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1961-08-01 第38回国会 参議院 建設委員会 閉会後第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十六年八月一日(火曜日)    午前十時五十四分開会    ——————————   委員の異動 七月十五日委員清澤俊英辞任につ き、その補欠として武内五郎君を議長 において指名した。 七月十八日委員松澤兼人辞任につ き、その補欠として木下友敬君を議長 において指名した。    ——————————  出席者は左の通り。    理事            松野 孝一君            内村 清次君    委員            小沢久太郎君            太田 正孝君            小山邦太郎君            米田 正文君            木下 友敬君            田中  一君            武内 五郎君            藤田  進君            田上 松衞君            小平 芳平君   事務局側    常任委員会専門    員       武井  篤君   説明員    経済企画庁総合    開発局参事官  黒津兆太郎君    運輸省航空局長 今井 栄文君    運輸省海運局定    期船課長    小口喜久二君    建設省計画局長 関盛 吉雄君    建設省河川局長 山内 一郎君    建設省道路局長 高野  務君    建設省住宅局長 斉藤 常勝君    ——————————   本日の会議に付した案件 ○連合審査会開会に関する件 ○派遣委員報告    ——————————
  2. 松野孝一

    理事松野孝一君) ただいまから建設委員会開会いたします。  本日委員長が所用のため欠席いたしておりますので、私が委員長の職務を行ないます。  初めに連合審査会開会についてお諮りいたします。去る六、七月における梅雨前線豪雨等によりまする災害対策につきまして、農林運輸社会労働地方行政委員会連合審査会開会することにいたしたいと存じますが、さよう決することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 松野孝一

    理事松野孝一君) 御異議ないと認めます。それでは、本連合審査会は、本日午後一時より開会いたします。なお連合審査会の運営は、先刻の委員長及び理事打合会の結果に基づきまして、この委員会終了後、関係委員長の協議により決定いたしたいと存じまするので御了承願います。    ——————————
  4. 松野孝一

    理事松野孝一君) 次に派遣委員報告を聴取いたします。本件は来たる八月十日に予定されていたものでありますが、本日に繰り上げて行ないます。  それでは第一班、三陸地方災害復旧事業等実情調査について私から報告いたします。  私は、去る七月二日から七日までの六日間にわたって藤田委員とともに、青森岩手宮城の三県、特に五月二十九日から三十日にわたって発生した八戸市ほか三陸沿岸地方大火災害状況と、チリ地震津波対策事業がどのように施行されているかなどについて調査いたして参りました。以下調査大要について御報告申し上げます。  まず最初に三陸沿岸地方開発計画はどのようであるかについて申し上げます。すなわち当地方国土総合開発法第十条に基づきまして、北から北奥羽特定地域北上特定地域及び仙塩特定地域が指定され、それぞれ開発計画を持っておるのであります。また東北開発促進法に基づく促進計画、さらには促進計画中の前期計画昭和三十四年閣議了解としているように、幾多開発あるいは促進計画が立てられ、東北開発株式会社あるいは北海道東北開発公庫設立等開発事業促進を企図しているのでありますが、当地方の持つ豊富な天然資源天然の良港も、地理的悪条件によって経済的、文化的に取り残されて旧態依然たる観があります。宮古大船渡釜石市のごとく時代の脚光に浴す一部の都市もあり、漁工業の推進を期しておりますが、当地方後進性を余儀なくしている最大原因は、内陸部と連繋する交通施設がきわめて不完全であるという点にほかならない。これを道路整備について申し上げますと、二級国道仙台八戸線宮古釜石大船渡石巻塩釜といった漁、工業都市を連結し、仙台で一級国道四号線と合する本地方唯一縦貫幹線道路であり、産業道路でもあります。しかるに本路線の大部分を占める岩手県下の現況は、延長三百三十一キロのうち、有効幅員五・五メートル以上の改良済み区間はわずか四十五キロであり、一二%という低率であります。その他の部分は当地方の持つ地形的関係と、海岸線を縫う路線であるから屈曲部が多く、幅員狭小、二メートル程度で、自動車交通に耐えない区間が二十二キロもあり、ほとんど大部分が未改良状態であります。たとい道路整備五カ年計画が完全実施されるにおいても、改良率は五三%に過ぎず、舗装のごときはわずか三十四キロで、十カ年計画においても五十六キロというまことにお粗末な計画であります。当地方開発進展度はこの路線道路整備にかかっているといっても決して過言ではないのであり、かかる計画をもってはますます当地方は未開発地域として取り残され、地域格差の是正とはよほど縁遠い夢と化することになります。かくのごとき状態を脱却し前進するためには、まず本路線を一級国道に昇格し、道路整備に対する公共投資を大幅に増額し、重要幹線道路として早急に整備することを、沿線都市は痛切に希求しているのであります。また道路整備の一つの便法として大船渡陸前高田両市間、通岡峠八・四キロを日本道路公団によって本年度から着手することになりましたが、さらに大槌−釜石間、石塚、鳥谷坂両隧道の開さく等有料道路として整備することの強い要請もあります。また、宮古盛岡線県道釜石盛岡線等数本の内陸部と直結する横断道路がありますが、全く未改良でありその効用を完全に発揮しているものは皆無であります。この点政府幾多開発計画を策定する上において地方実情を十分考慮し、全体としての投資効率を慎重に吟味することが緊要であります。以上の点は当地方を縦断いたしまして痛感いたした点であります。  次に、五月二十九日から三十日未明にかけて三陸沿岸地方を襲った二十メートル以上の強風下において、八戸市及び岩手県下十二市町村に大火災が発生いたしましたが、その原因については八戸市は調査時、まだ警察当局調査中ということでありましたが、その誘因としてフェーン現象の影響が掲げられております。  まず、火災被害大要について申し上げます。  八戸市は三万三千二百世帯人口十六万七千四百人でありますが、焼失した白銀町は二千七十九世帯人口一万二千百四十人のうち住宅全焼六百五十戸、七百世帯被災者三千五百人、その焼失面積は四万九千五百平方メートル、損害額二十五億円に達する被害を受けております。当地域は北から南にかけて小段丘を形成し、道路が狭小でしかも木造家屋が密集しておる等災害時における危険度商い地区であったのであります。被災者の大部分漁業を主とする低所得階層であります。また、田老町など岩手県下十二市町村地域に起こった大火は、山林から部落部落から山林と次々に火を誘い、死傷者百二十七人を出すとともに住家全焼八百三十四戸、千百四十六世帯被災者五千四百三十七人に及んだのでありますが、このうち田老町におけるラサ工業の田老鉱業所鉱業所全焼し、鉱山関係者住宅四百三十九戸を全焼、二千十七人の被災者を出し、十三億円に達する壊滅的災害を受けたのであります。宮古市、岩泉町、普代田町畑村などにおいても一部落全焼という、いまだかつてない大火による災害をこうむり、山林被害額三十一億円に及び、その損害総額は七十四億円に達したのであります。かつて当地方は昨年五月チリ地震津波による災害を受け、再度かかる大火災害をこうむったことは、その被害者の大部分が零細な漁業あるいは農山漁村に住む低所得層であり、まことに悲惨であります。これら被災者の最も強く望む住宅対策について申し上げますと、応急仮設住宅八戸市百八十戸、宮古市三十戸、田老町百六十一戸、岩泉町三十六戸普代村三十九戸、田野畑村二十三戸がそれぞれ建設されて入居を始めておりました。また、住宅金融公庫災害復興住宅建設資金融資については、公庫被災直後職員を被災地に巡回させ、かつ県、市町村及び金融機関等を通じ、そのPRを行なうとともに、六月一日から申し込み受け付けを開始いたしておりますが、六月三十日現在における状況はきわめて低調で、申込者八戸市十三戸、宮古市二十四戸の計三十七件、貸し付け承認を経たものは八戸市七件、宮古市二十三件の計三十件、八百六十七万円に過ぎない状態であります。これは被災者が農、山、漁業主業とする零細な低所得層であるからであります。このため宮古市、田老町のごとき債務保証を行なうことを決定した市町村もあり、順次この方法は他の市町村にも行なわれる予定であります。また、去る七月十三日、政令二百五十六号をもって従来の貸付限度額建設の場合三十万円を三十二万円に、補修の十五万円を十六万円等引き上げております。なお、八戸市は今回の火災契機といたしまして、もちろん住民の理解と協力は必要欠くべからざる条件でありますが、従来の都市計画を推し進める方向として、焼失地域周辺九万坪に対して、土地区画整理事業を実施する計画でありますが、財政当局等意向もあり、さらに二万坪程度の拡張も考えられております。従って、この事業に対してはきわめて急施を必要としており、土地区画整理法第三条第四項による事業として施行し、その資金計画は総事業費一億八千万円、国庫補助二分の一として九千万円、県、市町村で二分の一を負担する計画であります。そのため建築基準法第八十四条の「被災市街地における建築制限」及び同法第八十五条の「仮設建築物に対する制限の緩和」を適用して、被災地における本建築物制限を行なうとともに、政府罹災都市借地借家臨時処理法第二十五条の二を六月二十七日政令第二百十三号をもって適用したのであります。従って、八戸市としては、八月中旬ごろまでには換地計画決定し、二〇%程度減歩率であり、九月には土地区画整理審議会の議に付したい意向で現在作業を進めております。かくのごとき条件下にありますので、災害復興住宅に対する建設資金融資申し込みもおくれており、区画整理事業進行と相待って増加するものと住宅金融公庫は期待をしております。  また、災害公営住宅建設については、八戸市は県及び市で各五十戸簡易耐火構造とし、田老町百四十九戸、普代村四十九、宮古市二十戸等でありますが、八戸市以外は滅失戸数の三分の一の限度戸数一ぱいかそれ以上に及ぶものであり、超過戸数については一般公営住宅で処理する方針でありますが、被災者が零細な所得層であるのにかんがみ、これらの住宅対策はきわめて早急処理を要する問題であります。  以上は建設関係でありますが、岩手県下の十二市町村の場合は、山林火災による官行造林に対する補償、及びフェーン現象のため農産物の被害が激甚であったことに関し、天災による被害農林漁業者等に対する資金の融通に関する暫定措置法の適用を要望しておりますが、この点は七月十三日政令第二百五十五号で適用しております。  次に、一カ年を経過したチリ地震津波災害による災害復旧及び対策事業について申し上げます。  御承知通りチリ地震津波災害については、各種の特別立法による措置がとられたのでありますが、建設関係として最も主要な点は、昭和三十五年五月のチリ地震津波による災害を受けた地域における津波対策事業に関する特別措置法と、公営住宅法特例に関する法律及び住宅金融公庫災害復興住宅の運用であります。すなわち対策事業につきましては、特例法第三条により事業計画を作成して、閣議決定を求めることになっておりますが、現在主管する建設農林運輸の三省においてそれぞれの検討を行ない、いずれ審議会の議に付されるのも近いことと考えます。  建設省所管災害復旧事業費は十四億三千六百余万円、津波対策事業費は三十七億九千六百余万円でありますが、このうち災害及び対策の両事業を含めて、青森県五億八千八百余万円、岩手県二十七億四千二百万円、宮城県十四億六千八百万円であります。農林省所管対策事業分は三県下で四十五年度までの事業費として五十九億六千余万円、運輸省所管は十三億四千余万円であります。昭和三十五年度及び本年度の二カ年間における事業費は、建設省所管災害復旧事業費六億八千百万円、津波対策事業費五億六千七百万円で、津波対策事業進捗率はわずかに一六%にすぎないのであります。これを岩手県下における各省間の復旧状況について参考までに調査いたしてみますと、建設省所管分災害費七億八千七百余万円に対し、二カ年間事業費は三億七千二百万円、四六%弱、農林省所管分は四十億九千余万円で支出額は二億四千九百余万円でわずか六%、運輸省所管分は七百五十七万円に対して五〇%という進捗率であります。特に水産漁業施設災害が二十五億余万円に対し、その二カ年の復旧事業費は一億六千四百万円というきわめて低率の投資を行なっているのであります。  住宅関係についてみますと、被災戸数二万六千六百五十四戸、内訳は全壊流失三千十三戸、半壊千五百十八戸、その他床上、床下の浸水による被災を受けたのでありますが、応急仮設住宅は別といたしまして、災害公営住宅については特例法により、補助率を従来の三分の二を四分の三に引き上げ、復興促進をはかったのであります。このため三十五年度において岩手県三百四十九戸、宮城県は特例法によるもの二百三十四戸、一般法分九十九戸、計三百三十三戸、三十六年度建設予定として岩手県九十六戸、宮城県八十五戸となっております。特に被災激甚だった都市で、特例法に基づく災害公営住宅建設し、被災者優先入居に応じておりますが、入居者の不足を生ずるのではないかという懸念が一部の町村にあります。また災害復興住宅資金貸付状況は、本年五月三十一日現在の集計では、昭和三十五年度及び本年度において建設六百六十一件、補修七百九十件、計一千四百五十一件の申し込み件数があり、貸付承認を経て契約したもの一千百九十七件、二億四千八百余万円、資金交付金額は二億百余万円、また特別貸付として申し込み件数四十二件、貸付契約を経たもの二十六件で金額は九百七十五万円、資金交付金額七百六十四万円という状態であります。  以上チリ地震津波災害復旧及び対策事業を通じて特に指摘しなければならぬ点が二、三あります。  その第一点は、津波対策事業における建設省農林省及び運輸省所管においてそれぞれのセクト主義が露骨に出ております。漁港区域内に於ける建設省水産庁海岸保全における建設省林野庁港域内における建設省運輸省といったように、そのよい例が八戸市における運輸省建設省所管防波堤防浪堤宮城志津川地元先における水産庁林野庁及び建設省所管防浪堤であります。防波堤を築造する場合、所管省庁が異なるため施行にそごを来たしているのがあります。この点各省の調整が必要であると考えます。県当局の第一線の技術者はこのためきわめて苦慮しております。  第二点は、志津川町、大船渡市等大災害をこうむった市町村に見られるごとく、この災害契機として土地区画整理事業を全面的に施行し、かつまた防災建築街区を定め、再度災害を防止するため不燃堅牢な構造住宅建設し、その都市全体の防災化及び近代化をはかることは緊要なことであり、他の被災都市に対しても合理的な防災土地利用の面から十分推進すべきではないかと考えます。  次に、仙塩特定地域昭和三十三年十月閣議決定を経て開発計画進行中でありますが、名取川水系広瀬川支流大倉川建設の多目的ダム大倉ダムはわが国初めてのダブル・アーチ型式によるものでありまして、高さ八十二米、堤長三百二十米、昭和三十三年に着手されて以来本年四月湛水し、七月三十一日竣工の予定であり、その投資額は二十五億五千六百万円であります。本ダムの多目的とする点は、計画高水流量毎秒千二百立米のうち、毎秒八百立米洪水調節を行ない、かつ下流の広瀬川橋地点における計画洪水量二千五百立米を千八百立米に低減するとともに、大倉川及び広瀬川沿岸の八百五十一ヘクタールの農地に対して、専用施設建設して灌漑用水の補給を行なう。それから仙台市に一日に九万トン、塩釜市に一日三万トンの水道用水を、仙台塩釜等工業地区に一日に十万トンの工業用水を供給する。また最大五千二百キロワット、常時千五百キロワットの発電を行なうものであります。本地域東北地方中心的工業地帯として躍進途上にあり、このダム機能効用は大いに発揮されるものとなるでしょう。  その他北上川治水事業促進についても一日たりともゆるがせにできない問題であり、五十四億円の全体設計を持ちながら、年間一億二千万円程度治水事業費をもってしては、百年河清を待つのたぐいにひとしいというので、沿岸町村より治水事業積極的実施要望があり、かつ石巻市においては、チリ地震津波によって内海橋に破損を生じたため、もはや交通的に麻痺状態となっており、第二の内海橋を新規に架設する必要があると、それぞれ強い要望があったのでありますが、いずれもそれぞれの地域における経済上、交通上きわめて適切なものであろうと考えます。  以上概略報告申し上げます。  次に第二班、離島における建設事業等実情調査について内村清次君にお願いいたします。
  5. 内村清次

