、三十八年度におきまして二億四千万円、これは、三十七年度は水路の拡張、七十メートルの幅を九十メートルに伸ばし、深さを二・五メートルから三メートルにする、三十八年度艇庫等陸上施設整備をいたします。次のページに参りまして、朝霞ライフル射撃場建設、これは三十七年度におきまして一億円の予算を計上しております。三十七年度は、ライフル、ピストルの射場整備いたします。三十八年度は、射場本館等施設整備いたします。ヨット競技場整備につきましては、湘南港(江ノ島)の整備を三十五年から着手しておりまして、国費におきまして総計二億四千万円の経費でやっておるわけでございます。  次の、競技技術向上助成費につきましては、競技技術向上助成につきまして日本体育協会補助といたしまして、総経費十六億五千万円に対します定額補助でございます。オリンピック精神普及高揚費といたしまして、オリンピック運動展開等に要する経費が、三十七年度におきまして百五十万円、三十八年度におきまして二千二百万円というものを予定しております。  オリンピック東京大会組織委員会補助が、三十七年度におきまして一億一千九百万円、総事業費九十二億円に対する補助でございます。  次は、関連公共施設整備関係でございますが、この件につきましてはこまかくなりますので、御質問に応じましてあとでまた関係各省からお答えいたしたいと存じます。  次のページオリンピック東京大会実施準備費、これは先ほど申し上げましたワシントンハイツ米軍宿舎調布水耕農園への移転経費でございまして、三十六年度におきまして十億二百万円、三十七年度におきまして六十七億、三十八年度におきまして二十五億、総額百二億七千百万円という額を予定しております。  その他、輸送施設整備、次が宿泊施設整備等でございますが、これにつきましても、道路の問題の通り、御質問に応じてお答えいたしたいと存じます。  非常に簡単でございますが、以上をもって終わります。
  7. 島村一郎

    島村委員長 次に、関参考人にお願いいたします。関参考人
  8. 関晴香

    関参考人 東京都のオリンピックに対しまする準備状況についてお手元資料を差し上げてございますが、かいつまんで御説明いたしたいと存じます。  東京都は、二年前から、オリンピック準備窓口といたしまして準備局を設けたわけでございますが、東京都といたしましては、オリンピックに対しましては、オリンピック競技場東京都の増設いたします分の建設、並びにオリンピック直接ではございませんが、受け入れます東京都の環境整備といたしまして、先ほども総理府よりお話のありましたように、まず交通輸送の問題が一番大きな問題でございますので、総額七百五十七億に達しまする道路予算オリンピックまでに組むということで、路線二十三——あとに表もつけてございますが、まず、そういう大きな事業を初めといたしまして、さらに東京都の環状六号線以内の下水設備を完備するという目標を立てております。さらに、最も近代化のおくれておりました都市清掃ということで清掃関係重点を置きまして、オリンピックまでには極力機械化をし、容器収集等による新しい試みによりまして、都の清掃事業オリンピックまでに二十三区内におきましては完備したいということで目標を置いているわけでございます。そういうふうに、関連いたしまする事業が非常に多岐にわたっておりますので、それぞれ専門の部局でいたしますが、オリンピック準備局はその窓口といたしまして、こういう機能と、さらに駒沢あるいは明治公園競技場周辺整備事業というものを直接担当いたしておるわけでございます。都議会におきましても、全員をもちましてオリンピック東京大会準備協議会を持ちまして、さらに、これの実行委員会を設けていくという態勢で進んでおります。また、組織委員会に対しまする幹事といたしましても、都議会から四名、理事者から知事、副知事二名、六名がこれに参与いたしております。また、組織委員会の費用にいたしましても、国と同額の補助を毎年いたしておるわけでございます。  そこで、まず最も大きな競技場の問題を申し上げますと、国におきまして明治神宮外苑国立競技場拡張工事を担当されるわけでございますが、東京都におきましては、それに関連いたしまして、当然あの周辺が非常に狭隘になって参りますし、八万五千の大観衆を整理するためにも、あの周辺整備東京都に課せられた仕事になったわけでございます。そこで、現在ございます都立体育館国立競技場の間の環状四号線の両側の民家の取り払いをしたあと整備いたしまして、立体駐車場あるいはサブ・トラックを都立体育館うしろに作りまして、それと国立競技場との連絡路を作るという仕事、あるいは現在日本青年館の西側約五千坪の土地をされいにいたしまして周辺整備をはかるというような、国立競技場拡張に伴いまする周辺整備事業を担当いたしているわけでございます。  また、お手元に差し上げました資料の四ページにございますが、総額二十四億二千余万円、そのうち、現在までに——資料のは単位が一つ間違っておりますが、国庫補助一億五千七百万円をいただいているわけでございます。これがオリンピックまでの年次計画でございます。  引き続きまして、駒沢公園におきましては、東京オリンピック種目の消化し切れないもののうち、レスリング会場ホッケー場バレーコートあるいはサッカー場といたしまして、駒沢公園のうち十二万余坪を周辺整備いたし、さらにこれに屋内体育館あるいは陸上競技場バレーコート整備等をいたしますために、総額四十一億六千余万円の経費をもちまして、三十五年度以来年次計画をもってこれの建設をはかり、これによってオリンピックの四種目競技をここでやるという計画を立てているわけでございます。そのために、この明治公園駒沢公園建設整備のための建設事務所を昨年作りまして、本年四月からはさらに拡充するという計画でやっております。  その他、競技場といたしましては、今後、八王子周辺自転車ロードレース関係道路改修整備事業あるいは小石川運動場整備というような、若干の付属施設整備も含まれているわけでございます。  六ページには、道路整備事業関連二十三路線の内容をあげてございますが、最も主力となりますのは環状七号線、これは大森海岸から長原を経まして柿ノ木板、それから下馬、さらに若林を通りまして、高円寺から川越街道、さらに志村まで抜けまするもので、この環状七号線の整備が、一等大きな事業でございます。これと、放射四号線、三宅坂より赤坂見付通りまして青山通りに抜け、渋谷から三軒茶屋、さらに用賀に向かいます放射四号線の拡張整備事業が、二大主軸となっております。これは競技場選手村との間の輸送等のためにもぜひそれまでに仕上げるということで、そのために特別の建設事務所を四カ所作って、鋭意それが促進に当たっているわけでございます。幸い、三十六年度予算におきましては当初予算が不足いたしますほどの進渉ぶりを示しておりまして、今後の見通しといたしましては、現在のところ非常に明るいものになっております。  その他、先ほど申し上げました下水清掃ほのかに、河川浄化、隅田川の浄化等も、オリンピックまでという目標整備をいたす計画を立てております。さらには、都市公害対策といたしましての煤煙防止あるいは騒音防止、あるいは都市美化対策といたしましての広告物等の規制によりまして、できるだけ東京を明るく住みよい町にそれまでに具体化するという計画を立てている次第でございます。  さらに、そのほかに、最も大きな仕事でございますが、オリンピック運営企画そのものにつきましては、組織委員会がそのめんどうを見ることになっておりますが、そのときに海外より見える観客の受け入れ対策がございます。これは大きく分けまして、宿泊対策接遇対策、あるいは輸送対策等ございますが、東京都におきまする宿泊施設は非常に不足いたしておりますし、現在の趨勢で参りますと、一日三万の外客に対しまして、将来オリンピック時におきましても約半数のベッドしか確保できないということでございますので、その不足分に対してあらゆる方法を論じまして、できるだけ宿泊施設のないために失望させないようにあらゆる施策を立てるべく、現在関係機関並びに関係業者協議いたしましてこれの対策を進めておる次第でございます。  その他、東京都といたしましては、交通警備対策、さらには消防査察強化という大きな仕事があるわけでございます。これらにつきましても、できるだけオリンピック時に対処いたしまして、遺漏のないように計画を進めているというのが現況でございます。  はなはだ簡単でございますが、一応現況を御報告申し上げた次第であります。
  9. 島村一郎

    島村委員長 次に、津島参考人にお願いいたします。
  10. 津島壽一

    津島参考人 オリンピック東京大会組織委員会の今日までの準備運営状況について簡単に御報告申し上げます。なお、オリンピック東京大会に関連して、私どもが最も重点を置いてその準備促進をお願いしたいと思う三、四の点についてお願いを申し上げたいと存じます。  おかげをもちまして、三十七年度予算において、選手村、また諸般競技施設についての予算が計上されております。大体これでもって組織委員会としては基本的の計画が出そろったというわけでございます。今後の運営につきましては、お手元に配付してありまする三十七年度ないし四十年度事業計画、これは大会終了後の年度までも含んでおりますが、この年度事業計画については、年度別というよりも、むしろ各担当の部局別にどういうことをこれからやるのであるという、総務部、あるいは経理部、広一報部競技部施設部関係等についての事業計画が掲げられておりますので、ごらん願いたいと思います。説明は省略いたします。  それから予算関係におきましては、三十七年度は、政府からの補助金一億一千九百万円、なお都も同様の金額を計上し、これによって大体四億三千七百万円の予算組織委員会準備を進めたいと存じておるのでございます。詳細の点は、来たる二十八日組織委員会に付議して、三十七年度組織委員会予算を決定する、こういう段取りに相なっております。三十八年度、九年度は最も重要な時期でございまして、予算も非常に膨大なものになります。今日の段階において、一応の見通しとして、これらに対する予算はこれくらい要するだろうというような予定表は、お手元に配付しております全年度予算というのがございます。三十四年度から総計で九十二億六千八百万円を要するということで、これに対する私ども収入予算も大体予定をしておるのでございます。この点につきましては、三十八年度、九年度においては、いろいろこれから実際の仕事をする上においてまだまだこれが必要であるというものも相当に出てくることが予想されるのでございます。従いまして、この全年度予算表は、今後の事態に即応して適正な補正を必要とするということをここで申し上げておかなければならないと思います。  これらの収入部面においては、国庫補助金を二十億、また都からも同様の金頭を予定しております。今日までの国、都からの補助金は、三十七年度までについては確定と見ていいのでありますが、初年度において一千七百万円、その次は七千七百万円、三十六年度は国と都合わせまして一億二千六百万円、本年度が二億三千八百万円、こうなるのでございまして、合計において国及び都から各二十億円を期待しており、それについては将来十七億ばかりをさらに追加補助を願いたいのでございまして、この点については皆様方格別の御推進をお願いしたい次第であります。  なお、その他の費目についての収入部面においては、資金財団の今後の活躍に持つところが非常に大きいのでありまして、これについても皆様方からの一段の御推進、御鞭撻をお願いしたいということを申し上げる次第でございます。  さて、競技場施設関係につきましては、まず選手村の関係でございますが、ただいま総理府総務副長官からの御説明にありましたように、代々木を選手村として、そこに競技場を同時に作る、これは全体として非常に大きな仕事でありますが、私どもの一番関心を持つ点は、時期的の関係でございます。まず、競技場の敷地となるべき家屋移築を先に行ないまして、大体今年の十一月ごろに完成して、跡に水泳プール柔道場、バスケットの競技場を作るというのでございまして、非常に時間が切迫しておるわけでございます。従いまして、この移築について、移転先状態等のいかんによってこれがおくれるということであれば、競技の運行、大会それ自体に非常な影響があるという次第でありまして、特に皆様方格別の御関心をいただいて、これが時期的のズレがないようにいたしたいということをお願いする次第でございます。  なお、競技場についてまだ多少決定を見てない点がございます。それは自転車のトラック・レースの問題であります。これは後刻御質問に応じて事務総長からでもお答えするのが適当かと思いますが、後楽園における予定された自転車のトラック競技場が支障があるという問題に当面しております。これらについては今検討中でございます。その他の競技場については、大体予算の裏づけができ、また、すでにあるものはこれに対する改装等も計画ができておりますので、施設に関する限りはまず順調に進んでおるということを申し上げていいと思うのでございます。  その他、私ども関心を持つのは、ただいま東京都の準備局長さんから御報告のありましたように、道路関係がございます。これが予定通りいかないと、あらゆる部面において運営に支障を来たすということが予想されるのでありまして、これは今後具体的の問題について十分御検討願って、御推進のほどをお願いする次第でございます。  なお、資金財団の問題については、何しろ短期にこれだけ莫大な、四十億という、また、さらに若干増加する必要があると思われる資金財団の資金調達の部面については、今後あらゆる事情を考慮して、事業の追加というようなことも検討中でございます。これらにつきましても、皆様方からいろいろ御指導を仰ぐ必要がある点が多いと思いますので、よろしくお願いする次第でございます。  なお、選手強化関係、これは非常に重大な問題でございます。これは組織委員会直接の仕事ではございませんが、私はこの機会に皆様方に一つお願い申し上げたいと思います。全体の計画は大体十六億円でございますが、政府補助金等において私どもの期待したよりは三十七年度は若干下回るものがございまして、しかも、一方選手強化対策を実行しますと、いろいろな面において経費がかかるものが多いのでございます。そういった意味においてこの予算は今後さらに増加する必要があるという点に、私どもは今具体的の検討を進めておるという現状でございます。この点についても皆様方格別の御配慮を仰ぐ必要があろうかと思います。  非常に抽象的なことになりましたが、大体これによってごらんいただけば御了承いただくことと思いまして、非常に概略を御説明申し上げました。  なお、大きな問題は、今日まで決定しないものは、六月五日からモスクワで国際オリンピック委員会の総会が開かれますので、それまでに準備を完了して、あらゆる部面の問題について、組織委員会としては、国際オリンピック委員会の承認を経べき問題はそれまでに決定をして、モスクワにおけるこの総会に付議するという段取りをとらなければならぬと思いますので、せっかくこれらの問題について今十分に検討中でございます。そういうこともあわせて御報告申しまして、あとは御質問に応じてお答えするということで、私の陳述、お願いを終わる次第でございます。  なお、ちょっと追加して申し上げますが、施設関係の問題の一つとして、ボート・コース、漕艇場の問題がございます。これは非常に具体的な問題となるだろうと思いますので、経過を、御存じだと思いますが、ちょっと付言いたしておきます。  戸田漕艇場は、組織委員会といたしましては、初め競技場決定のときから、ボートあるいはカヌーは戸田でやるということは一貫して参ったわけでございます。ほかに候補地もありましたが、組織委員会としてはそれらを議題にしたことはございません。しかして、これは今のワシントンハイツ選手村決定、つまり、朝霞から変更する場合においても、その決定を再確認  いたしまして、そうして予算としては、拡幅、幅を増加する予算が認められた。さらに三十八年度において、若干の艇庫その他の地上施設を要求するということでございます。しかしながら、地元の県組織委員会その他漕艇協会等、いろいろな方面から検討いたしまして、拡幅をするというだけ、また艇庫を若干作るだけでは、国際オリンピックのボート・レースの施設としてはなはだ不満足なものがございますので、私どもは、どうしてもあの周辺地区整備が絶対に必要だということを考えておるのでございます。経費関係においては、今年度大蔵省に要求した概算においては、大体二億円の補助でございます。その周辺地区整備でございます。総額は六億円ということでございます。三分の一の補助をお願いしたのが、これが予算の査定によってすっかり計上を見なかったというわけでございます。埼玉県は、四億をもって、国費と合わせてあれをオリンピックとして妥当なる形態に整備していこう、こういう計画でございますが、これが全然ついておりません。この問題については、関係省間において、ただいま内閣を中心として協議中でございます。何とかしてこれを実現していただきたいというのが、組織委員会としての熱望でございますから、この点を特に私はつけ加えさせていただきたいと思う次第でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
  11. 島村一郎

