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1961-10-30 第39回国会 参議院 災害対策特別委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十六年十月三十日(月曜日)    午後三時開会    ———————————  出席者は左の通り。    委員長     一松 定吉君    理事            赤間 文三君            柴田  栄君            米田 正文君            武内 五郎君            中田 吉雄君            村尾 重雄君    委員            青木 一男君            上林 忠次君            古池 信三君            小柳 牧衞君            紅露 みつ君            重政 庸徳君            高橋  衛君            西田 信一君            堀本 鎌三君            前田佳都男君            荒木正三郎君            小酒井義男君            椿  繁夫君            千田  正君            杉山 昌作君   国務大臣    内閣総理大臣  池田 勇人君   政府委員    建設大臣官房長 鬼丸 勝之君    建設省計画局長 関盛 吉雄君    建設省河川局長 山内 一郎君    ———————————   本日の会議に付した案件 ○昭和三十六年六月、七月及び八月の  水害又は同年九月の風水害を受けた  中小企業者に対する資金融通に関  する特別措置法案内閣提出衆議  院送付) ○昭和三十六年六月及び八月の豪雨に  よる堆積土砂並びに同年六月、七月  及び八月の豪雨による湛水の排除に  関する特別措置法案内閣提出、衆  議院送付) ○昭和三十六年五月の風害若しくは水  害、同年六月及び十月の水害、同年  七月、八月及び九月の水害若しくは  風水害又は同年八月の北美濃地震に  よる災害を受けた地方公共団体の起  債の特例等に関する法律案内閣提  出、衆議院送付) ○昭和三十六年五月の風害若しくは水  害、同年六月及び十月の水害、同年  七月、八月及び九月の水害若しくは  風水害又は同年八月の北美濃地震に  よる災害を受けた農林水産業施設の  災害復旧事業等に関する特別措置法  案(内閣提出衆議院送付) ○昭和三十六年六月及び七月の水害又  は同年九月の風水害を受けた私立学  校施設災害復旧に関する特別措置  法案内閣提出衆議院送付) ○昭和三十六年五月の風害、同年六月  及び七月の水害又は同年九月の風水  害を受けた公立の学校等建物等の  災害復旧に関する特別措置法案(内  閣提出衆議院送付) ○昭和三十六年五月二十九日及び三十  日の強風に際し発生した火災、同年  六月の水害、同年九月の風水害又は  同年十月二日鹿児島市に発生した火  災に伴う公営住宅法特例等に関す  る法律案内閣提出衆議院送付) ○昭和三十六年六月及び十月の水害、  同年七月、八月及び九月の水害若し  くは風水害又は同年八月の北美濃地  震による災害を受けた公共土木施設  等の災害復旧等に関する特別措置法  案(内閣提出衆議院送付) ○昭和三十六年五月、六月、七月、八  月及び九月の天災についての天災に  よる被害農林漁業者等に対する資金  の融通に関する暫定措置法適用の  特例に関する法律案内閣提出、衆  議院送付) ○昭和三十六年九月の第二室戸台風に  よる災害を受けた漁業者共同利用  に供する小型の漁船の建造に関する  特別措置法案内閣提出衆議院送  付)、 ○昭和三十六年九月の第二室戸台風に  よる災害を受けた地域における伝染  病予防費に関する特別措置法案(内  閣提出衆議院送付) ○昭和三十六年九月の第二室戸台風に  よる災害を受けた社会福祉事業施設  の災害復旧費に関する特別措置法案  (内閣提出衆議院送付) ○昭和三十六年六月及び八月の水害又  は同年九月の風水害を受けた都道府  県に対する母子福祉資金に関する国  の貸付けの特例に関する法律案(内  閣提出衆議院送付) ○昭和三十六年五月の風害、同年六月、  七月及び八月の水害又は同年九月の  風水害に伴う中小企業信用保険法の  特例に関する法律案内閣提出衆議  院送付)    ———————————
  2. 一松定吉