    内村清次君 第二班の調査を御報告いたします。  第二班は、稲浦委員長田中委員武内委員と私の四名でございますが、去る六月三十日から七月七日まで八日間の日程で、主として長崎県下離島における建設事業調査して参りました。その経路及び視察個所につきましては、お手元に配付いたしました図面をごらんいただきたいと思いますが、簡単に御説明いたしますると、東京から長崎に直行、県庁において長崎県下一般建設事業及び県下離島の全体の模様等を聞き、さっそく大村湾を一周して西海橋を視察いたしました。翌七月二日は長崎港を出航、六時間で福江上陸富江玉之浦岐宿等福江島を一巡して福江泊まり、三日は福江出航五島列島を北上して中通島奈良尾上陸バスにて若松町の荒川まで参り、引き返して奈良尾から鯛の浦に上陸バス上五島町の青方、似首等を経て有川町に至り、さらに有川より海上保安庁の巡視船「はやかぜ」にて小値賀に至りました。翌四日は同船にて小値賀から平戸島の西端志々伎上陸県道平戸——志々伎線を縦走して平戸泊まり、五日は平戸出航、保安庁の巡視船はつなみ」にて壱岐の郷の浦に上陸、石田村、芦辺町、勝本町と壱岐の島を一周して郷の浦泊まり、六日は郷の浦を出航博多上陸し、福岡市内博多駅の移転、西鉄の高架つけかえ等都市計画事業を視察し、予定通り日程を終わった次第であります。以下調査概略を申し上げまするが、その前は、離島振興法について概要を申し述べたいと思います。御承知通り離島に関しましては離島孤立経済からくる本土との格差拡大等、島の特殊事情からくる後進性を除去し、島の基礎条件の改善をはかるため、十カ年の時限法として昭和二十八年七月離島振興法が制定せられたのであります。この法律により淡路島、小豆島及び人口百人以下の島等を除き、大部分の島が離島振興対策実施地域に指定せられ、その数およそ三百、面積六千平方キロ、その人口は百三十万人といわれております。また本法により総理大臣離島振興計画決定し、かつ港湾漁港道路空港簡易水道電気導入及び災害復旧事業等には高率の国庫負担をする等、特別の助成をすることが定められております。昭和二十八年度初年度とする前期五カ年におきましては、約五十億円の国費が投入せられ、また昭和三十三年度初年度とする後期五カ年計画においては、二百二十五億円を要するうち、三十六年度までの四カ年間に約百十九億円が投入せられましたが、その進捗率はわずかに五三%にすぎず、最終年度である三十七年度において、残る百七億円を確保することは、ほとんど不可能に近い状態であります。  次に、長崎県内離島について申し上げますると、その面積は約千八百平方キロでほぼ香川県の面積に匹敵し、全国離島の三〇%、長崎県全面積の四五%に相当し、もちろん長崎県は全国一の離島県というわけであります。  港湾につきましては、重要港湾五島列島福江壱岐の郷ノ浦、対島の厳原の三港、地方港湾は、富江玉之浦有川平戸勝本印通寺等二十四港に及んでおります。また漁港につきましては、その利用全国的である第三種漁港は、五島奈良尾の一港、第二種漁港小値賀芦辺等の十九港、第一種に至っては百六十二に及ぶのであります。また空港につきましては、地方的な第三種空港の指定に福江空港があり、本年度末には使用可能となり、近く壱岐空港予定されております。道路については、離島には国道はなく、県道の実延長が九百三十五キロで、うち改良済みは、県下全体の二四%に対しわずかに十三%にとどまっております。水道を必要とする人口の率は、二十八年の五一%から三十五年には二七%と減少し、点灯については、時間点灯率が一四%あるとはいえ、ほぼ全体に行きわたっておるようであります。従って、今回の調査におきましても、道路に関する要望が大部分を占めておったような次第でございます。また、振興計画進捗率はほぼ全国並みの五一%程度にとどまっております。以下、実地に調査いたしました島嶼につきまして、調査概要を申し上げます。  まず五島列島福江島でありますが、福江島は本邦の最西端に位し五島列島主局であります。人口四万三千の福江市は、五島の政治、文化、経済交通中心地といえるのであります。福江島においては福江市の都市計画事業海面埋立事業島内道路福江空港等を視察いたしましたが、おもしろいことには、大河川の少ない長崎県では、この島の鰐川が流路延長一五八キロで最も大きい河川ということでありました。福江島東西二十五キロ、南北二十キロの割合まとまった島であり、縦横には一応道路が通っておりまするが、島を一周する道路は全然未完成でその不便さは深刻なものがあります。たとえば主要地方道路福江玉之浦線富江町長峰と玉之浦大宝の間、大宝玉之浦間等は早急に開通する必要があると思われます。また、福江空港滑走路幅員が九十メーター、全長千二百二十メーターで、昭和三十四年から着手、本年度末には使用可能となるのでありまするが、問題となりますのは空港福江市を結ぶ連絡道路でありまして、この道路は現在幅員メーター程度の牛の通る道であります。福江市は、この福江空港線を当初県道として県で実施することを要望したようでありますが、県道認定には三分の二以上が改良済みであることが必要とのことで、やむなく市の事業として、延長三・一キロ、事業費三千九百万円の工事を進めております。しかし、完成するのは三十八年度になるのであります。離島空港全額国費で実施するにもかかわらず、その連絡道路空港付帯工事にもなり得ないし、また道路改良が完成した暁には、県道に認定されることは明らかであるにもかかわらず、着手前には県道認定ができず地元事業となり、空港が完成しても道路はできないという矛盾を生じているのであります。このことは近く着工を予定せられる壱岐空港についてもいえることでありまするが、この官庁のセクト主義の弊害はぜひとも機能本位に是正していく必要があると痛感いたした次第であります。  次に五島列島中通島でありますが、中通島東西四キロないし十キロ、南北四十キロの細長い島で、奈良尾を初め二十五の漁港があり、島内交通も主として海にたよっていたため、道路はほとんど未改良であります。現在も南端奈良尾から中央部有川まですら未開通であり、上五島縦貫道路開通が島民の念願となっております。北端から南端に結ぶ津和崎−有川奈良尾線及び西岸をいく有川奈良尾線改良計画がありますが、さしあたって焦眉の問題は有川奈良尾線開通であります。  次に小値賀島でありますが、この島では足の便が悪く、主として小値賀漁港の修築事業を見るにとどまりました。本島は北松浦郡に属し、行政的にも五島とは別で、最も取り残された島という感じがいたしましたが、九州商船の航路も以前は三百五十トンの船が就航しておりましたが、現在は二百五十トンとなり、その航路の急行化が最も要望せられておりました。  次は平戸島であります。平戸は遣唐使、ポルトガル、イスパニヤ、オランダ、イギリスとの貿易、あるいはキリスト教徒の遺跡等数多くの史跡に富み、また、本土とはわずかに六百メートルの間にあって経済活動も活況を呈し、離島とはいえないほどであります。従って、離島振興事業の予算のワク内では、勢い実施がおくれるという別な悩みもあるわけであります。平戸島でも平戸−志々伎線の改良港湾漁港の整備等の要望がありましたが、特に平戸、本土間の航送船事業につきましては、その接岸施設を公共事業としてもらいたいということでありました。私どもといたしましてもこの必要性は十分認められるというところでございますので、これを橋梁で結ぶかフェリー・ボートにするか、また、道路公団はどのように考えているのか、十分ただしたいと思っております。  最後は壱岐島であります。壱岐東西十二キロ、南北十五キロのほぼまるい島で、最高標高二百十二メーター、概してなだらかな丘陵性の穏やかな島でございます。耕地面積は大きく米も需要な五割増しを産出し、主として対馬へ移出するという豊かな島であります。丘陵地のために幅員は狭いながらも道路はよく通じており、四通八達の感があります。壱岐では郷ノ浦の都市計画街路事業、印通寺港、芦辺町、八幡海岸の侵食対策事業、谷江川改良要望個所等を視察いたしましたが、八幡海岸の工法は経済効果上検討を要しないかと思われ、また、県道湯ノ本−芦辺線は、那賀中学校の校舎と校庭の間を通過しており、これは県単事業で実施しているのでありますが、当然補助事業で実施すべきであると見て参りました。  最後に総括的に問題点をあげてみますと、まず第一に、各島の港湾が散在し、経済的に統一の必要がありはしないかという点であります。ことに壱岐の場合ははなはだしい例でありまして、博田−壱岐−対馬を結ぶ九州郵船の定期便があっても地元との話し合いがつかず、船は毎日郷ノ浦、勝本芦辺と三港で寄港地を変えているありさまであります。毎日港が変わることは島民の不便であるばかりでなく、運賃高、時間のロスを招いているので、高い政治力をもって一港に統一し、そのかわり島内道路整備をはかるべきであると思われます。  第二に、各島々で県道の二級国道昇格問題が訴えられましたが、これらは統一して、平戸五島、あるいは対馬、壱岐平戸五島と一連の離島を一巡して、二級国道にしてはどうかという点であります。港湾の統一と関連して、島内道路の整備は不可欠のものでありまするので、この点十分考慮する必要があると思うのであります。  第三に離島振興法延長問題であります。当初に申し述べました通り離島振興法は十カ年の時限法でありますので、昭和三十八年三月には失効することになりまするが、振興計画の進捗状況からいたしましても、当然延長すべきものと考えられるのであります。なお、延長期間については三年にするか五年にするか、予算との関係で考慮すべきでありまして、この点についてはなお経済企画庁にただしたいと思っております。  第四は、各島々で承ったことは最近における近海漁業の不振であります。これらの各島では隆盛をきわめた近海漁業を忘れることができず、昔の夢を追っておるのであります。私どもはこれらの島々を見て参りまして、なお残された島内の土地を利用し、耕地の土壌改良、牧畜業、果樹栽哉の再検討等離島の体質改善をはかることがぜひ必要ではないかと感じてきたのであります。また、西海国立公園を擁していながら、五島の観光資源はほとんどいまだに利用されておらないのであります。隆盛であった過去の近海漁業の夢を追うことをやめて、多角的な生産の再検討をなすべき時期にきているのではないだろうかと考えた次第であります。  以上のほかに長崎県本土における北九州高速道路建設、九州横断道路の一級国道指定、二級国道長崎−佐世保線の整備、有料橋福島橋の建設、多目的開さくダム建設等数々の要望や、福岡市における都市計画事業等につきましても申し述べることは多々ありまするが、あまり長くなりますので持ち帰りました資料をごらんいただくことといたし、また足りない点は同行の諸君の御発言によって補足していただくことにいたしまして、一応報告を終わることといたします。
  6. 松野孝一

