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川村(継)
委員 私は論議するつもりはありませんでしたが、憲法でいう
地方公共団体というのは、特別区であろうと普通の
市町村であろうと、それは含まれるわけであって、そう解釈すべきでしょう。ただ、自治法の上で特別区というのは特別の制約を規定した、こういうことになるわけですから、これは憲法でいう
地方公共団体には変わりはないわけです。
まあそれはそれとしてよろしゅうございますが、そうなると、やはり特別区というもの、これは憲法の精神にのっとるならば、一応
地方公共団体として、あるいは
議員の選挙、あるいは長の選挙ということはあり得るわけですね。としなければならない。ところが、これは私の推測でございますけれども、東京都の場合には、いわゆるその
行政のあり方やあるいは自治の能率の問題、そういういろいろ複雑なものがからんでくるから、完全な
地方自治体としてはかえって工合が悪いということで、特別区というもの、
一つの完全自治体でない特別区というものの権能を規定したということになっておるのじゃありませんか。そこで初めは区長公選もやってみたけれども、どうも区長公選というのはいろいろ工合が悪いというようなこと、そのほかいろいろ占領政策なんというような
考え方もあって、
昭和二十七年の自治法改正では、これを公選をやめて選任に持っていった、こういう
考え方やいきさつがあるのだろうと思った。私の
考え方が妥当であるかどうかわかりませんが、要するに私はそう考えておりますから、憲法の上からいうと、やはり特別区というのも、ちゃんと
議員の選挙もあるし長の選挙もあってしかるべきである。しかしそれが東京都の場合には、なかなか
行政その他の問題からいって、完全自治体としてこれを考える場合にかえって工合が悪いということで、今の
制度が置かれてあるのではないか、このように考えておるわけです。
そこで、この公選の問題でございますが、おそらく今かりに区長公選をして完全なる自治体としてこれをやらせるということについては、これは大きく議論の分かれるところだと思います。ただ、今の選任のあり方と公選のあり方を考えた場合に、どちらが真に
住民のためになる
行政というものが行なわれるかということ、その点だけでも考えてみてもいいんじゃないか。再び
昭和二十七年の時点に返してみることもあながち不都合ではないんじゃないか。区の財産権の問題であるとか、課税権の問題であるとか、そういうことは一応別にして、区長公選というそのことだけを考えて、区長の選任制をとるよりも公選制をとった方が区民の立場から考えていい
行政が行なわれるということになるならば、それだけでも考えてみてもいいのじゃないか、
昭和二十七年の時点に返しても決して不都合なことはないのじゃないか、こういうことも考えられると思います。その辺について大臣いかがお考えでございますか。