    委員長一松定吉君) ただいまより災害対策特別委員会を開会いたします。  昭和三十六年六月、七月及び八月の水害又は同年九月の風水害を受けた中小企業者に対する資金融通に関する特別措置法案外十三件を一括して議題といたします。  前回に引き続き質疑を行ないます。この際、御了解を得たいことがあります。内閣総理大臣は、やむを得ざる公務のため、年後三時三十分に退席しなければなりませんから、お含みの上御質疑を願います。
  3. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 時間がごくわずかしかございませんので、簡潔に要点だけを総理大臣質問いたしたいと思います。  まず、第一の問題は、この法案審議している最中に新しく災害が起こっておることは、総理大臣承知のとおりでございます。二十六日から二十八日にかけて九州、四国、それから近畿に対して集中豪雨がございました。そのために相当大きな被害を出しておる。一昨日の本委員会におきましても、気象庁並び警察庁当局から被害状況を聞いたのでございますが、今日まで判明している被害状況を見ましても、今審議している各地被害状況に匹敵するものが非常に多いように感じられます。本来ならば本委員会で、あわせて審議すべき性質のものであると私ども考えるのでございますが、何分時間的余裕がございません。そういう意味で私は特に総理大臣質問して言明を得たい。こういうふうに考えるわけであります。私ども被害状況を聞きまして感じました点は、今次災害について、特別立法措置によって、その災害復旧が講ぜられることになっておるのでありますが、それと同様な措置をとってもらいたいという点でございます。来たるべき通常国会において、そういう法的措置をとってもらいたい。それまでは行政的な措置によって復旧をやってもらいたい、こういう考えでございます。これはひとり野党のわれわれだけでなしに、与党皆さんも全く同意見である、かように私は考えておりますので、総理大臣のひとつこの際意思表明をしてもらいたい、かように考えます。
  4. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 御趣旨の点はもっともでございます。災害実情調査いたしまして、その結果によりまして善処いたしたいと思います。
  5. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 重ねてお尋ねすることをやめまして、ただいまの総理大臣答弁は、実情調査して直ちにそういう措置をとりたい、こういうふうに了承いたしまして、この問題に対する質問を終わります。  私は、水害について三つの問題について次にお尋ねをいたしたいと思うのですが、年々歳々わが国は非常に大きな災害による被害を受けておるわけでございますが、これが対策といたしましては、何といたしましてもこの災害未然防止するという、このことが最も重要な問題である、これは私が申し上げるまでもなく当然のことであると思うのでありますが、その中で一点といたしまして、台風そのものに対する研究がまだ十分でないんじゃないか、こういうふうに考えるわけでございます。今日の進んだ科学の知識をもってすれば、台風そのものに対する研究を十分行なって、そうして台風の猛威を減殺するような措置をわれわれとしては講ずる必要があるんじゃないか。この点について過日の本委員会気象庁長官に、そういうことは不可能であるかどうかという専門的な意見を求めたのでございますが、それは不可能とは言えない、研究の結果、可能性は相当ある、こういう答弁でございました。私は、未然防止するという見地に立って、もう少しこういう方面研究助成の方途を講ずる必要がある、こういうふうに考えておるわけであります。  その次は、未然防止する重要な問題といたしましては、治山治水計画国土保全計画を促進する必要がある。この問題についても、本委員会でたびたび論議された問題でございます。また、政府も十カ年計画を立てて、そうして治山治水計画をやってこられた。また、やっていく計画になっているわけでございますが、累次の災害の結果から見て、この計画をもっと推進する、拡大する、こういう必要があるのじゃないか。私は、国土の狭い日本災害によって非常な損害を受ける現状から見て、これらの災害についてはいわゆる治山治水、これにもっと力を入れる必要がある、こういうふうに考えるわけです。さらに、これらの問題は、各省個別にやらないで、総合的にやるために、国土省を設置しても日本国土保全国土建設のために総合的な施策を講ずる必要があるというふうに考えます。そういう二点の問題について、ひとつ総理所見を伺っておきたい。
  6. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 災害防止につきまして、未然にできるだけの措置をとるということは、全くお話のとおりでございます。  第一点といたしまして、台風自体調査——台風性質並びにその方向等々につきましての調査を完璧にする。また進んで台風が起こった場合に、これを科学的にどう防遏できるか、あるいは力を減殺できるかということも検討を続けていきたいと考えております。それには相当の予算を要しましょうが、私はぜひこの台風未然防止につきましての調査その他につきましては、予算上考慮しなければならんと考えております。  第二の治山治水の問題、お話のとおり十カ年一兆円になんなんとする計画を立てておりましたが、私は今後におきましては、今までの治山治水計画は主として直轄河川とか中小河川というふうな方面に力を入れられておったようでございますが、そういうものでなしに、小河川につきましてもやはり考慮をめぐらさなければならぬ問題が起こってきているし、また、治山治水でなくて、防潮その他の方面——国土沿岸を守るということにつきましても、もっとやはり真剣にならなければならぬと考えているわけであります。したがいまして、治山治水の一兆円予算につきましても、財政が許せば私はもっと追加すべきじゃあるまいか。また沿岸方面の防御につきましても考えなければならぬのじゃないか。こういう意味において、国土省を設けるというお話でございましたが、考え方としては、私もうなずけるのでありますが、今の実際の行政機構として、さあすぐ実行できるかと申しますと、なかなか私は実情から申しましてむずかしいのじゃないか。それよりも、現在ある各省庁が力を合わせて、一つになって防災に献身的な努力をするということが早道じゃないかと考えます。
  7. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 第二点の問題といたしまして、災害復旧について、これは昭和二十八年以来、そのつど特別立法をして特別措置による復旧をやってきたわけです。しかし、自来もう数カ年を経過しているわけでありますから、そういう経験から見て、これを恒久立法化するということが必要であるというふうに感じているわけでございます。災害が起これば各地から陳情団が上京されて、そのためにも非常に支障を来たしている血も少なくないと私は思うのです。また災害復旧についても恒久立法化するということによって相当迅速に復旧に着手することができるのじゃないか。こういう点を考慮して、特異な例は別といたしまして、一般的な事項については恒久立法化しておく、こういうことが適切な措置ではないかというふうに考えますので、この際、総理大臣に御意見を伺います。
  8. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 毎年と言われるほど起こるこの災害に対しまして、そのつど処置をするということは、過去の経験から申しまして私は望ましいことじゃないと思います。やはり災害に対しましては一定の基準で災害基本法復旧についてのみならず、災害対策予備方法につきましても、いろいろ総合的にやはり考えて、基本立法というものをしておく必要があると考えておるのであります。こういう意味から、今回災害基本法の御審議を願うことにいたしております。しかし、何分にも臨時国会で早急にやりましたので、御期待に沿うような万全の法律ではございません。しかし、そういう考えのもとに災害基本法を御審議願いまして、そうして過去の状況等からずっと積み上げて、いくいくはりっぱな災害基本法にしようというので、今回御審議を願ったのでございます。方向荒木さんのおっしゃるような方向で進んでいきたいと思います。
  9. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 第三点の問題でございますが、これは本委員会でも与野党を通して盛んに論議された問題でございますが、なかなか意見の一致をみないで持ち越されている問題でございますが、今度の災害、特に第二室戸台風における被害は、御承知のとおり高潮による被害が非常に大きかったわけであります。第二室戸台風においては高潮による被害が非常に大きかった。大阪湾あるいは紀伊水道沿岸、これらの被害高潮に対する被害と印しても過言でないと思うのであります。例をとりますと、大阪の場合は、これは高潮による被害なんですが、地盤沈下したために従来作られておった防潮堤がだんだん沈んでいって、その防潮堤が低くなったために高潮防潮堤を乗り越えて入ってきた。そのために被害が起こった。この問題です。この問題につきまして、私どもはこれは確かに災害による、いわゆる地盤沈下という災害によって防潮堤沈下していったのであるから、災害復旧としてこの防潮堤復旧考えるのが至当である、こういうふうに考えておるわけであります。これはひとり野党考え方だけでなしに、与党皆さんもこういう考え方を支持しておられるわけです。もっと私は見解を具体的に申しますと、地盤沈下によって防潮堤がだんだんと低くなってきたということは、原形がそれによって失われてきている。災害によって原形が失われてきている。大蔵大臣は、原形が失われていないのだから災害として認めるわけにいかぬと、こう言う。しかし、地盤沈下は、建設大臣がしばしば言っておられるように、災害であると言明しておられます。そういたしますと、これは明らかに災害によってこの地盤沈下の分だけ原形を失ってきているわけです、もちろん、他の災害のように一時的にこわれたわけじゃありませんけれども、長い年月の間に堤防がこわれた、原形を失った、そういう意味からいって、この防潮堤に対する復旧は、これは災害復旧としてみなすべきである、こういう見解をとっているわけです。私は、この会期も短いときに、法律改正を今要求するという考えはございませんが、この問題は十分検討に値する問題だと私は思うのです。少なくとも、この災害の本委員会においてはこの所見が悪い、適当でないという所見はなかった。大蔵大臣は、そうであればひとつ議員立法したらどうか、こういうお話、これは極端な話と私は思うんですね。だから、この際、検討をするというふうに政府態度を緩和してもらう。しばしば論議されてなお結論を得ない、こういうことで、重ねて質問することになりますが、再検討を私は要請して、それで通常国会政府態度をきめてもらいたい。  私の持ち時間がこれで終わっておりますから、これだけの質問をして終わります。
  10. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 私は、今までの議論を聞いておりませんが、地盤沈下災害なりやいなやという議論につきましては、私はいろいろな議論が出ると思います。しかし私は、問題はそれじゃないので、災害に基づくものであろうが、災害に基づかざるものといたしましても、とにかく、それによって災害が大きくなるということだけは事実なんです。だからこれを災害対策としてやるか、あるいは国土保全としてやるか、いろいろ問題があろうと思います。で、地盤沈下の問題は何も大阪紀伊半島に限ったことではございません。瀬戸内海各地にもこれはずっと以前から起こっております。全国至る所にあるわけであります。だからその議論よりも、早く災害を防ぐ方法考えるということが大事じゃないかと思います。その意味におきましては、私は両方の議論が一致すると思うのであります。したがいまして、先ほど申し上げましたごとく、治山冷水もさることでござていますが、四面海に囲まれ、そうして毎年台風と同時に高潮の危険にさらされるわれわれとしては、災害であるなしにかかわらず、災害というものはもちろんのこと、災害でなくても、事前においてこれを防止することが絶対必要だという考えで進んでいきたいと思います。
  11. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 これははなはだ恐縮ですが、災害復旧でやった場合には事業が促進されるというのが現実の事実なんです。治山治水ではなかなか促進しないという現実の上に立って私は質問をしているわけなんです。議論から言えば総理大臣のおっしゃるとおりです。災害復旧であろうが治山治水であろうが何ら差しつかえない。こういう点では全くそのとおりです。しかしそれではもう一つ進捗しないという現実面から立って、やはり災害復旧で早急にやる、このことが望ましいということで質問をしておるということを重ねて申し上げておきたいと思います。
  12. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) そういう現実の問題は、私もよく存じておるからああいうふうに答えたのであります。まともにお答えしますといろいろな点が長くなりますから、災害復旧としてやらないと——災害復旧としてやらずにおった今までの大阪と、今度の災害があったためにどうするかという問題はみんな知っておりまするが、災害というものは国、地方市関係でなしに全部がやらなければならぬ問題であります。しかも早くやったほうがお互いにいいんだということになれば、今の地方負担とか、こういう問題はおのずから解決すると思うのであります。災害に対するお互い協力と熱意が私はこの問題を解決すると考えており映す。
  13. 椿繁夫