    理事松野孝一君) ただいまの報告について、御質疑のおありの方は御発言願います。  なお、政府からは建設省のほか運輸省経済企画庁から担当官が出席しております。
  7. 田中一

    田中一君 今の報告についてお聞きしたいと思いますが、自治省からだれか来ておりますか。
  8. 松野孝一

    理事松野孝一君) 自治省からは呼んでおりません。
  9. 田中一

    田中一君 それでは経済企画庁でもいいです。  向うに行って痛感するのは、これは何百年という歴史ある、何というか人文的には開発されている島々であって、従って伝統的にどういう小さい部落でも一つのカラーを持っておる、地方色を持っておる。だから近代的な集団生活とか、あるいは経営というものに対しては、本能的に拒否するような気持があるらしいのです。そこで平戸市の例をとりますと、平戸市も御承知のように昔の平戸町、これはもう古い時代から外国のいろいろな意味の思想というものを受け入れて、まあ日本の第一の港であったという歴史があるために、この周辺はいい。しかし大きな島ですから、その他の地域に行くと、同じような結果が見られるけれども、幸いに町村合併によって平戸島をすべて一市とする、一つの行政区とする平戸市が生まれたということです。こういうものと比較してみて、壱岐島の場合を考えるとこれはもう極端なんです。平戸と比べますれば、こういうところ、報告があったように、円形を大体なしている。距離は海路でとるよりも陸路の方がずっと早い。それこそ十分の一ぐらい違います。ところが、やはり海運によってのみ交通を考えており、かつまた近海漁業という、かつて隆盛であったというものが今日ではもう全く皆無のような状態になっている。でいながらやはり港に目を向けて、そうして内陸を考えないという点を今指摘してあったのですが、これらは壱岐郡になっておりますが、三町一村になっておりますが、これは壱岐市にしても十分に、壱岐市として町村合併した方が相当機能的にも、それから内陸の開発等についても相当総合的な将来が考えられるという点です。これは町村合併のときに考えられておらなかったのか、あるいは当時の知事からそういうような勧奨がなかったのか、あるいは自治省からまたそうしたらどうかというような一つのサゼスチョンがなかったのかどうか、その点伺ってみたい。
  10. 黒津兆太郎

