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説明員(高橋明君) 御質問の第一点でございまするが、現在
文化関係の民間団体で、
外務省の方で
予算的にもめんどうを見まして、その
活動を支援しておりますのは、
一つは、御
承知のように、国際
文化振興会でございます。国際
文化振興会は、戦前からございます団体で、戦前は、なかなか十分の
予算をいただきまして、海外でもその名前が通っている団体でございます。しかし戦後、全体の財政の状態の
関係で、
政府の補助金もきわめて圧縮されまして、
活動もおのずからどうしても十分でなかったのでございまするが、このところ、だんだんと民間の
文化交流というものが盛んになりますのと相つれまして、
予算の方も少しずつ増額を御
承認願いまして、たとえば、昨年アメリカとの日米修好百年祭に際しましては、歌舞伎をアメリカに派遣いたしまして、またその前には、
日本の雅楽を初めて紹介いたしました。まあそういうような、またその他
日本の
文化を紹介する図書の出版、特に
美術方面の、
日本の伝統的
美術の紹介、図書の編集、編さんというようなことも、これはまあ例示的に申し上げましたが、そういうような仕事を最近できるようになって参りました。
また、
文化事業の
一つでございまする、
各国の
日本留学生の受け入れ機関でございまする国際学友会というのがもう
一つの団体としてございます。これは、御
承知のように、
東京には新宿の柏木に本部がございまして、関西にも支部がございます。これは大阪でございます。それから、九州博多にやはり九州支部ができました。それぞれ
東京、関西並びに九州に留学します
外国人学生の宿泊施設及び
日本語の教育等というようなことに当たっているわけでございます。これも、御
承知のように、
日本に参りまして勉強をしております
外国人学生は、東南アジアの学生が非常に多いのでございまするが、これも、今後もだんだんと
日本に留学したいという希望がふえる傾向にございまして、この受け入れ施設であります国際学友会の施設も、現在の
状況ではまだまだ不十分で、今後増設をしていかなければならないと思いますし、また、
東京、大阪、九州だけでは足らなくて、ほかの地区にもやはり今後はふやして参らなければならないと考えておるわけでございますが、大体直接
文化交流関係の仕事をしています団体としましては、この
二つでございます。
それから第二点でございますが、御質問はたしか、たとえば
イギリスが
日本にやります
文化活動が一方的であって、
日本がそれに対して十分にこたえていないではないかという御質問でございます。
各国との実情に応じまして、それぞれ
効果的な事業をやるようにいたしております
関係で、必ずしも同じような分量と申しますか、
向こうが
二つのことをやったから、こちらも
二つやるというわけにはなかなか参りませんので、場合によりましては、先方がたくさんの事業をいたしましたのに対して、こちらがその三分の一くらいしかないということもあり得ますので、あるいはそういう御印象を持たれたかと思いまするが、たとえば、
イギリスを例にとりますれば、
日本の古
美術展が
ロンドンで行なわれましたほかに、
文化人の招聘計画といたしまして、
美術館の
関係者を
日本に招待するとか、あるいは留学生をこちらに招聘する。もっともこの留学生も、先方が呼んでおりますのは、大体年十二、三名であります。それに対しまして、
日本が呼んでおりまするのは一名ないし二名でございますから、確かにそういう意味では非常にバランスがとれていないというお説は、全く残念ながらその
通りでございますと申し上げるわけでございます。