    椿繁夫君 お急ぎのようでございますから、重複を避けまして三点だけ総理所見をお願いいたしたいと思います。  一つは、ただいまも荒木委員から申されましたように、今回の第二室戸台風災害地盤沈下のために非常に大きいものになったということはみな言われておるところであります。ところが沈下の原因について申しますと、地下水保全管理ということが十分でございませんために過度くみ上げが行なわれております。そのために地盤が下がっておるということは今や学界の定説にもなっているところであります。これはひとり大阪だけじゃありません。兵庫尼崎地帯を中心とします兵庫東京江東地区新潟等、その顕著な例であろうと思います。ところが今度国会に出されています水資源関係の二法案も、地上を流れておる水、河川水、あるいは湖沼水などを開発することに重点が置かれておりますが、地下水に対しては一言も触れていない。工業用水二法におきましても適用はされているのでありますけれども規制がゆるやかなために地盤沈下防止する役に立っていない。また災害対策基本法も出ておりますけれども基本法とはいいながら、地下水過度くみ上げ規制する何らの措置が講ぜられてないのであります。そこで、建設大臣は、来たるべき国会に、地盤沈下を強力に規制するための立法検討中であると、こう言われたのでございますが、建設大臣を信用しないわけじゃありませんけれども総理大臣からも、その建設大臣の言われていることと同じような御答弁をいただいて安心をいたしたいと思いますので、所見をお願いする次第であります。
  14. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 海岸地帯地盤沈下は、これは特殊の事情によって起こるところもございます。日本海方面の分は、何も地下水とばかり限ったことはございません。特殊の地球の事情から起こるのでございますが、災害に際して、いろいろ問題になりまするあれは、主として地下水でございます。これはわかりきった話ですが、やはり一本人の特性としまして、目にずっときつく見せつけられないとその気になれないのが悪い風習でございます。東京におきましても、江東地区ではある程度やっております。大阪でも考えておりますが、なかなか実行に移されない。私は、この問題につきまして、建設大臣と話をいたしましたが、数年前か、十年近く前か、立法計画して、大体でき上がりかけたのでございますが、民間に諮問しますと、やはり今まで地下水を使っておった人が、なかなか工業用水を買うといってもお金がかかる。また、工業用水も十分でないというので、ずるずるして今まで来たのが現状でございます。今回これがはっきり出まして、私は、民間におきましても、前とは違って協力願えるであろうし、また、このまま放って置きますと、最近の冷房装置その他によりましてたいへんなことになるというので、実は、建設大臣お話があるまでもなく、私自分でもやりたいという気持で、そして建設大臣意見一致しております。政府は前から考えておったのでございますが、そういうような平信でできなかったが、今回、民間の御協力を得まして、ぜひ私も実現さしたいと考えております。
  15. 椿繁夫

    椿繁夫君 総理大臣からお答えをいただきましたので、ぜひ近い機会——国会にでも御提案いただくことを強く、要望しておきます。  次に、地盤沈下防止いたしますために、工業用水道普及、それから建築冷房用くみ上げを、新しい井戸規制いたしておりますけれども、古い井戸からのくみ上げが禁止できませんので、施設の転換をさせなければなりません。それから工業に使っております冷却用の水などは、やはり工業用水道というものが普及徹底いたしませんと、そして、しかも単価が採算に合うようなものでございませんと、せっかく工業用水道ができましても、その水を使わないことになりましては、たいへんでございますから、高潮対策防潮堤とともに、これを並行してお考えをいただきませんと、さいの河原の石子積みみたいなことになってしまうおそれがございます。そこで、防潮堤のかさ上げ、それから年次の繰り上げ工事の施行と、いろいろ御答弁いただいておりますが、これと並行いたしまして、地下水くみ上げを押えることのできるように、禁止できるように、工業用水道の早急な普及徹底、それから、あわせて建築に用いておりますところの冷房用地下水くみ上げ施設を転換させるための助成等について、並行してひとつお考えいただきたいと、こう考えておるのでございますが、総理大臣所見を求めます。
  16. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) いろいろな問題が重なっていると思いますが、まず一点の、地下水くみ上げをしなくてもいいように、工業用水その他関係の水を確保しろ——これはごもっともな点でございまして、水資源開発公団も、私はその意味において、利根川とかあるいは淀川等々は考えなければならぬと思います。それから新しいほうの、いわゆる冷房用の分につきましては、制限しているからとおっしゃいますが、この制限しているのも、工業用水と同じように、これを冷房用に使って、それを捨ててしまうという考え方は、これからなかなかむずかしいのじゃないか。こういう場合に工業用水を、冷房に使っている水を捨てずに、再び使うということについての施設について政府がどうするかという問題はございましょう。もう一つむずかしいのは、それ以前に、もうすでに地下水冷房用として使っている分をどうするか、そうしてまた、それを再使用するのにどうするか、いろいろな点があると思いますが、こういうふうにして何とか考えましょうということになりますと、私は防潮堤と同じような格好で、今までの冷房用水特別措置につきましては、同じように考えるということは、なかなか社会正義の上からいってむずかしいのじゃないかと思います。この点は、私は原則として防潮堤とは、冷房用の水の使い方は違うということを私は申し上げたい。どれだけ違うかということにつきましては、実情調査しなければわからぬと思います。
  17. 椿繁夫

    椿繁夫君 私は、防潮堤を急速に流水十カ年計画を繰り上げ実施していただくのと並行して、工業用水道普及あるいは建築物などで使っておりますところの地下水くみ上げ規制について、別個になっておりますので、並行してお考えをいただかなければならぬ、こういうことを申し上げているのでありますから、重ねて所見を求めたいと思います。  と同時に、災害直後の物価騰貴に対する政府対策でありますが、地方団体でいろいろ今回も手を打ちまして、あまり暴利をむさぼって被災者のところへ行かなかったというようなことは、全般的にはなかったように思いますけれども、部分的には、かわら一枚が百円、トタン一枚が六百円というように急に上がっているような事実がございますので、これを、人の弱みにつけ込んでやるような悪質な商売人の取り締まりなど、政府としてもお考えではございましょうけれども、十分徹底をいたしておりませんので、これに対する対策。それから災害復旧用の物を国の責任において備蓄しておくというようなことについて、その必要性を痛感しているのでありますが、御考慮をいただきたい。こう考えておりますので、総理のお答えをいただきたい。
  18. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 前の御質問高潮対策として防潮堤地下水くみ上げの問題、工業用水の問題は、関係ございますから、十分検討いたしたいと思います。  それから災害直後におきまする復旧資材の暴利取り締まり、これは一般の物価統制令でやるよりほかいたし方がございません。伊勢湾台風の直後におきます名古屋方面におけるあの施策はかなり成功いたしたと思います。今回もその例でやったと思いまするが、ああいう災害直後のことでございますし、数多い中におきましては、いろいろ不心得者の出た場合も聞かぬではございません。全体といたしましては、政府としてはそういうことは考えなければならぬ問題である。さしむき毛布とか食糧その他につきましては、備蓄その他でやっておりますが、トタンとかあるいは材木等につきましては、これは早急に、すぐ要るものではないのでございますから、やはりそういう点を日ごろから徹底させますと同時に、直後におきまする被害団体が早急にそういう対策をとられることが必要である。また、政府といたしましても、今の、今度の災害基本法におきまして、事前の準備その他も規定いたしているのでございます。そういう規定を用いまして適切な措置をとりたいと考えております。
  19. 村尾重雄