    説明員(黒津兆太郎君) ただいまのお話、私どもの方ではその話は聞いておりません。自治省の方からは特に連絡ございません。
  11. 田中一

    田中一君 このどの港も漁港あるいは港湾としてのあり方を主張しているのです、どこまでも。私はつくづく思ったのは、勝本町の港というのは、これは対馬との交流の窓口であり、極端な例をいうと、港湾としての機能は、内地との交通を考えるならば、郷の浦よりも印通寺港の方が適地じゃないかというような見方もできるのです。それからそれぞれ漁村、漁村といっておるけれども、その漁村に投入している資金というものは膨大なものです。私はこれは数字はこれからまだ調べてみますけれども、こういう金を使うならば、近海漁業というものではなくて、そうして将来かつての繁栄した近海漁業がもたらされるものならば別ですが、ただ単にこの離島振興法というものによって、それぞれの伝統ある一つの産業に対して投資をするという形だけでは解決できないということを言いたいのですよ。大体離島振興法を持っておるのですから、そうした意味のどこどこへ持ってくるから、それに対してまんべんなく補助金を出すのだ、施設をするのだということだけでは足りません。またそういうことであってはならぬと思う。一体、近海漁業に対してどういう見通しを持っているのですか。壱岐、対馬並びに五島列島全部通じての見方ですね。単なる、李ラインが撤廃され、かつての公海上の勝手な制約がなくなった場合は、それがもたらされるのだというような考えに立っているのか。私はそうじやなとい思うのですよ。これらの県々の近海漁業というものは湾内周辺の漁業をいっている。李ライン等に出かけていく漁業というものは、島根県あるいは山口県等が多いように聞いておるのです。どういう考えを持っているのですか。むだ使いがあり過ぎるのじゃないかというこんなんです。まんべんなくみんなの要求にこたえようといって、実際生産も何もないところにむだな費用を使っているのじゃないか。そんなことならば全部それを、——それは一応近海漁業がないといったって、多少はあるわけなんです。それはそれとして、あと道路の整備等に使った方がずっといいんではないか。私は先ほど来言っているように、五島列島の島々離島振興という考え方に対する島々自身の体質改善というものが必要ではないか、ということを痛感してきたわけなんです。そこで、近海漁業というものに対する見通しを何か持っているのですか、経済企画庁としては。
  12. 黒津兆太郎

    説明員(黒津兆太郎君) ただいま現地の具体的な御事情についていろいろ御指摘がございましたが、私どもの方といたしましては、関係各省並びに担当の当該所在県の意向を参酌いたしまして全国的に計画をきめておるわけでございますが、、今後とも御指摘の点、各関係省並びに長崎県と相談をいたしまして、具体的な個所づけの問題、あるいは予算の獲得という場合にも考慮して参りたいと思います。
  13. 田中一

    田中一君 福江上陸して一番びっくりしたのは、その際福江市並びに各市町村長が集まりました。まあ、これは涙ながらというか、真剣にこういって訴えておりました。私どもこの福江島には国会議員、いわゆる国会の意思によって国会議員が視察に来たのは初めてでございますと。まあ、明治憲法以来、日本の近代政治が始まって今日数十年たっている。それに国会議員が来たことがございませんというのです。なるほど長崎県に選挙区を持つ代議士は選挙のとき来て、いろいろわれわれにうまいことを言ってくれるが選挙が済めば来てくれない。選挙になると来てくれる。しかし、国会から、国会の意思によって国会議員が視察団として来たのは初めてでございますと。一体憲法政治になってから何十年になりますか。私はこれを聞いてびっくりしたのです。そんな君、冗談じゃないよ。冗談じゃない、ほんとうでございます、来たことがございません。非常に感激しておりました。こういう声を聞きました。これは実際にその訴えには打たれました。そうして、私は官僚政治がいいとか悪いとかいうのじゃないのです。経済企画庁がこれを所管している、離島振興に対して。過去何十年か見ていながら、実態を知っていないということなんです。なるほど一つの計画によって査定官とかなんとかという人が行って裏づけをするんでしょうけれども、実際に五島経済的なあすへの繁栄というものに真剣に取っ組んでいないということが明らかなんです。今、参事官の答弁から見ても、それは各省に連絡をとってよく調べてみます、そんなことなら経済企画庁はやめなさい。それこそ道路道路河川河川漁港漁港でみんな分けてしまいなさい。一時は安本等がチェックして、縄張り主義を捨てさせて、その発展のための調整をとってやったという効果があったけれども、今のような経済企画庁の考え方ならば、これはもうない方がいいです。道路にしてもそうです。道路にしても相当熱意を持って考えておるけれども、今言ったように、経済企画庁というものがあるからちっとも進まないのじゃないかというぐらいに考えられます。私は、離島振興法の適用される三分の一を占める長崎県のこの島々、私は生きているうちに二へん行く気にならないと思うのだ、実際いうとつらいから。しかし、何といってもまだまだ真剣に取っ組めば開発されるという余地が残っていると思うのです。だから新聞記者にも当時言ったのですが近海漁業がだめになったならば、内陸に対してもう少し手を打つべきだ。壱岐などは実にいい島です。食糧は豊富だしほんとうにいい島です。これをもう少し、まあ距離にしても長崎県に所属するのはおかしなくらいな島であって、これはほんとうに地域々々のことを考えるならば、今までの行きがかりをやめて、ほんとうに経済交流する適地適県に所属させるのがいいのではないかと思う。  もう一つ、これは道路局長に伺いますが、やはりどこが起点か終点かということは別にしても、やはりその島々の縦貫的な交通網というものが持たれなければならぬと思うのです。福江から出発してわれわれが今度通ったコース、これを陸上で結ぶ、そうして縦貫する道路、対馬も入れましてそういう道路、これは二級国道としては当然あっていいのではないかと思うのです。島々全部何も関連性がない。県というものがそれは持っているかもしれないけれども、その島々に拠点を持っている人たちは熱心にやるけれども、全体としての行政が不十分だということです。道路の問題はだいぶ要求によって整備はされつつありますけれども、今報告のようにとうてい三十七年にはこれは全部終わらない。この点はどう考えていますか。それが一つ。  それから海運の問題です。海運はやはり道路とみなしていいと思うのです。そこでこれが道路というみなし方をするならば、鉄道の必要はないとすれば、やはり公共性ある機関がこれに並行して輸送関係を行なってもいいと思います。九州汽船というものがもう独占している。そうしてたとえば壱岐にしても一週間のうちに郷ノ浦に入るのは三回とか、それから次に勝本に一回入るとか、もう一つ芦辺に一回入る。おのおのみんなセクトがあって、余分な寄り道をしているものだから、時間的にはうんと制約されるわけです。船にしてもこれは大型船が入らぬ。だんだん縮まってくる。私ども長崎から福江まで四時間でございますが、だいぶ波が荒れているから五時間ぐらいでしょう、と言われた。非常に荒れている。五時間、がまんして、五時間たったから、どうしたどうしたと言うと、いやこれは六時間でございますと言う。内村委員なんかすっかりげそっとして、立ち上がる元気もなくなってしまう。四時間で行けるのです。三時間でも、行こうとすれば行けるのです。そこに、距離の問題です。あなた、航空機がうんと発達するに従って、世界中の距離は縮まっているにかかわらず、これがますます遠くなっているということは、やはりそうした独占企業にまかしておいて、国が何ら手を打たぬということだと思う。この点はどう考えるのか。道路の問題と、それから道路の問題に関連するなら、道路が完全に整備されれば、一つの港でけっこうです。なに世田谷区歩くよりもっと狭いのですから、道さえあれば、一周するのに一時間半くらいで、ずっと一周しちゃうのですから、それに船が必ず寄らなければならない、陸揚げするのは一ぺんでいいのです。あとは道路輸送でいいのですよ。それがめいめい自分のところに船が入らなければ承知しないというようなことをやっているのは、行政の面と、それから運輸省が、これは変なことがあるのじゃないけれども、今までの長い間の既得権があるのだからといって見逃しているけれども、これは実際に島々の人のため、それから内地と島との交流のためには、もう少し距離を縮める、時間を縮めるということと、道路の整備が並行していかなければならぬ。その点一つ、両方から答弁願いたい。今後の考え方ですよ。
  14. 高野務

    説明員(高野務君) 道路関係をお答えいたします。  離島におきまして道路の整備が特に必要であるということをただいま承ったわけでございますし、また日ごろ痛感しておるところでございます。各島島、離れております離島につきまして、よい道路が完成いたしますと、他の施設、航路とか港湾の施設が、比較的その数を減らし得るということもよくわかるのでございます。道路関係といたしましては三十三年からの五カ年計画道路整備五カ年計画におきまして、離島振興計画と合致させまして約三十九億の計画を持っておるのでございます。この三十九億の三十三年からの五カ年計画は、三十七年を目標にいたしまして、大体補修の面におきましては、順調に進んでいるかと思います。しかしながら各路線状況、あるいはその離島におきます要求との比較におきまして、きわめて整備率が悪いという現実に対しまして、三十六年からの新しい五カ年計画におきましては、約八十三億程度道路整備計画を立てているのでございまして、これは経済企画庁と大体御相談いたしまして、ただいま各省と折衝をしているところでございます。今後におきまして、なおこの道路費が十分であるかどうかということを、さらに検討して、五カ年計画を固めて参りたいと思っております。  また、ただいま御指摘のように、たとえば長崎県におきます離島群におきまして、一貫した道路網の計画が必要であるということも承ったのでございますが、まさしくその通りでございます。各道路をつなげる道路網といたしまして、二級国道というような考え方があるわけでございます。ただいまの道路法の第六条の認定基準によって行なっております二級国道の選び方におきましては、多少無理な点もあるのでございます。なお、現在の基準に照らしましても、二級国道になり得るものもあるでございましょうし、その他また離島におきまして、特別な理由もございますので、今後研究を続けて参りたいと思います。
  15. 小口喜久二

