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1961-04-05 第38回国会 参議院 本会議 第19号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
三十六年四月五日(水曜日) 午前十一時三十八分
開議
━━━━━━━━━━━━━
議事日程
第十八号
昭和
三十六年四月五日 午前十時
開議
第一
議員辞職
の件
━━━━━━━━━━━━━
○本日の
会議
に付した案件 一、
日程
第一
議員辞職
の件 一、
裁判官訴追委員辞任
の件 一、
裁判官訴追委員
、
検察官適格審
査会委員
、同
予備委員
、
鉄道建設
審議会委員
及び
東北開発審議会委
員の
選挙
一、
国立国会図書館
の
館長
の
任命
に 関する件 一、
国有鉄道運賃法
の一部を
改正
す る
法律案
━━━━━━━━━━━━━
松野鶴平
1
○
議長
(
松野鶴平
君) 諸般の
報告
は、
朗読
を省略いたします。
————
・
————
松野鶴平
2
○
議長
(
松野鶴平
君) これより本日の
会議
を開きます。
日程
第一、
議員辞職
の件。 一昨三日、
栗山良夫
君から
議員辞職願
が提出されました。辞表を
参事
に
朗読
させます。 〔
参事朗読
〕
議員辞職願
参議院議員
栗山
良夫
私
ごと一身上
の都合により
議員
を辞職いたしたいので御許可賜りたくこの段お願ひ申上げます
昭和
三十六年四月三日右
栗山
良夫
参議院議長松野鶴平
殿 —
————
————
————
松野鶴平
3
○
議長
(
松野鶴平
君)
栗山良夫
君の
議員辞職
を許可することに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
松野鶴平
4
○
議長
(
松野鶴平
君) 御
異議
ないと認めます。よって許可することに決しました。
————
・
————
松野鶴平
5
○
議長
(
松野鶴平
君) この際、お諮りいたします。
太田正孝
君から、
裁判官訴追委員
を辞任いたしたいとの申し出がございました。これを許可することに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
松野鶴平
6
○
議長
(
松野鶴平
君) 御
異議
ないと認めます。よって許可することに決しました。
————
・
————
松野鶴平
7
○
議長
(
松野鶴平
君) この際、
日程
に追加して、
裁判官訴追委員
、
検察官適格審査会委員
、同
予備委員
、
鉄道建設審議会委員
及び
東北開発審議会委員
各一名の
選挙
を行ないたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
松野鶴平
8
○
議長
(
松野鶴平
君) 御
異議
ないと認めます。
前田佳都男
9
○
前田佳
都男君 ただいまの
選挙
は、いずれもその手続を省略し、
議長
において指名することの
動議
を提出いたします。
光村甚助
10
○
光村甚助
君 私は、
前田
君の
動議
に
賛成
いたします。
松野鶴平
11
○
議長
(
松野鶴平
君)
前田
君の
動議
に御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
松野鶴平
12
○
議長
(
松野鶴平
君) 御
異議
ないと認めます。 よって
議長
は、
裁判官訴追委員
に
松野孝一
君、
検察官適格審査会委員
に
中村順造
君、同君の
予備委員
に
田上松衞
君、
鉄道建設審議会委員
に
松澤兼人
君、
東北開発審議会委員
に
鈴木壽
君を指名いたします。
————
・
————
松野鶴平
13
○
議長
(
松野鶴平
君) この際、
日程
に追加して、
国立国会図書館
の
館長
の
任命
に関する件を
議題
とすることに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
松野鶴平
14
○
議長
(
松野鶴平
君) 御
異議
ないと認めます。
国立国会図書館
の
館長
の
任命
は、両
議院
の
議長
が、両
議院
の
議院運営委員会
と協議の後、
国会
の承認を得て、これを行なうこととなっております。
議長
は、
衆議院議長
と協議いたしまして、
国立国会図書館
の
館長
に
鈴木隆夫
君を
任命
することとし、これを
議院運営委員会
に諮りましたところ、
異議
がない旨の
決定
がございました。
鈴木隆夫
君の
任命
を承認することに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
松野鶴平
15
○
議長
(
松野鶴平
君) 御
異議
ないと認めます。
————
・
————
松野鶴平
16
○
議長
(
松野鶴平
君) この際、
日程
に追加して、