    ○村尾重雄君 時間の関係もある模様でありますし、私がお尋ねしようと思いました点については、すでに同僚議員から大体お尋ねがありましたので、私は要点だけ申し上げ、しかも前の質問者と重複しますが、あえて承知の上で、総理池田さんの御所信のほどをお伺いいたしたいと思うのであります。  それは先ほど荒木さんから述べられましたように、今次二十五日、もちろんこれは二十六号台風の影響にもよるものでありまするが、東シナ海の低気圧がわが国に影響を与えまして、四国から九州、中国等集中豪雨による、しかもなかんずく大分県、また宮崎県、福岡県、中国地方においては甚大な被害を与えておるのであります。こえて二十七日、二十八日とこれが近畿に及びまして、これまた集中豪雨において余儀ない被害が、相当甚大なものがあると思うのであります。この点について荒木委員質問に対して、今次取り扱われている特別措置法によるところの扱いにおいてこれをば措置されたいという御意向に対して、十分調査の上にそうした処置をとる考えであるというお答えを伺ったのでありまするが、私は今次行なわれておりますこの委員会審議されております十四法案の対象としての公共事業被害でありますとか、その他田畑の被害、立木木材の被害、通信の被害、交通の被害、こうしたものを想定いたしましたときに今次二士五日から、二十七、八日の間に集中豪雨による被害を受けられた各府県も、十分にこの特別措置法の取り扱いになるべき被害を十分受けているものと思うのであります。こういう点で十分な処置をば——調査等において、これが今次行なわれない場合においては、来たるべき通常国会の劈頭、法的措置をばぜひとも取り扱っていただきたいことを私はお願いいたしたいのであります。その所言をまずお伺いしたいのと、いま一つは、御承知のように、この国会で補正予算の中に災害予算が通過いたしました。なおまた、第二室戸台風以降の災害に対して災害予備費百二十億というものが計上されております。第二室戸台風以降の災害に対して国会審議の今日までの審議途中における政府の、それぞれ関係諸大臣等の御答弁を伺っておりますと、もし予備費において足らない場合においては、十分来たるべき通常国会において劈頭これが補正予算措置を行なうという御答弁をばいただいておるのでありまするが、今次二十五日から後の豪雨による被害というもの、これが二十数府県に及んでおります。当然これらに対して百二十億の予備費においてまかなえない場合においては、通常国会の劈頭、すみやかにこれらを補う、これに対処する追加予算補正というものが当然なされなければならないと、こう考えるのでありますが、池田総理のこれに対するまず御所信を承りたい、こう思うのであります。
  20. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 災害が起こりましたために、これが復旧に対しまして処置することは予算が認められておろうが、認められておるまいが、認められておるときはその予算の範囲、認められてないときは別の予算でやることは当然のことであります。いつの台風だったから、あるいは予算がないからやらないという問題ではございません。実態が特別措置を要すべき筋合いのものならば、それに沿うようにしていくのが民主政治のあり方と私は考えております。
  21. 村尾重雄

    ○村尾重雄君 私はなお一点高潮対策について、先ほど他の委員から質問がありましたが、再度総理の所信をお伺いしたいと思います。それは御承知のように、政府において治山治水十カ年計画、先ほどお話があったように、九千二百億の大体計上により十カ年間——前期五カ年間において四千億円、後期五カ年間において五千二百億円として、これらの工事の遂行を行なうということを伺っておりますが、しかも、この二十五年度から二十六年度にかけての大体初期のニカ年においても、この線に沿うて事業計画が着々進捗いたしておると伺っておるのであります。そこで今次のそれぞれ起こりました五月から十月にかけての災害をおもんぱかって、これに処して政府におかれては十カ年計画を繰り上げ八カ年計画でやるとか、あるいはまた国会審議の中においては七カ年間に、短期でこれが遂行できるよう希望を受けて善処するというお話もあったように伺ったのであります。こういう希望を受けて、政府はその中で高潮対策だけは別ワクとして、三カ年間でわれわれはこれを短期にこれが遂行をお願いしておるのでありますが、三カ年間に高潮対策の万全を期するという御意見をば今日開陳されて、また固められたように伺っておるのであります。多く私は時間の関係で申し上げませんが、高潮対策、特に東京湾、大阪湾対策というものがすでに総理にも何かと御配慮願っておりますように、いずれの点から考えてもまたわが国全体の経済の上から考えても、非常に重要であるということは申し上げるまでもありませんが、たとえば東京対策たしか三百億とか、大阪湾対策二百億に達する、これが対策を期して万全を期したいという考え方から、それぞれ地方自治体においても、またそれぞれ地方自治に関係する人たちにおいても、大きな犠牲を払ってでもこれが遂行に大きな決意を固めておられると聞くのであります。こういうときにあたって、私は政府が三カ年間にその高潮対策の万全を期するというこの考え方というものが固まったものとするならば、これをばぜひとも実現するように、池田総理の強力な御指導及びこれに対する御協力をひとつわずらわしたいと思います。これに対する総理の所信を伺いたいと思います。非常に簡単でありましたが、以上に対する総理の所信を伺いたいと思います。
  22. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) いろいろ計画を作ってやっておりまするが、これは一応の計画でございます。早い話が昭和三十二年に道路の問題、鉄道の問題を計画いたしました。しかし道路の一兆円予算では十カ年計画ではとてもまかない切れない。四年後には二兆三千億と立てざるを得ないと思うのであります。これは何かというと日本の経済の高度成長であります。治山治水計画も一昨年立てました。しかし日本の経済がよくなりますと同時に災害による被害がますます増大することを考えれば、何も十カ年九千二百億にくぎづけされる必要は全然ないと考えます。と同様に九千二百億の中にもこれは多分高潮対策も入っておりますが、護岸とか、あるいは地下水対策等が入っていない。まあ入っておる入っておらないにかかわらず、現状がそうだとすれば、何も私は十カ年計画にとらわれる必要は、ないんじゃないか。やはりわれわれの力が強くなり、大きくなる、そして災害の場合、それに比例して大きくなるというような場合におきましては、これは十分計画考え直していくのがほんとうの政治じゃないかと思っておるのであります。だから、これが高潮対策、護岸対策地下水対策、いろいろなことも言われておりまするが、とにかくできるだけどこに重点を置いていくか、そして高潮対策にいたしましてもどの場をまず先にやるかということにつきましては、金の問題も十分考えなければならぬし、そういう具体的の問題も考えていって、ほんとうに生きた対策を今後考え、講じていきたいと思っておるのであります。
  23. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 私は第二室戸台風災害を受けた地帯を視察いたしまして、二、三、ちょっとした道路管理者の手落ちと申しますか、もし手当さえ十分であったら、ああいう災害はなかったんじゃないかと思われる二、三を申し上げまして、建設省ではどういうふうに措置されているかということについてお尋ねしてみたいと思う次第であります。はっきり場所を申し上げますと、鳥取県の国道二十九号線に沿って八東川という川がございます。国道二十九号線は鳥取から戸倉峠を通って京阪神に行く、りっぱな道路をつけていただいておることは、たいへんありがたいのですが、実は道路を広くして舗装してもらいながら橋をかけ直していただいているのですが、こういう例から大きな災害が起きているわけであります。それは、旧橋が下流にあって、その上流に、川上のほうに、ほとんど手が届くほど近接して永久橋がかけられたわけであります。それは糸白見橋、根安橋、須澄橋という三つの古い橋があって、そのごく川上に近接して、並行して鉄筋コンクリートの非常に高いりっぱな橋がかかったわけであります。ところが、第二室戸台風で非常に水がふえて旧橋が残してあったために、それがダムのような形になって、そこに木材や何かがたまりまして、大はんらんをいたしまして、旧橋が流れてやっと水が引いたわけであります。これは私は新しい永久橋ができた際に、その旧橋は道路法としては一体どういうふうに処置するようになっているか。これは全く、もしこの旧橋を落としてあれば、非常に高くかかっているんですから、今度の室戸台風でもいささかも被害がなかったわけであります。たくさんその河川の両側の農耕地が壊滅し、たいへんな被害が起きたので——これは一体、道路法ではそういうふうな永久橋ができました際には、古い橋はどう処置されるような法的整備がなされているか。私、ずっと調べてみたんですが、あまりはっきりしていないんですが、その点はいかがでしょう。
  24. 鬼丸勝之

