運営者
Bitlet
姉妹サービス
kokalog - 国会
yonalog - 47都道府県議会
nisalog - 東京23区議会
serelog - 政令指定都市議会
hokkaidolog - 北海道内市区町村議会
aomorilog - 青森県内市区町村議会
iwatelog - 岩手県内市区町村議会
miyagilog - 宮城県内市区町村議会
akitalog - 秋田県内市区町村議会
yamagatalog - 山形県内市区町村議会
fukushimalog - 福島県内市区町村議会
ibarakilog - 茨城県内市区町村議会
tochigilog - 栃木県内市区町村議会
gunmalog - 群馬県内市区町村議会
saitamalog - 埼玉県内市区町村議会
chibalog - 千葉県内市区町村議会
tokyolog - 東京都内市区町村議会
kanagawalog - 神奈川県内市区町村議会
nigatalog - 新潟県内市区町村議会
toyamalog - 富山県内市区町村議会
ishikawalog - 石川県内市区町村議会
fukuilog - 福井県内市区町村議会
yamanashilog - 山梨県内市区町村議会
naganolog - 長野県内市区町村議会
gifulog - 岐阜県内市区町村議会
sizuokalog - 静岡県内市区町村議会
aichilog - 愛知県内市区町村議会
mielog - 三重県内市区町村議会
shigalog - 滋賀県内市区町村議会
kyotolog - 京都府内市区町村議会
osakalog - 大阪府内市区町村議会
hyogolog - 兵庫県内市区町村議会
naralog - 奈良県内市区町村議会
wakayamalog - 和歌山県内市区町村議会
tottorilog - 鳥取県内市区町村議会
shimanelog - 島根県内市区町村議会
okayamalog - 岡山県内市区町村議会
hiroshimalog - 広島県内市区町村議会
yamaguchilog - 山口県内市区町村議会
tokushimalog - 徳島県内市区町村議会
kagawalog - 香川県内市区町村議会
ehimelog - 愛媛県内市区町村議会
kochilog - 高知県内市区町村議会
fukuokalog - 福岡県内市区町村議会
sagalog - 佐賀県内市区町村議会
nagasakilog - 長崎県内市区町村議会
kumamotolog - 熊本県内市区町村議会
oitalog - 大分県内市区町村議会
miyazakilog - 宮崎県内市区町村議会
kagoshimalog - 鹿児島県内市区町村議会
okinawalog - 沖縄県内市区町村議会
使い方
FAQ
このサイトについて
|
login
×
kokalog - 国会議事録検索
1961-10-20 第39回国会 衆議院 大蔵委員会 第8号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
三十六年十月二十日(金曜日) 午前十時二十五分
開議
出席委員
委員長
小川
平二君
理事
毛利 松平君
理事
山中
貞則
君
理事
平岡忠次郎
君 足立 篤郎君 伊藤 五郎君
大久保武雄
君 岡田 修一君 金子 一平君
久保田藤磨
君 田澤 吉郎君 高見 三郎君 永田 亮一君 濱田 幸雄君 藤井 勝志君 坊 秀男君 有馬 輝武君 石村 英雄君 広瀬 秀吉君
藤原豊次郎
君 堀 昌雄君 武藤 山治君 安井
吉典
君
出席政府委員
大蔵政務次官
天野 公義君
大蔵事務官
(
主計局法規課
長) 上林 英男君
大蔵事務官
(
銀行局長
) 大月 高君
農林事務官
(
農林経済局
長)
坂村
吉正
君
委員外
の
出席者
議 員
石田
宥全君
大蔵事務官
(
主計官
) 相沢 英之君
大蔵事務官
(
銀行局特別金
融課長
) 橋口 收君
日本輸出入銀
行理事
山本菊一郎
君
日本輸出入銀
行理事
斎藤 正年君 専 門 員 抜井 光三君 ――
―――――――――――
十月十九日
テレビジヨン受信機等
に対する
物品税減免
に関 する
陳情書
(第一三四号)
消防用ガソリン
の
免税
に関する
陳情書
(第一五〇号) 演劇、
演芸入場税
の撤廃に関する
陳情書
(第一九〇号)
農業用ガソリン
の
揮発油税等免税
に関する
陳情
書 (第一九一号) 舞鶴市の
平和産業港湾都市確立等
に関する
陳情
書(第二一四号) 工業、
住宅用地等
の
取得造成
に伴う税の
軽減
に 関する
陳情書
( 第二四〇号) は本
委員会
に参考送付された。 ――
―――――――――――
本日の
会議
に付した案件
畜産物価格安定特別会計法案
(
芳賀貢
君外十一 名
堤出
、
衆法
第八号)
昭和
三十六
年産米穀
についての
所得税
の
臨時特
例に関する
法律案
(
石田宥全君外
十四名
提出
、
衆法
第一二号)
農業近代化助成資金
の
設置
に関する
法律案
(内
閣提出
第一〇号)
日本輸出入銀行法
の一部を
改正
する
法律案
(内
閣提出
第五一号) ――――◇―――――
小川平二
1
○
小川委員長
これより
会議
を開きます。
芳賀貢
君外十一名
提出
の
畜産物価格安定特別会計法案
及び
石田宥全君外
十四名
提出
の
昭和
三十六
年産米穀
についての
所得税
の
臨時特例
に関する
法律案
の両案を
議題
とし、
提出者
より順次
提案理由
の
説明
を聴取いたします。
石田宥全君
。
石田宥全
2
○
石田宥全君
ただいま
議題
となりました
畜産物価格安定特別会計法案
につきまして、その
提案
の
理由
及び
概要
を御
説明
申し上げます。 最近における
わが国
の
畜産
の
発展
は、まことにめざましいものがありますが、その反面、従来から
畜産物
の
価格
安定に対する適切な
施策
に欠けていたため、
経済
の
変動等
につれてしばしば牛乳、
乳製品
、
食肉等
の
価格
が低落し、
生産基盤
の弱体な
生産農民
はそのたびに大打撃をこうむり、ひいては
農業経営
の安定、
畜産
の
振興
及び
国民経済
の
発展
を阻害して参ったのであります。 しかして今日、新しい
わが国農業
の
発展
のにない手として、
畜産
が重視せられ、いよいよその抜本的な
振興対策
の
確立
が強く要請せられておるのであります。よってこの際、われわれ
日本社会党
といたしましては、
畜産物
の
生産農民
に対する
畜産物
の
価格
が、
生産費
及び
所得補償
の
原則
によって決定され、時価がそれより低落する場合には、国が直接これを
買い入れ
ることによって、
生産農民
の
所得
を
確保
することが、
畜産振興
上最も有効適切な
施策
と認め、これがために、別途
畜産物価格安定法案
を
堤案
しておるのでありますが、このうち、
畜産物
の国による
買い入れ
、
売り渡し
、
交換
及び
保管等
につきまして、その
経理
を
一般会計
と区分し、もって、この
事業
の収支並びにその成果を明確にすることが適当と認め、このために
畜産物価格安定特別会計
を設けることといたし、
本案
を
提出
した次第であります。 以下その
概要
について申し上げます。 第一に、この
特別会計
は、
畜産物価格安定法
に基づく
乳製品
または
食肉
の
買い入れ
、
売り渡し
、
交換
及び
保管
並びに
生乳生産者団体等
に対する
助成
に関する
経理
を行なうことを
目的
とするもので、
農林大臣
が管理することとし、
一般会計
からの
受入金
をもつてこの
会計
に生ずる
損失
を埋めることとしております。 第二に、この
会計
の歳入は、
乳製品
及び
食肉
の
売り渡し代金
、
借入金
、
一般会計
からの
受入金並び
に
付属雑収入
とし、歳出は、
乳製品
及び
食肉
の
買い入れ代金
、
乳製品
及び
食肉
の
買い入れ
、
売り渡し
及び
保管
に関する
経費
、
乳製品
及び
食肉
の
交換
に伴う支出、
生乳生産者団体等
に対する
助成
に要する
経費
、
借入金
の
償還金
、一時
借入金
及び
借入金
の
利子
、
事務取り扱い費
その他の諸費としております。 第三に、この
会計
の予算及び決算に関して必要な
事項
のほか、
利益
及び
損失
の処理、
余裕金
の
預託等
について必要な
事項
を定めることとするとともに、この
特別会計
の
設置
に伴って必要な
関係規定
の
整備
を行なうことといたしております。 以上が本
法律案
の
堤案
の
理由
及びその
概要
であります。何とぞ
慎重審議
の上、御可決下さいますようお願い申し上げます。次に、ただいま
議題
となりました
昭和
三十六
年産米穀
についての
所得税
の
臨時特例
に関する
法律案
につきまして、その
堤案
の
理由
を御
説明
申し上げます。
米穀
についての
所得課税
の
特例措置
は、
米穀
の
供出
を促進し、
食糧
の
確保
をはかることを
目的
として、
昭和
二十六年に
議員提出
によって立法化されたことに始まり、自来二十九年まで、毎年、ほぼ同一
内容
の
法案
が
堤出
され、
米穀
の
超過供出奨励金
、
早期供出奨励金
、
供出完遂奨励金等
の
各種供出奨励金
を
非課税
とする
臨時措置
が講ぜられてきたのであります。 しかして
昭和
三十年からは、
奨励金制度
が
廃止
されて、
米価
の一本化をはかるとともに、
米穀供出制度
にも画期的な
改正
が加えられ、いわゆる
予約供出制度
が採用されるに及んで、売り渡された
米穀
の
代金
の一部を
非課税
とする
特例措置
に切りかえられ、同時に
法律案
の
堤出
も、内閣から行なわれることとなり、今日に至っておりますことは、各位のすでに十分御承知のところであります。その間、本
制度
が、
農家経済
の安定と
国民食糧確保
の上に果たして参りました効果には見るべきものがあったのであります。
予約供出制度
の実施以来今日までの間、
政府
が
米穀
の集荷に
当たり
、
農民
の
協力
を得て、ほぼ所期の
目的
を達して参りましたのも、実は、
予約米
に対する
減税措置
があずかってこれを推進したからであると断定しても過言でないのであります。 ところが、
政府
は、さきに、
昭和
三十六
年産米
の
予約減税廃止
の意向を明らかにしております。また、自民党は
米価
の決定の際にあわせて検討するという
態度
を表明したのでありますが、すでに
米価
が決定し、
売り渡し
の
予約期限
も到来した現在において、今なお、決定するに至らず、すこぶるあいまいな
態度
に終始しているのであります。しかし
米作農家
としましては、
予約減税
の
制度
は従来
通り
存続されるものと理解して
予約
を行なっているわけでありまするから、
政府
が、この
特例措置
を
廃止
するようなことがあれば、
政府
は
米作農民
をだましたこととなるのでありまして、われわれは、
政府
のかかる
不信行為
を強く糾弾せざるを得ないのであります。
政府
が、
予約減税
を
廃止
する
理由
としてあげているところのものを見ますると、まず、この
制度
が、
予約売り渡し
を推進する上に果たしてきた効用はほとんど失われたということであり、さらには
税負担
に関連し、三十六年度
税制改正
によって
農家
の
負担
が著しく
軽減
され、
所得税納税農家数
も激減するから、
予約減税制度
の
廃止
による
負担面
の
影響
は、きわめて軽微であるということのようであります。しかしながら、われわれといたしましては、