国有鉄道運賃法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
、
衆議院送付
)を
議題
とすることに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
松野鶴平
17
○
議長
(
松野鶴平
君) 御
異議
ないと認めます。まず、
委員長
の
報告
を求めます。
運輸委員長三木與吉郎
君。 —
————
————
————
〔
三木與吉郎
君
登壇
、
拍手
〕
三木與吉郎
18
○
三木與吉郎
君 ただいま上程になりました
国有鉄道運賃法
の一部を
改正
する
法律案
につきまして、
運輸委員会
における
審議
の経過並びに結果を御
報告
申し上げます。 本
法律案
につきましては、去る三月十日、本
会議
におきまして
政府
より
提案理由
の
趣旨説明
を聴取しておりますので、ごく簡単にその要点を申し上げます。
国鉄
は、
政府
の
所得倍増計画
に対応し、
総額
九千七百五十億円を要する、本
年度
を第一
年度
とする第二次五カ年
計画
を策定し、
経営
の
健全化
と
輸送力
の
増強
をはかることを
目的
としておりますが、それに要する
資金
の一部を調達する
方法
として、今回二等
普通旅客運賃
の
賃率
を三百キロまでは一四・六%、三百一キロ以上は一二・五%引き上げ、一等の
運賃
は二等の一・六六六倍、
通行税込み
二倍とし、
貨物運賃
についてはおおむね一五%の
値上げ
をしようとするのが、この
法律案
の要旨であります。 この
法律案
は、三月二十五日、
衆議院
より
送付
を受け、同日
運輸委員会
に付託されましてから、ほとんど連日慎重に
審議
を重ね、その間、
農林水産委員会
及び
商工委員会
と
連合審査
を行ない、また、
公聴会
を開催し、広く各方面の
意見
を聴取して参りました。
委員会
の
審議
にあたりましては、各
委員
から、
国鉄運賃決定
の原則、
国鉄
の
公共性
と
企業性
の
関連
、
国鉄運賃値上げ
の
国民生活
に及ぼす
影響
、
国鉄
の
公共負担
、
公共料金
の
値上げ抑制
による
国鉄運賃
との
調整
、第二次五カ年
計画
と
所得倍増計画
との
関連
、第二次五カ年
計画
の
資金計画
、
国鉄職員
に対する
仲裁裁定
と第二次五カ年
計画
の
遂行等
の諸問題について、熱心に
質疑
が行なわれました。これらの
質疑
については、
運輸大臣
、
大蔵大臣
、
経済企画庁長官
その他
政府委員
及び
国鉄総裁等
より答弁及び
説明
がありましたが、その中で、第二次五カ年
計画
中は
国鉄運賃
の
値上げ
は行ないたくない旨、また、
仲裁裁定
の
完全実施
については第二次五カ年
計画
の
遂行
に
支障
を来たさないよう努力する旨、及び、今回の
運賃改訂
にあたっては、現に
政策割引
を行なっている物資については、個々に
差別運賃
を設けず、同率の
改訂
を行なう旨明らかにされました。 なお、さらに、
日本社会党
の
大倉委員
の
質疑
中、
自由民主党
の
村上委員
よりの
質疑打ち切り
の
動議
に基づき、
質疑
は終局し、直ちに
討論
に入りましたところ、
天埜委員
より、本
法律案
の
施行期日
を公布の日の翌日からに改める
修正動議
が提出され、さらに
自由民主党
を代表して
賛成
の旨の
意見
の開陳があり、続いて、
日本社会党
を代表して
大倉委員
より
反対
の
討論
、
民主社会党
を代表して
片岡委員
より
反対
の
討論
、
参議院同志会
を代表して
加賀山委員
より
賛成
の
討論
、
最後
に
白木委員
より
反対
の
討論
がありました。 以上で
討論
を終わり、採決に入り、まず
天埜委員提出
の
修正案
について採決いたしましたところ、多数をもって可決すべきものと
決定
し、次いで
修正部分
を除く原案について採決いたしましたところ、これまた多数をもって可決すべきものと
決定
いたしました。 よって本
法律案
は修正議決すべきものと
決定
いたしました。 以上御
報告
申し上げます。(
拍手
)
松野鶴平
19
○
議長
(
松野鶴平
君) 本案に対し、
討論
の通告がございます。順次発言を許します。
重盛群治
君。 〔
重盛壽治
君
登壇
、
拍手
〕
重盛壽治
20
○
重盛壽治
君 私は、
日本社会党
を代表しまして、ただいま
議題
となっている
国有鉄道運賃法
の一部を
改正
する
法律案
に対し、わが党は絶対
反対
でありますので、その
理由
の
説明
をいたします。 私は、きょうは
池田総理大臣
が見えておらぬのははなはだ遺憾である。この
法案
を上程すること自体は、
池田内閣
がいわゆる
国民
に対する
公約違反
をしている
最大
なものであると言わなければならない。特に、この
法案
を
審議
するにあたって、
衆議院
の
審議
の
状態
もさることながら、
参議院
におけるところの
審議
の
状態
も、ただいま