    政府委員(鬼丸勝之君) 一般的に申し上げますと、ただいまお話のような新しい橋が改良工事等によりましてできました場合に、旧橋をどう処置するかということにつきましては、新しい橋梁を管理者が引き継ぎましたのちに、この道路管理者が地元の関係者と協議いたしました上で、一橋を撤去するか、あるいは旧橋の道路を市町村道——地方道として残す場合には撤去しないとか、そういう処置をきめるということになります。ただいまお話の場合は、この三つの新しい橋は、ことし昭和三十六年四月二日に完了の告示を出しておりまするが、これはまだ道路管理者でありますところの知事に対しまして引き継ぎを完了いたしておりません。したがいまして、知事がまだ地元との協議も了しておらないと、こういう状況のところに、全く最近になって初めての災害にぶつかったと、こういうふうに承知しております。
  25. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 そうしますと、これは国道二十九号線は、一級国道だと思うのですが、どうなんでしょう。その点まず……。
  26. 鬼丸勝之

    政府委員(鬼丸勝之君) お答えいたします。一級国道でございますが、いわゆる直轄管理の指定区間になっておりませんので、現在は知事が道路管理者として管理いたしております。
  27. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 そうすると、知事にこれは機関委任というんですか、委任してあるわけですね。知事は建設省のかわりを、委任を受けてその管理をしているわけなんですが、道路法九十二条第一項あるいは道路法施行令第三十八条等を見ても、あまりはっきりしていないんですが、道路法施行令第三十八条を見ますと、道路「法第九十二条第一項(不用物件の管理)に規定する政令で定める期間は、一級国道、二級国道又は都道府県道を構成していた不用物件については八月とし、市町村道を構成していた不用物件については四月とする。但し、橋、渡船施設、道路用エレベーター等道路と一体となってその効用を全うする施設又は工作物(トンネルを除く。)及び道路の附属物であった不用物件については、一月までその期間を短縮することができる。」こういう規定があるんですがね、これはですから、この橋等は——不用物件の管理は八カ月、しかし道路の附属物であった不用物件については一月までその期間を短縮することができるこういう規定になっているんですが、そういう規定との関係はいかがでしょう。三十六年二月に橋ができておるわけなんですが、これはいかがでしょう。
  28. 鬼丸勝之

    政府委員(鬼丸勝之君) ただいまのお話のうち、不用物件の管理につきましては、確かに八月ということがございますが、ただいま問題になっておりまするこの三橋につきましては、これが不用物件であるかどうかがまだ確定いたしておらないわけでございまして、知事が原道並びに原道にかかっておる橋を管理いたしておりますが、先ほど申し上げましたように、まだ知事自身が十分考えてこれをどう取り扱うか決定いたしておりませんので、まだ不用物件にはなっていないと、こういう状況でございます。
  29. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 しかし、私よく現地を知っているんですが、糸白見橋というのは別にしまして、根安橋、須澄橋というのは、もう旧橋とほとんど並行していまして、それがなくてはどうこうということは、これは全くないわけであります。まあ糸白見橋については、今大きな工事がやられておりまして、あるいは旧橋があったほうがいいかもしれぬということが予想されますが、そういう場合に、いろいろ聞いてみますると、その地元の関係者が、残してくれというような情にほだされて、まあ心ならずも残したりすることもあるそうですが、少なくとも根安橋、須澄橋というものは、全然なくたってもうほとんど通行にはいささかも支障がない、こういう状況なんですがね。どうも道路法を拝見しましても、旧橋と、それにかわる新しくできた橋との関係がはっきりしていないので、これが何十メーターとか離れていますれば私は災害はなかったと思うのです。こういう点で、私は、やはり個々の具体的な場合、いろいろ条件を検討されて処理されておると思うのですが、私は、少なくとも今次災害にかんがみまして、こういう、とにかく建設してほとんどなくても間に合うような際には、地元の人がいろいろ言っても処置されておきませんと、たいへんな橋を何本もかけるだけの被害を及ぼすもんですから、私は不用物件の処理といいますかその関係はやはり整備していただいたほうがいいじゃないかと思うのです。これはです、とにかくそれを親切かたがたか、あるいはわれわれが見ますとたいていぼろぼろになって、あぶないというまでほとんど放置されているわけであります。そういうのは自然に腐朽して落ちていくのですが、今回のように、並行して下流にあって、低くて全く洪水に対しては格好のせきになって、そうしてそれがやっと流れて水が引いたというようなことは——そして数千万の被害を及ぼしているようですから、その関係をもう少し、道路法を丹念に拝見しましても、その関係がはっきり整備されていないために、私は、非常に今回のこの第二室戸台風はある意味では天災ではない、人災だと地方の百姓の人ですらそう言っておるわけであります。そういう点で、よそのほうには例はないでしょうか、一つ至急に不用物件の処理についてぜひ検討していただきたいと思うのですが、その点いかがでしょうか。
  30. 鬼丸勝之

    政府委員(鬼丸勝之君) ただいまのお話は、一般的にはまことにごもっともなことと存じます。そこで私どもといたしましては、今後新しい橋が改良工事でできました暁には、竣工いたしましたときになるべく早く引き継ぎをいたしまして、引き継ぎ後の原道の処置をすみやかにいたさせるように配慮をいたして参りたい、かように存じます。
  31. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 そうしますと、まだ引き継いでいないというと、これは管理者はだれの責任でしょう、一体。
  32. 鬼丸勝之

    政府委員(鬼丸勝之君) まだ引き継ぎを了しておりません新しい橋は、ただいまのお話の場合は建設大臣でございまして、建設大臣が管理いたしております。それから原道並びに原道橋はこれは知事の管理に属しております。
  33. 一松定吉

    委員長一松定吉君) 中田委員、まだたくさんありますか。
  34. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 いえ、あまりありません。
  35. 一松定吉

