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1961-06-06 第38回国会 参議院 運輸委員会 第33号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十六年六月六日(火曜日)    午後三時二十三分開会   —————————————  委員の異動 五月三十日委員井野碩哉君辞任につ き、その補欠として小沢久太郎君を議 長において指名した。 五月三十一日委員小沢久太郎辞任に つき、その補欠として井野碩哉君を議 長において指名した。 六月一日委員加賀山之雄君辞任につ き、その補欠として常岡一郎君を議長 において指名した。 六月三日委員谷口慶吉辞任につき、 その補欠として泉山三六君を議長にお いて指名した。 六月五日委員岡一郎辞任につき、 その補欠として加賀山之雄君を議長に おいて指名した。 本日委員最上英子君、二見甚郷君及び 江田三郎辞任につき、その補欠とし て野上進君、江藤智君及び大和与一君 を議長において指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     三木與吉郎君    理事            天埜 良吉君            金丸 冨夫君            大倉 精一君   委員            井野 碩哉君            江藤  智君            鳥畠徳次郎君            野上  進君            平島 敏夫君            小酒井義男君            重盛 壽治君            中村 順造君            大和 与一君            片岡 文重君            松浦 清一君            白木義一郎君   国務大臣    運輸大臣    木暮武太夫君   政府委員    運輸政務次官  福家 俊一君    運輸大臣官房長 辻  章男君    運輸省鉄道監督    局長      岡本  悟君    運輸省鉄道監督    局国有鉄道部長 広瀬 真一君    運輸省自動車局    長       国友 弘康君   事務局側    常任委員会専門    員       古谷 善亮君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○日本国有鉄道法の一部を改正する法  律案内閣送付予備審査) ○踏切道改良促進法案内閣送付、予  備審査) ○鉄道敷設法の一部を改正する法律案  (内閣提出衆議院送付) ○運輸事情等に関する調査自動車行  政に関する件) ○継続調査要求に関する件   —————————————
  2. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) これより委員会を開会いたします。  まず、委員変更について御報告いたします。  小沢久太郎君及び谷口慶吉君が辞任され、井野碩哉君及び泉山三六君が選任されました。   —————————————
  3. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) 日本国有鉄道法の一部を改正する法律案及び踏切道改良促進法案を一括して議題とし、政府より両案の提案理由説明を願います。
  4. 木暮武太夫

    国務大臣木暮武太夫君) ただいま議題となりました日本国有鉄道法の一部を改正する法律案提案理由につきまして御説明申し上げます。  日本国有鉄道は、公共企業体として、公共の福祉を増進するために、その事業経営能率的な運営を行なうべき使命を有しております。そのために、政府といたしましても、従来から種々の施策を講じて参ったのでありますが、日本国有鉄道が、その保有いたします余裕金につきまして、効率的運用をはかるため、これを国債の保有または資金運用部への預託に運用することができるように今回法律措置を講じることといたしたのであります。  以上がこの法律案を提案する理由であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛成いただきますよう御願いいたします。   —————————————  次に、ただいま議題となりました踏切道改良促進法案につきまして提案理由及びその要旨を御説明申し上げます。  鉄道道路とが平面的に交差するいわゆる踏切道は、交通事故発生の要因となり、また、交通の障害ともなりますため、政府といたしましても、従来から、その立体交差化あるいは保安設備整備等踏切道改良につきまして極力その推進をはかって参ったのであります。しかしながら、最近における交通の発達はまことに目ざましいものがあり、自動車の著しい増加に伴う道路交通量の激増、列車運転回数増加等によりまして、踏切事故が頻発するとともに、踏切道における道路交通能率が著しく阻害されている現状にかんがみ、政府といたしましては、踏切道改良を早急に促進する措置を講じ、交通事故防止交通能率の増進をはかりたいと考え、この法律案提出いたした次第であります。  次に、その要旨について御説明を申し上げます。  この法律は、踏切道改良促進することにより、交通事故防止交通円滑化に寄与することを目的といたしております。  このため、まず、昭和三十六年度以降の五カ年間において改良を行なうことが必要であると認められる踏切道につきまして、立体交差化及び構造改良については運輸大臣及び建設大臣が、保安設備整備については運輸大臣が、それぞれ、その改良方法を定めて指定することといたしました。  この指定によりまして、早急に改良しなければならない踏切道が明確に示されることになり、一般の注意を喚起し、その改良に関して協力を期待することができるとともに、当該責任者である鉄道事業者及び道路管理者は、指定された踏切道改良に努めることを公に、要請されたことによって、相互に協調してその達成をはかることとなりますので、今後の踏切道改良促進に大いに寄与することができるものと考えられます。  なお、指定に伴う効果といたしまして、当該鉄道事業者及び道路管理者は、指定踏切道改良に関する計画を作成して提出し、その計画に従って改良工事を実施する等の義務を負うこととなり、よつて踏切道改良の実現を期しております。  次に、指定踏切道改良を行なう場合の費用負担者でありますが、立体交差化または構造改良に要する費用鉄道事業者及び道路管理者が協議して負担し、保安設備整備に要する費用鉄道事業者負担する旨を明確にし、なお、鉄道事業者負担する保安設備につきましては、その整備促進に資するため、国または地方公共団体は、政令で定める地方鉄道業者または軌道経営者に対して、その費用の一部を補助することができることといたしました。  また、踏切道改良については相当量資金を必要といたしますので、運輸大臣は、この法律の規定による踏切道改良について、資金融通あっせん等資金の確保に関する措置を講ずるよう努めるものといたしております。  以上がこの法律案提案理由及びその要旨であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。
  5. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) 両案に対する質疑は後刻に譲ります。   —————————————
  6. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) 次に鉄道敷設法の一部を改正する法律案議題といたします。  これより質疑に入ります。御質疑のある方は順次御発言を願います。
  7. 天埜良吉

    天埜良吉君 この鉄道敷設法が制定された大正十一年以来、どんなふうに敷設法が適用されてきたか、その経過お話し願いたいと思います。
  8. 岡本悟

    政府委員岡本悟君) 大正十一年に鉄道敷設法が制定されまして、その当時別表に掲げられておりました予定線路の数は百四十九号からなっておりますが、今百四十九号と申し上げましたのは、一号、二号とずっとございますが、線路の数そのものではございません。百四十九号からなっておりましたが、その後、昭和二年、第五十二議会におきまして六号を追加いたしました。昭和八年、第六十四議会におきまして三号を追加いたしました。それから六十五議会において三号を追加、それから昭和十一年、第六十九議会において三号を追加、それから昭和十二年、第七十議会において一号を追加いたしました。昭和十七年、第七十九議会におきまして一部改正を行ないまして、戦後は、昭和二十八年、第十六特別国会において十三号を追加いたしましたので、追加数合計二十九号となりまして、現在は百七十八号からなっております。この線路の数は二百九線でございまして、延長一万一千四百二十九キロでございますが、そのほかに附則第二項に該当する路線が七十一線、附則第二項と申しますのは、大正十一年に鉄道敷設法を制定いたしました当時すでに建設予定路線になっておりましたものを附則第二項に掲げまして、これはいわゆる第二項に該当する路線でございます。この路線が七十一線、延長約四千六百六十二キロでございますので、現在鉄道敷設法にいいます予定線合計二百八十線、延長一万六千九十一キロでございます。このうちすでに開業いたしておりますものが八千八十二キロでございますので、未開業のものは八千九百キロでございまして、別表予定線によるものが百七十六線、七千八百七十一キロ、それから附則第二項によるもの五線、つまり敷設法制定当時、もうすでに敷設すべきものとしてあがっておりました線路のうち五線、百三十八キロございます。なお、この未開業区間の中で現在地方鉄道開業いたしております区間が千百六十九キロでございますから、鉄道の恩恵に浴していない正味の区間は六千八百四十キロでございます。この別表予定線に該当するものでございましても、一地方交通目的とするものといたしましては、地方鉄道として免許することができることになっておりますので、そういう関係予定線に該当するもののうち千百六十九キロは地方鉄道として開業されておる、こういうことでございます。
  9. 天埜良吉

    天埜良吉君 それで予定線ですが、予定線に入ると、その次の段階は調査候補線といいますか、それから調査線というようなことになっていって、次に工事着手、完成、開業というようなことになるのだろうと思うのです。その辺の状況お話しいただきたいと思います。
  10. 岡本悟

    政府委員岡本悟君) 仰せのように、現在予定線のうちから着工いたします場合には、鉄道建設審議会の御意見を拝聴いたしまして、まず第一に調査候補路線というものを選ぶわけでございます、予定線のうちから。この調査候補路線のうちからさらに調査線というものを選定いたしまして、その調査の結果、着工すべきものかどうかを調査の結果を御報告申し上げまして、着工すべきかどうかを鉄道建設審議会で御決定をいただきまして、その御建議運輸大臣といたしましては尊重いたしまして、着工すべきものといたすわけでございます。
  11. 天埜良吉

    天埜良吉君 そうしますと、ただいま予定線に加わることになる九路線工事着工になるころはどのくらい先になるでしょうか。
  12. 岡本悟

    政府委員岡本悟君) 御承知のように、現在着工いたしております路線の数は、工事中のものが二十五線、三十五年度以降の着工路線として御建議になりましたものが十一線、計三十六線でございます。また、過般の鉄道建設審議会において、新たな着工線として建議されたものが一線ございまして、従いまして、合計今後建設すべき新線は三十七線、延長千五百二十五キロでございます。所要工事費昭和三十五年以降約一千五百億円余り必要といたしますので、今かりに毎年百億前後の新線建設に対する投資をいたす計算で参りますと十五年はかかる、この着工中のものを完成いたしますのに……。そういうことでございますので、かりに現在の追加になりました九路線着工線になりましても、現実着工に相なる時期というものは相当先のことというふうに考えざるを得ないと思います。
  13. 天埜良吉