三木委員長
から
報告
があったのでありますけれども、あのように、どういう
理由
で
反対
がなされ、どういう
審議
がされたかの
内容
にも触れることのでき得ないような
審議
のありさまであった。いわんや昨晩における
質疑打ち切り動議
のごときは、
参議院
の
特殊性
を喪失するのではないかとすら危ぶまれるような
状態
であったことを、はなはだ遺憾とするものであります。 私は、まず、
国鉄運賃
の
改正
はしばしば行なわれておるのでありますが、今度の
運賃
の
改正
ほど、時期的に見て不適当であり、その
事由
とするところにも
納得
のいかない点が非常に多くあることを、感ぜずにはおられないのであります。 まず第一に、
物価
に対する
影響
でありまするが、ここで御
承知
のごとく、
旅客運賃
を一四・六%引き上げる、さらに
貨物運賃
を一五%という大幅な引き上げをするといたしますならば、この
国鉄運賃
は、現在あらゆる
物価
が
上昇
しておる、その
物価上昇
の気配にますます
拍車
をかけ、いわゆる
値上げムード
を刺激し、
国民生活
を
必然
的に圧迫する結果になるのであります。これに対し、
政府
は、この
程度
の
国鉄運賃
の
値上げ
が
物価
に与える
影響
はきわめて少なく、
国民生活
には〇・一%ぐらいであり、
卸売物価
にはほとんど
影響
するところはないと言っているが、大体、
総理大臣
や
運輸大臣
は自分で物をお買いになったことがあるかどうか存じませんけれども、現実の値段はおわかりにならないのであります。今日の
経済状態
はそんななまやさしいものではありません。特に
生活必需品
は一〇%から二〇%の
値上がり
を示し、さらに
貨物運賃
が一五%も上がるとするならば、当然これは、これに、はね返ってくる。
池田内閣
が実行もできないところの
所得倍増論
を打ち出したために、
国民
はいかに苦しんでいるかも御存じないのでありましょう。
物価値上げ
の情勢はすでにすさまじい勢いで
国民生活
に迫ってきておる。そのきっかけを作ったのは、何といっても
池田総理
のいわゆる
所得倍増論
であり、
高級所得者
あるいは各
級議員給与
の増俸であるとさえ酷評をせられているではありませんか。さらにまた、これに
拍車
を加えるがごとき問題が、今回の
国鉄運賃
の
値上げ
であります。最近の
物価値上げムード
を、これを何とかして押えなければいかぬ、このような形から、うろたえた
政府
は、一方において
国鉄運賃
の
値上げ
の
法案
を出し、
国会
で
国鉄運賃
の
値上げ
をしながら、
公共料金
の
値上げ
は全部
ストップ
するのだ、これは一体どういうことでありますか。
公共料金
の
値上げストップ
の
措置
をとるという大きな
矛盾
をあえてして、てんとして恥じないということは、反面、
公共料金
の
値上げ
の
ストップ
をするということとは、全く違ってきておる。私は決して
中小企業
の困っておる
人たち
の値を上げていいということではないが、
公共料金
の
値上げストップ
をするといっていながら、
中小企業
や
公企業
の方のことは全然考えておらない。
国鉄
の
経営
よりさらに苦しい
内容
を持っておる
事業者
は、
公共性
をしいられ、その
運営
に行き詰まりを来たしておる。中には倒産、破産する者もあり、
従業員
が離職の寸前にある者もいる。こういうものを
値上げ
をしていいとは決し言わぬけれども、いわゆる
値上げムード
を押えるために、
国鉄運賃
の
値上げ
だけは認め、
事由
のいかんを問わず
公共料金
の
値上げストップ
の
行政措置
をとるということは、本末転倒もはなはだしきものといわなければなりません。
政府
も
物価
の
値上がり
を喜んでいるわけでもありますまい。
政府
が
値上げムード
を押える
措置
を望むのならば、なぜ、全国的に
組織
を持ち、全
国民
の心理に大きな
影響
を与える
国鉄運賃
のすみやかな
値上げ停止
をしないのであるか。これが
最大
の
効果
を現わすものでありましょう。従って、
公共料金
の
値上げストップ
の
行政措置
を閣議できめる前に、この
法案
の撤回をやるべきである。それから後の二次的な
措置
で、しかるべき
方法
をとるのが、今度の
国鉄運賃法
の
改正
でなければならぬ。もちろん、
国鉄運賃法
の
改正案
を引っ込めれば、その必要もないでありましょうし、
経済
は平静に返ってくる。
国民生活
は安定を取り戻して、全く
経済状態
も緩和されてくる。けれども、
政府
のやり方は全く逆であって、この
法律
を成立させるためには、いなかのバスの
料金
の
値上げ
まで押えようとしている
矛盾
が現われている。私は、政治は、
基本
を正しくして、
国民
の安心してついていける
信頼感
のあるものでなければならないと思う。今回の
国鉄運賃
の
値上げ
に残念ながらそのような点は少しも感じられないのであります。 しからば、今回の
国鉄運賃
の
値上げ
