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政府委員(木村三男君) 最初に
資料関係について申し上げます。お
手元に、
昭和三十六
年度北海道開発
予算額調という
資料をお配りしてございますので、それによって御
説明申し上げたいと思います。
それから、最初に御了承を得ておきたいと思いますことは、私どもの役所の
性格といたしまして、
事業につきましても
建設省関係の
事業だけじゃなくて、治山関係とか港湾とか漁港とかいうものも入って参ります。それで、表が非常に複雑になっております。そこで私、
説明者といたしましては、先ほどからの
建設省の局別の
説明に合うようなところに重点を置きまして、関連のありそうなところについては御迷惑かと存じますが、ほかの省の関係もつけ加えさしていただきたいという方向で進みたいと思います。
それでまず開発
事業費予算の中で最初に出て参りますのが、河川関係の治水部門でございます。
建設省関係の河川局系統に相当する分でございますが、それが柱が分かれまして、河川
事業費、機械整備費、河川総合開発
事業費、砂防
事業費と大きな柱が四つございまして、これが治水関係でございます。
そこで、この全体の伸び方としましては、そこに数字は出ておりませんけれども、三十五年に比較しまして一四%余り伸びております。これは大体全国の伸びとほぼ同じ趨勢でございます。そこで北海道におきまして治水関係について、三十六
年度またはそれに続く
年度においてどういう観点から治水
事業部門の
事業を遂行していくかということを一言申し上げますと、国土保全の見地から河川改修ないしは砂防という
事業を推進して行くと同時に、また水を
利用いたしまして、開発のためにあるいは農業部門に、あるいは工業部門に
利用できるような
事業を積極的に起こして参りたい、これが北海道を開発する上における一つの基盤になるという考え方を持っているわけであります。そこで、過般の治水十カ年
計画におきまして全国における治水
事業の十年間の
事業のメドがついたわけでありますが、閣議決定の際も北海道分を特に明示していただきまして、前期においてはこれこれ、後期においてはこれこれというような
金額まで参考
資料に載せていただいたわけであります。繰り返しになりますけれども、治水
事業十ヵ年
計画におきましては、全国で前期五カ年において三千六百五十億円の
事業費を予定しておりますが、北海道については三百五十億円、この
資料に出ていないんで、はなはだ申しわけないんでありますが、そうなっております。後期の四千八百五十億円に対する分としては四百九十九億、
合計いたしまして、全国の十カ年
計画の八千五百億円に対しまして、北海道分としましては八百四十九億、大体一割というものをいただかなければならぬということで、
建設省と交渉いたしまして、こういうふうなきめ方をしていただいたわけであります。
そこで、内容に入りますと、河川
事業費のところで、ごらんいただければそこに数字がございますけれども、三十六
年度においては四十二億七千万の仕事をする。これは前
年度に比較しまして一三・七%の伸びになるのであります。はなはだ申しわけないのでありますが、河川
事業費の一番最後の対前年比の比率が一〇九・五となっておりますが、これは一一三・七の誤りでございまして、一一三・七が上と下と続くわけでございます。これは治水
事業計画の二
年度の考え方として、北海道においても全国と同じような歩みを続けたいということで、この
予算になったわけであります。
そこで、この河川
事業の中で直轄と
調査と
補助とございますが、その内訳は数字の通りでございますが、特に申し添えたいと思いますことは、北海道におきましては農業との関係でいわゆる特殊河川という特別なものがございまして、これを直轄で行なう。つまり内地にないのでありますが、北海道の特色といたしまして特殊河川というものがございまして、これは直轄河川改修費の中に入っております。継続で十五河川、
新規で、場所はまだ未定でございますが、
予算上は一河川追加するということになっておりますことを申し添えます。
それから次に
建設機械整備費のところの数字で対前年比のところで、一〇〇にならなく八四・九と少し減ったような形になっておるのがちょっとふに落ちないような点でありますが、これは昨年ポンプ船を買った。昨年といいますか三十五年に。それが、三十六年にはそれがないので、だいたい三千万ばかり