    天埜良吉君 それで、ただいまの九路線の大体のキロ程というようなもの、それから赤字になるような路線が新線建設には多いのですが、このような各路線について、大体の見通しをお聞きしたいと思います。
  14. 岡本悟

    政府委員岡本悟君) 北の方から申し上げますと、新得−上士幌−足寄、北海道の十勝平野の北を横断する路線でございますが、これは八十一キロございます。それでこの路線は、やはり北勝平野の開拓ということで、割合人口も稠密でございまして、産業の開発というふうな点から申しまして有望な路線ではないかということから、今回追加されたような次第でございます。  それから次の嬬恋豊野と申しますのは三十五キロでございまして、これは群馬県の嬬恋、これは長野原から嬬恋まで今回新しく着工線と相なったところでございますが、これからさらに北西の方へ参りまして、信越線豊野、長野県の豊野という方へ参ります連絡線でございますが、路線図を差し上げておると思いますが、これを見ていただきますと、ちょうどこの信越線のバイパス的な役割を持つような格好になっております。御承知のように、信越線は非常な勾配がございまして、輸送力の点からいいましてどうしても制約があるわけでございますが、そういう点から見まして、この副次的な幹線の役割を演じ得るというような見地からこの路線は考えられたように、建設審議会審議経過で拝聴いたしております。  それから三番目の品川付近木更津付近でございますが、これは八十キロございます。これは東京湾沿岸のいわばこの臨港鉄道的な役割を持つものでございまして、御承知のように、東京湾沿岸は今相当埋め立て工事が進渉いたしておりまして、さらに大規模工場地帯造成というものが行なわれるような情勢にございますので、そういう観点から申しまして、非常に緊要な路線であるというように判断されたわけでございます。  それから、その次の飯田中津川と申しますのは、これは現在予定線飯田三留野下呂という、飯田下呂線がございますが、かねて建設審議会飯田三留野から下呂へ抜ける線路比較しまして中津川へ出る線を研究して調査してみよという御建議がございまして、それを調査いたしましたとはろ、中津川に出る路線も非常に有効であるという結論を得ましたので、ここにあらためて予定線に編入いたしまして、正式に調査線対象として取り上げる方がよかろう、こういう御判断でございます。これは四二・四キロございます。  それから、その次の今津塩津でございますが、これは現在私鉄の江若鉄道の北の終点でございます近江今津から塩津に出る線でございまして、今津付近から塩津を経まして琵琶湖の東岸の長浜あるいは米原付近を連絡するという、いわば地方開発的の意味を持つ線でございます。これが二十三キロございます。  それから四日市津付近と申しますのは、四日市から亀山を経由しまして津へ出ております参宮線短絡する格好になりまして、二十八キロございますが、そういう短絡効果のほかに、この沿線地帯もやはり大規模工場地帯造成が行なわれておりますので、そういう地帯に対する臨港鉄道的な役割を持つものと予想される路線でございます。  それからその次の、七番目の宇野付近高松と申しますのは二十一キロございまして、これは御承知のように昨年四月、鉄道建設審議会におきまして須磨−淡路−鳴門−徳島の海峡連絡鉄道予定線のほかに、宇野高松あるいは松山−尾道というふうなルートも考えられるので、そういうものを総合的にいろいろ調査する必要があるというふうな御建議がございましたが、その一つルートとしてすでに調査も開始いたしておりますので、あらためてここに別表予定線として追加いたしまして、正式に調査対象とする、こういうことで入った路線でございます。  それから八番目の伊予内子、これは二十八キロございますが、これは四国でございまして、予讃本線伊予市から内子に至る線でございます。これはもともとここに国道が通っておりまして、予讃本線ルートはこの内子経由であるべきものであったのが、当時いろんな理由から海岸回りになりまして、非常に地形その他から申しましても無理なルートになっておりますが、これができますればこれは短絡路線になるという筋合いのものでございます。二十八キロございます。  それから九番目の唐津−呼子−伊万里は五十六キロございまして、東松浦半島の何と申しますか、循環線というふうなことになりまして、沿線地帯比較人口稠密でございますし、水産資源あるいは鉱物資源開発に役立つということでございます。五十六キロございます。  以上でございます。
  15. 片岡文重

    片岡文重君 今の御説明にちょっと関連して伺いたいのですけれども、今の天埜さんの御質問は、大体経営係数がどうなるかという見通しについてのお尋ねであったと思うのです。大体伺っていると、新得から足寄に行く線については有難であろうということでありましたが、あとのことについては、経営に対する見通しについての御説明はなかったようですけれども、もし今後の見通しについて大体のお考えを持っておられるならば、この際伺っておきたいと思います。
  16. 岡本悟

    政府委員岡本悟君) 一応の数字は想定いたしまして、しかも、この自動車輸送の発達しておりまする今日でございますので、自動車輸送鉄道輸送との比較も一応いたしてみたのでございまして、敷設法別表予定に上っております路線のうちから調査線を選びます際に、鉄道輸送道路輸送との比較を行ないます選定基準としてとっております一応の基準を、この新線建設予定別表追加する場合にも当てはめてみまして、一応これは鉄道輸送の方が有利であろう、まだ、それだけの輸送量があるというふうなことは十分検討してみたような次第でございます。今、一々の路線営業係数につきましては——一応そういう検討はいたしまして、こまかい営業係数的なものまでは出しておりません。
  17. 片岡文重

    片岡文重君 これは今さら申し上げるまでもないと思うのですけれども、ここにあげられている路線は、いずれも今までに開発しようとしてされなかったところであり、しかも、そのされなかった大きな理由一つとしては、何といってもこの工事に非常な困難があったと思うのです。従って、この経営開始になってからの経営状態がどうであるかということが大きな問題になると同時に、投下される遊休資本の額も相当私は考えなければならぬのじゃないか。そういう点を考えると、まあ今度の国会建設線の利子を補給するということにはなりましたけれども、しかし、これもまだ大蔵省と運輸省との間では完全に意見の一致を見ておるとも聞いておりませんし、なお、二分の一か全額かについては交渉の余地があるように聞いております。従って、今後の楽観を許さないような状況下においてこういう難工事を一律に進めていくということになると、将来への負担ということも相当考えなければならぬ。それをまで押してこれをやっていかなければならぬのか。自動車線との経営比較もやってみたというお話ですが、経営係数までも具体的に当たってみないということになると、大よその勘で当たられたのか、それとも具体的に、具体的といっても、これからの見通しの上ですから、そう既存の資料があるわけではありませんから、少なくとも人口産物等についても相当資料を持って計算をされたものと思うのですけれども、一つ一つ路線についてまでは御説明を要求しませんけれども、大体においてどのような方法でこの将来への経営見通し並びに投下資本等についての計算をされたのか、その点を一つ伺っておきたいと思います。
  18. 岡本悟

    政府委員岡本悟君) この新線予定表追加する場合には、もちろん、現実調査線として選定いたしまして、それをさらに着工すべきかどうかという場合の調査比較しまして、割合ラフな調査になっておるのが実情でございます。まあ、しかし、先ほども申し上げましたように、一応の推定の輸送量は、国有鉄道の方で調べました数字がございますので、その数字をとりまして、先ほど申し上げましたように、自動車輸送との関係もいろいろ考えまして、鉄道輸送を一応有利とするという判定を下しまして選び出したような次第でございます。
  19. 片岡文重

    片岡文重君 たまたま私が千葉県選出でありますから、どうも地元に水を引くように思われても大へん心外ですけれども、第一にあげられておる品川付近から千葉木更津付近への八十キロの路線、これは東京湾岸開発促進のためにぜひ必要であろうと考えられます。で、すでに東京湾岸開発は、御承知のように、急テンポに進みつつあるし、大企業の誘致も急速に行なわれつつあります。従って、この路線新設北拍手というものは相当早まるのではないかと思うのですが、ここにたとえばこの品川付近から木更津付近への線を一つあげてお尋ねするのですけれども、これは大体いつごろに着手をされるのか、まず第一にこの木更津付近までの見通しをお伺いし、それから以降、九線までのこの案について大よその着工目安、こういうものがおありになるのかどうか。今までの敷設法改正と同じようにただ載せるだけであって、今すぐにいつ着工するかどうかということについては、今のところ具体的な目安は持っておられないのか、その点いかがですか。
  20. 岡本悟

