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1961-05-30 第38回国会 参議院 決算委員会虎の門公園地に関する小委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十六年五月三十日(火曜日)    午後一時三十四分開会    ——————————  出席者は左の通り。    委員長     木内 四郎君    委員            仲原 善一君            相澤 重明君            山田 節男君            北條 雋八君            奥 むめお君   政府委員    法務省訟務局長 濱本 一夫君    大蔵省管財局長 山下 武利君    ——————————   本日の会議に付した案件 ○虎の門公園地に関する件    ——————————
  2. 木内四郎

    委員長木内四郎君) それでは、これより決算委員会虎門公園地に関する小委員会を開会いたします。  本日は、まず政府当局より虎の門公園地に関する問題の現在までの経緯について御説明を願いたいと思います。
  3. 濱本一夫

    政府委員濱本一夫君) ただいまお手元にお届けいたしました資料の二十四ページをごらんいただきたいと思います。  この事件は、古く昭和二十九年四月の二日に本訴を提起いたしまして、同年五月十七日を初めといたしまして三十年の十月二十二日まで準備手続に係属いたしまして、その間期日を開かれること十二回であります。十二回目の、ただいま申しました三十年の十月二十二日に準備手続を終結いたしまして、口頭弁論に移り第一回の口頭弁論が同年の十二月二十日に開かれました。そうして昨三十五年の一月二十九日に至るまで、そこに掲げられてありますような何回にもわたって口頭弁論が続行されまして、今申しました最後の三十五年一月二十九日の口頭弁論期日におきまして弁論終結と相なりまして、そうして判決言い渡し期日は追って指定ということになっておったのでありますが、その後、裁判所から弁論期日は追って指定というままで事実上の和解勧告がございました。そうしてついに本年の四月一日になりましてさきに閉じた口頭弁論が再開されまして、そうして四月の十五日に弁論期日指定されました。指定されましたが、実際にはその後、口頭弁論は行なわれませんで、裁判所から職権による和解勧告がございまして、四月の二十二日、五月の九日、五月の二十五日というように三回にわたって正式の和解勧告がございまして、なお和解勧告が継続いたしておりますのでありまして、次回の和解期日は来月の八日ということになっております。その和解期日の重ねられます間に、相手方の方からかような趣旨和解をもう自分の方は希望するのだという案が、相手方の方から出て参っております。その案もただいまお手元にお届けいたしました資料の末尾にコピアで複写したものがつけてございますので、それによって御承知いただきたいと思います。
  4. 相澤重明

    相澤重明君 委員長、この和解勧告文章があるけれども、それで承知しろというのであって、ちょっと説明をしてもらいたいと思います。文章は見ればわかるけれども説明をしてもらいたい。
  5. 濱本一夫

    政府委員濱本一夫君) 先方が望んでおります和解の条項と申しますのは、まず第一案といたしましては、適正に計算した賃料によって賃借をさしていただきたいと、こういうのが第一案のようであります。それから、それがかないませんならば、適正に鑑定をされた時価によってこの土地払い下げていただきたい、この二点であります。まだその和解に応ずるか応じないかは、私どもの方は、法務省といたしましては実は権限がございませんので、大蔵省の方にどうしたものか協議してありますので、まだ大蔵省の方でどういうふうになさるか最後のところはお聞きしておらぬ、承知しておらぬのであります。
  6. 相澤重明

    相澤重明君 大蔵省の方、御説明いただきたいと思います。
  7. 木内四郎

    委員長木内四郎君) その前にちょっと濱本訟務局長に私は委員長として伺いたいのですが、訟務局長というものはその和解とかそういう権限はないのですか。国の代理ではありそうなものですが、ないのですか。
  8. 濱本一夫

    政府委員濱本一夫君) 訴訟法上はあるわけなんですけれども、やはり弁護士と同じような形になるのでありまして、依頼庁の意向を無視してやるということは内部的にはできないわけであります。訴訟法上はあります。
  9. 山田節男