を必要とする
国鉄
の新五カ年
計画
に、
運賃
の
値上げ
の
合理性
が認められるかといいますと、これまた、はなはだ残念でありまするが、
納得
のいきかねる点ばかりたくさん包含しておる。
反対
の
事由
の第二に私はこの点を申し上げておきますが、
政府
及び
国鉄
の
説明
するところによりますと、
国鉄
は、
政府
の
所得倍増計画
に見合うよう
輸送力
の
増強
をするため、現に
進行
中で四年目を迎えた五カ年
計画
をここで打ち切って、三十六
年度
を初
年度
とする新五カ年
計画
を樹立し、その
所要資金
の一部として、
利息
のつかない
自己資金
を得るため、
運賃値上げ
を行なおうとするものでありまするが、
国鉄
の
輸送力増強
は、
政府
の
説明
を待つまでもなく、当然、
国鉄
としてなすべきことでありましょう。現に
進行
中の五カ年
計画
もその
目的
に沿うものであるが、四年目においてその
達成率
八〇%であるべきところ、六七%にしかなっておらぬ。こういうことでありまして、その
見通し
を誤ったからだと言っておりますけれども、これは明らかに
政府
並びに
国鉄
の怠慢であり、その責任を私どもはあくまで追及しなければならないのであります。しかるに当局は、現在の五カ年
計画
の失敗が、その
見通し
の悪かったことにあったことをたな上げにし、再び新しい五カ年
計画
を策定し、
利用者大衆
の
犠牲
においてその
達成
をはかろうとしているのであります。ゆえに、この新五カ年
計画
が
十分妥当性
があるものでありますならば、
国民
の支持を受け得ることも可能でありましょうが、そうではない。その
計画
に全くずさんなものがあり、その
所要資金
のごときは、
運賃
の
値上げ
によって依存するというような構想をえがいておりまするが、このようなことは断じて許さるべきではございません。そのような観点から、新五カ年
計画
を検討いたしてみまするに、今後急速な発展が予想せらるる
道路交通
、ことに
都市交通等
において、大いに検討を加うべき余地が残っておると思いまするが、また
計画
全体を通じて見まするに、
年度別資金計画
、同
要員計画
というような具体的な事項をつまびらかにいたしていない。五カ年
計画
全体の
資金
は、
投資
は九千七百億余と申されておりますが、
年度別予定工事量
に見合う
資金計画
が伴わなければ、現に
物価
の
上昇
を見ておりまする現在、はたして、言うところの
投資
で
所要
の
効果
をおさめ得るかどうか疑いなきを得ないのであります。新五カ年
計画
においても、
国民
は、再び現五カ年
計画
と同じ轍を踏むのではないかという不安を抱かなければならないでありましょう。この点については、
国鉄
はすでに
前科者
であります。よほどの決意を持ってその
計画
を
国民
の前に示さなくては、
国民
は安心して
国鉄
の
計画
を支持し
運賃
の
値上げ
に応ずるわけにはいきません。また、
要員計画
については問題はさらに深刻である。新五カ年
計画
において相当の
事業量
の
増加
が予想され、これに伴う
要員
の
増加
が見込まれねばならぬのでありますが、一方、
合理化
による
要員調整
もあろうが、全体として
要員増
となるのは当然であり、この予想せらるる
要員
の
増加
に対し、適切な
措置
を欠く場合には、現在
職員
の
労働強化
をしいることは
必然
であり、そのために生ずる
一般サービス
の低下、新五カ年
計画
の
達成
も困難となるでありましょう。このことは、最近の事象に現われている
国鉄幹部
の
労務管理
に対する
基本
的な
考え方
からして、
必然性
を持つものと思うのであります。言うまでもなく、
事業
には人の和が必要であることは当然であります。ことに、
国鉄
のような全国的な
組織
においては欠くことのできざる
重大要素
であります。
国鉄一家
というような言葉は、時に、
国鉄
にとって悪い印象を与える代名詞のようにいわれておったのでありますが、元来はそうではなく、和合の精神を教えたスローガンであったはずであります。
一家
の和を保ってこそ業務の業績が向上せられ、
時代
に即応せる新しい
計画
が
達成
せられると思うのでありまするが、しかるに最近における例をとるならば、三・一五闘争に対し、間髪を入れず、前例を見ざるところの過酷な処分をあえて実行した
国鉄幹部
の
基本
的な態度は、人の和を
最大
のモットーとする
国鉄事業
にとってまことに遺憾千万であって、
国鉄幹部
がかかる
考え方
を捨てざる限りにおいては、人の和は望み得なく、かりに新五カ年
計画
を
決定
しても、これの
達成
に
一大支障
を来たすことは当然であります。その結果、迷惑をこうむる者は、
輸送力増強
の甘言に迷わされ、
運賃値上げ
を強行させられた
国民
であります。私は、
国鉄経営
の
基本方針
が変わらざる限り、何回
運賃
の
値上げ
をいたしましても、新しい
計画
の
実施