政府
のこのような一面的な
考え方
には全く同意いたしかねるのであります。その
理由
の第一は、
予約減税
は、その
制定
の
経緯
から見ても、明らかに
米価
の一部をなすものであります。一昨年度において
政府
が
予約減税
振りかえ分として一石
当たり
七十五円を計上したる事実がこれを証明しております。 また、三十六年度
税制改正
は、
所得税
の
減税
が中心であり、従って
所得税
に関する限りにおいては、
農家
の
負担
も相当に
軽減
されるので、
特例廃止
による
影響
もあまり目立たないことは事実でありましょう。しかしここで特に注意しなければならない点は、
農家
の
税負担
の構成についてであります。すなわち、
農家
の
税負担
においては、
所得税
よりも
地方税
の方が圧倒的に高い比重を持っており、
地方税負担額
は
所得税
のほぼ五倍
程度
となっているのであります。しかも、本年度の
税制改正
における
地方税
の
軽減措置
は、ほんの
申しわけ程度
に行なわれたにすぎないのでありまして、
特例措置
の
廃止
が
農家
に与える
影響
は、
所得税
のみをとつて見ますと、比較的少ないといたしましても、
地方税
におきましては、
住民税所得
割、
国民健康保険税所得割等
の形で大きくはね返って参るのであります。このような
地方税
へのはね返りを考慮しますると
特例措置
の
廃止
は
米価
の実質的な
大幅引き下げ
を
意味
すると申さざるを得ないのであります。
予約減税制度
を
廃止
しようとする
政府
の意図、
動き
ないしはその企ては、もとより今に始まったことではなく、この
制度
の発足当時から
大蔵
及び
自治省当局
は、
課税
の
公平化
をたてにとって、本
制度
の
廃止
を強く主張していたことは、隠れもない事実でありますが、その真意は、
米作農家
に対する税の増徴にあることは、これまた
天下周知
の事実であります。
政府
は、一方では、一部大
企業
に対し、巨額に上る
各種税制
上の恩典を残してその
利益
を擁護しているにもかかわらず、
農民
に対しては、
既得権
ともいうべき、ささやかなる
特例措置
をも剥奪して顧みないのであります。税の
公平化
の見地からいいますならば、このような
巨大企業
に対する租税上の
特例措置
の
全面的整理
とか、法人と
個人
間の
課税
上のアンバランスの是正とか、その他、国税と
地方税
、直接税と
間接税
を通ずる
税制
並びに
税務行政
の
抜本的改正
こそまず実行いたさるべきであります。それ以前における一方的な
予約減税制度
の
廃止
に対し、
農民
が強い不満を抱くのも、まことに当然と思われるのでありまして、それがしいては
農民
の政治に対する
不信
となり、
予約売り渡し制度
に対する非
協力
を招来することとも相なれば、それははなはだ悲しむべき事態と申さねばなりません。 以上の観点に立ちまして、われわれは、
昭和
三十六
年産米穀
に対しても、
従前通り
の税法上の
特例措置
を継続すべきものと認め、ここに
本案
を
堤出
した次第であります。 以下
本案
の
内容
について申し上げます。
昭和
三十六
年産米穀
につき、その
生産者
が、
事前売り渡し
の申し込みに基づいて
売り渡し
た場合においては、従来と同様、同年分の
所得税
について、その
売り渡し
の時期の区分に応じ、玄米百五十キログラム
当たり平均
千四百円を
非課税
とする
措置
を講ずることといたしております。 以上、本
法律案
を
提案
する
理由
及びその
概要
を申し上げました。何とぞ御
審議
の上、すみやかに御可決あらんことを切望いたす次第でございます。
小川平二
3
○
小川委員長
これにて
提案理由
の
説明
は終わりました。
小川平二
4
○
小川委員長
農業近代化助成資金
の
設置
に関する
法律案
及び
日本輸出入銀行法
の一部を
改正
する
法律案
の両案を一括して
議題
といたします。 質疑の通告があります。これを許します。
堀昌集
君。
堀昌雄
5
○
堀委員
農林省
の方にお伺いをいたします。 今度、
農業近代化
の
資金
が新たな
利子補給
によって行なわれるということになりましたけれども、一体
政府
は、これまでは
近代化
に対してどのような
財政
上の
負担
をしておりましたのか、これまでの
経緯
のあらましをちょっと承っておきたいと思います。
坂村吉正
6
○
坂村政府委員
特に、
農業
の
近代化
という問題が取り上げされましたのは、最近の
情勢
に応じまして、先般の
農業基本法
の前の
ベース
をなしますところの
基本問題調査会
というようなところで、いろいろ今後の
農業
問題が検討されまして、それに基づいて、先般
農業基本法
の
制定
ということになったわけでございます。ですから、そういう
近代化
という
意味
ではございませんけれども、
農業金融
として
政府
が今までとって参りましたことは、第一に
農業
の
特殊性
にかんがみまして、非常に
長期
、
低利
の金が要るわけでございます。従いまして、
政府
の
資金
の直接の
融資機関
といたしまして、
農林漁業金融公庫
というのがございます。ここに毎年
政府
の出資をいたしまして、そうして、これで
長期
、
低利
の金を
融資
する、こういうことをやって参っておるわけでございます。それが大体国といたしましての直接の
融資
でございます。 それから、もう一つ、極端に民間の
融資
ということになりますと、これはいろいろな方面から参りますけれども、大体主体をなすものは、
農業協同組合
の
系統金融
でございます。これは、
協同組合
として
農民
から預かりました金を運用いたしまして
農民
に還元する、こういうことでございます。その中間におきまして、たとえば
農業協同組合
の
系統
の金を使いまして原資としまして、金利の
問題等
、あるいは
条件
の
問題等
もございますが、
政府
がこれに対しまして、
利子補給
をするとか、あるいは
損失補償
をするとか、あるいは
債務保証
をするというような、そういう
援助
をいたしまして、そうして
農民
に貸しやすいような姿にして参りました。これはいわゆる
制度金融
と申しておりますが、たとえば従来で申し上げますと、有蓄
農家
の
創設資金
であるとか、あるいは
農業改良資金
であるとか、そういうようなもの、
災害
の場合の
天災融資法
というようならものが大体そういう部類に入るわけでございます。そういう大体三つの段階で
農業金融
をやって参ったということが言えるのじゃないかと思います。
堀昌雄
7
○
堀委員
今お話になりました
農林漁業金融公庫
なんですが、実はこれの貸し出しの状態をちょっと調べてみるとだんだんと何か
昭和
二十六年ごろに比べて
先細り
というか、最近だんだん減ってきているような
感じ
が私の
資料
では出ておるわけですが、
共同利用施設
の問題についてそうなんですし、あるいは
主務大臣指定施設
の問題について見ても、パーセンテージとして見ると、だんだん下がってきておるというふうに感ぜられるわけですが、これは一体どうしてこういうふうに近くなるほどだんだん下がってきたか。そうして今度からふやすというのは、どういう
理由
に基づくのですか。
坂村吉正
8
○
坂村政府委員
農林漁業金融公庫
は発足いたしましてから、およそ七、八年になりまするけれども、その間の
融資
の総
ワク
は、これは非常に
飛躍的増加
をいたしておるのでございます。当初は五億前後のものでございましたけれども、三十六年の
融資
の
貸付ワク
は六百億というようなことでございます。そういうような状況で、全体の
融資
の総
ワク
がどんどんふえております。もちろん中には、いろいろそのときの
情勢
によりまして、たとえば
上地改良
に非常に金が参りますとか、あるいは特殊な別の
用途
の方にいってしまったという内訳の移動はございますけれども、全体としての
農業投資
は、これは数倍に
増加
をしておる、今後も充実をさせていく、こういうつもりで考えております。
堀昌雄
9
○
堀委員
私は、
共同利用施設
とか
主務大臣指定施設
というような部分を取り上げて申しておるわけですが、こういうのが大体今の
近代化
に見合う
格好
の
つながり
があるのではないかと思うのですけれども、そこはどうでしょうか。
坂村吉正
10
○
坂村政府委員
ただいまのところ、
共同利用施設
の変遷の
数字
がございませんからはっきり申し上げられませんが、あるいはある
程度
減っておるとかいうようなことはございましても、それはそのときの
情勢
に応じまして、
土地改良
の方に、そういう
基盤整備
に非常に重点を置いたというような時代もございましょうし、そういうようなときにおきましては、場合によっては、こういう
共同利用施設
であるとかあるいは
主務大臣指定施設
というようなものがある
程度
減っていることもございましょうけれども、全体といたしましては
——
今ここに
数字
が参りましたけれども、減っているという
数字
にはなっておりません。たとえば、
主務大臣指定施設
で申し上げますると、三十三年が大体四億九千万、三十四年が三億五千万、三十五年度が三億二千万、ある
程度
は減っておりますが、そう極端に減ったということじゃありませんで、その年々の
需要
に応じまして動いておるということじゃないかと思うのです。それから、非常に
災害
なんかが起こりました場合に
主務大臣指定
とか
共同利用施設
とかいいまするものが、
災害融資
として相当大量に出ますものですから、そこいうような
関係
もありまして、
一般
のものは
需要
がある
程度
減っているということもあるのではないかというふうに考えております。
堀昌雄
11
○
堀委員
実は私が持っております
資料
で見ますと、
主務大臣指定施設
は、
昭和
三十年は十一億四千四百万円、これは一番大きいんです。三十一年が七億八千百万円、その次は六億百万円、四億九千九百万円、三億五千三百万円三億二千九百万円とずんずん漸減して、三分の一ぐらいに減っているんです。最初は四%だったものが、ついに
昭和
三十五年は〇・六%に下がっておる。これはあなたのおっしゃるように、少しずつ上がったなんというものじゃないと私は思うのですが、私の申している数に間違いがあるのか、そこを一つおっしゃっていただきたい。
坂村吉正
12
○
坂村政府委員
おっしゃる
通り
、その
数字
に間違いございませんで、三十年は十一億四千四百万という
数字
でございますが、これは今調べてみますると、
統計
上は前の四年間の合計でございます。そういう
統計
になっておりまして、その後はおっしゃるように、三十一年は七億八千万、三十二年は六億、こういう
数字
であとは四億、それから三億、こういう
数字
になっておりますが、ある
程度
漸減の
傾向
にはございます。これは
主務大臣指定施設
でございます。それから、
共同利用施設
におきましては、三十年が四十六億、三十一年が三十五億、三十二年が三十三億、三十三年は、これはちょっと減っておりますが、二十三億ということになっております。三十四年は、三十一億、三十五年は四十六億、ですから、年々によっての
出入り
があるわけでございます。だから、特に減るという
傾向
をたどっておるというふうには申し上げられないんじゃないかと思うのです。たとえば
個人施設
のようなものが場合によっては
共同利用施設
という、そういう形に実態的に振りかわっていくものもございますしそういう