    委員長一松定吉君) なるたけ簡単に願います。
  36. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 それで、地元の人は、そういう不用物件の処理をしていなかったためにこういう不測の被害を受けたのだから、国家賠償法によってはっきり責任をとってもらうほうがあとあとのためにもよかろうといって、これは将来必ず問題になりますから、現地を見ていただきたい。  それから、この糸白見橋というのですね。これはまあ稲浦先生等も現地に見に行かれたと思うのですが、私はこの橋のかけ方が、いかに改良工事が必要だかということを——これは御案内のように八東川が本流なんです、これに糸白見川という小さい川が直角に交差して流れている、直角に。ですから、ようこの本流に乗り切れぬために、いつもここに土砂が——河川河床が上がってきている。ほとんどもう二メーターくらいしかないようなところを、もうそのままに永久橋をかけたわけです。ですから、この橋は、二つとも流れるどころじゃない、全部橋が埋まっちゃって、そうして今度はこういう直角の交差から、こういうふうに自然に本流に入りやすいような形になって、まことに——ですから、これは稲浦先生ではありませんが、建設省のある大先輩が見て、ようほんにこんな河床の上がった所にそのまま橋かけたもんだということを言っておられて、これはもうどうしたって、この八東川に糸白見川をこういうふうに交差するように、まず河川をかえてやりませんと、ほとんど河床が上がって、新しくかけた永久橋が二メーターも河床からないのです。その下流に旧橋があって、これはもう二つの橋とも埋まっちゃって、全く埋没してしまっておるわけなんです。ですからまあ予算がないので、いろいろ事情やむを得ぬ点もあると思うのですが、私はこういうのは十分考慮していただきたいと思うのですが、その原状で橋をかけかえる場合と、改良して将来の予測の災害を防ぐ場合のやり方との査定等はどうなっているのですか。やはりもっと良心的にやられるんなら、工事事務所長さんが、これはどうしてもそうせねばならぬと、河床も上がっているし、本流に支流がよう乗り切れぬというようなことを説得されて、私はやるべきだと思うのですが、まあ予算がないので仕方のない点があると思うのです。これなんかは、もうこの橋は五、六百万でしょうが、こんな数千万の被害をたったそれだけのために及ぼして——そこにある大きな製材所は国有林を買って、木材の価格が高くなるからということで、たくさん積んでおったら全部流されて、非常な損害を受けたのです。私は、まあいかに改良工事でなくちゃいけないかということを、これがよく示すと思うのですが、そういう基準は一体どういうふうにやられるか。あまり予算が少ないものですから、下のほうの要請を拒絶されるというか、もとのとおりにせいというようなことでなったりするのじゃないかと思うのですが、その点はどうなっていましょうか。
  37. 鬼丸勝之

    政府委員(鬼丸勝之君) いろいろ具体的に、御懇切なお話を承りましたが、ただいまの具体的の問題につきましては、私も十分には事情承知いたしておりませんので、今後なおよく一つ調査検討さしていただきたいと思いますが、一般的に申しますると、新しい橋をかけかえます場合におきましては、河川管理者と道路管理者が十分打ち合わせいたしまして、そうして設計なり配置をきめるということにいたしております。十分良心的にやっておることと私どもは信じておりますし、なお今回の旧橋の流失につきましては、あの地元の測候所の報告によりましても初めてのひどい降雨量であったということも聞いておりますが、確かに大きな災害があそこに集中的に降りかかってきたというふうに聞いておりまして、国家賠償等の問題のお話もございまするが、その辺も研究いたしますけれども、ひどい災害であったということはひとつ御了承いただきたいと思います。
  38. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 大きな災害であったことは事実ですね。しかし新しく作ってもらった、少くとも須澄橋と、根安橋は非常に高い橋脚で、あの水でいささかもはんらんしていなかったことは明らかであると思うのです。そういう旧橋と、現橋というか、新しく作った橋との関係を、どう今後不用物件の関係を処理するか、改良工事と、そのままでやるのはどうあるべきかということで、ひとつまことに私はいい手本だと思うので、見ていただきたいと思います。  それから最後にもう一つは、今度私の地方では発電関係で中国電力の水の調節が悪かったのではんらんしたのと、もう一つは公営電気をやりまして、これはどういうふうになっているかお聞きしたいのですが、直径二メートル、二千メートルのトンネルを掘りまして、その残土をほったらかしにしていまして、その残土を——土や大きな岩石をハッパをかけて割ったりした、直径二メートル、長さ二千メートルの土砂をほったらかしにしておいて、それが今度の室戸台風で一ぺんに大きな流れにその残土を持ち込みまして大はんらんを起こしているわけです。これは建設省には関係ないかと思いますが、これをどう——特別被害が大きかったかどうかというようなことは、同じ付近でもそういう大はんらんはないのにあったりして、一体、私のお伺いしたい点は、そういう残土をほったらかしにして、いいものかどうか。それは一体どうなっているか、それをほうり出して……。直径二メートルで、二千メートルのトンネルを掘って、水路を掘って、その土というものはほったらかしにしていいものか。それはどう処置すべきであるか。それはどう法的に規定して参るか。そのために非常に害があったと思われるのでお伺いをする次第であります。
  39. 鬼丸勝之

    政府委員(鬼丸勝之君) ただいまお話の会社が残土を堆積しておった、そのことが原因となって相当な災害をもたらしたということでございますが、その場合、まあ平生におきましてそういう残土の処置についての規制等があるかということですが、私のほうからお答えすることが適当であるかどうかも問題でございますが、現在は直接会社等にそういう土砂を堆積する場合の規制は、残土そのものに対する規制はないと思います。ただ、その場所にいろいろなほかの法律適用を受けている地域等で、その実定法の関係から土砂の堆積を、あるいは土砂を取る場合を規制されることもあり得ますが、一般的に規制されているということはないと思います。
  40. 武内五郎

