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1961-10-13 第39回国会 参議院 運輸委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十六年十月十三日(金曜日)    午後二時三分開会    ——————————   委員の異動 十月六日委員重盛壽治辞任につき、 その補欠として成瀬幡治君を議長にお いて指名した。 十月九日委員成瀬幡治辞任につき、 その補欠として重盛壽治君を議長にお いて指名した。    ——————————  出席者は左の通り。    委員長     前田佳都男君    理事            天埜 良吉君            谷口 慶吉君            大倉 精一君    委員            鳥畠徳次郎君            野上  進君            三木與吉郎君            重盛 壽治君            中村 順造君            大和 与一君   国務大臣    運 輸 大 臣 齋藤  昇君   政府委員    運輸大臣官房長 廣瀬 眞一君    運輸省海運局長 辻  章男君    運輸省港湾局長 坂本 信雄君   説明員    日本国有鉄道営    業局長     遠藤 鉄二君   事務局側    常任委員会専門    員       古谷 善亮君    ——————————   本日の会議に付した案件 ○運輸事情等に関する調査  (港湾に関する件)  (海運に関する件)    ——————————
  2. 前田佳都男

    委員長前田佳都男君) ただいまより委員会を開会いたします。  運輸事情等に関する調査を議題といたします。質疑の通告がございますので、この際、御発言願います。
  3. 中村順造

    中村順造君 国鉄からは、どなたが見えておりますか。
  4. 前田佳都男

    委員長前田佳都男君) 国鉄営業局長遠藤鉄二君が見えております。
  5. 中村順造

    中村順造君 それじゃ、先般本委員会から横浜の船混みの状況現地視察に参りましたのですが、それに関連をして国鉄横浜港の船混みに関係のある問題についてお尋ねしたいと思います。  今横浜鶴見線それから高島線、二つの線を私は主としてさして質問しますが、大体、この高島線それから鶴見線横浜の港に陸揚げされた貨物輸送状況について、一応説明をいただきたいと思います。大体、説明内容は、どのくらいの輸送要請があって、国鉄は現在その要請に、どの程度の規模でこたえておるか、その点を先に一つ説明をいただいて、また内容については、あとでお伺いします。
  6. 遠藤鉄二

    説明員遠藤鉄二君) 横浜港の入津物資鉄道輸送関係でございますが、横浜港は、米麦とか石炭、鉱石、雑穀、肥料などが入津物資でございますが、最近の状態を申し上げますと、横浜港に到着いたします貨車が、九月上旬の一日平均でございますが、三百二十九両到着をいたしておりまして、使用、つまり発送でございますが、五百六十二両になっております、一日平均五百六十二両でございます。したがいまして、国鉄といたしましては、空車を一日二百三十三両、よその地区から横浜港に入れておるわけでございます。こういう実績になっております。  それから横浜港に出入りをする線路能力、あるいは列車能力でございますね、このほうはどうかと申しますと、上下とも一日六百五十車でございます。こういう列車が設定してあるわけです、六百五十車。実績でございますが、今申しましたように、使用が五百六十二でございまして、上下五百七十ぐらいの貨車が出入りしておるということでありまして、輸送能力からいたしますと、まだ八十両ばかり力があるわけでございます。  それから、横浜港の九月をとりまして、前年三十五年と三十六年の発送トン数を比較いたしますと、三十五年の九月が十六万六千九百トン、三十六年は十八万九千九百トン、かようになっておりまして、対前年で、本年は二四%で一四%の増となっておりまして、全国平均鉄道輸送伸び率よりはずっと多いわけでございます。  これが輸送の概要でございまするが、横浜港が、特に貨車関係で非常に困って、特別困っておるかという問題でございますが、肥料の大量に入りました去年の秋冬繁忙期の終わりでございましたか、輸入の肥料が相当たくさん入ってきましたときに、貨車が足りないので肥料滞貨になったという問題が昨年ございました。ただいまは、そういう問題はございませんけれども、われわれのほうといたしましては、各港の毎日々々の品目別輸送要請本社でもとっておりまして、港は特に重点を置きまして、貨車がこないがために港の機能がどうとか、あるいはこれが船混みの原因になるというようなことのないように、最重点貨車を入れておりますので、現地では多少御期待に沿わない点があるかもしれませんけれども、われわれ精一ぱいやっておりまして、それから運輸省のほうで、海陸の総合調整的な輸送の対策を、これはたえずお考えになっておるわけでございまするが、運輸省のほうからも、貨車がとないで港の機能がどうとか、あるいは船がとまって困るのだというような非難は、横浜港だけでなくて、全国的に名港から、ただいまのところ出ていないような状態でありますけれども、先ほど申し上げましたように、港の配車につきましては、極力重視をいたしまして、配車をするようにいたしておるわけであります。
  7. 中村順造

    中村順造君 今の営業局長お話では、大体、貨車が足らないから、そのために港の輸送支障を来たしておらないと、こういうふうな結論づけた話でしたが、現地で私ども聞いたときには、現地要請としては、やはりせっかく船から揚げたものを倉庫に入れる。もう倉庫も足らないし、倉庫の足らないという原因が、その倉庫に入れたものを輸送する、あるいは蔵はしけになっているものを輸送する場合に、貨車が足らないから、それが一つ支障になって、輸送が円滑にいかない。順次陸送のほうが今度は円滑にいかないために、船からものが揚げられないというような実情で、こういう要請があったわけです。  そうすると、私が今ちょっと調べたんですが、どういうことなんですか、五百六十二両というのは、これは一日平均でしょうがね、いろいろこれは上旬、中旬、下旬というふうに、船の入港してくるのにも波があるということを聞いておるが、ただ、その五百六十二両というのを、到着両数が三百二十九両、空車をこれに計算をすれば大体二百三十三両入れれば  これは算術計算のような、あまりにあれなんですが、それを合わしたものが五百六十二両、こう算術的に出ておるんですが、実際は、そういうふうになっておらぬ。それからもう一つ列車としての輸送能力は、これは六百五十車ですか、そうすると、あすこは大体どういうことになるんですか、高島線鶴見線操車能力というものも関係がありますけれども、直接は、どういうことなんですか、その両線のいわゆる輸送力というものは。たとえば私の聞いた範囲では、少し具体的になるんだが、大体高島線のほうでは、一日の要請が六百両ないし七百両、ところが実際にこれを配車をして輸送するというのは五百両ないし五百五十両、それから鶴見線については大体まあ、多いときには千両程度要請があるけれども、実際の輸送をするのは五百両ないし六百両である。これはいろいろ原因はあるんですが、そこに五十両ないし百両、あるいは三百両、四百両というような開き原因はあるんですが、まず第一に、貨車が足らない——空車がですね。これは今、あなたの説明の中でも三百二十九両が到着だと——これは平均だけれども、そうすると絶対数が五百六十二両といえば、二百三十三両の空車を入れなければならぬということは、これは現実にわかっているんだが、そうすると、そういうふうに向こうの輸送要請にこたえる国鉄側輸送実情というのは、高島線でも、大体五十両ないし百両という要請にこたえ切れない、それから鶴見線のほうでは、まだ開きがずっと高島線よりも大きい、こういうことになると、輸送力の問題がそこにあるのか。今、あなたのお話では、輸送力としては十分余力がある。これはあなたのお話の、六百五十車について発送平均が五百六十二だから、約九十両ばかりの能力開きがあるように——数字的に言えば、そういうことになるんだが、実情は、そういってないから、現地でそういう要請が出ておるということですが、今私が申し上げたような内容鶴見線高島線に分けて、どういう実情か、ひとつ説明していただきたい。
  8. 遠藤鉄二

