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1961-10-27 第39回国会 衆議院 農林水産委員会 第15号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十六年十月二十七日(金曜日)     午前十一時四十六分開議  出席委員    委員長 野原 正勝君    理事 秋山 利恭君 理事 小山 長規君    理事 田口長治郎君 理事 丹羽 兵助君    理事 石田 宥全君 理事 角屋堅次郎君    理事 芳賀  貢君       安倍晋太郎君    飯塚 定輔君       宇野 宗佑君    小沢 辰男君       加藤 高藏君    金子 岩三君       亀岡 高夫君    仮谷 忠男君       岸本 義廣君    倉成  正君       小枝 一雄君    佐々木秀世君       坂田 英一君    白浜 仁吉君       田邉 國男君    谷垣 專一君       寺島隆太郎君    内藤  隆君       中山 榮一君    藤田 義光君       細田 吉藏君    本名  武君       松浦 東介君    八木 徹雄君       米山 恒治君    足鹿  覺君       片島  港君    東海林 稔君       中澤 茂一君    楢崎弥之助君       西宮  弘君    西村 関一君       湯山  勇君    稲富 稜人君       玉置 一徳君  出席国務大臣         農 林 大 臣 河野 一郎君  出席政府委員         農林政務次官  中馬 辰猪君         農林事務官         (大臣官房長) 昌谷  孝君         農林事務官         (畜産局長)  森  茂雄君         食糧庁長官   安田善一郎君  委員外出席者         農林事務官         (畜産局参事         官)      保坂 信男君         農林事務官         (食糧庁業務第         二 部 長)  中西 一郎君         専  門  員 岩隈  博君     ――――――――――――― 十月二十七日  委員草野一郎平君、倉成正君、坂田英一君、舘  林三喜男君、綱島正興君、寺島隆太郎君、松浦  東介君、八木徹雄君及び北山愛郎辞任につき、  その補欠として小沢辰男君、白濱仁吉君、岸本  義廣君、佐々木秀世君、亀岡高夫君細田吉藏  君、宇野宗佑君、加藤高藏君及び西宮弘君が議  長の指名委員に選任された。 同月二十七日  委員宇野宗佑君、小沢辰男君、加藤高藏君、亀  岡高夫君、岸本義廣君、佐々木秀世君、白浜仁  吉君、細田吉藏君及び西宮弘辞任につき、そ  の補欠として松浦東介君、草野一郎平君、八木  徹雄君、綱島正興君、坂田英一君、三喜男君、  倉成正君、寺島隆太郎君及び北山愛郎君が議長  の指名委員に選任された。     ――――――――――――― 十月二十七日  畜産物価格安定法案芳賀貢君外十一名提出、  衆法第七号) は委員会許可を得て撤回された。 同月二十六日  国内産学校給食用牛乳供給事業拡大に関する  請願外一件(足鹿學紹介)(第一三二八号)  同(井出一太郎紹介)(第一三九二号)  同(増田甲子七君紹介)(第一五五四号)  同(下平正一紹介)(第一五八四号)  同(中澤茂一紹介)(第一五八五号)  同(中島巖紹介)(第一五八六号)  同(羽田武嗣郎紹介)(第一六五六号)  同(原茂紹介)(第一六五七号)  同(鈴木善幸紹介)(第一七七五号)  中央卸売市場法の一部を改正する法律案に関す  る請願岡田修一紹介)(第一三三七号)  同(早稻田柳右エ門紹介)(第一六八三号)  同(齋藤邦吉紹介)(第一八一一号)  同(保科善四郎紹介)(第一八一二号)  農業災害補償法の一部を改正する法律案成立  促進に関する請願松永東紹介)(第一三三  八号)  同(始関伊平紹介)(第一四一七号)  同(秋山利恭紹介)(第一六七八号)  同(大野市郎紹介)(第一六七九号)  同外一件(竹下登紹介)(第一六八〇号)  同(原茂紹介)(第一六八一号)  同(藤井勝志君外一名紹介)(第一八〇七号)  同(藤井勝志紹介)(第一八〇八号)  同(坊秀男紹介)(第一八〇九号)  同(八木徹雄紹介)(第一八一〇号)  建物共済農協一元化に関する請願外四件(足鹿  覺君紹介)(第一三三九号)  同(纐纈彌三君紹介)(第一三四〇号)  同外六件(佐伯宗義紹介)(第一三四一号)  同(中曽根康弘紹介)(第一三四二号)  同外二件(福田赳夫紹介)(第一三四三号)  同(中曽根康弘君外一名紹介)(第一三四四号)  同(愛知揆一君紹介)(第一四一〇号)  同(足鹿覺紹介)(第一四一一号)  同外一件(江崎真澄君外一名紹介)(第一四一  二号)  同外二件(海部俊樹君外一名紹介)(第一四一  三号)  同外十件(鈴木正吾紹介)(第一四一四号)  同外十件(永田亮一紹介)(第一四一五号)  同外二件(森田重次郎紹介)(第一四一六  号)  同(中川俊思君紹介)(第一五七二号)  同外九件(中澤茂一紹介)(第一五九一号)  