    島村委員長 次に、靱参考人にお願いいたします。
  12. 靱勉

    靱参考人 お手元に二月二十六日付の「財団法人東京オリンピック資金財団と資金調達事業について」という資料を提出してございますので、これを中心として資金調達状況等々につきまして御説明申し上げたいと思います。  この資料の初めの方は大体この前の委員会において御説明いたした通りでございますが、財団としまして目標といたしまして一応資金調達の資料にいたしましたのが、一として載っておりまする「資金調達額に関する調書」というのがございます。これはただいま津島会長からも御説明がありましたが、大会準備及び実施に要する経費九十二億余り、それから選手強化対策費と申しますか、これが十五億余り、大会運営の本部等となる会館の建設に要する経費というものが七億五千万円、さらに財団の事業遂行に要する経費が約一億九千万円ということで、総計百十六億余りになっておるわけでありますが、これらのすべてを財団で調達するのではないのでありまして、右側に書いてございます通りに、国及び東京都の補助金が約四十億、それから組織委員会で入場料その他で収入として入って参りますので、それを大体三十億余りと見ております。従いまして、大会準備及び実施、要するに大会開催費でございますが、九十二億のうち、これらを除きまして二十一億四千四百万円というものを財団で調達するというふうに概定されております。それから選手強化費、これはやはり国庫から補助金がございまして、これが六億余り、日本体育協会からの調達額が約二億一千万円、従いまして、残りの七億二千三百万円余りというものを資金財団で調達する、それから大会運営の本部等となる会館の建設関係は全部資金財団で調達する、こういうような計画に相なったのでありますが、これは三十五年の夏ごろ、当時まだ財団が発足しておりませんころの組織委員会内の資金計画委員会において一応概定したものに若干の修正を加えた、すなわち、近代五種が加わりましたので、大会の開催準備費九十二億というのは、当時八十八億ぐらいに概定されておったのを、約四億追加したという程度にとどまっておる次第でございます。最近におきまして、ただいま会長から御説明がありました通り、これについてはさらに追加修正があるというふうに承っております。  そこで、三十六年度におきまして財団はどういうことをしたか。三十五年度におきましては——三十六年一月から三月でございますが、これは組織委員会、体協等から事務を引き継いだ程度でございまして、三十六年に初めて財団として活動を開始したわけでございますが、何と申しましてもほとんど実績がない。従いまして、いろいろの計画をいたしましたが、それを実際に実施してみる段階でございましたので、当時の予算といたしましてはこれの見通しというものは非常に困難でありました。しかしながら、大体六億程度のものを概定いたしまして、これの調達に努力いたした次第でございますが、この資料の6、7というのにも書いてございますが、7につきましては、大体組織委員会の配分予定が六千三百万円、日本体育協会の配分予定一億一千八百万円、すなわち、合計一億八千百万円配分しなければならぬのに対しまして、六億余りの調達を予定いたしました。その間におきまして、御案内のように特別措置法を作っていただきまして、郵政省 電電公社、専売、国鉄等の御協力も得るというような法律的措置を講じていただいたのでございますが、大体におきましてこの調達事業は順調なすべり出しをやったと思います。しかしながら、結果的に見ますと、当時予定いたしました六億のうちには、例のオリンピック記録映画で二億というものをほとんど確実と思って予算に載せたわけでございますが、これは非常に予想に反しまして、現在入っておりますのが、資料の三、一番あとの表をごらんになりますと、ただいま二月現在におきまする調達の実績を書いてございます。これでごらんになりますと九百万円ということに相なっておりまして、ほとんど二億近くこの点において狂っております。それから当時いろいろと屋外広告等につきまして計画があったのでございますが、これらがいずれもうまく参りませんで、まだ時期尚早という点もありましたし、また実際におきまして、屋外広告等におきましては禁止媒体の解除ということがあったわけでありますが、これがなかなかそういうような状況にならぬということで、これが非常な狂いが生じたわけであります。しかしながら、中途におきまして、ただいま申し上げました通りに、政府機関、準政府機関の御協力も得る、あるいはその他の方法も講ずるというようなことによりまして、この表にございますように、四億程度は確実に調達できる。大体三月末までに四億五千万円の線に参るものと私どもも考えておりますが、それよりも、むしろ全体として、これは大会開催までにこの三十八億余り——先ほどの資料の一の表で、私ども資金財団として調達しなければならぬのが三十八億一千万円ということになっておりますが、一体これができるかどうかという見当をどうしても昨年においてつけなければならなかったわけであります。そこで、実行上の実績と今後の計画とをにらみ合わせてみますと、次の資料の二に掲げてある十六種目というものが現に実施しているものでございます。そこで三十六年から三十九年度の見込み額というものをずっと書いてございます。なお、予定より非常に狂いましたが、専売公社の御協力によりますところの広告でございます。これは実は五、六千万円予定しておりましたが、実績は三百万円でございます。そこで、このままでいきますと、これはちょっと見当がつきませんので、×としてございます。その他ずっとごらんになりますと、一番最後に、三十億というものが掲げております。この中に「その他新規等」というものを足しまして三十億、これはまず絶対にと申していいかもしれませんが、確実と見たものを非常に厳格に見込みを立てまして作ったものでございます。しかしながら、期待額というのは、右の欄に書いてございますが、これは一応この程度までは伸び得るものであるというような見当で作りますと、三十九億八千万円、約四十億というものは調達可能である。従いまして、この期待額の方は、私どもどうしても努力しなければならぬものでございます。ただいままでこれはすべて実施しておりますが、絶対に確実であるのは、たとえば郵便切手に寄付金をつけましたもの、それから東京都及び神奈川、埼玉、千葉三県の、これは法律に基づくものでも何でもなく、全くの御好意で御協賛をいただいているわけでございますが、競馬、これが三十六年度におきましても一億三千万円、大体一億と見込んだのが、三千万円オーバーしております。これがまず確実。それから次にありますところの割増金付定期預金、これは全国金融機関全部の御賛成を得まして昨年十二月から実施したもので、三十六年度としては見込みは少ないのでございますが、三年間のうちに七億二千万円というものは、これはまず確実であるというふうに考えられます。それから宝くじにマークをつけて全国の自治団体の御協力を得ておりますが、これが四億というものも大体確実でございまして、こういうように見てみますと、私どもとしましては、見込み額と期待額を作ってございますが、今後これをもっと確実にしまして、さらに全体としまして百十六億が、あるいは二十億以上四十億程度増加する、追加されるということを考えてみますと、どうしても確実なる資金調達の事業をさらに追加していかなければならぬ。これは今まで立てました計画ではとても集まり切らぬから、新たに追加するという観念よりも、むしろ全体といたしまして、私どもはできるだけ各方面の御協力も得るということで考えまして、ただいまのところ、たとえば競輪、これはすでに日本体育協会の方には御協賛をいただいているように承っておりますが、競輪、競艇等、最近の法律でさらに改正が企図されているということを承っておりますので、ぜひこういう方面の御協賛も得たいと思いまして、それぞれ各方面にお願いに上がっている次第でございます。  なお、昨年度、ここに実施しておりませんで、三、四なお計画中で、時期尚早であるので、もう少し明年度になって協賛してやろうという事業もございますので、私どもとしましては、ただいま申したような相当確実なる事業の協賛を得ますれば、まず必要なる資金というものば確実に調達できる、こういうふうに考えておる次第でございますが、この点につきましては、皆様方の御指導、御支援また御鞭撻をいただきたいと存ずる次第でございます。  なお、こういういろいろな事業をやっております上におきまして、いずれもこのオリンピックに対する非常な熱意で御協賛をいただく次第でございますが、国民全体のやはり支持があるということが最も意義の深い、重いものでございまして、私どもとしましては、このすでに実施している中に十円募金という名前で載せてありますが、これはいわゆる国民募金でありまして、なかなか今までそういう基盤もございませんし、共同募金のような大きな基盤もないわけでございまして、非常にこの実施につきましては危惧の念を持って見られたのでございますが、どうもこれを実施していただく機関がなかなか見つからぬということで、郵便切手売りさばき所の御協力を得まして、昨年の九月末から十一月まで実施してみたのでございます。五千万円を目標といたしたのでございますが、その中間におきまして業績を見てみますと、なかなか困難である。と申しますのは、いろいろ私ども準備不足な点もありましたし、また、当時近畿地方に災害もございまして、十月となれば共同募金の募金も始まるというようなことで、なかなかオリンピックのムードといいますか、この方面も必ずしもまだそう上がっていないという時期でございましたので、特に切手売りさばき所におきましては、これは募金された方に記念にシールを差し上げるということになっておりましたのを、シールを買いにくるのだという観念で処理したところもございましたので、これは五〇%も困難ではないかというような状況に相なったわけでございますが、その後、各売りさばき所の方の非常な御協力を得まして、だんだん成績が上がって参りました。しかしながら、これは一応十月で打ち切りまして、オリンピック対策連絡協議会でございますか、会長が総務長官がなられておりますが、官庁関係の職員の方に十円募金に御協力を願うということをお願いしまして、その結果、非常に各官庁の積極的なる御協力を得まして、従いまして、現在入っておりますのが約三千六百万円、こういうものが集まりました。今後の見通しでございますが、すでに入金は済んでおりませんが、確実に入るというものを考えてみますと、大体五千万円近くにいくということで、この点におきましては、私、国民募金としまして非常に力強いものを感じたのでございまして、今後もちろん各事業を伸ばしていきますとともに、新たにさらに御協賛をいただくとともに、この国民募金の精神というものをさらに生かして、今後一そうこの方面におきましても実績を上げさしていただきたい、こういうふうに考えております。この募金につきましては、ただいま申したように売りさばき所を通じて一般の皆さんに御協賛をいただき、それから官庁の職員の皆さん方の御協賛をいただいて、それからロータリー・クラブからやはり御協賛をいただきまして、これが二百万円程度集まっております。それから各金融機関も職員の人が御協力下さいましたので、これが四百万円程度集まっておるのであります。大体地方の状況を見ますと、愛知県が一〇〇%の消化率でございましたが、東京は、割当も多かったのですが、四〇%程度、それから官庁としましては、やはり職員の多いところで、防衛庁が二百十九万円であります。文部省が百十三万円、電電公社が百五十四万円、国鉄が百三十五万円、東京都が七十五万円、法務省が七十五万円、大蔵省が四十四万円、郵政省が百十九万円、警視庁が四十八万円、都道府県の市等で百二十九万円というような実績を上げたわけでございます。  以上の通りでございますが、大体百十五、六億という点で考えますと、かなり御協力を得ることによりまして調達は可能かと存じますが、何分にも不確定のものが多いと、これは所要の時期に所要額を調達するということに不安を感じますので、どうしてもこの際これを絶対確実にいたさなければならぬというふうに考えておりますので、先ほど申し上げました通りに、さらに各方面の御協賛をいただきたいということを念願いたしておるような次第でございます。  はなはだ簡単でございますが、御質問によりましてお答えすることとして、以上資料について申し上げました。
  13. 島村一郎

