運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1961-03-16 第38回国会 参議院 逓信委員会 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十六年三月十六日(木曜日)    午後二時十八分開会   —————————————   委員の異動 本日委員鈴木強君辞任につき、その補 欠として坂本昭君を議長において指名 した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     鈴木 恭一君    理事            新谷寅三郎君            手島  栄君            野上  元君    委員            植竹 春彦君            最上 英子君            谷村 貞治君            永岡 光治君            光村 甚助君            森中 守義君            山田 節男君            奥 むめお君   国務大臣    郵 政 大 臣 小金 義照君   政府委員    郵政大臣官房長 荒巻伊勢雄君    郵政省郵務局長 板野  学君    郵政省簡易保険    局長      西村 尚治君   事務局側    常任委員会専門    員       勝矢 和三君   説明員    郵政大臣官房人    事部長     長田 裕二君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○郵政事業及び電気通信事業運営並  びに電波に関する調査  (電気通信合理化計画に伴う職員の  配置転換に関する件)   —————————————
  2. 鈴木恭一

    委員長鈴木恭一君) ただいまから開会いたします。  本日、鈴木強君が委員を辞任されまして、その補欠に坂本昭君が選任せられました。   —————————————
  3. 鈴木恭一

    委員長鈴木恭一君) 郵政事業及び電気通信事業運営並びに電波に関する調査議題といたします。御質疑のある方はどうぞ順次御発言願います。
  4. 永岡光治

    永岡光治君 本日の議題は、実は先般の当委員会では保険法改正案をめぐりましてこの委員会で謝儀することになっておったわけでございますが、特に委員長のお許しをいただきまして、きわめて緊急な事態でありますので、特に電通合理化をめぐりまして大臣所見一つただして参りたいと思うのであります。御承知通り、企業の合理化という問題については各方面にわたって行なわれておりますが、今大臣所管事項であります。郵政及び電電公社関係事業につきまして、合理化問題が相当大きくクローズ・アップされて参りました。たとえば奈良における上市、下市のように、きわめて事態が緊迫しておるようにも承っておるのでありますが、そういうことであるだけに、私は、この際、特にこの問題をめぐりまして、大臣から具体的に一つ所見を承りたいと思うのであります。そこで、電通関係合理化問題について、反対する理由は、私はないと思うのであります。最近、全国の電通事業合理化をめぐりまして、それぞれ非常な紛争を起こしておりますので、組合関係諸君にもお会いをいたしまして、その実情も私は承知いたしておるつもりであります。ですから、私も抽象論は極力差し控えまして、具体的に、この緊急事態をどう解決するかと、こういう観点から大臣所見をただすものでありますから、そのおつもりで一つ大臣も御答弁いただきたいと思うのであります。  御案内の通り電通拡張計画も、第二次を来年は終わろうといたしております。引き続いて第三次、第四次という計画もされておりますが、第四次計画最終年昭和四十七年には、承るところによりますと、ほとんど特定局に委託しておりますし末端の局の大部分に至るまで自動化されるように承っております。相当な合理化が行なわれるわけでありますから、従って、配置転換という問題も当然起きて参るでありましょう。それだけに、労働条件の向上なり確保を目的とする労働組合としての関心も、また高いのも当然だと私は思うのであります。それで、合理化そのものには組合員皆さんも反対はしておりません。ただ、合理化される上において待遇なり、あるいは配置転換された後における職場の確保なり、そういう問題が一番大きな関心として、どうも今のようなやり方では不安だというところに問題があるようであります。従来、前の鈴木郵政大臣当時、私たちが接して承っている方針としては、何事によらず話し合いでいこうということで、非常に円満にいきつつあるように承知をいたしておりました。ところが、小金郵政大臣になりましてから、その方針がどう変わったのかわかりませんけれども、私たちがそとで見ている限りにおいては、少なくとも態度が急変いたしまして、百八十度の転換と見ていいのでありますが、問答無用、言うことを聞かなければ首だ、こういうような強硬方針が見えて、普通であれば紛争を起こさずに解決されたであろうものが、よけいに刺激を大きくして、紛争を高めているような印象を強くするわけであります。そういう態度についても後ほどただしたいと思うのでありますが、この合理化に反対するものでなしに、労働組合の不安に対して、一体なぜ当局はこの合理化の問題について組合諸君の言うように、事前協議をいたしまして、円満にこれは事が進むようにできないのか、その点を一つ大臣からはっきり、態度を明確にしてもらいたいと思うのであります。
  5. 小金義照

    国務大臣(小金義照君) あと回しにするとおっしゃった私の態度の方が基本問題でありまして、私は、話し合いをやめて、高圧的にやるという方針は全然持っておりません。ただ、私が就任いたしたときからすでに起こっている問題が、いよいよ具体化して参りましたので、なるべく穏やかに話し合いがつけばいいということを念願こそすれ、私が前大臣態度を百八十度転換するということは全然考えておりませんので、この点は基本でございますから、まず私は永岡さん初め皆さんお答え申し上げたいと思います。  そこで、今具体的にいろいろな問題が進んで参りまして、事前協議と申しますか、話し合いといいますか、そういうような点についてどうもうまく話が進んでいないということについては、心配いたしております。なるべく話し合いで問題が解決するように、私も部下を督励いたしておりますが、ただ、事前協議という前提といいますか、その労働組合の方の申し川の範囲が非常に具体的になってきて、個々職場についての問題が解決いたしかねているように承知しております。そこで、事前協議というのは、これは言葉の範囲がなかなかむずかしいかもしれませんが、私は、労働条件基本問題等については、十分労働組合の本部と郵政省といいますか、管理運営責任者とで話し合い、あるいはまた、労働関係協約として取り結んでいいと思いますが、個々の問題になりますと、やはり個々の場合で、かつまた、個人的な原因になりますと、やはりそう全部が満足しない場合もあり得ますから、それは実情に応じて、これもできるだけ話し合いできめていきたい、その方針を私は持っております。
  6. 永岡光治

    永岡光治君 そういたしますと、先ほど申し上げましたように、合理化問題というのは、将来の長い展望に立つ問題でありますから、大綱的に、組合立場としても、労働条件の保障をとりたいというのは当然でありますが、そういう観点から郵政当局と団体交渉されたことだろうと私は思います。当然のことだろうと思いますが、最近一番最終お話をしたのはいつと記憶されておりますか。
  7. 長田裕二

    説明員長田裕二君) 昨年の年末闘争の際に、ほかの問題とあわせまして交渉をしたのが最近の最後でございます。
  8. 永岡光治

    永岡光治君 ただいま人事部長からお答えがありましたように昨年の末ですね。しかも、それはこの問題のみに限らず、全般の問題の一つとして取り上げて交渉した。私は、ここにやはり問題があると思います。本日は三月中旬であります。しかも、合理化計画は着々と進もうとしている段階であります。なぜその間に、これはいずれに責任があったのか私は知りませんが、少なくとも、この問題の計画を進めて円満に事を運ぼうとするならば、組合申し出のあるなしにかかわらず、むしろ積極的に郵政当局の方から話し合いを持ち込むべきだと解釈すべきだと思いますが、どうしてそれまでやらないのですか。そうして、今日事態はますます紛糾の方向になっております。こういう態度が、やはり話し合いをするという誠意が欠けていると指摘されても弁解の余地はないのじゃないかと思います。この点について大臣はどう考えておりますか。
  9. 小金義照

    国務大臣(小金義照君) これは経過的に私は承っているところによりますと、電通事業合理化ということは、ある程度までプランができて、これが差し示されると同時に、この具体的な問題については話が円満に進んでいるように私は承っておりましたものですから、そこで私自身としては、指図をいたしませんでしたが、その問題を中心話し合いをしなかったということは、手落ちといえば手落ちかもしれませんが、私の方は、向こうからも申し出もなかったし、円満に進んでいると信じておりましたので、こういう事態になったのであります。
  10. 森中守義

    森中守義君 関連。私は、今のそういうお話の前に、ちょっと聞いておきたいのですが、電電公社の昨年の暫定措置法ですね、これが一つの今回の合理化のきっかけになったように聞いております。それで、その法律の制定と同時に、実際問題としての合理化が始まったようですが、おのずから画地公社郵政省というのは別個の機関であります。そこで、電電公社郵政省との間には、要するに全通信事業を委託していくという協定があるのです。この協定はどういうものですか。要するに公社計画をそのまま郵政省は、いやおうなしに実行しなければならぬという協定になっておるのかどうか、その辺の事情を少し原則的な問題として聞いておきたい。
  11. 小金義照

    国務大臣(小金義照君) これは事業主体電電公社でありますが、郵政省郵便局その他に事業を委託させておりますが、この契約は、電電公社の言う通りに、言うことをただ実施すればいいということにはなっていないと思います。ことに、郵政省としては電気通信監理官を通じて直接電電公社に関する事項を取り扱っておりますから、その立場も両方ありますので、これは電電公社の言うなりになるということは、私はないと思いますが、さらに局長から補足をさせていただきます。
  12. 板野学

    政府委員板野学君) この運営計画等の面につきましては、郵政省公社の間に協定がございまして、この電通合理化計画等基本的な計画を立てる面につきましては、公社がやりますけれども郵政省側意見を十分しんしゃくしてこれを決定するということになっておるわけでございまして、私どもも、その計画について不満があり、適当でないと認めるものにつきましては、従来でも私どもの方から申し出まして、そうして向こう計画を変更しておるというような現況にございます。なお、御承知のように、郵政省は、電気通信監理官、いわゆる監督の面もございまして、その面を通じてもまた十分な意見が反映し得るような仕組みになっておる次第でございます。また、この計画がだんだん進みまして、実際に自動改式をするとかなんとかという事態になりました場合には、事前に相手方と協議するということになっておりますので、私どもは、先ほどの問題になっておりまするような労働条件等につきましては、十分なる協議をいたしまして——もちろん協議でございまするので、私ども意見が通らない場合には、これは実施をしないというふうな方向に持っていっておる次第でございます。
  13. 森中守義

    森中守義君 大体私がここに持っておりまするのは、郵政省でお出しになった、電気通信合理化のあらましというものであります。今板野局長の御答弁から申しますと、協定の条文とでも申しましょうか、その中に、要するに郵政省意見をしんしゃくをするとか、あるいは決定にあたっては協議するということで表明をされておりますが、私はその現物を見ておりませんから、一がいにそのことを否定はできませんけれども、ここにある郵政省がお出しになった文書範囲からいけば、公社との基本協定内容というものがある、これはおそらく抜粋であるかもしれない。かりに抜粋であったとしてもア、イ、ウ、エ、オと五項目にわたる主要な点が示されておる。しかしそのどれを見ても、いわゆる協定というものは、双方の意思が正確に書類によってかわされるものでしょうから、これが単なる口頭上の協議とか、そういうものに先んずる性格を持っていると思う。そういうことになれば、しいていうならば、おそらく、Aの項目の「委託業務運営に要する電気通信機械及び線路建設及び保守は、公社において直接計画し、実施する」、こういうことになっている。一体どこに郵政省の意志が反映する協約文書になりますか。明らかに、この協定の取りかわされた事項からいくならば、郵政省意見は聞かなくてもいいということになっている。その点が私はっきりしないので、そのことを一つ明確にしていただきたい。
  14. 板野学

    政府委員板野学君) これは単に事実行為としてそういう計画公社建設計画というようなものについては、事実行実としてやることが、ここにお手元にありまする資料についてはあるわけでございますが、私どもでかわしておりまする、この上にさらに——この上にと申しまするが、基本的な考え方につきましては、先ほど申し上げましたように、やはりこういう事項基本的なものにつきましては、十分に意見しんしゃくいたしまするし、また、実施にあたっては協議をするということになっておるわけでございます。実際の事務的なことをここに掲げたわけでございます。
  15. 森中守義

    森中守義君 どうも私はその間の事情がまだよくのみ込めないのですよ。何となれば、委託業務というのはその対象は国民なんです。受益者がいるのですよ。そういう人たち意見がどういう形で反映していくのか、そういうことを吸い上げていけば、単なるこれは口頭による協議であるとか、あるいは話し合いということでは、やっぱりこれは困るのじゃないですか。やはり委託業務というものは、今日においては郵政省の一中枢をなす事業なんです。その事業に改編がもたらされるという段階においては、当然これは正確な文書によって協定が取りかわされなければ、私は形式的にも実質的にもうまくない。今日NHKじゃ委託業務を受けた。それでもやはり名年次ごとに、もちろん基本協定はある。あるけれども、毎年その協約については更新するということになっているじゃありませんか。NHK委託業務電電公社委託業務は、その内容においても比重においてもずいぶん違います。すこぶる重要な事業なんです。そういうものをただ口頭協議ということでいいんですか。でありまするから、この際私は、今回の合理化に伴う郵政省電電公社が正確に交換を、された協定内容、さらには合意に達する数回の交渉があったでしょう。協議があったでしょうから、そういう会議録というものは、私は当然具備されてしかるべきだろうと思いますから、その内容を全部ここへ出して下さい。お持ちであるならば説明してもらいたい。
  16. 板野学

    政府委員板野学君) 具体的な実施にあたりましての配転とか、いろいろな労働条件に関する事柄につきましては、個々郵政局におきまして、また個々現場におきまして、その話し合いが進められるわけでございまして、それについて基本的な問題が起こりましたときには、私ども公社といろいろな話を進める、こういうことに相なっておるわけでございます。従って、その主要な部分郵政局なり現場において行なう。その話し合いにつきましては、先ほど申し上げましたような公社と取りかわしておりまするこの原則と申しまするか、協定に従って個々の場合に応じてその話し合いを進めていくという格好になっておるわけでございまして、それにつきましての話し合いがどういうことになっているのかということにつきましては、私ども現在、この手持ちはございまいんが、大ていの話し合い口頭公社とも行なわれ、そうしてまた現場においてもそのような口頭で行なわれておりまして、実際速記をとっておるとか、記録に残しておるものはあまりないかと存じますが、もしこれから調査いたしまして、ありましたならば、そういうものを一つ提出いたしたいと存じております。
  17. 森中守義

