○
横路委員 あなたは
物価の上昇も
指摘されると言ったでしょう。
物価の上昇はどうなっておるか。ここの報告書の三百五十九ページに「高度成長と
物価」となっている。この「高度成長と
物価」の中で、何が大きな
物価高騰の原因をなしているか、その主たるものは何であるかというと、ここでは家賃、地代というのです。家賃、地代については総理府統計局の調べによって「全都市平均でみると、三十六年三月の家賃、地代指数は三十年当時を七九%上回り、同じ期間の総合
物価の上昇率一一%に比べはるかに大幅な上昇を示している。また二十二年当時に比べると総合
物価が約三・四倍の上昇であるのに対し家賃、地代は実に二十二倍となっている。このように家賃、地代は戦後一貫して大幅な上昇をつづけており、
わが国消費者物価構造の顕著な特色をなしている。」何もめいめいが五月から
人事院の
勧告に基づいて金をもらったからといって、そんなに一ペンに勤労者は簡単にいきなり家を借りたり何かはできない。この家賃、地代が上がってきたというのは
消費者の責任ではない。家を買ったとか土地を買ったとかいうのではない。思惑的な投機的なこともあるだろうが、やはり
政府みずからこの家賃、地代について適正な価格その他について措置をしなかったからで、こんなものは何も
消費者との
関係はない。そうすると今あなたが、五月から
人事院勧告を
実施すれば、
多額の
支出になって
消費者物価が上がるということは、
購買力が増して
消費者物価が上がるということなんです。卸売
物価については
政府も横ばいだと言っている。ほんとうは横ばいより下がらなければならぬのだが、横ばいだと言っている。
消費者物価における大きな点は何が占めているかというと、この
経済企画庁の年次
経済報告の中で家賃、地代を言っている。その次には
公共料金を言っている。
公共料金は何が
消費者と
関係があるのですか。これは
政府みずからが
公共料金を上げたじゃないですか。その次には何を言っているかというと、サービス
料金を言っている。これらについては、
人事院勧告を五月からやって、
地方公務員を入れて四百億の
支出になったからといって、いわゆる
購買力が増して
消費者物価が上がるのだ、だから国際収支が赤になって
日本の
経済は危機になったから、そういう意味で総合施策の上で、五月からやるべきものを、金はあるけれ
ども十月からやるのだ、五月からやると、
購買力を増して
消費者物価が上がるのだということは、この
経済企画庁の年次
経済報告からいえば、そんな理屈なんて
一つも出てこない。長官、出てこないですよ。どこにも書いてない。家賃、地代だ、
公共料金だ、サービス
料金だ。そうすると、今あなたが
説明されているこれは、あなたは
先ほどから
大臣を呼んでこい、
大臣を呼んでこいと言っているから、私らもぜひ
大臣に来てもらいたいと思うのですよ。しかしこれは今長官の少なくともここにおける
一つの議論ですよ。私は
人事院勧告が妥当だなんて認めてない。しかし少なくとも
政府は、
人事院勧告は
実施する、
給与体系その他については
実施する、しかし十月からできない、五月からやるべきものをできないから十月にやるのだ、十月やるのだという
理由の中に、
多額の
支出が行なわれると、
購買力を増して
物価の上昇があるからだめなんだ、国際収支の赤字に伴う総合施策の一環としてやるのだということは、少なくとも
政府全体の
経済に対する見通し、今日の総合
経済対策等からいけば、少なくとも今の
総務長官の御
答弁では、
政府のこんなものとみんなちぐはぐになる。どこにだってそんなものは書いてない。
だから私が一番最初
指摘したように、
経済企画庁は一番最初に、今日の
国民総
支出の中に占める個人消費の割合は五三%で、戦時
経済になってきたのだ、戦時
経済に逆戻りだとこう言っている。この点は統計に基づいて、五九年五三%の場合に、イギリスは六六・八%、イタリアは六四・一%、フランスは六五・二%、こういうふうに個人消費は大きな割合を占めているのです。個人の消費が逆にふえるように、いわゆる対外的な貿易がうまくいかないのだから、国内消費が逆にふえるような行き方が、今日の総合施策の
一つなんです。それは逆なんですよ。だから
総務長官、あなたはこの問題について、それはどうもおれにそんなことを聞かれても困る、だから
一つ経済企画庁長官なり
労働大臣なり大蔵
大臣を呼んできて言ってもらわなければ、おれにそんなことを
質問されても、責任を問われても困る、こうおっしゃるのであれば、私はこの次に聞いてもいいと思っておるのです。だから
総務長官がおれではだめなんだ、担当
大臣か企画庁長官か大蔵
大臣に来てもらわなければ困るというなら、これはこの次でいいのです。どうも今のあなたの
お話では、少なくともこれは私の個人の意見ではないのですよ。
経済企画庁の年次
経済報告の中のこれらを私が今
指摘しても、あなたの
説明というのは納得できない。私は絶対に納得できないけれ
ども、そんな問題ではなしに、
経済企画庁の
建前からいってあなたの御
答弁と相反するわけです。だから長官が、時間もだいぶたっておるから、そんなことではおれではだめなんだといえば、この次に企画庁長官にも担当
大臣にも来てもらって聞きますが、この点どうでしょう。