金額で違うものですから減ったような形になっておりますが、八四・九%というやつはそういう関係でございます。
それから河川総合開発
事業費、これは少し大きな
説明といいますか、北海道開発の上からの考え方として申し上げたいことが一つございまして、それは金山ダムの着工に来年から踏み切りました。そこで空知川金山ダム
建設事業費一億円という
予算がここに現われているわけでありますが、この背景について考えますと、大体十年間ばかり私どもの方としては
調査を続けておったのであります。そこでこれをいよいよ着工の段階に踏み切るべきだということで、一億の
事業費予算になったわけでありますが、問題の裏にはいろいろございまして、下流関係の農業
計画、これなどは農業基本問題の線と合わせて考えたときにはどうだろうか、もう少し待てないかというような交渉もあったのでございましたが、私どもの開発の上から見ますと、さきほど申し上げましたように、河川に対しましては治水の観点から申しますと、どうしても石狩川の水系というものは治水面から見て非常に大きな役割を果たしますので、将来を含めての考え方といたしましては、大体旭川から下ぐらいな所で空知川系統の水系をコントロールする。その地点としましては今選定しております金山、これが一番適地である。それによって多目的に考えますと、下流のいわゆる北海道の穀倉地帯といわれる空知、上川付近の改善なりあるいは補水というものが順調にいく。経済効果が農業面において相当現われてくる。それからまた電気関係におきましても、場所としてこの辺に発電いたしますということは、電気の
利用という面からも非常に便利がよろしいというようなことを考えまして、それにまたちょうどこの付近にダムを作りましてその水を
利用いたしますと、道の
中心部における将来の工業用水の面も心配なくなるというようなことが考えられますので、この
事業はいろいろな関係から見て北海道開発の非常に大事な仕事であるということで踏み切ったわけであります。
それから将来の問題といたしましては、それだけで石狩川の水の対策というものはできない。つまり旭川から上の方でございますが、それはここに出ておりませんけれども、目下、層雲峡の付近でございますが、大雪山と仮称しておりますが、その大雪ダムの
調査ということでここ数年
調査を続けております。そこでこの二つができますれば、石狩川の治水対策並びに利水対策というものの体系ができるということを考えておりますので、
金額は初
年度一億でございますけれども、私ども北海道開発庁の人間といたしましては、ぜひ、これを治水
計画の構想に入っております通り、今後数カ年において完成したいという萌芽をここに出しておりますので、何とぞよろしくお願いいたしたいと存じます。
なおまた水没地区の補償関係などにつきましても、おおむね水没
戸数が二百五十くらいございます。その他周辺の補償などもありますが、これは昨年から地元といろいろ交渉をいたしまして、話し合いもすっかりできておりますので、この間のトラブルはまずなかろうというふうな見通しを持っております。
それが金山を中心とした河川総合開発
事業費の特に御
説明申し上げなければならない点でございます。
それからなおその次に北海道の砂防の問題であります。これは全国的にも砂防
事業というものは非常に重点を置かれているということは私どもも
承知しておりますが、特に北海道におきましては、十勝沖地震以来あるいは洞爺丸台風とかいろいろな関係がありまして、河川の上流山地の崩壊がはなはだしい、そういうことで砂防という問題は非常に北海道の国土保全という面から見てゆるがせにできない問題であります。そこで今までの私どもの態勢といたしましては、遺憾ながらこの面の施策がしてなかった、端的に申しますと、砂防に関する歴史経験が北海道では浅かった、で、直轄
事業も行なっておらない状況でございまして、そこでこれは諸般の情勢から見て三十六年ごろから、おくれておりますけれども、この辺で大いに態勢を改めて砂防に重点を注ぎたい。その攻め方といたしましては、まずこの石狩とか十勝とか重要な河川の上流地の直轄
事業をどういうふうにやっていくかという
調査が先決でございますので、ここに直轄
調査費三百万円が計上されております。これは直轄
事業を今後大いにやるというこの思想が頭を出したということでありまして、私どもはこれに続いて北海道の砂防ということを今後大いにやっていきたいと存じておる次第であります。