    島村委員長 ただいま田畑参考人から補足説明をいたしたいとの申し出がありますので、これを許します。田畑参考人
  14. 田畑政治

    田畑参考人 今津島さんの御説明でわかったように、競技場そのものの関係につきましては、これはほとんど見通しは確実だと思います。問題の点は、最後のお話にあったようにボート・コースの地上施設の問題と、自転車の問題、自転車の方は東京都の方にお願いして、何とか成案を得たいと思っております。ボート・コースの地上施設につきましては当委員会の方々にお願いしたいと思っております。そういう意味でもう競技につきましては一応安心していいと思います。ただ問題は、これを運営するという点において、イタリーのローマのことを考えますと、評判がよかったのと、不評判のと二つあります。一つは、非常に金はかけたのですけれども、場所が悪かったという意味で、非常な国際的の、ことにプレス関係において不評を買った。これはプレス・センター、プレス・ハウスが非常に不便な土地にあったということであります。非常に評判がよかったと申しますのは、イタリーのオリンピック委員会の本部以外に約七千坪、八階のビルを全部、各競技団体と、競技運営します国際競技連盟の事務所、あるいは各国のアタッシェの事務所、こういうものが組織委員会の事務局と全く同じ場所にあったわけでございます。これが非常に運営に都合がよかったということであります。この点で今プレス・センターにるきましては、非常に強く各国のプレス関係からの要望もございますので、大会成功のためにも主競技場に近いところに設けなければならないと思いますが、この点につきましては、青年館をプレス・センターにするということにいたしまして、これについてはNHKの協力を得て何とか設置し得る見通しはできています。これに隣接してプレス・ハウスが絶対に必要ですが、これも今東京都と文部省の方にも協力を願いまして、国の方の費用あるいは都の費用でなくて、約四百ベッドを持つものができる見通しは得ました。これと青年館の百ベッドくらいをもちまして、五百人くらいの外国から来るプレスの人を入れる宿泊所というものも設立が可能というところまできています。  いま一つの方の各国のアタッシェ、国際競技連盟役員、直接競技を担当します国内の競技団体組織委員会事務局が一緒に入り縛る運営本部の事務所が未解決であります。これは競技運営には絶対必要なもので、先ほど理事長のお触れになりましたように、七億五千万円予定されておりますが、前述のような運営本部としてはこれでは足りませんので、少なくとも倍以上くらいのものは要るだろうと思います。その点と、もう一つは、組織委員会の費用としては未確定のものがあると思いますけれども、確かなところは、八月ころになりますと、どの得度のことを組織委員会として国、都がやっておる以外に仮設的なものをやらなければならぬかというような問題がはっきりしますので、はっきりした数字が出てくると思います。今のところでは、この点がまだ、これが確実の所要経費とはっきり申し上げる段階にいかないと思います。しかし、九十二億そのものは、朝霞選手村ができるという想定のもとに立てた数字ですから、少し圧縮する余地があるではないかと思いますけれども、今申し上げた事務所の問題というものが入り、さらに選手弧化の費用というものが、これは前はオリンピックの会期が五月のつもりでおりましたが、それが十月になったということで、そのうち、三十九年度においての費用が非常にかさむということと、日本はほかの国と違いまして、実際競技を担当します競技団体が全く貧乏で、事務員を一人置くということさえ非常に大きな負担、たとえば陸上とか水泳というものは一人や二人の事務員は置けましょうけれどもあとは全部事務員がないというようなこと、従って、競技選手強化にしましても、これに使う競技の練習道具あるいは練習場所というものが全くありません。これはどうしてもこちらで用意してやらなければ、ただ研究の人あるいはいいコーチを呼び、いい選手を呼び、あるいはこちらから外国に選手を出すということだけでは解決されないということで、その点の強化の費用が相当増す。これはおそらく十二、三億増すだろうと思います。そういう意味で、今の運営費の九十二億というものはそのままとすれば、さらにどうしても出る方が——この前アジア大会でぶっつけ本番でやって非常に失敗しましたので、どうしても一年前にリハーサルをやらなければならぬという金が二億くらい要るということになりますと、選手強化の方で十六億、競技運営本部となる組織委員会ビルで十億くらいが最小限度ふえるということになると思います。  もう一つの問題は、組織委員会の方で必ず入るだろうと予定しておりました三十億というものも、具体的にその計算をし、あるいは外国の例を見ましても、入場券収入予定した十二億という童のは入ると思いますけれども、映画の収入は、ベルリン大会、ローマ大会でああいうりっぱなものができましたので、ああいう程度のものを作りますと、少なくともフィルムだけで二億何千万円、それから撮影機を借りるにしても五十台くらい要るということになりますと、どうしても五億をこします。ローマ大会以上のものでなくて、あの程度のものでもどうしても五億をこすということになりますと、これは前の予算では、五億使うけれども、五億入るというふうに立てておりましたけれども、その後研究しますと、入る方はおそらく二億五千万円から三億ぐらいではあるまいかという点におきまして、二億五千万円ばかり組織委員会収入が減るということと、外国選手の滞在費がやはり減ってくると思います。従いまして、組織委員会に入る方の減るものが五億程度ということになりますので、九十二億がそのままとしますと、約三十億くらいのものは不足で、さらに集めることが必要だということになりますし、これがすべて国の補助対象にならないものがありますので、今まで通り資金財団計画では、さらに靱さんの方から案が出まして新たな構想でその金を補填するということになると思いますので、その点は国の補助でなしに、何とか靱さんの方で集め得るように皆さん方の御協力を願いたいと思います。  選手強化の方につきましては、オリンピックとすれば、何とかしてメーン・マストに一本上げなければならないということで、陸上を最重点にしまして、日本のナショナル・ゲームといわれる水泳、柔道というものを根幹として、今までの実績からいいましても金メダルは一つや二つ必ず取れるだろうと思われる体操とか、軽い方のボクシング、軽い方のレスリング、軽い方の重量上げ、あるいは女のバレーというようなものに対して重点的に選手強化の費用を割り当てるということで、その効果は相当上がっておるようであります。現にローマ大会においては問題にならなかったホッケーも、今度の世界選手権におきましては五位になつておりますし、外国人から見ましても、格段の進歩だということをはっきり申しておりますので、今までにおきましても相当の効果は上げていると思います。今度のアジア大会が一つのめどになると思いますけれども、これを足がかりにして、ほんとうに強化の実が上がるのはことしの後半ということになるだろと思います。それだけに、今後金の必要も相当出てくるということになりますし、その点、すべての強化につきましても、補助対象外になると思いますので、資金財団の今後の新しいプランに対して、使う方の側として、特に皆様方の御協力をぜひお願いしたい、こういうふうに思います。
  15. 島村一郎

    島村委員長 この際、発言のお申し出がありますので、これを許します。阪上安太郎君。
  16. 阪上安太郎

    ○阪上委員 先ほどから三者の御報告を承りまして、大へん御苦心のほどがよくわかります。心からお礼を申し上げたいと思います。  そこで、お話の模様によりますと、競技施設整備であるとか、あるいはまた、選手村の整備、こういったものについては、問題点はありますけれども、ほぼ見通しはついている。ところが、補足説明等を含めまして選手強化対策については、計画は立てておるが、率直に言って金がない、そういうようなお話になってきておるように思います。それと関連いたしまして、資金調達につきましても、計画はあるけれども、なかなか見通しについてはまだ確定しない、こういう報告であります。それからまた、東京関係の受け入れ態勢、ことに都市計画東京都の整備といったもの、ことに道路交通対策等につきましては、やはり大きな問題が依然として残っておるという状態であります。  そこで、きょうは特に選手強化対策を中心としまして御質問を申し上げたいと思いますが、その前に一つ組織委員会の方にお伺いしておきたいと思いますのは、東京大会のスケールについてどう考えておられるかということなのであります。二十種目の正式競技につきましては着々と進められておりますが、それ以外のエキジビション・ゲームであるとか、あるいはオープン・ゲームとかいうものについての計画をどういうふうに持っておられるだろうか、こういったことが私として非常に不安になるわけであります。何か、八千名の選手東京都に集まりまして競技をやっておる、そういったものがオリンピックであるという印象が一般に強いわけであります。けれども、近年のオリンピックの特色を逐次回を追ってながめて参りますと、そういったものを中心としてさらに多くのいろいろなオリンピックに関連した計画が進められておる、これが最近の特徴ではないかろうかと思うのであります。今回の東京オリンピック大会を開く場合に、日本は日本としての特徴を出さなければいけないというようなことを観念的によくいわれております。しかし、その考え方を考えてみますと、何か、フジヤマであるとか、ゲイシャであるとかいうような式の特徴を出していこうという考え方と受け取れないこともない。しかし、私どもオリンピックをやるのでありますが、やはりオリンピックの開催そのものの中に、近年のオリンピックの出してきておる傾向を取り入れて、そして東京大会こそ新しいそういった競技、そういったものを打ち出していくということが、ほんとうの特色の出し方ではなかろうかと思うのであります。そういう意味合いにおきまして、正式競技をやっていくことのために皆さんお疲れでありますし、大へん努力もされておりますけれども、それ以外に、オリンピック全体の姿というものをやはりこの際われわれは持つ必要があるのではないか。多少こういったものにつきまして目鼻がついてきたので安心して申し上げるわけではございませんけれども、そういった意味で私二、三これに関連して質問をいたしてみたいと思います。  いかがでしょうか、このエキジビション・ゲームなどというものをどういつだ範囲でおやりになるか、あるいはまた、オープン・ゲームというようなものを、これはもちろん開催地である東京ではできませんから、その他の地方でおやりになることだと思うのでありますが、そういったものについて概略どういうふうに考えておるのだということについて一つ組織委員会から御説明を願いたい。
  17. 津島壽一

    津島参考人 お答えいたします。まず第一に、一般の正式競技種目ということは御承知の通りでございます。それ以外に東京大会として考えておりますることは、いわゆるデモンストレーションというものでございます。その前に、大体規模はどうなるかということについてのお尋ねがございました。これはいよいよ正式に招待状を出してその回答を持ち、またエントリーの数を回答を受けるという段階でないと、はっきりはいたしませんが、われわれの準備いたしておるのは、選手村等の規模その他からいって、大体八千人を受け入れられるようなものを作っております。こういうことでございます。参加国はローマよりは多くなるという見通しでございます。ローマはたしか八十三カ国であったと思いますが、それよりも新興国家も多いし、また、これからの国が特に日本に対して特別の関心を持ち、人数は少なくとも参加国数は多くなるという考え方をいたしております。従いまして、正確な予測は困難でございますが、大体八千人の規模でもって万事手配をしよう、こういう考えでおります。そういうことで最大の規模と申し上げて差しつかえないと思います。  なお、二十種目以外のデモンストレーションの問題でございます。これはやはりモスクワ会議において正式に決定するわけでございますが。われわれの今まで見ているところは、国内におけるスポーツ、在来の競技というものとしては剣道を考えております。これをどういう方法でやるかということは、今後検討すべき問題でありまするが、大体そういうような考え方をいたしております。第二は、外来のスポーツとしては野球を考えております。  なお、地方において同時にいろいろなオープン・ゲームをやるかという問題でございますが、国際的試合は、オリンピック開催中は禁止されておるわけです。従いまして、あらゆるスポーツというものはオリンピックに集中するという観点から、プロスポーツを含めて、この会期中はこれを行なわないようにしたい、こういう考えでございます。  なお、特色を出すという点については、二つの問題があると思います。すなわち、一つは、アート・エキジビションというか、芸術展示会であります。これは御承知のように、正式種目でございます。これらにつきましては、すでに前回のアテネ会議において大体構想を了承されて、その構想のもとに今進める準備をやっているわけでございます。簡単に申し上げれば、古代、近代の日本の絵画、美術、彫刻、その他建築等、また、写真その他の種目もございましょうが、この芸術展示会を開く予定ございまして、特別委員会を設けて、細川護立先生が委員長として、各界の代表的の方が今そのやり方を検討いたしております。これは会場その他のいろいろな困難な問題がありますが、日本の最高の美術をここに展示しよう、古いもの、また近代のものを含めて、それには、あるいは芸能としては歌舞伎とか、あるいは雅楽とか、あるいは特有の舞踊というようなものも含めてという意味で、委員の中にそれらの代表の方を含んでいる次第でございます。それが一つの問題であります。  それから、今検討中でございますが、特にアジアにきたオリンピックの初めての大会であるという観点から、アジア諸国のいろいろな協力を得なければならぬし、また、さきのローマにおいてもそういった意向が各国から表明されたわけでございまして、来たるべきジャカルタの会合、すなわち第四回アジア大会においては、このオリンピックの実行に関してのいろいろな協力、勢意を大いに得たいという考えを持っておりますが、その中で、トーチ・リレー、聖火のリレー、これにつきましては、いずれ具体的の案がきまることでございますが、大体はアテネから、オリンピアから東京までの間にアジア諸国を経過して持ちきたらそう、これにはアジア諸国が全面的の御協力を願いたい、こういう意味において、世界全体の協力はもちろんでありまするが、アジア的、東洋的、また、特に日本的のいわゆる色と味をそこに出すということに苦心をしている次第であります。そういった意味におきまして、アート・エキジビションの問題は、いかにやるかという問題が今後の問題でございますが、必ずや異色あるものが出てくるのではなかろうかということを期待している次第でございます。
  18. 田畑政治