関係
で、ここに現われております
統計
におきましては、
用途別
にいろいろ
出入り
があるわけでございます。それから、
農山漁村
の
総合対策
だとかあるいは新
農村
だとか、そういうものが出て参ります。そういう部面にいわゆる
主務大臣指定
とか、
共同利用施設
というものが回っていくということもございまするから、今度は、そっちの方から貸し出されるものもございますので、年によっていろいろ
用途
の間に
出入り
があるわけでございます。
堀昌雄
13
○
堀委員
今私申したのは、
共同利用施設
全
ワク
についてでなくて、
畜産
とか養蚕とか、今後
近代化
に一番結びつく
格好
のものを拾ってみたところが、実はこれは漸減しているわけですね。そこで、私は疑問に思うのは、
農林省
としては、この間の
基本問題調査
をやるまでは、そういう
近代化
ということは、この
資料
から見ますと、何かだんだん
先細り
になってきて、ここで突然ちょっとあらためて過去を御破算にして出直したというような
感じ
が非常に強くするのです。これまでと
つながり
のところは一体どういうところなんですか。これまではとにかく米さえ作っておればいいということだったのか、そういうことは全然配慮がなかったのかそういうことを、ちょっと伺いたい。
坂村吉正
14
○
坂村政府委員
先ほど申し上げましたように、特に
農業
の
近代化
といって、今まで
近代化
を進めるというような特別な
施策
をとって参ったということはございません。もちろん伸びる
部門
としては、
畜産
とか果樹とか、そういう
部門
が
農村
全体から見て伸びて参ってはおりますが、そういう点についての各個別の指導はもちろん推進して参りたいと思っておるわけでございますけれども、そういうようなことで、それらの要望が
——
最近の
経済
全体の
発展
の角度が急カーブに動いて参っておりまして、そこでとにかく
農業
が曲り角にきているというようなことが強く言われて参りましたのも、実際問題といたしましてここ二、三年のことでございます。そういうようなことで、その全体の
経済
の
動き
に応じまして、
農業
もとにかく何とか根本的に考えなければいかぬじゃないか、こういうようなことで検討をいたされましたのがいわゆる
基本問題調査会
、これは三年前に
基本問題調査会
を設けまして、ここでいろいろ
農業
の今後の方向づけをやった、こういうことになるわけでございます。
堀昌雄
15
○
堀委員
それはそこまでにいたしまして、
近代化
ということも非常に私ばく然としておると思うのですが、今度の
利子補給
については
地方公共団体
が
利子補給
する、足らざるときは国もやる、こういう
格好
になっておるのですが、こういう
農業
を
近代化
するということは非常に大へんなこだと思うのです。非常に
生産性
の低いところへ
新規投資
をやっていく。本来
経済ベース
でいくならば、
資本主義社会
では、一番起過利潤の多いところへ
投資
がいくというのが、
資本主義社会
の
原則
ですね。ところが、
農業
の
生産性
が低いのは、あなたがおっしゃるまでもなく、私
国民所得
で調べてみると、
昭和
三十年から三十五年の間の純
農業所得
としての
伸び率
の
平均
は四・三%しかないのです。
農家所得
は、ここへほかのいろいろな
事業所得
や
勤務所得
が入るから五・四%ぐらい伸びておりますが、四・三%なんというのは非常に低いんですね。まだ甘く見てそうだと思うのですが、そうしてみると、非常に
生産性
の低いところへ
投資
をする場合、一体
地方公共団体
にやらせるというような
考え方
が合っているかどうか。これはもう一番重要な、国全体として考えるものだということになれば、当然国がやるべきであって、
地方公共団体
にやらせ、あるいはそれが十分やらないときには国がやるのだというようなことは、私はおかしいのじゃないかと思うのです。あなた方の方は、それを
地方公共団体
の方へ問題の
責任
を転嫁するというか、
負担
をかける。それでなくても、
地方
は
財政
上非常に不利な
条件
だと思うのですが、その
意味
を一つ伺いたい。
坂村吉正
16
○
坂村政府委員
おっしゃる
通り農業
の
近代化
を進めて参りますということは、国も
地方公共団体
ももちろんこれは一生懸命やらなければいかぬと思いますけれども、
農民自体
もそういう意欲でみんな全体が一緒になってやっていかなければ、これはなかなか進まぬものであろうと思います。ですから、何も
農業
の
近代化
というものは
地方公共団体
に
責任
をおっつける、こういうようなつもりは毛頭ございません。先ほど申し上げましたように、
近代化
のためのいろいろの設備の
投資
、それにつきましては、国としては
農林漁業金融公庫
の直接の
融資
を今後もどんどん拡充をいたしまして、そしてこれを進めていくということで、国として非常に
長期
の、あるいは
低利
のそういうようなものを
確保
していく場合には国の直接の
責任
で
融資
をやっていくそれから一面
農業
の
系統
の
協同組合
の内部におきましても、非常に
自分
の金を持っているわけでございますから、それが現実には
農業
に再
投資
されない、こういう実情にございますので、それを国が
援助
をいたしまして、しかもこれは
農業協同組合
が、
自分
の金を
自分
の
組合
に使うという性格に合うようなものを大体対象にして拾い上げたわけでございます。たとえば
共同利用施設
であるとか、あるいは
個人
の
利用施設
であるとか、そういうようなもので大体中期といいますか、十五年以内ということで考えておりますから、その
程度
のもので
農業協同組合
系統金融
としてやっていけるものを大体捨い上げましてこれに対しては国も
援助
をしていきましょうし、
地方公共団体
も
援助
をしていくこういう体制をとっておるわけでございます。そのほか
農業協同組合
が
自分
の力でやっていくもの、これは相当部分あるわけでございます。これはもちろん
組合
運動として
自分
でやっていくこういうものは官民一体になってやっていかなければならないというつもりで考えておるわけでございます。
堀昌雄
17
○
堀委員
そこで私ちょっと伺いたいのは、昨日も大臣にいろいろ質問が出ておりましたが、大体これで七分五厘になるということですね。そうすると
生産性
が三・二%か四・三%か低い状態で、そして
利子
の方は年にいたしますと七・三%払うということですね。
生産性
よりも高い金を借りて、一体
原則
的にそれをペイして払えるようになるかどうか、私はそろばんが合わないと思うのですが、一体これはどういうことになるのですか。
坂村吉正
18
○
坂村政府委員
農業
に対してどの
程度
の金利がいいのかという問題は、これは非常にむずかしい問題でございます。金利の問題をいろいろ考えまする場合には、全体の
経済
の問題も考えなければいけませんし、全体の国の金利
ベース
の問題もございましょうし、そういう点も一緒になって、やはりある
程度
のところで金利というものを考えなければならぬというような実態であろうと思うのでございます。ですからそこで私どもも、それでは国が直接の
融資
をしております
農林漁業金融公庫
の金利が、これは現在大体最高七分五厘、最低三分五厘、こういうことでいろいろ運用して、
平均
利回り大体五分五厘という
程度
のものでございますけれども、それではたして
農業
の金融というものをやっていけるのかという問題もございます。ですからこういう問題は
農業
のいわゆる採算性というものを十分検討いたしまして
——
はたして検討してみますれば、おっしゃるように金利なんというものは払えないという結論が、ものによっては出るかもしれません。そういうものはどうしてもしようがなければ、補助金でもやらなければやっていけないということになるのかもしれませんけれども、今の段階ではそういうようなことで、現在まで
農林漁業金融公庫
もそういう状況でやっておるわけでございます。これを根本的に検討し直すということはなかなかむずかしい問題でもございまするので、逐次実情に合うようにいろいろ必要に応じて適正なものに直していくということで努力をしていかなければいかぬのじゃないかというふうに考えておるのでございます。今度の
近代化
資金
の七分五厘と申しますのは
農林漁業金融公庫
として今まで扱っておりました
共同利用施設
とか、
主務大臣指定
とか、そういうものが今までも七分五厘でやっております。それとのバランスがございます。もう一つは
農業協同組合
の金利というものと、
協同組合
系統金融
という問題をどこまで下げるかということを一面では考えなければいけないと思うのでございます。今後もますますこれを下げて合理化していくということを指導していかなければならぬと思うのでございますが、そういう点も同時ににらみ合わせまして、第一段階として七分五厘ということで発足したらどうか、こういうことで考えておるわけでございます。
堀昌雄
19
○
堀委員
きのうも
系統金融
の金利が非常に高過ぎる。
系統
資金
のコストが高過ぎるから少し下げるべきじゃないかと水田さんが言っているわけです。そこで
銀行局長
に聞きますけれども、これはなぜこんなに高くなるのですか。
農林省
の方では都合が悪いかもしれませんから、
銀行局長
の方に聞きます。
大月高
20
○大月
政府
委員
組合
系統
の機関の金利が
一般
の金利に比べてある
程度
高いということは事実でございまして、これは
理由
といたしましてはいろいろ考えられると思います。単一の
理由
ではないと思うのでございますが、たとえて申し上げてみますと、一つは
農業協同組合
は
一般
の
事業
と兼営しておるわけでございます。そういたしますと、
自分
で集めました金を
自分
がやっている
事業
、購買
事業
、販売
事業
という方向につぎ込んでおります。ところが農協の
事業
は
一般
の
近代化
した
事業
その他と違いまして能率が非常に悪くて、いわゆる
資金
効率は非常に低いわけでございます。そういう
意味
で
一般
の第三者に貸す場合と違いまして、金融サイドから見ますと
資金
効率が悪い。そうすると収益率が悪いという点が一つございます。それから第二の問題は
資金
コストの問題でございますが、現在の臨時金利調整法の
制度
から申しますと、
一般
の銀行に比べまして農協
系統
の預貯金の金利は銀行より二厘高が認められております。これはやはり弱い金融機関といたしまして
資金
吸収上の必要から特に例外として認められております。そうしますと、これは当然コストの面から高かるべき原因となる。それから第三の問題と、いたしましては、いわゆる三段階制という問題がございまして、単協から信連に入ってそれから農中にくる。これは当然いろいろなコストがかかりまして、金利を向くしておる。これが第三の原因だと思います。さらに農協自体の
資金
運用の
態度
と申しますか、経営方針に問題があるわけでございまして、
一般
の貸し出した金を向けないで、これを預け金にしている面が非常に多いわけでございます。そういたしますと、貸出し金利に比べて預け金の金利は非常に低うございますので、全体として
資金
効率が悪いという
意味
ではございませんけれども、金利を高からしめる原因になっておる。その他最初に申し上げましたように、
資金