    ○武内五郎君 今度の災害被害が最も顕著に現われておりまするのは高潮対策の結果と、それから発電所ダムの結果が強く出ていると私は考えるのです。高潮対策についてはすでに椿委員荒木委員から質問が出ておりまするので、私はそれに関連した質問は避けますが、ダムのために災害を一そう激化させたという点についておもに質問申し上げたいと思うのです。建設委員会において、私ダムの問題についていささか触れたことがございますが、あらためて質問申し上げたいと思うのです。ことに今回の災害中、最も激しい被害を受けた長野県の飯田市を中心とした災害でございまするが、これは集中豪雨による山くずれ等を伴いましたが、最も大きな災害の原因になっているのは泰阜ダムの土砂の堆積の結果、おおよそ私はダムが建設されまして、それでダムの上流に年々土砂の堆積をみて、そのために河床が異常に上がる。下流地方はさらに逆に異常に河床が低下してくる。こういうように自然の川のあり方に非常に反するような状態になって参りましたので、ひとたび集中豪雨等がございますると、そこに激しい被害を見ているわけであります。泰阜ダムばかり履く、たとえば北海道の災害も、やはり中心地であります空知川の野花南ダム等でも、今日すでに九八%の土砂の堆積を見ております。鬼怒川の黒部でも九〇%をこえた土砂の堆積を見ている。扉川でさえも、これも五〇%から六〇%の土砂の堆積があるわけなんであります。ことにこういうようなダムの上流に土砂を異常に堆積させたことが今回の災害をかってない大きな被害に持ってきたということに、私は考えざるを得なかったのであります。ことに泰阜ダムが昭和十年に竣工いたしまして以来災害が年年重なって参りました。昭和十年に竣工してから十三年、十五年、二十年、二十五年、二十八年、三十二年に災害を受けた。三十六年、今回最大の被害を受けたわけなんであります。もう九〇%近く堆積しておりまする泰阜ダムでありまするので、電気の出力関係からいっても、泰阜ダムの建設当時の——今、中部電力でありまするが、天竜川水力電気株式今社が発足する当時は泰阜ダムは四万六千キロワットの出力を表示しておったのであります。ところが現在になりますると、平時で八千キロワットに低下しております。最高出力がようやく一万二千キロワットになっておる。したがって、電力関係からいったって、非常にこんなむだな話はないのでありますが、ことにそのために災害が御承知のとおり非常なものになって参りました。人家でもこの付近、飯田市を中心といたしまして六百五十数戸の全壊、流失を見ております。そういうふうな結果になっておりまするので、私は今回のダム設置のために、建設のために災害を激化させた点を考えますると、ダムに関する災害防止の点からダムに関心をもっと強く持ってもらわなければならぬと考えるのであります。かつて、私は新潟県において阿賀野川沿岸に、昭和三十一年でありまするが、大水害がありました。これは、やはり阿賀野川上流における発電所がダムのゲートを全開した結果、急激な洪水をもたらして大災害を起こした。信濃川の支流でありまする破間川の堤防の決壊もそこから起きたものなんであります。さらに、やはり東北電力関係でありまするが、魚野川の上流における発電ダムが年々ゲートを開いて、下流農村の田畑を流失、埋没させておるのであります。こういうようなことは、私は決して看過できるものじゃないし、重大なる災害防止の観点から問題であると考えるのですが、河川局長はどういうふうに考え、将来どういうふうにこれを規制していくか、規制の方針等を明示してもらいたいと思うのです。
  41. 山内一郎

    政府委員(山内一郎君) 大災害が発生するたびごとにと言っていいくらいに、いろいろダムの問題が発生しているわけでございますが、それにつきましては、何とかしてそういうことが起こらないように、あるいは事前の措置ができればそういたしますし、今後そういうことが起こらないように、こういうことで極力建設省といたしましては検討し、たびたび通牒を出しまして努力をしているところでございます。しかしなお、まだ不十分でございまして、今後いろいろやらなければいけないことはたくさんございます。まあダムの中で問題になりますのは、主として利水専用といいますか、いわゆる洪水調節を目的の一部に含みましたダムについては、それほどではございませんが、利水専用のダムにつきまして、ただいま御指摘がございましたようないろんな点があるわけでございます。上流の土砂の堆積による被害の問題、あるいは下流の放流に対する問題、いろいろ問題がございますが、結局操作規定をどうするかという問題、この原則は上流から来る自然流量といいますか、あるいはダムに入ります流入量以上には下流には出さない。これは大原則でございまして、この大原則のとおりに、今までもいろいろ災害のあとを調査いたしましたが、こういうふうになっているというふうに考えております。ただ、それ以上に、さらに上流に観測設備を整備するとか、そういうふうな問題で、さらにそれを緩和できるという方法もあるんではなかろうか、こういうふうにも考えられますし、なお放流に際しまして、下流に対する通知の問題として、さらにそれを徹底させるとか、そういうふうな問題をさらに検討していかなければいけないと、こういうふうに考えまして現在検討中でございます。  なおダム主任技術者の問題、要するに操作規定の根本原則以外に、それぞれ今後これらの問題をさらにいろいろ調査研究をいたしまして、今後こういうことがないようにというふうに現在考えております。  なお上流の泰阜ダムにつきまして一は、相当な土砂の堆積を見たわけでございますが、これの根本対策といたしましては、飯田付近の川伝いにおきます今回水没を見ました家屋の移転の問題、あるいは今回水をかぶりました耕作地の今後の根本的に解決する方法の問題、こういうふうな点について現在一生懸命対策を講じている段階でございます。これらの対策を早くやりまして、できるだけ早い機会に実施に移したい。こういうことで現在いろいろ対策検討し、講じつつある段階でございます。
  42. 武内五郎

    ○武内五郎君 ダムの規制について、すでに規制したような事実がかってあったのですか、それともこれから規制をやろうという考えなのか、もしそういう過去に事実があり、規制に関する規則等があったら見せていただきたい。
  43. 山内一郎

    政府委員(山内一郎君) ダムの操作に関することにつきましては、河川堰堤規則というものがございまして、それによりまして操作関係規制あるいは規定をいたしております。
  44. 武内五郎

    ○武内五郎君 ダムの操作に関する、すでに、そういう法律ですか、規程ですか、ありながら、こういうような事態になって参りましたことはどこに責任があるか、お伺いしたい。
  45. 山内一郎

    政府委員(山内一郎君) ただいまの河川堰堤規則は堰堤の操作の規定、こういうものを主として、きめておりまして、それは洪水時には流入量、いわゆる自然流量以上には下流には放流をしない、こういう原則のもとにいろいろ操作規程を作っているわけでございます。したがって、その操作の点につきましては災害後いろいろ調査をいたしておりますが、これは守られておる。しかし上流のダムの堆積の問題、これは操作規程の問題じゃなく、ダムの築造に関する問題でございますが、これにつきましてはダムの築造が原因するのもございますし、それ以外の原因もやはりあると思われます。したがって、原因の探究並びにそれの対策、こういうものは堰堤規則じゃございませんが、別途いろいろ考えて、それを措置する、こういうふうに進んでいるわけでございます。
  46. 武内五郎

    ○武内五郎君 今日まで、私はそういうダムの操作等に関する規程並びに実施等が非常に緩慢であったのじゃないか。手落ちがあったのじゃないか。もう少し厳格な扱いが必要でなかったかと考えるのですが、今までのそういう規程等について欠陥があるなら、新しく規制に関する規程等の独立の立法でも何でも、必要であるなら、それを立案していく考えがあるかどうか。
  47. 山内一郎

    政府委員(山内一郎君) ただいま現在でございますのは河川堰堤規則でございまして、したがって、さらに強力にはやりたいと思いますが、指導の面だけでは不十分の点もあるかとも思いますが、そういう点がある場合には、やはりそれ以上に強い法的措置といいますか、そういうものも考えざるを得ないのじゃないかというようなことを現在考慮しておる最中でございます。
  48. 武内五郎

    ○武内五郎君 ダムの問題もそうでありますが、川のいろいろな災害等の結果を考えてみましても、これは総合的なやはりものの見方で考えて、その防止の点等も総合的な立案が必要であると考えるのですが、私は、特に水害防止をするということ、災害をできるだけ小さく食いとめる、また災害が来ないように予防するという点で、今の災害予防に関する法律その他の規定はきわめて私は貧弱じゃないかと考える。ことに今は国会災害対策基本法審議中でありまして、その基本法の内容を見まして、すでに災害が起きたものに対する対策、その行動です。どういうふうにして災害中に人間を動員し、資材を動かし、あるいはそれを動かすような命令の組織、機構の組組等だけが、重点であって、予防措置等についての点がきわめておざなりになっているわけであります。ことに、今日、水防法がございまするが、水防法といえども、その責任は地方公共団体地方公共団体に責任を負わせておるような、状態で、地方公共団体でございますると、なるほど地元でございまするので、常に川あるいはその他の災害の原因になる個所等の巡視、監視等がされるはずなんでありますが、なかなかそれがやれない、やっていないのであります。私は、そういうところに今日の災害を大きくさせた大きな原因があるのじゃないかと考えられるのであります。ことに予算——地方公共団体などでは、そういう面では、それは国からも出ておりましようけれども予算なんかも組めるはずもありませんし、容易でない。やろうとすれば金がかかることでありますから、とんでもないことだと考えるのですが、そこで、水害防止を徹底的にやるためには、たとえば一河川系統の中に、年間わずかな金を国から出して、常時管理して、水防組合があるなら水防組合を常時動かせるような組織に持っていくことが大事だと思うのですが、そういうふうなことは、今度の災害対策基本法の中でできるかどうか、疑わざるを得ないのですが、どう考えますか。
  49. 山内一郎