    政府委員岡本悟君) 先ほど天埜委員の御質問にお答えいたしましたように、今度追加に相なる予定路線が九線ございますが、これが現実着工になるのは大体どういうことになるのかというお尋ねでございまして、現在の着工中の路線合計三十七線ございまして、それを全部やってしまうのにはまず十五年はかかるだろう、こういうお話を申し上げたのでございますが、しかし、それはそれといたしまして、一応機械的な計算でそうなるのでございまして、現実の問題として考えてみますと、先ほど御報告申し上げましたように、昭和二十八年の改正で十三号を追加になっております。で、その十三号の大体その後の状況を見てみますと、大部分のものが確かに調査線として選定され、また着工線として現実着工されつつあるものもあるのでございまして、そういうことから申し上げますと、この追加九線のうちにおきましても、非常にウェートがあらゆる点から見て高いということに相なりますと、早急に調査線にあがり、また着工線に選定されるということもあり得ると思うのでございます。そういうことでございまして、まあ言うなれば、古くからあるたくさんの予定路線よりか、最近選び出されたものが、時間的な配列による順序のみでなくて、いろんな情勢変化によるウエートの変化という点から見ると、必ずしも新入生があと回しということにもならないのでございまして、むしろこの鉄道のごときは、早急に着手する必要があるというふうに、私個人としては判断いたしております。現に、御指摘のように、京葉工業地帯としてその鉄道建設の急務が叫ばれておりまして、運輸省あるいは国鉄あたりにも問題の持ちかけがあるわけでございますので、その点は十分承知いたしておりますので、相なるべくなら、また早急に鉄道建設審議会を開いていただきまして、この追加路線のうちから、そういう客観情勢に照らしてみて、早急に着手すべきものがあるかどうか、また御意見も拝聴したいと、かように考えております。
  21. 片岡文重

    片岡文重君 新たに追加される路線については、特に今日あげられておる線については、相当の慎重な検討の結果、多額の工事費を要しても、困難な路線であっても、なおかつ着手しなければならないということで、ここに改正案を御提出になったと思うのですが、従来の、つまり現行別表の中でほとんどその着工見通しもなし、また着工することが、はたして今日の科学と今後の経済開発の上からいって、レールによらなければいけないかどうか、再検討余地のあるものも、今日の現行別表の中には私は相当あると思うのですが、これらについて取捨選択をやり直すと、別表全体について再検討を加える、そういう御意思はお持ち合わせにならないかどうか。
  22. 木暮武太夫

    国務大臣木暮武太夫君) お答えを申し上げますが、まことにごもっともな御意見でございまして、大正十一年に鉄道敷設法ができまして別表ができた。そのときに予定線を選びましたのと、最近の予定線を選びます状態というものは、時代の推移によって変わっておりますわけでございまして、おそらく、私の想像では、大正十一年のときの予定線の中には、いわゆる富国強兵というような言葉をもって表わしていいかどうか知りませんが、軍事的の目的のあるいは線もあったのではないかというふうにも考えられておるわけございます。御承知のような日本全体が今日のように変貌をいたして参りましたので、そこで新しい見地から日本の鉄道網を完成する。また、地方の産業を開発し、国の資源を開発するという見地から、今回も九線を予定線追加をいたしましたし、この前は昭和二十八年に追加をいたしました。従いまして、今局長からお話し申し上げましたように、これは同じ条件で選ばれたものならば、大正十一年に選ばれたものから先に手をつけていくのが普通でございましょうけれども、今申し上げましたように事情が違いますものですから、あとから選ばれて別表になりましたものの方は、あとの雁が先になるというようなわけで、これらを調査線にし、あるいは着工線にするというふうに、実際は進んでおるようなわけでございます。こういうことを考えてみると、まあいつまでもそのままたな上げになっておると申しますか、下積みになっておる線もあるであろう、別表というものを一度検討してみてやり直してはどうだという御意見の出ることはしごくごもっともな点であると思いますけれども、これ実際問題といたしますると、大正十一年以来地方の人たちが、ここまで将来は鉄道線路が敷けて汽笛の声を聞けるのだといって、何十年まあ大いに待望をいたしておるわけでございますので、もうお前の方はだめだからといって、これを合理的に捨ててしまうというようなことは、どうも民心の安定とかいうことを考えてみると、政治的になかなかこれはやりにくいことがございますので、これはどなたがこの局に当たってもなかなかむずかしいことだろうと思います。  まあ古い家には今役に立たない品物がやはりたなの上に、倉にしまってあるとか、骨董があるとかいうようなものでございまして、まあ必要なものをあとから追加して、だんだん調査して、今の時勢に着工していくことの要請の強いものをやっていくことで、昔のものをここで改めて切り捨ててしまうということもいかがなもんかと考えまするので、今日のように、私ばかりではありません。従来の運輸省の考え方がそういっているんだと思います。まことになまぬるい筋の通らぬ話じゃないかとおっしゃれば、まことにそういうものでございますが、まあ政治は大体その程度のもんじゃないかと思っております。
  23. 小酒井義男

    小酒井義男君 関連。今大臣は、やはりその地方の人が長い間夢を持っておるんだから、それを取り消してしまうというようなことも、政治としてはどうもというまあ御意見のようですが、どうなんでしょう。実際そういうふうにして、いつまでも夢を残しておいていくことの方が親切なのか、もう現在のように道路網もいろいろ変わってきておりますし、経済情勢、社会情勢、いろいろ変わってきておるので、ここは鉄道はもう将来敷く予定が全然ないというところなら、鉄道を敷かなくてもほかの交通方法を考えるというようなことをやって、整理をしていくことの方が、むしろ私はその地方の人にとって親切じゃないかと思うのですが、どうなんでございましょう。
  24. 木暮武太夫

    国務大臣木暮武太夫君) まことにごもっともでございまして、傾聴に値する御意見でございますが、たとえば実例を申し上げますると、大正十一、二、三年ごろに、あるAという線がある。それで、この線よりは、今の時代から見て、その近くのBという線がいいというようなことは、衆目の見るところ、十指の指さすところであるので、たとえば鉄道建設審議会で新たにAのほかにBという線をかりに設けるというようなことがあるといたしますと、すぐ反応がきまして、その地方のお方々ばかりでなく、Aの方の選挙区の、これは野党も与党の方も御一緒でございまして、おれの方が古いのに新しいのができたって、両方を調査するならいいが、軽卒なことをやるようなら、こちらの方が先へきまっているのだからというようなことを、すぐまあ運動においでになるというのが実情でございます。これは与党とか野党とかいう区別はございません。そういうものでございますので、これはなかなか、そのただいまあなた様のおっしゃることは、全く青写真を作るような場合ならその通りなんでございますけれども、とにかく、大正十一年というずいぶん古い話で、何十年前かの間、その地方の人が夢を見て、また、そこに選挙区を持っておらるる野党、与党の先生方が、こういうものをあたためておらるるような場所でございますものですから、なかなか理屈通りにはいかないというのが実は実情でございます。しかし、おそらく、いずれはもう客観的情勢が、あなたの今おっしゃったような御議論の方が勝を制するときがくると私は思いますので、そういう客観的情勢と相待って、その潮時に乗りませんければ、なかなかこの別表を全部洗い立てるということは、実際問題としてむずかしいのじゃないかというふうに考えますが、御趣旨はまことに御同感でございますので、そういう時期の一日も早く来たらんことを私は期待をいたしております次第でございます。
  25. 片岡文重

    片岡文重君 まあ大臣のその御説明、お考え方も一理あると思います。よくわからないわけではございませんし、事実選挙区からの執拗な運動もあるでありましょう。そこで思い出されるのは、やっぱり建設審議会の構成ということについて、この際運輸省としてはお考えになるべきではないか。特に機会あるごとに私が指摘申し上げているのは、これまた大臣、お前の言うことはもっともだときっとおっしゃるだろうと思うのですけれども、今、日本の交通網、特に陸上交通について総合的に画策をし、総合的に工事を進めていくという機関がないのではないか。で、たとえば首都圏整備、その他都市交通とか、そういう中心にした一つの地域を限った対策については、かなり熱心に進められておるのでありますし、また地域についても、たとえば中央自動車道路のごとく、特定なものについての熱心な研究、施策は進められておりますが、国全体の交通経済の面から、これをどうすべきかということについての総合的な画策というものは、まだまだ私は不十分じゃなかろうか。当然この鉄道敷設にあたっても、もはや幹線がほとんど完備されておりますから、そういう総合的な見地から見れば、多分に価値が少ないという見方もあろうかと思いますけれども、しかし自動車道、自動車というものの発達、それからさらに航空機、ヘリコプター等の開発、発達等を考えてみますると、多分に交通全般について考慮すべき必要があると考えます。そのためには、鉄道鉄道だけ、陸上は陸上だけ、空は空だけ、海は海だけということでなしに、もっと総合的な立場に立って、しかも総合的に企画をし、推進し得るような組織がなければならない。そのためには、運輸省建設審議会を置くのではなくて、少なくとも、選出されてくるような国会議員等ではなしに、もっと公平に物事を判断し、科学的に取捨選択をし、決定をしていけるような構成にして、そして内閣の直属にするなり、あるいは独立の機関を別に設けるなりして、根本的にもっと考え直すべきではないか。交通全体として、ひとり運輸省ばかりの問題ではなくなっている。どうも歴代の内閣が、こういう総合的な交通政策についての熱の入れ方が少し不十分ではないかと私は思うのであります。この際、池田内閣は、せっかくの機会をとらえて、この敷設法の一部改正というごときなまぬるいことではなしに、これもやらざるを得ないことですから、これはこれでけっこうですけれども、さらにもう一段高いところの視野に立って、そういう総合的な点から、交通全般にわたって運輸省が判断をされ、そして鉄道建設審議会の構成等についても十分お考えになってみたらどうか。特にその構成について、私は衆参両院から選ばれておる議員等について、その先生方一人々々について私はとやかく申し上げるのではない。りっぱな方々と存じます。ですから、その方々がどうこうということではないのですけれども、機構全体から言って、やはりどうしても曲げられる可能性が強いのではないか。特に我田引水になるようで恐縮ですけれども、以前は国鉄に経験のある方、あるいは少なくとも相当な学識を持っておられる方々が多数建設審議会には入っておられた。ところが国鉄出身ではいかぬ、国鉄一家になっていかぬということで、数年前から、国鉄に関係のあった者は、全部除外されておるわけです、衆参両院から選ばれても。そしてそれぞれの党のいわゆる有力者とか実力者という者が選出されておる。これがかえって運輸省や国鉄に圧力が加わるようになって、選挙区オンリーとまではいかぬでしょうけれども、多分に、大臣の言葉をもってすれば、選挙区をあたためておる人々の方が、結果から見て、その決定をされる御意思はそういうことではないでしょうけれども、結果から見て、多分にそういうにおいのする場合がなしとしない。こういうやり方では、世の疑惑も深めますし、総合的な見地から見て、はたして妥当であるかどうかも考えさせられます。で、せっかく参画をされておられる各委員諸公においても、痛くもない腹を探られる不愉快さもあるでしょう。私はこの際、衆参両院から選ぶなどということはやめて、もっと公平に決定をし得る立場にある、そして学識経験のある、権威のある方々をもって構成をし、そして、要すれば運輸大臣だけの監督下だけでなしに、さらに一段高いところから総合的に行動し得るような機関にすべきであると、こう思うのですけれども、大臣の御所見を伺いたい。
  26. 木暮武太夫