    山田節男君 今の濱本訟務局長の御答弁ですけれども、国、すなわち大蔵省代理として原告になっているのです、原告と。そうすると、こういう職権による和解勧告があった場合に、これまでも何回かこうして裁判でいろいろ証人あるいは証拠があって判断されて、訟務局長としてはこういう裁判所和解勧告に対して、その今までの審理経過からして応ずべきものだというようにお考えになるのかどうか。その判断はやはり原告としてあなたの方でやはり判断されるでしょう。
  10. 濱本一夫

    政府委員濱本一夫君) 何と言いますか、卑俗に申しますならば、私どもは当事者である国のための顧問弁護士と同じような立場にあるわけでありますから、裁判所から和解勧告があった場合、あるいはまた相手方から和解の申出がありました際に、依頼庁の要請があればこの事件和解するのが至当のように思う、あるいは和解するについてはかくかくの条件がよかろうと思うというようなアドバイスはいたします。
  11. 山田節男

    山田節男君 そのことはやはりまあ訴訟代理人という地位ではあるが、今までのあなたの、裁判でのいわゆる審理経過から見て、これはもう強制職権による和解に応ずべきものだというように判断をなさるかどうか。もちろんあなたは大蔵省訴訟代理人という形ではあるけれども大蔵省に対して和解勧告を、この経過から見て妥当であるというようなアドバイスをされるほどの——この経過に対してですよ、御判断があるだろうと思うのです。アドバイスをされる——和解勧告に応ずべきかどうかということに対して、大蔵省じゃなくてあなたが今までに審理経過を御存じですから、このアドバイスはどういうふうにするかということです。
  12. 濱本一夫

    政府委員濱本一夫君) 裁判所によって一たん口頭弁論が結審されたぐらいでありますから、一応は裁判所判決主文の腹案を、少なくとも当時としては持っておったものであろうと私は想像します。それがなければ結審できぬはずであります。従いまして、当初からこの事件関係しております私どもといたしましても、若干の考えはないわけではございません。ただしこの当初からの被告との間にできました関係が非常に複雑でありまして、また御承知のように政治的にも取り上げられている問題でもありまするし、今もって私どもは絶対に和解をしなければならぬ条件である、あるいはまた和解をするについてはかくかくの条件でなければならぬというように、一義的にまだ実は決心をしかねておるのでありまして、まあずるいかもしれませんが、裁判所が一体どういうふうな心証を持っておられるのであろうか、ということを絶えず注意をしながら、今後大蔵省と協議していきたいと思っているのでありまして、現在の段階といたしましては、まだそういったどちらとも、あるいは和解する場合にかような条件でなくちゃいかぬ、とまでも一義的に決心をしかねております。
  13. 山田節男

    山田節男君 もうちょっと確かめたいことは、本件昭和二十九年に提訴されたわけですが、以来法務省訟務局長がいわゆる原告として、これに対していただいたのですがね、あなたが初めからずっと最初から原告としてお立ちになっているのですか。
  14. 濱本一夫

    政府委員濱本一夫君) これは昭和二十九年に起きました事件でありまして、起こしました当初から私、局長でありましたので関与はいたしております。ただし訴訟の実施を実際にやるのはこの係の課長がやっておりまして、当初担当しておりましたのは堀内という第一課長でありまして、これはその後五課に回り、また昨年高松法務局長にかわっていっております。彼が高松法務局にかわっていきましてからは、後任の武藤一課長が担当してやっております。しかしそれは常に私と協力しながら——私は関与しておるわけでありまして、終始私がやっておったということになると思います。
  15. 木内四郎

