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千葉千代世君 言葉じりをとるようで恐縮ですけれ
ども、多少無理がある——多少どころではないわけです。千五百名に足りないというのは、御
承知のように僻地が非常に多いわけです。山越え野越え行かなければならない僻地の子供は体位も非常に劣っている、いろいろな保健上のたくさんの問題を持っているわけです。それを七校も自転車でかけめぐって行くというと、たとえば
学校へ行きますと、その
学校に始終おりませんから自然おろそかにされて、職員
会議に出ても
系統的な発言もできない、自分の研究も続いてやっていけない。やっぱりその
学校に勤めておって、児童
生徒の家庭
状況を把握して、子供たちの健康状態を一人々々把握していかなければ遂行できないし、
地域の保健所との
連絡もございますし、そうした中でこれが七校も受け持っておったら、とてもやれるものではない。これは人間わざでないということが
一つ。それから置いているという名目だけにすぎない。事実を聞いてみますと、自転車で次から次へ行ってふらふらになってしまって、自分があせっていても何
一つできないじゃないか。特に小
学校の例で申し上げましたが、中
学校でございますと、一校余分に持っているのが三百五名、二校が二百五十二名、三校が二十一名、それから七校が二名もあるわけです。これは秋田でございますが。そうすると、小
学校における養護教員の任務、それから中
学校における養護教員の任務、これはやはり内容については同じなんですが、ウエートのかけ方が違うわけです。端的に申しまして、中
学校でございますと、思春期の
青年男女をかかえておるわけです。そうすると、純潔
指導その他の面においても、養護教員の必要性はどの
学校でもいわれている。修学旅行に行きます場合に、たとえば初潮期がちょうど、年はこのごろ早くなっています、小
学校五年生か四年生と聞きますが、これは非常に例は少ないんですが、中
学校に行きますとほとんどでございます。修学旅行について行くのが、中
学校に女の
先生がだんだん減ります。男の
先生ばかりついて行くわけです。これは男の
先生ばかりで悪いということを言っているわけではございませんけれ
ども、
日本の今の現状の中では、やっぱり女の子の生理に対してほんとうに母親の気持になって、安定した気持でやるとか、もちろんその初潮の最中の子供は行きませんけれ
ども、旅行なんかの精神的な変動があると、これはかなりの数出てくるわけです。そういう問題に対して、ほんとうに
学校保健の
立場から、これをかかえていくということについて、七校受け持っているのが二名もある。これはあるからいい方なんです。いいということはないけれ
ども、ないよりはいいわけで、ないのは、野放しになっているのはうんとあるわけです。そういうことが個々に出てきても、まとめて
文部省の方としてこれを人数をふやしていただくことをしなければ解決していかない。
また兼務しておって、兼務の辞令をもらっているかということを聞いてみたのです。そうしたら、兼務の発令のないのが十一県もあるわけです。全然発令しないでもって。これは違っていたら、
調査をしたら答えていただきたいのですが、私的な
調査でございます、十一県あるのです。そうして発令されていない県が十一県で、四校も五校も持った者に対しては旅費も出ていないというのが現状です。御自分で旅費を出している。その上に、講習会があるというと、自分で旅費を出して講習会に行っている。こういう現状です。それは非常に労働過重と、それから
教育の実績が上がらないことと、それから経済的な面についても、どこからもがんじがらめにされてしまって浮かぶ瀬がないということを
考えてみたときに、これは非常な問題だと思うのです。
もう
一つは、群馬の例でございますけれ
ども、
学校安全会法が発足しましてから、お金の徴収はだれがするかと調べたのです。そうしたら、群馬で養護員が四六%集めている、全体の集める中で。保健主事が一三%、事務担当者が一二%、その他が
一般教員でございますが、これは二九%。そうしてこの
学校安全会法が発足して、その事務を扱う者については何ら規定がございません。そうすると、このしわ寄せが養護教員にかかってきている。こういう現状です。
一般教員にもかかってきている。そうしますと、いい法律ができていいように
考えているのに、こういう点なんか置き去りにされているという現状です。だから非常な問題があるのじゃないかということを
考えるのですけれ
ども、この兼務の問題について、兼務発令のないままに十一県も放置されているのですが、それについても、県の
自主性だから
文部省は何ら
指導する気持もないのでしょうか。