○
矢嶋三義君
文部大臣に伺いますから聞いておって下さい。私はスポーツが好きだし、スポーツにはかなり理解を持っているつもりです。しかし、今
文部省の
答弁を承っても、やっぱり私は問題がある。しばらく静観しているといっても、四月には
入学してしまうわけです。日中関係ならしばらく静観というように、何カ月か一年とかあるでしょうけれ
ども、
入学式というのはすぐ終わって四月には入ってしまうのだから、静観するというのは逃げている感じがする。私は率直に言って、若干一部の方から批判されるかもしれませんけれ
ども。僕は国体とオリンピックというのは、これはケースが少し違う。国民体育大会、ああいう意義で毎年やっているのに、それほどまでして勝たなければならぬのか。僕の郷里の熊本で昨年やりました。若干の選手強化をして、よその人がちょっとびっくりするくらいの成績を上げました。県民もまた自信と誇りを持っており、大成功をしたと思っております。
関係者も私も感謝しておるのですが、しかし、山口県が今度
考えているようにそれまでして勝たねばならないか。確かに三%というのですか、三%、五%、県によれば一〇%ある。これは僕はいい
学区制だと思っておる。いわゆる内藤局長の言う中
学区制の一部的なもので、運用よろしきを得ればいいと思う。それは
美術とか音楽とか特殊なものの場合、それ以外にもあるでありましょう、いろいろあると思う、運用よろしきを得ればなかなかいい
学区制じゃなかろうかと思うのです。それから
美術とか音楽とか、私学が特徴を生かして非常に出色している
学校がありますね。天才的にそういう芸能に秀でておる
子供というものはよく私学に生かされて参る。これは私は私学の私学たる特徴を生かして非常にいいことだと思うのです。山口県の場合、三%を生かすと言われたけれ
ども、それは表面ですよ。
現実的にどう現われてくるか。それが
児童生徒にいかように見られるかというところに問題があるのです。重大だと思う。この今のあなたの答えから言うならば、
現実的には何
学校は何種目と何種目が強い。だからそれの強い
中学校の
子供は三%、その
理由でその
学校へ行く。この
学校なら陸上競技が、水泳が強いとか、二、三種目の特定のものがあるわけですから、その強い
子供はその
学校に行く。こういう形態が出てくるわけですから、三%のワク内で
現実にそれが同年配の
児童とクラスメートにどういうように響くか、どういうふうに見るか。三%のワク内とかワク外とか問題ではないと思う。そういう点から見ますと、公立
学校がそういう
方針でやるということは、私は問題があると思うのです。それで実際に
子供が出した学友会費の
配分なんか違って参ります。そのクラブ活動というものは変わって参りますよ。それで県の体育協会から認定された二、三種目、その特殊の種目のクラブ活動は盛んになる。そのクラブ
委員は
一つの誇りを持ってきます。優越感を持ってきます。他のクラブの連中は劣等感を持ってきます。ひがんできます。そういうことは
教育の場で適当でしょうか。それほどまでして山口県が国体で、
日本国民が一都一道二府四十二県でやるわけですが、そういう場合にそれほどまでして山口県が——
日本の同国内で競技するわけですから、そこでよその県を負かさねばならぬでしょうかね。そういう体育
行政というものは、
教育行政というものはやらなければならぬでしょうかね。私は少しやはりずれているのではないかという感じがするのですがね。全面的には否定しませんよ。しかし、根底にある
考え方と、その
考え方から
現実的に現われた現象面が
児童並びに父兄に及ぼす
影響というものが私は大きいと思う。で、適正なる
指導と
助言と、やや行き過ぎる点については是正してほしい、
助言も私は必要なのではないか、かように思うのですがね。
文部大臣、どういうふうにお
考えになりますか。