同(安倍晋太郎紹介)(第一六六六号)  同外一件(足鹿覺紹介)(第一六六七号)  同(伊藤幟君外一名紹介)(第一六六八号)  同(浦野幸男紹介)(第一六六九号)  同(古賀了紹介)(第一六七〇号)  同(坂田英一紹介)(第一六七一号)  同(瀬戸山三男紹介)(第一六七二号)  同(渡海元三郎紹介)(第一六七三号)  同(芳賀貢紹介)(第一六七四号)  同(福家俊一紹介)(第一六七五号)  同(前田義雄紹介)(第一六七六号)  同(三浦一雄紹介)(第一六七七号)  同(飯塚定輔紹介)(第一八〇〇号)  同(池田清志紹介)(第一八〇一号)  同外四件(江崎真澄紹介)(第一八〇二号)  同(角屋堅次郎紹介)(第一八〇三号)  同外十一件(菅太郎紹介)(第一八〇四号)  同(高見三郎紹介)(第一八〇五号)  同(藤井勝志紹介)(第一八〇六号)  天災による被害農林漁業者等に対する資金の融  通に関する暫定措置法の一部改正に関する請願  (二階堂進紹介)(第一四一八号)  同(保岡武久紹介)(第一五七三号)  同(床次徳二紹介)(第一八一三号)  長野県下の干害対策に対する国庫補助に関する  請願井出一太郎紹介)(第一四二四号)  同(増田甲子七君紹介)(第一五七四号)  同(中澤茂一紹介)(第一五九二号)  同(中島巖紹介)(第一五九三号)  同(下平正一紹介)(第一五九四号)  同(羽田武嗣郎紹介)(第一七一四号)  同(原茂紹介)(第一七一五号)  農林水産行政における部落解放政策樹立に関す  る請願阿部五郎紹介)(第一四九八号)  同(緒方孝男紹介)(第一四九九号)  同(阪上安太郎紹介)(第一五〇〇号)  同(田中織之進君紹介)(第一五〇一号)  同(高津正道紹介)(第一五〇二号)  同(中村英男紹介)(第一五〇三号)  同(楢崎弥之助紹介)(第一五〇四号)  同(西村関一紹介)(第一五〇五号)  同(八木一男紹介)(第一五〇六号)  同(山田長司紹介)(第一五〇七号)  同(山花秀雄紹介)(第一五〇八号)  食糧管理法改正反対等に関する請願芳賀貢  君紹介)(第一六六四号)  現行食糧管理制度の堅持に関する請願古賀了  君紹介)(第一六六五号)  地方卸売市場法制定に関する請願大沢雄一  君紹介)(第一六八二号)  農業災害補償法に基づく家畜共済病傷掛金の二  分の一国庫負担に関する請願本名武紹介)  (第一六八四号)  果樹農業振興に関する請願湯山勇紹介)(  第一六八五号)  同(淡谷悠藏紹介)(第一七九九号)  国有林野払下げに関する請願八田貞義君紹  介)(第一六八六号)  農業近代化資金等に対する利子補給に関する請  願(鈴木善幸紹介)(第一八二〇号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 十月二十六日  漁業補償円滑化のため法律制定に関する陳情  書(第三五八号)  農業協同組合合併助成法遡及適用に関する陳  情書(第三五九  号)  農業基本関連法案早期成立に関する陳情書  (第三六〇号)  同(第四七六  号)  牧野改良事業国庫補助率引上げに関する陳情書  (第三六一号)  農業改良普及事業の強化に関する陳情書  (第三六二号)  農業近代化資金制度における国庫利子補給補  助金増額に関する陳情書  (第三六三号)  土地改良事業地方事務費引上げに関する陳情  書(第三六四  号)  干ばつ対策確立に関する陳情書  (第三六五号)  小麦作等転換農家に対する特別措置に関する陳  情書(第三六六  号)  昭和三十六年産等外麦政府買入れに関する陳  情書(第三六八号)  農業委員会費国庫負担増額に関する陳情書  (第四一四号)  農林漁業振興対策確立に関する陳情書  (第四一五号)  食糧管理法改悪反対に関する陳情書  (第  四一八号)  土地改良法の一部改正に関する陳情書  (第四一九号)  農薬による農民病治療費国庫負担に関する陳情  書  (第四七二号)  食糧管理制度の存続に関する陳情書  (第四七三号)  同  (第四七四号)  同(第五六五  号)  農業災害補償制度改正に関する陳情書  (第四七五号)  畜産振興のための獣医師養成に関する陳情書  (第四七七号)  家畜商供託金制度反対に関する陳情書  (第四七八号)  森林経営近代化に関する陳情書  (第四八〇号)  学校給食用牛乳供給継続に関する陳情書  (第五五〇号)  同  (  第五五一号)  同(第五五二  号)  同(第五五三  号)  栃木県における干害対策事業費国庫補助に関す  る陳情書(第五  六二号)  狩猟法の一部改正に関する陳情書  (第五六三号)  食糧管理制度に関する陳情書  (第五六四号) は本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  畜産物価格安定等に関する法律案内閣提出  第四八号)  大豆たね交付金暫定措置法案内閣提出第六  二号)  畜産物価格安定法案芳賀貢君外十一名提出、  衆法第七号)の撤回許可の件  自作農維持  創設資金融通法の一部を改正する法律案起草に  関する件  自作農維持創設資金融通法改正に関する件      ――――◇―――――
  2. 野原正勝