    国務大臣木暮武太夫君) 非常にいいお考えでございますので、私どももいろいろ今後検討を加えたいと思う次第でございますが、現在ありまする鉄道建設審議会は、御承知の通り、鉄道というものが陸上輸送のいわゆる大宗でございますので、これによって日本の交通網を完成いたし、地方の産業を成長発展させ、地下に眠っている資源を、鉄道を敷くことによって開発して、国民経済のため利用させようという趣旨をもちましていろいろ御検討を願っておるのでございます。現在の建設審議会におきましても、国鉄に御関係の方が必ずしもないわけではございませんで、国有鉄道の総裁の十河さんも委員に出ておられますし、それから御存じの技術者の方の平山さんなどもここに出ておる。それから学者の方も出ておりますし、それから運輸業のお方も、それから金融業のお方も出ております。私は初めて鉄道建設審議会の会議に出席をいたしたのでございますけれども、ずいぶん、この会議は非公開でございますけれども、いろいろ議論は十分にお尽くしになりまして、今もお話しになりました新しい交通機関である自動車も、こういう場所はかえたらいいだろうとか、いろいろなお話などもよく出まして、十分議論を尽くして、最後には一致した意見建議なり答申などをなさっているという実情を拝見しておるわけでございまして、また国会の方面から与党、野党のお方が出ておられますけれども、これは現在の憲法の建前から申しまして、いわゆる国民が主人公であるという、昔の憲法と違います建前から見て、やはり国の基礎である国民の代表もこういう会の中に加えて、十分国民の考え方を反映させるということも、また必要のようにも思うわけでございます。  ただいまの新しい交通機関との振り合いというようなことも、いろいろ議論がありまして、また、国鉄におきましても、この御建議というものが、各般の事情を勘案して、鉄道であることが有利であるというものを御建議になる仕組みになっておりますものですから、東北の自棚線という線路などは、これはよく委員の方々の御了解を得まして、また、地方の方々にも、これは鉄道よりは道路を完全にして国鉄バスを運行する方が地方のために便利だという御理解と御協力を得まして、現在はバスを運行いたしております。これが過去鉄道でありましたときに比べて赤字を二十分の一減らしているという実績を上げておるものもございますようなわけでございます。現在の鉄道建設審議会も、まことにその妙用を果たしておることを示しておるものと思うのでございますが、今お話しのように、もっと大所高所から立って総合的な交通網を一つ研究してみる内閣直属というような委員会を作ったらどうだということも、一つのアイデアとして非常に貴重なことでございます。今後大いに検討をいたしてみたい、こう考える次第でございます。
  27. 片岡文重

    片岡文重君 おっしゃられるように、衆参両院議員以外に国鉄総裁、その他職責上参加しなければならない委員のおられることも承知いたしておりまするし、その他学識経験者、財界人等から委員を選ばれておることも承知いたしております。しかし、そういう組織にはなっておりますけれども、先ほど大臣自身すでにおっしゃったように、衆参から選ばれておる議員は、私自身そうでもありますが、選挙区から持ち込まれた案件というものをむげに拒否するということはなかなか困難です。どうしても頭の中に強く記憶をさせておかざるを得ない。知らず知らずのうちに、不公平になってはいけないと考えながらも、どうしても深く頭の中に入っております。こういう行き方はいけないということは、十分本人が承知をしているけれども、まあ私などは気が弱いせいか知りませんけれども、そうならざるを得ない。幸いにして千葉県にはそういう問題が起こりませんから、なまいきなことが言えるのかもしれませんが、やはりこれは人間の弱点でありますから。しかもこれが一地方だけで問題が片づく、一地方だけのことで処理できるということならば、あえて声を大きくする必要もないと思うのです。しかし国鉄の新線建設というがごときは、特にこれから建設をされる路線は、工事も非常な難工でありまするし、経営も決して有望なものがあるとは言えない。本日ここに改正案として出されておりまする路線でも、おそらくや経営系数を見る場合には、赤字になる方がほとんどじゃないかと思う。しかも、なおこれを建設をしていかなければならない。このことごとくが国家的要請に基づいておるのか、もちろん、私は、そういう高い見地からこれはきめられたものと思うのです。たとえば、幹線と幹線の間をつなぐ短絡線であるとか、いろいろな経済開発の意義を持った高い視野からきめられたものでここに出されたのであろうと思います。しかし、いつもいつもすべてがそうだとは言い切れない。早い話、ここの例に引き合うかどうか知りませんけれども、いわゆる政治路線とか政治駅というものが巷間必ずしもないわけじゃない。おそらく大臣もお聞きになっておられると思うのです。こういう事態を避けるためにも、私は、そういうことに弱い人たちはなるべく避けて、公正に、しかも高いところから決定をしていける立場にある人たちをもって構成すべきものである。少なくとも、建設審議会のごときはもっと権威あらしめなければいけない。これが一点。  それからもう一つは、もっと高い視野から総合的に、国全体の交通として海陸空を総合的にまとめた上に立っての交通政策を検討する機関たらしめなければいかぬ。こういう点についての一つ検討をいただきたい。これはきょう初めて私が申し上げているわけではないのであって、すでに数年来、おそらく私が議席をいただいてから初めての本会議の質問にもこのことは申し上げておるのです。自来、歴代内閣のとってこられた交通政策を拝見いたしておりますと、局部的には考えておられる、あるいは一つの問題についての御検討はなっておられるようですけれども、こういう総合的な交通政策というものについては、遺憾ながら熱意が乏しいのではないか。この際一つ木暮運輸大臣は、せっかくの機会をお持ちになったのですから、そういう高い視野に立って御検討いただき、後世に残るような一つ組織を確立していただきたい、こういうことを要望するわけです。御所見を一つ承っておきたいのです。
  28. 木暮武太夫

    国務大臣木暮武太夫君) まことにりっぱな御意見でございまして、つつしんで拝聴して今後の参考にいたしたいと存ずる次第であります。   —————————————
  29. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) この際、委員変更について御報告いたします。  本日、最上英子君、二見甚郷君及び江田三郎君が辞任され、野上進君、江藤智君及び大和与一君が選任されました。   —————————————
  30. 大和与一

    大和与一君 この新しくできる線は、蒸気か電気かということを聞きたいのです。これは費用の点からいうと電気の方が安いわけでしょうが、将来はどういう計画でおられるのですか、実際できたときの形ですね。全国的に非常に電化が促進されて、でき得れば全部電化にしたい、こういう欲望も持っておられるわけですが、この建設相当に先にできるわけでしょうが、そのときの状態は、やはり蒸気ということが普通なのか。もうほとんど電気で出発をすることになるのか、その辺の企画ですね。
  31. 岡本悟

    政府委員岡本悟君) 今、御承知のように、全国的に主要幹線につきましては電化が進んでおりますし、そうでない支線におきましてはディーゼル化がどんどん進んでおるわけでありまして、これからできます新線はほとんどローカル線でございますので、従って、動力機関としてはディーゼル・エンジンを使うものというふうに常識的には判断せられると思います。
  32. 大和与一

    大和与一君 それからあわせて、今、大臣からお話しがありましたが、例の白棚線ですね。あのように地元民も希望するし、また実際に、自動車の方がいいという、客観的条件が変更しますから、そういう場合は自動車で出発をすることもあるだろう、こういうことは言えるわけですか。
  33. 岡本悟