    説明員小口喜久二君) ただいまの御質問の内容は、公共企業を一つの会社にまかしておきますと、いろいろの面で独占の弊害を生じないか、それによって、たとえばこの航路の運航時間が非常にかかり過ぎるとかいうような点も、そういった点に原因があるのじゃないかというような御質問でございましたが、その点につきましては、私といたしましては少し考えが違うのでございます。と申しますのは、このような離島全体の問題でございますが、離島に通っておるところの離島航路と申しますものは、時間が非常にかかる、これは共通な問題でございますが、その原因はどこにあるのかと申しますと、一番大きな原因は、やはり離島経済力なり、それから人口が非常に少ない、またその伸びが非常に低調なために、いわゆる輸送需要と申しますか、旅客が非常に少ないということが一番の原因になっておるわけなんでございます。旅客が少ないために、たとえば船が二百人乗りの船でありますと、方々の港によって旅客を集めていかなければならぬことになるわけであります。旅客が、ある程度の水準に達しますと直行航路というものもできまして、汽車で申しますと、急行の停車駅のようなもので、その駅だけとまって目的地に向かっても、汽車はある程度満員になるということでペイができるわけなんでありますが、何分にも離島の乗客の人たちが少ないために。中間駅、二、三人乗り、次の駅にとまって、また三、四人乗らせるというようなのと同じ状態にあるわけであります。従いまして、寄港地を多くするということは、離島のような場合にはやはりどうしても、だれがこれを行ないましても、会社が行なおうと、公営企業が行なおうと、そういうような離島の旅客輸送、旅客需要が、輸送需要が少ないというような根本的な原因で、そういうような運航形態になっておるのでございまして、これはだれが行なってもいたし方のない致命的な問題であるだろうと思っている次第でございます。  それで、たとえて申しますと、離島の中の輸送人員でございますが、たとえば関西汽船の別府航路などは、大体において年間輸送量が百三十万人から五十万人くらいあるような状況であります。それからまた、たとえば同じ離島でございましても、小豆島のごとき、ああいうふうに観光でもって収入を上げている航路は、それでも年間百二−三十万人ございます。それに比べますと、今問題になった上五島航路にいたしましても十八−九万、二十万に達しないような輸送力でございます。しかしこれは、まだいい方でございまして、ほかの航路にいきますと、たとえば年間に四千人だとか三千人というようなところも方々にございます。従いまして、これを運航するということになりますと、ただいま申しましたようなことは、これは避けられないことだと考えております。  どういうような対策があるかと申しますと、やはり何と申しましても、先ほどもお話がありましたように、島自体の体質改善と申しますか、島自体のあらゆる資源を開発して、内地との交流をはかり、現実に、そこに輸送需要を出していただく、それからまた、そういうことと並行して、先ほど御指摘のありましたように島内道路網その他を発達さしていただきまして、一つの港に集結すれば、三、四の人たちを集めていただいて、少し大きなロットにしていただく、そういうことが唯一の対策と考えられるものでございます。先ほどの御指摘のように、会社そのものでやるから、会社が不誠意だから、こういうことになるということは、ちょっと考えられないのではないかと考えております。
  16. 田中一

    田中一君 どうもあの小口さんという方は、九州汽船の何か関係者じゃないんでしょうね。そうじゃないでしょうね。  そうすると伺いますがね、乗客が少ないから、各港々を回るのだということ、これは壱岐島というものが、内壁の交通がないという場合には考えられます。印通寺港と郷ノ浦は十五分です。勝本港と郷の浦とは自動車でもって行けば三十分かからないわけです。芦辺とも同じような、もっと二十分か二十五分ぐらいでしょうね。そのくらいの道路が完成しておって、そうして勝本の町の人は、おれは郷の浦から絶対乗らない、勝本にこいというようなことがあり得るはずがないです。たとえば中通島みたいに道路がない所は、やむを得ずこれは行く場合があります。しかし小舟で、いそ伝いに道路がなくたって、どんどんやってくるものなんですよ。今、壱岐島の場合を考えても、十五分か二十分で郷の浦に出てくる。なぜその船が、人を乗せるために寄港しなければならないかということ、これは考えられないです。それから荷物にしても、車で運べばいいのです。従って貨客というものを船に積み込むために壱岐という島ぐらいのところでは、一つの港で十分であると言えるのですよ。私は、自分で行ってきたのだからわかるのですよ。陸上十五分で行くところが、船で行けば一時間かかる、寄港していくとですね。一番近い所におりちゃいますよ、もし交通の便利がよければ。バスもない、何もないから、しょうがなし、郷の浦まで一時間かかって行くのですよ。  そういう形で、あなたが九州汽船の私企業の代弁をするのもけっこうですが、壱岐島におけるところの九州汽船の就航というものは、これは私は、あなたの答弁では不十分です。それから鶏と卵との関係みたいなもので、中から生産されて、貨客が相当ひんぱんになるようにしてくれれば、そうしますということも、これもおかしなことなんですよ。何がために、あなた方は政府にいるかということですよ。何がために離島振興法という法律ができたかということですよ。運輸省運輸省の面から、通産省は通産省の面から、農林省農林省の面から、建設省建設省の面から、それに対して、やはりいい政治をしなければならぬということなんですよ。原則的には、あなたが言っているようなこともあり得るかもしれぬけれども、少くとも壱岐の場合にはないです。たとえば三町一村の人が見えたときにも、みんなして話し合いながら言ったのは、これを壱岐市というものにして、総合的なあらゆる面の対策を立てなければ、おそらくわれわれにしても御協力することが困難になるという、結局むだなことばかりやっているということなんですよね。それは、ほかの島でも言えるのです。平戸島の場合には、これは文句はございません。今の市庁舎がある所の旧平戸町から、船に乗っても、それこそ十分か、十五分で行ってしまう。車で行けば二分くらいで行っちゃいます、橋ができればね。これは離島と言うよりも、離島じゃない。これは橋ができて、有料道路でもできれば、離島とは言えなくなっちゃう。従って、そういう点から見ても、あなたの答弁は、どうも僕には、原則的に、そういう場合もあるという、私企業の方に対して肩をもっているように見えるのですがね。だから、私の言うのは、ペイしなければ、公共機関でやりなさいというのですよ。やり得るのですよ。  それからもう一つの問題は、スピード・アップしろと言っている。スピード・アップすれば、現に博多からは、朝早く船でもって壱岐まで魚を釣りに行く人がたくさんいるのです。それは見てきました。朝から行って、あるいは夜の船で行って朝釣って帰ってくるという人がいるのですよ。先ほどの報告にもありますように、西海公園という、これは続いた国立公園というものの指定がされているようですが、それらを、もっと動かすことが必要なんですよ。そこで総合的な開発というものが考えられるということですね。だから、あなたの答弁だけではどうも満足しないのです。  それから道路局長に、それは僕の意見です。時間もないから、いずれこの問題は、運輸省がそういう考えを持っているのなら、これからほかのいろいろな例もあげてやるから、小口さん、あなたを責めてもしょうがないから、あなたの答弁は不十分だということにして、あなたに対する質問はやめますけれども、あなたが答弁したければ、してもかまいませんよ。
  17. 内村清次

    内村清次君 ちょっとその前に、僕もちょっと言いたいのだ。  まあ田中君の受け取り方と大体私も同感しておりますけれど、現地へ行ってみまして、これは経済企画庁も、主管庁としてほんとうに離島振興法のこの趣旨を各省が厳格に守っておるかどうかという問題です。これは主管庁にもやはり一連の罪があるのですね。もちろんこれは関係官庁といたしまして、また特に離島というのは航路を隔てて、やはり海上運送というものは、やはり一番、先ほども言われたように道路と同じことですから、海上運送は、道路よりもまた海面である以上、難所があるのですから、特に安全迅速という問題は、やはり一番指導精神としては、この二つのモットーはやはり守りぬいて、主管庁というものは指導性を発揮してもらわなければならぬのです。  この指導性の問題につきまして、私も今の答弁ではどうも不満足な点があるわけだし、というのは離島振興法には、こういうふうな第一条に目的が書いてあるのです。この目的は、「本土より隔絶せる離島特殊事情よりくる後進性を除去するための基礎条件の改善並びに産業振興に関する対策を樹立し、」こういった前提が法律の第一条に書いてあるのですね。「これに基く事業を迅速且つ強力に実施することによって、その経済力の培養、島民の生活の安定及び福祉の向上を図り、あわせて国民経済の発展に寄与することを目的とする。」と、これが法律の主眼点ですね。そうしますると、やはりこの道路に匹敵する、しかも、道路以上の難航を予想するところの海面輸送については、これはやはりあまり採算性という問題を、すなわちどう理解して、これを指導していくかということですね。あなたの御答弁からいえば、民間企業に全部委託するという、これは御方針、しかも民間企業に委託するといえば、結局民間企業というのは、それは採算性を土台にしてやっていくでしょう。そうすると、どこにか無理が起きてくる。後進性を脱却することができないところの無理が出てくるのですね。この無理は、どういう方面に現われてくるか。これをどうやって、本土並みの水準まで引き上げることができるかというところに政府の施策ということを考えなくちゃならぬ。  それは私は、二つの方法があると思うのだ。一つの方法は、これは公共的な、すなわち国営でやるか、あるいは地方団体にやらせるか。こうやった公共性を持たせて採算を少し土台をはずして、そうして、その島民の福祉を向上させていく、安全を確保させていくという方法が一つあるでしょう。  それから、一つの問題は、やはりこれはその会社に対して、ある程度犠牲を要求するか、またしかしその犠牲が犠牲にならないと私たちは考えておるのは、やはり船の型を大きくしてスピード化していけば、やはり経済の交流というものが迅速になって島民の方も、やはり船にたよってくる、輸送全体を船にたよってくるというようなことになるし、島内経済力が発展してくれば、やはりこれは自然と採算はとれてくるというような原則にも合致してくるのですから、あなたの御答弁を聞きますると、たとえば瀬戸内海の航路あたりは、こりゃ本土と密接な人口体制をかまえての輸送ですから、これは来客も多く、採算はとれていくでしょう、しかし問題は離島のうちでも、一体日本の離島で、大きい島で経済力が島内にあふれておるのに、一体航路が何時間あるのがあるかということを、やはり根本的にあなた方はお調べになって、たとえば壱岐の島あるいは対馬の島あるいはまた佐渡の島あるいはまた隠岐の島というような、そういう重要な島嶼に対しての航路関係、時間関係を、よく厳密にお調べになって、それを民間でやらした方がいいか、あるいはこれは国でやった方がいいか、こういうようなことを厳密にお考えになって、そうして指導精神というものを、やっぱり確立していかないと、この法律の第一条の目的には、というあなたの御答弁では、むしろ私たちは何年たっても、安全な航路と、それから大きな船腹、スピード化というものは、できてこぬと私は思うのです。この考え方を一つ直していただきたいと思うのです。
  18. 小口喜久二