    田畑参考人 今、津島さんからお話がありましたけれども、今の阪上委員のおっしゃることは、おそらくオリンピックのときのデモンストレーションということだけでなくて、もう少しいろいろなエギジビション的なものをやったらどうかというお話だと思います。これはベルリン大会のときはいろいろなものをやりました。憲章には、外国で育って国内に移入されて盛んになったもの一つ、それから、その国で生まれてその国で盛んに行われているもの一つ、この二つだけやり得るという規定でありますけども、ベルリンの場合は、グライダーやポロその他ずいぶんいろいろなものをデモンストレーションかエギジビションかはっきりせず、やったのです。その後になりまして、非常に強く、憲章通りにデモンストレーションは二つだということをIOCの方でこだわっておるのであります。従って、いかにその間隙を縫って日本のオリンピックらしいものをやるかという問題が技術的に出てくると思うのであります。ことに、今の二つのデモンストレーションのうち、一つは、日本で在来から一番盛んである野球ということに一応きめております。それから柔道は正式競技として入りましたので、国内スポーツとして一応剣道という線を出しておるのですけれども、これに対してはアマチュアの柔道剣道と一緒に志道会を組織している弓、相撲というものを入れてほしいという要望が非常に強いのであります。私はこれは大まかに考えまして、スポーティング武道という名前で、水泳に百メートルもありますし、千五百メートルもあるしバック、ブレストもあるように、スポーティング武道の中に、剣道もあるし、弓もあるし、相撲もあるのだということで入れ得ると考えそれを持ち出そうかと思っていたのですけれども、どうもデモンストレシヨンというものの解釈が非常に狭義でありまして、野球にしても、リーグやトーナメントはだめで、一回試合というのが、各国のデモンストレーションの通念であることがはっきりしたのであります。そうなってきますと、とても武道という名前で弓道、相撲をやるということはIOC総会の承認を得ることが非常にむずかしいのではあるまいかということが予想されますので、たとえば剣道を日本のフェンシングだということにして、フェンシングのエギジビションとしてやり、相撲を日本のレスリングとして取り上げ、デモンストレーションとして弓をやるということにすれば、柔、剣、弓、相撲をやることは可能ではあるまいかと現在考えていますが、武道として柔、剣、弓、相撲の方は何とか一緒にやってくれと主張しますのでその点何かもう少し——研究しないで持ち出してみても、IOC総会で、日本のデモンストレーションに対する考え方が変じゃないかと言われるおそれがありますので、今それを研究しております。  もう一つ、日本の方の特色を現わすために、これはこの回、ソ連以下ずっと東欧圏の七カ国を回りまして全勝して世界に脅威を与えました女のバレー、これを何とか正式のものに加えたいということで努力をしております。これはアテネ総会で女のバレーを入れろということを提案したのですが、ボール・ゲームは出場チーム数は十六チームに制限されていますが、それでも男女を入れれば三十二になってしまい、多くなり過ぎるというので、女子の方は削られてしまったのです。今度はどうしても入れてほしい、そういうことを、日本はもちろんですけれども、国際バレー協会も言いますから、また女子十六チーム加えるということは不可能ですが、十六のワク内で、たとえば女を六、男を十ということにするならば不可能じゃないと思う、むしろ可能性は非常にあるから、その点を国際バレー協会の方からIOCの方に申し込め、そうすればこちらから、せひそれを日本としてやってもらいたいのだというサポートをするということで、何とかして女のバレーを入れて特色を出したいと運動しています。柔道もああいうようになりましたけれどもオリンピックでは柔道は四段格やりますが、これに全部優勝するよう、強化対策本部としても、柔道連盟としても非常な努力をしております。そういうようなことで何とか特色は出したいと思います。一番日本的な特色は、今、洋島さんのおっしゃった古代から今までの国宝級のものを並べる。オリンピック東京でやるけれども、日本だけのものではなくて、アジアのオリンピック東京はアジアの選手として開催国の名誉を得たのだ、今度のオリンピックはアジア全部のオリンピックだという気持も全アジアの国民に持ってもらうため、聖火も一晩くらいは各国の首都でお祭をやるというようなことも考えております。
  19. 阪上安太郎

    ○阪上委員 この問題につきまして、当然でありましょうけれども、非常にいろいろと苦心をされておりまして、そのほどがよくわかるのであります。そういったデモンストレーションなりアート・エギジビションなりのいろいろな計画があって、そこで問題になるのはその財源の問題であります。これは簡単でけっこうでございますが、そういった財源の見通しはついておるのでしょうか。
  20. 津島壽一

    津島参考人 オリンピック組織委員会予算は九十二億という総計でございますが、三十八年度、九年度においてこれらの巨額なる予算を計上したゆえんは、これらに対する若干というか、妥当と見ている経費も計上しております。アート・エギジビション、芸術展示においても、まだ出すものが具体的に全部きまっておるわけではございませんけれども、二億円くらいはこの予算の中に計上しております。それから、剣道をやるとかなんとかいう場所、施設の問題は、ほとんど——たとえば野球場は神宮の野球場を使うとか、その他適当な従来の施設を利用しようというわけですが、若干の運営費は伴う、これらはそれぞれその費目の中に計上しておるということでございます。しかし、ただいま言ったように、デモンストレーションのやり方がどうなるかということはまだ未定の点がございますので、確定した予算の金額の計上ということは今年の後半になるかもしれませんが、芸術展示の中で必要な経費は計上する必要があると思っておる次第であります。
  21. 田畑政治

    田畑参考人 もう一つ申し忘れましたけれどもオリンピックの期間中は、国際的なものはその開催地ではできないということになっています。オリンピックが終わってからやることは問題はないが、オリンピック中はいかぬということになっております。一番初めは、一九三五年のロスアンゼルスだったと思いますけれども、行事の一環として、スポーツ医学会と体育会議とを一本にしてスポーツ学会を組織委員会仕事としてやってきておる。ローマの場合はそれがたくさん分かれてしまって、三つの国で催されましたが、今度はスポーツ医学会と体育会議とを一本にして東京でやるという企画を持っております。  もう一つは、組織的にはローマが初めてで、その芽はヘルシンキに出ていましたが、国際青少年キャンプをやりました。ローマの場合は、組織委員会仕事としてやり、これは組織委員会の特設軍団に担当させたのであります。今回はすでにイタリア、ドイツ、フランスからも、ぜひとも参加したい、それには飛行機では金がかかるから船に乗せて、教師と医者をつけて、移動教室としてこっちへ来たいということを言ってきておりますので、これも国際的催しですから、組織委員会事業としてでなければできませんから、組織委員会の卒業としてやることにしています。組織委員会事業としてやるということをはっきりさせた上で、実施については関係方面の協力を要請するつもりです。
  22. 阪上安太郎

    ○阪上委員 実は今田畑さんからおっしゃった東京オリンピックにおける世界青少年キャンプ、私は、非常に勝手でありますけれども、この際これに対して強くお願いをしておきたいと思っておったわけでありますが、先にお話がございました。実は東京オリンピックを機会としての世界青少年キャンプでありますけれども、これは津島会長も御存じのように、ローマ大会のときには、まん中で八千名の選手が妍を競うておりましたけれども、これを取り巻いてあの周辺にキャンプを張って、世界の青少年諸君が、選手にはなれなかったけれども、ぜひともオリンピック参加したいというような気持で、参加するのは必ずしも選手ばかりではなく、見物人もみな参加しておるものだとわれわれ考えますが、そういった広い意味において青少年諸君は参加してきておる。これは非常にたっとい姿ではないか。こういったものこそ、東京オリンピックの特色として打ち出すべきではなかろうか、こう自分は日ごろ思っておったものでありますので、逐次そこへ入っていこうと思っておったわけですが、あの場合、世界各国からどのくらい青少年が集まっておったかということにつきましては、私は詳細なデータを持っておりませんけれども、かなりの数であったということだけは言えると思います。私はその場合、二、三キャンプを視察して回ったわけでありますが、驚いたことには、これらの青少年諸君は、そんなことは彼らはいとうてはおりませんけれども、非常に悪い環境のもとにキャンプが行なわれておった。全く砂ぼこりの中で天幕を張っておった。しかもオリンピックの開催中そこで生活しておる。規律はきわめて正しい規律のもとに置かれております。これらの子供たちが、あの大会場のあの追い込み場の中に入って参りまして、それぞれ自国の旗を振って選手諸君を激励しておる。この姿を見ましたときに、将来のオリンピックというものは、こういった面が非常に高く評価されて取り入れられていかなければならないのではないか、こういうように私は痛切に感じたわけであります。前々からも会長さんや田畑さんの方にも申し上げておったのでありますが、ぜひこれを組織委員会事業の中に入れていただいてやっていただきたいと思っておったのであります。今田畑さんから先に、やりたいということを御決定になったそうでありまして、非常に私は感謝したいと思っております。つきましては、実は総理府の中にあります中央青少年問題協議会でこの問題がやはり取り上げられております。わずかな予算でありますが、八十万円でございます。これはオリンピックを目当てとしてやったものではないかもしれません。しかしながら、そのときの説明によりますと、現在申し込みがあるのは、西独で二百名、それからフランスで五百名、その他大体三千人程度が見込まれるのじゃないかという見通しのもとに、総理府の青少年問題協議会においていち早くこれを取り上げられておる。しかし、この程度のスケールでは私は収容し切れないと思います。ことに、おとなが競技場へ来て見ていただくのもいいと思うけれども、日本国じゅうの青少年にこのオリンピックを見ていただくということが、私は将来の青少年対策じゃなかろうかと思うのであります。そういう意味において、これを組織委員会で取り上げるならば、この程度ではいけない、同時にこういったばらばらな形で取り上げていくこともよろしくない、何かこれを一本化して取り上げていく必要もあるのじゃないかというように思うのであります。  そこで、組織委員会の熱意のほどはよくわかりました。思い切ったものをやらなければいかぬということでありますが、それについては私もいろいろ提案がありますけれども、この際、総理府の方が見えておりますので、これについてあなたの方の考え方はどうなんでしょうか。ということは、今幸いにも組織委員会で大々的に取り上げていこう、こういうことでありますので、むしろ、こういった——これはさしみのつまみたいなものです。しかし、この着意はりっぱです。これをもう少し一緒になって大きなものに仕立て上げていこうという考え方に同意されるかどうか、この点について一つ決意のほどを承っておきたい。
  23. 佐藤朝生

    佐藤(朝)政府委員 ただいま阪上委員からお話がありましたように、中央青少年問題協議会の来年度予算に八十万円計上しております。われわれといたしましても、組織委員会その他関係団体、各省と打ち合わせまして、この青少年の受け入れを大々的にやっていきたいという気持でおります。この予算は非常に少額でございますが、その打合会の費用でございまして、まだ実施の費用はこれからの問題だろうと私は思っております。
  24. 阪上安太郎

    ○阪上委員 そこで、承りたいのは、あなた方はやるという、それは非常にけっこうなんですが、どうですか、この組織委員会との関係において、むしろこの際組織委員会の中にそういうものを作り上げていく。青少年問題というのは永久的なものです。しかしながら、考え方によれば、このオリンピック——ゲーム自体か永久的なもので、東京大会だけで一切が終わるのじゃない。将来の長期展望というものをすっと持たなければいけない。そういう意味で、必ずしもこだわる必要は私はないと思う。幸いあなたは政府ですから、えらい力をもってこういうものを持ち出してきた。だから、この際組織委員会の中に入り込んでいって、そういった問題をさらに拡大強化していく、こういうことについてあなた方の意見はどうか、こういうことを私は伺っている。
  25. 佐藤朝生