    政府委員岡本悟君) 現在すでに着工いたしておりまして、部分的に路盤の完了しておるものにつきましても、国有鉄道といたしましては、それを専用自動車道といたしまして、その上を国鉄バスあるいはトラックをもって鉄道のかわりに営業したい、こういう希望を持っておる支線があるのでございまして、これもいずれ鉄道建設審議会の小委員会で取り上げていただきまして、御了解を得ますれば、そういうことに相なるかと存じております。ただ一般的な問題として、別表予定されておるものは、のっけからこれは鉄道建設しないで、これは自動車によるのだということになりますと、これは扱い方と申しますか、やり方については相当考えなければならぬと思うのです。つまり、一応鉄道新線建設すべきものとして着工しておりながら、途中から自動車にかえるということではなくて、すでに調査線に選び出す場合に、鉄道建設の方を有利とするものを選ぶということでないと、途中でそういうことが起こると大へんまずいことになるわけでございまして、地方関係住民は、これは当然鉄道として建設されておるのであるから、途中から自動車にかわるなんということは、とうてい想像もしていないところに持ってきて、かりにそういうことになりますと、非常な摩擦が起こるわけでございまして、そういうことを防ぐといたしますと、やはり、はなから鉄道建設すべきものは建設するということで、ある程度の厳密な選定基準に照らしまして、自動車によるべきものはもう当初から自動車輸送にまかせる、こういう方針を打ち立てていきませんと、いろいろな摩擦が出てくるというふうに考えます。  そこで、昨年来、調査線の選定に当たられました鉄道建設審議会の小委員会におきましては、自動車輸送鉄道輸送との比較の材料になる選定基準というものをいろいろ御研究になりまして、一応の結論を得ておるわけでございます。それは概略申し上げますと、一日一キロあたり旅客人員で五千五百人程度でございます。その程度ございましたら、自動車輸送よりか鉄道輸送の方が有利であり、あるいは一日一キロあたり、貨物のみで申しますと六百六十トンぐらいでありますというと、これはやはり鉄道輸送の方が経済的であり有利であるという一つ基準を出しまして、その両方の基準を線を引っぱりまして、それ以上になるものは鉄道輸送の方が有利だし、それ以下になるものは自動車輸送の方が合理的だということで、いろいろ選定いたしておりますが、今までの場合は、何しろ昭和二十七年ごろ着工すべきものとせられたものが、ようやくそのまた一部分がごく最近になってでき上がってきたというふうなこともございまして、その間にすでに十年近くにも相なるのでございまして、とすれば、相当情勢変化もございまして、一たん建設してから、また途中から鉄道輸送自動車輸送に切りかえるということが出てきたわけでございます。今になって考えますと、当然初めから、先ほど申し上げましたように、鉄道輸送を不利とするものは頭からこれを作らないというふうにはっきりいたすべき筋合いのものと考えております。
  34. 大和与一

    大和与一君 それが頭が古いと思うのですよ。たとえば国鉄の合理化にしても、今局長がおっしゃったような内容を相当思い切って手直しをしていわゆる近代化する。そこに十河総裁の株が上がってくる。もしも旧態依然として旧套を墨守することになると、だれが総裁になってもちっともかまわぬと思うのですよ。そこに新しさがある。鉄道審議会であるから、鉄道という名前があるから鉄道でなくちゃいかぬ、こういうのが古い考えであって、片岡委員が言ったことと関連するけれども、大臣あるいは鉄道建設審議会も、将来やはりヘリコプターもあるだろうし、船もあるだろうし、モノレールもある。やはりそれぞれの地域、地区において新しい情勢が生まれるわけですから、需要供給の原則があるのですから、そういうことを頭に置きながら、それを前提にして、今結論を出せというのじゃないのですよ。早くても調査線が十年より早いことはないのですから、十年、二十年先のことを考えた場合に、当然そういうことも考えられるという鉄道建設審議会の内容でなければ、科学的でないし、近代的でない、これはやはりだめじゃないか、こういう点を私はお聞きしたいのですが、その点大臣はどうお考えになりますか。
  35. 木暮武太夫

    国務大臣木暮武太夫君) お答えを申し上げますが、先ほども御説明申し上げました通りに、鉄道建設審議会の方は、皆さん御存じの通りに、政治家あり、あるいは金融業者あり、学者あり、あるいは鉄道の技術者というようなお方々から、財界の知識経験のある方も入っておりますので、そういういろいろの意見が出ることが多いのでございまして、そういうものをまとめるために、鉄道建設審議会の中に小委員会というようなものができて、御研究になって、そうして建議なり答申なりというようなものを御提出になっておるわけでございます。御趣旨はまことに、すべての交通機関、ことに新しく発達して参りました交通機関をよく見落とさずにやるようにというお話でございますので、ごもっともなことだと思います。運用の上におきまして、そういういろいろの新しい交通機関を十分に認めながら、御検討をいただくようにお願いもまたいたし、また鉄道建設審議会でもそういうことを常にお考え下すっておるように私どもは信じておりますわけでございますが、御意志のあるところは十分に理解をいたしまして、鉄道建設審議会の方々にもお手伝いをいたしたいと、こう考える次第でございます。
  36. 大和与一

    大和与一君 今度はちょっと違う話で、今出された提案ですが、「岡山県宇野附近ヨリ」というふうに書いてありますね。この「附近」ということは、特にこういう表現はどういうわけでしたのですか。
  37. 岡本悟

    政府委員岡本悟君) 実はこの鉄道敷設法という法律を見ていただきましても、どこからどこまでに至る鉄道といった場合に、行政区画上の名称をとっておるものもございますし、あるいは駅名をとっておるものもございまして、まちまちでございます。宇野と申しますのは、これは現在行政区画上はございません。ですから宇野駅ということになるわけでございますが、そういたしますと、宇野駅からいきなり海上へ出まして直島を経由して高松に至るというルートをとることはきわめて困難だという技術的な良心から、これは「附近」と入れないと、あまりに厳格に駅そのものといたしますと、技術的にきわめて困難であるということから、「附近」という弾力性を与えるような表現にいたしたのでございます。
  38. 大和与一

    大和与一君 これは四国に行く連絡の道を大体三つ考えられておるようですね。神戸の市長も夢中になっておるし、明石の市長もそうだし、だからそうなると、今須磨、明石から前に出ておるわけですね。須磨−鳴門、これが出ておるのに、また今ここに新しくやる、また今度もう一つ出たらまたやる、こういう下手なことをやらぬで、なぜ一体総合的にできないかというのです。出たとこ勝負でやるのでなくて、ほかの問題なら別に、本州と四国の連絡ですから、総合的にどこか一番いい所に集約するという結論を出せばいいのですが、こうやって出たから一つやる、二つやるというのでは、どうもやり方がまずくないかと思うのですが、その点はどういういきさつですか。
  39. 岡本悟

    政府委員岡本悟君) 仰せの通りでございまして、たとえば本年の五月十二日に鉄道建設審議会の会長から…。
  40. 大和与一

    大和与一君 要点だけでいいです。あまりこまかいことは要りません。
  41. 岡本悟

    政府委員岡本悟君) 去年でございましたか、鉄道建設審議会の方から建議がございまして、四国と本土を結ぶルートにつきましてはいろいろある。たとえば今御指摘のような淡路−鳴門というようなルートもあるし、あるいは宇野高松、こういうようなルートもあるし、あるいは宇野高松間を結ぶにいたしましても二種類ぐらいございます。あるいは松山付近と尾道付近を結ぶ、こういうルートもございますし、そういうわけでいろいろあるんだが、それは総合的に国家的な見地から、どういうルートが一番経済的であり、合理的であるかを調査すべきだということを建議されておるのであります。そこで、すでに宇野高松ルートにつきましても、何がしかの調査費を計上いたしまして調査いたしております。もちろん、本格的には須磨−淡路−鳴門のルートが一番調査が進んでおりますが、それにいたしましても、そういうことの建議でございますので、正式にやはりこれも別表予定線という路線の中に入れまして、正式に調査対象として取り上げたい、こういう意味合いにおいて追加いたしたのでございます。そこで、例の青函トンネルにつきましても同じ趣旨で予定線にすでに追加されております。
  42. 大和与一

    大和与一君 だから、そういうのを建設審議会が受けて立つだけでなくて、そこに、やっぱり国家的な調整機関であるのだから、そういう話が出れば、積極的にこれを一体どうするのだと、こういうやっぱり親切というか、漸進的な意見の開陳がなされて、そうして、その名前は何でもいいんだから、たとえば須磨−鳴門でいいんですから、これを合わせてあっちこっち見るんだ、こういうように一体できないか。こういうようにばらばらにするということは、さっき大臣も言ったように、これまたもろもろの家庭事情がある、そんなことになるんだ、これじゃ、やはり鉄道建設審議会も公正な機関でなくなるのですよ。またこれ出てきますよ、そんなにしたら。一応名前だけ出しておいて、調査線に入れておきさえすれば、おれは一回だけ当選できる、極端な例ですが……。そういうことじゃ困るので、やはり鉄道建設審議会へのそこに不安感というか、不信感というか、国民からも僕らからもあるんだから、その点大臣にさらに説明していただいて、やはりこういう大きな問題は早く、すみやかに総合的な見地に立った調査機関、場所というものがなくちゃならない。おれのところはないから、しょうがないからまかせておくんだ、これでは運輸大臣としては、少し職責を怠慢と言っちゃ、大先非に対して申しわけないけれども、そういう点の新しい企画をお持ちになって、永久に大臣をおやりになるわけでもないでしょうから、ちゃんと作って、そうしてやっていただけたらありがたいというのが片岡委員意見でもあったと思うのですよ。
  43. 岡本悟

    政府委員岡本悟君) もちろん鉄道建設審議会委員の方々は、非常にわが国でもトップ・レベルの方々のお集まりでございますので、そういう判断は当然下されたものと思います。その前提として中国と本土を結ぶということは、四国の総合開発からいって一つの大きな命題である。それについては、これこれこれこれのルートが大体想定されますと、で、これを一応別表予定線というものに追加していって、それを今度は正式に調査対象として、その調査の結果を総合的に勘案してみて、一番合理的なところから着工しなければならぬような情勢が出て参りました場合に着工する、こういうことに相なろうかと存じております。で、衆議院の運輸委員会におきましても、こういった雄大なルートはすべからく積極的に取り上げて運輸省は大いにやるべきだと、むしろ激励的なお話もございましたが、場合によりましては、わが国の経済力が非常に発展して参りまして、経済規模が拡大されました場合には、四国対本土というルートを考えます場合に、一つだけでは足りないという事態が起こってくる、かようにも考えますが、目下のところは調査の段階でございますので、その調査のごく事務的手続の段階といたしまして、別表予定線にこれを一つ追加した、こういうことにすぎないというように御解釈いただければ、何ら政治的に配慮をしていない、あるいは総合的な大局的な見地を全然閑却しているという御非難は出ないのではないかと考えております。
  44. 大和与一