    野原委員長 これより会議を開きます。  内閣提出畜産物価格安定等に関する法律案及び大豆たね交付金暫定措置法案の両案を一括議題とし、質疑を行ないます。芳賀貢君。
  3. 芳賀貢

    芳賀委員 まず最初に、大豆たね交付金法案について農林大臣にお尋ねいたしますが、この法律の内容を見ると、自由化実施に伴って国内大豆、なたね価格面等中心にして非常な経済的な圧迫を受ける、それを国の配慮である程度措置するということになっておるわけです。ただ、問題は御承知通り国内の全消費量の二〇%程度しか国産大豆生産が行なわれていないわけです。ですから、農業選択的拡大の方向から見ると、この際急速に国産大豆あるいはなたね増産を行なうための生産確保措置というものを積極的に国はやる必要があるのですが、その点についての大事な配慮というものが全く欠けておるわけです。ただ単に自由化圧迫影響から価格面である程度措置交付金の形にするということにしておりますが、これでは非常に消極的じゃないか、その点に対する大臣の御意見を伺いたい。
  4. 河野一郎

    河野国務大臣 御指摘、ごもっともと私も考えます。実は、私もかってアメリカに参りまして、アメリカ大豆畑をよく勉強してみました。日本大豆に比べて実にみごとな大豆の畑、なるほどこれならという感じを強く受けまして、日本におきましても、大豆について品種改良生産等について多分に改良しなければならぬ余地かあるということを深く感じたのでございます。今お話通りに、これはなたねにおいてもそういうことが言えるのじゃないかと思うのでございますが、一方において価格政策政府において堅持して参ると同時に、生産改良、という面についても格段の配慮をして参らなければならぬ。この点は、農林省設置法改正を願って、試験研究所等について十分な配慮をしていきたいということを考えておりますと同時に、また、今後におきましても、大豆、なたね等品種改良増産というような面について十分注意して参りたい、こう考えております。
  5. 芳賀貢

    芳賀委員 そこで、政府大豆、なたねに対して交付金を交付するわけですが、その場合にも、この法律では、たとえば第二条において、「予算範囲内において」ということがうたわれておるわけです。かつてはこういうこともあり得たとしても、ことしの春の国会農業基本法政府案でありますが一応通っておる。いわゆる基本法第四条にいうところの農業政策あるいは施策を強力に推進するためには、それに要する必要な予算あるいは金融財政措置を行なってこれを確保するということになっておるわけです。ですから、要な資金財政必措置についてはこれを確保するということが前提になければならぬのにもかかわらず、予算範囲内で、許された範囲内で交付金を交付するとか、あるいは農林大臣が定めた一定量範囲で交付するというようなことは、これは基本法の精神から見ても相反するものであるというふうに考えるわけですが、この点は率直に是正さるべきだと思いますが、いかがですか。
  6. 河野一郎

    河野国務大臣 その点は、私といたしましては、必要なものは予算措置でとる、あらかじめ今年度どの程度生産されて幾らになるかということはわからぬといえばわからぬのでありますけれども、従来の例等からとりまして、予算は決して事欠かぬようにやって参る、何分予算を無制限にということは予算編成上工合が悪いから、予算は必要なものはとる、もし足りなければ善処するということで、運用において決して事欠かぬということでやって参りたいと思います。
  7. 芳賀貢

    芳賀委員 これは交付金を交付するに必要な予算を確保してということに読みかえるわけですか。
  8. 河野一郎

    河野国務大臣 それはそういうわけに参らないのでございまして、これは法案通りにお読みいただかなければなりけせん。ただし、行政を担当いたします農林大臣としては、必要な予算は確保しておきまして、そして法律を施行して参る、こういうつもりでおります。
  9. 芳賀貢

    芳賀委員 次に、交付金についても、一定数量に限定して、その数量に対して交付金を交付するというような政府案になっておりますが、法律の表現はとにかくとして、法律に定められた集荷団体が集荷して販売したその数量全体に対して、農林大臣が定めて告示する一俵当たりの交付金というものは当然交付さるべきであると思いますが、その点はいかがですか。
  10. 河野一郎

    河野国務大臣 それはそういうわけにいかないのじゃないでしょうか。自由化対策ですから、販売される数量、それに対して農家の所得が影響を受けるというものにすればいいのであって、それ以上の点については、もし考えが違えば、私の方はそう考えておらないわけであります。
  11. 芳賀貢