    説明員遠藤鉄二君) 荷主さんの御要求に十分こたえられないという点は確かにあると思います。それは、国有鉄道発送トン数が、ただいまの秋冬期では、一日大体六十万トンぐらいを送りたいということでございまするけれども、いわゆる在貨は、その三倍近くあるのでございます。つまり三日分くらいの在貨がある、こういうことでございます。その日その日の実情を見ますれば、もちろん十分に応ずることはできないわけでございます。しかしながらこれをならして見ますれば、在貨としましても、そういう毎日の御希望はたまっておりますけれども、毎日毎日それがはけていくわけでございますので、長期的に見ますれば、それほど十分ではございませんけれども、それほどの港を混乱さすことはないのではないかと思っております。  それから列車の問題と同時に、積み込みの荷役をする場所の問題です。場所を広げなければ、貨車を幾ら入れましても積めないわけでございます。その点は、港の荷主さん側のほうと相談いたしまして、極力積みおろしの場所を広げるとか、あるいは回転をよくするとか、そういうことを努力いたしております結果、これだけの、ただいまやっております五百何十車という貨車発送できるようになったわけでございます。  それから、ただいまのお話範囲の問題でございますが、横浜港といたしまして十八万九千トン、九月分として発送したと申し上げた、その駅の範囲は、入江、新興、東横浜横浜市場高島、東高島、浜川崎、扇町、安全、大川、これだけの駅を総合した範囲のことを申し上げたわけであります。  以上であります。
  9. 中村順造

    中村順造君 この要請にこたえられないということが前提になるわけですが、これがこたえられないから、そういう現地にやはり要望があるわけです。われわれ聞いてきたのですが、この要請にこたえられない原因がどこにあるかということをお尋ねしておるわけです。それから今、私が数字的に申し上げたのも、やはり六百両要請したものを五百五十両、実情は、これは一日平均ですから、大ざっぱな数字ですが、どこに原因があるか。日々の要請にこたえられないということは、やはり何でしょう、在貨が解消するということに通じないのですけれども、今あなた自身は、二日ないし三日分の在貨があると誓われる。本来これは、そういう現地実情は、やはり布貨もなくなり、現地の会社の要請については十分にそれにこたえて——現地輸送要請については十分こたえてしかも余裕がある、こういうことが一番望ましい。だから要請だけは、少なくとも毎日それが輸送が可能だという状態なら、いわゆる倉庫に揚げたものとか、あるいは船はしけになったものが、それをそのままの事情にならぬわけだ。それは現実在貨があるというととは、二、三日分の在貨があるとすれば、それだけでも早く解消してやって、船混みの一つ現実解消をしてやるということは、やはり私は、国鉄としては非常に問題のある、これはいろいろな因子が重なり合って、ああいう状態になっておるのだが、国鉄能力として、それが可能ならばやってやるのが当たりまえではないかと思うのですよ。だから、それがいろいろ話を突き詰めていきますと、もう初めのお話では、十分余力輸送力にはある。ただし貨車が足らない、来ないというお話があって、二度目には、要請にはこたえられない、こういうことになると、支離滅裂ではないか。どうも、私はわからぬのですが、それからまた発展して、今度は貨車要請には荷役能力がない、こういうお話も出てきております。もう少し詳しく、どういう実情であるかということを、あなたがおわかりにならなければ、わかる方でけっこうですから、十分実情に合わした説明を、ひとつしていただかなければわからぬ。
  10. 遠藤鉄二

    説明員遠藤鉄二君) 何と申しますか、在貨が全国的に毎日の発送の二倍とか三倍とか持っておるわけであります。でありますから、荷主からごらんになりますれば、輸送が不自由である。申し込んですぐに積めない。これは、そのとおりでございます。全国さようになっておりますので国鉄輸送力全体が足らない。これはもう申し上げるまでもなく、はっきりした事実でございます。いつでも自由に積めるというような輸送力は、国鉄にはないわけでございます。それで線路も作り、貨車も作りということで、私どもとしてはやっておるわけでございます。  しかし、程度の問題でもございますけれども、特に横浜とか、港に対する貨車の配給が悪くて、そのたびに港が混乱に陥っている状態かというと、それほどのことはない。そういうふうな表現で私申し上げておるわけでございます。
  11. 中村順造

    中村順造君 私が申し上げておるのは、国鉄輸送力がネックになって、そこで横浜のああいう状態が起きておるということは言っていないのですよ。それは、との委員会からみんな現地視察に行っていますから、実情はわかっているのですよ。もちろんいろいろ船をつける場所を増設するとか、あるいははしけをたくさん作るとか、倉庫を作るとか、それから荷役能力の問題とか、たくさん原因があるわけです。あるわけだが、その中に一つの要素として、国鉄輸送というものが——国鉄輸送状況を見て、二日分ないし三日分の滞貨全国的にいえることだ、横浜だけそれがあったっておかしくないじゃないかと、こういうことになるかもしれませんけれども、現実横浜という港の状態が、特に最近非常に船混みの状態になって、何百時間、何千時間というように船が港で待たなければならぬ。だから、たとえばよその港で、そういう二日、三日の滞貨というのは普通の状態であっても、横浜に限っては、少なくとも国鉄の問題だけ普通の状態でずっと改善をして、横浜だけが非常にいいという状態ならば、その船混みが、一部は、そういう面である程度緩和されるということが考えられるのです。  ところが、今聞いてみると、私の聞いたのとあなたの説明されたのとは若干違いますけれども、少なくとも現地輸送力要請について、国鉄はやはりそれに十分こたえておらない。数字をあげて言っても、こういう現実ですよ。だから、ほんとうに横浜の船混みを中心にして、これを何とか解消するということをみんなが考えた場合には、これは日本の海の玄関だから、横浜それ自体が、そういう事態じゃいかぬということを、みんなが考えた場合には、やはり国鉄も、それに協力するという態勢がとれるならば、よその全国一般的な二日、三日の滞貨という考えでなしに、横浜では、国鉄については十分問題のないようにしてやるということは、私は当然のように思うのですがね。私は横浜のことを言っているのですよ。全国的な国鉄滞貨状況なんて、そんなことは聞いていないです。  その点をひとつ、そういう考え方に立って、どういう状態になっておるのかわからぬですから説明して下さい。
  12. 遠藤鉄二

    説明員遠藤鉄二君) ただいまの御指摘通り港湾問題は今非常に大事な問題でありますので毎日、個別に港の要求本社でとって、最重点貨車の注入はただいまやっておるわけでございます。
  13. 大倉精一

    大倉精一君 関連して。今の港の配車の問題なんですけれども、これは横浜ばかりじゃなくて、名古屋においても、相当配車が問題になっておるのですね。ちょっと総計を拾ってみましても、これは昭和三十五年の統計なんですけれども、対前年比でもって貨物量が一三七%になっておるのです。三七%ふえておるのですけれども、輸送実績というのは一〇三%、三%よりふえていない。こういう統計が出ておるのですね。それからことしの一月から三月までの統計を見ますというと、平均要請が六千七百六十六トンのうちで、実績として四千三百五十二トンよりない。車数にして四百三十八車の要請に対して、二百六十八車よりない。滞貨は三月末までに五万二千八百トンある。こういう統計が出ておるのですね。  で、現実の問題として、こういうような状況のもとに、名古屋港における倉庫は一ぱいになり、これははしけにしわ寄せをして、いわゆる蔵ばしけというような現象が起こっておる。こういうことが現実になっておる。しかもこれが、さらにひいては高山線等の、背後における輸送力の問題になってきておる。こういうものが、やはり港の混乱一つの要因をなしておることは事実なんです。  ですから、今、最重点ということをおっしゃっておったですけれども、もともと貨車が足らぬのですから、百パーセントというわけにいかぬが、しかし三七%ふえておるのに、わずか三%より輸送実績がないということは、これは最重点とはいえぬと思うのですが、どうですか。これは三十五年の統計なんですけれども、本年に入っては、もっとひどいだろうと思うのですが、本年の状況はどうでしょうか。
  14. 遠藤鉄二