は困難であると思うのであります。よって、
国鉄
の現在の五ヵ年
計画
はなお一年分残っております。今までの古いのが一年分残っておるのだから、その
達成
に努力をする、そうして新五カ年
計画
は今後の
経済状態
の推移を見きわめ、
時代
に即応して向上的なものに練るためにも、一年延期されるのが適当と思うのであります。そうすれば、
国鉄運賃
の
値上げ
はその必要がなくなり、
物価値上げ
の
一般的ムード
も自然解消することに役立つのであります。
最後
に私は、
国鉄
がその
輸送力
の
増強
を焦眉の急として、あえて新五カ年
計画
を強行する場合におきましても、その
所要資金
を調達するにあたって、
運賃値上げ
という
国民
に
犠牲
をしいる行為によることなく、他の
方法
によって調達すべきものと考えているのであります。第三点としてその点を申し上げますが、すなわち、今回の新五カ年
計画
におけるような
資本的支出
を伴うものにあっては、債券あるいは
借入金等
、
他人資本
によるべきが合理的であることは当然であります。これを
借入金等
によりますと、その
支払利息
が巨額に達して
国鉄経営
を圧迫する結果になると言っておるが、
国鉄
のこの
計画
は、国の
経済政策
の一翼をになうものである限り、国でその
利子負担
について考慮し、
国鉄経営
の
健全化
をはかるべきが当然であります。今
年度
予算において、国は
国鉄
の
建設線利子補給
の
措置
をとられたが、かようにして
建設
される
新線
は、おそらく
採算
のとれない、いわゆる
赤字路線
であろうと思うのであります。
赤字船建設
のための
利子補給
がせられるならば、国の
産業経済
の成長に大きな
役割
をになう
国鉄
の
輸送力増強
のための
投資
の
利子補給
ができないというのは、いささか
合理性
を欠くものであることを指摘しておかなければならぬのであります。 また今回の
運賃値上げ
により増収を期待しておりまする
程度
の額、すなわち四百八十億
程度
のものは、わが党がかねてから主張をなし、
木国会
に、「
鉄道軌道等
の
事業
における
公共負担
の
国庫負担等
に関する
法律案
」として提案しておりまするところの
趣旨
に基ついて、
国鉄
の
公共負担
を
国庫
で
負担
することにいたしまするならば、今回の
運賃値上げ
の必要は断じてないのであります。現在、
国鉄
は、御
承知
の通り、
公共企業体
という、
公共性
半分、
企業性
半分の
特殊法人
でありますために、
公共性
と
企業性
との間にはさまれて、
公共性
をふりかざされて多くの
負担
を余儀なくされておる。しかるに、
国鉄
の
経営
について批判されるときには、これは
企業性
の面だけで大きく取り上げられている実情であります。
国鉄
が
企業体
である以上、その
独立採算性
を強調される
理由
は一理なしとしません。けれども、
公共負担
、特に国の
政策
に基因するところの
公共割引等
の
負担
は、国においてこれを
負担
するのが当然であります。現在
国鉄
が
負担
している
公共負担
は五百二十五億といわれているが、
企業体
としては過当な
負担
であり、
国鉄経営
を
危機
に導く要因を蔵するものと思うのであります。 若干古いことになりまするけれども、
戦争
中の
国鉄
は、
輸送力増強
、
戦争
の
基本
的な大きな力であると言うておだてられて、大いに活用された。そうして黒字が出れば
国庫
に納入し、あまつさえ
臨時軍事費
まで出しておると聞いておるのであります。そうした
国鉄
が戦後の復興はだれがやったか。みずからの力でやってきた。
戦争
に参加した多くの者が何らかの形で補償を受けておるときに、
ひとり国鉄
のみが国の
犠牲
に甘んじなければならぬということは、これはあり得べからざることであろうと考えるのであります。
松野鶴平
21
○
議長
(
松野鶴平
君) 結論を急いで下さい。
重盛壽治
22
○
重盛壽治
君(続) はい。——従って、
国鉄
の
危機
にあたり、新五カ年
計画
の一端を国が
負担
することは当然だとも言えます。そのことにより、
運賃値上げ
の必要がなくなり、単に
国鉄経営
の
健全化
に貢献するにとどまらず、
国民大衆
の生活安定と諸
物価
の
値上がりムード
の解消に役立つこと、これより大なるものはないのであります。 終わりに臨んで、私は、
総理大臣
がおりませんが、
国民生活
の向上をはかって
国家経済
の
恒久対策
を考慮せらるるならば、この際、
国鉄運賃
を始めとする一切の
公共料金値上げ
を直ちに
ストップ
せられんことを要望して、私の
反対討論
を終わります。(
拍手
) —
————
————
————
松野鶴平
23
○
議長
(
松野鶴平
君)
金丸冨夫
君。 〔
金丸冨夫
君
登壇
、
拍手
〕
金丸冨夫
24
○
金丸冨夫
君 私は
自由民主党
を代表して、ただいま上程せられました
国有鉄道運賃法
の一部を