    森中守義君 私は関連での質問ですから、私の質問あとに譲りますが、もう一つ大事なことをお聞きしておきたいのですが、基本協定によって今回の合理化計画も進められておる。しかも、その実行といいますか、あるいは計画の推進にあたっては、各地方郵政局に一任をしている。こういうように郵務局長お答えでは私は受け取れるのですが、その通りですか。
  18. 板野学

    政府委員板野学君) 計画基本的なものにつきましては、もちろん本省に郵政局からも上がって参りまするので、そのいう問題につきましては、私ども公社の間にいろいろ話を進めるわけでございますが、実際にこれをたとえば直営化をするなり、自動化に切りかえをするとかいうような実施にあたりましては、それらの協定基本的な条件なり、また私ども公社話し合いをしておりまする基本的な考え方に基づきまして、郵政局なり現場話し合いを進めるということになっておる次第でございます。
  19. 森中守義

    森中守義君 これは多少意見の部類に入るかわりませんが、大臣、お聞きの通り答弁です。私は先回からも申し上げておるように、電電公社所定計画に基づいて仕事をしておる。一次計画から二次計画に入り、すでに第三次計画に入る。その内容がいい悪いという意見は別問題にして、やはり一定の期限を置いて、この年一度においては電話を四十万個つける、ついては資金は幾らである、こういうように所定計画に基づいて電電公社仕事をしておる。その延長としての委託業務が、在来取りかわされている基本協定だけを中心にして、しかも中央段階では何らいわゆる具体的な話が行なわれないで、地方でどんどん、どんどん実行に移していくというのは、少々これは私は、事業計画的な運営計画的な運行という面からいっても、郵政省通信政策というものはいかがなものかと思う。公社所定計画があるならばその計画に順応して郵政省はどこまで、それではどういうような措置をしていくか、次の年度はどこまで……。しかもその計画の中には、いつもいわれている要員対策の問題であるとか、あるいは公衆の利便はこれによってどうなるというような各般の要素というものが、十二分に根拠として累積されたものでなければ、いわゆる大臣首脳部が言われている総合的な合理化に私はならぬと思う。でありますから、今郵務局長お答え範囲の限りにおいては、むちゃくちゃに、無計画に、ただ、よりどころは基本協定があるだけだ、この基本協定をにしきの御旗として、現場の長の認定によって、労働条件の考慮もせず、具体的な話もしないで事業合理化を進めていくというのは、いささか郵政事業運営近代性を私は失うのじゃないか、こういうように思うのですが、大臣どうお考えですか。
  20. 小金義照

    国務大臣(小金義照君) 基本的な話し合い話し合いと、あるいは協定協定といたしまして、具体的な計画は、電電公社はまあ一年度分ぐらい先のものを郵政省へ持ってきておるはずでありますから、具体的に、やはり地方地方なりの話し合いと申しますか、労働条件等を尊重して、市民に便益を与えるための措置をとるべきだと考えております。
  21. 森中守義

    森中守義君 これで私、この場合終わっておきますが、どうもやはり大臣局長お話を聞いてみて、一定計画に基づいた仕事じゃありませんね、どう考えてみても。それはお二人のお答えからいけば、現場の長にまかした。それらの人たちが、これはやらなければいかぬと思ったことはやってよろしい。そういう自由裁量にまかしてあるけれども、その辺が私は合理化一つの根源をなす重要な問題だと思う。先刻申し上げたように、合理化というものは、時代の趨勢に対応していく一つ措置であるかもしれない。あるとするならば、電電公社所定年次計画を持っておる。そういう計画のもとに行なわれておるならば、当然郵政省としては、三十六年度、三十七年度という大綱的な計画がなければ、現場人たち自由裁量にさしておいて、どういう問題が起きようと問答無用、やりたいことはどうでもやるのだということでは、今さっきも申し上げたように、少しく事業近代性という意味からするならばどんなもんだろうか、こういうように思うのです。そういうもっと別個な協定、別個な計画、少なくとも中央段階におけるそれらのものがなければ、私はこういうものはできないと思う。あるなら一つ出してもらいたい。
  22. 板野学

    政府委員板野学君) 私が申し上げましたこと、ちょっと説明が不足しておったと思いますが、実際の個々の具体的な局の実施方法について、郵政局なり現場がこれに当たるということを申し上げた次第でございまして、その総体の、もとになりますような全体の三十五年度、大体どこで何局くらいやるかとか、あるいは三十六年度はどうかとかというような計画は、もちろん私ども電電公社のこの五ヵ年計画に従いまして、できるだけ早くこれを具体的につかんで、この実施方法につきまして検討し、公社ともいろいろな打ち合わせをする、こういう段階でございまして、大体三十六年度とか三十七年度というようなところまでは具体的に現在私ども資料を待ちまして、そうしてこの検討をしておるありさまでございます。
  23. 森中守義

    森中守義君 今言われたことは、結局その年度計画郵政省も持った。しかもそれは、電電公社とのいわゆる協定の中に正確に確認をされたものですか、郵政省だけが持って、それをやるというのですか。
  24. 板野学

    政府委員板野学君) これは電電公社から毎年、翌年度のいろいろな計画を提示して参るわけでございまして、その際に、大体半年なら半年くらい前から具体的な、どういう場所を自動化したい、あるいは自動従局にしていくとか、あるいはこれを集中合併するというような点が具体化してくるわけでございまして、そういうものにつきまして、私どもいろいろその点の可否等検討をしてさらに公社とも協議をし、そんならばここで、これならいいじゃないかというので、これが郵政局なり現場に流れまして、実際の今度は自動化する場合とか集中合併する場合の労働条件なりやり方なりを、従事員と話し合って、そこで進めていくというような段階になるわけでございます。
  25. 森中守義

    森中守義君 そうしますと、郵政省には郵政省計画をお持ちなんですか、どうなんですか、その辺がはっきりしない。
  26. 板野学

    政府委員板野学君) 郵政省でも郵政省計画を持っております。ただし、その計画というのは、公社との間で十分話し合いのついた計画でございます。
  27. 森中守義

    森中守義君 そうなるといよいよこれは問題が分かれてくる。このA項はどう書いてありますか。A項では「委託業務運営に要する電気通信機械及び線路建設及び保守公社において直接計画実施する。」となっております。どっちが主体なんですか、郵政省がやるのですか、公社がやるのですか。もし、あなたが言われるように郵政省が独特の計画を持って、独特の立場でやるとするならば、この協約に違反すると思う、この協約では電電公社が直接やるといっておる。この協約はいつ破られたのですか。
  28. 板野学

    政府委員板野学君) これは実際に行なう実際の事務の配分と申しますか、どこが責任を持ってやるかということを書いておるわけでございまして、この委託業務におきましては、運営の面は郵政省が実際にこれをやっておるけれども保守とか建設とかいうようなものは、直接に会社が計画して実施するというわけでございまして、先ほど申し上げましたように、全体の計画公社が立てまして、郵政省意見を十分しんしゃくしてやる、その計画に基づきまして実際に今度この工事をするとか保守をするとか、あるいは機械を据え付けるとかいう仕事公社がやるということでございます。
  29. 永岡光治

    永岡光治君 先ほど私の質問に対しまして大臣答弁があったわけでありますが、昨年末が最後で、今日までやっていない。そのことはスムーズにいってるものと実は解釈しておったので、何もそういう話をしなかったけれども、いいと思っておったという答弁で、最近そういう問題があるとするならば、非常に遺憾なので、これは十分話し合わなければならぬということになるであろうと思うのですが、そこで、その間においていろいろ事件があったのです。  お耳に入っておるのかどうか知りませんけれども、山形県にしましても、愛媛県にしましても、奈良県の上市、下市等におきましてもしかりでありまして、同様な事件があって、相当大きな問題になっているわけです。私はここで特に大臣一つ猛省を促したいのは、池田内閣が、話し合いで物事を進めるべきであるという大力針をきめられておることだし、また、当然のことと思うのですが、そこで大臣は、今後といえども、今後直ちにありますが、十分組合と話し合って、物事の円満な解決に当たっていかなければならぬと思っておりますが、その点は大臣は私の考えと同様と理解して差しつかえないかどうか。
  30. 小金義照

    国務大臣(小金義照君) お説の通りでございます。
  31. 永岡光治

    永岡光治君 そうだとするならば、先般十五日の未明を期しまして、御承知通り、国鉄の動力車の諸君が同様の、内容は違うにいたしましても、労働条件の確保のために、合理化を一方的にやられると困るのだ。だから十分事前協議をしろという申し入れがあって、当月もこれを了解いたしまして、あの紛争が解決されました前例があるわけですが、大臣は直ちにこの組合と折衝をはかる意思を持っておるかどうか。
  32. 小金義照

    国務大臣(小金義照君) 国鉄の動力関係労働組合と国鉄との事前協議に関する話し合いというのは、私は内容は十分知りませんけれども話し合いはするけれども、管理経営権をやはり国鉄の方で持つというようなことでの話し合いのようでありますから、私どももその範囲ならば、それぞれの係をしてまず話し合いを始めることは、もちろんいたしてけっこうだと思います。
  33. 永岡光治

    永岡光治君 私は、電通諸君にいたしましても、全電通諸君にしたしても、管理権が組合にあるとは考えていないと思います。問題は、管理運営権が省側あるいは管理者側にあるために、そのために何もかも組合の了解ないままに強行されることが、いろんな大きな問題を起こすわけであります。ですから、このことを十分理解をした上で、管理運営権をあなたの方で発動することが、最もあるべき姿だと思うのでありますから、その意味で私は、今組合が主張している内容をこの前も聞いてみましたけれども合理化実行される上において、身分の保障だとか、労働条件が改悪されるとか、そういうことがないようにというのが、組合が主張している一番大きな眼目でありますから、そのことをあなたが組合と十分話し合って、そのことが一致する上において実行するということであれば問題ないと思うのでありますが、私の主張は間違っておるとお思いになりますか、どうですか。
  34. 小金義照

    国務大臣(小金義照君) 話し合いでまとまれば、まことにけっこうでございますので、すみやかに本日でもその話し合いに取りかかってけっこうだと思います。
  35. 永岡光治

    永岡光治君 それで、そういう大方針がきまりますならば、組合の主張も十分聞いて、私は今後話を進めてもらわなければならぬと思うのでありますが、ただいま奈良県の上市、下市において非常に緊迫しておる事態があると承ったのであります。この件に限らず、大体最近の傾向としては、何かこのことあることを予想しまして、警官を動員して、非常に刺激的な弾圧的な態度に出るということが、よけいに紛争を激化さしておる原因だと思うのでありますが、この奈良県で話し合いがどうしてできないのでしょうか。私は聞くところによると、円満に協議をいたしましてまとまったところもあるにもかかわらず、そういう事前協議をしたのはけしからぬといって、その地方の出先の責任者協約を、管理者の方から一方的に破棄をして、あれはもう何もないのだということで、さらに紛争を深めておるという事件もあると聞いておりますが、そういうまとまったものすらああなたの方で破棄するという態度は、どういう態度ですか。これは今の大臣態度からすると間違ってると思うのですが、いかがでよう。
  36. 小金義照

    国務大臣(小金義照君) 私はそういういきさつは知りません。まとまったものをこちらから破棄するということは、私はなかったと思うのですが、私は下市、上市のことについて承知いたしましたのは、もうすでに職場転換ですか、する人も納得しておったという報告を中間で聞いております。最近それがそうでなかったのだというようなふうに聞いておるだけでありまして、今おっしゃったように、私がこちらから破棄したというようなことは聞いておりません、実情は。
  37. 永岡光治

    永岡光治君 私はその事実を知っているのであります。これは上市、下市ではございませんけれども、愛媛県の津島の郵便局においては、両者の間で円満に解決がついて、そうして同者が確認をしておるにもかかわらず、その確認はだめなんだということで非常に大きな紛争を起こしている事実を私は承知している。そういう態度は、あなたの態度からするとよろしくないと思うのですが、あなたはどう思いますか。
  38. 小金義照

    国務大臣(小金義照君) それは私は、それだけの事実があったとすれば、何か原因があったのだろうと思う。ただ、まとまったものを一方的に、管理者側と申しますか、私の方の運営管理の責任に当たる力から一方的に破棄したということは考えられないので、何かそこにやはり理由があったのじゃないかと、その理由はまだ私承知しておりませんけれども、そう想像する以外にございません。
  39. 永岡光治

    永岡光治君 大臣労働関係の法律については御勉強いただいていると思うのでありますが、職場協約を結んだ以上、一方的に破棄するには二ヵ月の期間を要することになっているのであります。にもかかわらず、円満に両者がこれを確認をして調印をしているその協約を、それを一方的にだめなんだと、聞くところによれば、上司の方からそれを取り消せと言ったらしいのでございます。原因は知りません。私は知りませんが、そういうことは、せっかく円満にいこうとしたものを管理者が、しかも上層部の方からそれをぶちこわして、そうして紛争に陥れたという事実を私承知いたしておるのであります。そういうことであっては、物事を円満に進めるにはこれはまずいのではないか。この点に大臣は私の考えに反対するところはごうもないと思うのですが、どうでしょうか。
  40. 小金義照

    国務大臣(小金義照君) 私もまとまったものが片一方の方から破られた。しかも管理運営に当たる方から破れたということは、私はやりよろしくないと思います。原因等十分調査いたしたいと思います。
  41. 永岡光治