    佐藤(朝)政府委員 もちろん、私の方がやらなくてもいいのでございまして、組織委員会に入り込んでやるのに一向異存はございません。
  26. 阪上安太郎

    ○阪上委員 そこで、いま一つスケールの問題についてお伺いしたいのは、音楽の問題なんであります。私よくわからないのですが、しかしながら、大会参加していろいろと感激して参った一人として、大会において音楽ほど重要なものはないと私は思うのです。この場合、これが悪いというのではありませんけれども、警視庁の楽隊を持ってやるとか、そんな程度じゃ私はこれはものにならぬと思う。これに対するところの計画、それと、もう一つは、こういうことを言うとそういう芸術関係者の方にしかられるかもしれぬけれども、これは育てていかなければならぬ問題じゃないか。この十七回オリンピヤードの間に育てて、十八回に持ち込んでいく、こういうことだと私は思うのでありますが、この場合のこれまた助成、補助の問題、これとあわせて一つ簡単にお答え願いたい、こういうように思います。
  27. 津島壽一

    津島参考人 音楽の問題は、競技に直接関連したものと、また、先ほど申しました芸術展示の中にあるものとがございます。芸術展示の中には、憲章の中にも、シンフォニーとか音楽とかいう言葉が使われております。従いまして、芸術展示特別委員会においては、音楽のことも入っておるわけでございます。ここで日本固有のもの、また、外来のものであっても、日本の最もすぐれた技能を見せようということでございます。その会場その他の配置等は、今後具体的に検討する考えでございます。それから競技場に直接関連した音楽については、これは曲目も開閉会式等においてはさまっております。また、国歌その他ファンファーレとか、いろいろな問題がこれからあるわけで、これらも最も精選したりっぱなもの、同時に、楽隊というか、バンドを全国的に動員してやるという工夫をこらしたい、こういう次第でございます。  委員長、ちょっと先ほどの質問に対して、関連しておりましたので、この際お答えする機会に申し上げてよろしゅうございますか。——先ほど阪上委員からお話のございました少年団の問題でございます。これは組織委員会としては、各国の少年団を迎え入れてこれをどうするかという組織委員会仕事はございます。同時に、一方、日本国のスポーツ少年団というものは、これは恒久的な組織体である日本体育協会において、これを盛り上げていって、オリンピック時期にどういう仕事をやるかという問題がございまして、国内的の体制については、日本体育協会で過日の理事会で正式の決定を見まして、スポーツ少年団というか、オリンピック少年団というか、そういうものを結成しよう、それで六月二十三日のオリンピック・デーの当日を期してこの全体の計画をきめて、スポーツ少年団というか、その結成を発足しようという計画で、今準備委員会を作っておる次第でございます。これと諸外国のスポーツ少年団との関係組織委員会においてどう受け入れるかという問題が両面にあるということを申し上げておく次第でございます。
  28. 阪上安太郎

    ○阪上委員 そこで、メーン・イベントなんかのときに、あるいは開会式、閉会式当時にスタンドで音楽があるということなのですが、まさか三味線をひいてそこでやるわけにいきません。しかしながら、世界の人の耳は肥えております。日本人も非常に音楽には耳は肥えていると思いますので、あまり不体裁のものでは工合が悪い。少なくとも二千名や三千名の楽団ができ上がらなければいけないのではないかと思うのであります。こんなものは一朝一夕にできるものではない、こういうふうに思いましたので、今から準備をされることが必要なのではないか。従って、それに対する補助金の面等は、当然これは文部省あたりで一ぺん考えてみる必要がある。ところが、そういう方向のものは出ていないように思うのであります。そこで、文部省どうなんですか。そっちの方の計画はあるのですか。
  29. 長谷川峻

    ○長谷川政府委員 お答えいたします。  音楽については今のところまだ考えておりませんので、こういう機会の御意見などを参酌いたしまして、今から具体的に考えて参りたいと思います。
  30. 田畑政治

    田畑参考人 今の音楽の問題、これは政務次官のおっしゃったように、一切手をつけていません。しかし、組織委員会事業の中に式典部会というものがありますから、そこで新年度からすぐに今の開会式、閉会式の演出の問題とか、そのときに必要な音楽の問題というものは、すぐに来年度、来月早々から着手研究することにいたします。ただ、前の東京大会のときには五千人の合唱隊ということがいわれていましたけれども、それは研究問題で、今となるとマイクが非常に優秀だから、あまりしろうとをたくさん集めるよりも、非常に優秀のもので少ない方がいいのではないかという専門的の意見もあります。そういう点を今後十分研究します。
  31. 山中吾郎

    ○山中(吾)委員 関連で、青少年参加について文部関係にお聞きしたいのです。オリンピックのことは私は無知なのですが、おそらく、そういう青少年の場合には、新制中学とか高等学校の生徒ではないかと思う。オリンピックの期間は何日か知りませんけれども、この場合の授業は休むということにもなるでしょうし、そういう参加をやるならば、旅費とか滞在費とか、そういう問題を教育的にどう処理すべきかというようなことが考えられないと、組織委員会の方でそういう全国から青少年を集めて参加をせしめるということになると、これは文部省と緊密な連絡をとって計画を立てないと、おそらく地方の教育委員会も、二十日間も学校を休ますというような許可はしないと思うのです。そして、もしそういうことならば、教育的な計画を立ててやって、こちらで何か授業にかわるものをしてやるとか、そういうことをしない限りには私は実現は不可能だと思う。諸外国でどういうふうにしているかは知りません。従って、それを組織委員会と青少年問題協議会が考えておるだけでは、これは実現不可能だと私は思います。  そこで、今まで文部省はどう参加し、見解を発表されておるかどうか。これはいいことですよ。そのことについては賛成でありますが、実施については非常に複雑な問題が出るので、その辺をお聞きしておきたいと思います。
  32. 長谷川峻

    ○長谷川政府委員 ローマのオリンピックの場合でも、ヨーロッパ各国の青年が自転車などで見学に行っている姿をわれわれも見たのであります。今度の場合も、先ほど阪上委員からも申されたように、この際に西ドイツあるいはその他の国々が青少年をたくさん見学によこして、そのキャンプ場などもあっせんしてもらいたいという個人的な希望があるわけであります。そうしたときにも、ローマと違って、日本を見てもらう意味において、環境のいい場所を選びたいという内々の相談はしておるわけであります。ただいま山中委員のおっしゃった国内の学生諸君の見学団の問題になりますと、どういう諸君に参加してもらうかという具体的なところまで、まだ話はいっておりません。いずれ中央青少年問題協議会などを中心にいたしまして、さらにまた、文部省独自の立場もあることですから、今の御意見などを参酌しながら、教育的な効果など、あるいは授業等々の具体的な問題なども考慮しながら、今から先の研究問題として参りたいと思います。
  33. 山中吾郎

    ○山中(吾)委員 ローマの場合は、夏休みで各国が授業のないときだったから実現できたのだと思うのです。日本の場合は秋で、全国授業がある。従ってこれは教育計画として立てない限りは、青少年問題協議会で取り上げても実行不可能だ。文部省自体が教育計画として参加せしめるということで、全国の教育委員会協議の結果やらなければこれはできません。組織委員会が勝手にきめたって、これはおそらくだめですよ。それは、二十日間も授業を休むということになってきますと、父兄にも大きい問題になってきますし、学校もそれを休暇として取り扱うのか——授業を二十日間やらないというのは大問題ですから、こっちで授業してやるような計画を立てるなら、これは集合教育で、そしてその間の進度をちゃんとしてやるとかいうふうなことをしないといけないので、文部省が中心になってやらなければ、傍観者的立場では不可能です。それだけ申し上げておきたいと思います。
  34. 田畑政治

    田畑参考人 今のお話はごもっともであります。ごもっともでありますけれども、今の移動教室というものは、飛行機が非常に金がかかるから船でやるのだ、外国から来るものは、今の移動教案は、先生がつき、お医者もついているのです。しかし、日本の場合は、入る競技場の定員もありますから、日本じゅうの大多数の少年を二週間全部ということは全く不可能だと思うのです。従って、団体を分けて一日か二日見てもらうということが私は精一ぱいだと思いますので、長く休むという問題は、ワクと申しますか、入場券と申しますか、入場人員の関係から、これは不可能ではないかと思います。せい、ぜい一つの競技なり二つの競技なりをなるだけみんなに見てもらうということになるのではないか、こう思っております。
  35. 阪上安太郎

    ○阪上委員 今山中君からもお話がありましたような問題について、さらにもう少し質問してみたいと思いますが、その前に残っている問題があるのであります。それは、競技が終了しましたあと、地方におけるオープン・ゲームの競技の問題なんであります。これについて別に私は文部省をつついていこうという考え方はないのでありまして、やってもらいたいという気持だけで申し上げるのです。結論からいきますと、この間この特別委員会で地方を回ってみたのでありますが、その結果、やはり大阪あたりでは、オープン・ゲームをやりたいというような意向が非常に強い。問題になるのは施設の問題です。兵庫県におきましても同様の意見が出ておりました。京都府においても同じ意見が出ておりました。問題は施設の問題です。これに対して、体育振興の建前も兼ねて、もう少し思い切った育成の方途を講じないといけないのではないか。このことは逆にひっくり返すと、あとで問題点といたしたいと思っております選手強化の問題とからみ合ってくる、こういう問題なのであります。東京都においても、オリンピック施設以外の問題は、これはやはり同じ地方的な感覚で処理されていかなければならない、こういう問題が出てくるわけであります。ことに水泳などは、十月でありますので、これはもう室内でなければできない。東京なんかでも、室内競技場が一体どれだけあるのか。正式競技ができたといたしましても、練習をどこでやるかというような問題も出てくる。こういった問題について、いろいろ施設の問題はたくさんあると思います。一体これをどういうふうに処理していくか、こういうことだと思うのでありますが、これは何もかも組織委員会にまかすわけにいかない。重荷になってどうにもこうにもいかなくなってしまう。従って、幸いスポーツの専門の文部政務次官がここに見えておるのだから、ぜひ一つはっきりと、これらの点についてはこうするのだというような見通しを——私、予算も見ておりますけれども、ことしの文部省のこんな予算ではだめなんですよ。こんなものでは役に立たぬ。これに対してどういうお考えを持っておられるか、これを一つ伺っておきます。
  36. 長谷川峻

    ○長谷川政府委員 文部省としては、オリンピック組織委員会という大きな有力な機関がありまして、その中から施設についてやってもらいたいという問題について予算を折衝して、先ほど来津島参考人あるいは田畑参考人から御報告があったように、施設についてはまずまずというところまで予算の獲得ができたのも、これは委員各位の御尽力のたまものだと思っております。さらにまた、そうした施設のほかに、私の方としましては、かつてのオリンピック選手であった阪上委員が御心配のように、やはり選手強化をしてもらわなければならない。大会を日本で、初めてアジアでやったが、ばたばた負けたのではこれは困ると思いますから、選手強化の方に極力お願い申し上げたく、予算ども十六億五千万計上しておりますが、今年度は一億六千万だけ取れておる次第であります。こうしたことなどによって、昔、一生懸命がんばって、メーン・マストに日本の旗を上げた苦労した選手の方々に、選手強化の第一線に当たって御尽力いただき、その効果が着々今現われつつあるという関係になっております。  なお、こういう機会に、前後において大いに競技をやって、技術向上あるいは国際交流などをさしたらいいではないかというような御意見、ごもっともでありますが、そうした専門的な問題については、またそれぞれ係の者からお答えをさせますけれども、とにかく、せっかくアジアにおいて、しかも日本において、これだけの国際的なオリンピックを初めてやることですから、こういう委員会などを通じてPRをしていただき、国民全体にこの成果が上がるように御尽力のほどをお願い申し上げる次第であります。
  37. 前田充明

    ○前田(充)政府委員 ただいまの選手強化の問題でございますが、政務次官からおおむねお話しになったのでございますが、組織委員会でおやりになっております選手強化の方式としては、競技技術の研修と申しますか、いわゆる講習会とでも申しますか、合宿とでも申しますか、そういうようなことと、それからコーチの力を強化して……
  38. 阪上安太郎

    ○阪上委員 そんなことは知っているのです。それを聞いているのと違う。それはわかっているのです。
  39. 前田充明

    ○前田(充)政府委員 それでは、この四本の競技技術向上の柱に関連いたしまして、文部省自体として施設設備を十分にやらなくちゃいかぬ、こういうお話でございますが、その点は、地方で最も要望の強いのは水泳でございます。水泳につきましては、今年度は一億二百万円の予算で水泳場を作るということの補助金を計上しております。そのほかに、特別地方債として厚生年金の還元融資、それでもできるだけまかなう。それから中学校等につきましては、いわゆる文教施設屋内体育館としてやる。いろいろな方法では考えておりますが、体育局自体といたしては、ただいま申し上げましたようなオリンピック施設重点を置きまして三十七年度予算を計上したわけでございますので、今後の問題としてできるだけやりたいということでございます。ただ問題は、おくれるということについての問題、そこのところをどんなふうに調節するかという点については、十分検討いたしたいと思います。
  40. 田畑政治

