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1961-10-11 第39回国会 衆議院 社会労働委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十六年十月十一日(水曜日)    午後一時十四分開議  出席委員    委員長 中野  四郎君    理事 大石 武一君 理事 齋藤 邦吉君    理事 永山 忠則君 理事 藤本 捨助君    理事 滝井 義高君 理事 八木 一男君       井村 重雄君    伊藤宗一郎君       浦野 幸男君    小沢 辰男君       藏内 修治君    佐伯 宗義君       澁谷 直藏君    中山 マサ君       古川 丈吉君    松山千惠子君       米田 吉盛君    大原  亨君       河野  正君    五島 虎雄君       島本 虎三君    田邊  誠君       中村 英男君    吉村 吉雄君       本島百合子君  出席国務大臣         厚 生 大 臣 灘尾 弘吉君  出席政府委員         厚生事務官         (大臣官房長) 高田 浩運君         厚生事務官         (児童局長)  大山  正君         厚生事務官         (保険局長)  森本  潔君         厚生事務官         (年金局長)  小山進次郎君  委員外出席者         専  門  員 川井 章知君     ――――――――――――― 十月六日  委員井堀繁雄辞任につき、その補欠として佐  々木良作君が議長指名委員に選任された。 同日  委員佐々木良作辞任につき、その補欠として  井堀繁雄君が議長指名委員に選任された。 同月七日  委員井堀繁雄辞任につき、その補欠として西  村栄一君が議長指名委員に選任された。 同月十日  委員小川半次辞任につき、その補欠として米  田吉盛君が議長指名委員に選任された。     ――――――――――――― 十月六日  資格取得引揚医師に対する特例措置に関する  請願岡本茂紹介)(第七号)  同外一件(野原覺紹介)(第一四五号)  同(小笠公韶君紹介)(第二五一号)  同(椎熊三郎紹介)(第二五二号)  同(足鹿覺紹介)(第二五三号)  同(井手以誠君紹介)(第二五四号)  同外一件(大柴滋夫紹介)(第二五五号)  同(加藤勘十君紹介)(第二五六号)  同(中澤茂一紹介)(第二五七号)  同(松井誠紹介)(第二五八号)  戦傷病者のための単独法制定に関する請願(坊  秀男君紹介)(第六六号)  じん肺法の一部改正に関する請願(逢澤寛君紹  介)(第一四〇号)  同(藤井勝志紹介)(第一四一号)  日本住血吸虫病予防事業費国庫負担率引上げに  関する請願藤井勝志紹介)(第一四二号)  同(内田常雄君外五名紹介)(第二四四号)  同外一件(内田常雄紹介)(第二四五号)  同外一件(重政誠之紹介)(第二四六号)  同(田邉國男紹介)(第二四七号)  同(堀内一雄紹介)(第二四八号)  適正入院料即時設定等に関する請願池田清  志君紹介)(第一四三号)  あん摩、はり、きゆう業者の労働基準法適用延  期に関する請願田中伊三次君紹介)(第一四  四号)  人命尊重に関する請願外七件(中馬辰猪君紹  介)(第一四六号)  環境衛生関係営業の運営の適正化に関する法律  の一部改正に関する請願志賀健次郎紹介)  (第二四九号)  同(藤本捨助君紹介)(第二五〇号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 十月六日  失業対策事業改善等に関する陳情書  (第八一号)  生活保護法に基づく保護費全額国庫負担等に関  する陳情書(第八  二号)  国民健康保険事業強化促進に関する陳情書  (第八三号)  都市し尿処理対策確立に関する陳情書  (第八五号)  身体障害者雇用促進法改正等に関する陳情書  (第二三号)  国民健康保険療養給付費等国庫負担増額に関  する陳情書(第二  四号)  国民健康保険療養給付費国庫負担増額に関す  る陳情書  (第二五号)  都市清掃事業改善に関する陳情書  (第二六号)  原爆病対策拡充強化等に関する陳情書  (第四二号)  離島及びへき地に対する医療施設強化に関する  陳情書  (第四三号)  失業対策事業特例措置に関する陳情書  (第四四号)  国民年金事務費全額国庫負担に関する陳情書  (第四五号)  国民健康保険国庫負担増額に関する陳情書  (第四六号)  国民健康保険制度改善に関する陳情書  (第四七号)  環境衛生施設整備充実に関する陳情書  (第四八号)  離農者職業補導機関設置促進に関する陳情書  (第四  九号)  足摺国定公園国立公園昇格等に関する陳情書  (第六四号)  小児マヒの生ワクチン投与費領国庫負担等に  関する陳情書  (第七九号)  失業対策事業改善に関する陳情書  (第八〇号)  優生保護法の一部改正に関する陳情書  (  第一八号)  成人病対策確立に関する陳情書  (第一九号)  保育所の新築及び改築に対する財政措置に関す  る陳情書(第二一  号)  保護施設等施設費に対する国庫補助交付基準  額引上げに関する陳情書  (第二二号) は本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  国民年金法の一部を改正する法律案内閣提出  第一三号)  年金福祉事業団法案内閣提出第一四号)  児童扶養手当法案内閣提出第一五号)  通算年金通則法案内閣提出第一六号)  通算年金制度を創設するための関係法律の一部  を改正する法律案内閣提出第一七号)      ――――◇―――――
  2. 中野四郎

    中野委員長 これより会議を開きます。  内閣提出国民年金法の一部を改正する法律案年金福祉事業団法案児童扶養手当法案通算年金通則法案及び通算年金制度を創設するための関係法律の一部を改正する法律案、以上五法案を一括して議題とし、審査を進めます。
  3. 中野四郎

    中野委員長 提案理由の説明を聴取いたします。灘尾厚生大臣
  4. 灘尾弘吉

    灘尾国務大臣 ただいま議題となりました各案につき、提案理由を御説明申し上げます。  まず国民年金法の一部を改正する法律案について、その提案理由を御説明申し上げます。  国民年金法は、昭和三十四年の第三十一国会において成立いたし、福祉年金支給に関する部分は同年十一月から実施されたのでありますが、拠出年金に関する部分は、昭和三十五年十月からその適用事務が開始され、本年四月から保険料納付が開始されることになり、これによってこの制度が全面的に実施される運びになった次第であります。  国民年金制度は、すでに御案内のごとく、社会保障制度審議会における全会一致の答申に基づいて策定されたものでありますが、これに対し、各方面から種々改善要望が寄せられたのであります。政府といたしましては、すなおにこれらの要望に耳を傾け、関係審議会意見等をも徴し、慎重に検討を重ねました結果、現段階における国の財政事情等を勘案し、この際実行し得る最大限度改善を行なうこととし、改正法案を第三十八国会に提出いたしましたが、審議未了となりましたので、衆議院社会労働委員会において修正可決されました内容をそのまま取り入れた改正法案を、再度本国会に提出する次第であります。  以下、改正法案のおもな内容について御説明申し上げます。  まず、拠出年金に関する事項であります。  第一に、老齢年金は六十五歳から支給が開始されるのでありますが、この開始年齢を早めることができないかという希望が強いのにかんがみまして、六十歳に達すれば、老齢年金を繰り上げて支給する道を開きたいと考えたのであります。  第二に、保険料の免除を受けるなど、保険料を納めた期間が足らないために、老齢福祉年金しかもらえない人々に対して、新たに特例的な老齢年金支給する道を開こうとするものであります。これにより、これらの人々は、六十五歳から七十歳までの間老齢年金を受けられるようになり、七十歳から老齢福祉年金を受けることと相待ち、低所得人々に対する所得保障が一段と手厚くなるわけであります。  第三は、祖父が死亡して祖母と孫が残り、あるいは父が死亡して姉と弟妹が残るというような、母子世帯に準ずる世帯に対し、母子年金の例によって、準母子年金支給しようとするものであります。  第四は、障害年金母子年金、準母子年金及び遺児年金について、従来これを受けるためには三年以上保険料を納めていることが必要であったのを改め、一年以上継続して保険料を納めておれば支給が受けられるように、その期間を短縮しようといたすのであります。  第五は、遺児年金の額の引き上げであります。現行遺児年金の額は、老齢年金の額の四分の一相当額支給されるのでありますが、これを老齢年金額の二分の一相当額にまで引き上げ、あわせて最低保障額七千二百円を一万二千円まで引き上げようとするものであります。  第六は、死亡一時金制度の創設であります。すなわち、年金が受けられる年齢に達する前に死亡したという場合に、いわゆる掛け捨てにならぬよう、保険料を三年以上納めておれば、その遺族に対して、保険料を納めた期間に応じて、五千円から五万二千円までの死亡一時金を支給するという改正であります。  次には、福祉年金に関する改正について申し上げます。  