    永岡光治君 ただいま私の質問いたしましたことについて大臣は、私の言うことそのままであれば、大臣も私の説に反対はしないということを確認して次に進みたいと思います。  次に、当面起きております、数日後を控えて非常な紛争になろうとしている奈良県の上市、下市の件でございます。両者合わせて百名に及ぶこれは配置転換、非常に大きな問題であります。職員にとれば、そういう問題を控えておるのでありますから、これは大臣としてもまた関心が特に深かろうと思うのであります、一体何がここまで追い込んだ原因になっているのか、事前十分話し合い労働条件の保障というものがあなた方が取れるというなら、労働条件は心配しているなということであれば、組合はおそらくそれをはっきり身分保障ができて労働条件が確保される。そういうことであるならば、おそらく両者において意見がまとまらないはずはないと思う。だから組合もそういう条件を安心するために、そこで保障を与えてもらいたい、これまた当然だと思うのです。その保障の方法について、あなた方は、おそらく管理権がどうだこうだと言うだろうと思うのでありますが、この点は両者調整できないものかどうか、これを私はお尋ねしたい。
  42. 小金義照

    国務大臣(小金義照君) まとまった話し合いがこわれた原因につきまして、何か片一方に手落ちがあったとか、あるいは間違った点があったということで、あるいはまあ現場局長その他が一応きめられた基準といいますか、それらを知らなかったり破ったりしたというようなときには、破棄された事例があったらしゅうございます。まあ原則としては、私は話し合いができたものは、瑕疵がなければ、それで永岡さんのおっしゃったように、できるだけまとめていきたい、また、いくべきだと思います。下市、上市の点につきましては、百十名ばかりの配置転換ですか、移行といいますか、そういうことがありますので、これは相当数に上りますが、話し合いが一応できたと私は承っておりましたが、その後どうもこの点が工合が悪くなったという報告で、私も心配しておるものでありまして、人半部長からいきさつは説明させていただきたいと思います。
  43. 長田裕二

    説明員長田裕二君) 上市、下市につきましては、計画を昨年の秋ごろから職員にもたしか示しまして、個々の職員から希望調書をとったようであります。で、大体電信電話が公社の直轄の方に移行されるに伴いまして、郵政側でまあ余るといいますか、過員が約百三十数名できることになったようでございますが、そのうち一月二十日ごろまでの間に百十人ばかりの職員は公社の方に移りたいという希望を表明したようでございます。で、上市、下市の場合は、それぞれの町に電報電話局ができまして、そこへ移るわけでございますし、給与とかその他の問題につきましては、従来から公社と話し合っておりましたような線で、格別不利になるようなことは一つもないということで、まあかなり職員側も進んで行こうという気持が強かったようでございます。その後公社の職員になるにつきましての訓練も要るということからいたしまして、たしか一月の二十三日ごろかと思いますが、公社職員になるための訓練も橿原電報電話局に行って受けたりしているようでございます。これは私どもの推測で、あるいは思い過ごしかもしれませんが、私どもはあの個所自体、上市、下市の個所自体で、あそこの職員が非常に反対する。あるいは労働条件に非常に問題があってああいうふうになったんだというふうには考えません。あくまでも推測ではございますが、むしろ中央での電通合理化についての組合側の要求というものを通すために、あそこで職員がそういう希望をしておるのを、組合の要求を通すためだからということで、その百十名ばかりの職員、その他の局員に、組合側から説得等、協力を求めて、先ほどお話のあったような形になったんではないかと推測するわけでございます。
  44. 永岡光治

    永岡光治君 今お話がありましたが、この百十名の転換が行なわれるわけですが、だれが正直に考えてみましても、考えられることは、合理化されて自動化された暁において、百十名の人が配置転換を考える場合に、全部一体収容してくれるだろうかと考えると、それは不安を起こすのは普通だろうと思う。御承知通り事業御存じであれば、まず女子の交換要員を必要とする人員はそうたくさんは私はないものと見るのが普通だろうと思う。そうして参りますと、今は行ったけれども、一体行った先において、すぐお前やめてくれとか、あるいはここは人がいぱいだから、どっかに一つ転勤してくれとかいう問題が起こるに相違ないと思う。これまた常識だと思うんですね。はたせるかな、今日まで当局側の言を信頼いたしまして、一応職場転換をしましたけれども、たとえば岐阜県における例のごとく、この局では収容し切れないから一つ君は名古屋まで行ってくれ、こういうような転勤の慫慂もあるわけです。結局その本人はやめなければならない。非常に長い通勤の時間を要しますから、自然にそうなってくるけれども、そういう心配がありますからこそ、事前に十分話し合って、協約を結んでもらいたいという。これはまた私は大臣ならば当然わかると思うんですね。人事部長の方では、何か一連の計画のもとにこれが取り消しみたいになって転向を示しているんだと解釈しておいでになるようでありますが、しかしこれは一つの例でありまして、このことがくずれれば、やっぱりこれと同じケースになるものがたくさん出て参るわけですから、私は同じ同僚の立場でがんばるのは、これまた必然だと、組合を持っておる以上は、大局的な見地に立って、広い将来のあらゆる展望に立ってやっぱり結ばなければならない問題でありますから。  そこでその話はさておいて、そういうことであるならば、あなた方は保障するというのであれば、その保障する協約を結んでどうして悪いんですか、それがわからないんです。管理権を認めつつも両者の意見の一致を見て行なうというのが、どうしてこれが悪いんですか。
  45. 長田裕二

    説明員長田裕二君) 去年の十一月までの交渉におきまして、公労法八条に規定されてありますような労働条件について、労働協約を双方の間で締結するという点について、格別意見の食い違いがあるわけではございません。何がその労働協約を締結すべき事項であるかということについて、かなり意見の食い違いがございまして、組合側の主張と目されますのは非常に具体的な、個々の人の非常に具体的な問題までが団体交渉事項であるということ、その点を妥結しなければ、計画は進めては困るんだ、そういうような主張のように考えられます。で、省側といたしましては、公労法八条の労働条件に該当するものについて同体交渉をし協約を結ぶということは賛成でございますが、その管理運営事項については困るということももちろんでございますし、一般的な、たとえば給与の問題とか、あるいは休暇の残日数の問題とか、退職手当、年金の問題とか、その他通常考えられます問題に限りたいという主張をしているわけでございます。それから協議がととのわなければ全然実施しては困るという面についても、こちらは賛成しておらないわけです。従いまして、非常に個人的な問題、こちらから見ますと、一般的な労働協約についての人事権なり何なり、そういうことに当てはまるものはこちらが困るということ、もちろん、本人の希望なり意向なりを十分聞くことは聞くわけでざごいますけれども、拘束力を持たせた形での協約というものをそういう事項について結ぶということは困るという点、それが主たる争いになっているところだと考えております。
  46. 光村甚助

    ○光村甚助君 上市、下市の問題が出ましたので関連として質問いたしますが、その前に、永岡委員質問大臣は、話し合いをやるんだ、前の大臣のときより百八十度の転換はしていない、こういう御答弁だったようですが、きょうの私はお昼のテレビのニュースを見ますと、どこか全逓の組合員が四人首切られておる。これは関連ではございませんからあとで聞きますが、この問題もあとでお聞きしたいとは思いますが、話し合いをなるべく円満にしたいという人が、片方では首切りをやっておる。警察官が人を引っくくるのも自由なんです。あなた方も大臣は管理者だから、人を首切るのも自由だというんだったら、一つ話し合いの場所というものはない。大臣は、自分は大物だと自負しておられるんですから、ただおれは大臣だから、言うことを聞かなければ首を切るんだというんだったら、大物でなくたって、どんな小物が大臣になったってできるんです。大物なら大物らしく、事務当局が首を切ろうと言った場合でも、おれにまかせろといったぐらいの度量がなければ、大物大臣なんということは言えない。実際上そこの政治家が大物か小物かという違いはそこへ出てくるんですよ。ただ口先だけで百八十度転換しないといっても、実際上そこにあなたの業績というものが現われてきているのです。そこで、あとで首切りの問題がわかってから質問しますが、ただ口先だけでそう言うのじゃなくて、ほんとうに話し合いの場を作らなければ紛争が起こるということですね。さっき永岡さんから言われた動力車なんかほとんど解決がついたようなんです。私は上市、下市にこの前の土曜日に汽車で行きました。きょうも四時半の汽車で調査に行きますので、急いで質問しますが、さっき人事部長は、行きたいと言ったのを、何かあそこで拠点闘争をやって、それで組合員が説得にいって、電通に行かせないように引っくり返したような推測をされておりますが、推測は自由だと思います、しかし私が行って調べたところでは、なるほど初めは行くことを希望した。ここにあなた方が下部の管理者に示された案も持っています。いいことずくめなんです。これならだれだって行きたいと言います。しかし実際は全国的に調べてみますと、さて向こうへ行った。行ったけれどもすぐ配置転換やられる。そして役職から下げられているのですね。給与の面も違う。そういう実態を全国的に知らしたら、それは郵政省にだまされていたのだから行くのはいやだ、私はそう聞いた。私は実際行って調べたのです。あなたは推量で言っっている。こういう実態がある。  現に上市、下市も、これは自動化されるのです。そうすると六十人からの人間が電通に行ったって、三十人も要らないのですよ、実際は。そうしたら電通当局は、これをいつまで遊ばしておきますか。いずれ配置転換されるのですよ。そうして市外の交換台にはある程度の人員も残すと思いますが、三年先は五条というところに集中局ができる。そうすると上市、下市から行った人間は、一人心々というと語弊がありますが、四、五人で、あとは全部要らないことになると、こういうときはどうするかということです。上市から阿倍野まで出るのに急行電車で一時間半かかるのです。それが普通の人で、朝行って晩帰る人ならまだまだそれでもいい。交換手という仕事はそうじゃない。朝早くといっても、四時ごろあっちへ行けやしない。朝帰りだったらどうするのです。泊って大阪に来るということになって出勤できない。こういう実態を知らされると、なるほど郵政当局にだまされていたということになるのです。あなたは上市、下市で引き取った、上市六十人、下市五十人引き取った者を、永久に配置転換しないと保証しますか。向こうへ行ってしまえば電通の人間だから、焼いて食おうと煮て食おうと勝手だという考え方自体が問題を生じている。どうです、これは何年もずっとあなた責任を持って引き受けますか。
  47. 長田裕二

    説明員長田裕二君) 私ども聞いておりますところでは、上市、下市につきましては、当初は全部自動化する予定でありましたのを、公社側で職員事情などを考えまして、市外の面で手動にするというふうなこれは郵政側からの申し入れだったのでありますが、そういうふうになりまして、さしあたり、移ります百十人は、単にむだに遊ばしておくという形でなくて、それぞれ必要な仕事にあの場で従事するというふうに聞いておるわけであります。なお将来の公社側の計画に伴ってこの職員がどうなりますか、未来ずっと先までそれに責任を持てるかということになりますと、これは私ども公社の内部の人事にあまり強くあれするということはできないかと思いますし、また、公社が自分のところの職員につきまして非常にはなはだしく不当なことをするとも考えられませんので、ある程度は公社に、あるいは大部分公社やり方に信頼をせざるを得ないんではないかと思います。もっとも、今御指摘のようなおそれが非常に濃厚に各所で現われてくる、あるいはそういう意図があるとはっきりいたしました場合には、またその際、公社側と話し合いをする必要もあるかとも考えます。
  48. 光村甚助

    ○光村甚助君 おそれが出てからではだめなんです。だから全逓としても、たくさんの組合員を向うに送り込むのですよ。送り込むのにやはり不安があるのです。これは例のとり方が極端かもしれませんが、お嫁に行くのに、向こうの家風に合うだろうか、追い出されやしないだろうか、向こうに行けばしゅうとめも小じゅうとめもいるのです。将来のことも考えずに向こうに送り込んでしまえばいいのだという考えでやっていると、向こうに行った人に非常に不安が出てくる。配置転換される……。あなた、郵政当局側から頼まれて市外は手動化したと言うけれども、三年先には五条に集中化される計画ができている。そうして市内は現に自動化されている。これを一年も当年も置いておきはしないということを電電公社も内々で言っている。遊ばしてはおかない。半年先には強制的に配置転換される。電通組合電電公社との協約では、何か一時間半か二時間までは強制配置転換じゃないというような協約があるということを——これは私もはっきり知りませんが、違えば取り消しますが、そういうことです。そうすると私がさっき言ったように、上市のようなところから大阪まで、あるいは奈良まで一時間半も急行電車でかかるというようなところへ配置転換されることもわかっているのです。だから、そういう点の事前協約を結べということは、私はちっとも不思議じゃきいと思うのです。役職を落とされた例もないというのですが、私なんかが調査した例では落とされているんです、実際上。その点あなた方は、さっき郵務局長は、電電と協約を結んでいると言っておりますが、協約を結んいて話し合いをするのだったら、昨年の山形県の小松局なんか抜き打ち的にやっているでしょう。郵務局長、どうです。電電にだまされているわけですよ。そういうこともあるのに、ただ電電と紳士協約をしているから御安心下さいだけじゃ、これは従業員を送り出す全逓の人たちは安心ならないと思うのです。そういう点で全逓の紹介の人たちは言っているので、決して合理化に反対だということを言っていない。きのうの新聞に、何か全逓の言っているのは、人力車夫が汽車が通るのに反対しているというような、新聞は全く実際を無視した薄き方なんです。こういうことは官側が宣伝しているのじゃないかと思う。実際しほんとうは、私たちが上市や下市の役場や有力者に会ってそういう事実を話したら、知らないのです。ただ郵政省の言うことだけを信用している格好じゃないか。あなたの村の何十人という人間が、ここ一年間の間に強制配置転換されて失業するのですよというと、向こうはわかってくるのです。ただ一方的にあなた方がいいことを言うから問題が紛糾している。だから全逓は管理運営に反対で、実権を取って管理運営を全部やろうということは言っていない。こういう点で、大臣もいるのですから、それから小松の例は郵務局長でいいから、答えてもらいたい。
  49. 板野学