効率が悪い、それから農協自体の専業をやっておる面に御存じのようにいろいろ欠陥がございまして、収益力が非常に低いわけでございます。そうしますと、単位の農協自体としてみますと、内部留保が非常に少ない。それは要するにやはりコストを上げることになっておるわけでございます。こういうようないろいろな原因はそれぞれ根拠がございまして、一朝一夕には直らない。しかし現在
農林省
の方におかれましても、この
農業協同組合
の整理、統合、その他合理化をはかっておられるような面も、ございます。また内部自体の合理化もあると思います。それから今の預け金方式をできるだけ積極的に
農村
の方に貸し出しで回していくというような指導もできると思うわけでございまして、今申し上げましたような、そういういろいろな原因それぞれにつきまして、
農林省
と御一緒に
大蔵
省としても努力いたしたい、こういう実態でございます。
堀昌雄
21
○
堀委員
どうも私がずっとこれを調べてみて
感じ
るのは、何か日本では、
農業
というのは
一般
の
経済
機構の外側に一つ城みたいなものを持っていて、ここの中ではちょっと外と交流をしない
条件
があるような
感じ
がして仕方がない。それは過去にはその方がよかったという時期があったかもしれないが現在は片方の
生産性
が非常に上がってきて、その城があるためにこっちの
生産性
がいろんな点でネックになっているのじゃないか、
農業
資金
というものが何もその形のままで
農業
の中で運営される必要はないのであって必要に応じて外側にきて、外側からまた農林金融にいくという金融交流といいますか、何か本来的な自由主義
経済
というか、そういう
経済
の中で効率を高めるという方向にならないと、私は、どうもこれ本来のスタートのところで何かちょっと伺題があるような気がして仕方がないわけです。それは今おっしゃったように、この農協自体の問題の中にいろいろ問題があって、そういうようなことと、あるいは三段階になっているというような点とか、あるいは預け金の問題とかというようなことは、これは改善の方法はいずれもみなあることだと思うのです。ところがそういうことが案外ほったらかしにされておって、そして七分五厘というのはきまったのだというようなことで、そうすると今度はその先の
生産性
との
関係
の中でつながらないのじゃないか。一千万円
個人
に
融資
されて、あるいは牛を買うなりあるいは果樹を買ってみて、私が今あなたから一千万円もらって、土地を買って、山へミカンの木を植えたとして、桃クリ三年カキ八年という調子だから、十五年までの間に
生産性
が出てくる時期はいつになるかということを私は伺いたいのです。牛だって成牛を買ったところで、最初の一年、二年は十分お乳が出ない。ようやく十分出るようになってからということで、あとの年数の中で全体の金利
負担
を見て、それの
生産性
を見てくれば、こんな七分五厘で一千万円借りて何ができるかというと、できないような気がするのですが、
経済
局長あなたは御
自分
で借りてみる気になってやれますか。何かやれる例があったら教えていただきたい。
坂村吉正
22
○
坂村政府委員
おっしゃる
通り
非常にむずかしい問題がございます。
農業
は今御承知のように非常な特殊な
条件
にありますものですから、これは日本ばかりでなくヨーロッパの先進諸国等でももちろん
農業
については特別の城の中に入れているようなものがございます。たとえば
農業金融
なんというものを見ますと、欧米の諸国におきましても、これは非常に
低利
長期
の金、三十年、四十年というような金を
低利
で国が直接相当の
援助
をしてやっておるわけです。そういうようなことでやってやらなければ、
農業
というものはなかなかやれないのでございまして、ここで日本におきましても、日本の全体の
経済
の発達が、そこまで
農業
をやっていける段階にあるかどうかということは問題でございますけれども、そういうようなことで逐次
農業
に対する
施策
を何とかやっていけるように壁を作らなくても、とにかく
経済
交流ができるようにというようなことで、いろいろ
近代化
とか、あるいは基本法の方向というようなものが検討されて、だんだん
施策
に移されていこう、こういう段階になっておるわけでございます。その間において
政府
においてもこれらの
農業
内部の問題をほったらかしにしておるわけではございませんので、たとえば金利の問題をとってみましても、
昭和
二十八年以前には末端金利は大体一割二分くらいのものを農協でやっておったわけでございます。それがだんだんいろいろな指導で合理化されまして、
昭和
三十一年には
政府
が
利子補給
をいろいろな
制度
でやりまして、
ベース
としても大体一割五厘、それから三十二年には一割まで下がりました。三十六年度以降の
近代化
資金
の
ベース
としては九分五厘
程度
で抑えられるのじゃないかというようなことで、数年間に見まするとこれだけの合理化が進んでおるわけでございます。しかし御承知のように非常にむずかしい
部門
でございますから、合理化の進め方も非常にテンポのおそいのはしようのないことだと思いますけれども、みんないろいろ努力はして参っておるわけでございます。(
堀委員
「一千万円の方を」と呼ぶ)私どもも、実際問題といたしまして
農業
を
自分
でやったこともございませんので、たとえば何をどうやったらいいか、今お答えをするような段階じゃないと思うのでございますが、もし私役人でもやめたら一つゆっくりいろいろ検討してみたいと思っております。
堀昌雄
23
○
堀委員
経済
局長に聞くのは無理かもしれないのですが、私は医者ですから別に
農業
をやっているわけではないのですが、しかし私どもの周囲におります
農民
の実情を見ておりますと、一体一千万円、七分五厘で借りて乳牛を買ってサイロを作って、今の高いえさをやって、一体これで引き合ってやれるかどうかという問題です。私の見たところでは、一千万円借りたところでこれは返すのになかなか大へんなことになって、十五年やそこらでは処置がないのじゃないかという
感じ
がしているわけです。それはあなたのおっしゃったように、私は
経済
交流で自由にやれというのじゃないのです。とにかく
農業
は
生産性
が低いから、これをほったらかしていいものではないのですから、やらなければならぬとなれば、国がもっと
責任
を持って三十年、四十年のほんとうの
低利
で諸外国でやっているならやらなければならないのに、どうも
政府
のそういうあれは不十分じゃないか。最近あなたがお触れになった
農業改良資金
は
昭和
三十二年から
利子補給
をやっておりますが、三十五年まででわずか八千九百二十八万二千円、五年ほどで
利子補給
の額ですね。有畜
農家
創設資金
について約十一億三千六百万円が、これはともかく三十年から三十五年までの間で
利子補給
で出た。五年間でわずか十二億やそこらの金しかつぎ込まないような
政府
で、はたして日本の
農業近代化
なんというものができるかどうか、私はまことに心もとないと思うのです。私はこれを見て、最近非常に
感じ
ておりますのは、日本のいろいろな産業というものは、
農業
に対しては、あまり
投資
したくないという現実が出て
投資
をしないから
生産性
が上がらない。炭鉱の問題一つを見ても、炭鉱もちょっとうまくなさそうだということになると、
投資
をしない。
投資
をしないから
生産性
が上がらないということで
先細り
になってくる、こういうふうな
格好
が出ておる。あとで私触れたい輸出入銀行なんかになると、これは
政府
資金
をあとからあとから幾らでもここへ出
資金
で入れる。全体としてどうもアンバランスな状態が非常に目につくものですから、だから、私は時間もありませんからそうたくさん申しませんが、あなた方ここで三百億を今度
系統金融
の中から
農家
に貸し出しをしたいというお考えのようですが、これは共同施設とか
個人
とかいろいろなものに対する配分のお見込みをお持ちですか。どのくらいどこへ貸そうという、それがあれば伺いたい。
坂村吉正
24
○
坂村政府委員
この三百億のうちどういうものに向けますかという問題は、これは家畜だけは別でございますけれども、その他のものはそう厳重な
ワク
を
農林省
、
政府
が考えようとは思っておりません。各県の事情に応じましていろいろ意欲がございますから、
農民
の意欲に応じまして、たとえば果樹に非常に重点を置いておる、あるいは機械化に重点を置いておる。いろいろの土地々々の事情がございますので、そういうものに応じて対処していこう、こういうつもりでございます。
堀昌雄
25
○
堀委員
農業近代化
はこれ一問で終わりますが、私は非常に不十分だと思うのですが、今後もうちょっと本格的に取り組む意思があるのかないのか。なぜかというと、ここ三十億出した
利子
で、この
利子補給
を確かやるのですね。そうするともう
利子
の
ワク
というのは三十億の運営
利子
からくる
ワク
しかないのですから限られておる。これを今後やはり必要に応じて輸銀出資のような
格好
でやっているのか。特に私はここでやはりちょっと問題があると思うのは、輸銀の
利子
が非常に貸し出し
利子
が高いのなら重要な問題だけれども、輸銀のように何か特殊なものを一つ作ってもらって、農林中金でもいいでしょうけれども、そこえ
政府
出
資金
か何かが一括あって、これとバランスしたら、もうちょっと入れやすくなるとか、何かもう少し工夫をして、やはり
長期
低利
の金が出るような工夫がないと因るのではないかと思うのですが、今後に対するあなた方の腹がまえを聞かしていただきたい。
坂村吉正
26
○
坂村政府委員
御指摘のように、今後ますますこれは
発展
させなければならない問題であろうと思うのでございます。従いまして、私ども本格的にこれを今後充実させていきたい、こういうつもりでございます。ですから三十六年度におきましては三十億円の基金を積む、こういうことでございますが、
融資
の
ワク
がどんどん広がって参りますし、三十億円の基金ではこれはどうそろばんをはじいてみても、六分で運用すれば一億八千万円しかありませんから、これはもちろん基金の増額もいたさなければなりませんし、そういう
格好
で充実をさしていきたいと思います。またこの基金を、たとえば農林中金等に入れて、あるいはいろいろ操作を考えたらどうかというお話もございますけれども、これは私どもといたしましては、
政府
がそういうことで直接やっていきまするものは、できるだけ
農林漁業金融公庫
を充実さしていきたいと思っております。従いまして、いわゆる
協同組合
系統金融
が、ほんとうに
農民
のために役立つような、奉仕するような姿に持っていきたい。ですから
協同組合
の自主性も十分尊重されるようなことで、この
制度
を
発展
させていきたい、こういうようなつもりで考えておりますので、そういう方向で努力をいたしたいと思っております。
堀昌雄
27
○
堀委員
そこまでおっしゃったらもう少し申さなければならないんですがそうすると、
農林漁業金融公庫
でさっき触れましたけそども、
近代化
に引当分と私見てチェックしたものが実は漸減
傾向
にあるわけですね、これをふくらますことをあなた方は
責任
を持ってやりますか。さっきの
主務大臣指定
が
昭和
三十年はさておいて、三十一年七百八十一億から三十五年三百二十九億、やや漸減の
傾向
じゃなくて半分以下になっているのです。これをふやさなければ勝負にならぬと思うのですが、あなた方今後この
ワク
をふやすというのなら、
政府
は
近代化
にまともに取り組む気持があるのだが、これの問題。 それから
畜産
とかその他のものに対する
共同利用施設