改正
する
法律案
に対して、
賛成
の
討論
を行なうものであります。 まず、
国有鉄道
の
輸送力
は近年見るべき
増強
が行なわれておりまするが、なお、最近の
わが国経済
の著しい進展に伴って、
旅客
、
貨物
とも
輸送需要
をまかないきれない
状態
となっております。すなわち、
わが国産業
の動脈として
国有鉄道
に課せられている
役割
はまことに大なるものがあるにもかかわらず、現下の
輸送力
不足は、これが多大の障害となっており、しかも、
政府
の発表した
所得倍増計画
を今後
遂行
するためには、とうてい一現在の
輸送力
をもってはまかなうことができず、このまま放置することは許されない
状態
となっておるのであります。このようなときにあたって、
国有鉄道
が新五カ年
計画
を策定し、新しい事態に対処しようとしているととは、まことに時宜を得た
措置
であると考えるのであります。すなわち、この
計画
は、
輸送力
の拡充を第一義として、
主要幹線
千百キロの
複線化
を行ない、さらに千八百キロに及ぶ
重要線
を電化し、電化せられない区間に対しては全面的に
ディーゼル化
をはかり、またこれに必要なる車両の
増備
を行なわんとするものであり、このほか東海道新
幹線
の
建設
を促進して、将来にわたり大
幹線
の
輸送力
を確保せんとするものであります。この新五カ年
計画
の
所要資金
は
総額
九千七百五十億円であって、
昭和
三十六
年度
においては二千百五十億円に上る
資金
を必要とすることになっております。しかし、この中には、
通勤対策
、
幹線輸送力増強
、
踏切設備
の
改良
、取りかえ、及びその他の諸
改良
など、約千二百億円に及ぶ、
採算
を度外視しても
実施
しなければならない
工事費
が含まれておるのであります。このため
国鉄
といたしましては、新五カ年
計画
を
遂行
するにあたって、もし
運賃値上げ
を行なわずに、その不足する全額を
借入金
によるといたしますならば、新五カ年
計画完成
の年である
昭和
四十
年度
においては、
長期借入金
の残高は一兆一千億円となり、これは
国鉄財政
の現状から見てとうてい
利子負担
にたえられないものとなるのであります。従って、この際としては、
外部資金
の調達によって極力新五カ年
計画
の実現を期するはもちろんでありますが、一方、
利子
のつかない
自己資金
をある
程度
調達することが必要とされるのでありまして、この点から、今回の
運賃値上げ
は、
国鉄経営
の
健全化
をはかるために真にやむを得ない
措置
と存ずるのであります。 次に、
運賃値上げ
と
物価
の関係を見まするに、
現行運賃
は、
物価指数
において、
昭和
十一年を基準として、
普通旅客運賃
は一五四倍、
通勤定期運賃
は一一五倍、
通学定期運賃
は九一倍であり、
貨物運賃
は一九一倍であります。これに比較して
一般
の
物価
は、東京の
小売物価
を例にとりますと二九七倍となっておりい
郵便はがき
は三三三倍、新聞は三八一倍、理髪は四六六倍、入浴は三二〇倍になっております。これらに比べれば、
国鉄運賃
は、今回の
改訂
が行なわれても、
貨物
二一四倍を最高とし、通学定期のごときはわずかに一〇五倍にすぎず、非常に低位にあると思われるのであります。さらに、今回の
値上げ
率は、
旅客
において一四・六%、
貨物
においておおむね一五%の
値上げ
となっておりますが、この
程度
の
値上げ
は、
昭和
二十六年以来三回の
運賃改訂
の事例に徴しても、
卸売物価
には
影響
せず、
小売物価
に対しても僅々〇・一%
程度
の
影響
であると予想せられるのであります。むしろ現在では、最近の裏日本の大雪の場合に見ますごとく、輸送の円滑を欠くことによって物資の流通に障害が起こり、かえって
物価
騰貴を招く場合の
影響
を無視するわけにはいかないと思うのであります。 次に、
国鉄
が公共
事業
であるという見地から、現在多額の
公共負担
を背負っておることは御
承知
の通りでありますが、この点につきましては、国家の
政策
によって
負担
しておるのであるから、国家から
資金
援助をすべきであるなど、種々
意見
のあるところであります。しかし、現在の約五百二十五億円に上る
公共負担
が全額
政府
出資ということになれば、国家財政上の困難はもちろんであるが、さらに、
国鉄
を利用する
国民
層は、国内の輸送で四七%にすぎないのでありまするから、
国民
全体の納付すべき税金で全部をまかなうことは
負担
の公平を期し得ないものであり、かりにこの
方法
をとるとすれば、全国一戸当たり約二千円の税金をよけいに
負担
しなければならないことになるのであります。従って、今回は
国鉄
が必要とする
資金
については、むしろ
国鉄
の
輸送力
の
増強
によって利益を受ける直接の
旅客
、荷主にもその幾分の
負担
をせしめることが適当であると思うのであります。しかしながら、多額に上る
国鉄