    政府委員板野学君) 小松の例につきましては、実は先ほど申し上げましたように、いわゆる協議事項でございまして、私の方も再三この件については仙台の郵政局を通じまして申し入れをしておったわけでございますが、電電公社の方で、これはちょっと自動化になるものですから、その協議がととのわぬうちに、電電公社の方で実行してしまったということでございまして、私どもの方も非常にこの件につきましては公社に強い抗議を申し入れまして、公社の方からわび証文を一札入れて、今後は絶対にこういうことのないようにやるというようなことを言ってきておりまして、これは全く珍しいケースでございまして、今後は絶対にこういうことはないということを私どもは確信をいたしているわけでございます。
  50. 小金義照

    国務大臣(小金義照君) この労働条件の維持向上というものは、非常に大事でございますから、今のように郵政省から電電公社に移った人の不安をなくするということは非常に大事であります。ここは非常にむずかしい問題でありまして、自動化というのには必然的にやはり人が減りますので、その間今後どういうふうにしていくか、待遇を落とさず、地位を落とさずに配置転換ができるというようなことを考えますと、まあ、いろいろな問題があると思います。経費の問題もあります。地位の問題もあります。私は経過的には、安心のいくような約束といいますか、保障といいますか、そういうことはして上げなければならぬと思っております。ただ具体的な場合に、その地方々々に応じた実情がありましょうから、そこでやはりお話し合いはしていただきたい、こういうふうに私は考えております。
  51. 永岡光治

    永岡光治君 私のさっきの質問に引き続いてでありますが、人事部長の方からは、個々のケースで話し合ったらどうか、こういうお言葉、個々で話し合う。そういたしますと、私の心配するのは、組合の本部が、合理化は反対する筋じゃないと言っている。合理化は協力しましょうと言っている。ただ組合の使命としては、大臣も御承知のように、身分の保障、労働条件の確保ということが最大眼目の使命であります。それを保障してもらうのは、これは当然だと思います。  ところで、その保障をとるのは一体どういう方法でとるかと、こう考えなければならぬと思います。そうすると、あなた方は管理運営権がある、組合もそれを認めておる。そうなればこそ、例は適当ではありえませんが、強い、弱いという表現は別といたしまして、言うならばあなた方は主導権を持っているわけですから、一方的にやられては困るという不安がある、これまた当然です。その不安をなくすためには、ぜひ協約を結んで下さい、これまた当然だと思います。そうでしょう。そこで初めて弱い者が安心できるわけです。あなた方は必ず心配要らない、まかしておけ、こういうならば、なぜやるのですか。その通りやるというなら、それじゃよろしい、心配せぬでもいいということにして、信頼してくれ今はやはり信頼ができていないところに一番大きな問題があるわけです、卒直に申し上げますと。だから信頼を取る具体的な方法としては、文書に書いてこれは調印する。しかもその場合に個々のケースでなくて、全般の長い目に立って、今後何年かやられるでありましょうから、それも組合は協力しましょう。しますからここではっきりむちゃなことをしないでくれということを組合が要求しているので、ここで調印してくれというのは、これは私は筋だと思います。それを認める……。あなた方が保障しないと疑われてもしょうがないと思います。管理運営権はあなた方にあると組合が認めているでしょう。どうです、大臣、これは。
  52. 小金義照

    国務大臣(小金義照君) その証書なり文書で調印して、これを確保するというのが一つ方法かもしれませんが、管理運営権があるからその方で折れて出て、そうすればということも一つ方法であります。私はその内容によるだろうと思いますが、何と申しますか、組合員個々立場からいろいろ労働権あるいはまた生活権の主張というような立場からの御主張等、管理権に及ぼす影響なども考えて、具体的にやはりその場で考えないといかんのじゃないかと思いますが筋としてはできるだけ将来の保障ができるような私は方向に持っていきたいと考えております。
  53. 永岡光治

    永岡光治君 どうも大臣のいうことよくわからぬのですが、どういう意味ですか、もう一回言って下さい。総括的に保障をとるというのはなぜいけないか。こういうわけでいけないという理由を言ってくれれば私たちもそれはあなたの意見は違っているということを言えますけれども、何か個々はいいけれども総括は困る。これじゃどうも、組合が長い展望に立って協力しましょう、ついては管理権、通常権はあなた方にあることは認めます、その上に立って、不安だからこれだけの一つ保障をしてもらう協約に調印をしてくれ、こういうのだから私は筋だと思うのですが。   〔委員長退席、理事野上元君着席〕
  54. 小金義照

    国務大臣(小金義照君) それは原則的には、だから組合の本邦と郵政省とで基本的なものはきめられると思いますが、具体的にそれを一々協約を結ぶということになりますと、私はその事情によっていろいろな管理運官権に立ち至らなければならぬようなことに入るおそれがあるので、そこまで心配されるとあるいは疑われますと、協約を結ぶ、またそれは協約違反なんか出ますから、これはやはりに本的に本部と郵政省基本問題をきめまして、具体的のものは現場に即応した話し合いということでいきたいと思っております。
  55. 森中守義

    森中守義君 私はさっきから大臣人事部長お話を承りまして、さらにまた今御質問に対するお答えからいけば、どうも管理運営権を別個に切り離すというようなことのようですが、具体的に一つ管理運営権と労働条件と別個に切り離し得るとする事象があるとするならば、一つ具体的にそういうものを出してみて下さい。どういうことですか。私は実体論としても観念論としても、管理運営権と労働条件をこれは分離できないと思う。ところが今大臣とあなた方の答弁からいくならば、明らかに別個なものである、切り離し得るというお考えのもとに協約の問題が議論されている。そこに問題の一つがあると思う。だから、どういうことですか、管理運営権と労働条件が完全に分離し得るという事象を二つ、ずらっと例をあげてもらいたい。
  56. 長田裕二

    説明員長田裕二君) ずらっと並べるほど今あれは持ち合わせはございませんが、たとえば郵政職員が電通へ移ります際の給与の問題ですね、どういう給与をもらうようにするか。あるいは退職手当の取り扱いを途中で一ぺん郵政の身分から離れるときに切ってしまうか、あるいはずっとつないで計算するか。あるいは共済年金の問題あるいは休暇の残日数をどう処理するとか、そういうような問題は、これは労働条件に該当することが非常にはっきりしている問題だと思います。それから管理運営事項という面は、たとえばどっかの切りかえを何月何日にやるというようなことは、これはやはり管理運営事項だというふうに考えるわけでございけす。切りかえられる際に個々の職員がどういうふうな、たとえば給与条件とか先ほど申し上げけしたようなことは、それはもう労働条件ですから、一括して中央で全逓本部と省側との間でそういう問題についての団体交渉をやり協約を結ぶ、そういうことになろうかと思います。
  57. 永岡光治

    永岡光治君 大臣答弁はまだまだ納得がいかないのですが、私の主張しているのは、側々ならばいいけれども総括は工合が悪いのだ、こういうようにとれるわけです。しかし、大前提として総括があって個々のケースに移るわけですから、どうも私は大臣答弁に納得いかないのですがね。どうして全逓本部と皆さん話し合ってきめることがいけないのですか。それだけまず最初に答弁してもらいましょう。   〔理事野上元君退席、委員長着席〕
  58. 小金義照

    国務大臣(小金義照君) 私は全逓本部と郵政省との間の交渉ならば、原則はそれで協約と申しますか、きめていいと思いけすけれども個々の場合は個々に即応して、話し合いで、それは個々の、本部の結ぶような協定に準じた協定でなく、具体的な処理でいったらいいじゃないか、こう考えております。
  59. 永岡光治

    永岡光治君 おそらく本部が結ぶときには総括的な組合の条件を満たしてもらう、こういう条件が当然結ばれるわけですよ。それはあなたは認めておる。だとするならば、それを結びなさいということ、私はどうしてそれを結ばれないかというのです。そうして、個々のケースはそれに応じて何の何がしがどこへ行くとかいうことが出てくるわけですから、それは下部段階でしょう。だから一番大元があってそれを受けて地方に移るわけですから、一々全逓が何の局の何の何がしを本省にあげて交渉するということはなかなか煩瑣にたえないでしょうから、だから管理権、運営権はあなた方に認めましょう。管理権は認める。管理運営権は認めるが労働条件の確保について組合意見をあなた方取り入れなければならぬわけでしょう。その一致を見るようにやっぱり組合が当然要求するわけですから、そのことをあなたは認めておって、それで協約を結べないというのはどうも私にはわからぬですよ。
  60. 小金義照

    国務大臣(小金義照君) それが事前協議といいますか、協約といいますか、そういう言葉を使っても使わなくてもけっこうなんですが、要するに人事権といいますか、これはまた管理運営権の中心になるものでしょうが、そこまでは私ども協約でしばられることはできないと思います。ただ本部との協約話し合いは大筋において私は結んでいいと思っております。
  61. 永岡光治

    永岡光治君 組合は何の何がしをどうするという発言なんかするという考えは毛頭持っていないのです、組合では。そういう人事運営権はあなた方にある。しかし、それを発動する前に一つの保障ということが必要になってくるわけでしょう。その保障をとるために今組合は問題にしているわけですけれども、保障でいけなければ両者の意見が一致するというか、表明はいろいろありましょうけれども、その上であなた方がそれを行なうということがどうしていけないのですか。それは運営権でもなんでもないと思うのです。運営権というのは、何の何がしをどこにやるとか、これをいつ幾日切りかえるとか、組合がそういうことを言うなら問題がありましょうけれども組合労働条件さえ満たさればいいわけです、身分の保障と。だからあなた方はこの組合の意思を無視してやってはならぬということは、これは当然だと思う。組合の意思をあなた方が認めた上でやるというならば、何でこの組合が反対する理由がありましょうか。
  62. 小金義照

    国務大臣(小金義照君) 本部と郵政省との間の協約といいますか話し合いの基準が今、永岡さんの言われるようなことなら私はいいと思うのです。従来私が承っているところでは、やはり個々の、一人でも不都合だ、いやだという人があれば、もう合理化させないのだというような主張のように私は伺っておったのですから、それは困る。やはり何か、しかし一人でもそういう状態ができないことが望ましい。だから側々の人の都合まで聞かなければならぬように、協約を結ばなければならぬというふうに私は開いておったのですから、これは大へんで、やはり基本的な大きな問題だけなら私はいいと思う。
  63. 永岡光治

    永岡光治君 大きな問題も小さな問題もないでしょう。全逓がかかえておる職員の身分が保障されるという全逓の要求ですね。要するにそれは個々具体的になりましょう。何月何日に行動するということになれば、その意思が満たされないで一人や二人どうなってもしらぬというような、そんなことならば組合は要求なんかできやしないです。だから、それはあなた方管理運営権というけれども管理運営権はそんなことをいっているのではない。管理運営権というのはいつ幾日切りかえる、だれをどこにやる、こういうことでしょう。その、だれをどこにやる、いつ幾日切りかえるということについては、この人の保障をこうしてもらいたい、身分はこうだ、労働条件はこうだ、よろしいということになって初めて管理運営権を発動するわけでしょう。労働条件ですよ、これは。労働組合労働条件、労働運動の交渉の対象になる労働条件ですから。少しあなた方広く解釈し過ぎているのじゃないですか。  そうしてもう一言言いたいことは、非常にあなた方はそういうことで何か管理運営権の名をかりて、よけいの何か摩擦を起こそうとしているように見られてしょうがないのです。これは話し合ってごらんなさいよ。私はそういうことはないと思うのです。あなた方がこの条件を組合意見が一致するならやろうというのだから、この一致することは問題ですよ、大臣、一致することは。そこをあなた方は管理運営権と言う。僕らはそうじゃない。この意見の一致というのは、これは労働条件の確保なんだから、それは必ず成り得ると私は解釈する。一回、二回で今みたいに警世を入れて、お前たちが言うことを聞かなければ警官によって強行するということになれば、これはなかなか意見の一致は見られないでありましょうが、平和的に物事を話し合ってごらんなさい。きわめてスムーズに私は両者の意見は一致すると思う。だからそういう心配は一つやめにしていただいて、同者の意見が一致して、そこで管理運営権に移してもらう、こういうことはちっとも差しつかえないと思う。これはだれが聞いても、国民もそんなことくらいはどうせ大臣だって考えそうなものだと思うと私は思うのですがね。
  64. 森中守義

    森中守義君 ちょっと今のに関連して一緒に答弁してもらいたい。用語としての管理運営権ということの議論を中心にするわけじゃありませんが、どうもあなた方の言われる管理運営権ということは私にはわからない。もう少し公定解釈はできませんか。私はこれは大ざっぱに考えてみて、支配者と被支配者の関係に生ずる管理者の行ないだと、こういうことになれば、すべてはやはり労働条件関係があるということですよ。そういうように解釈するならば、さっき人事部長関係のある団体をずらっとあげろと私言ったけれども、そういうようなこともあろうし、そのほか大部分労働条件関係することが占めていると思う。そこで協約を結ぶということはどうしてできないのですか。そういう意味で一つ管理連帯権の公定解釈を聞かしてもらいましょう。
  65. 小金義照

    国務大臣(小金義照君) この労働組合の方で労働条件の維持とかあるいは労働組合員の保護、経済上の地位を考えられることはもっともでありますが、その協約をしなければ合理化といいますか、この電気通信事業の革新化ができないというようなふうに前提を持っていかれますと、これはもう管理権というのは私は局舎の新設とか開設までも入るであろうから、結局それがまとまらなければできないということになると、開設もそれから事業の開始もできないという結果を私きたしゃしないかということをおそれるから、基本的なものを話し合って、これは協約と申しますか、何でもそれはきめられるけれども、具体的なものについてはやはり実情に即した話し合いがいい、こう考えてこう言っておるのでありまして、経過、また実例等につきましては政府委員から補足させます。
  66. 永岡光治

