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藤田藤太郎君 それじゃその農業
労働者のとらえ方について、ここにやっぱりあなたのお書きになったところがあるのです。で、農業
労働者は大体千四百万あって、それを千万から千百万くらいに四十五年度にする
計画になっておるのだ、こういう
工合に書いてある。しかし、農業
労働者の実態というものは、これは農林省の
方々も意見もつけ加えてお書きになったものでしょうかということを私はお聞きしたいですね。今の農業
労働者の実態というのは、固定した農業
労働者と、それから出かせぎ的な農業
労働者と、それから家族
労働者が、農繁期に動員されるか、この三つが一緒になって農業
生産というものが行なわれておる。それをここでは、固定が千四百万だ、それが一時は千六百万にふえたけれども、順次千四百万ぐらいになっているのだ。これを千百万から千万ぐらいにしたい。まあ
倍増計画を見ると、農業
労働者は基準年度から四十五年度までに四百九十一万減らすのだと書いてあります。だからこれで大体千五百万から一千万にするなら大体符節が合うかもしれませんが、とらえ方の問題は、今の農業
労働者が大体農繁期になりますと千七百万から働きます。その中の三百万ぐらいはむしろ家族
労働者が動員されて、そのほ
かにあと三百万ぐらいが大体農業もやり、それから賃働きにも行く、こういう格好なのが農業
労働者ではなかろうかと私は思っておる。そういう
産業予備軍的な
労働者がこの今の
雇用労働者の中でどういう
役割を果たしているかということを私はやっぱりよく
考えていただいて、この
雇用の
推移というものを
考えていただかないと実態と少し違うのじゃないかという気がするわけであります。たとえば
労働省がどうして
雇用を拡大するかという具体的な
施策を七つばかりあげられました。基本的な問題は今触れておりませんけれども、そういう
職業訓練とかその他によって正常な
労働環境につけていくというのだけれども、しかし、農業
労働者を
一つ見ても、農繁期だけは農業をやり、その他は日雇いとかなんとかそういうところへ行くという三百万からのしょっちゅう
移動している
労働者というものを含めてこの問題の処理を
労働省はせなきゃならぬ。しかし、この
計画ではそういう問題が
一つも触れられていない。そういうことを見てみても私は非常に
倍増計画との間に問題があるんじゃないか。私の
認識が間違っておるなら、そうでない、こうだという
工合に指摘していただければ私も
認識を新たにいたしますけれども、私はやっぱりそういう点は
経済計画をお立てになるときには、実際の担当をしている
労働省との
関係で、血の通ったものが出てこなければ、それじゃこれを、あなたのお書きになったのが国民の前にいって、ああこういうことになるのかといって国民は期待するけれども、現実はそうでないというところが違う。やっぱり私
たちにはもっともっと早く
完全雇用をしたいという熱願があるわけです。まあもう一段の
議論を進めますならば、先ほど
お話しになりましたように、生活水準を上げるための
賃金をどこまで引き上げていくか。
生産性と
賃金の比率が、これは池田さんも指摘しておられた
生産性と
賃金の率とが外国では大体並行な形で競争しているところに
完全雇用と生活が守られる、国民所得の中の勤労所得の比率という問題を、これには触れられておりますけれども、そういう問題が
一つある。もう
一つは、これだけ機械が物を作ってくるのでありますから、時間短縮をどう具体的に進めて、そうして勤労の喜びの中に人生を全うさせるような
方法というものも
計画の中に突き進んだ
議論として、私は具体的な
施策としてそういうものが入ってこなければ
意義がないと私はそう思う。だから、そこらあたりの点が
労働省の実際の
施策と
経済企画庁のお立てになっているところとがどの
程度血がつながっておって、どの
程度具体
施策としてなっていくかというところが、さっぱり僕には理解ができないんですよ。だから、この
雇用促進事業団の
審議にあたりまして、私はその問題を明ら
かにするということが一番大事じゃないか。私はそう思っておるんです。その問題を明ら
かにして、
池田内閣なら
池田内閣が
経済の
政策を立てるのに、
完全雇用の
達成を一番大きな旗じるしにしておられます。この
完全雇用を大きな旗じるしの柱の一本として、
経済の拡大方式を柱としていかれる中で、具体的に総合的な十年
倍増計画を立てられる。これとあわせて
行政というものがどう進んでいくかということが血が通っていなければわれわれはなかなか理解できない。そこのところあたりをぜひこの
法案審議にあたって、私は筋を明ら
かにしてもらいたい。それでこの限界までを次の
段階にはこういう
工合に進んでいくのだということをこの社労
委員会で明ら
かにして、そうして
雇用促進事業団というものを歩かせるということに私はしたいと思う。これは
迫水さんが来られ、場合によっては池田総理
大臣の御
見解も聞く。こういう場所があってもいいと思いますが、まあ総理は忙しいですから何もここに云々ということは言いませんけれども、その筋だけは、画期的なと言われておる
雇用促進をしようという、今までこういう
法律案というものはなかったんですから、
雇用促進をやろうという、
政府みずからやろうということでお出しになったんだから、その筋を明ら
かにして
一つ経済計画との間に立って明ら
かにしてもらって、この法律が歩き出すという格好にならないと、私はやはり
意義がないんじゃないか。国民が期待しているものとは違った形になるんじゃないか。これを私は
考えておりますから、今の
関係を、
倍増論とそれから
促進事業団との
関係を
お尋ねしているところでございます。まあそういう点をどうか
一つよく理解をしていただいて、皆さん方もどうか筋を明ら
かに一つこの
委員会を通じてしていただきたい。そうでなければ私はこの
法案というものがちょっとこの前も言ったことがありますが、
内閣や、
経済政策を立てたやつの現象面に出てきたものだけを
労働大臣が請け負うてやるというような格好に
——そんな
法律案じゃない、もっと画期的な私は九千何百万の国民の中で
完全雇用を
達成するための
雇用促進事業団というものが、順次
計画立案は
内閣でするんですけれども、
計画を具体的に
実施していくという
役割を果たすのが
雇用促進事業団である。私はそういう
工合に
考えておるわけでございます。
そこで、具体的に
経済計画をお立てになった大来さんが、
——大臣には
あとから
質問するといたしまして、
日本の
経済の
推移について、この
計画の
推移について少し私もこの
議論を進めたり
認識しておきたいと思いますので、少し
お話をしていただきたいと思うのです。
第一は、この設備投資です。三十四年、五年、六年の設備投資がどういう格好で進んできたか。それからこれに応じてこの設備投資の
内容の問題ですけれども、
生産に直結した設備投資や
事業の、何というんですか、直結しなくても拡大とか
事業設備その他に投資されるような格好で投資がされてきた比率の問題、そういう問題が
一つ。それからこれがどういう
工合に
生産力に転化をしてきたか。それから国民所得の中にどういう
役割を果たしてきたかというような問題でございます。それから
生産性と
賃金の上昇率との
関係、これは
一つ外国のOEECあたりの例を
一つ専門家ですからお聞かせ願いたいと思うのです。OEECがやっているあれは各国でどういう
工合に
生産性と
賃金上昇率との
関係の中で、どういうところが維持されているかというような問題についてお聞かせを願いたい。一ぺんに言いますとなんですから、まずそれだけのことをお聞きしたい。