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靱参考人 お
手元に二月二十六日付の「
財団法人東京オリンピック資金財団と資金調達
事業について」という
資料を提出してございますので、これを中心として資金調達状況等々につきまして御
説明申し上げたいと思います。
この
資料の初めの方は大体この前の
委員会において御
説明いたした
通りでございますが、財団としまして
目標といたしまして一応資金調達の
資料にいたしましたのが、一として載っておりまする「資金調達額に関する調書」というのがございます。これはただいま
津島会長からも御
説明がありましたが、
大会の
準備及び実施に要する
経費九十二億余り、それから
選手強化対策費と申しますか、これが十五億余り、
大会運営の本部等となる会館の
建設に要する
経費というものが七億五千万円、さらに財団の
事業遂行に要する
経費が約一億九千万円ということで、
総計百十六億余りになっておるわけでありますが、これらのすべてを財団で調達するのではないのでありまして、右側に書いてございます
通りに、国及び
東京都の
補助金が約四十億、それから
組織委員会で入場料その他で
収入として入って参りますので、それを大体三十億余りと見ております。従いまして、
大会の
準備及び実施、要するに
大会開催費でございますが、九十二億のうち、これらを除きまして二十一億四千四百万円というものを財団で調達するというふうに概定されております。それから
選手強化費、これはやはり
国庫から
補助金がございまして、これが六億余り、
日本体育協会からの調達額が約二億一千万円、従いまして、残りの七億二千三百万円余りというものを
資金財団で調達する、それから
大会の
運営の本部等となる会館の
建設関係は全部
資金財団で調達する、こういうような
計画に相なったのでありますが、これは三十五年の夏ごろ、当時まだ財団が発足しておりませんころの
組織委員会内の資金
計画委員会において一応概定したものに若干の修正を加えた、すなわち、近代五種が加わりましたので、
大会の開催
準備費九十二億というのは、当時八十八億ぐらいに概定されておったのを、約四億追加したという程度にとどまっておる次第でございます。最近におきまして、ただいま会長から御
説明がありました
通り、これについてはさらに追加修正があるというふうに承っております。
そこで、三十六
年度におきまして財団はどういうことをしたか。三十五
年度におきましては——三十六年一月から三月でございますが、これは
組織委員会、体協等から事務を引き継いだ程度でございまして、三十六年に初めて財団として活動を開始したわけでございますが、何と申しましてもほとんど実績がない。従いまして、いろいろの
計画をいたしましたが、それを実際に実施してみる段階でございましたので、当時の
予算といたしましてはこれの
見通しというものは非常に困難でありました。しかしながら、大体六億程度のものを概定いたしまして、これの調達に努力いたした次第でございますが、この
資料の6、7というのにも書いてございますが、7につきましては、大体
組織委員会の配分
予定が六千三百万円、
日本体育協会の配分
予定一億一千八百万円、すなわち、合計一億八千百万円配分しなければならぬのに対しまして、六億余りの調達を
予定いたしました。その間におきまして、御案内のように
特別措置法を作っていただきまして、郵政省 電電公社、専売、国鉄等の御
協力も得るというような法律的
措置を講じていただいたのでございますが、大体におきましてこの調達
事業は順調なすべり出しをやったと思います。しかしながら、結果的に見ますと、当時
予定いたしました六億のうちには、例の
オリンピック記録映画で二億というものをほとんど確実と思って
予算に載せたわけでございますが、これは非常に予想に反しまして、現在入っておりますのが、
資料の三、一番
あとの表をごらんになりますと、ただいま二月現在におきまする調達の実績を書いてございます。これでごらんになりますと九百万円ということに相なっておりまして、ほとんど二億近くこの点において狂っております。それから当時いろいろと屋外広告等につきまして
計画があったのでございますが、これらがいずれもうまく参りませんで、まだ時期尚早という点もありましたし、また実際におきまして、屋外広告等におきましては禁止媒体の解除ということがあったわけでありますが、これがなかなかそういうような状況にならぬということで、これが非常な狂いが生じたわけであります。しかしながら、中途におきまして、ただいま申し上げました
通りに、
政府機関、準
政府機関の御
協力も得る、あるいはその他の方法も講ずるというようなことによりまして、この表にございますように、四億程度は確実に調達できる。大体三月末までに四億五千万円の線に参るものと私
どもも考えておりますが、それよりも、むしろ全体として、これは
大会開催までにこの三十八億余り——先ほどの
資料の一の表で、私
ども資金財団として調達しなければならぬのが三十八億一千万円ということになっておりますが、一体これができるかどうかという見当をどうしても昨年においてつけなければならなかったわけであります。そこで、実行上の実績と今後の
計画とをにらみ合わせてみますと、次の
資料の二に掲げてある十六
種目というものが現に実施しているものでございます。そこで三十六年から三十九
年度の見込み額というものをずっと書いてございます。なお、
予定より非常に狂いましたが、専売公社の御
協力によりますところの広告でございます。これは実は五、六千万円
予定しておりましたが、実績は三百万円でございます。そこで、このままでいきますと、これはちょっと見当がつきませんので、×としてございます。その他ずっとごらんになりますと、一番最後に、三十億というものが掲げております。この中に「その他新規等」というものを足しまして三十億、これはまず絶対にと申していいかもしれませんが、確実と見たものを非常に厳格に見込みを立てまして作ったものでございます。しかしながら、期待額というのは、右の欄に書いてございますが、これは一応この程度までは伸び得るものであるというような見当で作りますと、三十九億八千万円、約四十億というものは調達可能である。従いまして、この期待額の方は、私