    説明員小口喜久二君) 私の答弁は非常に限局して申し上げたために、非常に誤解と申しますか、御満足をいただけなかったことをおわび申し上げますが、ただいまいろいろお話しありましたように、離島をどうするかという根本問題につきましては、たとえば現在におきましても離島航路整備法によりまして補助金を交付しております。補助金の額は、年々少ないので、私たちとしても、非常に苦慮しておるところでございます。わずかに三千万くらいしかないものですから、ほとんど各航路の二割くらいしか欠損を埋めることができない、そういうような状況でございます。  しかし今後も、これを大いに進めていかなければならぬと思っているわけですが、先ほど抜本的に国営でやったらどうだろうというようなお話がございましたが、確かに国鉄の場合は国でやっているために、もうかる路線と不経済路線というものをプールいたしまして、非常に安い運賃で行なっており、しかも遠距離に至れば至るほど逓減というような形をとりまして、離島と申しますか、離れた僻地の開発に非常に大きな力になっているわけでございます。われわれの方の航路も、本来ならば、そういうような形をとりますと、非常に僻地の開発については万全を期することができるわけでございますが、何分にも現在におきましては、そういうふうになっておりませんし、地方のしかもその上に、先ほどちょっと申し上げましたような実態ももちろんありますので、地方団体で直接行なっているところも多いわけでございますが、それらの経営状態を見ますと、方々でだんだんと赤字が累積していって、地方市町村だとか、そういうところでは持ち切れなくなってしまって、従って、それを県に肩がわりをしてほしいというところもございます。逆にまた一般の民間会社に買ってくれといったようなことで交渉しているようなところもございます。  従って、そういうようなことで先ほどから御教示いただきましたように、根本的の何か方法を考えないといけないとは、私たちも十分考えておるわけでございます。
  19. 田中一

    田中一君 だから、最初から言っているのですよ。あんたのところは、専門じゃない。しかし経済企画庁が全体の対策を考えなければだめだと言っているのですよ。こいつは、ここでもって言ってもしようがない、道路局長に一つ聞くが、平戸の例がある。一本縦貫する主要道路があれば、ほかのことをしないでいいという考え方があるのじゃないかと思うのですよ。これは離島振興課の方で出ていないのじゃないかと思うけれども、平戸の縦貫した道路を、今一つ作っていますね。主要道路として、そのほかに県道がある。それも全然未開発の、今まであった県道が完成していないという道があるわけです。この地図でわかるように、平戸から春日に出るやつ、これなんか、五カ年計画に入っているのですか、入っていないのですか。
  20. 高野務

    説明員(高野務君) お答えいたします。  平戸島の道路の問題でございますが、従来は平戸−志々伎線という縦貫道路がございまして、これに重点をおいて参ったのでございます。しかしながら、ただいま御指摘の春日を通ります中津良−春日−平戸線という県道、島の反対側を通る縦断的の道路でございます。ところが、春日から東の方の間に、不通個所がございます。この道路に、こういう不通個所を残しておいてはいけませんので、私どもといたしましては、経済企画庁と相談いたしまして、この線にも五カ年計画の配分をして参りたいと思っています。
  21. 田中一

    田中一君 経済企画庁、それでもっていいですか。あなたの方では要求していないんでしょう。新五カ年計画には道路局長は入れたい。入れると理解しますがね。経済企画庁、どうですか。
  22. 黒津兆太郎

    説明員(黒津兆太郎君) 先ほど来、いろいろお話が出ておりまして、私どもの方の施策の不備を申されているのでございますが、ただいまの五カ年計画は、先ほどお話がございましたごとく、三十七年一ぱいでございます。それで、いろいろ御指摘の点等につきましては、法律の建前といたしまして、地元の都道府県知事が指定のありました島について計画を作成して持って参るということでございまして、おそらく現在の五カ年計画では、壱岐市町村の合併というような問題も出ておらないんではないか。手元に資料がございませんので、はっきり確認いたしませんが、おそらくそういう問題が出ていないんではないか。従いまして、港一本にしぼるというような問題もおそらく地元の方の計画として入れておらないんじゃないかというふうに考えます。  それで、ただいまの道路の問題等につきましても現在の五カ年計画道路五カ年計画は、期間的にも食い違って参りますので、その辺は、先ほどお話が出ました本法の施行期間の延長というふうな問題とにらみ合わせまして検討して参りたいと思います。企画庁といたしましては、現在の事業の進捗状況等からにらみまして三十七年で切れる現在の法律に対しまして、何らかの措置をとらなければならないのではないかということで、現在検討をいたしております。
  23. 田中一

    田中一君 離島振興法、これはたしか議員提案ですね。政府提案だったですか。
  24. 黒津兆太郎

    説明員(黒津兆太郎君) 最初は議員提案であります。
  25. 田中一

    田中一君 そうすると、これはどっちみち延長しなければならぬと思うんです。これは議員提案なら、はっきり言いますがね。そこで三年にするか、五年にするかということは、これは予算折衝もするんですから、どっちみち三年くらいが、あるいは二年くらいが適当かと思うけれども、四十年までには必ずしなければならぬと思うんです。それは今御答弁になる通り十分にその点も考えて、というのは、政府が改正を提案しようというんですか、そうじゃないでしょう。やはりそういうことに踏み切れば、議員提案でやろうということなんでしょう。
  26. 黒津兆太郎

    説明員(黒津兆太郎君) その点は、まだいずれとも決定いたしておりませんが、必要があれば、あるいは政府提案でもできるのではないかと、現在考えております。
  27. 田中一

    田中一君 そんなことは、めったに今までありませんがね。それはこっちにまかしておいて下さい。各政党間で話しますから。  それは、そうすると、道路局長が今春日線、これは、何というか、衛星島というか知らぬけれども、生月島という島に行く、辰の瀬戸に行く近道なんです。今言っている春日線というのは、これは道路局長は、新五カ年計画に入れるというんだけれども、反対しはしないでしょうね。地方からこなければ、いやだというんですか。
  28. 黒津兆太郎

    説明員(黒津兆太郎君) 今、現在のところといたしましては、ただいまのお話に対して、どうするということをちょっと申し上げかねるのでございますが、地元は、もちろん担当の各省と十分連絡の上、計画を持って参るということになるかと思います。  いずれにいたしましても、振興計画自体は、離島振興対策審議会にかけまして決定をいたします。その際、地方要望並びに担当の省の御意見、十分調和されるのではないかと思います。
  29. 田中一

    田中一君 新五カ年計画は、近々決定するのですよ。いいですか。わかりましたか。一体何をしていたのですか、今まで。離島の情勢に対しては、そんなあいまいなことは許されませんよ。われわれがいたしますよ、それじゃ。もういいですか、近々ですよ、決定するのですよ。知っておりますか、それを。
  30. 黒津兆太郎

    説明員(黒津兆太郎君) 道路整備の五カ年計画が近々きまるということは、十分承知しております。
  31. 田中一

    田中一君 それで道路整備五カ年計画を主管しておるところの道路局長は、これは五カ年計画に入れたい、こういう趣旨に対して、経済企画庁と相談して入れたいという、こういう意思表示があるにもかかわらず、それに対してあなたの方は、あいまいな答弁というか、それに対して、こたえようとしない答弁なんですよ。もっともそれはあなたの権限じゃないといえば、けっこうですよ、それも、それは離島振興審議会に諮るとか何とかかんとか言っておりますけれども、計画決定されるのです。計画のないものに対しては、大蔵省は予算をつけようとしないのですよ。あなた、何年役人をしておるのか知らぬけれども、計画が立って、初めて予算をつけようとするのですよ。それを解決しなければ持ってこないのですよ。それを言っておるのですよ。そんな待っていれば、いつでもできるのだというものじゃないのですよ。
  32. 黒津兆太郎

    説明員(黒津兆太郎君) ただいま調べましたところ、現在の三十七年までの五カ年計画には入っておりません。で、いずれにいたしましても、道路五カ年計画が、近日決定ということは私ども承知しておりますので、その後、ただいま申しましたごとく期間が食い違っておりますので、その後の計画として、これを考えるべきかどうかという点でございますが、本年の秋におきまして各県から要望をとり、残事業につきまして、法律延長とも関連いたしまして資料をとるということでございますが、それでは間に合いかねると思いますので、建設省でお作りになった計画につきまして、私ども離島の現在の状況から勘案いたしまして、必要と認めるところにつきましては、建設省にお願いをするということで調整して参りたいと考えております。
  33. 田中一

    田中一君 今、道路局長は、これは県道であって、ことにその生月島というのですか、何という島か、どう読むのかわからぬけれども、これの連絡路になっておるところなんですよ。その県道の不通個所を開通させるということに対しては不賛成なんですか。道路局長は、何とか経済企画庁と話して、これを当然入れなければならぬ、入れたいと思う、五カ年計画にですよ。こういう積極的な意思表示をしておるにもかかわらず……。
  34. 黒津兆太郎

    説明員(黒津兆太郎君) ただいまお答えいたしましたのは、現在の離島の後期計画との関連を申し上げたのでございまして、今後の施策として、おそらく地元から相当強い要望があるかと存じますが、十分考慮して参りたい。建設省の方で、地元要望に合致した計画を漏らしていただけば、十分われわれとしましては、この計画の推進を取り入れて参りたいと思います。
  35. 田中一