    大和与一君 それは局長の純粋な意味の意見であって、建設審議会は政治量の集まりでもありますから、そういうことを配慮した上で、そういうふうにしたのでしょう。それはいいや。関連して、青函トンネルの現状と、ほんとうに着工する時期はいつごろか、簡単でいいです。
  45. 岡本悟

    政府委員岡本悟君) 御承知のように技術的な調査相当進んでおります。ただ、これをいつ着工するかということになりますと、これは私常々考えておりますのは、運輸省独自の見解で、その着工すべき時期を判断していいのかどうか、私は非常に実は疑問に思っております。たとえば、かりにこれが八百億の投資になる、あるいは一千億の投資になるという場合を想定してみまして、北海道の総合開発というものがそれだけの投資を必要とする、鉄道による輸送ルートを必要とする段階に立ち至ったときに、やはり着工の時期を考えてみる必要があるのじゃないか。そういう北海道の経済規模の拡大がそういうことを何年先に必要とするであろうか。もちろん工事に要する期間も考慮に入れましてですね。そういうことの判断は、やはり国全体、政府全体が総合的に知恵を持ち寄りましてなすべさものというふうに考えまして、ある程度調査が進みますと、そのことを運輸省としては必然内閣に持ち出しまして、内閣全体の何か権威ある研究機関で、その着工すべき時期の判断をしてもらうべきが至当じゃないかというふうに考えております。
  46. 大和与一

    大和与一君 そうすると、そのことはトンネルが通ったら絶対に損はしないと、これが一体絶対の前提になるのか。だけれども、当面の予算のいろいろな分け前がもらえないから、その着工の時期はいつかわからぬと、また運輸省の立場として簡単に言えない、こういう意味でいいのですか。
  47. 岡本悟

    政府委員岡本悟君) つまり私がそうお答え申し上げましたのは、こういう巨額の投資を必要とする、いわば道路とか港湾とか、そういう公共投資に匹敵すべき専業というものは、これは国有鉄道のみにやらせるということは、その力だけをたよりにしてやらせるということはどうかと思うのでございますが、つまり、それだけの事業に相なりますというと、とうてい採算には乗らない事業じゃないか。とすれば、その必要なる投資の所要資金というものをどこから持ってくるかということを考えますというと、やはり公共投資と同じような性格のものになりはすまいか。そこでその建設を実際に必要といたします場合には、現在の国有鉄道でやっております新線建設等とは違った、別の仕組みを考えないといけないのじゃないかということを頭に入れまして、お答えいたしましたような次第でございます。
  48. 大和与一

    大和与一君 もう一つ違った質問ですが、この前ダンプカーのことで交通対策本部長の藤枝総務長官に来ていただいたのですが、そのダンプカーなんかも、やることは悪くはないのですが、それじゃ総合的にほんとうの交通対策やっておるかといったら、まあほとんど何もやってないのですね。これはまた片岡委員質問にも関連するのだけれども、私はやはりそれを運輸大臣として、まあ運輸だけじゃないですけれども、その他総合的にやらなければならぬけれども、そいつをやってもらわなくっちゃだめだと思うのです。ちょうど幸いに、今この資料が大阪交通局からここにきましたね。印刷がりっぱですから中身もいいと思っているのですが、私ちょっと見たら、交通量の問題がある。あるいは何年たったらこのつじは限界がくるとか、こういう問題がある。これと同じようなものが、東京なら東京周辺のこういうまとまった資料はあるのかないのか、それを聞きます。御存じですか。総合的な交通調整の前提になる正確な科学的資料、やかましく言えばそんなところだな。
  49. 岡本悟

    政府委員岡本悟君) 一応東京都を中心とします、いわゆる首都圏の解決すべき諸問題につきましては、御承知のように建設省の機関といたしまして首都圏整備委員会というのがございます。委員長は御承知のように建設大臣でございますが、それが一応この交通問題につきましても総合的に対策を考えておりますし、また、その対策の実施を関係各省庁等に要請いたしまして、着々実行に移しておるのでございますが、自動車を中心とするものにつきましては、運輸省としても一応案を持っておりまして、すでに都市交通審議会という諮問機関を通じまして、昭和三十一年に、今後昭和五十年を目標とする都市交通のあり方はどうかという答申に基づく対策を立てまして、その実行を着々やっておりますのが現在の姿でございます。しかし、情勢は非常に急変して参っておりまして、その当事想定いたしました輸送数量と現在の実績とは相当隔たりがございますので、現在の新しい情勢、あるいは今後の新しい情勢に即応するように、その対策の是正と申しますか、改訂を目下都市交通審議会の審議を通じまして練っておるような次第でございます。
  50. 大和与一

    大和与一君 私が若いときに、前の満鉄総裁をした大村卓一という人がおるんですね。この人が朝鮮の鉄道局長になってきたときに、昭和十二年ごろでしたかね。二十年後の東京ということで、東京は今のままじゃだめだというので、非常に詳細なデータによって話を聞いたことがあるんですよ。それできょうまで何にもできていない。私はそういうものがあるんじゃないかと思うんだけれども、今の首都圏整備のことはわかったけれども、実際にあなたが知っておるか、そういうことを。あるいは全体的な運輸省の立場からして、もちろん協力は求めるんですけれども、とてもなまはんかなことじゃだめなんだから、それに対して大づかみな、東京都を中心にした全体の交通調整というもの、それもやっぱり、何かまぼろしか何か知らぬけれども、夢ぐらいなけりゃ手がつかぬと思うんですよ。そういうものがあるかしないかと聞いている。なかったらないでしょうがないから、今からそれを作ってもらわなきゃならぬけれども、それを作る努力をしているかどうか。首都圏整備委員会道路だけ一生懸命やっているので、それだけじゃ足りないんです。最後に大臣にそういうことをお聞きしてきょうはやめたいと思います。そういうことのいろんな資料なり、個人の意見はあると思う。そういうものを手元に相当資料としてお持ちになっておるかどうか、われわれに参考として見せてもらえるか、そういうことです。今までは聞いたことがない。幾ら聞いてもこれには返事されたことがない、残念ながらだれに聞いても。
  51. 岡本悟

    政府委員岡本悟君) 先ほど申し上げましたように、首都圏整備委員会では、相当の権威者が集まっておりますし、また、その諮問機関として首都圏整備審議会というものを持っておりまして、そういうところでこの首都圏の解決すべきいろんな問題の検討をしておるわけなんであります。これにつきましては、あらゆる学識経験者の持っておる知識、学識というものを動員し、また世界各国の都市交通その他の問題に対するいろんな資料を集めて研究いたしておるのでございます。運輸省といたしましても、都市交通につきましてはでき得る限りの資料を集め、また意見も聞いて対策を立てておるわけですが、それが現実の姿といたしましてはどういうふうに現われておるかと申しますと、まず都市交通の解決は、運輸省的な見地からいうと、地下高速鉄道を主体とするところの高速鉄道網を整備するということが主眼になっております。そこで、国電あるいは地下鉄あるいは私鉄といったようなものを中心とする高速鉄道綱をもっと大量に急速に整備するということが、都市交通の基本的な解決になるというふうな考え方から、その整備を進めておりますが、そう言うというと、大和先生は、そういうふうに交通事情にしょっちゅう追随していかなけりゃならぬような都市交通対策ではだめだ、あるいは、都市の膨張そのものをどうして押えるか、あるいは既存の都市に集中しているいろんな機関をどういうふうにして分散するかと、そういうことが総合的に樹立されていないというと、そういう都市交通政策というものは、いつまでたってもイタチごっこというふうな関係になるんだというふうな御指摘もあろうかと思いますけれども、現実の、われわれのきわめて現実的な解決策というものはそういうようなことでございます。
  52. 大和与一

    大和与一君 では最後に大臣に伺いますが、今私がお話ししましたように、内閣にある交通対策本部は、もうこれは中身はあってなきがごときものですよ。だから、これはやっぱり運輸大臣として活を入れてもらいたい。それから首都圏整備委員会の今のお話は、そのまま受け取りますが、あるいは運輸省内にも国鉄にも、非常にそういうことで研究をされていることは事実と思います。しかし、これは鉄道だけじゃなくて、トラックもあるし、たくさんのまあ自動車や、その他の問題あるわけですから、そういう点を何か運輸大臣がやはり中軸になって、そうして推進ができるような、形のあることはわかったのですけれども、何かその辺にぼやぼやしただけじゃなくて、それを総合して進めるということが、その責任の主体というか、所在が明確でないと思うんです。そういう点を十分一つ大臣が積極的に音頭を取っていただいて、一つまあ努力してもらいたいと思うんです。その辺の決意をお聞きして、きょうは時間がないそうですからやめます。
  53. 木暮武太夫

    国務大臣木暮武太夫君) ただいまお話の中にございました内閣にあります都市交通対策本部でございますか、これはまあ応急的なことを処理しようというので、関係各省の人たちが出て、もちろん、警察の方の人も出て、交通の方をやっておりますわけでございますが、ただいま局長から申し上げましたように、私どもとすると、都市の交通というものは、いわゆる地下を走る高速鉄道というものを、現在のような小範囲のものでなく、もっと大きくこれをしてそうしていきたいということを根幹として、まあ私どもは考えているわけでございますが、しかし、いやしくも交通のことにつきましては、路面といわず地下といわず、運輸省がその重大な責任を持っていることはもちろんでございますので、今御指摘のような御意見に従いまして、今後十分に研究して、一つ誤りのない大きな計画を立てる指導力になるように一つ研究してみたいと、こう考えている次第でございます。
  54. 重盛壽治