の方向に対して、もうちょっとこれは真剣にやってもらわなければ因ると思うのですが、どうですか。
坂村吉正
28
○
坂村政府委員
農林漁業金融公庫
で今まで
融資
しておりました
共同利用施設
とかあるいは
主務大臣指定施設
、これは本来からいいますれば
系統金融
で相当カバーしていい問題じゃないかという工合に考えますので、今後
近代化
資金
を作ります際に、こういうものを大部分
農林漁業金融公庫
からはずしまして、要するにこれは
近代化
資金
で持っていこうというつもりでございます。(「ますます小さくなってくる」と呼ぶ者あり)いや、小さくはならないのでありまして、たとえば
近代化
資金
の方をどんどん増額をして参りますれば、
需要
に応じたものがこれで伸びて参るわけでございます。大体におきまして、たとえば三百億という
ワク
で考えますると、その相当部分は
共同利用施設
あるいは
主務大臣指定施設
、そういうことで今まで
農林漁業金融公庫
で貸されていたようなものが大部分になるという実情でございます。それから現在におきましても、これに絶えず
農民
の借りたいという意欲が非常に強いのでございまして、三百億でもおそらく足りないのじゃないか、ことしの状況でもそういう実情でございます。ですから決して
共同利用施設
や何かそういうようなものが漸減
傾向
にあるということは絶対にございません。
小川平二
29
○
小川委員長
広瀬秀吉君。
広瀬秀吉
30
○広瀬(秀)委員 堀先生が今だいぶこまかく触れられましたので、ダブらない範囲の問題で二、三伺いたいと思います。
農業近代化
という言葉自身の明確なる定義というものをお伺いしたいわけですが、一応法律では資本装備を高めるということが
農業近代化
の定義に該当するようなことをいっておるわけですが、
経済
局長、その点について
農業近代化
とは一体何なのか、定義を明確にしていただきたいと思います。
坂村吉正
31
○
坂村政府委員
農業近代化
といいますと、概念的にはいろいろの問題を含んでおるのであろうと思いまするが、現在考えておりますることは、先ほど申し上げました
農業
の
基本問題調査会
で今後の
農業
の方向づけをいたされたわけでございます。その方向に従いまして
農業基本法
というものが
制定
されたわけであります。いわゆる基本法にいいまするところの
農業
の
生産性
を上げ、
所得
の均衡をはかるようにし、その構造改善をやって、
所得
の均衡をはかるようにしていくということが、大ざっぱに申し上げますると一つの今後の
農業
の方向でございまして、これがいわゆる
近代化
というふうに私は観念していいのじゃないかというふうに思っております。 ここで、
農業近代化
資金
というふうなことで
資金
の面だけを一応取り上げて申し上げますと、ここにありますように、やはりもとになりますのは、資本装備が今まで非常に低いということでございますから、設備に対する
融資
をここで充実をさしていこう、こういうつもりで資本装備の高度化ということを一つのねらいといたしまして、
近代化
資金
という名前をつけてこの法律を
制定
いたしたわけでございますが、もちろんこれだけが
近代化
ということじゃございませんで、
近代化
を進めていくためには、先ほど申し上げました
系統
の金を使って資本装備を高度化していく。それから国が直接やっていく部分については
農林漁業金融公庫
に十分な
措置
を講じまして、そうして資本装備の高度化をはかって参る、あるいは基盤の
整備
をやって参るということでいろいろの
施策
が合わさりまして、やはり
近代化
がはかられるのじゃないかというふうに考えております。
広瀬秀吉
32
○広瀬(秀)委員 今のお答えで大体わかりましたが、
農業
の生活性を向上させ、
農民
の
所得
を上げていく、こういう問題に対して合
目的
的のものであるならば、やはり
近代化
の概念に入るのだということで、この
近代化
資金
助成
法案
の中に例示的に書かれている「畜舎、果樹棚、農機具、
農業
用道路その他の施設の改良、造成又は取得に要するもの、果樹その他の永年性植物の植裁に要するもの」こういうもの以外にもっと
近代化
資金
というものの範囲が将来広がる素地がそういう
意味
から十分考えられるのだ、こう了解していいわけですね。
坂村吉正
33
○
坂村政府委員
おっしゃる
通り
でございまして、法律におきましても、またかりに政令をきめる場合におきましても、限定的にそういうものをきめるつもりはございません。一つの例示として、たとえばこういうグループのもの、こういうグループのものというふうな
意味
でこれは法律にも書いてあるのでありまして、限定的に考えるつもりは毛頭ございません。
広瀬秀吉
34
○広瀬(秀)委員 そういう点で、政令の段階でもうすでにそういうことをお考えになるということでありますが、そこで、政令の中にここに例示的にある以外にとりあえずお考えになっているもの、この前養鶏の
問題等
も出たわけでありますが、そのほかどういうものがございますか。
坂村吉正
35
○
坂村政府委員
先ほど申し上げましたように、これも例示でございますので、そういう工合にお聞き取りをいただきたいと思いますが、たとえば農舎であるとか畜舎であるとか、そういうような性格の施設、温室、サイロ、堆舎、こういうような建築物といいますか、そういうような大部分やはり
農業
の用に供するものはこの中に入れなければならぬというふうに思っておりますし、それから機械類、原動機、揚排水機具あるいは耕耘の整地用の機具とかあるいは養蚕、
畜産
その他になりますといろいろ機械器具があります。あとは果樹とかお茶とか、そういう永年作物、それはどちらかといいますと資本装備という観念に考えてもいいような性格のものでございますから、そういう永年作物、それから家畜、そういうようなものがいわゆる項目の分類としては考えられるわけでございます。その中でこれは実情に応ずるものをできるだけ取り上げて
融資
の対象にしていくつもりでございます。
広瀬秀吉
36
○広瀬(秀)委員
農業基本法
でも選択的拡大ということ、があるわけですが、その中で一つ忘れているのじゃないかと思われるものに花卉の裁培、こういうようなものもこれから文化生活といいますか、生活に若干でもゆとりができるような方向になれば、そういうものなども大いに
振興
していかなければならない問題だと思うのですが、花卉の裁培をこの中に入れる、もちろん施設の場合は入ると思いますが、そういうものについての
農林省
の準備、どういうふうにそれを
助成
していくような方向で考えられておるか、これは全くないとは思いませんけれども、非常に弱いのじゃないかと思うのですが、
近代化
の問題と関連してどんなふうにお考えですか。
坂村吉正
37
○
坂村政府委員
おっしゃる
通り
、選択的の拡大という問題は
地方
の実情によっていろいろのものが取り上げられてくるだろうと思うのでございます。ですから、花奔というものは非常に大事なものだから、これはどうしても画一的に取り上げるのだというような、そういう
考え方
ではございませんで、その
地方
々々によってここの
農業
はとにかく果樹にいくとか花卉にいくとかいろいろあるわけでございますので、それに応じましていろいろの
融資
等のできますように考えて参りたいと思っております。ですから、花卉のような場合には、もちろん花の種をどうこうということはございませんけれども、これは設備
融資
でございますから、たとえば花卉のための温室が要るとか、あるいは機械器具が要るとかいうこともありましょうが、そういうものは当然対象にして、その
地方
の事情に応ずるように最善の努力をして参りたいと思っております。
広瀬秀吉
38
○広瀬(秀)委員 方向を変えまして、
農業基本法
を策定された
政府
の立場の中の自立経営
農家
の育成、しかも十年先に大体百万戸の約二町ないし二町五反以上の経営規模を持つ自立経営
農家
を育成されるというようなことが、しばしば
農林大臣
等からそれぞれこの
委員会
で言明をされておるわけです。そして百万自立経営
農家
の育成というようなことを十年先に達成しようとされておるわけでありますが、これとこの
近代化
助成
資金
というものとの関連はどういうことになりますか。
坂村吉正
39
○
坂村政府委員
自立経営
農家
の百万戸の育成といいまする問題は、いろいろ今までも話が、ございまするけれども、何も実際何町歩のものを何万戸育成するなんということは、具体的な
施策
と関連をいたしまして今取り上げられているような問題ではないと思うのです。それは全体の姿といたしましては、あるいはそういうようなものが
所得
倍増計画等で描かれておるかもしれませんけれども、実際の問題は、現実の問題に即しまして、現在ほんとうに具体的に動いていく方向に応ずるような
施策
を考えていくというつもりでございまして、実情に応じて、いわゆる
近代化
資金
あるいは
農林漁業金融公庫
の
資金
というものを、とにかく一歩でも進めるようにというつもりで具体的に
融資
をやっていく、こういう方向で考えていきたいと思っております。
広瀬秀吉
40
○広瀬(秀)委員 先ほど
堀委員
も触れたわけですけれども、
系統
資金
はことしは三百億、これは実質上は三百億を割ることは必至でありましょうが、きのうの答弁でも、
農林大臣
が、来年はこれを五百億くらいの
ワク
にふやしたいということを言っておったようであります。そういう工合に、ふやして参る。それに従って
一般会計
から
近代化
助成
資金
に繰り入れる金額というようなものも、これは当然ふやすのだと思うのですが、ことしは三一億繰り入れて、これの運用益で
利子補給
をやろうというわけですが、これを来年は五十億なり六十億なりにふやす、こういうようなこと、そしてしかも来年だけではなしに、この
近代化
資金
をどういう工合にふやしていくかという計画というものは、五ヵ年計画とかあるいは十カ年計画というような計画的なものを持っておられるのかどうか。来年はこのくらいにしよう、再来年の三十八年はどのくらいだ、三十九年度はどのくらいだ、少なくとも測度
経済
成長の
所得
倍増十カ年計画の時代ですから、特におくれた
農業
の体質改善をし、構造改革をやっていこう、
近代化
をやっていこう、そうして
所得
を上げていこうというのですから、そのくらいの準備というものはあるのだと思うのですが、そういう計画はあるのですか、ないのですか。
坂村吉正
41
○
坂村政府委員
もちろんおっしゃる
通り
、来年は増額をいたしますれば、それに応じまして
一般会計
からの繰り入れの金もふえなければならないと思っておりまして、私どもは、来年は
大蔵
省に対しましては五百億という
資金
の
ワク
で、これに応ずるような出資等の要求をいたしておるわけでございます。今後の問題といたしましては実際これを実施いたしまして、どの
程度
に
近代化
といいますか
農業
の姿が変わって参りまするか、それから
資金
需要
がどういう工合に動いて参りまするか、そういう点も十分考えませんと、金融といいますのは何といいましても具体的な問題でございますので、その
需要
に応ずるような
資金
の
ワク
を
政府
でもきめまして、その
需要
に十分応ずるような態勢をとっていきたいと思っております。一面におきましては、これは
農業協同組合
の
系統
の金を原資にいたしておりますので、
協同組合
の原資は今後どういう姿になって参りまするか、そういう点も一つ十分考え合わせまして、今後の計画はできるだけそういう点等を勘案の上で充実をして参りたいというふうに考えているわけであります。