    田畑参考人 今阪上委員のおっしゃることについてですけれども、今後の問題として、これは文部省でやっていただくより仕方がありませんが、オリンピック東京大会に勝つための強化のための施設の問題、私が先ほど申しました、どうしても改めていかなければならぬということは、これは政府補助をいただくこともいいだろうが、資金財団の方で別途に何とかいたしたいというふうなことでございますが、その十六億の大半が、今阪上委員の申しておりました練習の場合の練習用具というものが中心でありまして、これは東京大会にはその程度のものをどうしても自力で集めなければ間に合わぬということで、それを主として十六億円ぐらいほしいということでございます。
  41. 阪上安太郎

    ○阪上委員 そこで、文部省も先ほど言われましたけれども、スポーツ振興法等に基づくいろいろな措置をスズメの涙ほどしておられる。ここにちゃんとありますが、大したものじゃございません。こんなものでは間尺に合わぬ。おざなりにやっておられる。文部省というところは、なかなか予算をようとらぬところでこういうことになるのだろうと思うのですが、私が言っているのは、地方に対する補助なんですよ。一つのあれで全部をやっていくというわけには、今の日本としてはいきますまいから、ある程度持ち合わなければならぬが、その場合、一番大事な責任者として地方公共団体がこの際思い切ってやっていく。また、先ほど言いましたように、やりたいといっているのです。オープン・ゲーム等は当然来るだろうし、そのことを期待している。そのためには今のうちに施設を整えておかなければならないという熱意が今燃え上がっておる。それに対して、今までのこういった文部省の体育行政のあり方ではなくして、このこと自体は基礎的なものだと思います。しかし、それにプラス・アルファして、この際、オリンピック目当てとして整備していこうという今の地方公共団体に対する施設補助の問題、これを思い切ってやっていかなければいけないのじゃないか。それに対して長谷川政務次官はどういうふうにお考えになるのですか。
  42. 前田充明

    ○前田(充)政府委員 筋道を申し上げますと、地方への補助、これはオリンピックに続いていろいろなことをやる、たとえば水泳大会をやるとか、陸上大会をやるとか、そういうことをやる、オリンピックあとにいたしましても、外国人も入ってきて、そういう国際的な競技をする、そういうことになりますと、施設が問題になる、その施設をこの際すぐやるかどうかという問題だと思うのでございますが、そういたしますと、オリンピックそのものではなくて、オリンピックの済んだあとでございますので、オリンピックとは直接関係はないわけでございます。日本全体としてそういうことが行なわれることは、将来のスポーツ行政と申しますか、日本のスポーツのあり方としてはけっこうなことでございまして、私どももそういうことについて決して消極的なものではないのでございます。ただ問題は、東京に作ります国立競技場とかあるいは国立屋内競技場と同様な程度の施設を作るということにいたしますと、たとえば大阪なら大阪で作るということになれば、あるいは九州でも必要だとか、あるいは北海道でも必要だという問題もたくさん起きてくるのじゃないかということも私想像するのでございます。そういうことになりますと、これは施設そのものから申しますと、オリンピックを何度もやるというほどはもちろんかかりませんけれども、とにかく莫大な予算が必要になってくると思います。そういうことになりますと、そう簡単に全面的にやるということには参りません。そうすると、一体どんなふうにやるかということになりますので、先ほども申し上げましたように、この問題は相当検討をいたさなければならないのじゃないか。ただ、大阪というようなりっぱな大きい都市で大いにやっていただくことについては、私どもとしては満腔の協力はいたしたいのであります。
  43. 阪上安太郎

    ○阪上委員 何かわかったようなわからぬようなことですが、大阪へ行って聞いてみると、室内プールがほしい、作らなければならぬと知事も言っておる。それから中井大阪市長もそう言っておる。しかしながら、こういったものをやっていくためには、いろいろな財政のバランスがある、従って、この際ちょっとでもいいから誘い水くらいということなのです。あなたは、北海道でもどこでも出てくるだろうと言われるが、そういう要求は多いほどいいでしょう、そういう措置を考えるときには。ですから、そのときに誘い水をやるということを文部省でなさいということです。それくらいのことできるでしょう。体育局長予算をとるのがうまくないらしいから、次官、あなたから一つ……
  44. 長谷川峻

    ○長谷川政府委員 やはり水泳出身の阪上委員は、プールの問題に御熱心のようで、こうでございます。私は、そういう意味もありまして、実は皆さんに御審議願って作りましたスポーツ振興法以来、ブールの予算も——数こそ少なかったが、ことしも五割ぐらいふえております。そういうふうに、各地区にまずプールを持たせることが必要じゃなかろうか。それをオリンピックを機会に整備したいという気持、これも了承できます。また一面、私のところに個人的陳情がありますのは、ワシントンハイツに屋内のプールはできるだろうけれども、一体練習するところはどこがあるか、明治神宮プールは金をとっておりますし、どこでも子供たちが一ぱいで、選手なんか泳げません。これだけ水泳日本の名前を掲げているのに、水泳を練習するプールがないのです。そこで、こういう問題を、私の方も御加勢しますし、あるいは水連の方もほんとうに考えて、隘路があるならばその隘路の打開にみんながやるべきじゃなかろうかと私は今思っておる次第であります。  それからだんだんのお話の、こうした機会に大阪あたりでも作りたい、幸いに富裕都市であるし、財源も、まるっきり国家の補助金をもらわぬでも誘い水ぐらいでできるというなら、これは三十八年度予算に皆さんと一緒になって誘い水くらいは——相手はプールですから、水を注げばじゃんじゃん泳げるようになるなら、これは一緒にやろうということだけ申し上げておきます。
  45. 阪上安太郎

    ○阪上委員 いいところを出してもらってどうもありがとう。ぜひそういうようにお願いしたいと思うのであります。  つきましては、選手強化対策の問題でございますが、今政務次官も言われたように、選手強化対策の隘路をどう打開し、どう障害を除去していくか、この問題であります。そこで、この強化対策本部白書——白書といっていいかどうかわかりませんが、それによりますと、大体五つの問題点が出てきております。五つの不足がある。こういうことなんであります。その一つは、いわゆるトレーニング場が不足だ。それから、先ほど田畑さんもおっしゃったように、用具が不足である。また、あちらこちらに持ち運びしなければならぬので、とてもじゃないが大へんなことだ、こういうことのようである。それからコーチが不足しておる。いろいろな体育施設を持っておりますところの、そういう会社であるとか、あるいは学校であるとか、これがやはり協力が不足する。それから一番最後には、強化資金が不足しておる。この五つの足らぬところが出てきておる。この不足を満たしてやることがやはり選手強化対策になる、こういうことだと私は思うのであります。御承知のように、外国から来る選手をほんとうに心から喜ばすために、少なくとも、また礼儀としても、先ほどお話もありましたように、とにかく日本選手が強くなければならない。これが弱いようでは、全く礼儀を欠いてしまう。いかに宿泊施設その他が整いましても、日本の選手が弱いということでは、外国の選手オリンピックに呼んできて競技を開催しても、これは礼儀を尽くしたことにはならない。そのために、いろいろな問題も必要でありますが、この選手強化対策ほど必要なものはない。しかもこれは、一日おくれれば一日おくれるほどあるいは、一日、二日、三日と障害があればあるほど、この問題は解決がますます困難になってくる、こういう問題だと思うのであります。そこで私は、この五つの問題について逐次お伺いいたしたいと思います。  まず最初に、トレーニング場の不足の問題、これについては、文部省ではトレーニング・センターの計画を持っておられるように私は承っております。これは非常に卓見だと思いますが、それがはたしてどの程度に進んでおるのか、見通しはどうなっているのですか、これを一つ伺いたい。
  46. 前田充明

    ○前田(充)政府委員 トレーニングのセンターという薄葉が妥当かどうか知りませんが、東京都内の大島に、冬トレーニングのできるような場所を作るということについて、体育協会の選手強化対策本部の方でお考えになっておられまして、それに私ども協力しつつあるわけでございますが、問題は、まず建物、いわゆる体育館でございます。それについては、どういうふうにするか、それは東京都の関係が主でございますので、東京都が御関係になっており、それから私どももこれに関係して、ただいま、何と申しますか、最後に近い相談中でございまして、まだここではっきりお答えする段階ではないのじゃないかと思っております。ただ、強化対策本部の方でお答え下さることと思うのでございますが、東京都と話し合っているのが一番の中心でございます。
  47. 阪上安太郎

    ○阪上委員 組織委員会の方で何か御計画があるというのですが、それを一つ……。
  48. 田畑政治

    田畑参考人 私、体協の強化対策本部をやっておりますから、お答えいたします。今のトレーニング・センターと申しますか、とにかく練習場がないということなんです。それで、一つは、今大島に、本格的と申すまでにはいかぬにしましても、本格的に近い練習場、トラックを作りたいということなんですが、これが高校学校で、非常に協力しておりますが、東京都の話からしますと、学校の生徒の数によってスケールがきまるのだそうであります。従って、こちらが希望する、理想的でなくて、八割程度のものでけっこうだというものでも、作るわけにいかないというところに、まだ話し合いの余地が残っておることと、それから文部省の方にお願いして地所は三万坪も為等学校は持っているのです。今二百メートルのトラックなんですが、それを四百メートルに広げたいということで、文部省の方は予算は取ってあるらしいのですが、社会の方の振興のための費用で、それを学校の施設補助するというのがむずかしいということで、今文部省と私の方と東京都とで具体的にどうしたらよかろうという相談中でございます。
  49. 阪上安太郎

    ○阪上委員 お聞きのような状態でありまして、トレーニング場の不足という問題についての解決の見通しは全くついていない。  そこで、大島の問題と、もう一つ、霧ケ峰か何か計画を立てておられるように私は伺ったのでありなすが、そのことについてちょっとこの際お伺いしたい。
  50. 前田充明

    ○前田(充)政府委員 もう一つ、トレーニング・センターということでお話がございましたのは、菅平に夏のトレーニングをするところを作るということで私ども計画はいたしたのでございますが、本年度は残念ながら計上をされるに至りませんでした。この問題は、やはりお話しのように一応の問題であろうと思っておりますので、今後とも努力いたしたいと思っております。  ただ、もう一つ、トレーニング場という問題といたしましては、各大学にも最近はだいぶりっぱな競技場ができつつございます。従って、たとえば夏で申しますならば、松本とか、あるいは北海道とか、そういうところの大学ができるだけ協力をするように各大学にお願いをしておる現状でございます。
  51. 阪上安太郎

    ○阪上委員 文部省ではみなお願いされるのですが、人のものをただで使ってはいけないですよ。そういう場合にはやはり何らかの補償をしてやらなければいかぬ。そんなことは各競技団体でやればいいのではないかと言われるけれども競技団体は金を持っていない。この選手強化の白書のときの座談会等を見ましても、それぞれのエキスパートの言っていることは、やはりそういった小さな問題に非常に苦労しておられる、こういうことなんです。宿泊費でも八百円くらいで一日やっていく。伸びてもせいぜい千円ほどである。あの食い盛りの選手をつかまえて八百円やそこらでやらして、そうして練習だけ強化すれば、体位は落ちる一方ですよ。そこで、組織委員会としても、体育協会でもああいうふうにおっしゃているこの際、民間でやろうとしても、目はそこへ向けているのだけれども、なかなかうまくいかないのだ。こういう問題についてこそ、文部省で一つ思い切ってやってやるべきだ。所管がどうであるとかこうであるとかいうことは別として、せっかくそういう計画を持っておるが、ことしは遺憾ながらなくなってしまった、こう体育局長はおっしゃるのだけれども、遺憾ながら消えてしまったということでは、これはどうも工合が悪いのです。とうとう皆さんの御協力でこれはやることになりましたというような明るい報告ならばいいけれども、遺憾ながらこれは予算から削られたというようなことでは、どうにもならない。せっかくいいアイデアを持っておられても、それがちっともそこへ持っていけない、こういうことなんです。これは長谷川さん、一つことしやったらどうですか。
  52. 長谷川峻

    ○長谷川政府委員 ことしは私の力でオリンピック施設としてやる方に非常に重点的に予算獲得に向かったのですが、そういうきめのこまかいところで無力な点は恥じております。しかし、施設の方が大体めどがつきましたので、今から御注意のようにきめのこまかいところで一生懸命がんばって、りっぱな成功を期するようにやってみたいと思います。
  53. 阪上安太郎