    説明員遠藤鉄二君) 中部地力全体でみますと、全国的には比較的、前年に対しまして輸送量は上がっておるのですけれども、名古屋港、四日市港については、御指摘のようにあまり上がっていない。今、総合的な資料を持ってきませんでしたけれども、九月を見ますと、名古屋で対前年一〇五%、四日市は、台風の関係なんですけれども、悪くて九二%にむしろ下がっておるという状態なのでございます。
  15. 大倉精一

    大倉精一君 関連ですから要望だけしておくのですが、同じ省内の問題ですから、これは国鉄の方あるいは港湾局あるいは海運局ですか、同じ内輪の中での問題ですから、そういう問題について、内輪の中で調整してもらって、それで現実輸送力といいますか、貨車の配置を、もっとやらなくちゃいけないということになれば、これはひとつ、うんとやってもらうということで努力をしてもらいたいと思うのです。逼迫していますよ、港の貨車は。これは統計に出ているのだから。
  16. 中村順造

    中村順造君 営業局長現地では、こういう話を聞いたんですよ、横浜の港が、非常に近年にない混乱状態だと。それは、原因はいろいろありますがね、さっき言ったように、特に池田内閣一つの政策から来るところの、いわゆる全体的な買いだめだというような見方も出てくる、非常に港が混乱しておるわけです。  そこで現地では、船混みの状態解消するために、いろいろ努力をされておるわけです、各界からいろいろ集まって。その中に、国鉄のメンバーが入っているわけです。横浜港自体認識については、あなたは、どういうふうな報告を受けておられるか、それを先にお尋ねします。どうもはっきりわかっておらぬようです。現地から管理局長なりあるいは運輸局長から、どういう事態であるという報告をしておりますか。それを全然あなたが聞いておらないというのなら、聞いたってむだです。その点はどうなんですか。現地から、横浜の港の混乱状態について、いつごろからどういう報告を受けておるか。
  17. 遠藤鉄二

    説明員遠藤鉄二君) 現地からは、最近は特別の話はないように聞いておりますけれども、それは困っておることはおられると思いまするけれども、管理局長が、市長さんでありますとか港湾管理者あるいは荷主さんなどと絶えず折衝しておりまして、いろいろ善処してもらっておりますので、特に最近になりまして、急に大きな問題の提案ということはないように聞いております。
  18. 中村順造

    中村順造君 市長さんのお話では、国鉄輸送力については、いろいろ問題があった。それで特別に国鉄にお願いをして、ある程度問題は解消していただいたけれども、まだまだ問題が残っております。一つの例とすれば、今あなたのお話のように、横浜到着貨物というのが非常に少ない。だから、横浜到着した貨車に、横浜で陸揚げをした貨物をそれに積んで出すということについては、非常にアンバランスになっておるから、どうしても空車を必然そこに何百両か入れてもらわなければならぬ。そういう実情現地で私は聞いてきたのです。そういう状況の中で、しかも、これは全国的な視野の中で、横浜が特に問題になっておる。特に問題になっておるから、本委員会から視察に行ったわけなんです。そういう問題のあるところで、しかも、その後方輸送である国鉄輸送に、その問題が残っておるというなら、これはやはり、それについての解消をしてやらなければ、横浜に限っての措置をしてやることが、今混雑緩和一つになるわけです。  たとえば陸上輸送で、自動車の交通で、そこは特別の地域の混乱をするとするならば、やはり警視庁あたりは、それに対して特別の措置をとる、右折禁止だとか、あるいは時間をかけてどうだこうだとか、いろいろなことをやるでしょう、横浜がそういう現実の問題が、国会の問題になるような大きな問題を起こして、国鉄は、いやそういう別に報告は受けておりません、それじゃ、問題にならぬじゃないですか。  だから、私は具体的に数字を上げて、大体横浜の港は、これこれの高島線でこう、鶴見線でこうこうの要請をしておるけれども、その数字だけでも、少なくとも五十両ないし百両の要請に応じられないという現実がある。それを全然報告を受けておらないし、横浜には特別の問題がないという認識をするならば、これは何をか言わんやです。その点は、どうなんですか。
  19. 遠藤鉄二

    説明員遠藤鉄二君) 決して横浜の問題をないがしろにしているということではございませんけれども、先ほど申し上げましたことと同じことになるのでありますけれども、管理局市長さんその他と絶えず連絡をいたしまして、列車の作り方、荷役の仕方、方面別列車の仕立て方なども、絶えず御連絡をして改良をしておるわけでございます。空車の問題は、空車を幾ら入れるかといいますことは、これは国鉄全部の貨車運用とも関係があるわけでございまして、関東地方などの要請に非常に市点を置いてしまいますと、今度は、東北方面から東京に入って来るということが、弱体といいますか、積みにくくなるというようなこともございますので、港湾は、最重点のものとは思っておりますけれども、それでは港湾は行入らなければならぬものが、その日百入れるかといいますと、そうもいかない点がございます。そういうことを、いろいろ勘案いたしまして、現状のような輸送になっておるわけでございます。
  20. 中村順造

    中村順造君 それじゃ、私は前のことは言うのはやめましょう、今あなたが報告を別に受けておらぬというならば、別に取り立てての措置はしてないのですからね。今後の問題として私申し上げるのですが、明らかに滞貨が二、三日分あるということは、あなたもお認めになっておるし、それから輸送要請にこたえられないという現実も、あなたはおっしゃっておるわけです。  そうすると、少なくとも倉庫が足らない、あるいははしけが蔵ばしけになっておるというふうな実情から見ると、やはり滞貨をなくして、倉庫なり、荷物を置くところをあけてやる、そうすればその面にも、少なくとも横浜の港の混雑は緩和するわけですから、明らかに事実の問題として、そういうことが解消できるかどうか。この滞貨は二、三日分の滞貨ではあろうけれども、それを早急に解消することができるかどうか。  それから輸送にこたえられないと認めておられるが、それにこたえられる方法があるかどうか。この荷物置き場所がないとか、荷役能力だとかいうものを含めて、現地要請にこたえられることができるかどうか。国鉄として、横浜に限って、その点はどうなんですか。この滞貨解消とあわせて、少なくとも横浜は、何とかしてやらなければならぬということは、みんなの一致した意見ですその点ひとつ、将来のやり方として、それができるかどうか。
  21. 遠藤鉄二

