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田中一君
福江に
上陸して一番びっくりしたのは、その際
福江市並びに各
市町村長が集まりました。まあ、これは涙ながらというか、真剣にこういって訴えておりました。私どもこの
福江島には国会議員、いわゆる国会の意思によって国会議員が視察に来たのは初めてでございますと。まあ、明治憲法以来、日本の近代政治が始まって今日数十年たっている。それに国会議員が来たことがございませんというのです。なるほど
長崎県に選挙区を持つ代議士は選挙のとき来て、いろいろわれわれにうまいことを言ってくれるが選挙が済めば来てくれない。選挙になると来てくれる。しかし、国会から、国会の意思によって国会議員が視察団として来たのは初めてでございますと。一体憲法政治になってから何十年になりますか。私はこれを聞いてびっくりしたのです。そんな君、冗談じゃないよ。冗談じゃない、ほんとうでございます、来たことがございません。非常に感激しておりました。こういう声を聞きました。これは実際にその訴えには打たれました。そうして、私は官僚政治がいいとか悪いとかいうのじゃないのです。
経済企画庁がこれを所管している、
離島振興に対して。過去何十年か見ていながら、実態を知っていないということなんです。なるほど一つの
計画によって査定官とかなんとかという人が行って裏づけをするんでしょうけれども、実際に
五島の
経済的なあすへの繁栄というものに真剣に取っ組んでいないということが明らかなんです。今、参事官の答弁から見ても、それは
各省に連絡をとってよく調べてみます、そんなことなら
経済企画庁はやめなさい。それこそ
道路は
道路、
河川は
河川、
漁港は
漁港でみんな分けてしまいなさい。一時は安本等がチェックして、縄張り主義を捨てさせて、その発展のための調整をとってやったという効果があったけれども、今のような
経済企画庁の考え方ならば、これはもうない方がいいです。
道路にしてもそうです。
道路にしても相当熱意を持って考えておるけれども、今言ったように、
経済企画庁というものがあるからちっとも進まないのじゃないかというぐらいに考えられます。私は、
離島振興法の適用される三分の一を占める
長崎県のこの島々、私は生きているうちに二へん行く気にならないと思うのだ、実際いうとつらいから。しかし、何といってもまだまだ真剣に取っ組めば
開発されるという余地が残っていると思うのです。だから新聞記者にも当時言ったのですが近海
漁業がだめになったならば、内陸に対してもう少し手を打つべきだ。
壱岐などは実にいい島です。食糧は豊富だしほんとうにいい島です。これをもう少し、まあ距離にしても
長崎県に所属するのはおかしなくらいな島であって、これはほんとうに
地域々々のことを考えるならば、今までの行きがかりをやめて、ほんとうに
経済交流する適地適県に所属させるのがいいのではないかと思う。
もう一つ、これは
道路局長に伺いますが、やはりどこが起点か終点かということは別にしても、やはりその島々の縦貫的な
交通網というものが持たれなければならぬと思うのです。
福江から出発してわれわれが今度通ったコース、これを陸上で結ぶ、そうして縦貫する
道路、対馬も入れましてそういう
道路、これは二級
国道としては当然あっていいのではないかと思うのです。島々全部何も関連性がない。県というものがそれは持っているかもしれないけれども、その島々に拠点を持っている人たちは熱心にやるけれども、全体としての行政が不十分だということです。
道路の問題はだいぶ要求によって整備はされつつありますけれども、今
報告のようにとうてい三十七年にはこれは全部終わらない。この点はどう考えていますか。それが一つ。
それから海運の問題です。海運はやはり
道路とみなしていいと思うのです。そこでこれが
道路というみなし方をするならば、鉄道の必要はないとすれば、やはり公共性ある機関がこれに並行して輸送関係を行なってもいいと思います。九州汽船というものがもう独占している。そうしてたとえば
壱岐にしても一週間のうちに郷ノ浦に入るのは三回とか、それから次に
勝本に一回入るとか、もう一つ
芦辺に一回入る。おのおのみんなセクトがあって、余分な寄り道をしているものだから、時間的にはうんと制約されるわけです。船にしてもこれは大型船が入らぬ。だんだん縮まってくる。私ども
長崎から
福江まで四時間でございますが、だいぶ波が荒れているから五時間ぐらいでしょう、と言われた。非常に荒れている。五時間、がまんして、五時間たったから、どうしたどうしたと言うと、いやこれは六時間でございますと言う。
内村委員なんかすっかりげそっとして、立ち上がる元気もなくなってしまう。四時間で行けるのです。三時間でも、行こうとすれば行けるのです。そこに、距離の問題です。あなた、航空機がうんと発達するに従って、世界中の距離は縮まっているにかかわらず、これがますます遠くなっているということは、やはりそうした独占企業にまかしておいて、国が何ら手を打たぬということだと思う。この点はどう考えるのか。
道路の問題と、それから
道路の問題に関連するなら、
道路が完全に整備されれば、一つの港でけっこうです。なに世田谷区歩くよりもっと狭いのですから、道さえあれば、一周するのに一時間半くらいで、ずっと一周しちゃうのですから、それに船が必ず寄らなければならない、陸揚げするのは一ぺんでいいのです。あとは
道路輸送でいいのですよ。それがめいめい自分のところに船が入らなければ
承知しないというようなことをやっているのは、行政の面と、それから
運輸省が、これは変なことがあるのじゃないけれども、今までの長い間の既得権があるのだからといって見逃しているけれども、これは実際に島々の人のため、それから内地と島との交流のためには、もう少し距離を縮める、時間を縮めるということと、
道路の整備が並行していかなければならぬ。その点一つ、両方から答弁願いたい。今後の考え方ですよ。