の
公共負担
の実情から考えまして、将来ともこれを全く放置するのは適当でないと考えられますので、今回
政府
においては、一部ではありますが、
新線
建設
の
利子補給
の道を開き、国家財政により
負担
することとしたことは妥当な
措置
と考えるものであります。なお、この
公共負担
の限度等については、
国鉄
の正常な
運営
という観点から、今後
政府
においてもさらに検討すべきものであると思うのであります。 次に申し述べたいことは、
国鉄
の
経営
合理化
はどうなっているかという点でありますが、最近の
国鉄
は、積極的に増収の努力を払い、その成果は見るべきものがあると聞いておりますが、一方において、消極的な増収策となるものについても今後とも努力を続けてほしいと思うのであります。まず、経費の節減でありますが、人件費については、ベース・アップを別にして、この十年ばかりの間はほとんど定員をふやさず、生産性の向上に努めているものの、なお業務の
合理化
等残されており、石炭費などの動力費や修繕費についても、これまで以上の努力を続けて、極力経費の削減を行なってもらいたいのであります。土地、建物の貸付や広告収入などの
増加
、不用財産の売却、資材購入の
合理化
等についても一そうの努力を期待いたします。
最後
に、今回の
仲裁裁定
についてでありますが、
政府
は、この裁定を受諾、実行することを明らかにいたしましたが、その結果として、
国鉄
の
負担
増は年間二百億円に上ることになり、これは今回の
運賃値上げ
による実収額四百八十六億円の四割一分に相当するもので、
国鉄
の新五カ年
計画
に
支障
を生ずるのではないかとの疑義を抱く向きもありますが、
政府
としては、
仲裁裁定
全体において、誠意を持ってその
措置
を講じ、五カ年
計画
にはごうも
影響
を及ぼさないことを明言しておりますので、
国民
はこの
政府
の
措置
を信頼して差しつかえないと思うのであります。 要するに、今回の
運賃改訂
は、
国鉄
に対して、
国民
の
国鉄
たるべき使命を完全に果たさせようとするのがそのねらいであります。従って、現在
計画
されている新五カ年
計画
の
達成
はもちろんのこと、あらゆる機会に、人的、物的のサービスを向上し、快適な輸送、円滑な運送を
国民
は期待しているのでありますから、これらを実現する前提として、私は、今回の
運賃改訂
は真にやむを得ないものと考え、
賛成
をいたす次第であります。(
拍手
) —
————
————
————
松野鶴平
25
○
議長
(
松野鶴平
君) 片岡文重君。 〔片岡文重君
登壇
、
拍手
〕
片岡文重
26
○片岡文重君 私は、この際、
民主社会党
を代表して、
国有鉄道運賃法
の一部を
改正
する
法律案
並びにその
修正案
に対して
反対
の
討論
をいたしたいと存じます。
反対
の第一は、このたびの
国鉄運賃
の
改正
は、明らかに
池田内閣
の
選挙
公約の重大なる違反であるということであります。昨年十一月行なわれました
衆議院
選挙
の前後を通じて、私どもは、明らかに
国鉄運賃
の
値上げ
が予見される事態であったことを告げたのにもかかわらず、
池田内閣
は、その
運賃値上げ
を否定し、もしくは、ひた隠しに隠しつつあったのでありますが、
選挙
後直ちにこの
改正案
を提出した。明らかにこれは、その欺瞞せんとする意思のあったか、なかったかということは別にしても、
国民
を欺瞞したことに変わりはないのであります。まさに許しがたきやり方であると言わねばなりません。
反対
の第二の
理由
は、
池田内閣
に何らの交通
政策
がないということであります。ひとり
池田内閣
ばかりではなしに、歴代保守党内閣が総合的な交通
政策
を持っておらなかったことは、ここに私が申し上げるまでもなく、
国民
周知のところであり、今後も総合的な交通対策を樹立せんとする誠意が少しも認められないのであります。その結果、都市を中心とする交通混雑を引き起こし、ひいては、通勤緩和等のために、
国鉄
だけが
採算
を度外視した不当な
投資
を強制される結果となるのであります。 第三の
理由
は、
国鉄
に対する
政府
の認識がはなはだ
時代
おくれである。戦後における交通機関の急激な発達に伴って、
国鉄
は今日戦前の独占的企業から激しい競争場裏に置かれているのであります。独立
採算
を維持することすら困難な営業キロ数は、実に一万六千百七十二キロ、総営業キロの七九%にも及んでいるのであります。しかるに、
政府
も
国鉄
自身も、口先では競争企業になったといいながら、依然として正確なる競争企業の実態を把握いたしておりません。 第四の
理由
は、
国鉄
の
公共負担
が重きに過ぎるということであります。このことは、行政管理庁、
国鉄
監査
委員会
、
国鉄
諮問
委員会
等々、
国鉄
の
経営
内容
を検討したすべての機関がひとしく認めているところであり、諸外国においても、公共的性格の著しい鉄道の
負担