広瀬秀吉
42
○広瀬(秀)委員 今のお考えですと非常に追隋的であって、
政府
の明確なる
責任
というものがない。
政府
が国の
責任
として
農業
をほんとうに
近代化
するためには、これだけの
投資
をこういう計画でやっていくというような、そういうものがないのです。
農民
の方の
資金
需要
がどう変わるか、それに追隋していこうということであるように聞えるわけです。そうだとすれば、非常におくれた
農業
を
近代化
させて、
生産性
を上げて、
所得
を向上させていこうという立場は非常に弱いものになり、
農民
の自主的な意欲に政策を合わせていくという
程度
のものである。非常に意欲的な
農業基本法
というようなものはそういう立場ではなかったと思う。
農業
兼本法を作っておきながら、そして、一審資本装備のおくれている
農民
に資本装備の率を高めようというようなことをやりながら、その基本になる
農業金融
というもの、それに対する国の
助成
というようなものがいかにも無計画であり、追隋的である。そのほかのいいろいろの面で、高度成長政策の中で、道路のごときは非常に先行
投資
というようなことを言われているわけでありますが、日本も最近米が非常に豊作だということで、
食糧
もあまり作ってもらいたくないというような気持でそういうことになるのか、そういう点が何としても、先行的に計画的に
農業
をここまでのレベルに持っていくのだという強い熱意なり
態度
なりというものがなく、
農業基本法
を通した立場とはまさに逆の立場で、うらはらの立場になっているのではないか、こういう矛盾というものが今の御答弁の中に伺えるのですが、そういう点についてはいかがですか。
坂村吉正
43
○
坂村政府委員
お言葉を返すようでございますけれども、そういう
考え方
ではございません。今後
農業
が
近代化
され、あるいは進んで参りまする場合に、
政府
の
施策
といたしましても、補助金等のウエートももちろん相当大きなものを占めるのでございます。それらと金融とが一緒になりましてやはり効果が上がって参ると思うのであります。そういうような
意味
で、具体的には、たとえば
畜産
がどういう工合に進んで参りまするか、あるいは果樹がどういう工合に進んで参りまするか、これを抽象的に絵にかいてみましてもなかなかその
通り
には進まないのではないか、あるいは変わった姿が出るというように、実際に応じていろいろの姿が出て参るのではないかと思うのであります。従いまして、金融面で、
近代化
の
資金
で、
系統金融
で五年先には一千億が要るのだということを今言ってみましても、実際問題としてしようのないことではあるまいか実態の
動き
に合わせまして、
需要
に応ずるように、しかもそれがある
程度
近代化
の促進になるように、そういう基本的な
考え方
て金融というものは指導して参るという方が実情に合った適切な
措置
ではあるまいかというふうに私どもは考えておるわけでございます。
広瀬秀吉
44
○広瀬(秀)委員 たとえば果樹のごときも、
経済
白書によれば、十年先には何倍くらいの消費になるだろう、あるいは
食肉
も何倍くらいになるだろう、あるいは鶏卵も何倍ぐらいになるだろう、牛乳も何倍ぐらいになるだろう、そういうようなことも策定しておられるわけです。それに見合って果樹の生産なり、あるいは牛乳、
食肉
の生産なりというふうなものを計画的に
助成
するということで、
農民
の自主的な意欲を非常に尊重するかのごとくして、実は
政府
の
責任
をサボっているのではないかという点が、見受けられるわけです。
近代化
資金
だけがオールマイティであって、これ一本ですべての
農業
の構造改革をやろうというものではないということは百も承知しておりますけれども、いかにもこの
近代化
資金
という名称から受ける
感じ
からいっても、
農民
は非常に期待を持っているわけです。それに対して非常に微温的な立場であり、何か後からくっついていくような印象なんですが、そういうものに対してある
程度
の計画性というようなものをお示しになって、
農民
もまた計画的に予算的に予定を立て、プログラムを立てて、
自分
たちの伸びていく目安というようなものを、こういう
政府
の
施策
と相待って立てられる、そういう
条件
を与えることが
近代化
資金
の任務ではないか、こうい。うように思うのですが、その点いかがですか。
坂村吉正
45
○
坂村政府委員
おっしゃる
通り
、
政府
が
施策
を考えまする場合には、ある
程度
の計画性を持たなければいかぬと思うのでございまして、そういう
意味
で、
農業基本法
におきましても農政
審議
会というものを設けまして、ここで今後の
農業
のあるべき姿、あるいは構造改善その他の進み方の計画を検討いたすわけでございます。ですからそういうような場でいろいろ今後の
近代化
の方向あるいは具体的な
施策
の
内容
が検討されるわけでありまして、それらに応じまして金融あるいは補助金、そういうような問題が当然計画的に考えられて参ると思うのでございますが、今の段階ではまだそこまでいっておらないわけでございます。ただ申し上げたいのは、必要な
資金
は、これはもう極力絶対に
確保
する、こういう覚悟で全力をあげて善処したいと思っております。
広瀬秀吉
46
○広瀬(秀)委員 農政
審議
会で十分そういうことをおやりになるということですし、またその点でそれ以上きょうのところは申し上げないつもりです。 しかしもう一つ伺いたいことは、先ほど堀さんも触れられましたが、
個人
貸付、
共同利用施設
、農協等を中心にするそういうものを、いずれを重点にしていくおつもりなのか。とりあえずことしの分について
——
これは来年、再来年の分についてはそれぞれあるでしょうし、またそれを最初は
地方
の都道府県の自主性にできるだけおまかせしたいということもあったのですが、
農林省
としてのお
考え方
、特に今一番必要なのは
個人
の方なのか、それとも
共同利用施設
の方なのか、その点についての重点のかけ方はいかがですか。
坂村吉正
47
○
坂村政府委員
個人
の施設の問題と
共同利用施設
とは、両々相待って今後の
農業
の経営の改善というものが行なわれるべきものであろうと思います。私どもといたしましては
共同利用施設
が幾ら、
個人施設
が幾らという
考え方
ではございませんが、現にいろいろ
地方
の要望をとってみますと、県によっていろいろな違いがございます。従いましてこういうようなものは、今後は各県におきましても、その県において、あるいはその町村におきまして、どういう方向でこの
農業
を持っていくかということがいろいろ検討され計画をされて参ると思いますから、そういうものに応じまして
農林省
としてはとにかくその事情に応ずるように使っていただいたらいいんじゃないかという考えでおります。
広瀬秀吉
48
○広瀬(秀)委員 この
近代化
資金
の問題は、この前の国会で通るはずのものが通らなかったわけですけれども、もうすでに現実の問題としてはとうに発足したような形で、現にもう実施の段階に入っているわけです。従ってその問題を、今
個人
の方によけいに配分率がいっているか、あるいは
共同利用施設
の方にいっているか、あるいは建物の
関係
といいますか、そういうもの、あるいは機械化それから乳牛導入、こういうような面で、大体実態をある
程度
つかんでおられると思いますが、まだ正式な実態ではないとしても、具体化されてもう発足をしている段階にあるわけですから、その実情というようなものについて、おわかりでしたら、ちょっとここで発表していただきたいと思うのです。
坂村吉正
49
○
坂村政府委員
各県の事情によっていろいろ違いますけれども、全体的につかんでみますると、大体一〇%が
共同利用施設
で、九〇%が
個人施設
だというような状況だそうであります。しかし、これは中途の段階でございますので、今まで暫定
措置
といたしまして、
農林省
ではとりあえず、法律が通らなかったものですから、半分の百五十億を一応県に割り当てをいたしまして、法律が
通り
ましたらあとの残りの百五十億で調整をやるという考えでおります。最後的な姿ではございませんけれども、今までの段階では大体そんな
情勢
であるというように御理解いただいたらよいのではないかと思いますす。
広瀬秀吉
50
○広瀬(秀)委員 時間もありませんから、最後に一つお伺いしたいと思います。 本
会議
を
通り
ました
農業近代化
資金
助成
法の附帯決議といたしまして、金利を五分以下に引き下げるようにすべきだということがつけられたわけでありますが、先ほども
経済
局長からその点非常にむずかしい、しかし、欧米諸国においては三十年、四十年というような
長期
のもの、それから金利の面においても三分五厘、四分というようなものが非常に多いというようなことを言われておるわけでありますが、今の七分五厘
程度
のものを大体五分以下にいつごろやるつもりがあるか。
農林省
としてはそのくらいにどうしてもしなければ、日本の
農業
の
近代化
というものは、もちろんこの
近代化
資金
の部面だけではなしに、農林漁業中央金庫の貸し出す
長期
設備
資金
については、そういう方向も並行してとらるべきだと思いますが、そういう
長期
の今までの十先年のものを三十年
程度
に持っていく、あるいは五分以下に引き下げていくというようなことについて、それを一日も早く実現させてもらわなければならぬ、時期的にも非常に早くやってもらいたいということなんですが、これは
銀行局長
もお見えですから、
大蔵
省と
農林省
の方から、その点についてのあなた方の見通しと
措置
されようとする
考え方
、こういうものについて一つ明らかにしていただきたいと思います。
坂村吉正
51
○
坂村政府委員
衆議院の農林水産
委員会
におきましては、そういう御決議に対しまして、
農林大臣
から努力をいたします、こういう答弁がございましたので、その大臣の趣旨によって最善の努力をいたしたいと思います。
相沢英之
52
○相沢
説明
員 九分五厘に対しまして、二分補給の七分五厘というものは、確かに先ほどからの御議論のように、
農業
の
資金
といたしましては
利子
が高いというような点もございますが、先般来
大蔵
大臣も答弁がございました
通り
、他の公庫
資金
その他との関連もございますし、また従前の
農業改良資金
におきましても八分一厘というような率になっておる、これを引き継いだというような
経緯
もございますので、さしあたり七分五厘を目標にしまして、逐次農協の末端金利が現在の九分五厘から七分五厘に実質的に下がっていくことをねらいとしまして、これを発足したわけであります。将来、この七分五厘を五分にまで下げるということは望ましいことでありますけれども、今日の段階では、いついつまでを目標としてやるということは、
系統金融
制度
の合理化の状況とも関連がありますので、にわかには申し上げられない段階にあると思います。
広瀬秀吉
53
○広瀬(秀)委員 非常に事務的な御答弁で、全く不満なんですけれども、あなた方としては、日本のおくれた
農業
を
近代化
させていこう、
企業
的にも近代産業に伍していけるような
農業
にしようという立場で
農業基本法
は作られたはずです。それについて、
農林省
自体も務力するというだけでは非常に困るのです。もちろんこれは
経済
局長として、先ほど欧州の例あるいはアメリカの例等を引いて、非常に思い切ったことをやっているのだ、非常にけたはずれのことをやっているのだ。中小