    芳賀委員 この点は、農林大臣がこの法律をよく読んでいないし、長官の講義が足らないのです。私の言っておるのは、この法案は修正されることになっておるわけですから、その点はわからぬのはやむを得ぬとしても、とにかく、農林大臣大豆、なたね一俵に対して、たとえば五百円とか六百円の交付金を渡しますということを生産者に告示をもって公表するわけです。生産者は、この法律の規定に基づく販売の委託を行なって、指定された団体販売したものについては全部の数量に対してたとえば一俵五百円とか六百円の交付金が渡されるという理解のもとに国に協力するわけなんです。その場合に、一定数量をこえたから、その金額はみんなで分配して、交付金の告示された金額に満たない場合でもがまんしてくれという、こういうやり方はできないと思うのです。その点を原則的にさえお話し願えればいいわけです。
  12. 安田善一郎

    安田政府委員 長官の教育が悪いというお話でありますが、自由化対策でございますから、大臣がお答え申し上げました通りに、農産物のことでございますから、自由化影響をなるべく受けなかった時期の数カ年を目安にいたしまして、そのほか、麦が大豆に転作したような事情でありますとか、その他の事項を勘案してきめるのでありまして、その趣旨価格維持にあるのです。
  13. 芳賀貢

    芳賀委員 次にお尋ねしたいのは、この法律では、販売調整を行なう生産者団体を指定するということになっておりますが、これは、去年の大豆、ことしのなたねについては、生産者団体として全販連を政府では指定して、これに業務を行なわしておる。今度はそれが複数になるような法案趣旨でありますが、農林大臣としてはどういう対象を考えておるか。これは非常に重要な点であります。
  14. 河野一郎

    河野国務大臣 先般、私、北海道に参りました際に、北海道の実情をつぶさに伺いました。御承知通り北海道のこれらのものを集荷しております現実を見ましても、農協で集荷するものが何%、他の業者が集荷しておりますものが現に相当数量に達しておるわけであります。従って、この現実に即してやることが適切であろうという意味において、こういたしたわけであります。
  15. 芳賀貢

    芳賀委員 それでは、まだ予定はないのですね。もっとも、この業務を行ない得る団体でなければ、勝手にどれもこれもやらすというわけにはいかぬと思いますから、能力があり、十分国期待にこたえ、生産者利益を守れる集荷機関を適当に政府が選定して、そして行政的な指導を与えて、交付金が間違いなく末端生産者に渡る、そういうふうに考えて差しつかえないですか。
  16. 河野一郎

    河野国務大臣 その通りでございます。
  17. 芳賀貢

    芳賀委員 次に、畜産物価格安定の問題でありますが、社会党から出しました安定法は、これは事業団方式でなくて特別会計方式でいくというのであります。政府の方は事業団にこれを行なわせることになっておりますが、畜産物価格安定を積極的にやる場合は、これは利益のあがる仕事ではないわけです。結局、食管特別会計と同じように、仕事をやればやるほど相当損失というものが事業の収支の面では現われてくると思う。そういうことを予測して、事業団を作る場合は、事業団経営の中で生ずる損失あるいは赤字等措置はそのつどこれを行なって、さらに事業団経営が発展できるようにしなければ意味がないと思うのです。ところが、政府案によりますと、そういう事業団事業上の損失補てんを積極的にやるというような措置が講ぜられていないわけですが、これに対しては農林大臣はどう考えておりますか。
  18. 河野一郎

    河野国務大臣 その点は、遺憾ながら私は多少所見を異にするものであります。と申しますのは、畜産物の場合にはいつでも損するんだということですが、いつでも損しては困るのであります。いつでも損するという形で、買ったときよりも売るときが高く上がらない、上がらないでそれを持っておるというようなことのないように、御承知通り畜産物につきましては輸入についても自由にいたしません。いたしませんから、輸入についても大いにチェックすることにして、需要供給関係を海外よりの輸入についても相当考慮する。それだけでは事足りませんから、ここに事業団の形式をとりまして、過剰な供給に対してこれをたな上げしようということでございますから、従って、ある程度価格維持ができなければ売ってはならぬ、売るわけには参らぬ。従って、その場合に金利、倉敷等はかかります。かかりますけれども、常にこれがマイナスになるというようなことには実は私は考えていないのであります。さればといって、私の言う通りで今のお話がみな間違っておるというふうにはわれわれも考えません。従って、これは、今後の運用におきまして、諸般の点を十分に検討いたしまして、この事業団がなるべく損失をいたさぬように、所期の目的を達するように運用して参るという考えでございます。さればといって、損があってはいかぬから仕事をしないとかいうことがあってもいけません。そこで、だんだん御意見のございました学識経験者等委員方々審議会方々のおきめになる値段、もしくはそれらの御指示によりまして適切な運営をして参る、こういうふうに考えております。
  19. 芳賀貢