第一は、拠出年金における準母子年金と同様のことを、福祉年金についても、準母子福祉年金として考えようという改正であります。  第二は、義務教育終了前の子、孫、弟妹生計を維持する場合には、福祉年金所得制限額十三万円に一万五千円ずつ加算されるわけでありますが、この加算額を三万円に引き上げようとするものであります。  第三は、母子福祉年金に対する支給制限を緩和する改正でありまして、現行制度では同一世帯に二十五歳以上の子がおれば、原則として福祉年金支給が停止されるのでありますが、今後は、その子供に、一定額以上の所得があるときに限り、支給停止をしようというのであります。  第四は、福祉年金支給制限について、一昨年の伊勢湾台風に際して制定された特別措置法内容を恒久化し、災害を受けた場合に特別の考慮を払うことにいたしたのであります。  その他、拠出年金及び福祉年金に共通する改善事項といたしまして、第一に、従前から身体障害がある者に、拠出制度加入後新たな身体障害が生じましたときには、前後の障害を併合して障害年金また障害福祉年金支給できるようにし、第二に、年金を受ける権利が確定しながら、これを受け取る前に本人死亡したという場合には、未支給年金を、その遺族支給するようにいたすのであります。  以上の改善事項は、原則として、本年四月一日にさかのぼって適用することといたしております。  次に、年金福祉事業団法案について、その提案理由を御説明申し上げます。  御承知のように、本年四月から拠出制国民年金が発足することにより、国民年金がようやく実現の運びとなりましたが、その主柱をなす厚生年金国民年金積立につきましては、厚生年金においては昭和三十六年度分のみでも一千四十億円の増となり、また、国民年金においても初年度三百億円に達すると推定されております。この両年金積立金運用をどのように行なっていくかは年金制度の今後の発展にきわめて密接な関係を有する問題であり、また、国民がつとに重大な関心を寄せているところであると存ずるのであります。  政府といたしましては、これらの積立金が、被保険者事業主から集められた零細な保険料の集積である点にかんがみまして、かねてからその性格にふさわしい運用方法種々検討いたし、また、資金運用部資金運用審議会社会保障制度審議会国民年金審議会などの各種審議会の御意見もあり、昭和三十六年度におきましては、積立金を被保険者福祉増進のために運用する一つ方法として従前から行なわれている厚生年金還元融資と、さらにこれとほぼ同様の性格において新規に開始いたします国民年金特別融資とのワクを、積立金増加額の二五%、すなわち厚生年金国民年金を合わせて三百三十五億円に増額いたしたのであります。  しかしながら、従来から行なわれております厚生年金還元融資のうち地方公共団体を通じて民間に転貸される部分は、この転貸という方式に伴い融資先等におのずから制約がある等種々の不合理な点があるのであります。  これを改善し、還元融資及び特別融資を円滑に実施するため年金福祉事業団設置せんとするものであります。すなわち資金運用部から資金を借り入れて、これを直接厚生年金国民年金及び船員保険の被保険者福祉増進に必要な施設設置または整備しようとするものに貸し付ける特別の法人を設置ぜんとするのでありまして、昭和三十六年度におきましては、厚生年金国民年金還元融資の総ワク三百三十五億円のうちから地方公共団体以外のものに直接貸し付ける分として五十億円がこれに充てられることとしております。なお、本事業団は、当面、右の融資を行なうことを主たる事業とすることといたしておりますが、厚生年金国民年金船員保険の各法に基づく福祉施設設置または運営する道を開くことといたしているのであります。  本法案は、このような事業団設立の趣旨に基づいて事業団の目的、融資の相手方や融資の対象となる事業等業務範囲を定めるとともに、役職員の任命など事業団の組織に関すること、予算、決算その他会計の方法事業団業務についての厚生大臣監督等について規定しているものであります。  以上が、この法律案を提出いたしました理由であります。  次に、児童扶養手当法案について、その提案理由並びにその要旨を御説明申し上げます。  政府は、かねて児童福祉施策充実に努めて参ったのでありますが、父母離婚後父と生計を異にしている児童、父と死別した児童、父が廃疾である児童等については、社会的経済的に多くの困難があり、これらの児童を育てる家庭所得水準は、一般的にいって低い場合が多く、児童扶養の資に欠ける事例が見られるのであります。  政府といたしましては、このような事情に対しまして、社会保障制度の一環として母子家庭児童及びこれに準ずる状態にある児童について一定手当支給する制度を設け、これによって児童福祉増進をはかりたいと存じ、この法案を第三十八回通常国会に提出いたしましたが審議未了となりましたので、衆議院社会労働委員会において修正可決されました内容をそのまま取り入れて再度本国会に提出いたした次第であります。  