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北村暢君 整理していくということは考えておらぬというけれ
ども、先ほどあなたは、三十頭から九十九頭のところが五三%、これは役肉用を扱うものが五三%、それを中心に育成していくかどうかということですね。これについては考えはさまってないと言われたけれ
ども、何かしら兼業でやるにしても何にしても、
家畜商として一つの業としてやっていく場合において、ある
程度の
規模でなければこれは採算の点から言ったって何たって、私は業として適正な業とは言えないのじゃないかと思うのですよ。したがって、これでは免許制度になっているわけですから、一頭
取引する場合でも免許がなければ
取引できないことになっているわけですね。
家畜の
取引というのはそういうことになっているわけですが、しかし、この資料を見ましても、まあ年間にゼロから九頭までというのが相当やっぱりあるのですよ。二十九頭以下、まあ三十頭以下ですね。そういうものが相当数やっぱりあるわけですよ。そういうのは、これはまあ副業には副業かもしれませんけれ
ども、こういう人がやはり親分子分の中の子分のようなものになって、手足になって農家から一頭、二頭と集めてくる。それがある所に集まってきて、親分の所に集まってきて何頭か
取引をする。こういう形態になっているわけですよね。そのために適正な
取引と言いますか、というものが行なわれない。
家畜には特有の
取引が行なわれているわけなんです。したがって、やはり業というからにおいては、私はやはり適正
規模でなければ業としてやらないということ、これはやはり今言ったような形で、手足に使われる者が必ず出てくる、その中にさやかせぎが必ず出てくるのですから。それで、その
家畜というものがその適正な価格で
取引されず、非常に封建的な
取引にある。これを是正することが私はやはりこの
家畜商法における最大のねらいでなければならないと思うのですよ。そうなれば、やはり藤野さんの言っている法人とか、相当信用
程度のある者、しかもこれを見ましても圧倒的に
個人でしょう、九九・二%まで
個人でしょう、法人というものは〇・八%
程度ですよ。そういう構成になっているのですから、そういう中で親分子分が発生する要素というものがあるわけですから、これをやはり断ち切るということ、
家畜の
取引を近代化するということがこの商法の中に私は出てこなければならないと思うのです。あなたの話を聞いているというと、さっぱり何が
重点なんだかわからないのですよ。今の零細のものもそのままでやっていく、決して減らすことは考えていませんなんて、そんなことでは
家畜の
取引の近代化なんかできませんよ。だからもう少し、やはり免許制度にして、しかも講習会という一つの制度を通らなければ認めないということやら、あるいは供託をしなさいと、こういう。ですから、これはやはり不良なものを淘汰したいという考え方は当然あると思うんですよ。だから、そういうものをやはりそういう趣旨に合うような形で
指導がなされなければならないし、したがって、講習会を終了した者に何か免状みたいなものを出すにしても、それはやはり自動車の免許だって実際にやらしてみて免許は出すんだから、しかもこれは自家用車でも、業でやらない人でさえ、生命に危険があるからやるのだろうけれ
ども、とにかくそういう近代化していこうという意欲があるならば、やはり何かの新しく出てくる
家畜商というような者については
規制する処置をとるとか——まあ既得権としての
家畜商というものについては、これはだんだん整理していくので、既得権というものを抹殺するわけにもちろんいかないのですから、そう簡単にはいかないでしょうけれ
ども、少なくとも今後に新しく出てくるものというものについては相当
程度のものをやる。それと同時に、やはりこの
家畜商の同業組合なんかあるようですから、こういうものの中で何か淘汰していくような形をとるとか、そういう商
取引の近付化というものの思想というものが現われてこなければならないんじゃないかと思うんです。そういうことはどういうふうに考えておられますか。