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森中守義君 これでやめますが、
郵政大臣、だいぶ長い時間、いろいろ御丁寧な答弁をいただきましたが、その中で私はこういうことが
一つの結論だと思うんです。あなたが言われるように、いかなる時代においても、いかなる
環境の中においても、やはり
労使協調すべく
努力すべきものであろう、しかもそれは善意がなければできないと思うんですね。ところが今善意がない、
郵政省には。すなわち遅配滞留の問題を
一つここにとらえてみましょう。さっき荘監察局長は、個別に見た場合に
管理者の意思というものが十二分に伝達されていない。これは荘局長はさっき認めました。今まで郵務局長は、
管理者に管理
運営上欠けるところが全くないとは言い切れない。お二人ともやはり管理
運営上の
責任、つまり
管理者の
責任ということを認めていらっしゃる。ところがそれらの人が具体的にどういうような
責任をとられたのか、どういう
措置をとられたかということは、残念ながら
衆議院においても参議院においても、この種の問題の
質問に対して答えが出ていない。野放しでございまして、その方はその
責任が問われない。ところが実際問題として、国の行政機関として
事業の遂行に当たる者は、経営権、
運営権、管理権を持っている
管理者なんだ。その
管理者が十二分に職務を果たせない
状態で放置されておる。相手方の
労働組合だけが
責任を問われる。これは何といってもあなたの言われる、いわゆる協調精神といいますか、近代的なよき
労使の慣行を築き上げていく善意があるとは私は思えない。これが今日の
郵政省の中に存在する
労務政策の最大の欠けるものではないか、私はそう思います。
朝日、
読売が、
郵政省においては
労使の安定性を失っておる、こういう指摘をしているのは、私はそういうことを言っていると思う。でありまするから、この際、
郵政大臣が謙虚にそれらのことを反省されて、今こそ正常な
労使の慣行、よき
労使の慣行を作るために、一切のこだわりにかかわらないで、高度な政治的判断によって事態の処理に当たられるべきじゃないかと思う。これがやはり
大臣の逃げることのできない
責任だと、こういうように思うんです。それが第一点。
次の問題は、おおむねそういう要素の中に含まってくると思うのですが、この
質問の中では肯定をされなかった。しかし相手の団体が持っている資金というものが完全に消化されて消耗するならば、その勢力は劣化するであろう。それは何を意味するかといえば、相手に対して屈従を意図し、服従を私は強要するものだと思う。勢いきわめて悪意ある
政策的な
労働干渉だと思う。しかもそういうことが潜在的に今まで築かれてきておる。でありまするから、建設的な、遅配あるいは滞留の解消に
努力はしないで、口をきわめて
労働組合に対決をする。こういうことがすべての要因になってきておると私は思います。こういうことを否定するように、
人事部長は昨年経理局から、非常に枯渇
状態であったけれども、三千万の金をもらって労務対策に流した。みな気持よくいけるようにレクリエーションもやった、意思の疏通ができるようにいろいろなことをやった、こう言われる。それもけっこうです。しかし、それは逆な見方からするならば、それは懐柔です。相手の人格を認めない、相手の存在を尊重しないで、ただ遊ぼう、飲もう、食おう、こういう
労務政策ということは、正常な近代
事業における、近代国家における
労務政策と私は言えないと思う。その辺も私はもっと違った角度から、
労使の原則に立ち帰って、もう一回再検討される必要があると思う。そうしなければ、いつまでたっても遅配滞留は
解決をしない。
郵政省内における
労使の安定性というものは確立されていかない。もうそろそろそういう前時代的な、
労働政策から近代的な
労働政策に転換する時期にきているのじゃないですか。それをやらずして
郵政省の発展はありませんよ。全国で二十七万の大きな世帯の中に、
大臣以下
管理者のファクターというものはきわめて僅少です。郵便、保険、貯金あるいは庶務、会計、こういう全体の
事業の遂行に当たるものは多くの
職員であり、
従業員であり、
労働者ということなのです、その
人たちに挑戦をしたり その
人たちの人格を認めないで、悪意ある
政策によって懐柔していこう、屈従さしていこうという
労働政策は長持ちしません。また、そういうことは今日採用さるべき問題でないと私は思う。まあこの辺のことが一番重要な問題になっていると思います。まあこれは私の意見であり、議論ですから、無理にお答えをいただく必要はありませんけれども、しかし何といってもそういう原則的なことが謙虚に
郵政省で反省をされ、もう一度具体的な事実に照らして原則にもとるものはないのか、少し高度な
政策的過ぎはしないか、こういうことに思いをいたされて、
労働政策に対する近代的な転換を私は強く
大臣を初め
関係首脳部に
要求したいと思う。願わくば、この際、
大臣の所見をそれに対して聞かしておいていただきたいと思います。