企業
の金融の問題もやはり同じことだと思いますけれども、それ以上に
農業金融
というものについて、もう今までのような一割一分くらいからだんだん下げてきましたという、そういう小幅な、どうにかその場その場を糊塗していくような、そんなことでは日本の
農業
の体質改善はできないのです。そういうような立場に立つならば、思い切った
施策
、非常にラディカルと思われるくらいな
施策
をこの際思い切って金融の面においてもやっていかなければいけない。そうでなければ、このおくれた産業が近代的にならない、こういうようなところにきていると思う。そのためにこそ
農業基本法
も作った、こういう立場を忘れてもらっては困るのであって、これは
経済
局長あたりも、
経済
局長の立場からもう少しあなたの考えを卒直に答えてもらいたい。大省の答弁に至ってはまことにこれはけしからぬのであって、
大蔵政務次官
もおるわけですから、次官としての立場から、一つこの際明確にあなたの決意を聞かせてもらって、ほんとうに日本の
農民
が、それならばわれわれも立ち上がって、そして
近代化
する方向に大いに努力しようではないかというような気持が出てくる答弁を願いたいと思う。もう一度答弁して下さい。
天野公義
54
○天野
政府
委員 ただいま事務当局が答弁申し上げた中で、冒頭に
大蔵
大臣の答弁ということを言っておるわけでございます。これは各方面で合理化をして、できるだけ金利を下げる、そして
農業
の
近代化
に資するという方向を
大蔵
大臣が答弁されております。それを冒頭に申し上げておるわけでございます。従いまして、
大蔵
当局といたしましても、
農業近代化
の促進という
意味
合いにおきまして、今のところはこういう
程度
でございますけれども、いろいろ合理化をはかりつつ金利の低下というか、そういう方面に向かって努力をしていきたい、かように考えておるわけでございます。
広瀬秀吉
55
○広瀬(秀)委員 天野次官、まだあなたはお若いのですから、もう少し卒直に
自分
の考えというものを答弁していただきたい。先ほどから繰り返しておりますように、思い切った手を打たなければならないところにきているのだ、こういう認識についてはもうおわかりだと思います。その立場に立って国会の附帯決議もつけられたのだ、これは与野党満場一致なんです、そういうことできめられた、そのために、社会党では非常に不満があったけれども、これを賛成して通しているわけです。そういう立場に立って与野党が一致してそういう附帯決議をつけた、そういう前提に立ってあなたもう少しはっきりものを言っていただきたい。少なくとも五分という目安まで出して附帯決議には載っているわけです。これについて、そのこと自身すらあなたが、直接に触れない、こういう立場は非常に無
責任
だと思います。そういう附帯決議に対しては、
政府
としてはできるだけ国会の権威を尊重する立場から、大体いつごろには少なくとも五分くらいにしてやろう、こういう気持を持って努力するというようなことは、これは言えないはずはないと思う。それがやはり国会の権威というものを荷からしめるゆえんだと思うのです。そういう立場から一つ政治家として、
大蔵政務次官
として、もう一度お答えいただきたい。
天野公義
56
○天野
政府
委員 五分というお話でございますが、現段階としては、今のところはとうてい不可能だと思います。いろいろと研究をし、努力をいたしまして、そういう方向に行くように今後努めたいと思います。
小川平二
57
○
小川委員長
藤井勝志君。
藤井勝志
58
○藤井委員 今朝来非常に熱心な野党側からの御意見が、
農業近代化
資金
制度
をめぐって出ておりましたが、与党議員といたしましても私は一々ごもっともな点があると思います。 そこで、私は特に
大蔵
大臣の代理としてお見えになっております。天野政務次官に
——
これは野党側からいろいろ言われてやむを得ずやるというだけでは、政党政治の本節ではないと思うのでありまして、与党委員から一席やらせていただきたいと思います。それに対して積極的な御意見を承りたい。特にきょうは
銀行局長
も見えておられますが、でき得べくんば主計局長も来ていただきたいと思っておるわけでございますけれども、それも
大蔵政務次官
が来ておられますので、兼ね備えて御答弁願いたいと思うのであります。 ことに
農業基本法
が通過いたしました今日、特にまた時期的には三十七年度の予算編成もまさに始まらんとしておる重大な時期であろうと思うのでありまして、
農業基本法
の第四条には、いわゆる
農業基本法
がねらっておる具体的な
施策
を行なうために、
政府
は法制上、
財政
上の
措置
をしなければならないという義務規定があることは御案内の
通り
でございます。 従って、そういう建前から野党議員から積極的な御意見が出ておると私は承知いたしておるのでありまして特に今度の
農業基本法
のねらいを肉づける中心の問題は金融と農作物
価格
支持
制度
、この二つが大きな市の両輪であるかと思うのでありまして、その一つである
農業金融
対策についてはとかく
大蔵
省方面では金利体系の問題からいろいろ簡単にいかないという御
説明
がございました。その半面の
理由
はよくわかります。同時にまたこういう問題が一朝一夕に簡単にいかないこともよく承知しておりますけれども、やはりやろうとする気がまえのいかんによっては、瞬間的に相当早くテンポが進んでくる。諸外国の例をいろいろ聞いております。オランダあたりでは百十数年という
長期
の
低利
資金
が現在行なわれておる。よその国でやっておる事柄が日本にできないことはないわけでありますから、農林
委員会
でこの間附帯決議をされました
農業近代化助成資金
法案
について、ただいきなり五分はできないというふうに簡単に答弁されないで、法制上、
財政
上の
措置
を講じて努力してみる。しかしこういう事情があって
昭和
三十七年度はいけないかもしれないけれども、とにかくやる方向へ努力するという態勢ができなければ、
農業基本法
を通しても羊頭を掲げて狗肉を売るという疑惑が起こると思うのであります。従って、そういう面についてもう一度
大蔵
大臣を代理した立場において、一つ政治
責任
をかけて御答弁をお願いしたいと思います。
天野公義
59
○天野
政府
委員 御趣旨の点はよくわかるわけであります。しかし日本の現状からいたしまして、事務当局等からも答弁申し上げておりますように、金利の均衡その他いろいろ勘案をし、また
農業
の実態、規模というような点も考え合わせまして、今のような
制度
を考えてやっておるような次第でございます。今後の方向といたしましては、御趣旨の点を勘案いたしましてよく研究をし、努力したいと思っておるわけであります。
藤井勝志
60
○藤井委員 他の金利との
関係
、つり合いということもよくわかるのでありますけれども、
農業基本法
はもともと
農業
の置かれた自然的、
経済
的、社会的な不利を補正するということをはっきり前提にしておるわけでありますから、補完するという建前でいけば、従来
通り
のような惰性できておる
——
惰性というと言葉が悪いのですけれども、ある
程度
思い切った対策がここにできると思いますので、今政務次官が、お立場上非常に慎重なかまえで、しかし誠意を披瀝された御答弁で一応了解をいたします。 ところで
経済
局長に一つお尋ねをいたしたいのです。一応今度の
近代化
資金
制度
は、農協の手持ちの
資金
を
利子補給
して
系統
機関から還元させるという建前であります。ところがいよいよ
近代化
が進んで、積極的に共同施設をやっている農協では手持ちの
資金
が非常に少なくなっておるところもあるわけです。そういったことをこれから積極的にいろいろ対策しなければならぬという場合に、国のこの
近代化
資金
制度
の
利益
に均霑するわけにいかない、こういう事情がわれわれは十分想定できるわけでございます。現実にわれわれはそういう事情も、知っておりますが、こういったことに対して、いわゆる
制度金融
の道を今後どのような立場で、先ほど申しましたような趣旨に沿うてお考えでありますか、お聞かせ願いたいと思います。
坂村吉正
61
○
坂村政府委員
御指摘の
通り
、この
制度
は大体農協の金を原資とするということを建前にいたしておりますので、
地方
によっては御指摘のような事態があり得ると思うのでございます。しかしながら現状におきましては、農協の金は相当豊富でございますし、今後ある
程度
の伸びということも当然考えられるような状態でございますから、全体といたしましては、私は、当分の間は農協の金を原資としてこういう
制度
を進めていって問題ないんじゃないかというふうに考えておりますが、そういう
地方
的な問題につきましては、場合によっては信連の直貸しという
制度
も考えております。あるいは農林中金からいろいろ信連に通じていくとか、そういうような方法もございますし、全体の
資金
の調整は農協の
系統
内部で一つ十分触通し合いまして、そうしてまかなっていくようにしたらどうかという
考え方
でございます。
堀昌雄
62
○
堀委員
ちょっと
農林省
の
経済
局長に技術的なことを伺いますが、未端農協の預金金利は今一体どのくらいになっておるのか、伺いたい。
坂村吉正
63
○
坂村政府委員
預金金利は一年定期で五分六厘でございます。
一般
の金利よりも年一厘高ということになっております。
堀昌雄
64
○
堀委員
輸出入銀行法についてお伺いいたします。今
資料
を拝見してみますと、大体輸銀の残高は一千六百六十億円ばかりになっておりますが、この中でちょっと私わからないのは、商事会社に対して約二百五十億くらい、一七%くらいの貸し出しがされておるのですが、この商事会社に貸しつけておる金というのは、どういう
格好
になっておるのか、ちょっと、ここを伺いたい。
大月高
65
○大月
政府
委員 輸出入銀行の
融資
の対象は、プラントの延べ払い金融でございまして、これはメーカーが商社を通じて貸し出しますときには商社に金融をする、こういうことでございますので、メーカーにやる場合、商社にやる場合、それぞれございますが、そのうちの商社の分でございます。
堀昌雄
66
○
堀委員
そうすると、それはこういうことになるのですか。メーカーが商社に品物を売るといいますが、もうその商社としての品物を延べ払いの金をもらってやっているという場合と、それからメーカーが直接その取引をしている場合と、二つあるということになりますか。
大月高
67
○大月
政府
委員 お話の
通り
でございます。
堀昌雄
68
○
堀委員
私、時間がなくて十分
資料
要求できなかったのですが、この一千六百六十億円というものの区域別の残高は、東南アジア、大洋州というふうに大きくくくっていただいてけっこうですが、これはどうなっておりますか。
大月高
69
○大月
政府
委員 転出金融について申し上げますと、極東地域が四十二億、東南アジア四百六十四億、中近東五十億、北米三億、中南米三百二十一億、ヨーロッパ二百九十一億、アフリカ百九十億、大洋州一億、合計千三百六十四億でございます。 これを割合で申しますと、多い方から申しまして、東南アジアが最高で二九%、中南米が二五%、ヨーロッパ一八%、アフリカ一二%というのがおもなところでございます。
堀昌雄
70
○
堀委員
そうすると、この千三百六十四億というのは、よく総理がおっしゃる転出ユーザンス七億九千万ドルと見合うことになりますか。
大月高
71
○大月
政府
委員 これは延べ払い輸出とユーザンスは
制度