    ○重盛壽治君 関連して。これは今大和委員が言われたことで大体尽きるのですが、首都圏審議会は、僕も率直に言って、首都圏審議会の委員であるのですが、ここをえらい大きく期待しているようだけれども、やはり運輸大臣あるいは鉄監局長あたりが、今言われた東京の交通を、極端なことを言うと、どうするかという国全体の問題もあるが、東京の姿をどう打開するかということに、ほんとうに頭を突っ込んで考えている人が私は現状ではないのではないか、もっと露骨に言うと、責任を持ってやり得る人はいないのではないか、まあ形の上からは知事がそういう責任を持つべきであろうけれども、従来の長い慣行と、今までやってきた姿の中で、新しい、どういうたとえば知事が出ても、知事の能力、それから東京都の財源だけでは、それは処理できないところまで追い込まれてきている。従って、首都圏できめられることは、一つの構想、地図は書いているが、これは全く今の行き詰まった東京の交通網を打開するに足るようなものは、率直に言ってできておりません。地下鉄に重点を置くということは、首都圏の中でも言われているが、その地下鉄の一路線変更、あるいはそれらの担任、分担のような問題を首都圏の中で審議をし、その調整までやるようなことを首都圏の委員長である建設大臣に要望しておいても、このこと一つできないというのが実際の現状であります。従って、私は首都圏のあることもいいし、それから今の交通委員会か何か知りませんが、そういうものをいろいろな角度から、運輸大臣が研究をして、御期待に沿うようにしようということでなくて、やはり運輸大臣が、この東京の現状をつかんでいただいて、これはいかぬ、一体だれがやるか、中村建設大臣だけにまかせたのではいかぬ、やはり運輸大臣が中心になって、この問題を根本的に解決をつけてきめるというような私は考え方を持っていかなければ、この問題の解決にならぬのではないか。時間がないそうでありますから、私はいろいろ申し上げませんし、こういう問題については、運輸一般行政の問題のときにもう少しお願いしますが、もっと一つ、おざなりというとえらい失礼でありますが、いわゆる十分検討いたしまして御期待に沿うというようなことではなくて、かなりな決意をもってこれの解決に当たっていきたいという気持を私は持っていただきたい、それを一つお願いいたします。
  55. 木暮武太夫

    国務大臣木暮武太夫君) 先ほど大和委員からも、また、ただいまもいろいろお言葉のありました都市の交通の問題につきましては、私どもはこのままではいかぬということを痛感をいたしておるわけでございます。交通のことは運輸大臣の責任でございますので、私どもは今まで以上に一つ責任を感じて、今御指摘のような問題を十分検討して、何とか善処するような地位にあって仕事をやっていきたいと、こう考える次第でございます。
  56. 小酒井義男

    小酒井義男君 この法律の内容は新しく予定線を加えるということですから、これがすぐ建設着工するという意味ではないわけですから、先ほどから監督局長も答弁をされておったように、着工する場合はどうしても鉄道でなければならぬという条件のもとに工事を進めていくのだという答弁ですから、まあ大臣の非常に思いやりのある答弁とは少し内容的に違った、違ったといってもその趣旨が違うわけではないのですが、はっきりした方針が打ち出されておりますから、私はそれでいいと思うのです。いいと思うのですが、それで一、二点だけちょっとお尋ねをしてみたいと思いますが、一つは、この予定線になるたとえば飯田中津川を見ても、中央道がちょうど引けるとあの辺の飯田中津川付近が通過地点になるわけですが、そういう点を考えると、建設省の道路計画運輸省の国鉄の新線建設ですか、これと総合的に検討されておるということに、何か欠けておる点があるのではないかというような気がするのですが、そういう点はどうなんですか。
  57. 岡本悟

    政府委員岡本悟君) 仰せの点は確かにごもっともでございまして、最近鉄道建設審議会で、調査候補路線から調査路線を御選定に相なります場合には、その審議にあたりまして路線の一々につきまして、関係道路改良計画整備計画についての詳細な資料を御要求に相なっております。つまりそのことは、道路事情はどうであるか、つまり道路改良で十分鉄道輸送にかわるべく役割を果たし得るものもあるのではないかということでそういう資料を御要求に相なっておると存じますが、まあそういうことでもおわかりのように、最近の鉄道建設審議会相当道路の問題を重視しておるわけでございまして、当然御指摘の路線調査あるいは着工ということになりますというと、関係道路との問題は相当慎重に考えてみることになるというのは当然だと存じます。  特に御指摘のような相当規模道路計画でございますので、その計画に該当するような路線は、そういうものができますれば、あえてこれはまた並行的に鉄道を新しく作る必要がなくなってくるかとも考えられますが、この路線につきましては、実は飯田下呂線ということで、その途中の経過地の問題でございまして、その経過地につきまして、現在の三留野という予定線よりか中津川に至る線も考えるのだから、その比較をしてみよということで比較をしてみました結果、中津川に至るルート相当有望だということで、経済的だということで、結論を出しましたが、まあそれならば、一つこれも予定線に入れて、両者をあらためて正式に調査線として調査してみろと、こういうことになったわけでございまして、そういう意味合いからこれを入れたわけでございます。
  58. 小酒井義男

    小酒井義男君 まあこれは中央道がどういうふうになっているか、この経緯も見ませんと、今どうこう意見を言うこともできぬと思いますが、その点はやはり総合的に御検討になっていく必要があるのではないかということを申し上げておきます。  それから十六国会追加になりました十三号ですね、これはほとんど調査を終わっておるでしょうか。
  59. 岡本悟

    政府委員岡本悟君) 昭和二十八年に御指摘の十三号が鉄道敷設法第一条別表追加されたわけでございますが、これを一々申し上げますと、美深線と申しますのは、これはすでに着工線になっております。これは北海道でございますが、北海道から申し上げますと、二番目の深川付近−芦別と申しますのは、これは今度着工線に相なったわけでございます、三十六年度から。それから三番目の白糠−足寄と申しますのはすでに着工いたしております。四番目の岩内−黒松内、これは調査線になっております。それから五番目の三厩付近−福島付近、これは青函トンネルでございますが、これも調査線に相なっております。それから六番目の丸森−槻木付近というのは今回着工線に相なりました。七番目の長野原−嬬恋付近、これも着工線になっております。八番目の宮津−河守付近、九番目の総社−神辺付近、この二つは昭和三十四年に着工線になりましたが、着工にあたっては、自動車輸送との比較を十分研究してみてから、あらためて建設審議会意見を聞いてやるということになっておりまして、先般開かれました建設審議会にその結果を報告いたしましたところ、さらに自動車輸送との比較について調査を継続せよということに相なった路線でございます。十番目の須磨付近−鳴門付近は、これは海峡鉄道としてのルートでございます。現在調査をいたしております。それから十一番目の窪川付近−中村といいますのは、これは着工線となっております。十二番目の吉井−志佐付近、これはいわゆる北松線でございまして、今回着工線となったわけでございます。それから十三番目の漆生−油須原線、川崎線と申します。この線はもうすでは大部分完成いたしております。そういう状況でございます。
  60. 小酒井義男

    小酒井義男君 それから、この法律案と直接は関係はないのですが、この鉄道の新線建設をする場合ですね、幾つもの線を同時に着工をしていくという行き方ですね、これは港湾の場合でもそういうことが言えるのですが、重点的に一つの最も経済的な効果、あるいはその地方の重要度というようなことを勘案をしたところを選んで、完成をもう少し早めていくというような建設方法ですね。こういう方針はとっておられるのか。どうも私ども見ていると、あちらにもこちらにも予算がばらまかれて、いつまでたっても、列車が動き出さないうちに、レールがさびているようなことも——極端な言い方ですが、そういうことになっているんじゃないかというような懸念も持つのですが、そういう点は、どうなんでしょう。
  61. 岡本悟

    政府委員岡本悟君) その点は、仰せのように、鉄道建設審議会建議をいたされておりまして、なるべく重点的に経済速度を勘案してやれということの御趣旨でございます。たとえば昭和三十二年に建議になりました着工十一線の内容を見ましても、A−B区間予定線になっているが、そのうちA−C区間だけは、直ちに着工することを適当と認める、しかし、C−B区間は、着工の時期方法については、開発計画とか、予算の規模というふうなものを勘案して決定せよということになっておりまして、一つルートでもウエートが違うような建議の内容になっているわけです。  それで、最近の三十四年の建議にいたしましても、直ちに着工することを適当と認める、こういう線路もございますし、あるいは自動車輸送との比較検討をやって、それからさらに本審議会の議を経なければならぬというものもございます。まあ、そういうことで、大へん一々の路線着工についての建議につきましても、ニュアンスの相違がございます。つまり、重点的に、あるいはなるべく開発効果をすみやかにおさめるようにという趣旨から、そういうふうな御建議になったことと思いまして、われわれといたしましても、そういった趣旨を十分尊重しまして、やっているようなつもりでおります。たとえば本年度の予算配分をごらんいただきましても、根岸線あたりには、十五億という巨額な予算配分を思い切ってやったのも、そういう意味合いでございます。
  62. 大倉精一