    芳賀委員 事業団損失を防ぐ気になれば仕事はやれないということになることは御存じの通り。だから、活発な仕事をやれば当然性質上赤字というものは出てくるわけです。ですから、それに対しては当然赤字補てんの措置あるいは資本の増額等措置というものを、これは言うまでもなく講ぜられるというふうに一応理解しておきます。  それから、もう一つ大臣も触れられましたが、輸入乳製品ですね。特に法律で指定しておる乳製品輸入等については、どうしても国内産で足りない場合はやむを得ない措置ですが、これは第一段としては乳製品自由化については厳重に戒めてもらいたい。畜産農業を発展させる場合には、自由化を一ぺんやるとこれはガットとかいろいろな国際的な関係保護措置がとれないようなことになるので、この点は大臣責任において明らかにしておいてもらいたい。  それから、もう一つは、たとえば事業団方式でいく場合で、必要な指定乳製品については今割当制度でありますが、この現在の割当制度等運用して、やはり事業団がその割当を受けて、そうして指定乳製品というものを計画的に買いつけて、そしてこれをもって国内全般畜産物の需給安定あるいは価格安定をはかる、こういうことにすれば、相当一段の進歩になると思いますが、この構想に対してはどうお考えですか。
  20. 河野一郎

    河野国務大臣 賛成でございます。
  21. 芳賀貢

    芳賀委員 次に、この法律仕事をやる場合には、政府が指定して生産者団体というものは相当役を果たさなければならぬことになっておりますが、ただ、食肉等の場合は保管施設とか処理施設というものが全く整っていないわけです。特に急速に冷蔵をやるような近代的のSKクラス冷凍施設等々、そういう保管施設、これらは生産者団体だけの力では急速に設置することはできないと思う。この点についても、もちろん主体的には生産者団体が行なうべきでありますが、政府相当積極的にこれを助長して、そうして遺憾のないような施設というものを設置させる、一方、また、この事業団事業の面においても受け入れ体制というものを十分強化すべきであると思いますが、いかがですか。
  22. 河野一郎

    河野国務大臣 御趣旨はよく了承いたしました。
  23. 芳賀貢

    芳賀委員 次に、畜産農業関係する飼料の問題です。えさの問題は、機会あるごとにわれわれれも指摘した点でありますが、特に、今回の法案審議を通じまして、同僚の各委員からも、単に畜産物価格安定だけでは不十分である、やはりそれと同じ比重を持った飼料資源の開発あるいは低廉な飼料生産者に渡すというような抜本的な制度上の措置を急速にとるべきであるという意見は、与野党一致するところであります。今国会ももう数日で終わるわけですがしこの点については、閉会中を利用して政府においても大臣中心になって早急にこのえさに対する法制化を急いで、そうして次期国会にはわれわれの期待に沿えるような飼料関係法案というものをお出しになる熱意があるかどうか、そういう用意を進めるかどうか、見解を明らかにしておいていただきたい。
  24. 河野一郎

    河野国務大臣 よく勉強をいたします。
  25. 芳賀貢

    芳賀委員 河野さんの勉強というのは構想だけに終わる場合があるわけですね。それではだめなんですよ。単なる実力者河野構想でまたそれが終わるようであってはいけない。やはり、行政府責任者農林大臣の立場において、各部門下部門を指導して、そうして、単なる構想ではなくて、農政を担当する農林省としての具体的な政策というものを法制化して、必ず通常国会には出すという、そういう熱意がないと、いやあれは私の構想でした、皆さんの御意見を聞いた結果どうなるかわかりませんということでは、これはいけないと思う。あなたにしても、何年も何年も農林大臣だけの席にすわるという、そういうちゃちな考えではないでしょう。(笑声)だから、この機会にそういう日本農業の発展に対する抜本的な制度の確立というものをやって初めてあなたの真価というものが評価されるけでわすから、これはわれわれの期待する点です。ですから、その点に対する所信を明確にしてもらいたい。
  26. 河野一郎

    河野国務大臣 よく勉強いたしまして、慎重に出直して参りますから、ぜひその際には御賛成をお願いいたします。
  27. 野原正勝

    野原委員長 これにて両案に対する質疑は終局いたしました。      ————◇—————
  28. 野原正勝

    野原委員長 この際お諮りいたします。  芳賀貢君外十一名提出畜産物価格安定法案につきましては、提出者より成規の手続をもって撤回の申し出があります。本案はすでに本委員会の議題といたしておりますので、撤回については委員会許可が必要であります。  本案の撤回を許可するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  29. 野原正勝

    野原委員長 御異議なしと認めます。よって、本案は撤回を許可することに決しました。      ————◇—————
  30. 野原正勝

    野原委員長 それでは、まず内閣提出畜産物価格安定等に関する法律案につき議事を進めます。  本案に対し芳賀貢君より修正案が提出されております。修正案は御手元に配付いたしてある通りであります。
  31. 野原正勝