が別でございまして、ユーザンスの場合には三カ月とか四カ月の短期の延べ払いでございます。この場合は五年、六年、七年の延べ払いでありまして、
一般
に転出ユーザンスの残高が幾らというのは短期でございまして、これとは
関係
がありません。
堀昌雄
72
○
堀委員
そこで、輸銀ができて、現在までいわゆる残高でなしに、貸出総計と、その延べ払いによる支払いが多少返ってきているのではないかと思いますが、貸出総計とすでに決済された部分とを今の形でちょっと承りたい。
橋口收
73
○橋口
説明
員 ただいまの御質問にお答え申し上げますが、三十一年からの
資料
が手元にございますので、大へん恐縮でございますが、三十五年までのお答えいたします。 三十一年の輸出向け貸出実績が五百八十一億、輸入の方は省略させていただきます。それで回収が三百九十八億、三十二年度の輸出向け貸出し実績は五百三十六億、回収が五百八十四億、三十三年度の輸出向け貸出し実績は四百十三億、回収が四百四十九億、三十四年度の輸出向け貸出し実績は五百六十九億、回収が三百六十四億、三十五年度の輸出向け貸出し実績は七百五十三億回収が三百八十三億となっております。
堀昌雄
74
○
堀委員
本年度は大体どれくらいの見通しになっておりますか。
橋口收
75
○橋口
説明
員 本年度の輸出向け貸し出しの見込みでございますが、千四十七億円、回収は四百六十三億円の見込みでございます。
堀昌雄
76
○
堀委員
この千四十七億のさっきの地域はわかりますか。
橋口收
77
○橋口
説明
員 本年度の千四十七億円の算定の基礎に地域別の計算はしておりません。
堀昌雄
78
○
堀委員
もちろん現状では輸出が必要でありますから、延べ払いも非常に重要だと思いますが、本年度で一千億円の延べ払いによる輸出金融をするということは、結局一千億円の機械受注をしたということと同様になってくるのではないかと思うのですが、これは機械受注をどこへして、どこで製品ができるかということは別ですが、一千億円受注をしたということになると思いますが、そこはどうですか。
大月高
79
○大月
政府
委員 輸出入銀行の
資金
の面から申し上げますと、延べ払い輸出につきましては、たとえば輸出の契約がございまして、それが輸出入銀行に
融資
の要求がある。それを承諾いたします。ところがそれは大体において注文生産になっておりますので、船ならば船を作り始める、そうすると船の
代金
を支払いますのに相当時間がかかりますので、必ずしも承諾をした金額を一挙に出すというわけではございません。それが一年とか一年半とかかって出しておるわけでございます。輸出入銀行の予算を立てますときには、そういう過去の契約で承諾した分で本年度に幾ら出る、それから本年度に新しい
融資
の承諾が幾らある、それがまた来年度に実行がずれるのもございますので、そういう両方の状況をにらみ合わして集計してこの予算を立てておるのでございます。従いまして、今のたとえば一千億何がしが本年度の発注にはならない、そのうちの一部が発注になっておる、こういうことだと思います。
堀昌雄
80
○
堀委員
それは
意味
はわかりましたが、そうすると、本年度の発注が船は二年ぐらいかかりますが、船以外はおおむね発注があって一年もかかるのはそうたくさんないのじゃないかと思います。去年とことしで一千八百億ぐらいの受注が二年間でされておるわけですが、これは大体ことしの方にやはり比重がかかっている。そうすると、私この間からたびたび申し上げておるように、鉱工業生産の生産指数をある
程度
締めなければならぬ。この間から盛んに議論が出ております設備
投資
を締めるというのは、設備
投資
自体の問題ではなくて、鉱工業生産を押えるための手段として設備
投資
を押える。そうすると、最近の状態は機械受注がますますふえつつある
傾向
のあるときに、さらに輸銀の発注をやる。なるほど輸出を増進しなければならないし、われわれが輸出の中でシエアを拡大しなければならないことはもちろん当然なことなんですが、この際ちょっと輸銀における
資金
量を拡大して、昨年からことしに対してやはり約三百億余りの
融資
をふやすということは、その
関係
では私は多少いかがなものがあろうかと思うのですが、そこはいかがでしょうか。
大月高
81
○大月
政府
委員 ただいま
政府
の方でねらいとしております。設備
投資
の抑制と申しますのは、この設備
投資
が行き過ぎることによりまして原材料の輸入の増大を招く、それが国際収支の方へはね返ってくる、こういうことでございます。それに対しまして、国際収支改善対策というものをやっておるわけでございますがこれはやはり輸出を増進して輸入を押えるというところに主眼がございます。そういう観点から今のお尋ねの問題を考えてみますと、たとえば船あるいは機械の受注がある。これが輸出になるという段階におきまして、国内の生産の面から見ますと、仰せの
通り
生産を高める、あるいは船であれば鉄の原材料の輸入を高めるかもしれません。しかしその船が今度輸出になることによって外貨の手取りがふえてくるわけでございます。われわれの全体の
経済
の流れといたしましては、国際収支の許す範囲において高度の成長を遂げる方がいいわけでございますので、国際収支の限界に突き当たろうとしておる、こういう場面におきましては、設備
投資
が伸びて、それが輸出に向いて外貨の手取りに寄与するということがむしろねらいであるわけでございます。設備
投資
なり生産の指数はどんどん上がりまして、そのうちで必要な輸出がどんどん伸びて外貨も入ってくる。そうすれば日本の
経済
はますます伸びる。それが残念ながら今輸出の面で頭を打っておりますので、内需の方も押えなくちやいかぬ、こういうような
意味
でのジレンマでございますので、この観点からいえば、私は多ければ多いほどいいというように考えております。
堀昌雄
82
○
堀委員
一千億余りの区域別の
条件
をお出しになっていないのですが、実は最近の日本の輸出の状態を見れば、これは何も国内
条件
だけじゃない。大体諸外国のその地域における輸入の変化に伴ってこちらの輸出も変化しているというのがグラフで見ておると出ておるわけですね。そうしてみると、私はこの中でもちろん契約があるのですから、製品が出る事に反対はないわけですけれども、やはり問題は地域的な問題との関連を見て配慮されるべきだろうと思うのですが、その点について今はないとおっしゃったけれども、
考え方
としては何かあるのかどうか、それを伺いたい。
大月高
83
○大月
政府
委員 現在の輸出の分類といたしまして、今短期の繊維とかその他のいわゆる
一般
の消費財の輸出とこういうような設備輸出と二種類に分けて考えてみますと、短期の消費財的なもの、あるいは原材料におきましてもいわゆる短期の決済のつきますものにつきましては、比較的諸外国の
経済
の
情勢
に応じて増減する面が多いと思います。しかし、この設備
投資
自体を見ておりますと、やはり後進地域に対する輸出がおもな部面でございまして、先ほど申し上げました
統計
から申しましても、東南アジアであるとか、あるいは中南米であるとか、こういうところの分野が非常に多いわけでございまして、これは比較的開発のために必要とする資材であろうということになれば、必ずしも短期の景気変動によらなくて、長い
意味
での開発の資材として出ていく、こういうことであろうと思います。そういう
意味
で必ずしも景気とは直接
関係
がないというふうに考えております。
堀昌雄
84
○
堀委員
四百億なり三百億なりどんどん決済が済んでいるのですが、東南アジアの決済の状態というのは、やはり契約
通り
行なわれておりますか。
大月高
85
○大月
政府
委員 今の輸出入銀行の回収の状況におきましては延滞は一件もございません。ただ、その原因といたしまして、かりに正当な
理由
があって海外からの回収が延びておるというような場合には、
政府
の方で為替管理法上特別の許可をいたします。それは正当な
理由
がありとして許可するわけでございまして、そういう場合には輸出入銀行の方も延滞としては取り扱わない、こういうことであります。そういう技術的な面もございますが、実態から申しましても、現在やっております延べ払い輸出につきましては、非常な延滞とかあるいは回収がおくれておるという事情はございません。
小川平二
86
○
小川委員長
これにて両案に対する質疑は終了いたしました。 —
——
——
——
——
——
——
小川平二
87
○
小川委員長
これより討論に入るわけでございますが、両案に対し別に討論の申し出がありませんので、直ちに採決することといたします。 採決いたします。両案を原案の
通り
可決するに御異議ありませんか。 「異議なし」と呼ぶ者あり〕
小川平二
88
○
小川委員長
御異議なしと認めます。よって、両案はいずれも原案の
通り
可決いたしました。 —
——
——
——
——
——
——
小川平二
89
○
小川委員長
次に、ただいま可決いたしました両案中、
日本輸出入銀行法
の一部を
改正
する
法律案
に対しまして藤井勝志君より各派共同
提出
にかかる附帯決議を付すべしとの動議が
提出
されておりますので、
提出者
の趣旨
説明
を求めます。藤井勝志君。
藤井勝志
90
○藤井委員
日本輸出入銀行法
の一部を
改正
する
法律案
じ対し、各派共同による次の附帯決議を付することを
提案
いたします。 輸出入及び海外
投資
活動に伴なう
日本輸出入銀
行の
融資
については、その
資金
源が
財政
資金
であることにかんがみ、
資金
の効率的運用に厳に留意すべきである。
提案
の
理由
は、
昭和
三十六年度の
財政
投
融資
計画において
日本輸出入銀
行の
融資
見込額を当初九百七十億円と推定し、これに必要な
資金
といたしまして同行に対して五百七十億円の
資金
を供給することといたしたのでありますが、最近プラント輸出の大幅な
増加
等により、同行に対する
資金
需要
は予想をはるかに上回り、現在は一千百八十億円が推算されるに至り、今回新たに二百億の
資金
を追加することと相なった次第であります。最近の国際収支の動向にかんがみても、輸出の
振興
は現下の急務であり、プラント輸出等の金融に万遺憾なきよう
措置
することはきわめて適切妥当な
措置
でありますが、申し上げるまでもなく、輸銀の
資金
は
財政
資金
であり、これが効率的な運用に特に留意することが強く要請せられるのであります。 これが右附帯決議を付することの
提案理由
であります。何とぞ皆様方の御賛成あらんことをお願いいたす次第であります。
小川平二
91
○
小川委員長
これにて
提出者
の趣旨
説明
は終わりました。 お諮りいたします。藤井君
提出
の動議に御異議ありませんか。 「異議なし」と呼ぶ者あり〕
小川平二
92
○
小川委員長
御異議なしと認めます。よって、藤井君
提出
の動議のごとく
本案
は附帯決議を付するに決しました。 —
——
——
——
——
——
——
小川平二
93
○
小川委員長
なお、両
法律案
に関する
委員会
報告書の作成等につきましては
委員長
に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
小川平二
94
○
小川委員長
御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 次会は来たる二十四日午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時十二分散会