    田中一君 どうも逃げたくてしょうがないらしいですね。道路局長は、こういう主要県道で、どうしてもこういう不通個所があるのはおかしい、何とかして、これを新五カ年計画に入れたいと、こう言っておる。地元もくそもないですよ。道路局長のそういう発言というのは、道路行政をあずかっている局長としては、当然入れなければならないという気持を持って、そう言っているのでしょうけれども、それに対して、あなたの方では計画がないからという答えです。十分調査してとか、相談してとかということではない。もうきょうあすにも計画というものがきまろうとしておる、計画内容というものは。延長の問題もありますが、三十七年までですから、この法律の効力は。これは、あとに入れればいいじゃないですか。
  36. 黒津兆太郎

    説明員(黒津兆太郎君) 非常に回りくどい表現をいたしまして恐縮いたしましたが、担当省の方で、そういう要望を掲げておるようでございます。建設省の方の御配慮があれば、これは計画に入れるようにいたしたいと思います。
  37. 田中一

    田中一君 それでいいのですよ。ずいぶん時間がかかった。
  38. 内村清次

    内村清次君 定期船課長、ちょっとあなたに二、三点御質問いたしたいのですが、先ほど申し上げましたように五島列島は、これは長崎県下としては一番近いところですけれども、ちょうど私は、十六年前にあすこに行ったことがある。このときは、八時間ないし六時間という航路時間をとっておった。最近少し大型の船が来たため四時間ないし四時間半というふうに、こういうふうに変化しておる。これはいいことだと思う。ところがたまたま私どもが行きました翌日に五島に渡ることにしたところが、定期船が鹿児島の方に行っておると言うのだな。鹿児島に船員争議のために、ストライキ関係があったから、そっちの方に九州商船は回したと、こう言うのです。だからして、結局定期船は小さい船が就航したというようなことで六時間以上かかった。そういったことが年の中には再三あるらしい。これでは、十六年もたってあまり進化した体制ではないと私は思う。私はこの九州商船が独占をしておるというようなこと自体が、一体どういう根拠に基づいて、あなたの方では認可をやっておるのか。これは資料として一つ出していただきたいのは、九州商船の就航するところの行き先、それから船腹、トン数、それから、これはあとで運賃体制もちょっとお尋ねしたいのですけれども、非常に離島に対するところの運賃体制が、少し高いような感じがいたしますから、そういうような点も、一つあわせて答弁もしていただこうが、資料を一つ出していただきたい。  それから第二点は、先ほど報告の中にも私は述べておきましたが、あなたの方の耳に入っておるだろうかと心配しておりまするのは、小値賀島ですよ。これは三百二十五トンの船が通っておったらしいのだが、どんどん小さくなって二百二十五トンの船が現在二日置きか隔日かに、これが就航しておるという話ですね。そこで町長さんは、まず県に行くには、二日ないし三日かかるという。それからまた帰る、十分一週間かかる。こう言うのですね。これは長崎県庁に行くだけですよ。それから船の方ですから、運輸省関係にも頼みに行ったかどうかしませんが、本人たちは、ぜひとも行かなければならぬと言っておる。今までも再三行くということも話しております。だから、こういった離島に対して、しかも小値賀島あたりのこういう航路に対して、どうやって改善していくかという方針をあなたの方でお考えになったことがあるかどうか、こういう点は、一つここで即答していただきたいと思うのだ。
  39. 小口喜久二

    説明員小口喜久二君) ただいまの小値賀島につきましては、実は小値賀島自体を、どういうふうにすべきであるかということにつきまして検討したことは直接にはございません。ただ、使用船の変更がございますときに認可がございますので、認可を受けることになっておりますが、その際に一応私、ただいま資料の持ち合わせがございませんので、どういう理由で来ており、それからどういう理由で認可したかということを即答するわけには参りませんのでございますが、一応認可しておりますので、当然それ相応の理由があって使用船の変更をしたということは考えられるわけでございますが、小値賀島自身の開発運航計画をどうしようかといって積極的にその辺の地区のことだけについて考えたということはございません。
  40. 内村清次

    内村清次君 九州商船に対しましては、過去において熊本県としましても、あまり印象がよくない実態を私たちはずいぶん知っておるわけです。というのは、天草島あたりの航路に対しまして、相当独占的な支配を拡大してくる。そしてまた近海航路の業者に対して相当圧迫する、競争態勢から圧迫するというような事態を相当手ひどくやった汽船会社ですよ。それがやっぱり長崎県下にも、相当羽ぶりをきかしておるのですからね。本拠は長崎でしょうから、長崎で羽ぶりをきかすのはけっこうなことでしょうけれども、やり方があまり採算本位で島民の福利という問題がのいておらないかという不審も私たちは抱いたのです。こういう印象からいたしまして、現在の就航状態も、先ほど言いましたように、どこかのストライキがあれば、そこに勝手に船を回してしまうというようなことが、一々あなた方の耳に入っておるのかどうか、そういうことを簡単にお許しになって、そしてそこの航路の利便を犠牲にするようなことをお許しになっておるのかどうかというようなことも私たちは知りたいわけですよ。だからその経営内容からいたしまして、就航しておるところの船腹のトン数は、一体どれだけであるか、何隻でどういう航路を持っておるかというようなことを一つ資料に出していただきたい。これは研究しまして、よく一つ指導性を今後発揮して、島民のためにやっていただきたいということを要望いたしておきます。  それから私も、かつて出張いたしました委員の方々の総合的な意見を参酌いたしまして先ほどの報告書というものはでき上がったわけでございまして、やはり近海漁業が非常に不振である、だから当面島内経済力を、どうやって回復していったらいいかということは、やはり観光資源で外貨をかせいでいくというようなことが、どのくらいの値打があるだろうか。この点は、まだ私たちも前途を見ましても、直ちに決定的な意見とか論拠ということは、これは暫く研究しなければならぬと思うのですが、表面的には、そういうようなこともやった方がいいじゃないか。でないと、十六年も戦後何もしておらぬ。農地の改革も、あまりやっておらない。近海漁業は、もう衰えてしまっておる。そうして地下資源というものはあまりないというようなところに、どうやったら外貨を獲得して経済力を大きくするかということは、やはりこれは、差し当ってうんとあそこに、この島に遊びに来てもらおうじゃないか。そのためには、道路が必要じゃないか。景色は非常にかくれた景色が、国立公園もあるくらいだから、そういうところには、一つ島全体に、この周遊するところの道路網を完成して、そうしてやってもらったらどうかというようなことも、当然委員の方々も同じ意見だ。こういう点に対しまして、特に福江島あたりは、西海公園の一番本拠地ですね。ここに道路が全然ないところがあるんだが、こういうところは、道路局長はよく御存じであるかどうか。この点を一つお伺いして、先ほど三十九億ですか、それだけ計画しておるとおっしゃったんですが、まあどういうふうな具体的な道路計画で、ただいまの言ったような趣意に合致するような、一つ力の入れ方を本省は考えておるかどうか。この点一つ、簡単でよろしゅうございますから、時間がないようですから一つ御答弁願っておきたいと思います。
  41. 高野務

    説明員(高野務君) 福江島道路につきましては、同局の道路がまだ交通不能の場所があるという現状でございまして、今後大いに整備を要するものと考えております。  福江島につきましては、福江玉之浦線、及び福江−三井楽線に重点を置きまして、道路整備をはかっているのでございます。  三井楽線は三十六年度一千三百九十五万円予算がついております。  また福江玉之浦線は、従来はあまりやっていなかったんでございますが、三十六年度から大宝玉之浦間の改良着手いたしまして、本年度は新規でございますので、四百五万円でございますが、この事業費をつけました。さらに今後整備を促進して参りたいと思っております。
  42. 内村清次

    内村清次君 先ほど玉之浦大宝間が約十キロですね。それが三十六年度から四百五万円。で、この裏側の方が西海公園の一番景色のいいところですね。こののどもとが未開地になっておりますから、こういう点は、一つ建設の速度を早めてもらいたいと思うのだな。  それから航空局長に一つちょっとお伺いいたしますがね。福江空港の着工から現在までの経緯を、簡単に一つ述べていただきたい。
  43. 今井栄文

    説明員(今井栄文君) 福江空港につきましては、離島振興法によりまして国が一〇〇%補助ということで、現在土工事を施行中でございます。この土工事は、滑走路、誘導路、エプロン、大体この三つに分かれておるわけでございますが、これが、先ほど内村先生がおっしゃいましたように、三十六年度に完成いたします。で、なお管制施設あるいは保安通信施設というふうなものが三十七年度に完成する予定になっておりまして、従来のローカル空港建設の態様とほぼ同じでございます。従いまして、三十六年度に一応有視界飛行と申しますか、計器にたよらないで本土から飛行することは可能になるわけでございまして、なお悪天候その他につきましても、全天候運航が可能になりますのは、昭和三十七年度一ぱいかかりますので、昭和三十八年度初頭からということになろうかと思います。
  44. 内村清次

    内村清次君 これは、現地私たち見てきましたがね、もちろん滑走路その他は、今整備中でありましてね、まあ相当広いところに、いい位置にはあるわけです。問題は、この三十四年度からの着工したそのときの全体計画といたしまして、どれくらいの費用をもって、完成までどういう施設をやっていこうというようなお考え方でやっておられるのか。この点の費用の関係ですね、その費用は、その内訳が、どういう点だけをやっていくのだ、運輸省が飛行場を作るには、どの点に立っての予算だけを組んでいくのだ、これは福江ばかりでなくしてね、壱岐もありましょう。あるいは今日までの鹿児島、熊本、そうやったところの飛行場の建設もあるのですが、一体運輸省計画上するところの予算計画というものは、何と何と何のことだけしかやらないというようなことになっておるのか。この点を一つ明らかにしていただきたい。
  45. 今井栄文

