○
国務大臣(
石田博英君) まあ保険
経済というものを安定させ、健全にするためには、やはり支払い備金というものを一定額保証して持っていなきゃなりませんので、これはあとで、詳しく数字は
事務当局から答えさせますが、今ございます百三十数億というものは、その本
年度、昭和三十五
年度における支払い備金の要請する額にまだ十億円ほど足りないように思うわけであります。従って、これは現在の段階ではやはり支払い備金として持っていなきゃならないものでありまして、それを越えた部分についてはこれは積立金というふうになってくる性質のものであります。ただ、実際の
運営としてそういう支払い備金をどこへ預けておくかということになれば、結局まあ資金
運用部に預けるよりしようがない、こういうことで、これは長期の金として
運用されておるのじゃなくて、資金の性質上これはたしか短期の金として扱われておるのであります。ただ、今申しましたように、しかし、その保険
経済を健全にしていくために一体そんなにたくさんの支払い備金が要るかどうかという問題になってくると思います。もっと効率的な、つまり労災保険の
目的にもっと具体的に沿うような方向にこれを持っていって、もっと違った
運用をしたらどうだという考えが、これは特に昨
年度から労使双方に強く出て参りまして、私どもとしましては、災害が起こらないような
施設を作るためにこれを
運用するのが一番的確な
措置と
方法じゃないかというので、そういう制度について検討を開始いたしました。ただ本
年度は、私どもの方にも準備不足な面があり、また、大蔵省のいわゆる金融の一元化という立場からもありまして、経過的な
措置として中小企業金融公庫とそういう趣旨のものを扱うということで、本
年度は様子を見ることになりました。まあそういう
方法を考えております。そこで、先ほど相馬
委員からのお話もあり、今のお話もありました
支給額の問題、特にその基礎となります平均賃金の問題から先ほどのお話のように、非常な不均衡を生ずる。これは私どもが前から検討しておった結論ではありません。私は現在、日本の中小企業の賃金の状態というものを考えてみますと、どうしても最大限いろいろ
運用上考えましても、かなり差が出てくると思う。そうして参りますと、それをできるだけ防ぐ
方法はむしろ違った
方法、たとえばその下限をきめてしまう、給与額の下限をきめる、そうしますれば率の問題で生じてくる不均衡というものが防げるのじゃないか。私はその下限をきめるという
方法にその規模別賃金格差というものがなくなってくれば、それは率で解消すると思いますが、規模別賃金格差が現存いたしておる今日においては、格差のあるままのをそれにまた一定の比率をかければ差はそのまま残るわけであります。その差をできるだけ縮めるには下限をきめるという
方法で検討したいというふうにむしろ私は考えておる。これは部内で検討した結果ではありませんが、私が考えておる考えとしては、下限をきめるという
方法をもって検討したらいいのじゃないかと、こう思っておる次第であります。