については、いずれも
政府
がこれを補てんしているのであります。わが国におきましても、たとえば都市
計画
に
関連
する諸
工事費
であるとか、踏み切り対策費、通学通勤緩和のための
投資
であるとか、
新線
建設
費等は、いずれも
政府
がその財源
措置
を考うべき性格のものであります。しかるに、御
承知
のように、
政府
は何らこれを考慮いたしておりません。
新線
建設
の
利子補給
三億ということを鬼の首でもとったように自慢をいたしておりますが、
総額
三千三百億に及ぶ
国鉄
収入の中にあって、わずかに三億という金額は、一体どの
程度
の
役割
をするものでありましょうか。しかも、今日作られつつある
新線
建設
は、その作ること自体に莫大なる
投資
を要すると同時に、その
新線
が営業を開始すればますます赤字を積み重ねていくのであります。今後の赤字に対する補償についても、もとより
政府
は考えておりません。 第五の
理由
は、
国鉄
の独立
採算
制ということが全くから念仏であり、
経営
の基盤となるべき
運賃
、
新線
建設
等についても、
採算
は全然度外視されている場合がきわめて多いということであります。
国鉄
総裁は、赤字
増加
の原因となるべきこれら政治路線については、これを拒否する力を与えられておりません。しかし、
経営
の責任については全面的に仮借なき追及を受けるのであります。 第六の
理由
は、
値上げ
内容
の不合理並びに通行税の問題であります。御
承知
のように、今次
改正
の
内容
を見ますれば、二等
運賃
の二倍という現行の一等
運賃
を、二等の一・六六六倍に率を引き下げております。そして二倍との差額を通行税として
政府
が取り上げるのであります。すなわち、
政府
は
公約違反
をしてまでも
国鉄
に
値上げ
をさせなければならないほどの苦しい
国鉄
の経理
状態
を十分に
承知
しながら、なおこれに対して何らの財政的
措置
を講じないばかりでなしに、その上前をはねんとしているようなやり方をしておるのです。まさに責任ある政治家の行なうべきことではないと断ぜられるのではないでしょうか。この結果、二等
運賃
は大幅な
値上げ
となりますが、一等
運賃
は逆に現実に値下げとなるのであります。
値上げムード
のはなばなしい今日において、ただ一つの値下げ異変であります。 第七番目は、
国鉄
当局は、
経営
の
合理化
、経費の節約等に誠意なしとは申しませんが、改善の目をひたすら内側にのみ向けて、すなわち、きわめて消極的であり、増収をはかるのでなくして、みずからの手足をみずからによって窮屈にするやり方にのみ努力しているのであります。その結果、労働条件の改善をはばみ、かつ輸送サービスを低下させるなど、そのしわ寄せを
国鉄職員
と
国民大衆
に負わせていることであります。 第八番目に、第一次五カ年
計画
失敗の反省が十分になされておりません。その責任を思う者もありません。新五カ年
計画
も、聞けば聞くほどその
計画
の
内容
はずさんであり、特に財源
措置
が不十分であります。今次ベース・アップに対する
仲裁裁定
は、今日の
経済
事情からすれば、低過ぎるうらみはあっても決して高過ぎることはありません。企業
経営
の責任の衝にある者としては、社会
経済
の現状からいって、当然この
程度
以上の裁定は容易に予見されたはずであります。しかるに、この二百億の裁定を見たことによって、直ちに新五カ年
計画
の財源
措置
に困難を生じたという答弁を聞くに至っては、
経営
の手腕、はたしてありやいなやを疑わざるを得ないのであります。 これらの諸点を考えまするときに、いかに好意をもってしても今次
改正
に
賛成
するわけには参りません。特に今次の
値上げ
の
影響
が〇・一%ということでありますが、家庭
経済
に現実に与える
影響
は、低所得者ほど甚大であり、ために、これから高校、大学に通学せんとして真剣に努力し来たった前途ある青少年のあたら希望をくじくような事態もひんぴんとして起こりつつあることを、われわれは見のがすことができないのであります。さらに申し上げたい点もございますが、時間の都合もありますので、以上申し上げまして、私の
反対討論
を終わります。(
拍手
)
松野鶴平
27
○
議長
(
松野鶴平
君) これにて
討論
の通告者の発言は全部終了いたしました。
討論
は終局したものと認めます。 これより採決をいたします。本案の
委員長
報告
は修正議決
報告
でございます。 本案全部を問題に供します。
委員長
報告
の通り修正議決することに
賛成
の諸君の起立を求めます。 〔
賛成
者起立〕
松野鶴平
28
○
議長
(
松野鶴平
君) 過半数と認めます。よって本案は
委員会
修正通り議決せられました。 次会の
議事日程
は、
決定
次第、公報をもって御通知いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時二十九分散会
————
・
————