    説明員遠藤鉄二君) 重ねて申し上げますけれども、私は、特に重要な港湾については、最重点輸送をやっておりますけれども、それでは、すべてが遺憾なく御要請にこたえられるだけの輸送ができるかというと、最善の努力はしましても、必ずやりますという御返事は申し上げかねる実情だと思います。横浜だけでなく、最近東京汐留貨物駅なども、非常に困っておりまして、都内の交通輻湊のため、自動車が自由に動けない、駅には貨物がたまる、あるいは駅にも入らなくて、途中の駅でもって、汐留行の貨車がじゅずつなぎになっておるという状態でございまして、全国的に、実は私ども非常に困っておる状態があるわけでございます。したがいまして横浜の問題につきましても、市の当局その他の方と管理局等との鉄道機関と、これこれの改善をすればこうなるからという意見が、どんどん出てくると思いますけれども、そういうものは最重点に取り上げますけれども、すぐすべてが期待に沿うように自由になるというまでに改良できるとは申し上げられないと思いますが、しかし精一はいの努力をいたすつもりでございます。
  22. 中村順造

    中村順造君 努力をするという場合に、それはそれ以上に努力ということはいかないかもしれぬけれども、横浜だけに限って——汐留の話も出されたけれども、何とか、ほんとうにもうならぬのですか、最善を尽くしているということなんですが、実際に空車をここだけ、期間を限って二、三日の間でも入れて、特段の措置をするということが、それすらも不可能だと、こういうことなんですか。
  23. 遠藤鉄二

    説明員遠藤鉄二君) 車の問題もございますけれども、先ほどもちょっと申し上げました積み込み場所列車の仕立て方、こういうものを研究することによりまして、さらに能力は上げられるのじゃないか。つまり積み場所と作業ということが、あまりばらばらに積んでも、その列車を仕立てるのに時間も場所もとってしまうというようなこと、——積み込む場所列車の作り方、こういうものを工夫いたしますと、輸送の量はまだ上げられる余地はあるように現地からも聞いているわけであります。いろいろ今後研究をいたします。
  24. 中村順造

    中村順造君 それで、その列車の仕立て方と言われるが、これはなんでしょう、あすこの画線で積み込んだ貨車を鶴見の操車場か大宮の操車場へ持って来るのです。そこで北へ行く物、南へ行く物というふうに振り分けられるでしょう、これがそう重大な、大きな隘路に——列車の仕立て方が隘路になるということは考えられない。問題は、荷役能力というようなものが直接関係するかもわからないが、努力をする余地があるとするならば、現地要請にこたえて、早急に努力してやらせるということが、また結局、これが滞貨が減る、こういうことにもなるので、それを横浜に限って、何とか特段の措置がないのかと、こう言っているのですから……。
  25. 遠藤鉄二

    説明員遠藤鉄二君) ただいま列車の仕立て方の話を申し上げましたのは、実は新鶴見とか、そういうところの能力が、すでに飽和に近いわけです。特に、港からあまりばらばらに貨車を引き揚げないで、ある程度港で列車を作って、列車の格好に近いものにする。ヤードでも、よけいな入れかえをしないようにすると、列車が作りやすいということで、そういうようなことを国鉄から地元の荷主さんにお願いしてやっていることもあるのです。今後そういうこともやりたい、一例として申し上げたわけです。
  26. 中村順造

    中村順造君 あなたは、ヤードが一ぱいで能力だとかなんとか言われるけれども、それは、ただそういう問題があるということを言われるだけで、それは鶴見の操車場なり大宮の操車場は、列車のもう組成能力で一ぱいなんですか、そんなことは考えられないのですがね。鶴見とか大宮が、あれだけのヤードを持っておって、しかも最近特に、そういう面が強化されておるように聞いておるのだが、すでに現状で一ぱいなんですか。鶴見、大宮は、問題があるのですよ。
  27. 遠藤鉄二

    説明員遠藤鉄二君) ヤードはフル稼働といいますか——フル稼働という中身がありますけれども、まだまだ能力は、上げ得るとは思います。しかし現状の体制では、これ以上列車を、今度の十月一日に時刻改正して相当どこのヤードも、いわゆる作業上とれる穴といいますか、とり得る余地は、大体列車を入れてしまいましたので、今後、列車を増発しようということになると、なるべくヤードに負担をかけずに、発地でもってヤードがとりやすいような列車に作ってやるほうが作りやすいわけでございますので、そういう意味で申し上げたのです。全然ヤードの能力がこれ以上一本もないとは申し上げませけんれども、勤務のやり方を相当変えないと、そのつど現在やっております体制でそのままそれじゃ何木も押しつけていかれるかというと、そういうものでもないと、こういうことを申し上げておるのであります。
  28. 中村順造

    中村順造君 やめますがね。何か私の受けた印象では、われわれとしては、横浜は非常にあの混乱解消するために急を要する何らかの措置をしてやらなきゃ、いわゆる日本の海の玄関である横浜をああいう状態に置いてはいかぬということが本委員会考え方なんです。ところが、それの一つ混乱の要素の中に国鉄側輸送の問題が出てきたわけです。だから、これを具体的にどういうふうにして解消するかということをあなたから聞きたかったわけです。だけれども、あなたは一貫して、ヤードの能力まで出されて、何かそういうことはもう国鉄としては一ぱい一ぱいで、もうこれ以上の、たとえば二、三日分の滞貨すらもどもこうもならぬと、こういう説明だから、私の聞いておるところでは、そういう話まで発展をして、何かこう国鉄の中の別な要素を持ってきて、横浜も現状はいかんともしがたいと、こういう印象を受けたわけですよ、私としては。国鉄としてまだ横浜のあの混雑緩和のために尽くす手はあると思うのです。それはあなた自身がその要請にこたえられないと認めておられるから、いつまでも、まあこれはどこでも言えることなんだけれども、その要請にこたえられない、こたえられない、それは、そういうことじゃ私は相済まないと思うのですよ。今までの本委員会における国鉄輸送力についての審議の状態から見ても、過程から見ても、やはり輸送力を増強するためには国鉄運賃の値上げもやむを得ないと、こういうふうな思い切った表現もされ、具体的なことがやられておるわけです。しかも、そういうふうな経過をたどった中で、わずか横浜だけの問題でも、これは解消するに方向がないというような言い方じゃ国民は納得しないと思うのです。これは横浜の港の混雑というのは非常に全国的に影響するところが多いのです。だから国鉄営業局長としては、少なくとも横浜の地域のこの混雑解消については、かなり具体的なものを私は説明されると思ったのですが、むしろ具体的なものを説明されるどころじゃない。現状認識すら私は疑わしくなっておる。  これでやめますけれども、それは今ここで言っても仕方がないけれども、大体あなた方の認識とわれわれの認識と大きなギャップがあるのです。そういう考え方は持たれないのですか。全般的な貨車の組成能力なんていう話にまで発展するほどの問題じゃないでしょう。それが事実新鶴見の操車場にしても大宮の操車場にしても、そういう問題があって、どうもこうもならぬ。それがひいては横浜事態まで国鉄として影響しているとすれば、これは重大な問題じゃありませんか。私はそれだけ申し上げておきますが、あとの問題として、それはいろいろまた勉強してもらわないと……。
  29. 大和与一

    ○大和与一君 今のに関連するのですが、私も行ったのですが、現地で聞いた話ですが、荷主の代表が集まって言ったことは、今中村委員が言ったとおりなんです。国鉄がもっと貨車を回してくれればだいぶこれはよくなるのだけれども、なかなか回してくれない、こういうことを僕らも聞いたので、間違いないところだと思います。それで、一つ現地で駅長なり駐在運輸長、どうもこういう人を相手にしておる。これでは困るので、直接局の配車を相手として話をしてもらいたいのですが、十分な態勢を、国鉄本社なり局なりの大事なところと計画輸送について十分な連絡ができていない点がある、こういう感じが一つある。それで局長がおっしゃったように、特別に迷惑をかけていない、こういうことになるのか。特別な滞貨か何か特にたまるということはありますよ。コンスタントにいけば消化されていくのだから、今の能力からいって、特別に迷惑をかけていない、あるいは現地からそういう話は聞かないのですか、特別に出てきていていないのですか、これをちょっともう一ぺんお答え願いたい。
  30. 遠藤鉄二