    野原委員長 まず修正案の趣旨について提出者の説明を求めます。芳賀貢君。
  32. 芳賀貢

    芳賀委員 ただいま議題となっております政府提案の畜産物価格安定法律案に対して、この際、自民党、社会党並びに民社党を代表いたしまして本案に対する修正の動議を提出いたします。  それに先立ちまして、先ほど委員長の手元において社会党提案にかかる畜産物価格安定法案についてはこれを撤回するということが承認されたわけでありますが、わが党といたしましては、この委員会を通じまして、政府案並びに社会党案の両案を一括審議して今日に至ったわけであります。この審議の過程において、両案に対する調整の努力が進みまして、その結果といたしましては、政府案を大幅に修正して社会党案を撤回するという方針が確定いたしましたので、手続といたしましては、社会党提出にかかる畜産物価格安定法案というものをこの際撤回したわけであります。  次に、政府提案の畜産物価格安定等に関する法律案に対する修正の要旨を申し上げます。  修正案及び修正案の要旨はお手元に配付してありますので、朗読は省略さしてもらいまして、その要旨を簡単に申し上げます。  まず第一に、原案では、この法律の対象となる指定乳製品は、第二条において、バター、脱脂粉乳その他政令で定める乳製品といたしておりますが、これに練乳を加えたことであります。  第二に、第三条において、農林大臣は、原料乳、指定乳製品及び指定食肉の安定価格を定めることとしておりますが、このうち原料乳及び指定食肉については安定下位価格を安定基準価格に改めることといたしました。  第三に、第三条第四項において、原案では、農林大臣が定める原料乳、指定乳製品または指定食肉の安定価格は、それぞれの生産条件及び需給事情その他経済事情を考慮して定めるものとするとしておりますが、このうち原料乳及び指定食肉については、それぞれの生産条件及び需給事情その他の経済事情を考慮し、これらの再生産を確保することを旨として定めるものとすることに改めようとするものであります。  第四に、第六条において、生乳生産者団体指定乳製品生産計画を定め委託してこれを実施する場合は、農林大臣指定乳製品生産の委託について模範契約例を定めることができるとの規定を同条第八項として新たに一項を設けたことであります。  第五に、第五十四条において、振興事業団農林大臣の認可を受けてその事業資金について長期借入金または短期借入金をすることができることとしておりますが、これに対し政府の保証を与えるため、法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律第三条の規定にかかわらず、国会の議決を経た金額範囲内において、事業団の借入金にかかわる債務について保証することができるとの規定を同条第四項として新たに一項目を設けたことであります。  第六に、審議会委員の数は、原案では第八条に二十人以内としておりますが、これを二十四人以内と改め、委員の数を増員することといたしました。  以上が修正案の要旨であります。何とぞ各位の御賛成をお願いする次第であります。     —————————————
  33. 野原正勝

    野原委員長 これより本案及び修正案を一括して討論に付します。  別に討論の申し出もないようでありますので、これより採決いたします。  まず、本案に対する修正案について採決いたします。  本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  34. 野原正勝

    野原委員長 起立総員。よって、本修正案は可決いたしました。  次に、修正部分を除く原案について採決いたします。  これに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  35. 野原正勝

    野原委員長 起立総員。よって、本案は修正議決いたしました。     —————————————
  36. 野原正勝

    野原委員長 ただいま議決いたしました畜産物価格安定等に関する法律案に対して、玉置一徳君より附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  提出者にその趣旨説明を求めます。玉置一徳君。
  37. 玉置一徳

    ○玉置委員 私は、自民、社会、民社の三党を代表いたしまして、ただいま議決されました畜産物価格安定等に関する法律案に対しまして附帯決議を付するの動議を提出いたしたいと思います。  まず案文を朗読いたします。   畜産物価格安定等に関する法律案に対する附帯決議  政府は、本法の運用に当り、次のとおり措置すべきである。    記  一、政府は、安定価格決定に資するため、速やかに、牛乳、肉豚等の生産費調査の特段な整備拡充を図ること。  二、政府はこの法律に基づく指定乳製品の委託生産及び指定食肉の調整保管の確実な実施を期するため、農業協同組合又は農業協同組合連合会その他適切な資格条件を備える乳業者等の施設の整備拡充を図ることができるよう補助助成すること。  三、第六条第六項の行政命令(生産者団体の生乳加工委託に応ずべき旨の命令)に従わない乳業者に対しては、事業団による乳製品の買入れ、農林漁業金融公庫、日本開発銀行等からの融資等の面で規制措置を講ずること。  四、審議会委員に、国会議員を加えること。  五、政府は、生乳生産者団体による指定乳製品の保管計画の円滑な実施に資するため、事業団による買入れに当ってはその全量を無制限に買入れるものとし、その他の調整保管については可及的に事業団の金利、保管料等の助成措置運用により乳価の安定確保に努めること。  六、指定乳製品及び指定食肉等輸入については、事業団に対する外貨割当により事業団を活用することとし、その販売価格の適正を期し、差益は国内畜産物の需要の増進その他事業団の活動の充実に使用すること。  七、政府は、原料乳価格の安定を図るため、この法律に基づく事業団による指定乳製品の買入れ措置のほか、将来必要に応じ事業団による生乳の買入れについても検討すること。  八、事業団の繰越損が累積した場合には、政府の増資又は一般会計よりの補填により処理すること。  九、政府は、この法律による価格安定措置に加え、生産者団体の共販体制の確立、集出荷施設の整備その他畜産物の流通の改善、出荷の調整等に必要な奨励措置を講じ、適正な畜産物価格の形成に努めること。  十、政府は、畜産業における飼料の重要性に鑑み、飼料価格を安定し、その円滑な供給を確保するため、速やかに飼料需給安定法等の根本的改正を行なうこと。   右決議する。  この案文の詳細な内容は、委員会におきまして慎重な検討をいたして参りましたものでありますので、説明は省略いたします。  各位の御賛成をお願い申し上げます。
  38. 野原正勝