    永岡光治君 答弁がありますか。
  67. 長田裕二

    説明員長田裕二君) いえ。
  68. 森中守義

    森中守義君 私の追加した質問に対する答えがない。
  69. 長田裕二

    説明員長田裕二君) ただいまの管理運営事項労働条件に該当する事項とを具体的に数多く示していくことは、今私ちょっと用意の持ち合わせがございませんが、公労法の八条では例示として——当然団体交渉事項であり、労働協約を締結してやるのが原則だということの例示といたしまして、賃金その他の給与、労働時間、休憩、休日、休暇、それから昇職、降職、転職、免職、休職、懲戒の水準などもあげてあるわけでございます。だから管理運営事項につきましては先ほど私申し上げましたほかに、たとえば個別人事など一定の労働協約範囲内で、あるいはその他の法令の範囲内で行ないます個別の人事などは、やはり管理運営事項の代表たるものじゃないかというふうに考えるわけであります。
  70. 永岡光治

    永岡光治君 いや、その個別の人事の発動を組合がやろうということは言っていないと私は繰り返えし言っておるわけです。それはあなた方の権限だからおやりなさい。だから人事発令に先だって労働条件を確保しなければならない問題が一つの前提として出てくるが、これは協約事項じゃありませんかというのです。それは当然でしょう。大臣、それは認めるでしょう。条件でしょう。それはそうでしょう。だからそのそれまでの確保を組合が主張するのは当然じゃないですか。そうしてそれを大綱的にきめておいて、あるいはこれは下市とか上市とか出てきて、何の何がしはこういう条件でなければ困るということをお互いに話し合って、よしそんならやろうとこういうことでなければならぬはずだと私は思う。そこで大臣は何か大へん広く解決をしまして、否定的に否定的に物事を考えておるが、そうではなくて協力を求める方向でこれを円満に進めようと、こういう方向であなた方ものを考えなければ、進まないのじゃないか。何といっても特に郵政事業等は人の協力なくしてこれはやれないのですよ、大臣。幾ら何といってもだめなんですから、だからその協力の点を組合も主張するしまた求めるのも当然だから、その身分の保障ないし待遇の確保ということについて、事前に話し合うことがどうして悪いのですか。そこでそれが一致して初めてあなた方はいつ幾日切りかえるということを発令すればいい。それを組合が全逓委員長の名前でいつ幾日切りかえる、太郎君はどこの地に行けということになるとこれは人事権の干渉になりましょうが、そうでないのですから、その発動に至るまでに両者の意見の一致をみなければならぬ問題があるわけですから、会ってやはりあなた方がこれを否定されるとよけいに組合は、どうもあぶないと、こういうことになるわけですよ。あなた方が自信を持っておやりになるのだというのだから、それならば何もこれを承認することはちっともやぶさかであってはならぬと思うのです。どうでしょう。
  71. 長田裕二

    説明員長田裕二君) どうも先ほどからの御質問にちょうどあるいは当てはまるかもしれないと思われますのは、たとえば切りかえの際に公社のどこの電報電話局へ行くかという問題など、たとえば中央へ一時間半なら一時間半ぐらいのところならまあいい。もし協約ができたといたしまして、その場合に、現在の勤務場所から今度新しい公社の電報電話局が一時間ぐらいのところだとか、三十分ぐらいのところだとかいろいろなのがあるといたしました際に、そこにだれがどこに行きだれがどこに行くかという問題などであります。確かに本人のいろいろな勤務の条件にいろいろ関係のあるということも事実でございます。が、同時に、それが全部全員が納得されなければ……、中央できめられて一時間半なら一時間半の範囲内であっても、一人一人がたとえば自分は三十分の所へ行きたいのに、どうもいろいろみんなと話し合ったり、また、局長から話を聞いたりしていると、一時間の所へやられそうだ、それじゃどうしても言うことが聞けぬ、だからこの計画をやめてくれと。私どものあるいは危惧かもしれません。しかし、従来の、去年の暮れまでの全逓の話し合いなどで私どもが考えましたのは、その際でも、一時間だからおれはいやだからやめてくれと言われれば、やめなければならないような協約を結べ、というふうに私どもはとったわけであります。そういうことでは私どもは困るので、しかし、一定の保証というものはしなきゃならないから、まだ何時間にするかきめてございませんけれども、私どもの方では配転協約というものがございませんから、それは今後の問題でございますけれども一定のある範囲内については、その一人々々が承知しなければ計画をやめなければならないということでは困る。その範囲内の問題については十分に本人の希望も聞くし、いろいろ説得なり話し合いはするけれども、究極のぎりぎりのところまで行けば、これは公社との関係がありますから、今ここで郵政の人事権というふうに言い切るのもちょっと問題があろうかと思いますが、まあたとえとしましては、そういうようなものは個別の問題で、協約なり何なりの対象ではないというふうに考えているわけでございます。
  72. 永岡光治

    永岡光治君 だから、今そういうことになると、私が心配するのは、組合の了解なしに二時間でも二時間半でもぼんぼん飛ばすようなおそれがあるわけです。だから、組合はそれを保障しなければならぬということにやっぱりなってくるわけです。話し合ってごらんなさい。一致すると思うんです、そういう個々のケースも。組合が納得しないような無謀なことをやれば、これはあなた方も無謀ですよ。人事権に名を借りての無謀だと思う。だからそう心配しないで、個々のケースだってそう私は問題にならぬと思うんです。保障もあるでありましょうし、組合もばがじゃないですから、やっぱりわかるんですから、だから、こういう大綱的な両者の意見の一致というものは、そうこだわらぬでも意見が一致する。また、将来の話し合いになるわけですから、先のことを心配して否定的に否定的に物事を考えるから問題はこじれるのであって、建設的に物事を考えていくわけですから、冒頭申し上げるように、組合はやっぱり管理運営権を持っていないから弱いんですから、保障をとりたいわけです。その意味でこの調印を明確にしてくれというのだから、それをしもあなた方が否定するとなると、やっぱりこれはあぶないなということになるわけですからね。大臣、それだけのしかし度量を持って私はしかるべきだと思うが、どうでしょうか。
  73. 小金義照

    国務大臣(小金義照君) いろいろなお説を拝聴いたしまして、とにかく本部なりあるいはまたその代表者なりと話し合いをさせていきたいと思います。
  74. 永岡光治

    永岡光治君 私が繰り返し申し上げておりますように、とにかく労働条件の確保というのは非常に大きな問題ですね。この合理化の問題は、大臣もそれぞれでお聞きでありましょうが、機関車労組にいたしましても、全電通にいたしましても、相当大きなこれは問題になっているわけで、従って、賃金の値上げの問題もこれは大きな問題でありましょうが、これは一つこの段階で解決すれば、また若干の余裕もあるでありましょうが、これは長い計画に立った大きな問題でありますから、この問題についておそらく組合は賃金以上の問題として大きな俗な言葉で言えば闘争目標にしておると私思うのであります。これは安易に考えるべき項目ではないと思いますから、十分この点を考えまして、大臣もしばしば私にお約束をしていただいたように、私が主張した線に従ってあなた方一つ団体交渉をしていただいて、早急にこの問題を解決できるように万全の措置を講じてもらいたいと思う。よろしいですか。
  75. 小金義照

    国務大臣(小金義照君) 話し合いを直ちに開始いたさせます。
  76. 野上元

    ○野上元君 今の問題でちょっと関連質問をしますが、大臣は現在全国でこの合理化の問題でどれくらい紛争があり、どういう状況になっておるかということを御存じですか。
  77. 小金義照

    国務大臣(小金義照君) 正確な数字は承知いたしておりませんが、合理化と申しますか切りかえと申しますか、そういうのが五十数局あるように聞いております。この中で今のような紛争を起こさないのも相当ありますので、それで細かい内容については必要があれば政府委員からお答え申し上げます。
  78. 野上元

    ○野上元君 私はこの問題は郵政省にとっても重大な問題と思うから、少なくとも私の質問に対して、大臣は下僚に質問せずにずぼりと答弁できることを期待しておったわけですが、残念ながら先ほど来大臣は、この問題で大きな紛争が全国的に巻き起こっておるということについて、あまり詳しく御存じないように思うので、そういうことではこの問題の解決は非常にむつかしくなると思うんですよ。大臣はもう少しこの問題の底深い重要性を認識をして、あなたがみずから陣頭に立ってこの問題を解決しなきゃならぬというふうに私は考えるのだが、大臣の決意を聞きたいんですが。
  79. 小金義照

    国務大臣(小金義照君) そういうつもりで当たっておりますが、ただいま局の個所の数だけは正確なところを調べたわけで、五十数局と記憶しておったわけであります。
  80. 野上元

    ○野上元君 結局、大臣はこの問題の紡争はどうして起きておるのかということについて、どういうふうにお考えになっておりますか。
  81. 小金義照

    国務大臣(小金義照君) 委託局から専門の局に移っていく際のやはり労働問題の立場と申しますか、従業員の身分その他の問題が一つの重要な原因だと思います。
  82. 野上元

    ○野上元君 その問題を解決する場合には、郵政当局としては何をやれば現状をおさめることができるか、打開することができると考えておられるのですか。少なくともこの問題に関する限り、すみやかに事前協議協約あるいはそれに類するものを締結をし、この問題をおさめなければ、この状態が今後十年間は続くということになるわけなんです。その点について大臣はどういうふうにお考えになっておるか、お聞きしたい。
  83. 小金義照

    国務大臣(小金義照君) 私は、やはりその地区を中心とした労働問題の解決だと、労働条件等の解決だと思っております。従いまして、その地方のいろいろの諸産業とか、あるいはまた電電郵政とのもっと緊密な連携だと思っております。
  84. 野上元

    ○野上元君 そうすると、あなたの考え方は、今後個々に発生してくる現地において一つ一つ話し合いを行ない、そうして協約のようなものを締結していくと、こういう考えなんですか。それとも組合の中央本部と郵政大臣その間においてこの事前協議協約を締結して、全体的にこれをおさめていくという考え方なのかどちらなのか、その点を明らかにしていただきたい。
  85. 小金義照

    国務大臣(小金義照君) 基本的には郵政省労働組合の本部との話し合いが重要だと思っております。側々の場合にはやはり地方話し合いをしていただきたい、こういうふうに考えております。
  86. 野上元

    ○野上元君 それはどちらが優先するんですか。中央で総括したものを締結することが前提になるんですか。それともそれは別に個々でやっていって問題が解決すると考えておるんですか、どちらですか。
  87. 小金義照

    国務大臣(小金義照君) 私は、中央で基本問題は話し合って、あと側々の具体的の場合、また派生問題は地方で解決してもらう、基本はやはり本部だと思っております。
  88. 野上元

    ○野上元君 郵政大臣はつい二、三日前、国鉄当局と動力車労組との間に締結されたこれと同種類の事前協議協約内容を御存じですか。
  89. 小金義照

    国務大臣(小金義照君) 大筋は承知いたしております。
  90. 野上元

    ○野上元君 この内容をあなたは御存じであるというならば、国鉄当局と動力車労組との間には長い間この問題については紛争が続けられ、そうして国鉄と動力車労組との間に一つの問題が片づいたわけなんです。従って郵政当局は、もしもかりに今動力車労組が締結した同一の内容であるならば、直ちに全逓と結ぶ用意があるか、どうですか。
  91. 小金義照

    国務大臣(小金義照君) 国鉄の場合もやはり、これはくどいようでありますが、管理運営についてはまあ最後的には管理者側にその全責任があるというふうに私承知いたしておりますが、国鉄は国有鉄道が使用者でありまして、その従業員との間の交渉、あるいは話し合いでありますが、今の私の方の場合は、郵政におる間は郵政の職員でありますが、電電公社が使用者になるという場合については三つの関係になりますので、その点は私は少し国鉄の場合とは違いまして、今度の使用者になるのが電電公社でありますから、郵政大臣の監督下にあるとはいいながら、主体が違うので、その点は少し違うのじゃないか、まあ基本問題はいずれにしても労働条件の維持あるいは向上ということにありますから、その点は変わらないとしても、形式や形、交渉等は私は国鉄と少し違うように思っております。
  92. 野上元

    ○野上元君 そうするとあなたの言われているのは、交渉協約を締結する当事者はこの場合全逓と電電公社の総裁とやる、こういうことですか。
  93. 小金義照

    国務大臣(小金義照君) これは郵政省におる限りは郵政大臣とその労働組合でありますので、電電へ移るという問題については、やはり使用者が電電公社でありますから、電電公社を加えた三者ということになると思っております。
  94. 野上元

    ○野上元君 そうするとこの問題を解決する場合には、全逓の委員長郵政大臣電電公社の総裁と三者が調印をした事前協議がなければどうにもならぬと、こういうことですか。その点をはっきりしておいて下さいよ。
  95. 小金義照

    国務大臣(小金義照君) 今の問題は、郵政従業員でありますから、電電公社と三者というのは、関係が三者でありまして、話し合い郵政省労働組合、全逓でいいと思っております。
  96. 野上元

    ○野上元君 そうすると、当面問題の解決はあなたと全逓の委員長が行なうべきだと考えるのですが、その点はあなたもそう考えておられますか。
  97. 小金義照

    国務大臣(小金義照君) 私もそう考えております。
  98. 野上元

    ○野上元君 そこで、私はこの問題を解決するのには、どうしてもあなたと全逓委員長との間に、事前協議協約をすみやかに両者が一致した形で締結することが一番望ましいと考えるわけです。その点についてあなたは同意されますか。
  99. 小金義照

    国務大臣(小金義照君) そのために本日即時にでも話し合いをさしたい、こう考えております。
  100. 野上元

    ○野上元君 そこで私は具体的に聞きたいのですが、動力車労組と国鉄との間に結ばれたあの内容そのままであるならば、今直ちにあなたは全逓委員長との間に、この協約を締結される意思があるのかないのかということを聞いておるのですよ。
  101. 小金義照

    国務大臣(小金義照君) それで私の方と全逓なら全逓と協議なり相談をいたしましても、新たな使用者の方の電電公社でありますから、それとの連絡もとらなくちゃならぬ。また国鉄と動力ですか、そういう組合との関係は前にあったものを修正したというのでありますから、今度はそのまま私の方でのむと申しましても、やはり話し合ってみなければ直ちにそのままのむとは私は申し上げかねるのであります。
  102. 野上元