次に児童扶養手当法案内容についてその概略を御説明申し上げます。  第一に、支給範囲でありますが、この手当は、父母離婚、父の死亡等理由義務教育終了前の児童を母が監護している場合及び父母のない義務教育終了前の児童父母以外の者が養育している場合に支給することといたしております。ただし、すでに公的年金制度による年金を受けている場合またはその所得が十三万円に児童一人につき三万円を加算した額以上である場合等には、支給しないことといたしております。  第二に、児童扶養手当の額でありますが、月額で児童が一人の場合は八百円、二人の場合は千二百円、三人以上の場合は、千二百円に三人以上の一人にっき二百円を加算した額を支給することといたしております。  第三に、児童扶養手当に関する費用でありますが、給付費及び事務費とも全額国庫で負担することといたしております。  第四に、施行期日でありますが、昭和三十七年一月一日から施行いたすことといたしております。  以上が児童扶養手当法案提案理由及びその要旨でございます。  次に、通算年金通則法案及び通算年金制度を創設するための関係法律の一部を改正する法律案についてその提案理由を御説明申し上げます。  国民年金制度が創設され、本年四月から全国民がいずれかの公的年金制度適用を受けることとなったのでありますが、いままで厚生年金保険船員保険各種共済組合など多くの公的年金制度が大部分相互に関連もなく創設され、実施されて参りました関係上、一つ制度において年金を受けるに必要な資格期間を満たすことなく他の制度に変わった者につきましては、いずれの制度からも年金制度による所得保障が行なわれないという欠陥があったのであります。従いまして、真に全国民に対する年金による所得保障の体制を確立するためには、一方において公的年金制度適用を全国民に及ぼすとともに、他方において各制度の間の資格期間通算措置を講ずることが必要とされていたのであります。今回の両法案は、各公的年金制度におきまして、その制度における本来の老齢年金または退職年金を受けるに必要な資格期間を満たしていない場合においても、各制度加入期間を通算すれば一定要件に該当する者に対して、通算老齢年金または通算退職年金支給することとし、国民老齢または退職に際しあまねく年金を受けられる道を開こうとするものであります。  次に両法案による通算年金制度の概要を御説明申し上げます。  まず第一に通算年金支給要件でありますが、通算年金は、各公的年金制度加入期間を合算して二十五年以上であるか、国民年金以外の被用者年金加入期間を合算して二十年以上である者に対して、国民年金におきましては六十五歳から、被用者年金におきましては六十歳から支給するものであり、この二十五年という資格期間は、経過的措置として、制度が発足する本年四月一日現在において三十一歳をこえる者につきましては、その者の年齢に応じて十年から二十四年までに短縮することといたしております。  次に通算年金の額でありますが、通算年金の額は、国民年金におきましては通常支給される本来の老齢年金の額をもととして年数に応じて定められた額、被用者年金におきましては厚生年金保険において通常支給される本来の老齢年金の額と同様の水準年金額を保障することといたしました。  第三に被用者年金におきます従来の脱退手当金または退職一時金との調整であります。通算年金支給に必要な費用は従来の脱退手当金または退職一時金の原資をもって充て、この際特に保険料を引き上げる等の措置は避けるものといたしました。しこうして各共済制度におきまして財源に余裕のある場合はその限度において従来の退職一時金を存置することとし、さらに通算年金を受けられなかった者に対しては、返還一時金または死亡一時金を支給することといたしております。  なお、本制度開始一定期間内に退職する者等に対しましては、経過的措置として、本人が特に希望する場合には、従来通りの脱退手当金または退職一時金を支給することができるものといたしました。  最後に本制度は、本年四月一日にさかのぼって実施することといたしました。  本法案は前国会に提出し、審議未了となったのであります。  以上各案につきまして、何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
  5. 中野四郎

    中野委員長 以上五法案についての質疑は後日に譲ります。  次会は、明十二日午後二時より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。午後一時三十三分散会