    野原委員長 これより採決いたします。  玉置一徳君の動議のごとく決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  39. 野原正勝

    野原委員長 御異議なしと認めます。よって、本案には附帯決議を付することに決しました。  ただいまの附帯決議について政府の所見を求めます。中馬農林政務次官
  40. 中馬辰猪

    ○中馬政府委員 ただいまの附帯決議につきましては、その趣旨を尊重いたしまして、十分に検討をいたしたいと存じます。     —————————————
  41. 野原正勝

    野原委員長 ただいま議決いたしました法律案委員会報告書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  42. 野原正勝

    野原委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。      ————◇—————
  43. 野原正勝

    野原委員長 引き続き、大豆たね交付金暫定措置法案について議事を進めます。  本案に対し、芳賀貢君より修正案が提出されております。修正案はお手元に配付してある通りであります。
  44. 野原正勝

    野原委員長 まず修正案の趣旨について提出者の説明を求めます。芳賀貢君。
  45. 芳賀貢

    芳賀委員 この際、自民党、社会党並びに民社党を代表いたしまして、本案に対する修正の動議を提出いたします。  修正案並びに修正案の要旨はお手元に配付してございますので、朗読は省略させていただき、その内容を簡単に御説明申し上げます。  修正の第一は、第一条の目的についての規定から「当分の間」という字句を削除したことであります。  修正の第二は、原案におきましては、生産者から大豆またはなたねを買い取って販売することを認めているのでありますが、この方式では調整販売による利益生産者に還元されないおそれがありますので、交付金の交付は生産者から売り渡しの委託に基づいて調整販売を行なったものに限ることといたしたことであります。  修正の第三は、原案におきましては、基準価格の算定をパリティ価格及び生産事情、需給事情その他の経済事情を参酌して定めることとしておりますが、生産者の所得の安定と生産の確保をはかるためには必ずしも適切ではありませんので、これを改め、パリティ価格及び生産事情その他の経済事情を参酌して再生産の確保を旨として定めることといたしました。  修正の第四は、交付金の交付の対象となる大豆またはなたね数量の決定の手続に関する修正であります。交付金の交付の対象となる大豆またはなたね数量は、通常は生産者団体等が販売した数量でありますが、その数量が正常な販売数量をこえる場合には、農林大臣が通常の生産者販売数量等を参酌して定める数量までと相なっております。しかして、この数量の決定に際しましては、第二条第一項により交付金の交付を受ける生産者団体等の販売事情等を把握して、より適切な決定を期すべきことは申すまでもないところでありまして、その趣旨を体し、基準価格及び標準販売価格の決定の場合と同様に、農林大臣は政令で定める生産者団体等の意見を聞いて交付金の交付の対象とする数量を定めることができるように修正することとしたのであります。  修正の第五は、末端の大豆またはなたね販売業者について、新たに登録制度を設けることとし、交付金の交付を受けようとする大豆またはなたね生産者は、この登録販売業者に売り渡しの委託をしなければならないものとしたことであります。これは、大豆またはなたね生産者から直接に売り渡しの委託を受けてその販売を行なうことを業とする者に都道府県知事の登録を受けさせること等の措置により、生産者に対する交付金が確実かつ適正に行なわれるようにしようとするねらいがあるわけであります。ただし、三十六年産の大豆につきましては、すでに出回りが始まっておりますことにかんがみまして、この規定は適用しないことといたしております。  修正の第六は、大豆の標準販売価格についても、なたねと同様、生産者団体等の標準的な販売価格から流通経費を控除した額を基準として農林大臣が定める額とするように改めることとしたことであります。  その他、以上の修正に伴いまして一部必要な字句の整理をいたしております。  以上がこの修正案の要旨であります。何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたす次第であります。     —————————————
  46. 野原正勝