    ○野上元君 あなたは動力車労組が締結した内容を御存じですか、具体的に。もしも御存じならその文章を発表してみて下さい。
  103. 小金義照

    国務大臣(小金義照君) 協約といいますか、約束の内容でありますから、うろ覚えであって間違っておったらいけませんから、御要求があれば読ませます。
  104. 野上元

    ○野上元君 私はそういうことを今やっているのではないのです。あなたは内容を知っておるというから、それでは動力車労組が締結した内容ならば、今直ちにあなたは全逓との間に結ぶ意思があるか、と聞いたのですが、実際には内容は御存じないのではないですか、知らないなら知らないと言って下さい、知っておるなら知っておると言って下さい、どちらかはっきりして下さい。
  105. 小金義照

    国務大臣(小金義照君) 私が承知しておる要点、これだけと思っておったのは、事前協議といいますか、事前協議をするということについて話し合いができた、それからさらにそれは管理権やなんかに終局には触れるものではないということを承知しているので、詳しいことは私は存じません。
  106. 野上元

    ○野上元君 結局は大臣内容は知らないというのではないですか、あなたは一方的に動力単労組が結んだ協約内容を解釈されているようですが、新聞にも堂々と出ているのですよ。私たちは全逓と郵政当局との間でその問題が非常に大きな問題になりつつあるということを憂慮しておる。特に上市、下市の問題については多数の警官を導入しておる、一触即発の状態にある。光村委員もわざわざ現地に行かなければならぬという状況にあるのです。これを解決するのは事前協議協約だということをあなたも認識されているわけでしょう。たまたま同じようなケースが国鉄と動力車労組の間に起きておるのですから、今あなた方は解決しようと思えば、誠意があるなら絶好のチャンスだと私は思うのです。そういうときにあなた方が、実際に動力車労組が締結した内容を知らないなどということは、私は怠慢だと思うのです。そういう考え方でこの問題を解決しようとするところに、私は郵政当局の不誠意があると思う。あなた方がほんとうにこの事態を解決しようと思うならば、わらをもつかむ気持でこの内容に飛びついて、同じ政府部内の国鉄当局が結んだ内容であるから、しかも動力車労組がこれによって一応満足して解決したのですから、あなた方これでならよろしいというものを持たなければうそだと思います。あなた方、今、全国で起こりつつあるこういう状況を見のがしていいというふうに考えておられるのですか、それとも事前協議は結ばないで、電話拡充暫定措置法が四十七年度に終わりますが、それまで毎年毎年、毎回々々警官を導入し一方的に押し切り、これに逆らう者はどんどん処分して首を切ってそれでいいと考えておられるのですか、その点はっきりしておいてもらいたい。
  107. 小金義照

    国務大臣(小金義照君) 今そういうことがいいとは私は考えておりません。基本的な問題について今取り組ませるために準備をいたしております。
  108. 野上元

    ○野上元君 私は、上市、下市の問題はあさってですか、問題が非常に大きくなっておるのは、その間に、それまでにあなたは誠意をもって本来なら間に合わせなければならぬ、動力車労組でもそうだった、朝方ようやく間に合ったのです。そして実力行使を回避できたわけです、お互いの誠意によって。その誠意があなた方になければこの問題は解決しませんよ。にもかかわらずあなた方は全国の状況を知らない、あまりよく知らない、どういう状態になっておるか。しかも動力車労組の内容も知らない。そんなことでは十八日大問題が起きても、私は郵政当局が不誠意だと言われても仕方がないと思う。この際あなた方が能動的に動いて、この事態を解決することが必要であると認められるならば、事前協議の問題についてすみやかにあらゆる角度から検討してみて、全逓と交渉をあなた方が申し入れるべきだと思う。それくらいの誠意がなければ私は解決せぬと思うのだが、郵政大臣の気持を聞きたい。
  109. 小金義照

    国務大臣(小金義照君) 向うから申し出がなくとも、今のように、こちらから誠意をもって交渉に当たります。
  110. 森中守義

    森中守義君 だいぶ質問が、結論的なものになりましたけれども、私は、問題が問題でありますから、もう少し根本的なことを少しお尋ねしておきたいと思います。  合理化計画には——いわゆる合理化計画には、要員計画も入るのですか。全然別個なものですか。いわゆる合理化計画とは何ぞや、これを一つ聞かして下さい。
  111. 板野学

    政府委員板野学君) 合理化計画につきましては、大体、まあ長期計画の中におきまして、大体施設がどういうことになっているかという点が、まあ一点でございます。  また、それに伴いまする大体過員と申しますか、過員が、大体どういうことになるかという点も、同時に計画内容として示されるわけでございます。
  112. 森中守義

    森中守義君 そうしますと、確認をしておきますが、要するに合理化計画の中には、要員関係が入った上で計画が樹立される、実行に移される、そういうように理解をしてよろしいですね、今の郵務局長答弁からいけば。
  113. 板野学

    政府委員板野学君) 大体、私のところに参っておりまする計画につきましては、その計画と、それに伴う要員というものは、大体どういう状況になるかということが参るわけでございます。
  114. 森中守義

    森中守義君 そこで、問題になりますのは、今審議をされている予算との関係です。この中にこの種の関係としてのいわゆる合理化のための予算上の関係は、どうなっておりますか。
  115. 板野学

    政府委員板野学君) 大体、合理化計画につきましては、その大要でございまするので、個々の小さいところまでは今……。何年度実施するかという大体の計画でございまするので、その大体の計画に基づきまする原案が予算上立って参るわけでございます。
  116. 森中守義

    森中守義君 そうしますと、今から十年間を指しておるわけですが、向こう十年間の性格が、要員計画はなくとも、ことしないしは来年、きわめて近い年度における合理化のための要員計画というものは、これは出ておらなければ、さっきの答弁からして理屈が合わない。  というのは、この年度においては集中をどうする、切りかえはどうするというふうに、具体的な数字が出ておる。それに対していく要員計画というものが、郵務局長が、全体的な計画の一内容であると、要員会計は、そういう説明であるならば、当然それに対応する要員措置がとられていなければならぬと思う。その内容をお示しいただきたい。
  117. 板野学

    政府委員板野学君) 大体、たとえて申しますると、三十六年度において、どういうものが合理化されるかという点につきましては、前年度の予算編成時期におきましては、大要わかるわけでございます。  従いまして、そういうような合理化計画、それに伴う要員計画というものが、三十六年度の予算上の措置となって出てくるわけでございまして、次年度につきましては、これは長期の計画でございますが、次年度等につきましては、大体の計画は、一年前には連絡してくるわけでございまするけれども、しかしそれが具体的に固まるというのは、やはり半年とか、幾分かおくれてくるというのが実情でございます。
  118. 森中守義

    森中守義君 私は各年度のことまでも、小さくここでは分類いたしません。要するに今郵政省では、そういう御答弁であるけれども、衆議院における電電公社答弁からいくならば、要員計画は、合理化計画の中に、その一内容を持っていない、こういう答弁が行なわれているんですよ。これが第一点。  それともう一つは、それではいけないんじゃないかという質問に対して、せんじ詰まって、電電公社は、まだ具体的な内容がないといっている。電電公社の大もとにないのに、郵政省に、そういうものがあるというのはおかしいじゃないですか。どういうところまで話が進んでおるのですか。
  119. 板野学

    政府委員板野学君) 私の方には、結局その電電公社は、長期の計画をお立てになり——電電公社の方で、どういう御答弁になったか知りませんけれども、そういう長期の計画に対応するような、おそらく要員計画はないというような御答弁であったかと思います。その辺は、よくつまびらかにいたしませんけれども、私どもといたしましては、具体的にこういうのが合理化される、いわゆる前年度におきまする具体的計画に基づく具体的な要員の一つ計画が出てくるわけでございます。そういうものが、その年度の予算面に原案となってくるということを申し上げた次第でございます。
  120. 森中守義

    森中守義君 これは、昨年の暫定措置法案の審議の際に、こういうような紛争は、だれも予想しなかったのです。またそういうことを期待もしなかった。ただ審議の経過の中で、こういう不必要な紛争が起こるような法案は、これは困る、そういう計画は困るということで、もちろん私も申し上げました、大多数の委員紛争を来たさないような法律でなければ困るぞということがちゃんと言われている。これは事実、皆さん会議録を見てもらいたい。それに対するとにかく大臣首脳部の答えというものは、その通りにいたします、こういう答えが出ている。そうなると、いわゆる単なるこれを労使問題として私ども見るわけに参りません。すでに法律が制定されるときに、立法機川内において、行政機関に対しては強い要請が行なわれており、その要請に行政機関はこたえるということが出ているわけです。  ところが、わずか一年たった今日、そのような立法経過をたどりながら、まことに正面から衝突をするような、いわゆる、法案の審議、すなわち立法の意思と正面から激突するような事態が現在起きている。これは郵政大臣、どう思います。国会における法案の審議の過程の中から、そういうことがあっちゃいけない、期待をしない、予定をしないけれども、予想はされた、そういう予想に対して立法機関においては、強い要請が行なわれており、それに対する大臣を初め関係皆さん方は、そういうことはいたしません——会議録を見てもらいたい。だから今、数名の者がいろいろ御質問いたしましたが、この質問の要点は、そこにあるのです。単なる郵政省と全逓の問題、もとよりこれも重視します、重視するが、その前段にあるものは、国会の審議の中で取りかわされている立法段階における議会と政府間との約束というもの、これをどうしてくれるのです。それが問題なんです。だからこの問題は、やはりその辺からまず明らかにされていかないと、私はまずいと思う。むしろ根本的な問題だから、その辺に対して一つ明確なるお答えをいただきたい。
  121. 小金義照

    国務大臣(小金義照君) ごもっともな根本問題でございますので、これを争いがないようにするためには、やはり話し合いが大半でありますから、また話し合った上で、いろいろな処置がとれると思いますので、速刻今、私が申し上げたように郵政省本部と労働組合の本部とに話し合いをさせるということで、今後、今森中さんがおっしゃったように、電通合理化に即応しまして、私もこまかい合理化の、何人解任になって、何人ほかの局、新設の旬で増員になるとかというような数字たけしか、私今考えなかったものですから、具体的に、それは重要な問題でありますから、県連話し合いの場を作りたいと思っております。
  122. 森中守義

    森中守義君 まあ大臣は、当時ここにおいでになりませんでしたから、あなたにまで、その責任を及ぼしていくというのは、多少酷なような気もいたしますけれども、いつも大臣の権限において継承しておることと思う。それで今日、この委員会に付託されておる案件は、これは私も審議する、同様なことが議論として行なわれる、約束が行われる。ところが、来年になって、その約束事が、一言も委員会の了解も得なければ、報告もなく、約束を破って、これに反するようなことをあなたおやりになりますか。もしやったとすれば、その責任はどうなりますか。だから最近言われておるように、どうも国会における案件の審議は、暗闘が経過するにつれて、ずいぶん踏みはずれた行き過ぎが行なわれた。その一つの現象が私は、この問題だと思う。ですから、ここにおいでになる官房長、あるいは人事部長もおられたかわかりませんが、そのときの約束が、この合理化実施に当たり、しかも労使の紛争に発展した場合に、国会では、どういう約束をしたのか、何と答えておるか、それくらいのことは、この問題が発生をする以前に、私は当然気をつけられてしかるべきだったと思う。私は、そういうつもりで審議していない、法律の成案を得ていない、どうしてくれる、その責任は。——とりやめる以外にないということは。  これは、重要な問題です。私どもは、これからの法案を審議しなければならないけれども、従来の約束が守られないような法律の上審議をするわけには参りません。思いそこに至るならば、あなたも議員の一人です。約束だから、即時にこういう紛争が継続する限り合理化は中止する。もとよりこれも、合理化がどういうものであるか、その合理化を根本的に抑制しより、やるべきではないという無謀な見解ではない、昨年の約束があるから、紛争が生じておる限りは中止せざるを得ない、話し合いを進める以外に方法がないということ、——どうですか、おやりになりますか。
  123. 小金義照

    国務大臣(小金義照君) 今の法律案の御審議の際の大臣、あるいは事務当局の発言がどうだったか、私承知いたしませんがいやしくもそういうふうなお約束をし、努力しようということは、これは守らなければならぬと思っております。  そういう約束があるなしにかかわらず、電通合理化というような、国民もともに喜ぶ、また全逓も、これを認めておる問題でありますから、そこにトラブルが起こったということは、まことに遺憾でありますが、先ほど申しましたように、約束を履行するとかしないということではなしに、進んで話し合いで、この紛争がなるべく片づくように努力いたします。
  124. 森中守義

    森中守義君 私は、そういうようなことで、やはり問題は片づかないと思うのです。  なぜかと言うならば、この紛争によって、きょうだしか四名の人があなたのために処分されておる、馘首されております。その馘首の原因というのは、やはり合理化に端を発しておる、そういうことでしょう。  されば、合理化に端を発して整理になったというならば、昨年の国会の約束をどうしてくれるのか、だから首切りを撤回して、すみやかに振り出しに戻し、紛争が起きない状態にしろ、その状態に一つ置き返してもらおう、それでなければ、国会の約束は守れないということ、その御意思がありますか。
  125. 小金義照

    国務大臣(小金義照君) 処分をいたしましたことを撤回するということはできません。しかし、その原因あるいは実情を調べまして、これは、今のような約束を守らないからということ、あるいはまた自分らの希望が達せられないからというので、一郵便局というものが全然麻痺してしまったというような状態は、これは非常に国民のサービス機関として困りますので、その点は、私は重視いたしまして処分をいたしたのでありますが、私どもの考えております今の処分というのは、これは撤回するといっても、元に戻して云々ということは、私は今のところ考えておりません。
  126. 森中守義

