○今井
説明員 まず、所得倍増計画における航空の今後の見通しにつきましてのお答えでございますが、所得倍増計画の中では、
昭和三十三年度を基準にして四十五年度までに年率約三〇%ずつ旅客並びに貨物の需要がふえるというふうなベースで計画を立てておるように見受けられるのでございますが、実際の
状況を見ますと、三十四年、三十五年、これは最近特に航空需要が急速に伸びた年でございますが、その実際の伸びは、幹線については約五〇%、それからローカル線については四八%という
数字が私どもの調査によりますと出ております。今、
先生がおっしゃいました航空の長期計画の問題について、
あとでお答えいたしたいと思いますが、私どもが一応立てました国内線についての幹線並びにローカル線についての増加の一応の見通しにつきましては、
昭和三十四年度をベースにいたしまして、幹線で年率が約二五%、ローカル線では約二〇%というふうな
程度の非常に手がたい伸びを一応考えておったわけであります。従いまして私どもが考えておりました国内線における航空需要の増加の見通しと、それから三十四年、三十五年における現実の実績というふうなものについて考えますと、所得倍増計画で考えられております年率約三〇%という
数字は割合にかたいところではないかというふうに感じられます。それからなお所得倍増の方では、日本の航空、主として日本航空でございますが、日本航空の国際航空旅客で占める大体のパーセントを、目標達成年次
昭和四十五年においては全世界の六%
程度を日本航空で運びたいというふうな一応の見通しを立てられておるのでございますが、現在三十五年度は全世界の旅客の約一%を運んでおります。これは御承知のように、太平洋線と東南アジア線だけでございます。それ以後の日航の機材の増強計画あるいはまた国際線、特に欧州線の開設その他の
状況からいいまして、今後十年間において六%
程度まで持っていくということは、日本人の特に海外旅客も最近増加しつつある
状況から見ましても、ある
程度妥当な
数字ではないかというふうに考えております。
第二の御質問でございます航空の長期計画はどうなっておるかという点についてのお答えでございますが、長期計画については、御承知のように自民党の航空特別小
委員会におきまして、昨年、
昭和三十五年度におきまして航空の五カ年計画という一応の見通しをお作りになっております。これをお作りになる際におきましては、私どもとしましてはあらゆる
資料その他を提供して下働きをいたしたのでございます。この計画を作ります当時は、
相当大きな計画というふうなつもりで考えたのでございますが、今日その計画を振り返ってみますと、すでに機械計画あるいは空港の建設計画等につきましては、当時の目標よりはさらに大きな伸びを示しておるというふうな
状況でございまして、私どもとしては一応この五カ年計画を事務上の
一つの目標と考えて
努力いたしておりますが、実際はさらにそれより上回った実績が上がりつつあるという
状況でございます。従いまして、政府として、航空につきましては特に機材あるいは路線というようなものが進展きわまりない
状態でございますので、あまりはっきりした、拘束されるような長期計画を政府に作ってしまうことは、はたしてどうかという感じを持っておりますが、一応そういう目安ということで
努力をいたしておるわけでございます。