    ○阪上委員 だいぶ時間がたちましたので、また次の機会に譲りたいと思いますが、最後に一つ。先ほどございましたように、選手強化対策の面から見ても、今言ったようなトレーンニグ・センターというような形のものが一応考えられる。それから青少年諸君がオリンピック大会に集中して来るという場合にも、この宿泊施設としてのものが一応考えられなければならない。先ほど山中君からも異論が出ておりましたように、そういう場合に、場合によってはある一定の期間の教育もしなければならないというような問題もあります。それから先ほど東京都から、やはり何といっても三万人以上外客がやってくるだろう、これらの人人に対する宿泊施設が一万五千とおっしゃったから、半数もない。この間京都あたりへ行きますと、三千しかないと言っております。あの観光都市だといわれておる京都が、外人を収容するのに、A級の日本旅館を多少の改造をやっても、三千しか収容できないというようなことを言っておりました。大阪でも同様な比率が出てくるのではないか。こういうことをいろいろ総合的に考えていきました場合に、ここに一つ考えられることは、各省で非常に力を入れておられるところのユース・ホステルといいますか、青少年の家の問題があると思うのであります。こういったものをある程度解決していく一つの考え方として、青少年の家を考える必要があるのじゃないか、こういうように思うのであります。総理府では中央青少年問題協議会等においてやはりこの問題を取り上げております。ところが、これは御承知のように運輸省も取り上げておる。文部省もこの問題について取り上げられておる。考え方によると、ばらばらにその方策が出ている、こういうことなんであります。この場合、やはりトレーニング・センター等を形に置き、オリンピック対策等も形に置いて、外人旅客誘致の問題等も解決していく一つの——りっぱなホテルをどんどん建ててしまって、あと経営に困るということでは困りますので、一番いい問題はこの青少年の家じゃないか。私がここでくどくど申し上げる必要はないと思いますが、どうも日本で取り上げられている青少年の家というものの構想は、諸外国のまねをしたのでありましょうけれども、できるだけ費用のかからぬというようなものの考え方に立っておりますので、当然あるべき運動競技の総合施設などというものは青少年の家についていないのです。そのことのために、青少年の家は、ただ単にワンダーフォーゲルをやるというような、一つのたまり場所になっているというような傾向であって、諸外国、ことにヨーロッパあたりで取り上げられている宵少年の家と内容が非常に違ってきておる、こういうことなんです。西ドイツあたりでは、あの小さな面積の中で全国に四千くらいユース・ホステル、青少年の家がございます。ユーゲントヘアベルゲというのがあるのでございます。これは申し上げるまでもなく、体育施設、音楽、読書、工作、非常に教育的なものですが、こういった施設が必ず完備されておる。あらゆる競技ができるようにこれができております。こういったものが、ユース・ホステルとして、あるいは青少年の家としてあるならば、私は、この選手強化対策に非常に大きな役割を果たしたであろう、こう思うのであります。そこで、これをばらばらに取り上げないで——運輸省は何か全くの観光目的で取り上げておる、あるいは総理府の方では、これは青少年問題の対策として取り上げておる、こういうようなばらばらな考え方ではなくして、選手強化も一緒に含めてそしてこの問題を取り上げていく。オリンピック東京大会だけではございません。四年ごとに次々と選手を派遣していかなければならないのですから、長期の展望に立たなければならない。そういう観点から青少年の家をこの際思い切って増設していく。これに対しては各都道府県、市町村等においても非常な熱意を示しております。先ほど言いましたように、そこに誘い水があることによってこれがどんどん建っていく、こういう傾向も今出てきております。こういったものを真剣に取り上げてこそ、ほんとうに選手強化対策になっていくのではなかろうか、こういうように思うのであります。新聞等を見ましても、また各エキスパートの意見を聞きましても、競技場はあるけれども、そこに宿泊施設がない、こういうことで大へん大きなむだな入費がかさんでいる。しかも、なけなしのわずかな強化費の中では、とてもじゃないが、まかなえない、何とか考慮してもらいたいというような悲痛な叫びが、水泳界からも陸上界からも出てきております。そういう意味で、少し唐突ではありましょうけれども政府におかれて、この青少年の家を、しかも、先ほど言ったような内容を整えたものを、この際意見を統一してそして強硬にこれを推し進めていく、こういうお考えを持っていただきたいということをしみじみ私は考えるのです。ぜひ一つこの点を実現してもらいたいと思うのです。そこで所見を一つ承っておきたいと思います。
  54. 長谷川峻

    ○長谷川政府委員 御熱心な選手強化の具体策を承りまして非常にうれしく思いますし、靱さんのお話のように、オリンピックを日本でやることになりましてもまだ盛り上がりが少ない。私は、その少ないものが、こうしたオリンピックの特別委員会を通じて、与野党がまさに超党派的に御議論をお出しいただき、そしてまた、どこに隘路があるか、こういうところで吟味していただいて、それに向かって打開策のためにみんなが協力していくところに、初めてPRが可能になり、選手も強くなる、期待されている選手諸君は勇躍また練習に励むということになる、こう思っている次第であります。  青少年の家などにつきましても、文部省の所管でありますが、富士山麓の中央青年の家のように整備されたところもありますが、町村あるいは府県において作られている青年の家は、まさに阪上委員が御指摘のような段階でございます。こういう問題なども前向きの姿勢で総合的に前進するように、私たちは今から先もやっていきたい、こう思っております。  もう一つ、この際、ぜひこうした委員会へお願い申し上げたいことは、やはり日本でやりましても選手が負けては困る。かつての名選手であった先輩の、あの体位が向上していなかった時代、コーチが外国から来なかった時代、施設が足りなかった時代、営々と自分で外国の翻訳書を読みながら自分で一つの流儀を編み出して、四年後のオリンピックに、あるいは二度も優勝した、ああいう気魄といいますか、選手の根性、これはただ施設かれこれだけでは向上しないもの、そこにおいてかって御経験されたところの先輩の方々が、ほんとうにそうした人間的な選手精神というふうなものまでもやはりPRしていただき、鍛えていただくことによって、私は施設と相待ってオリンピックの成果が期待されるのではないかと思う。  もう一つ、文部省といたしましては、施設を建て、あるいは皆さんの御注文によっていろいろ手配をすることも必要でありますが、このオリンピックの機会に日本をよく見てもらう、そしてまた、日本の青少年が世界の選手、外国人と接触しても劣らざるところの国民的自覚と世界的視野に立つような一あるいは道路一つ見ましても、こんな日本のようなきたない道路はありません。公衆道徳などもこういう際に向上するというふうなことなども、実は文部省の仕事じゃなかろうか。そういうことにもPRしながら進んでいる次第でありまして、どうぞ一つ不十分なところはどしどし御指摘いただいて、これはほんとうに万全を期すために私たちも一生懸命やって勝たせたい、成功させたい、こう思っておりますことをこの際表明しておきます。
  55. 阪上安太郎

    ○阪上委員 おっしゃる通り選手候補の中にはそういった精神的な面の欠除があるということを、コーチ自体が指摘している向きも最近聞いております。それからまた、日本の青少年諸君がいろいろと問題を起こしていることもわれわれ知っております。そういうこと自体を是正していく一つの方法としてまた青少年の家があるわけなのであります。日本国内の青少年の諸君は、規律正しい生活の中で、お互いに世界観を交換していって世界観を具備していくというようなそういう場所というものが、音楽の場所もなければ、映画の場所もない、スポーツの場所もない、これじゃいけないのであって、そういう意味でやはり青少年の家も作られた。そのことが、先ほど言いましたように、今問題になっている選手強化対策の一つの障害の除去にもなる。非常にいい仕事だと私は思う。これは今に始まったものではなくて、相当長い歴史を持ってやってきておるのでありますから、もう少し統一されてやっていっていただきたい、こういうことなんであります。  そこで、最後に文部省に一つだけお伺いしますが、競技技術向上の助成でございます。これは当初の予定が二億八千万であったと思います。それが一億六千万というふうに削られておりますが、かなりよく取られたと私は思います。ところが、強化対策本部の三十七年度計画を見ますと、補助金が二億八千万、寄付金が五千五百万、それから交付金が三億三千六百三十六万五千円で、この交付金はどういうものを意味するかわかりませんが、総額で六億七千百三十六万五千円という計画でございますが、これに対して一億六千万という補助金になってきておるわけです。そうすると、差額が非常に大きくなってきて、いよいよ本格的に強化に入らなければならない初年度、二年度といいますか、こういう強化費の欠除、欠陥が出てくるということは大へんなことじゃないかと思うのであります。これは文部省の方としては相当努力されて取られておりますので、一体これをどうされるか、一つ強化対策本部に伺いたいと思います。
  56. 田畑政治

    田畑参考人 これはもっぱら資金財団の方と、体協の方に永野重雄氏を委員長とする財務委員会がありますが、そちらの方との金集めと基金でまかなう、努力するということであります。
  57. 阪上安太郎

    ○阪上委員 田畑さん、これで予定されている補助金では一億六千百万とあるわけです。総額からいうと相当大きいと思うのです。本年の強化対策はまずこれでいけますか。
  58. 津島壽一

    津島参考人 ただいまの御質問は、三十七年度強化対策の計数でございますね。来年度の分は、配付しました資料にありますように、国費補助が今の予算の計上が一億六千万円であります。それから五千万円は体協が募金をいたしましてその中から繰り入れよう。これは体協から強化対策本部の方へ入るわけです。その他の経費資金財団で集めまして、三億二千万円、合計が五億三千万円、これは予定は六億でございました。それが政府補助金と見合って、ほかの方は増加しても、五億三千万円やろうという予定を今立てております。それで、これで満足しておるかとおっしゃるわけでございますが、先ほど御指摘のように、強化対策本部の事業が、各加盟のオリンピック種目団体からいえば、道具が足りないとか、その値いろいろな方面で資金の不足ということが大きくうたわれているわけでございます。これは一応今予算が決定いたしましたにつきまして三十七年度計画を立てており、あと追加する必要があるということは、田畑総長から申し上げた通りでございます。
  59. 島村一郎

    島村委員長 臼井莊一君。
  60. 臼井莊一

    ○臼井委員 時間がございませんから、簡単に一、二この機会にお伺いいたしたいと思います。  いろいろオリンピック関係皆様方準備を進められていることは、大へん御苦労さまでございます。そこで、資金調達の面、それから政府の方の助成は今後できるだけ十分していかなくてはならぬのでありますが、資金財団の方での御予定で、すでに田畑さんのお話のうちにも、三十億くらい足りなくなるのじゃないかというようなことです。支出の面は、いろいろ物価の問題もありますし一相当増加することは、これからもまた予定以上にふえる可能性がある。しかし、募金の方は、三十七年度は、昨年から引き締めで、経済界や何かの方がちょっとリセッションになっていますから、そういう点でも、これ以外に何か新しい方法をお考えでありますか。あるいは、さらにこの予算の中をもう少しふやしていくとか、何か考えないと、たとえば選手強化の資金の問題でもやはり現在不十分になってきている。こういう点でいかがなものでありましょうか。
  61. 靱勉

    靱参考人 先ほどお手元に提出しました資料のうちの8というところに書いてございますが、大体予算的に見まして、概算しますと、組織委員会へ一億八千九百万円、それからただいまお話がありました日本体育協会へ三億三千六百万円、従いまして、予算面から見ましたところの財団の配分額は、三十七年度は五億二千五百万円ということに相なっておるわけでございます。これに対しまして、先ほど御説明しまして資料として差し上げてありまする各事業、現在やっているのをそのまま伸ばしまして、約十億というのは確実であろう、従いまして、これだけで済みますれば五億程度はまた翌年度に持って上がる。三十六年度も約二億弱の配分でございますから、二億五千万円集まりますと二億五千万円持って上がるということで、三十八年度、三十九年度は今度は格段の要求が掛てくるわけでございますので、それにかまえているわけでございますが、何と申しましても支出の方で、先ほどから御説明があるように、選手強化で十億以上要るだろう、それから大会運営本部でこの倍くらいかかるだろうというようなお話であります。そういうことになって参りますと、財団としても今の計画では非常に不安である。従いまして、先ほどちょっと触れましたように、公営競馬、競輪、競艇、それからオートレースですか、そういうものの法律が全部この際今国会において改正されるように承っておりますので、ぜひその際に体育なりスポーツなりにも配分できるように御配慮を願いたいということを特別委員会等にもお願いにあがっているわけでございます。これは関係各庁にも御意向を伺っておりますし、施行者の方にも懇願いたしておる状況でございますので、これらはぜひ一つ実現さしていただきたい。こういう問題はどうしても法律的措置を要するのでございまして、かりに今国会でそういうものが成立しませんと、また半年、場合によっては一年延びてしまいます。すでに二年半ぐらいしかないのでございますから、その点については、ぜひこの際委員会の特別の御配慮でそういうような措置を講じていただきたい。  それから、先ほど簡単に申し上げましたが、たばこの方が予想外に悪いのです。これは特別措置法ができます当初から三億程度というものを予定しておったのでございます。従いまして、何らかの方法で当初の予定通りに資金調達ができますように、これは専売公社及び大蔵省に対しまして、ただいませっかくお願いにあがっておるような次第で、もし法律的措置を要することになりますと、やはりその機会をはずすとまた半年ないし一年おくれてしまう。それ以外に何か方法を考えておるかということに相なりますと一これはもう昨年度からお話しているのですが、やはりまだ時期が早いからとかいろいろなことで、普通の方法によります募金というものは、全般的な空気の盛り上がりと積極的な意欲がなければ、私どもが幾ら回ったところで、相手様のあることでございますから、なかなか困難な募金の実態でございます。そういう点を考えますと、ともかくも法律的措置を要するものにつきましては、ぜひこの際特別の御配慮をお願いしたい。  なお、財界募金ということにつきまして、私ども財団としては実はやっていないのでございます。しかしながら、財界にしましても募金等の御協力というものが非常にあるわけでございます。ただ一定額の寄付ということはできませんので、あるいは個人を対象にして、ともかく次代をになう若い人たちを大いに声援してやろうというわけで、社会の中心になって動かれる方に積極的な御協力を願いたいということで案を考えております。それで大体四億か五億ぐらいを調達いたしたい、これももちろん皆様方格別な御熱意が出てこないと困難であります。その他若干数事業を考えておりますが、これを一々申し上げてもあれだろうと思いますので省略いたしますが、そういうようなところであります。
  62. 臼井莊一