    説明員遠藤鉄二君) 最近の船混み問題は関連しては、特に現地からこういう設備もあれしてもらいたいとか、こういう列車を作ってもらいたいという特別な問題は出てきておりません。
  31. 大和与一

    ○大和与一君 もう一つは、荷主の人たちと、あすこの市長さんを中心にして対策委員会がありますね。先ほどのお話によりますと、その対策委員会とは連絡がとれているものだから、その荷主側からのそういう輸送に対する強硬な不満というものは今日までなかったと、こうはっきりしているのですか。
  32. 遠藤鉄二

    説明員遠藤鉄二君) 横浜市長さん中心の委員会としまして、具体的に本社までお話がありましたのは、昨年の春肥料の輸入の時期だったと思います。そのときには市長さんのほうの話によりますと、こちらはさっそく輸送状況の手配を講じたわけです。その後現地荷主さんと現地の駅当局のほうの問題はよく存じませんけれども、私どものほうへ市長さんなり何なりから直接のお話はなかったと思っております。
  33. 大和与一

    ○大和与一君 第三に、貨車繰りが片荷であってそれで困るのだから、国鉄全体から見て、片荷の現実をにらみながら最大限の協力をしなければ、港湾全体の滞貨問題は解決をしないと思われます。それをある程度滞貨があれば、それを解決していかなければいかぬから、そういうことを、片荷のための本社配車としての考え方が、ともすると少し車のやりくりが下手で、要望に応じられぬとか、だから荷主から相当文句が出ておるのか、おらぬのか、そういう点はどうですか。
  34. 遠藤鉄二

    説明員遠藤鉄二君) 貨車配給については、もうそれぞれの地域でみな御不満があるわけですね。都会の消費地ですと貨車が入って参ります。そうして積む荷物はたくさんあるわけです。ところが消費地の荷物を自由に詰めていきますと、今度は港とか、東北地方とか、積む貨車がなくなってしまう。こういうことで、本社なり、支社、局を通じまして、現地には非常に気の毒なんですけれども、無理々々、積める貨物があり貨車があるにもかかわらず、あっちへやれ、あっちへやれと命令するわけです。でありますから、どなたも御不満はあるのでありますけれども、地方の貨物も大事にしなければならぬ。しかし港もそうでありますから、無理々々大都会の消費地から貨車空車で回している次第であります。
  35. 大和与一

    ○大和与一君 次は政府の港湾関係の方から、横浜港全体を通じての荷物の輻湊、滞貨というか、それはいろいろ原因があるでしょう。国鉄も、一つでなく、たくさんある。実は困っておる。だからやっぱり当面は輸送について、一両でも多く回してもらうことが必要だから、横浜港全体の滞貨の困っておる状態について話があったのか、それに協力してくれとか、そういう話は当然あってもいいと思いますけれども、それはどうですか。
  36. 坂本信雄

    政府委員(坂本信雄君) 滞船滞貨の問題が起こりましてから、今までに正式には省議にしょっちゅう御報告しまして、その状況お話しいたすわけでございますが、そのほかには直接担当の方々に集まっていただきまして、状況を三回会議を開いて御連絡をいたしております。
  37. 大和与一

    ○大和与一君 だから、それは普通の状態のときの打ち合わせはもちろんあると思うのですが、政府なら政府自体としての、港湾荷役なり滞貨について非常に心配しておる。こういう大きな立場に立って、日本中に、横浜だけでなくて問題が起こっているわけでしょう。だから、そうでなくて、今お話を聞いていると、国鉄一つ取り上げてみても、現地市長なりから特別の要請はない、荷主からも要請がない、港湾局からも今おっしゃったように、まあ担当者が話をしていることはあっても、ほんとうに困っておる場合には、重点的にこの問題を解決しよう、こういう熱意がないとなったら、一体どこで今やっておるのか。そうすると今国鉄だけじゃなくて、労働関係もあるし、倉庫関係もあるし、バースの問題もたくさんありましょうな。そうなると、それを現地の者だけでわいわい言っておるという格好になって、しかもその陳情が正確にちゃんと窓口までいっていなくて、まるで僕らは荷主からうそを聞いてきた、こんな格好になるとやはり困るのですよ。だから一応国鉄の場合には、おっしゃったとおりだったら、もう一ぺん調べていただいて、それで、相当文句が荷主から国会にきているのだけれども、事実かどうか、これはほんとうにそうでなかったら開き直ってもいいのですよ。もしそうだったらあやまって下さいよ。そんなばかなことはないんだから。これは、国鉄の名誉のこともあるし、これははっきり言ったんですから、みんなが。その点は、今、局長は知らぬからそんな顔をしておっても仕方がないけれども、今度来るときは、はっきり白黒をつけて来ると、こういう約束をしてもらいたいのだな。  それからもう一つは、今どんどん桟橋を作る計画になっていますね。これはもう五カ年計画ではずいぶんできます、十か二十か。その場合に、現在そのときの計画くらいはもう現地からきているはずだと思うのですが、それに対する鉄道側線とか専用線とか、どういうことになっているか、報告がきていると思うから、それがわかっていたら教えてもらいたい
  38. 遠藤鉄二

    説明員遠藤鉄二君) 横浜港の側線延長等につきましては、ただいま資料を持っておりませんので、後刻それでは——ただいま資料を持っていないものですから。
  39. 大和与一

    ○大和与一君 ちょっとお粗末だな、それは。そういうことは全部話しだけは通じておって、今検討中とか、まあいずれ桟橋ができれば必ず要るのですから、そういうような話が局長から出なければいかぬのだけれども、少しお粗末だけれども、まあしょうがない。  それでは、国鉄のやつは私はそのくらいにして、次は港湾局長になりますか、アメリカのノース・ピアですか、埠頭がありますね。あのことで少しお尋ねしたいと思いますが、初め話を聞いて、市長がアメリカの軍政官と折衝をして、今まではあいておった。こっちから話をして、そして許可をもらって使っておったのだけれども、今度はあいたら向こうから話をすると、連絡があると、こういうところまできているといったんですけれども、その後みんなで船に乗って現地を見たら、もうほとんどがらあきなんですよ。非常にもったいないという感じを皆さんがお持ちになっておるのですが、一体あれはもっと気軽にというか、あんなところをあけておいて使わないというようなことはもったいないから、その点について折衝の余地が法律的に、あるいは折衝として話し合いの中でも一体ないのかどうか、それはどうですか。
  40. 坂本信雄

