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政府委員(木村行蔵君) この刃渡り
——これはナイフでございますが、このナイフについて申し上げますと、ここに刃のみねがございます。こちらが俗称、通常用語でございますが、柄のついておる部分、こちらがみねでございますが、このみねのへこんだところにみねまちというものがございます。このみねまちからこの刃の一番突端を切先といっておりますが、この切先から直線に引いてみねまちまでの直線を刃渡りと、こういうふうにいっておるわけであります。やりについては、現物がありませんから……。大体ナイフ類、刃物類については、この切先からみねまち、この下はあごまちといいますけれ
ども、このあごまちとこの刃のついている部分との、ここに
一つの線が、くぼみがあるわけでありますが、このくぼみの一番背中がみねまち、このみねまちから切先までを直線に見たところが刃渡り、こういうふうに御理解いただければいいかと思います。
それから刃体とは、この刃物が直接殺傷に用いられる部分、あるいは殺傷に直接有効に役立つ部分でありまして、ここに書いてありますように、柄部
——握る部分、つかの部分、この部分を除いたこれ以上の部分全体を刃体というわけです。
それから刃体の測定方法でありますが、これは一応総理府令で測定の方法を規定することになっておりますが、法二十二条に規定する刃物の長さは、総理府令で規定することになっておりますが、その一応の要綱をここに書いてございます。刃物の切先またはこれに相当する部分より柄部またはこれに相当する部分、柄部がない場合には、柄部を除いた部分までの、切先からその除いた部分の最短距離をはかること、ただし、これによりがたいものについては、次の各号によってはかるものとする。すなわち、身部と柄部の区別のない切り出しナイフで、これの全然ないものがございます、つかの部分。そうして全部が金属製になっておる場合に、この柄部に相当する部分を除いた以上の部分が刃体であります。その部分を一応明確にした方がいいと思いますので、一応八センチメートルを差し引いた長さ、大体日本人の通常人の手のひらの長さといいますか、それに相応する部分を柄部として概念しました。その概念に基づいて、柄部を除いた、八センチを除いた部分が刃体である、こういうふうに考えるわけであります。それからネジのあるはさみは、切先からネジまでの距離をはかる。ここに、はさみにつきましては、刃体がなかなか測定がしにくいのでありますが、一応ここにネジがございます。このネジから上の切先までの、先ほど申しました刃のついておる切先、この直線といいますか、この長さ、これを刃体として測定方法を規定すべきではないか、こういうふうに思われます。それから前号以外の、刃物は千差万別でありますけれ
ども、その他の刃物については、刃先の線の両端の距離を刃体とする、こういうふうに観念すべきではないかと思います。
それから政令で定める種類または形状の刃物というのは、先ほど逐条
説明でございましたように、法第二十二条の改正で一応原則としては、刃体六センチメートル以上の刃物については、正当な
理由がない場合には、携帯を禁止する、こういうふうにいたして、携帯禁止の、従来あいくち類似というような範囲を若干広げまして、同時に、あいくち類似の刃物という概念は必ずしも明確でありませんので、その概念を明確にするということで、刃体六センチメートル以上のものは原則として携帯禁止、正当な
理由がない場合には、原則として携帯禁止、こういうふうにいたしたいのでありますけれ
ども、ただ、例外的に、先ほど逐条
説明がありましたように、一応この種類または形状を限定しまして、その限定したものについては、殺傷力も比較的少のうございますし、また、その種類またはその形状によっては、非常に日常携帯し、または日常卑近に持ち歩き、または日用品、あるいは文房具品として使われる頻度の高いものにつきまして、一応政令で種類または形状を限定するという、その限定したものについては、正当な
理由の有無にかかわらず、携帯は自由であるということにいたしたいというのがここに書いてあります「政令で定める種類又は形状の刃物」ということで、その政令で定めることになっておりますので、一応案を考えてみたわけであります。
その内容を申し上げますと、はさみにつきましては、これはここに掲げてありまするように、はさみで先端部の著しく鋭利でないもの、これはふだん用いるはさみの鋭利の程度からいいますと、ほとんどこの程度のものが大部分だろうと思いますが、著しくこの先が鋭利であるこういうものについては、やはり正当な
理由なくしては、殺傷力が非常にありますし、またあまり日常携帯されるものでもありませんので、そういうものについて業務上または正当な
理由があった場合には、もちろん携帯していいけれ
ども、そうでない場合には、携帯を禁止する、しかしこの程度のもの
——この程度のものでは正確ではありませんけれ
ども、一応先端部が必ずしも著しく鋭利でないというものについては、そういう種類のはさみについては、八センチメートル以下のものについてこれを携帯が自由なものにする。それから折り畳み式ナイフ、これが折り畳み式のナイフでありますが、これも折り畳み式のナイフでありますが、これは俗称肥後の守であります。肥後の守は、先ほど逐条
説明でもありましたように、刃体八センチメートル以下のものについて、一定の形状といいますか、種類のものについては、携帯を自由にしよう、こういうふうな
法案の趣旨であります。これが八センチメートル、刃渡りが八センチメートル以下であって、刃体が八センチメートル以下でありまして、しかも折り畳み式のものである、それからこの刃の幅が一・五センチメートル、それから刃の厚み、裏側の厚みがございますが、この厚みが〇・二五センチメートル、そういう両方の制限をこえないもの、しかも、これが固定装置がない、すなわち刃を開けた場合に、これが一応柄部であると同時にさやであるわけでありますけれ
ども、この柄部あるいはさやと申してもいいと思います。これを固定してしまって、開いたら戻ってこない、そうすると非常に危険でありますので、これについては固定しないもの、それから第三は、刃体の長さが八センチメートル以下のくだものナイフ、これがくだものナイフでありますが、刃体の長さが八センチメートル以下のくだものナイフであって、これは厚みだけについて制限がある。厚みが〇・一五センチメートルをこえないもの、いわば非常に薄っぺらな、ぺらぺらなもの、刃体の先端部が丸みを帯びている、こういうものについては、殺傷力もありませんし、また、くだものナイフは大体先がとんがっていないのが大部分でありますので、そういう
意味合いから、この形状については、携帯自由というふうにすべきではないかと思われるのであります。それから刃体の長さ七センチメートル以下の切り出しナイフ、これが切り出しナイフでありますが、この刃体の長さ七センチメートル以下であります。それから刃の幅が二センチメートル、それから厚みが〇・二センチメートルをそれぞれこえないものであって、これがあいくち類似のものでない、作り方があいくち類似でないもの、こういうものについては、携帯を自由にするということで、二十二条改正案のただし書きの中に織り込んでいく、こいううふうになっております。