    森中守義君 どうも、やはり昨年の約束に対する認識が迷うようです。  私が今申し上げたことおわかりになりますか。私は、新潟県におけるその種の問題というのは、目的を持たないで発生したとは思わない。国会の約束を破って、合理化を一方的に独善的に推進をした、これに抵抗した、そのために紛争が起きた。だから、あなたの方で一方的に、独善的に合理化の促進をしなければ、その種の紛争は起きていない。だから結果と原因というものがある。原因があるから結果がある。いつも私はここでそんなことを言っておる。だから結果だけあなたは見つめて、原因を見つめようとされない、おわかりですか、こう言う理由は。  だからほんとうに昨年の審議過程における委員会のお約束を当然これは守らなければならないし、守ってもらわなければ困る。これは今日審議している、いろいろな法案にも関係がある。私どもは、一回約束したことが守られないような法案の審議なら、これはもう法律として認めません。そういうものを成立させるわけにいかぬ。これは、これからの問題でもある。だから新潟県の場合には、そういうように原因があって結果があるんだ。その原因は、だれが作ったか。国会の約束を破って郵政省が一方的に、独善的にやった結果、その結果、その棟の紛争が起きたのでございますから、あなたの方で一方的にやらなければ紛争は起きない。首を切らなければならぬということもあり得ない。一切白紙に返したらどうです。それが国会の約束を守るということです、どう思います。  だから具体的な問題としては、首切りを撤回して、すみやかに当事者間の間で話し合いを進める、紛争の起きないように話を進める、これまで戻らなければ、国会の約束を守ったとは言えません。どう思います。
  127. 小金義照

    国務大臣(小金義照君) 私、国会でどういうお約束がありましたか、その当時のことを記憶いたしておりませんけれども、ただ約束があって、それを守らなかったからという理由で、著しい違法状態を生じて、地方の郵便業務、電信、電話の業務をストップさせて、麻痺させてしまうというような違法状態については、これはやはり法の建前から、処分すべきものはした方がいいと私は考えております。
  128. 森中守義

    森中守義君 どうも、私の言うことが御理解いただけぬらしい。何回も申し上げますように、原因があるから、そういうことになった。もちろんその行為を、私はここでは論及いたしません。いたしませんが、国会の意思に反した行ないをあなた方やったじゃないですか。だから、そういう紛争を起こした人を首切るならば、国会としてあなた方に、そういう紛争が起きないような状態に返して下さい、返すべきであるという要求が、これはできる、どうですか。  だから、結果的にそういうように、皆さんに迷惑かけたから首を切ったのだ、それは、撤回できない、しかし国会の約束は、約束として守らなければいかぬ、こういう理屈は成り立ちません。しなければ、そういうことはあり得ない。じっとしている人を、首切りますか。その原因は、一方的な合理化の促進、それを食いとめようとしたから問題が起きたのです。これは、国会の約束に忠実であろうとするならば、当然首切りは撤回すべきだ、紛争がおきない状態に、まず置いて——紛争の起きない状態とは、話し合いを始めるということです。先刻野上君が言うように、協約をすみやかに締結する事態に立ち至る、紛争状態を回避する、それが、国会に対する約束を郵政省が履行するということにほかならないと私は思う。こうまで説明しても、まだおわりになりませんか。
  129. 小金義照

    国務大臣(小金義照君) 私は、約束がもしあったとすれば、それを守らないことはよくない。その原因はよろしくないのですが、原因があるからといって、著しく違法状態を生じた、その事実は、これは撤回できないのでありますから、その事実に対しては、私どもは制裁を加えるべきものは、涙をのんで制裁を加えるのもやむを得ないのじゃないかと、こういう意味でありまして、約束を破っていいということは、私は考えておりませんし、また、じゃ、約束を破ったから、違法状態をうんと起こしていいということも、私は納得しないのです。
  130. 森中守義

    森中守義君 国会における食言というのは、国会法の百二十一条か何かできめてあります。しかし、国会の審議の旭程で、約束されたことが守られなかったことに対する制裁規定は、残念ながら、現在の法律にはない。しかしながら、これは立法機関と行政機関という関係において、もっと高い角度から私は問題を見るべきだと思う。法律案の審議の過程の約束を、それを若干の時間が経過して、その約束を破って行なった郵政省仕事というものは、断じて私は許せません。  それじゃ、高い角度とは何かというならば、大臣の政治的な判断により紛争状態を回避するような、いわゆる国会の約束に基底を置く円満な解決の状態を作り出す、それは野上君が言うように、協定を結ぶこと、首切りを撤回する、それ以外に、高い角度からの物の見ようというものはない。おそらく大臣も、これには私は御異論はないと思うが、どうですか。   〔委員長退席、理事手島栄君着席〕
  131. 小金義照

    国務大臣(小金義照君) 私は、国会で約束したことを破ることは、制裁があるなしにかかわらず、よくないと思います。しかしながら、そうかといって、違法状態を起こして、国民に非常な迷惑をかけた事実があって、これは取り消すことはできないでしょう。撤回することもできないし、その十一日ですか、こういうものは、再び来ないのですから、それは国民の利用者の側からいえば、どれだけの不便と不満を持たれたかわからない。そういうようなことは取り消すことはできない。従って、私の心配したのは、それまでに、相談といいますか、話し合いが十分できたのか、できないのかということを心配したのですが、これも、十分な話し合いをした結果、安心をしておったら、突如として、ああいうことになったと、こういうわけでありますから、突如として、そういうことが起きるということになると、お医者さんに電話をかけようと思う人もかからないというような——いろいろな今後、例も出てきましょうから、そういうような意味で、先例等参酌して、人事部長の案を私は是認したのでありまして、これは、詳しいことは、人事部長から説明申し上げます。   〔理事手島栄君退席、委員長着席〕
  132. 森中守義

    森中守義君 これは非常に重要な問題です。郵政省にいる人が職場から締め出されることほど不幸なことはありません。  それで、在来処分の傾向を見ると、相当の期間をかけて、慎重にも慎重を期して、事実調査をやり、はたしてこれが馘首に値するかどうかという認定は、相当時間の経過が必要である。ところが、問題が発生して今日までどのくらい時間が経過しておりますか、そこで、私は申し上げたいのは、今回のこの馘首というのは、明らかに政治的な意図がある、こういうふうに私は思う。のみならず、この合理化の問題は、いわゆる全逓が春闘の柱として賃金の問題と合理化反対を打ち立てた。これに対抗するということで身がまえたのが、この結末として現われた。  これは私は純粋な皆さん方の平素のことは、どうしても思えない。何か独特の政治的配慮が加わっているのじゃないですか。いろいろ話は聞いている。それらの話を今一々ここで持ち出そうとは思わないのです。多分に、そういう特別の対策というのか、配慮というものが加わって、紛争が次に激化していくような傾向にあります。事態を、そういうふうに物を見るならば、昨年の国会における約束は、皆さん方の組合に対する政府の一つの施策として、巧妙にぬりかえられた、そういうことでいいのかどうか、大臣は、どう思いますか。
  133. 小金義照

    国務大臣(小金義照君) 自分のかわいい部下を、そう首なんか切れるものではございません。しかしながら、また、日にちをおかなかったというようなお説もありますけれども、私は、政治的意図をもって、これを処分いたしません。と申しますのは、全局が、二十人かそこらの相当な地方の局が、全員郵便局へ入って仕事ができないというような状態ができたということは、非常に悲しむべきことでありまして、大きな局で、一部の職場会議だとか、あるいは欠勤者があったという場合は、相当あるようでありますが、電信も電話も、それからまた郵便業務も、貯金その他一切の業務が阻止されてしまったということは、しかも、土曜日か何かでありますので、これは、土曜日の午後からは現金取り扱いがございませんので、こういうことは、私は非常に異例でございますので、私は、従来の例等をも勘案いたしまして、ただ、森中さんが、非常に急いでやったから政治的じゃないかと言われますが、これは、政治的意図を加えてやったのではございません。
  134. 森中守義

    森中守義君 なかなか国会では、私の言っていることが事実であったとしても、そうであったという肯定は困難でしょう。それは大臣立場としてわからぬでもない。  しかし、在来の経過から見て、私の言っていることが、とほうもない的はずれだとは私は思っておりません。もし必要であるとするならば、いろいろな話を私があなたにお聞かせしてもよろしい。その話のうちの、かりに十あるとするならば、五つ私はほんとうだと思う。政治的な配慮のもとに首を切った、合理化反対闘争に身がまえをしたしこれだけは、大臣あなたも、率直にお認めになるがよろしいと思う。しかし、そういうような身がまえ方でわが国の行政が行なわれていいかどうか、これは私があなたに申し上げるまでもなく、事はきわめて重要です。  一体、最近の郵政省と全逓との関係は、どうなっておりますか。問題の軽重は問いません。しかし、この合理化に、ほぼ相応するような問題がある。その一つ一つを私は列挙しない。相応するような幾つかの問題があるのに、それらの問題は、団体交渉で解決を見ているじゃないですか。当事者が、合意に達しているじゃないですか。なぜに、これだけ合意に達しない、事前協議協約の締結ができないということです。ことさらに拒んでいる。それが政治的な配慮と私は言っている。極端に言うならば、労働組合に対する弾圧ですよ。春季闘争という一つ計画に対する政府のかまえ方、こういうことを考えてみて、政治的でないと言えますか。しかも、やっていることは、国会の約束とは全く反対のことをやっておる。言うならば、国会の無視である。今までの慣例を無視しておる。そういうことでよろしいのですか。大臣、どう思います。  これは、あなたと私は同じ政治家ですから、そういう意味で、むずかしい法律の解釈とか、そういうことじゃなくして、政治的な議論として、一つ私はあなたに聞いておきたい。
  135. 小金義照

    国務大臣(小金義照君) そのこと自体によりまして処置すべきものであって、この新潟県の岩室局に起こったことは、すこぶるこれは政治的にも、また事務的にも重大であります。政治的な意図を加えないで、郵政省事務運行の上からいきまして、私はやむを得ず、残念ながらそういう処分をいたしましたので、これは政治的に、あまり私は取り上げない方がいいと考えております。
  136. 森中守義

    森中守義君 それでは、もう一つ最後に伺っておきますが、電電公社暫定措置法は四十七年まで、これはあなたも御存じの通り。四十七年といえば、今から十年です。十年間かかって、この合理化は進むんですよ。十年間こういうような紛争を継続するつもりですか、どうですか。
  137. 小金義照

    国務大臣(小金義照君) それは、申し上げるまでもなく、こういう紛争をなくしたいと思っております。  従いまして、全逓と話し合いができれば、どんどんとそれを進めていきたいと思っております。
  138. 森中守義

    森中守義君 ですから、話がまとまらなければ、この種の紛争は十年間継続するということです。宇宙までも人が行こうというときに、十年間は、これはもう大へんな時期ですよ。そういう長い期間を見た場合に、今合理化の出発点に立ったときに、これは大臣と全逓がもう少し高い角度から、こういう問題についてはどうする、ああいう問題についてはどうするという、最初の取りきめが行なわれなければ、十年間紛争継続の可能性が十分ある。それをおそれるから、国会の約束も、もちろん守ってもらわなければならぬ。国会の約束を守ろうとすることは、この合理化の出発点にあたって、いやしくも紛争を惹起しないような取りきめが必要じゃないですか。それでもなおかつ、管理権とか、管理運営権とかいうことでできないのですか。のみならず、さっき指摘があったように、国鉄の中における動力車の場合は、当事者間において、ちゃんとそういう協定ができておる。その程度のものもできませんか。私は、こういう各般の経過を大臣がつまびらかに理解されるならば、最低、動力車が締結をした協約——最低ですよ、それ以上のものが結ばれてもいいと思う。それが国会の約束に対する忠実である証拠です。さっき野上君の質問に対しては、困るということであったけれども、困るじゃあ済まされない。  もう少し正確に、何ならば御相談いただいてもよろしい、協約を結ぶかどうか、最低動力車の協約を基礎にして結ぶかどうか、回答をいただきたいと思う。
  139. 小金義照

    国務大臣(小金義照君) さっきも野上さんにお答えしたのは、ただ困るということではなくして、動力車の組合等と国鉄が結んだ協約もございますものですから、それらをまあ参考にいたしまして、すぐに話し合いを取り進めるということを申し上げたので、その点を御了承願いたいと思います。
  140. 森中守義

    森中守義君 郵務局長は、何だか袋の中から、その書類を出そうとさっきされたようですが、お持ちならば、見せて下さい。長いものじゃない。一見してすぐわかる、だれでもわかる内容のものです。ここで国会の約束、今から十年間という、こういう問題を前にして、私は、ここで大臣は即答できると思う。その程度のものを結ぶならば結ぶと。郵務局長お持ちでしょう。大臣に見せなさい。
  141. 板野学

    政府委員板野学君) 私は詳細なことを——私は、ここにただ書き写して持っているばかりでございまして——詳細なことはわかりませんものですから、人事部長に、ちょっと聞いてみたわけでございます。
  142. 森中守義

    森中守義君 詳細なことを、書き写しただけだとおっしゃるならば、その詳細なものがあるだろうから、見せなさいよ、大臣に。だれでもわかるんだから。結んでおるのは非常に短い文章です。
  143. 板野学

    政府委員板野学君) 私が申し上げたのは、ただ詳細なことがわからぬものですから、やはりこれは人事部長の方で、私の当面のあれでないものですから、そう申し上げたのです。
  144. 森中守義

    森中守義君 人事部長、動力車の内容を御存じですか。
  145. 長田裕二

    説明員長田裕二君) 私は、まだ動力車の方の、動力車と国鉄と結んだという、あれをよく存じません。
  146. 森中守義

    森中守義君 これは、郵政省人事部長としては、まことに異なことですよ。郵政省の切れ者といわれるあなたが、しかも郵政省の中における労使紛争の当事者が、春季闘争の展望——国鉄はどうしているか、動力車はどうしているか、少なくともあなた、公共企業体関係の動向というものは、だれよりもあなたが知っておらなければ仕事は勤まりません。ほんとうに見ておりませんか。
  147. 長田裕二