どもどうしても努力しなければならぬものでございます。ただいままでこれはすべて実施しておりますが、絶対に確実であるのは、たとえば郵便切手に寄付金をつけましたもの、それから
東京都及び神奈川、
埼玉、千葉三県の、これは法律に基づくものでも何でもなく、全くの御好意で御協賛をいただいているわけでございますが、競馬、これが三十六
年度におきましても一億三千万円、大体一億と見込んだのが、三千万円オーバーしております。これがまず確実。それから次にありますところの割増金付定期預金、これは全国金融機関全部の御賛成を得まして昨年十二月から実施したもので、三十六
年度としては見込みは少ないのでございますが、三年間のうちに七億二千万円というものは、これはまず確実であるというふうに考えられます。それから宝くじにマークをつけて全国の
自治団体の御
協力を得ておりますが、これが四億というものも大体確実でございまして、こういうように見てみますと、私
どもとしましては、見込み額と期待額を作ってございますが、今後これをもっと確実にしまして、さらに全体としまして百十六億が、あるいは二十億以上四十億程度増加する、追加されるということを考えてみますと、どうしても確実なる資金調達の
事業をさらに追加していかなければならぬ。これは今まで立てました
計画ではとても集まり切らぬから、新たに追加するという観念よりも、むしろ全体といたしまして、私
どもはできるだけ各方面の御
協力も得るということで考えまして、ただいまのところ、たとえば競輪、これはすでに
日本体育協会の方には御協賛をいただいているように承っておりますが、競輪、競艇等、最近の法律でさらに改正が企図されているということを承っておりますので、ぜひこういう方面の御協賛も得たいと思いまして、それぞれ各方面にお願いに上がっている次第でございます。
なお、昨
年度、ここに実施しておりませんで、三、四なお
計画中で、時期尚早であるので、もう少し明
年度になって協賛してやろうという
事業もございますので、私
どもとしましては、ただいま申したような
相当確実なる
事業の協賛を得ますれば、まず必要なる資金というものば確実に調達できる、こういうふうに考えておる次第でございますが、この点につきましては、
皆様方の御指導、御支援また御鞭撻をいただきたいと存ずる次第でございます。
なお、こういういろいろな
事業をやっております上におきまして、いずれもこの
オリンピックに対する非常な熱意で御協賛をいただく次第でございますが、
国民全体のやはり支持があるということが最も意義の深い、重いものでございまして、私
どもとしましては、このすでに実施している中に十円募金という名前で載せてありますが、これはいわゆる
国民募金でありまして、なかなか今までそういう基盤もございませんし、共同募金のような大きな基盤もないわけでございまして、非常にこの実施につきましては危惧の念を持って見られたのでございますが、どうもこれを実施していただく機関がなかなか見つからぬということで、郵便切手売りさばき所の御
協力を得まして、昨年の九月末から十一月まで実施してみたのでございます。五千万円を
目標といたしたのでございますが、その中間におきまして業績を見てみますと、なかなか困難である。と申しますのは、いろいろ私
どもの
準備不足な点もありましたし、また、当時近畿地方に災害もございまして、十月となれば共同募金の募金も始まるというようなことで、なかなか
オリンピックのムードといいますか、この方面も必ずしもまだそう上がっていないという時期でございましたので、特に切手売りさばき所におきましては、これは募金された方に記念にシールを差し上げるということになっておりましたのを、シールを買いにくるのだという観念で処理したところもございましたので、これは五〇%も困難ではないかというような状況に相なったわけでございますが、その後、各売りさばき所の方の非常な御
協力を得まして、だんだん成績が上がって参りました。しかしながら、これは一応十月で打ち切りまして、
オリンピック対策連絡
協議会でございますか、会長が
総務長官がなられておりますが、官庁
関係の職員の方に十円募金に御
協力を願うということをお願いしまして、その結果、非常に各官庁の積極的なる御
協力を得まして、従いまして、現在入っておりますのが約三千六百万円、こういうものが集まりました。今後の
見通しでございますが、すでに入金は済んでおりませんが、確実に入るというものを考えてみますと、大体五千万円近くにいくということで、この点におきましては、私、
国民募金としまして非常に力強いものを感じたのでございまして、今後もちろん各
事業を伸ばしていきますとともに、新たにさらに御協賛をいただくとともに、この
国民募金の精神というものをさらに生かして、今後一そうこの方面におきましても実績を上げさしていただきたい、こういうふうに考えております。この募金につきましては、ただいま申したように売りさばき所を通じて一般の皆さんに御協賛をいただき、それから官庁の職員の皆さん方の御協賛をいただいて、それからロータリー・クラブからやはり御協賛をいただきまして、これが二百万円程度集まっております。それから各金融機関も職員の人が御
協力下さいましたので、これが四百万円程度集まっておるのであります。大体地方の状況を見ますと、愛知県が一〇〇%の消化率でございましたが、
東京は、割当も多かったのですが、四〇%程度、それから官庁としましては、やはり職員の多いところで、防衛庁が二百十九万円であります。
文部省が百十三万円、電電公社が百五十四万円、国鉄が百三十五万円、
東京都が七十五万円、法務省が七十五万円、大蔵省が四十四万円、郵政省が百十九万円、警視庁が四十八万円、都道府県の市等で百二十九万円というような実績を上げたわけでございます。
以上の
通りでございますが、大体百十五、六億という点で考えますと、かなり御
協力を得ることによりまして調達は可能かと存じますが、何分にも不確定のものが多いと、これは所要の時期に所要額を調達するということに不安を感じますので、どうしてもこの際これを絶対確実にいたさなければならぬというふうに考えておりますので、先ほど申し上げました
通りに、さらに各方面の御協賛をいただきたいということを念願いたしておるような次第でございます。
はなはだ簡単でございますが、御
質問によりましてお答えすることとして、以上
資料について申し上げました。