    政府委員(坂本信雄君) 横浜港は、戦後実は日本の港の中でも一番接収比率が多いこと、ノース・ピアを初め新港埠頭も全部接収いたされました。その後いろいろ交渉がございまして、新港埠頭はほとんど今接収解除になりましたが、たしか昨年までだったと思いますが、新港埠頭の中でもワン・バースが、その裏に冷凍倉庫がございまして、その冷蔵倉庫をアメリカが使うということで、ワン・バースだけは完全には接収解除になっておらなかったのが、たしか昨年だったと思いますが、そのワン・バースも返りましたが、冷蔵倉庫の問題はまだ現在残っております。そういう状況で、各港湾の各埠頭にございました、米軍が埠頭を接収するときには、裏の上屋だとか倉庫も一部接収するわけでございますが、そういう上屋、倉庫というようなものにつきましても、岸壁が接収解除になると同時に返されて参ったのでございますが、そのときに、今まで使っておりましたそういう施設を全部今のノース・ピアに移したのでございます。ノース・ピアに移すにつきましては、相当費用も要るわけでございまして、金額その他、私今はっきり存じないのでございますが、調達庁のほうで相当の予算をもってあの埠頭を整備したはずでございます。  現在の船混みの発端としては、私は昭和三十五年くらいを考えておりますが、三十四年くらいまでですとアメリカの利用率も割合多うございまして、日本のほうの船混みも現在のようなことはございませんでしたし、埠頭の使い方としてはあまり差がなかったように思っております。三十五年くらいからだんだんとこちらの貨物がふえる。一方、アメリカのほうの貨物は、これは正式の資料を私どもは入手できないのでございますが、見た目では滅ってきておるように思っております。そういう事情が出てきましたので、市当局ももちろん、現地で折衝を開始しておりますと同時に、中央におきましても、調達庁に対してあの施設を考えてもらいたいという御相談を申し上げております。しかし、そういう事情で、今まで港内の各地にありました施設をまとめてあるということから、それはなかなかむずかしい問題であるというようことで、なかなか話は進展しなかったのでございますが、本年に至りまして、こういう事情に立ち至りまして、私のほうからも調達庁のほうに、正式にこの問題を持ち出していただきたいということを、例の冷蔵倉庫の問題もございますが、お話をいたしておったのでございます。その過程におきまして、横浜市のほうでは、また別途に司令官のほうと、先ほどお話がございましたようなことがありまして、現地の司令官は非常に協力的にやっていただいておる。これを正式の機関にかけるということになりますと、これはまた相当問題が多くて、なかなか速急には片づかないのじゃないか。むしろ現地司令官との打ち合せによってできるだけ使わしてもらったほうが、現在の港湾事情を解決するためには非常にむしろ有利であると思うので、そういう方法に一つしぼってもらいたいというようなお話がございまして、実は私のほうは、その後正式なルートのほうはあまり強力に進めておらない状況でございます。
  41. 大和与一

    ○大和与一君 それは困るですよ、あなた方。正式のルートのほうも進めてもらう。それで——現地市長努力はこれは当然ですからね。しかしそれもやってもらわなくちゃいかぬと思うのです。簡単でいいから、その正式のルートで話し合いをしておる要求内容を言って下さい。今、市長とこんな妥協案ができたからそっちのほうへ切りかえる、こういうことじゃいかぬから。それはそれで、あんなにあいておったんじゃ……。おそらく中身の貨物の大きさとか重さはわからなくても、あそこへ船が着いておるかどうかということはわかるでしょう。
  42. 坂本信雄

    政府委員(坂本信雄君) いや、私のほうではそういう資料はいただけないのです。横浜市の港湾局では見た目でもっての統計はございますけれども、向こうの軍からはいただけません。
  43. 大和与一

    ○大和与一君 だけれども、それは軍からもらわなくても、船の数とか、何時間おったというようなことは、これは当然控えておかなくちゃいかぬことだ。だから、それを知らぬということはおかしなことだと思うのだけれども、それでは一体正式ルートの要求内容は、どうしてくれと言っているのか、それを言って下さい。
  44. 坂本信雄

    政府委員(坂本信雄君) はなはだ申しにくいことでありますけれども、実は現地でもって折衝しているときに、あまりにこっちでやると、へそと言ってはあれですが、へそを曲げられると困るというような意味が実はあったのでございますが、私のほうで申し入れておりますのは、バースと背後の土地について一部分を返還してもらいたいと、こういうことでございます。
  45. 大和与一

    ○大和与一君 だから、それは今一応暫定措置市長のほうでできたのだから、もう今度は気がねせんでもいいわけですから、きまったものはそのままでもらったのだから、その次の話をもっとやってもらわなければ、とても糊塗策ではこの問題は解決しないと思うのです。ですから、それはそれとして、現地の話し合できまったのだから、あなたのほうでもうんとやってもらいたいと思うのです。きょうは、これで……。
  46. 坂本信雄

    政府委員(坂本信雄君) そういう方針でひとつ進めたいと存じます。
  47. 中村順造

    中村順造君 私はさっき話したことに関連して、最後に少し資料を出してもらいたいのです。どうも営業局長、言葉じりをとるのではないけれども、貨車が足りないのは全国的に言えることで、しかも、輸送力不足というものは大体全国的に言えることで、横浜も問題だけれども、取り立てて云々ということが、大和委員の質問に対するあなたのお答えの中にあったと思うのです。実際問題として、さっき言ったように、そういう考え方で、こういうふうな重大問題になったものを処理するという考え方ではいかぬと思うのです。これはいずれ、きょうだけでなしに、あともう少し内容的に私ども聞いてみたいのですが、その前に、資料をひとつ次の委員会までに出してもらいたい。この横浜港を中心にして、一体どういう輸送についての要請現地荷主からあるか。それから、それについてのどういうふうな、いわゆるその要請へのこたえ方をしたのか。——ちょっとメモして置いて下さい、あとでまた、ああだこうだとわからなくなっては困るから。それで、横浜港から陸揚げされたものの輸送状況についての資料を出して下さい。その要請が大体わかれば、貨物品目別要請されたトン数、それからそれを実際に輸送したトン数、九月なら出るでしょう、九月一日からのやつなら。九月と、それから十月に入ってももう半月たっているから、特にその現地でその要請にこたえる国鉄側の言い方として、運んでも、それを輸送しても向こうで受け入れ態勢がないのだ、こういうやはり荷主に対する説明をしているわけです。銑鉄ないしスクラップならスクラップを輸送しても、向こうで置き場がないとか、荷役能力がないから送れないのだと、こういうような、これは一つの言いわけかもしれませんけれども。だから、そういうふうな品目別の、しかも、できたら到着実績だから、わかるはずだから、九月の実績を出して下さい。高島線鶴見線の船から荷揚げされた貨物、それから配車の割当をどの程度要請があって、どの程度の実際の配車をしたのか。それを九月一日からきょうまで、きょうまでと言っても無理かもしれませんが、九月一ぱいなり、十月十日なら十日まででいいのだから、あなたのほうで可能な限り、われわれにわかりやすい資料をひとつ出して下さい。
  48. 前田佳都男

    委員長前田佳都男君) ただいま中村君から資料要求がございましたが、国鉄側よろしゅうございますか。
  49. 遠藤鉄二

    説明員遠藤鉄二君) ただいまの品目別輸送要請と、それに対する配車は、きょうここに持って参りませんでしたけれども、私持っておりますので、持って参りませんでしたけれども、すぐお届けすることができます。
  50. 前田佳都男

    委員長前田佳都男君) それでは、ただいま中村君から御要求の資料につきましては、国鉄のほうで準備されまして、大体いつごろに御提出になれますか。
  51. 遠藤鉄二

    説明員遠藤鉄二君) 次の委員会までというお話でございましたから、それまでに……。
  52. 大倉精一

    大倉精一君 この港湾問題については、非常に重大な問題がたくさんあります。非常に複雑な問題もあるので、今私のほうにおいても資料を整備中でありますので、あらためて質問いたします。  本日はとりあえず二点くらいお伺いしておきたいと思うのですけれども、予算関係ですけれども、運輸省のほうで二十四日の省議でいろいろ対策をまとめられた、その中で特に緊急を要する係留施設、貯木場、港湾労務者住宅、はしけ増強等について二十九億円を三十六年度において予備費または補正予算において措置をする、こういう決定があったと報ぜられております。が、しかしながら、補正予算の中には組まれていない。そこで予備費の中からいろいろ支出をされる決定があると思うのですが、その内容についてひとつ御説明を願いたいと思います。
  53. 坂本信雄