    説明員長田裕二君) 実はきょう、そういう全逓と交渉をやる予定にもしておりましたし、大いにその点も勉強しておくつもりで、取り寄せる手配だけはしておりましたが、まだ、間もなく、こちらへ出てしまいまして、新聞記事で承知している程度でございます。
  148. 森中守義

    森中守義君 それでいいのです。これは秘密文書でも何でもない。どの新聞にも出ている。その限りにおいて、新聞に出たことは承知しておると、こうおっしゃるならば、その新聞に出た限りにおいて、今まで私がいろいろお尋ねをしたり、意見を申し上げる範囲の中から、この程度のものならば、協約として結んでもいいというような判断は出てきませんか。その内容を、ちょっと大臣におっしゃって下さい。あなたから聞かなくてもいい。内容説明されて、大臣から、私はお答えをもらいたい。
  149. 小金義照

    国務大臣(小金義照君) その通り結ぶということを、ここで私は確言は差し控えます。やはり郵政省の省議を開きまして、いろいろな幹部の意見も聞きまして、その上でこれらの、今の動力車と国鉄の協約等を十分参考にして参りたいと思います。
  150. 森中守義

    森中守義君 具体的な問題としては、それでもけっこうです。  ただ、私が昨年の暫定措置法の審議の経過と、それから電電公社の要員計画、そういう問題をずっと今まで申し上げた。そうして政治的な問題として、あなたどう思う、——それは省議をお開きになってきょうでもやって下さい。だけれども、動力車の内容が、今人事部長が、ちょっと耳打ちをされたようだから、大体おわかりでしょう。それを最低なものとして結ぶということは、大臣としてどう思いますか。その余の政務次官、あるいは人事部長が何と言おうが、あるいは郵政省以外のどこかの圧力がかりにあるとするならば、そういう圧力も考慮に入れないで、あなたとしては、どう思いますか。
  151. 小金義照

    国務大臣(小金義照君) 私どもは、  そのことが労働問題の重要な点になりますので、十分慎重に考えております。ここで直ちにいいとか悪いとかいうことは、言わない方が、かえってよ  ろしいと思います。
  152. 森中守義

    森中守義君 だいぶ時間も経過しましたから、まあそれでもよろしいでしょう。  ただ最後に念を押しておきますが、会議録もごらん下さい、昨年の法案審議のね。それと、あの当時の経過を、官房長が一番御存じです。あの法案が流れようとした。私は流すつもりだったが、——率直に申し上げて。しかし、ぎりぎりになって、やっと成立をしたのです。そういういわくのついた法案です。いわくがついた法案であったのは、なぜかというと、こういう紛争が予見されたからです。予見されるということを私どもは感じとして持っている以上、これは、よろしいということでやるわけにはいかない。しかし、最終的に、そういう紛争が生じないという約束があったから、それならばということで話がきまった、こういう経過があります。官房長、そうでしょう。  だから、そういう会議録等を十分見られて、それに忠実であろうとするならば、春闘に対する特段の政治的な配慮、郵政省以外のいわゆる圧力等に屈することなく、純粋な立場から、約束を守ってもらいたい。そして何回も申し上げるようですが、最低、動力車の協定を基礎として、一日も早くこの協定を結んでもらいたい。  これは私の要望ということになりますが、これに対する大臣の御所見を承って、私の質問を終わっておきます。
  153. 小金義照

    国務大臣(小金義照君) 御趣旨を体して、できるだけ努力をいたします。
  154. 永岡光治

    永岡光治君 最後に、締めくくりみたいなことになりますが、ただいま同僚の議員から、それぞれ、大臣中心質問をいたしまして、私の冒頭に、大臣質問いたしたのでありますが、問題は、しかく簡単なものではない。非常に憂慮すべき事態と私どもは認識しているわけです。しかるがゆえに、国民の代表という立場から立ちましても、早急にこの事態の収拾をはかってもらわなければ困るわけです。これは郵政大臣としてもまたその責任があるわけです。  そこで、承りますと、組合の方から、この緊急な事態の解決をしたいという気持があっただろうと私は思うのでありますが、十四日以来、しばしば当局交渉を申し入れているようでありますが、一向に団体交渉に応じないというようなこともあるようですが、これは、もうきわめて私は遺憾だと思うわけです。何回も繰り返しますが、そういう状態に置いておいて、そうして警官を導入して、紛争を起こせば首だという。これは冒頭、私は大臣から確認を求めました。話すことによって、物事を円満に解決しようという精神と大よそかけ離れた態度だと思うのです。私は同僚議員から、それぞれ話がありましたから、重ねて申し上げることを差し控えますが、早急にこの時点において、直ちに私は団体交渉をしてもらって、大臣も、この事態をまとめるという誠意を持った態度で臨んでもらうという、こういうことを確認できるかどうか、最後答弁いただきたいのですが、ついては、これは私たちも、方々から雑音が入るわけでありますが、どうも郵政大臣のもとに、大臣の意向と一致しているのかどうか知りませんけれども、ややともすれば、この団体交渉を拒否するような勢力があるように聞いておりますし、物事をまとめることを好まない勢力があるようにも聞いておりますが、そういうことでは、一国の郵政をおあずかりしている大臣としての責任が果たせないと思います。国民の期待も、ここにあるわけでありますから、直ちに団体交渉をして、ただいま、るる申し上げましたが、誠意を持って、この事態の解決に当たる、こういうようにお約束ができるかどうか、最後にそのことをただしまして質問を終わりたいと思いますが、大臣答弁を伺いたいと思います。
  155. 小金義照

    国務大臣(小金義照君) 誠意を持って努力いたします。
  156. 永岡光治

    永岡光治君 きょうやりますか、直ちに。
  157. 小金義照

    国務大臣(小金義照君) やります。
  158. 森中守義

    森中守義君 これは、この問題と直接には関係ありませんが、四月一日から施行を必要とするあなたの方の法案は、何と何ですか。その審議状況は、どうですか。
  159. 荒巻伊勢雄

    政府委員荒巻伊勢雄君) 四月一日から一応予定いたしておりまする法律案といたしましては、当委員会関係のものを申し上げますが、簡易生命保険及び郵便年金の積立金の運用に関する改正法律案が一つございます。それから郵便貯金法の改正案でございます。それから簡易生命保険法改正案でございます。それからNHKの予算ということに相なっております。
  160. 森中守義

    森中守義君 大臣お聞きの通り、法案がありますね。こういうことを一つ、いろいろとお考えいただきたい。  さらにまた、今永岡さんからもお話があったのですが、要するに警官の導入ということは、安保の問題以来、一つのムードを作っておりますが、そういうものまでも入れて強行しなければならないという筋合いのものではもちろんないです——この合理化ということは。だから、話し合いに戻ったならば、当然そういうことも含めて、早速当事者間の話し合いを、どういう理由で団交が拒絶されておるのか知りません。しかし、もうちゃんと一昨年の暮から団交は再開されておるのだから、申し込まれて、団交を受けないという理由はありません。そういうことでお願いをしたいと思う。
  161. 小金義照

    国務大臣(小金義照君) 十四日に団体交渉の申し入れを受けたそうでございます。それで、きょうのお約束になっているのだそうでありまして、断っておらなかったのだそうです。
  162. 山田節男

    ○山田節男君 きょう午後、本委員会で、郵政省の要員が、電電公社の方の要員に配置転換されるということについての、各委員からの質問並びに政府当局の応答等を見まして、私痛感しますことは、根本的な問題に対する把握がない、これはむしろ政府当局がないのではないか。御承知のように近代産業、ことに今度の第二次大戦以後における技術革新の著しい進歩というものが、産業の合理化並びにオートメーション化、これはもう必然です。  ことに今日日本も、おそまきながら、民間産業におきましては、オートメーション化並びに合理化というものが非常に急速に普及しつつある。従って、政府の関係する三公社五現業というものも、これは当然、この合理化とオートメーション化は、技術の革新に伴ってこれは避けるべからざる問題です。ですから今、ここに起きている悲劇的な現象は、一方においては、主の側においては、ことに今、当面している郵政大臣として、雇用主としては、やはり雇われている者、すなわち郵政省の職員、これは今日、憲法上において労働権なり、あるいは生活権を保障されているのです。のみならず団結権も、いろいろな問題はあるけれども、これは、当然あるのです。  そこに私は、いろいろ聞いて感じますことは、オートメーション化、合理化ということは、これは必然的に労働力の排除ということになる、労働力が要らなくなります。そのことは、いわゆる労働者の生活権、あるいは労働権に対して非常な脅威を与える。従って民主国家におきましては、共産主義国家はもとよりでありますけれども、オートメーション化、合理化によって職を失うということになれば、これは雇用主、あるいは国家において、絶対責任を持つ。これが、今日における民主国家の当然の義務です。労使関係、あるいは雇用主が被用者に対する当然の義務です。  そこで、今問題になっている点につきまして、私も個々の事例をいいますと、たとえば電信電話、これはオートメーション化いたします。そうすると、要員を団体協約によって一人も首を切らぬ、そういう約束、協約がございます。しかしこれを、たとえばAでオートメーション化、ダイヤル化しますと、BないしCの方へ回してしまう。ところが先ほど話があったように、ここは交通機関が一時間とか一時間半、二時間もかかる。事実上、女の子は行けない。そうすれば一応雇用主からすれば、配置転換して、そこへ遠くて行けないなら、やめなければしょうがないじゃないか、そういうのが例になっております。そこは、今私が申し上げました合理化とオートメーションからくる、いわゆる剰余の労働力に対しては、これでは非常に私は不十分だと思う。  なるほど、今聞いてみると、もうこれは責任がないのだ、配置転換してしまったのだ、電電公社責任を持つというのだから、そこまでの責任は、これでわれわれは責任を解除されたのだというのではいけないのでしょう。私が、このことについて特に感じますことは、アメリカのような資本主義の国家におきましても、たとえば造船におきましても、労働力排除、あるいはイギリスの炭鉱、イギリスでありましたが、イギリスにおきまして、昨年、さらにことしの三月の末までに約十二万の労働力、炭鉱の労働力が不必要になった。これはオートメーショと同時に、廃鉱をいたします——不能率なものは。そうすると、十二万人の余剰労働者を全部首切ってしまえばいいじゃないか。そうはいかないのです。そこにいわゆる国家が乗り出し労働組合あるいは雇用主が協力しまして、職業の再訓練をやり、そうしてその職を得さしめるためには、これは国家と地方団体と雇用主と、これが相助けて、どこかの職につけてやるという保障をしてやらなければならぬ。これは私は、生活権と労働権を保障するのは当然のことだと思う。  どうも私、今の問題にしても、電電公社の現在オートメーション化、合理化によってくるその末端の、ただもう配置転換して、お前いやならやめろ、お前何だ、これは、私はどうも、労務管理としては非常に不親切だと思う。ですから、今、いろいろ繰り返されておる質疑応答を見まして、これは単なる郵政省だけの問題ではないのです。これは池田内閣として、これは民間産業を含めてオートメーション、合理化というものは、避くべからざるものです。そうでなければ、日本の産業というものはやっていけないのですから、これは、その犠牲になる者を、生活権、労働権、あるいは憲法二十五条の最低限度の文化、経済の生活を保障してやる憲法ですから、これは絶対国としても、ことにこういう三公社五現業の場合、そこまでの労務管理をやらないところに、今のように非常に不安が起きてくる。そうして不安のあまり、ある一つの行為があると、お前けしからぬからやめろと、やめさせることも——今日の時限においては、なるほど大臣がおっしゃるようにけしからぬということになりますけれども、その根本からいえば、そこに私は労務管理の、いわゆるオートメーションあるいは合理化と労務管理ということに対しまする認識が、これは民間でもございますけれども、ことに五現業三公社関係に多いんじゃないか。しかしながら、これは民間と政府と、全然雇用主の関係において違うわけでございません。ですからそういう点を一つ——この問題が、単に電電公社郵政省だけでなくて、必ず他の方面にも、これは出るのですから、一つ閣議等におきまして、池田総理を交えて、あるいは石田労働大臣なり他の現業関係閣僚、大臣をお交えになって、今のような不親切でない、やはり徹底的にやっているのだということまでの思いやりをいたされる労務管理を、一つ池田内閣としお立てになれば、民間産業も、——ことに中小企業はその点非常に冷たいですから——そういうような点におきましても、私はむしろ、こういうのを機会に政府も反省し、新しい一つの労務管理、オートメーションと合理化からくる労働問題の対策というものを、これは根本的に池田内閣としてお立てになる——今ちょうど、こういうまことに悲しい事態が起きているのですから、これはいろいろ見ると、どっちがいいとか悪いとかいう前に問題の把握点が、私は政府も誤まっておるのじゃないかと思いますししますので、これは一つ単なる労使関係でやるよりも、根本問題についてやはりこれは、国民の生活権というものは保障してやるだけの温かい思いやりを持ってもらわないと、根本的な問題の解決にはならない。ですから、これはこういう時限に、非常に緊迫した状態にあることは、これはもちろん私は、大臣責任もって、こういうことをさせるということは、これは絶対おやめになると同時に、そういう活動は、お前けしからぬじゃないか、郵政大臣等が文句言えば、むしろ池田内閣の問題として、一つこの問題を根本的にお立てになることを特に私発言しまして、お願い申し上げておきます。  これは、単に大臣のみならず、人事部長なり他の責任者に、これは一つ温い気持を持って、近代的な一つ労務管理に専念されていただくように、切にお願い申し上げまして、私は発言を終わります。
  163. 小金義照

    国務大臣(小金義照君) わかりました。ありがとうございました。
  164. 鈴木恭一

    委員長鈴木恭一君) 本日は、本件については、この程度にとどめておきます。  本日は、これにて散会いたします。    午後四時五十五分散会