    委員長木内四郎君) それでは大蔵省山下管財局長
  16. 山下武利

    政府委員山下武利君) 本件につきましては衆参両院におきまして決議がございまして、衆議院決算委員会昭和二十八年七月八日、参議院は、これは本会議でございますが、同じく昭和二十八年の七月二十九日に大体同趣旨のことでございますが、要約いたしますというと、政府ニューエパイヤモーター株式会社が現在不法に使っておるところの土地原状回復の上に、再び公園として公共の用に供するような具体策を立てるべきである。こういう趣旨決議があるわけでございます。大蔵省といたしましては国会の御趣旨を尊重して参りたいということで、自来八年間訴訟に参画しておるわけでございます。先ほど訟務局長からの御説明のありましたように、裁判所からの和解勧告等もございます次第でございますが、私どもといたしましては、この国会決議に即した和解であるならば、これはお受けするのにやぶさかではないわけであります。和解の内容が必ずしもこの決議趣旨に沿っておらないということでありますると、大蔵省といたしましてはすぐにこれをお受けするというわけにもなかなかいかない。一応国会の御意思を伺ってみないと何とも申し上げかねるという態度でおるわけでございます。
  17. 木内四郎

    委員長木内四郎君) 速記をとめて。   〔速記中止
  18. 木内四郎

    委員長木内四郎君) それでは速記をつけて。
  19. 奥むめお

    奥むめお君 大蔵省の方に伺いますが、第二回の参議院の選挙のあとだったと思いますが、大蔵省が何か急に態度を変えたことがありますね。普通の国有財産として大蔵省に納めてしまえと言うといて、今度はまた現金に戻せというようなことで、あのときに委員会で大へんみんなが不審に思ったことがあります。私もはっきりした記憶はないんだけれども、何か大蔵省態度が途中で変更したことがあったじゃありませんか。なぜ変わったのでしたかしら。
  20. 山田節男

    山田節男君 ちょっと管財局長、今の奥さん質問を私、補足しましょう。今、奥さんの言われる質問はこうなんです。この問題がちょうど決算委員会審議された当時は、大蔵省国有財産を、東京都が、あの虎の門の公園地を小公園にするために、大蔵省から借りておったのですね。借りておって、こういう問題になっちゃった。ところがその審議の過程において、これが非常にすみやかに普通財産になったじゃないか。これが当時、参議院決算委員会で問題になったのですよ。普通財産にぱっぱっとしてしまったじゃないかということが、あの当時の審議一つの中心の問題になってきたわけです。その間の事情を今聞いておられるわけですね。
  21. 相澤重明

    相澤重明君 関連して。管財局長にこういうふうに私、申し上げますので御答弁いただきたいのですが、虎の門公園地に関する問題は、昭和二十五年度の会計検査院決算検査報告不当事項として摘発されたものである。それは東京都が、国有財産である虎の門公園地千百三十六坪のうち六百五十坪を昭和二十四年二月以降ニューエンパイアモーター株式会社建物用地として使用さしていた。すでにその公園としての用途に使用されていないものであるのに、二年余を経過しながらそのままにしているのは処置当を得ない、こういうことで会計検査院から指摘された。そこですみやかに現状に即した措置を講ずべきであるというその後の経過として、昭和二十八年一月末にニューエンパイアモーター株式会社使用期限が切れた。ところが半永久的な建物地下施設とを建設しているニューエンパイアモーター株式会社は、自分のところに借地権があるとして立ちのかなかった。これに対し東京都は、建設省の了解のもとに、昭和二十八年四月十四日付でその土地公園としての用途廃止して、同六月一日これを大蔵省に返還した。その結果この土地大蔵省所管普通財産となったのです。これが今、奥先生山田先生質問の要旨だと思うのです。そういうことはあったのかなかったのか、そのことは事実であるのかどうか。この点をお答えをいただきたいと思います。
  22. 山下武利

    政府委員山下武利君) 非常に古いことでございまして、私どもに今詳細な記録があるわけではございませんが、私の方に今持っております限りの資料につきまして調べましたところでは、今相澤委員おしゃった通りの事実はございます。
  23. 木内四郎

    委員長木内四郎君) 速記をとめて。   〔速記中止
  24. 木内四郎

    委員長木内四郎君) 速記をつけて。
  25. 奥むめお

    奥むめお君 今相澤委員がおっしゃいました、あれから普通財産に一応入れまして、それからそう長い時間でなしに、間もなくまた原形に戻せという何か要求をなすったと私の頭にあるのです。そこに大蔵省が、二つの態度があのとき委員会で問題になったと思いましたが、そういう記録がございませんか。ここの速記録をゆうべ読んだが、これにちょっと出ているが、もっといろいろ審議をやった覚えがある。いつのことだろうかと見当がつかない。
  26. 相澤重明