    政府委員(坂本信雄君) 八月十五日の閣議において決定いたしました予備費でございますが、公共事業関係で事業費が十億五千九百四十六万円でございます。その内訳は、係船浮標及び既定整備計画の繰り上げ、これは係船岸壁でございますが、その分が十億一千五百九十四万円、それから木材輸入施設といたしまして四千三百五十二万円でございます。
  54. 大倉精一

    大倉精一君 じゃその内訳等、詳しいことについては資料としてお出し願いたいと思います。
  55. 前田佳都男

    委員長前田佳都男君) ただいま大倉君から内容についての資料の要求がございましたが、港湾局長はよろしゅうございますか。
  56. 坂本信雄

    政府委員(坂本信雄君) 提出いたします。  それから今私のほうの運輸関係だけ申し上げましたが、実は私のほうの対策といたしましては、このほかに労務者住宅の建設ということも折衝をいたしておったわけでございますが、その分につきましては、これは行政上労働省のほうの所管としてやるのがよろしいということになりまして、労働省所管の予備費でもって、合計、事業費にいたしますと八千九百六十万円が決定いたしております。この資料を提出いたします。これは労働省所管でございますが、私のほうでわかっております。
  57. 大倉精一

    大倉精一君 次に、この対策の一環として、港湾緊急対策協議会というものが設けられて、地方で解決しないものは中央でやる、こういう決定があって、横浜においてすでに実施されておるようですが、ともすれば、従来の協議会、審議会というものは、要するに責任のがれになるという傾向があると思う。現在の審議会、委員会等の数が本省だけの分でも二百六十七あるという中で、何か紛争があると、委員会を作ったり審議会を作ったりして、そこに投げ込んでいこう、こういう傾向がなきにしもあらず、今度はそうではないと思うのですが、こういう緊急な事態にそういうことであってはたいへんであると思いますので、この協議会の運用については、格段なる御考慮を願いたい。  特に、この際、横浜でもってお聞きするというと、労働組合関係がこの中に入っていないというのですね。これは早急にお入れになったらどうですか。というのは、きのうも横浜で申し上げましたように、何といったって港湾事情というものは、労務者事情というものが最大なものですよ。この労務者事情が最大のものである、その代表団体が入っていないということは、私はこれは非常に遺憾だと思います。この協議会を円滑にするためにも、労働組合から追加をしてでもいいから代表者を入れるというふうに交渉があってしかるべきだと思うのですが、いかがですか。
  58. 坂本信雄

    政府委員(坂本信雄君) 港湾の緊急対策協議会、実はこれは私のほうとしては仮称として流したものでございますが、七月の十七日に港湾局長の通達として地方のほうに流しまして、これの趣旨は、現在この通達を出す前におきましても、各港ではこれに類似のようなものは相当ございまして、ただその構成メンバーだとか協議事項は必ずしも一致しておりません。それで私どもは別にこういうものを法的に整備して、今のお話の隠れみのにしようとか、そういう気は毛頭ございませんので、何とかこの事態を解決するために、最大限の協力を各港ごとに発揮してもらいたい、こういう趣旨で、この通達を流しますときも名前は仮称ということにいたしましたし、すでにそういうものができているところではあえて別の協議会を作る必要はありません。各現地実情に応じて最も能率的に対策を打ち立てられるような組織にしてもらいたいという趣旨の通達を出したわけでございます。したがって、その構成メンバーにつきましても、必ずこれだけをメンバーとして加えてもらいたいというような、私のほうから実は意思表示はしていないのでございます。まあそれらの協議会が、幸い現地の方々の御協力で、私としましてはたいへん活発に動いてやっていただいていると思って、感謝をいたしておるわけでございますが、その効果が、やはりできてからいろいろ対策を練って、実際のそれを現地に適用するということになりますと時間がかかりますので、大体九月ごろからその効果が現われてきたのじゃないかと実は私考えております。  今お話ございました労働組合につきましては、横浜については協議会の中にいろいろ部会があって、その中の労働対策部会とかいいましたか、何かの、その中に労働組合の方が入っておられるように私聞いております。今後私の方から強制するというような意味ではなしに、やはりこういう対策を打ち出していく上に、労働組合のほうの方の御意見も聞くのがいい方法ではないかということを地方のほうに連絡したいと思います。
  59. 大倉精一

    大倉精一君 これはもっと労働組合のほうの意見もというのではなくて、少なくともそのニュアンスが労働組合を二の次にしているようなニュアンスがあるのですけれども、私は、これはきのう労働組合の諸君の発言を聞いても、非常に建設的なんですね。たとえば港湾運送料金等についても、諸外国と比較して日本港湾料金が非常に少ない。これがために十分な労務対策なりその他の対策ができない。あるいは港湾料金に関連して何か劣勢なるがゆえにいろいろ支障がある、こういうような発言もあるのですね。ですから、むしろ働く人を中心にした対策を立てていかなければ、その上に立って必要な施設を作り、あるいは機械を作り、あるいは何々をする、こうなっていかないというと、これは非常に本末が違うのじゃないかとわれわれは思うのですけれども、これは考えの違いで、立場の違いだと思うのですけれども、特にこの際強制ではなくて、行政指導として、労働組合というものを色めがねで見ずに、毛ぎらいせずに、労働組合というものも積極的に中に入れて、一緒にだんごになってやっていこうじゃないか、労使一体になって緊急事態を乗り切ろうじゃないか、こういう意欲を見せていかないと協力しないですよ。ですから一体になってやっていくというような行政指導をぜひともお願いをしたいと思います。これは文書でなくても、電話でもけっこうなんですが、こういうふうにしたらどうかというような程度でけっこうですから、おやりになったらいかがかと思うのですが、どうですか、この点……。
  60. 坂本信雄

    政府委員(坂本信雄君) 御趣旨はたいへんけっこうだと思いますので、そういうふうにやっていきたいと思います。
  61. 大倉精一

    大倉精一君 ちょっと速記をとめて下さい。
  62. 前田佳都男

    委員長前田佳都男君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  63. 前田佳都男

    委員長前田佳都男君) 速記を起こして。
  64. 大倉精一

    大倉精一君 この際、ひとつ当面の緊急問題として大臣にお伺いしたいのですけれども、御承知のとおりに機帆船の今度新調整運賃ができまして、これをめぐって、今合理化途上にあるところの石炭業者が、この新運賃というのは負担ができない、機帆船業者は、それでは荷物を積むことができない、こういうことでもって、若松から京阪神向けの積荷拒否をやっておりますね。しかも、これは発展すれば九州、中国、四国、全面的に積荷を拒否をするという非常に重大な事態になっている現状なんです。これに対して、私は、石炭問題もからんで、運輸省としてもこれはもう傍観しておるわけにいかぬと思うのですが、何かこれに対する対策をお持ちになっているかどうか、お伺いしたいと思います。
  65. 斎藤昇

