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国務大臣(
佐藤榮作君) ただいま
総理がお答えいたしておりますように、三十八年目標、これが五千五百万トンとなっておるわけであります。で、私
どもはただいまの時点に立って考えました際には、まず三十八年度五千五百万トン、千二百円下げる具体的にどうしようか、その努力をしているただいまの
段階でございます。将来の、今お話にもありましたように、十年先、二十年先どうするのだ、こういう問題になりますと、いわゆる総合エネルギー対策というものでいろいろ各
方面の意見を徴しておりますから、まだ全部がまとまっておりません。総合エネルギー対策のほうでは、まず石炭部会だけ答申をして、ただいま石油
関係は
調査に出かけておるのであります。十一月の半ばになりますと、これが帰って、意見を答申して下さると思いますが、それらのものをあわせてただいま恒久的のものは考えたい、かように思いますが、ただいま、とりあえずの問題といたしましては、二年前に決定をいたしました基本方針、それの具現化に最善の努力を払っておるという
状況であります。五千五百万トンの
数字そのものについて、あるいはもうすでに五千五百万トンをこしているじゃないか、こういうような意見が一部にございます。一部にございますが、私
どもの見る
数字から申しますと、そこまではまだいっておらないようであります。ただいまお話でちょっと出ておりましたように、五千三百万トン、さらにそれを二百万トン上げる、そういう場合にはスクラップ・アンド・ビルド、それはどういうふうにするか、同時にまた離職者等に対する対策が十分の手当ができるか、いろいろ
関係する問題が多いのであります。あるいは流通機構の面で千二百円をいかにして下げることができるか、これは労使だけの合理化にあらずして、
政府もそういう
意味ではその責任を分担していく、こういうような
考え方で、まず今まできめましたものの具現化と取り組むというのがただいまの
段階であります。その観点に立って見ました場合に、それでは雑炭その他を入れて、あるいは六千万トンにいく場合、六千三百万トンにも将来なるかどうか、こういうことを
需要の面からだけではなかなか立てかねるのじゃないか、ことに国内炭のいいところは、何と申しましても、供給が安定しておる、あるいは雇用の問題から見ましても、非常に重要基幹産業であるという面だとかあるいは外貨支払いの面から見ても、これは円で済むのだ、いろいろ問題があるわけでありますし、また価格そのものも、ただいまの石油価格が恒久的の石油価格とは考えませんけれ
ども、千二百円下げを
計画したときの私
どもの予定した石油よりも今安くなっております。そういうようなこともありますので、合理化にいたしましてもやはり限度があるだろう、こういうことでございますから、将来の
計画を今とやかく言うことはちょっとできかねる。しかしながら三十八年度に五千五百万トンといっているこの
計画だけは少なくとも持続していきたい。これが
政府が五千五百万トンにこだわっておる、そういうふうに見られる
数字でございます。同時に五千五百万トンのうち、これは恒久的に
需要されるというか、そういうものを考えなければならない。大体五千五百万トンといたしました場合には、電力その他で七割
程度は長期引き取りの契約をする、そういうことで石炭は今の値段でいきますから、千二百円下げというその結果ののちにおいて、電力その他は七割は必ず引き取る、こういうような
計画を立てておるわけでございます。これらのことはしばしば説明をいたしましたので、御了解はいただいておることだと思いますが、私
ども五千五百万トンに絶対にこだわっておるというのではございません。ただここで業界を指導し、あるいは組合側の
協力を得るにいたしましても、確たる目標を示すこと、これは
政府として責任のあることだと思います。そういう
意味からただいま実現しておらない五千五百万トンという
数字を目標にして、そうしてそれに対する
協力を労使双方に求めておるというのが現在の
状況でございます。