    相澤重明君 こういうふうになっている。今の大蔵省普通財産としたことは、ニューエンパイアー株式会社に対して払い下げ準備あるいは貸し付ける、こういうことをしたのではないかということで問題が当時出ておる。そこで東京都の副知事とかあるいは建設局長とか、建築局長、またニューエンパイアーモーター株式会社社長等参考人として事情を聴取した。そのとき検査報告の指摘とは離れて、公園としての原状に服せしむべきであるという結論に達して、昭和二十八年の七月十五日大蔵大臣及び建設大臣に対し、国有財産虎門公園地原形復帰に関する要望書を出すとともに、昭和二十八年の七月二十九日の決算委員会決算委員十五名を発議者として、国有財産虎門公園地原型復帰に関する決議案を本会議に提出してその議決を得た、こうなっている。ですから今奥委員の言われるように、国有財産大蔵省普通財産としたのは、払い下げあるいは貸し付けをするための準備行動ではなかったか。こういう疑問が当時の決算委員会であった。  これはどうなんだ、こういう質問なんです。それに対して大蔵省は、今日どういうふうにその当時のことを知っておるかどうか、ということを今奥さん質問されている。
  27. 山下武利

    政府委員山下武利君) 私の方の記録によりますとこういうことでございますが、昭和二十八年三月十六日のことでございますが、その日に東京都知事が虎の門公園廃止につき建設大臣あて上申をいたしました。同じく三月二十四日に建設省は虎の門公園が都の緑地計画に繰り入れられている関係から、同公園廃止について都市計画東京地方審議会に付議をいたした。同二十七日に上記審議会におきまして虎の門公園廃止が決定され、審議会から建設大臣あてに虎の門公園廃止につき議決があった旨の通知がなされております。これによって四月八日に虎の門公園の除籍に伴なう用途廃止及び大蔵省に引き継ぐことにつき、都知事から建設大臣あて上申がありまして、四月十四日に虎の門公園廃止の告示があり、五月十二日に建設大臣から都知事あてに、虎の門公園用途廃止及び用途廃止関東財務局に引き継ぐように回答がなされております。そこで六月一日に、関東財務局長都知事あてに、虎の門公園千百三十六坪三十二の返還による引き継ぎを通知しております。こういうふうな経過でございます。
  28. 山田節男

    山田節男君 ということは、今の管財局長の御答弁だと、それによっていわゆる大蔵省国有財産普通国有財産になったということなんですね。
  29. 山下武利

    政府委員山下武利君) その通りでございます。
  30. 木内四郎

    委員長木内四郎君) 速記をとめて。    午後二時十五分速記中止    ————————    午後二時五十四分速記開始
  31. 木内四郎

    委員長木内四郎君) 速記を起こして下さい。
  32. 相澤重明

    相澤重明君 ただいままで法務省並び大蔵省から事案経過措置を御説明をいただいたわけですが、なおニューエンパイア株式会社の方を参考人として呼んで御意見も聞きたいと思いますので、その手続等委員長に一任をしたいと思うのです。  それからいま一つは、本院の決議であると同時に、衆議院決算委員会においても決議が行なわれておる事案でありますから、委員長衆議院決算委員長ともお打ち合わせをいただいて、国会としての十分なる緊密な御連絡をとっておいていただきたい、かように思います。従って、本委員会あるいは小委員会開催等については、委員長において善処されることを要望いたして質問を終わりたいと思います。
  33. 木内四郎

    委員長木内四郎君) ただいまの相澤委員の御提案、すなわちニューエンパイアモーター株式会社責任者を当委員会参考人として来ていただき、事情聴取するということ及び衆議院決算委員会の方とも十分に連絡をとるというこの二点、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  34. 木内四郎

    委員長木内四郎君) 御異議ないものと認めます。それでは委員長においてさよう手続をいたしたいと思います。  本日はこの程度で散会いたします。    午後二時五十七分散会