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国務大臣(
小坂善太郎君) いわゆるAA諸国の中でインドとパキスタン、これについては、
御存じの
通り、債権者
会議というものが確立されておりまして、一種の相談をしながら工業国で金を出していこうということにいたしております。インドは御
承知のように、ルールケラーの鉄山を
開発するということで、われわれも経済協力をすることにやっておりますのでございますが、その他大きな点で賠償がございますわけでございます。賠償はもとより経済協力ではございませんわけでございますけれ
ども、しかし、これがうまく回転することによりまして、やはり先方も経済も潤うわけでございます。御
承知のように、今年からの新しい問題として、やはりいわゆる南北の問題というのであります。全般的にAAを象徴的に考えるわけでございますが、新しく独立した国に対して工業国から援助していくということが大きな問題として取り上げられております。東西両陣営それぞれすでに南北問題の解決ということで金を出しているわけでございますが、これが一国対一国の
関係で行なわれている面の方が、今申し上げたような全体の債権者
会議というような形で行なわれますよりも大きいわけでございます。そこで、
日本としても昨年
開発援助でグループ、DAGに加入いたしまして、この一翼をになうということになっておりますが、本来はDAGというのは、いわゆる情報の交換
機関であって、それぞれの国がそれぞれに
バイラテラルに経済協力をする、その情報等を交換し合うということで始まったのでございますが、先月にロンドンで行なわれた第四回の
会議では、アメリカが提案をいたしまして、加盟の全体の所得の、国民総生産の一%を目標に金を出して、それでみなで
一つ考えてみようじゃないかという提案がございましたのであります。しかし、この提案は、どうもそういわれても、国民所得だけで
云々されても、必ずしも一人当たりの国民所得という点から見ると、妥当でない面も出てくる。ことにわが国な
ども、これは国民総生産を総人口で割ってみれば相当低いことになるのであります。かたがた賠償の負担もあるしというようなことで、この一%を目標にするということは、
議題としては採択せられずに終わった次第でございます。しかし、今DAGで非常に経済協力を皆で考えていこうという動きがございますが、これの上部機構であるOEEC、これがOECDに来年あたり変わってくる。
日本ではOEEC、これは欧州の経済協力機構でございますが、今度はそうじゃなくて、全体の経済機構というものになりますわけでありますから、
日本はもとよりその加盟国である資格があるのではないかということで、この加盟を要請し、やはり全体の中の
日本も世界経済の中の
日本ということで、大いにこの経済協力の面で推進いたしたいと考えております。しかし、率直に申し上げまして、経済協力をどういうふうにして幾ばくのものをやっていくかということになると、まだ
一つも計画性が
日本にはないといわれても仕方がないような状況でございまするので、
関係いたします大蔵省、通産省、経済企画庁、こういうふうなものと十分に連絡をとりまして、経済協力は必要であるが、どのくらいのものが一体
日本で可能であるか、どういうふうにしたら最も効果的であるかということをさらに進んで検討して参りたい、かように考えます。