    ○臼井委員 資金の面は、今お話しのように、競輪、競馬、オートレース、そういうものも、好ましくはなくても必要やむを得ないのですから、今後十分利用できるようにやるより仕方がないと思うのです。  もう一点この機会にお伺いしたいのは、運営の面ではいろいろお考えでございましょうが、メーン・スタジアムも八万人に収容人員をふやすということで、これはほぼできておるようでありますが、これでも開会式のときなどは希望者を全部収容し切れない。何といっても、この種の大会等において一番感銘深いのは開会式でございます。それで、その際にはテレビや映画等で広くPRされますけれども、あの明治神宮外苑そのものが一つの開会式場といいますか、そういうふうな運営はできないものか。というのは、世界各国の選手が集まって来られて正々堂々と行進する、こういう際の光景というのは非常に印象深いので、どこに選手を集めてどの辺から入場させるかということはお考えでしょうか。これは相当大ぜいでございますから大へんですが、たとえば絵画館の前に大きな広場がありますね、ことに青少年なども相当参りますから、あそこでそういうような音楽に合わせての行進、また、その際における国民との一つの交歓といいますか、そういうような運営はできないものでございましょうか、その点を一つお伺いいたしたいと思います。
  63. 津島壽一

    津島参考人 今のオリンピック・パーク、すなわち外苑でございますが、あそこにあき地もあるようでございますが、オリンピック開会式等にこの場所を一部利用するということは、面積上非常に困難ではないか。選手の集合場あるいは駐車場というような意味で、そこにさらに観覧の用に供するものを入れるということは困難なことではないか、こう思う次第でございます。
  64. 田中榮一

    ○田中(榮)委員 ただいまの臼井委員の資金調達の面に関連しまして、私からちょっとお尋ねしたいと思うのです。  組織委員会事業収入の二十九億一千九百万円の内訳の中で、権利金収入八億六千三百万円というものがありますが、その権利金収入というものの内訳は大体どういうものになっておりましょうか。
  65. 田畑政治

    田畑参考人 それはテレビの収入が一番おもなものであります。世界的に出しますから、それの収入が一番大きいものです。組織委員会としましておもなものは、入場券、テレビの収入、それと選手より受ける、宿泊費一日六ドルの収入、映画の収入でございますが、そこで一番問題だろうと思うのは、今の映画の五億という収入が、二億五千万か三億になるのじゃないかということであります。
  66. 田中榮一

    ○田中(榮)委員 先ほどの田畑総長からの御説明によりますと、映画収入が五億のうち製作費その他で大体二、三億円くらいに減収になる、それから選手強化経費で、五月ときまっておったものが大体十月になったので、これでまた少しはふくれて赤字になる、それから前年にリハーサルでもやるとすれば、これも相当経費がかかるであろう、かれこれ三十億の経費が不足になるであろうというお話でございますが、九十二億のうちで三十億の経費が不足になりますと、約三分の一の経費が不足になるということになってきます。わずか一%か二%の経費でなくして、三〇%の経費が将来ふくらんでくるというようなことは、私は、今後のオリンピック計画の上において非常に大きな変革ではないかと考えておるわけであります。大体八月中にはその数字が出てくるというお話でありますが、八月となりますともう予算時期にもなって参りますので、私の考えとしましては、この三十億のふくらんでくる数字の中で、予算の対象、国家補助の対象となり得る額がどの程度拾えるものか、もし予算の対象になり得るものがあるならば、せめてそれだけでも三十八年度予算にこれを新たに計上するか増額をしてもらえば、将来のふくらみもある程度これによって救済ができるのじゃないかと考えております。  それからいま一つは、資金財団関係で、先ほど臼井委員からもお話がございましたが、好ましくはないけれども、競輪、競馬、競艇、オートレースといった、いわゆるそうした競技の上がりから、できるだけ早く、どの程度の収入があるかという見通しをつけていただきたいと思うのであります。もちろん、この競馬、競輪の主催者は、将来開催する予想であるから、それはとうてい今から申し上げかねる、こういうことでございますが、私はそうではないと思うのでありまして、競輪、競馬というものは長い間やっておりまして、大体において推定数字というものは出てくるわけであります。それからそのときの社会の状況、経済状況、そのほかいろいろ諸般の条件を考えてみますと、将来の開催される場合における売り上げ益金というものの収入予定額がほぼ出てくるわけであります。そういうものをはじき出してから、資金財団の方に受け入れ可能の額がどの程度あるかというようなことを十分に連絡をとっていただきまして、そしてこの三十億の将来ふくらんだ膨張額に対する穴埋めをどうしていくかという計画をできるだけ早くお作りになりませんと、三十億膨張するであろうというような、まことに内容のぶよぶよのようなもので今後計画を進められますと、私は将来非常に蹉跌を来たすのではないかと考えておりますが、その点につきまして、田畑さん並にび靱さんの御意見をお聞きしたいと思います。
  67. 田畑政治

    田畑参考人 組織委員会として正式に議決された現在の予算ですと、組織委員会収入が三十億余、国と都で四十億、体育負担六億円余、それと、今の資金財団の方が三十八億で、収支見合うことになっています。これは組織委員会の正式のものではもちろんありませんが、現在の私たちの見通しですと、組織委員会の方の収入が、映画と選手の負担金で約五億の収入減、資金財団の今のお話では、確実なところ三十億くらいであろうというようなこと、支出の方で、選手強化あと十六億要るとか、それからリハーサルをやれば二億要るという点ははっきりしておるのです。はっきりしていないのは、九十二億という、今までの朝霞でやるときの予算を踏襲しておりますから、ワシントンにきた場合にそれがどの程度減るかどうかという問題、たとえば自転車競技場を都で作ってくれれば、それでこちらの費用はふえませんけれども、これがもう東京都では仮設は作れぬということになれば、仮設は組織委員会が作らなければならぬということになると、一ぺんに二億くらいふえてくるのですから、八月までになりませんでも、今の仮設がどの程度ということさえ出てくれば、今の九十二億というもので間に合うか、少しは減少するか、はっきりします。問題はそっちの方の問題、あとははっきりしています。従って、私の見通しで三十五億内外足らぬというのは、今の九十二億、それがそのままでいった場合の話であります。それがおそらくふえることはないと思います。ただし、物価の値上がりを考えると、三十五億内外の不足を生ずるのではないかと考えます。組織委員会の負担する仮設費がはっきりすれば、至急はっきりした予算案を再編成して組織委員会に提出いたします。強化費増ということからだけでも現在より増加することは必至です。従って、今までの靱さんの方の募金計画では不足を告げることは明らかでありますので、資金財団で新しい計画に基づく財源が必要なことは明らかと思います。公営競馬から現在は約三億というものが予定されていますが、そのほかの競輪、オートレース、オートバイ等、いわゆる公営競技からの収入は全然見込んでいません。これらの方面に新たにお願いしなければ不足額の補てんは不可能と思います。競輪、オートバイ、オートレース等から三十億くらいのものをぜひほしいと私は思います。これがもらい得ればやっていけるし、それがだめならば、財界に割り振ってもそれだけの金はとても集まらぬというのが現状だと私は考えています。
  68. 靱勉

    靱参考人 ただいま、不足の額といいますか、今後経費の要るものにつきましては、田畑先生から御説明がありましたが、主体は選手強化費、それから大会運営本部、従って、大会開催費は九十二億で差し繰り間に合うかどうか、いまだ検討中である、こういうようなことでございます。そこで、私ども財団といたしましては、できるだけ早く確実にいたしたい、そういうような考えから、確定したものとしておよそ三十億、従いまして、現行のこのままでも三十八億を絶対確実に調達せねばならぬということになりますれば、八億はさらに一つ確実にするような方法を講じなければならぬ。さらにそこに二十億なり三十億なりよけいかかるということになりますと、これはなかなか尋常一様の方法ではいかぬ。私ども、期待額の方では約四十億近く期待できるのでありますが、これは私どもの努力だけでとうていできない、相手方様のお考えに非常は左右される要素が多いものでありますから、それで先ほど確実に大体できそうなものの項目をあげましたが、それら以外のものは、あるいはいろいろな状況によって、それから、こういうことがあっては困りますが、私に災害でもありますと、募金といっても、なかなかうまくいくものではないのでございます。そういうような状況で、一般的な空気の盛り上がりと、さらにできるだけたくさんの資金を調達できるような事業にどうしてもお願いしなければならぬ、しかも、それは法律的措置を要する問題でございますので、非常におくれて参りますと、結局一年近く入らぬということになりますので、先ほど来八月説がございますが、私どもの方の立場として、どうしてもこれだけ要るんだという額を早く出していただきませんと、よそへお願いにいっても、一体どうしてだと言われた場合に、大体これだけ不足なんだ、これだけかかるんだと申し上げても、場合によっては、それがはっきりするまでとお答えになるところもあると思うのです。要するに、法律的措置につきましては本委員会格別の御援助をいただきたい、こういうお願いをいたす次第でございます。
  69. 津島壽一

    津島参考人 田中委員の御質問に関連してちょっと私から申し上げたいのです。今田畑事務総長から申し上げましたいろいろな計数がございますが、あれは今事務的に検討中のものであります。正式に当委員会等に資料として出すものは、組織委員会総会において決定して、その上で確定的な数字なり計画が出るわけであります。従いまして、ただいま申し上げたのは、今検討中であると御了承願いたい。数字は幾ら何に使うかというようなことは、ここで質疑応答の対象にすることはちょっと早過ぎるかと思いますので、いろいろばく然たる計画は持っております。それから立法措置を要するものもございます。いずれそういうことを全面的になるべく争い機会に決定いたしまして、報告をして御審議を仰ぐ。今まで出しておる計数は、全部事務的に決定し、組織委員会で決定したものが全部ここに出されているわけであります。従いまして、きょうの計数については、そういった中途の段階であるということを御了承願いたいと思います。
  70. 田中榮一

    ○田中(榮)委員 ただいまの計数は、今検討中の段階ということに私どもは了承しておきます。  そこで、これから法律の根拠によっていろいろ収入をあげたり何かするのでありますが、いろいろ御苦労のこととは存じまするが、これはぜひ一つ収入確保のために一段と努力を願いたいと思うのでございます。そこで、私ども実は競輪の関係の法案を今度改正いたしたのでありまするが、その際に表向きにはそういうことはなかったのでありますが、競輪の法律を改正する場合におきましても、競輪というものはあまり好ましくないものである、できればこれを廃止いたしたいというのが皆の気持でございます。ただ、現在これによって地方自治団体等が相当な公共事業の財源にしておる、あるいは社会福祉事業とか、スポーツとかいう方面にも相当な財源を捻出しておるというような点から、やむを得ないということで法律改正を行なったのでありますが、その際に、われわれ委員の気持の上におきましては、この法律改正をする場合においては、いわゆるその売上金の一部をぜひともスポーツ方面とか、あるいは社会事業方面、公共事業方面に相当多額に放出してもらいたいという意図を持って法律を改正いたしておるわけであります。そういう点も一つ十分おくみ取り願って、組織委員会あるいは資金財団におきましても、私が申し上げたような法律改正の過程におけるこれに協賛をした委員会委員の気持を御了察願い、また、おそらく当局者もその点を十分含んで改正に踏み切ったわけでありますので、その辺を含んで一つ十分に今後折衝していただきまして、競輪、競馬その他こうした競技の方面からも売上金の一部をできればこのオリンピックの方へできるだけ調達できるように、お願いいたしたい、こういう希望を申し述べておきたいと思います。
  71. 津島壽一

    津島参考人 御趣旨の通りにやりたいと思います。
  72. 島村一郎

    島村委員長 この際参考人各位に申し上げます。  本日は長時間にわたりまして御意見を拝聴いたしまして、まことにありがとうございました。本委員会を代表いたしまして、厚く御礼申し上げます。  次会は公報をもってお知らせすることといたしまして、本日はこれにて散会いたします。    午後一時四十三分散会