    説明員(今井栄文君) 飛行場、特にローカル空港、第二種あるいは第二種の空港建設につきましては、用地の取得は大体地元でやっていただくというのが通例でございます。従いまして、用地買収等については、国は経費を一部負担しないという建前で今日まで参っておるわけであります。用地を取得いたしました後におきまして国が施工いたしますものは、飛行場の土工事と、それからなお、それに付帯する管制、無線等の飛行場保安施設、こういうものを国が一切負担することになっております。ただ費用につきましては、空港の立地条件等によりまして、多少の差異はございますが、この福江空港につきましては、土工事の経費と、それから保安施設、管制施設等の施設と合わせまして、約一億三千万円程度に見積もっております。
  46. 内村清次

    内村清次君 そうすると、たとえば取りつけ道路というようなね、欠くことのできない道路は、これはすべて建設省の方の管轄だということですか、どうですか。
  47. 今井栄文

    説明員(今井栄文君) おっしゃる通りでございます。
  48. 内村清次

    内村清次君 この点は、建設省の方では、運輸省と再三打ち合わせて飛行場の設置の際には、連絡の取りつけ道路ですね、こういう点は、予算の外として、飛行場予算のほかとして予算計画を立てておられるかどうですかね。
  49. 高野務

    説明員(高野務君) 福江空港線の道路につきましては、これが離島振興計画によっておりますので、その面で十分協議してやっているわけでございます。この道路工事費が三千九百万かかるのでございますが、本年度は四百八十万しかついておりません。また、十分協議をいたしましてと申したのでございますが、実は道路は、三十八年度までに整備を終わるという予定でございましたので、多少そこに食い違いがあったようでございます。従いまして、今後空港の整備計画とあわせまして、道路整備促進して参る必要がございます。これを検討いたします。  また、先ほどの御報告の中に、これを市道でやっていくのは、どうかというお話もございます。その際、未開通部分が三分の二以上あるので、県道にしがたかったという御説明が現地であったように伺ったのでございます。これはまことに私どもの認定基準、一般の認定基準から申しますと、そういうふうになっているのでございますが、ただこの認定基準は、幾つかの町村道がございまして、それをある場合に不通箇所の少ないものを県道にするという建前からの基準でございますので、こういうふうな離島におきまして、また空港建設とあわせてやる場合には、必ずしもその基準による必要はないのでございます。従いまして、もし必要あれば、これを県道に認定するということも考え得るのでございまして、今後県と十分に相談いたしまして処理をして参りたいと思っております。
  50. 内村清次

    内村清次君 ただ、私たちは現地を見まして、県その他市の強い要望から総合して考えてみますと、現在では飛行場まで取りつけ道路を二キロか三キロくらい行かなくちゃならぬ。それには曲がり曲がった、しかも市内に武士屋敷があるが、あそこの間を通っていかなければならぬ。だからあそこの武士屋敷をこわさなくちゃならぬ。だからどちらかというと、武士屋敷あたりは、私たちはやはり残しておいた方が、あそこの観光関係にはいいのじゃないかと思う。そうしてみたならば、取りつけ道路というものは、何かほかのところを迂回したところの、市の方の計画があるらしいのですが、迂回したところを通って、それで飛行場に行く方がいいのじゃないかというようなことも考えましたが、ただその問題は、県が、たとえば今後県道に指定するというようなことで、まあ現在は補助金をやるにいたしましても、八千万か幾らかやらなくちゃならぬ。それだけの経済効果というものが、はたしてあの飛行場に、最初の間は、なんでしょう、不定期か何からしいのだな、それだけの投下したところの経済効果というものが、はたしてあるかどうか。これは、むしろ私は、道路の設計という問題も、飛行場の設置と一緒になって費用を見積もって、そうして、その際運輸省の方で取りつけ道路くらいはとるような予算計画をして、そこに設置しようとするならいいのじゃないかというような点で考えた。しかしこれは所管庁の考え方だから、それは別々だから、所管庁がある以上は、やはり関係官庁がやるのが至当だろうと思いますが、そういうふうにまで考えざるを得ないのですよ。で、建設省の方は八千万やそこらの大きな金をあそこに入れて、道路はできた、しかしながら飛行機に乗ってくるお客さんたちは、不定期で、わずかしか来ない。一体、これは採算が合うだろうかというふうにも考える。  それからいま一つは、今井さんにお尋ねしますが、あれを、飛行場ができ上がれば、全日空があれには就航するわけでしょう、全日空が。ローカル線ですからね。そうすると、全日空というものは、これは民間飛行関係で、お客さんを運べば、利益はその会社が持つと、施設は国がやっておる。そうすると、国の施設に対して、何か一つ、幾らか飛行場の立入料ととか、いろいろな点を取っておるかどうか、こういう関係は、どういうふうになっておりますか。
  51. 今井栄文

    説明員(今井栄文君) ただいま飛行場ができ上がりました際に、福江路線を全日空が運営するかどうかという点、まず第一点お答えいたしたいと思います。  ただいまの全国の大体国内路線につきましては、御承知のように、東京を中心といたしまして札幌、大阪、福岡という幹線は、日本航空と全日空とが、相互に協力してやっておるという一応体制でございます。それから、主要な幹線につきましては、全日空が大体におきまして全国的なネットワークで、これを運営いたしております。ただ離島関係につきましては、必ずしもすべての路線を全日空が運営するという建前には実はなっておりませんので、御承知のように、鹿児島から南西諸島への路線は、東亜航空、あるいは冨士航空というところが鹿児島を中心にしまして離島との間にピストン輸送をやっておりますという状況であります。  それから、東京付近でも、御承知のように日本遊覧が全日空と並行してやっておりますが、大島、八丈島路線を運営いたしております。従いまして、福江路線につきましても、これは長距離路線になりますと、あるいは全日空がやるんじゃないか。長崎福江を結ぶ、福岡から福江を結ぶというような短距離路線でありますと、むしろ割合に小型な飛行機でピストン輸送をやるのが島民に利便であるというようなケースもございまして、あるいはそういうふうな観点から、これを運営する業者というものを今後選定していかなければならぬ。  それから、なお航空につきましては、御承知のような全日空が、かりにやるにしましても、全国的なネットワークでやっております関係上、現在でも非常に収益のいい路線と、収益の悪い路線がございます。従いまして、収益の悪い路線につきましても、定期路線を運航いたしております場合には、必ず定時に、これを飛ばしておるというのが、大体の通例でございまして、全体として、それをカバーする。現在は、非常に航空の需給状況が上昇いたしまして、全体的に非常に経営が楽になっております。全日空でも、御承知のように、大阪から高知線あるいは高松、松山線というような線は、非常に何便増便しても間に合わないというような状況でございます。しかしながら、場所によっては、新潟路線であるとか、あるいはまた裏日本の方の米子であるというような路線については、必ずしも採算がよくないという路線を現在経営しております。  しかしながら、かりに福江に飛行場ができました場合に、当初は、あるいは不定期に運航するということもあると思いますが、私どもといたしましては、それを公益的な路線として、できるだけ早い機会に定期路線化するというように考えております。  従来、国が作った施設を利用するわけでございますが、それによって全日空の方が、何らかの経費を国にそのために出すということはございません。ただ、私どもとして徴収いたしておりますのは、飛行場の使用料、こういったものは、一定の基準によりまして徴収いたしておりまして、これがまあ歳入として国へ入ってくる、こういう状況でございます。
  52. 小山邦太郎

    小山邦太郎君 議事進行。  大へん大事な質問で、われわれも続いて伺いたいのですが、ただ、先ほど委員長のお話の、そうして皆さんも賛成した、一時から連合の審査会もあるので、この御質問は、なおこれで打ち切りというものでもないのじゃないかと思うので、これは、どういうふうにしましょうか。
  53. 内村清次

    内村清次君 いま一点、非常に節約したわけだ。その点考えてみたら、せっかくおられるのだからきょうは……。だからもう一点やってやめましょう。  計画局長、先ほど報告にもありましたように、博多駅は、大へんなことになる。博多駅の、また博多の市の、この福岡市の土地区画整理事業ですね、これは大へんなことになるのですが、あなたの方に再三、市及び県は打ち合わせをしておりますかどうですか。ただ私たちが行って聞きましたときには、一体市街地改造法という法律ができたが、その制定の内容を、こういう点は、どの地区に適用したならいいかという点で非常に苦慮しておるようだ。ただ土地区画整理だけでは、あの大きな区画整理事業はできないと思うのですね。だから、こういう点の御指導はやっておられるかどうか、この点を一つお伺いしたい。
  54. 関盛吉雄

    説明員関盛吉雄君) ただいまお尋ねの、博多駅を中心といたしまする福岡市の土地区画整理事業でございますが、駅の庁舎の移転というものを中心といたしまして、駅前の区域内について、膨大な面積区画整理事業を実施いたしております。  まず、現在の段階におきましては、鉄道の線路の何といいますか、改良計画線に合わした幅員の用地を造成する、これに主眼を置いておりまして、一方、鉄道の方におきましても、民衆駅の建設計画というものも審議会にかけまして決定をされたようなことで、区画整理事業の実施につきましても、昨年来公共施設と鉄道との負担の割合等についての全般的な話し合いが一応終わりましたので、当初の完了よりは少しおくれておりますけれども、目下のところ、四十年までには、この区画整理事業が完成するように指導し、また、そのような方向で事業が片づいていくのではないか、こういうふうに考えまして、鋭意それを指導しておるというのが実情でございます。
  55. 田中一

    田中一君 河川局長、壱岐の谷川、あれがはんらんして困るというのだが、堤防を作ってくれという要求があったが、どうなんだ。この前で完成しておるということだが、あれは県の事業……。
  56. 山内一郎

    説明員(山内一郎君) 県の事業で。
  57. 田中一

    田中一君 聞いていない……。
  58. 山内一郎

    説明員(山内一郎君) 聞いておりません。
  59. 田中一

    田中一君 この次までに調べてきて下さい。
  60. 山内一郎

    説明員(山内一郎君) はい。
  61. 松野孝一

    理事松野孝一君) それでは、本日は、この程度にいたしたいと存じます。  次回は、決定次第お知らせいたします。  これで散会いたします。   午後零時五十六分散会