    政府委員(山内一郎君) 現行の水防法は、市町村が第一の責任者になっております。国、県といたしましては、それに対しまして所要の経費のうち、水防資材補助とか、無線機の補助とか、こういうことをやりまして、一体となって水防の万全を期しておる、こういう現在の段階でございます。その水防資材の点につきましては、本年度も洪水時に際しまして、あらかじめ備蓄する資材の補助も今年度はやっております。今後、使いました資材につきましては、先に御審議をいただきました水防法で、水防資材の特例によりまして、これを補助をする、こういうような対策を講じておるわけでございます。なお、災害対策基本法ができますれば、その趣旨の線に沿いまして、さらに水防活動の強化をはかりたい、こういうふうに考えております。
  50. 武内五郎

    ○武内五郎君 この水防法によって、水防組合等の活動をさしておるわけなんですが、ことに今度の災害基本法によって、そういうふうにやっていこうということに考えられるわけなんですけれども、私はやはり常時河川の状況を監視し、水の流れを常に見る、堤防の状態を見るというような、常に監視行動が必要じゃないかと考えるのです。私は今回災害地を見て回りまして、ほとんどそれが、堤防は皆老朽化しております。中には堤防に数センチにわたる幅を持った亀裂が至るところに入っている堤防で、もしこれがある程度の流水がそこに食い込むならば一挙にして堤防の決壊を見るような状態になるのじゃないかと考えられるような堤防を数個所見ております。そういうようなことが今日まで実はほったらかされておる。水防組合があるに違いないのですが、ほったらかされておる。そういうようなことで、特に私は常時監視員の活動ができるような組織を組み立てるようにお願いしたいと思うんです。そこでさらに私は、川の状況等も見て参りましたが、特に私が感じた点は、川の中流に大きな洲が発達しております。上流から砂礫を運んできて、それが堆積してそこに大きな洲が発達しております。柳やハンノキ、アカシヤ、ヨシ、その他の植物が自生、繁茂しております。ふだんは水はその洲を避けて川辺の堤防を洗いながら激しく細い道を通って流れているわけであります。したがって、細い道を、ふだんでさえも細い道を、水路を通っていきまするので、水はおのずから激して参ります。激した水は堤防に食い込む、あるいは護岸工事を侵すというようなことがふだんでさえも行なわれている。ましてひとたび洪水が押し寄せて参りまするときに、その洲によって激された水が両岸に向かって非常な勢いで押し寄せてくることは、これは当然な話です。ことに私は、その顕著な例を——これは北陸地建管内であります。十日町市内で、その状況をはっきり見て参りました。しかもそこでは本年六月、八月に水害を受けている個所であります。こういうようなことで堤防並びに河川の状態等について、常に監視して、その結果をあるいは県なり地建等に報告して、それに対する対策を、水害の来ないうちに、洪水の来ないうちに水害防止でき得るような措置が必要じゃないかと思いますが、御見解をお伺いしたい。
  51. 山内一郎

    政府委員(山内一郎君) ただいま河川管理の点でいろいろ御貴重なる御意見を伺いましたが、河川の管理の責任者というのは、河川によってその区域が違いますが、重要なところはこれは県の区域と、こういうふうになっているわけでございます。したがって、ただいま御指摘の点は、十分に今後県の管理者に——そういう機動的なものを作って監視させるということは一番いいわけでございます。しかし、そういうことがそういう洲の発達のために明らかに災害を受けたと、こういうような個所につきましては、災害復旧の点におきましても、十分その洲の除去とか、そういうことを考慮して参りたいと思います。なお、災害をなくするためには、やはり治水事業を先行的にやる、これは一番重要でございまして、ただいま御指摘のような個所につきましては、改良事業の促進とか、そういうように十分災害が発生する前の措置といたしまして、そういうような管理の強化、なお改良事業の推進、こういう両面から、そういう点がないように今後さらに注意をして参りたい、こういうように考えております。
  52. 一松定吉

    委員長一松定吉君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  53. 一松定吉

    委員長一松定吉君) 速記をつけて。
  54. 武内五郎

    ○武内五郎君 さらに、災害に対する総合的な点で、私どもはそれはなるほど他の委員からも発言されておる内容も中にはありまするが、そういうふうな、私が先ほど指摘いたしましたように、やはり堤防に大きな亀裂が起きた、橋が非常に危険な状態に老朽化しておるという状態について、常時監視されていないことが、私は非常な災害の激化を招いたことを先ほど申し上げました。さらに私は、同時に災害復旧事業について、これも再々出ておるのですが、明確に、復旧そのままでなく、改良に移行していかなければ、災害防止は絶対今後できないじゃないか。今回災害地を回ってみまして、至るところでその査定の結果を聞きますると、実際において査定は過少に見られておる。ことに改良なんかということについての考え方は査定官にはほとんどない。ことに私は、三条市を流れております五十嵐川にかかっている小倉橋というのがある。これが左岸寄りでようよう十メートルぐらいの橋脚部分を残して、あとは流れておりまするが、十メートルの部分を残したのが、これが災害に入っていないという査定をしている。これは復旧専業の中に含むことができないという、そういうふうな物の見方でありまするので、こうやく張りの復旧事業になって参りました。いささかの洪水で、また災害を大きくさせるということになるのでありまするので、はっきり災害について、特に今回を契機といたしまして、災害復旧は改良復旧主義でいくということを明示されていただきたいと思うのですが、河川局長はどう考えますか。
  55. 山内一郎

    政府委員(山内一郎君) 災害復旧につきましては、最近の災害が非常に激甚化しているという点から考えまして、原形復旧ではだめであるという点ははっきりいたしておるわけでございます。したがって、災害復旧の査定にあたりましては、改良復旧ということを頭に入れまして、査定をし、なおかつ、災害関連事業という制度を活用いたしまして、今後再び災害を受けないようにというように、措置をしておるわけでございますが、ただいま御指摘がございました具体的な点につきましては、さらに十分もう二度査定を見直すとか、あるいはよく検討いたしまして、十分な対策を講じたいと思っております。したがって、今度は災害復旧を改良復旧の方へ強力的に持って参りたい、こういう気持で現在進んでおるわけでございます。
  56. 武内五郎

    ○武内五郎君 まあ、いろいろ私は実は災害について相当時間をいただいて質問申し上げたかったのでありますけれども、いろいろの関係でこれで打ち切ります。打ち切りますが、今、私が指摘いたしました三点、これは私が質問いたしたい中から、特に選んで申し上げたものでありまするので、十分御検討を願いたいと思います。終わります。
  57. 一松定吉

    委員長一松定吉君) 以上をもって内閣提出の本委員会に付託せられました十四件の法律案質疑を全部終了いたしました。この際、暫時休憩いたします。    午後四時四十五分休憩   〔休憩後開会に至らなかった〕