砂防
事業補助につきましては、これは道が行なっておることでありますが、この面におきましても、比率といたしまして対前年三四・二%の
金額を投入したいという
予算案の内容になっておまりす。
以上が北海道におきまする治水部門の開発
事業費のおもな考え方なりあるいは
予算数字の内容ということに相なります。
これと関連いたしますのが、これは農林省の所管になりますが、治山
事業でありますが、これも大体考え方は同じでございますが、大体閣議決定も同じ時期になされまして、川と関連して山の方もやるということで、比率は若干、全国の一割じゃなくて六%くらいになりますけれども、並んで国土保全の実を尽くしたいという意味でここに一言申し添える次第であります。以下、造林、林道、漁港等がございますが、これはいずれも農林省関係でございますが、一言申し上げますと、漁港関係につきましては農林省の方でも三十六年に
調査をいたしまして、
現行の漁港整備
計画の改定をしたいというようなこともありますので、北海道におきましてもその関係の
調査費が計上されておるということを申し添えます。
それから港湾でありますが、これは運輸省所管でございます。一つだけ申し上げたいと思いますことは苫小牧港でありまして、ここに三十六年、三十七年にかけまして石炭二百万トンの積出施設を予定通り行なうという趣旨のものでございます。概しまして港湾関係は順調な伸びを示しておる。北海道におきましてはどうしても距離的な関係あるいは地理その他の関係から見まして、開発には国鉄だけにたよるようなこともできませんので、道路をやり港湾をやるということによって運輸交通体系を整備さしていく、これをどういうふうに調整していくかということがわれわれ開発庁の仕事でありますが、そういう観点からつり合いを持つように考慮いたしまして、港湾
事業費を要求いたしますということの数字でございます。
海岸について申し上げます。二ページ目の上の方でございますが、海岸
事業費について特に私ども痛感いたしております問題は、これも戦後の現象でありますが、北海道における海岸侵食という現象が非常に最近目立って参りまして、特に太平洋岸、具体的に申しますと十勝、根室、釧路、日高と、全面的に海岸侵食の現象がはなはだしい。そこで海岸の道路がだめになって、その奥の鉄道のまた奥に逃げるということをやりますと、今度は鉄道の方が洗われてしまうということになりまして、これにつきましては、当面の問題と将来の問題に分けて考えまして急ぐところは
事業をどんどん実施していく。それから将来の問題につきましては、個人的なことを申し上げるようでありますが、この夏主計局長と私同行しまして被害がはなはだしい所を見ましたのでありますが、これは非常に大
事業である。結局国費をいかに効率的に使うか、端的に申し上げますと、経費を節減しつつ効果を上げていくということについては相当な
調査が必要であろう、それで将来問題といたしましては、そういう問題もあるので、
調査費の方もこの
予算ではなくて
計画費の方に大体来
年度としましては二百万を計上しまして、
事業といたしましては、そこにあります通り前
年度に比較しまして五七・二%の増、内容といたしましては、道あるいは市町村の行なう緊急個所の
補助事業費をふやす。それから別途先ほど申し上げましたように、
調査も行なうという態勢でございます。これが河川海岸、これと並びまして漁港とか港湾とか農地海岸もございますが、いずれもそういった見地から仕事を進めて参りたいと思います。
空港につきましては、これは運輸省所管でございますが、
新規事業といたしまして札幌の郊外でございますが、丘珠空港を西空港として整備する。北の方にあります離島、利尻島でありますが、そこに新しく飛行場を作る。それから将来問題としまして、明
年度以降になりますが、帯広と中標津という所がございますが、これについて
調査をする。空の方の運輸体制整備ということで、これも
予算といたしましてはかなり画期的と申しますか、それほどじゃないにしましても重点事項の一つとなっております。
それから都市
計画事業費でございますが、これについてはその数字以外に特に申し上げることもないのでありますが、公園
事業、下水道
事業補助、これにつきましてもかなり
金額的には多くないのでありますが、伸び率としましては相当意を注ぎたいという考えでございます。