    野原委員長 これより原案及び修正案を一括して討論に入ります。  別に討論の通告もないようでありますから、これより採決いたします。  まず、本案に対する修正案について採決いたします。  本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  47. 野原正勝

    野原委員長 起立総員。よって、本修正案は可決いたしました。  次に、修正部分を除く原案について採決いたします。  これに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  48. 野原正勝

    野原委員長 起立総員。よって、本案は修正議決いたしました。     —————————————
  49. 野原正勝

    野原委員長 ただいま議決いたしました大豆たね交付金暫定措置法案に対して、角屋堅次郎君より附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  提出者にその趣旨説明を求めます。角屋堅次郎君。
  50. 角屋堅次郎

    ○角屋委員 私は、この際、自由民主党、日本社会党及び民主社会党の三派共同提案にかかる附帯決議を付すべしとの動議を提出いたしたいと思います。  まず案文を朗読いたしたいと思います。   大豆たね交付金暫定措置法案に対する附帯決議 一、交付金に要する経費は、標準販売価格及び交付対象数量の決定如何によって変動するので、交付金予算が不足することのないよう十分な措置を講ずること。 二、交付対象数量大豆及びなたねは、農産物検査法の検査を受けるよう適切な指導を行なうこと。 三、交付金生産者団体等を通じて確実に生産者に交付されるよう指導監督の万全を期すること。 四、大豆及びなたね生産改善対策については、必要な予算の確保を図り速かに外国産大豆価格との競合に耐えるよう万全の施策を講ずること。 五、三十六年産大豆の集荷業者については、行政庁に対する届出等適切な指導をすること。   右決議する。  本附帯決議の趣旨につきましては、本委員会において今日まで十分慎重に審議された経緯から、委員各位の御承知通りでありまして、何とぞ皆様方の御賛同によってすみやかに御可決下さるようお願い申し上げます。
  51. 野原正勝

    野原委員長 これより採決いたします。  角屋堅次郎君の動議のごとく決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  52. 野原正勝

    野原委員長 御異議なしと認めます。よって、本案には附帯決議を付することに決しました。  ただいまの附帯決議について政府の所見を求めます。中馬農林政務次官
  53. 中馬辰猪

    ○中馬政府委員 ただいまの附帯決議につきましては政府といたしましては、十分にその趣旨を尊重して検討を加えたいと存じます。     —————————————
  54. 野原正勝

    野原委員長 ただいま議決いたしました法律案委員会報告書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  55. 野原正勝

    野原委員長 御異議なしと認め、さように決しました。  暫時休憩いたします。   午後零時三十分休憩      ————◇—————   午後一時五十三分開議
  56. 野原正勝

    野原委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  自作農維持創設資金融通法の一部を改正する法律案起草の件についてお諮りいたします。  法律案文はお手元に配付いたしてあります。
  57. 野原正勝

    野原委員長 本案の内容は皆様よく御承知のことでございますのでその説明はこれを省略することといたします。  本件について何か御発言はありませんか——別に御発言もないようでございますから、これより採決いたします。  お手元に配付いたしてあります通り自作農維持創設資金融通法の一部を改正する法律案を本委員会の成案とし、委員会提出法律案といたしたいと存じますが、これに賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  58. 野原正勝

    野原委員長 起立総員。よって、本案は委員会提出法律案とするに決しました。      ————◇—————
  59. 野原正勝

    野原委員長 この際、丹羽兵助君より自作農維持創設資金融通法改正に関する件について発言を求められておりますので、これを許します。丹羽兵助君。
  60. 丹羽兵助

    ○丹羽(兵)委員 自作農維持創設資金融通法改正に関する件につきまして、本委員会において決議をいたしたいということを望むものであります。  まずその案文を朗読いたします。 自作農維持創設資金融通法改正に関する件  政府は、昭和三十七年度より、自作農維持創設資金について、その貸付条件を、利率年三分五厘、償還期間三十年以上、据置期間五年以内に、その限度額を百万円に、それぞれ改訂するとともに大巾に融資枠の拡大をはかるよう自作農維持創設資金融通法改正を行なうべきである。  右決議する。  昭和三十六年十月二十七日      衆議院農林水産常任委員会  その決議の内容説明につきましては、ただいま読み上げました案文によって御了解願えることと存じます。  なお、本件につきましては、さきに本委員会理事会におきまして三党で提出するように取りきめられておったのでありますが、御案内のようにさきの国会がああした異常な姿でございまして、決議することができなかったことを残念に思います。どうかこの機において満場一致御可決賜わりますようお願い申し上げまして、私の提案理由の説明といたす次第であります。
  61. 野原正勝

    野原委員長 ただいまの丹羽兵助君の動議のごとく決するに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  62. 野原正勝

    野原委員長 御異議なしと認めます。よって丹羽君の動議の通り自作農維持創設資金融通法改正に関する件を本委員会の決議とするに決しました。  本決議の参考送付等につきましては委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  63. 野原正勝

    野原委員長 御異議なしと認めその通り決しました。  次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後一時五十七分散会