○鈴木壽君 関連。国民が、あるいはまた私どもも含めてでありますが、
災害対策基本法というものができるということに対する期待には、これは
考え方はいろいろあると思いますから、その一々について申し上げるわけにいかぬと思いますけれども、ともかく日本の国の、このしょっちゅう絶え間のない年々の
災害に対して、ほんとうに抜本的な
災害の防除対策、ここでいうとあるいは予防といいますか、この法文からしますと、あるいはそういう言葉に当たるかもしれません。それから
災害が出た場合のそれに対するいわゆる対策、それからまた出たあとのいわゆる
災害復旧の
仕事、これに対してほんとうに従来のようないわば間に合わせといいますか、あるいは
災害のしょっちゅうしりを追っているような、後手後手と回っているような、そういうことでなしに、もっときちっとしたものを作ってもらいたいと、こういうことだと思うのです。そこで、今
松永さんから問題がありました、その
防災会議あるいはそこで作られるところの
防災基本計画というものですね、これは私、やはりこの法では、
一つの中心をなすものになってくるだろうと思いますし、この分厚い
法案の中から見ても、その占めるページ数からいっても、相当なページ数をとって書かれてあるのです。だけれども、そういう点からしまして、やはり
中央防災会議、あるいは
地方に作られるものもそういうことでありますが、特に
中央防災会議というものがしっかりして、また、そこで作られる
基本計画というものが、やはりりっぱなものであり、かつ、それができるだけ早く実行されるということが、私はやはり根本にならなければならぬと思うのですね。そういう点からしますと、あるいは私ども
松永さんと同じように、何かこの
中央防災会議なり、あるいはそこで作られる
基本計画というものが、どうもあまり力のないものになるのではないかというふうに思われるわけでありまして、あるいは確かに
計画ができるかもしれません。しかし、その
計画が
各省庁においてどの
程度誠実に実行されるかというようなことになりますと、それは三十六条とか三十七条においては、確かに
基本計画に基づいた
業務計画というものを作らなきゃならぬと、こういうことがありますけれども、そのどれをとるのか、どの
程度とるのかというようなことにつきまして、これはやっぱりまだ私どもは心配せざるを得ないと思うのです。たとえば、これは今度この
法案が通ってできる
中央防災会議とは違うものだと言われればそれまででありますけれども、たとえば内閣に作られた交通対策本部というようなもの、これは
各省庁にまたがっていろいろなことがある。特に事故を中心とした事故防止のための交通対策をとらなきゃいけないというので、前には事故防止対策ですか、今度はあらためて交通対策本部というものを作ったのでありますが、そこでいろいろ問題になり、あるいは検討され、そうしてその結果出てきた結論ということに対して、
各省庁が一体、建設省なり、あるいは運輸省なりがどこまで真剣になって、特に
予算の
裏づけをしたようなことをやっておるかというと、私非常に疑問だと思う。疑問どころじゃない。これは作文はできて対策はできているけれども、実際はなかなかそのとおり進まない。道路交通も、たとえば鉄道なり軌道なりと道路との立体交差の問題
一つ取り上げてみても、これはまことにお粗末であり、あるいは踏切対策というものを
考えてみましても、まことに寒心なといわなければならぬ状態にあるわけなんですね。ですから、私はこれは今特に私が申し上げたように、今度は法に基づくこういう
中央の
会議であるから、今の交通対策本部というものは、何も法に基づいたものじゃないからと、こういうこともあるいは違いとしては
指摘せられることかもしれませんけれども、しかし、問題の解決をしなければならぬという
考え方においては、一致した
考え方だと思うのです。そういう点からしますと、今私申し上げたような点からしまして、どうも
中央防災会議ができたり、あるいは
地方にもできた、しかし、実際の
災害防止、予防なり、あるいは
災害が起こった際のそういう
措置、あるいは特に
災害復旧のいろいろなそういう
仕事というものはなかなかこのままでは、われわれが期待し、国民が大きく期待しているようなそういう形にはなっていかないんじゃないか、こういうふうに思うわけであります。
前置きが少し長くなりましたが、私は、
松永委員が
指摘せられますように、何かやはり
中央防災会議なら
中央防災会議が、しかも、そこに作られる
防災の
基本計画というものは、これは
各省庁のそういうことに
関係する
仕事の
部門に対する相当な規制が加えられるものでないと、
災害基本法はできた、
中央防災会議ができた、
基本計画ができたといっても、なかなかこれは実効を上げることはむずかしいのじゃないかというふうに思うんですが、これは
松永さんの言ったことと結論においては、私繰り返しのようなことになりますけれども、その点もう一度
大臣から
考え方というか、そういうことをお聞きしておきたいと思います。