それから、その次に出て参りますのが道路関係のものでありますが、北海道におきまする道路
事業というものは開発上から見て非常に大事なことであるということは、あえて申し上げることもないのでありますが、今回、道路整備
計画の改定ということが予想されまして、全国二兆一千億の
規模でこの面の
事業を進めるということを取り込んだ
予算内容になっております。この際、北海道関係の道路の問題につきまして、最近、学者、第三者等から、北海道の道路は北海道としてはよ過ぎるんじゃないか、北海道の道路費の全国の
割合なんというものは、もう一回あらためて検討し直す問題じゃないかというような声もございまして、私どもとしましても今後の北海道の開発をどうするか、あるいは主要な幹線をなす一国、二国のほかにいろいろ産業開発の面とか、道路網のまだ完備していないところの根釧地区の方の道路などを考えますと、まだ相当未解決な
部分がたくさんあるというようなことで、一応、三十六年の
予算といたしましては、
現行といいますか、もとの道路整備
計画の北海道分、全国比一割、これを目標にいたしました数字がここに出ております。ただいま申し上げましたように、この比率がいいか悪いか、要するにこれは今後の北海道開発の問題、あるいは各
事業の積算などから見ましてどうかということにも相なりますので、この点は閣議決定までに明らかにされることと思いますが、ただいま申し上げましたように比率といたしましてはこの
予算では従前通りでございます。それからまた北海道における道路
事業として特に問題になりますのは、冬
期間の交通確保の問題でございます。積雪寒冷特別地域における道路交通の確保に関する法律、いわゆる積寒法と呼んでおりますが、この
事業が北海道における道路
事業のうちで――北海道だけではないのでありますが、北海道としては大きな問題でありまして、この面の
予算措置というものも十分に考慮しなければならない。そこで、北海道道路
事業費の中で、おしまいから二、三番目ごろに積寒地域道路
事業費、それから積寒地域道路
事業費補助、二つ並んでおります。この
金額なり
増加率というものは、ここにあげてありますように前者においては四五・八%、後者においては八八・九%というような
金額の見積もりをいたしております。これも最近の現象でありますが、積寒法の関係で、冬
期間の交通というものは従前に比べて非常によくなった。これはとりもなおさず冬の間は北海道は冬眠しなきゃならぬというような所が、この
事業によって年間を通じて物資の輸送なり何かができるという経済効果がございますので、その点は北海道の道路
事業としては特に重点になる仕事でありまして、今後もこういう面を推し進めて参りたいという意図もこの中に入ってございます。
それから次のページに参りまして、街路、
建設機械とございますが、これは
説明を省略させていただきます。数字でごらんいただきますれば、大体の伸び方なり内容なりの概貌がおわかり願えることと信じまして省略いたします。それから次に、農業基盤の問題でありますが、いろいろあるのでございますがこれは省略いたしまして、次の一番最後の
住宅の問題に参ります。一番最後のページでございます。その他といたしまして北海道
住宅施設費。これは北海道だけの問題でもないのでありますが、
住宅問題は非常に大事な問題でありまして、一番最後のその他で
建設戸数といたしましては三千九百八十七、
公営住宅でございます。それで昨年に比へまして――昨年と申しますか三十五
年度は、これに対応する
戸数が三千八百二十五、百六十二戸の増になっております。そこで北海道の
住宅政策として坪数をふやすことと、それからできれば
建設費やその他で
家賃を下げたいということもありまして、これは
補助率に見合う問題でありまして、
補助率を上げていただけばその面も解決できるというふうに考えまして、北海道庁あたりはそういう熱望が非常に強かったのでありますが、今回の
予算におきましては全国並みに坪数を
増加するということで、
戸数もふやすということに落ち着いたわけでございます。ただいま申し上げましたようなことは将来の研究事項といたしたいと思います。
そのほかいろいろございますけれども、北海道開発
予算の中で
建設省関係に深い関係を持っております
予算を拾いまして考え方なり、数字なりを御
説明申し上げた次第でありますが、いろいろお聞き取りにくい点もあったと思いますが、お許し願います。