    ○国務大臣(齋藤昇君) 機帆船の船賃の値上げの問題は、御承知のように今日の機帆船の、何といいますか、状態から考えまして、やむを得ないもの、かように私たちは見ておるわけであります。そこで、おっしゃいましたように、石炭対策を今重要な問題として取り上げておりますが、しかし、これはこれ、刑にいたしまして、石炭の運賃をどういうふうに引き下げていくかというのは、石炭対策としては最も重要な問題の中の一つでありますが、これは別個に考えたい。そこで機帆船はやはり機帆船として、できるだけのことはやっぱりやらなければなりませんが、今日石炭の荷主と機帆船との間にトラブルが起こっておりますけれども、これは通産省と今話し合いはいたしておるのでありますが、何とか円満に解決をいたして、機帆船は機帆船として生きていくというのは、私はやはり必要だと考えますから、先ほど申しましたように、石炭対策としては別個の考え方で運賃問題を考えていくべきだ、かように考えております。したがって、今の機帆船の賃上げの問題は、願わくは、私は荷主側とお話をつけていただいて、そうして円満に解決をいたしたい、こう考えるわけであります。
  66. 大倉精一

    大倉精一君 この問題は一つの願望、希望だけでは解決しないと思うのです。今、石炭業界はトン当たり千二百円の炭価の引き下げに対して四苦八苦やっているわけです。したがって、石炭業界は新調整運賃を払うことはできないということはごもっともだと思う。これを払えということは無理だと思う。と同時に、片方におきましては、機帆船の業者にはすでにもう黒字倒産ということも伺っておる、こういう状態ですね。そしてこの機帆船業者も、これまたその運賃をもらわなければやっていけないから、もう荷物を積めないということも当然だと私は思う。これを話し合いをせいと言ってみたところが、そんなことはできないと思う。しかも、石炭業界では十四日まで待ってくれと言っているらしいが、しかし、これがはたして解決がつくかどうかということは、私は疑問だと思うのですが、そのほかにも石炭専用船の問題がありますが、これも非常に重大な問題ですが、きょうはこれはしばらくおくといたしまして、当面の問題として、この解決には二色しかない。両方救うには石炭を国で買い上げるか、あるいはそれが直ちにできなければ、新調整運賃を国家で負担をするか、この二つよりないと思う。  そこで、きのうでしたか、石炭問題の関係閣僚懇談会の中で、国鉄運賃については新らしい運賃値上げを政府が負担をするということをおきめになった。運輸大臣もこの中に入っておる。こうなれば、当然これは海のほうも新調整運賃については政府負担という、国家負担ということを考慮してしかるべきだと私は思う。それ以外に私はないと思う。これを業者が両方で話し合いをしろということは、ちょっと残酷じゃないかと思うのですが、運輸大臣、これはいかがですか。
  67. 斎藤昇

    ○国務大臣(齋藤昇君) 石炭対策としての運賃問題につきましては、まだ政府としても結論を得ておりません。国鉄の運賃については、ある程度政府が負担するというように決定したようにおっしゃいましたが、そういう要望も一方にあるという程度でございまして、政府といたしましては、その方法がよろしいのか、他に方法がないか、ひとつこれを真剣に検討しよう、海のほうにおきましても、もし陸のほうで政府が負担するなら、海のほうも負担するというととは当然でありましょう。しかし、海のほうにおいてもそういうことをしないで、何らかうまい方法がないか、私の事務当局のほうにも建設的な考え方はないかと、よく技術的にいろいろ検討してほしいと言っておるわけでありますが、早急に何らかの結論を出さなければならない、かように考えております。
  68. 大倉精一

    大倉精一君 これは決定していないという御答弁ですけれども、現にきのうテレビでも常々とニュース解説でも出しておりますし、新聞にも出ておりますから、一般国民はもちろん、業界の人はそう信じておると思います。ですから今の御発言で、国鉄運賃が、陸のほうがそうであれば、海のほうもそうなんだという御発言で、これはそうしてもらいたいと思うのですが、これはもうほかに方法がないかといっても、ほかに方法はありませんよ。だれが考えても、国鉄運賃の値上げは、あれだけ値上げしなければ国鉄はやっていけないというのですから、石炭だけ負けてやろうということになれば、あの国鉄運賃値上げはうそということになる。これはいけない、国鉄輸送力の根幹になるから、この輸送の増強に必要で、早くつぎ込んでいかなければならないとすれば、やはり政府の責任においてつぎ込むということが本筋であろうと思う。そうなれば、やはり機帆船のほうも、これだけの新調整運賃でなければできないということになって新調整運賃ができた。それを機帆船のほうにしてやらなければならないが、だれがやるかといえば、石炭業者にこれを強要するとして、千二百円という値下げをした石炭業者には無理だ。ですから、これまたこの際政府が負担をするという、これ以外にない。それ以外には石炭を山元で政府が買い上げるよりほかない。これはひいては将来どうなるかわかりませんけれども、トラック運賃なり、いろいろなものの値上げになった場合に、その分についても、石炭に関してはやはり再建途上、他の商品とは違った観点から、政府が政策面から考えていかなければならない。そういう意味から、やはりこの際、こういう点につきましては手をお打ちになるなら、この積み込み拒否をやっているこの段階において、早急に手を打たれることが私は賢明だと思うのです。どうですか。
  69. 斎藤昇

    ○国務大臣(齋藤昇君) 大体私は御意見に同感なんです。ただ、きのうテレビや新聞に出ているから、そうきまったのだろうとおっしゃいますが、これは事実きまっておりませんから、したがって、私が陸のほうがそうなれば、海のほうも当然そうなるべきだと、そう言ったのと二つあわせて、海のほうも政府が補償をやることにきまったと伝えられては非常な誤解でありますから、この点ははっきりさせておきたい。これはさまっておりません。しかしながら、理論として、陸のほうで政府が一部負担をするなら、海のほうも負担をすべきだ、これを機帆船の業者にその負担をかぶせていくということは私はいけない。今日におきましても、なるほど石炭は困っているかもしれませんが、機帆船も困っているわけですから、やはり機帆船が困らないでやっていける程度の私は運賃は主張すべきだと思っている。  ただ、私は、先ほど根本的な検討と申しましたのは、機帆船のほうにももっと合理化をして、そうして今要求している賃金よりも安い賃金で運べるような、そういう合理化の面はこれ以上ないかどうか。また、あるいは運賃と申しましても、積み込み、あるいは船からおろす場合、ここらの作業あるいは積み込み場の操作、そういうところでどの程度運賃が安くなり得るか、そこらも検討して、こういうところに何か設備投資をする必要があるなら、政府の力で設備投資をやって、幾らかでも運賃を、安く運べるという方法がないであろうか。それらもいろいろ建設的に考えて、どうしてもないということになれば、政府としても、どこへどう金を出すかという問題になってくるだろう。今そういう段階でございます。
  70. 大倉精一

    大倉精一君 まだいわゆる正式には決定していない、こういうお話ですから、これでやめますけれども、これはしかし一応そう伝えられておりますから、火のないところに煙は立たないというわけでもって、そういう御意見があると思うのです。早くそういうことが決定できるものなら、決定は早いほうがいいだろう。さらにまた機帆船につきましても、御意見のとおり早急に——ただ機帆船の合理化ということにつきましても、これは将来の問題であって、今の間に合う問題でない。機帆船はほとんど零細な企業で、黙ってほうっておけば、今申したとおり黒字倒産になっていく、こういうことはできませんから、大臣に、時間もないようですから、あらためてこれはひとつまた必要に応じておいでいただくとして、きょうはそういう事態をよく御認識願って、早急にひとつお運びを願いたいということを要望いたしておきます。
  71. 前田佳都男

    委員長前田佳都男君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  72. 前田佳都男

    委員長前田佳都男君) 速記を起こして。  それでは、本日の、委員会はこれをもって散会いたします。    午後三時三十四分散会