    ○大倉精一君 最後に、大臣にちょっとお伺いしたいのですけれども、きょうの答弁の中にも、新線建設というような巨額の出資をするようなものについては、将来は別途に考慮する、こういう答弁もありましたし、さらにまた、先般の新線建設利子補給の法案に関連いたしまして、大臣は二十三日の委員会で、私の質問に対して、こういう答弁をしておられます。なすわち「私といたしましては、新線建設の財源は政府の出資によってまかなうということにいたしたいと、こう考える次第でございます。」という将来のお考えを明らかにされております。そうしますと、ただ、そうしたいと思うのでなくして、国の出資をやるということになれば、交通政策上、この際再検討を要するものがあるんじゃないかという工合に考えるのです。  具体的に言うならば、たとえば現在の行政機構あるいは組織というものが——交通関係に関する行政機構というものが、どうも一貫したものがない。ことに運輸省建設省との関係、あるいは警察との関係というものについては、前からいろいろ問題があるのですけれども、これがやはりしっくりいってない。たとえば、先ほど重盛さんの御質問の中にも、都市交通の問題がありましたが、これは現在、建設省を中心として都市交通に対する対策が立てられている。たとえば車両の制限とか、そういう問題等、こういう点についてこの際、非常に大きな仕事かもしれませんけれども、交通政策全般について、行政機構というものを再検討する時期がきているんじゃないかと思うのですが、こういう点について、大臣の抱負を一つお伺いいたしたいと思います。
  63. 木暮武太夫

    国務大臣木暮武太夫君) まことにごもっともな御意見でございまして、たとえば踏切道一つを考えてみましても、なかなか関係の役所の間の調整というものがむずかしくて、おそく法律ができ上がるというような一例もあるようなわけで、まあ現在の行政機構では、各省と緊密な連絡をとって帰一するような努力はいたしておりますけれども、なかなかそういう点がむずかしいのでございます。たとえば西ドイツの交通大臣が、鉄道のことから、道路のことから、財源のガソリン税まで自分の手にあるから、何の仕事もやりいいのだということを誇示しておることなどに考えてみますると、ただいま御指摘のような、日本の行政というものに、一つ大いに検討を加える必要があるように実は考える次第でございますが、なかなかこれは実際問題としては、むずかしい問題でございますので、現状におきましては、できるだけ関係各省の間の緊密な連絡をとって、そうして目標に対して、方向を帰一せしむるということに十分の努力をやっていくと、こういう、まことになまぬるい御返事を申し上げるよりほかには、今すぐ行政機構の改革を断行するというようなことを言明することは、少しむずかしいというふうに考える次第でございます。  しかしながら、事はただいま御指摘のように、日本の行政の欠陥を御指摘になりましたことでございますので、行政管理庁等もございますので、十分に検討いたしまして、今後御期待に沿うように、一つ努力をいたして参りたいと考える次第でございます。
  64. 大倉精一

    ○大倉精一君 まあ、大体こういう問題をお尋ねするというと、今のような御答弁になるのです。そこで、各省間の緊密なる連絡をとってというような、そういう御答弁になるのですけれども、そういう一時的な、糊塗的なことでやっておるうちに、どんどん交通事情というものは、飛躍的に先へ進んでいくのです。しかも、運輸省ができたというのは十二年前です。十二年前の交通運輸事情と今日とでは、もう格段の違いがあるわけです。飛躍があるわけです。さらに今後一年、二年、三年と、さらに加速度的に、交通事情というものは先へ進んでいく。  従って、この際これは、あるいは総理大臣、あるいは行政管理庁長官にお尋ねするのが本筋かもしれませんけれども、担当大臣として、まず一つ確固たる、そういう信念を持ってもらいたいということを今お尋ねしておるわけです。つまり、言うならば、将来は、新線建設のごときは、全額政府出資でやりたい、こうお考えになっても、そういう抜本的なものを、まずもって解決するという決意がなければできないと思う。さらにまた、いつも言われるところの国鉄の企業体、企業性と公共性の調和ということを言われますけれども、これまた、私が運賃に関連しながら質疑をしたように、政府の決意なくしては、これはできないと私は思うのですね。ですから、この際、そういう点について思い切ってメスを加えて、そうして改革すべきところは断固として改革する、こういう方向にいかないというと、枝葉末節的な対策では、ますます交通が混乱して参りますので、こういうところに私は抜本的なあれが要ると思うのです。  ですから、もう十二年前のことを今日なお改めずに、これを、このままにしておいたんでは、いかなる施策といえども、必ずこれはつまずきますから、特に運輸大臣、この際お考えに置いて御発言願って、そういう点、本腰を入れて取り組んでもらいたいと思う。新線建設にしても、じゃこの線を建設するか——新線を決定する場合におきましても、ただ国鉄という見地から見る、あるいは道路という見地から見る、それだけでは私は済まぬと思う。先ほど大臣がおっしゃったように、古い家には、使いものにならぬような古い物があるとおっしゃったけれども、これはやはり鉄道の場合には、それと同視にはできない要素があると思う。その地方の住民なりあるいは人々を説得し啓発することをしなければならぬと私は思う。  そういうためにも、やはりこの際、行政機構を一本にする。私はかつて三木さんが大臣のときでありましたか、交通省というものを作ったらどうかという意見を申しましたところが、それは大いに検討する必要があるというふうに言われましたが、はたして検討されたかどうか。その後の情勢は聞きませんけれども、この際一つ、大臣そういう問題について本腰を入れて、一つ閣内において御発言願い、池田内閣として、そういうものに取り組むという、そういう方向に一つ御努力を願うという、こういう御決意を要請したのですけれども、重ねて御意見をお願いしたい。
  65. 木暮武太夫

    国務大臣木暮武太夫君) まことにごもっともな御意見でございまして、決意は幾らでも十分に持ちたいと思うのです。それでまた、そういう考えを一つ持ってやっていきたいと思うのですが、実際問題として、運輸大臣を半年や七カ月で始終かわるわけですね。ここにやはり——これは笑いごとじゃない、ほんとうなんです。それで国会が始まる、大蔵省と折衝して、当面の予算を折衝する。それで今までの運輸省としては、たとえば私の時代なら、戦標船の問題であるとか、あるいは開発銀行の利子補給の問題であるとか、なかなか容易に大蔵省と折り合いのつかぬ問題をだんだん解決して参りまして、さて国会へ入ってくると、皆さん方と質疑応答で、これがなかなか……。これはほんとうに、そうなんです。  それで実際言って、今の国会の制度、こういう御審議の制度がいいのであろうと思いますけれども、ほんとうに本省なら本省で腰を落ちつけて、自分の考えを局長やあるいはその他の知識経験者を集めて練るという実は余裕が乏しいのですね。毎日のことをやることに追われているという、これが実情なんですよ。これでは、ほんとうにあなたのおっしゃるような、三木さんにしてもあるいは石井さんにしても、運輸大臣をやられたけれども、抜本塞源的な方途を一つやってみようと思っても、そこまで手が回らないうちに、毎日の仕事に追われてしまうというのが、これは現状じゃないかと思います。しかしこれは現状を、そんなことをいたずらに嘆き悲しんだところで、皆さん方の御同情を受けるわけでもございませんが、今の大倉さんのお話といい、また先ほどの大和さんのお話といい、まことに私どもは共鳴共感を感ずるわけでございまして、私のような微力なものでございますが、何とか、そういうことの糸口を見つけるように努力を一つ、ほんとうにやってみたいと思うわけでございます。
  66. 大倉精一

    ○大倉精一君 いろいろ大臣の現状を聞かされましたけれども、私は大臣をやったことないので、その状況はわかりませんけれども、しかしたとえその期間が短くても、たとえば閣議において発言されて、その記録を残しておくなり、あるいは自分がやらなくても、そういうやれる糸口なり形を、何らかの方法によって作るきっかけを作っておくとか、そういう努力をされないというと、百年河清を待つごとしであって、いわゆる交通の飛躍的発展に、機構これに伴わずということで、従って、いや利子補給だ、いや開発銀行だ、何だかんだ、ガソリン税だ、そういう末梢的な個々のものだけに大臣として飛び回っておられる。抜本的なものは、どれ一つとして手をつけない。こうなってくると、交通運輸の将来、まことに憂慮すべきものがあると思います。  ですから、お忙しいということはよくわかりますけれども、少なくとも何らかの方法において、そういう糸口をつけるという最後のお言葉がありましたから、ぜひそういうことをやってもらいたいということを要望して、私の質問を終わります。
  67. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) 他に御質疑もなければ、質疑は終局し、討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御発言もなければ、直ちに採決を行ないます。  本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  68. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) 全会一致と認めます。  よって本案は、全会一致をもって、可決すべきものと決定いたしました。  なお、報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと思います。   —————————————
  69. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) 次に、運輸事情等に関する調査議題といたします。  質疑の通告がございますので、この際、御発言を願います。
  70. 重盛壽治

    ○重盛壽治君 自動車局長と運輸大臣お尋ねいたしたいと思いますが、先に自動車局長に伺います。  これは全国的な問題にもなろうし、特に二段がまえで全国の状態がどうなっているかということと、それから東京がどうなっているかという二段がまえにしてお答えいただきたいのだが、その要点は、今回新しく許可されたところのハイヤー、タクシー、たとえば既存営業に、どれだけ配分をしたのか、それから新免は何台ぐらいやるのか、さらには個人タクシーには、どのくらいの割合をするのかもう一つは、その経過は、どのように進んでいるのか、あるいは新免はいつごろ出し、個人のものは、いつごろ許可をする方針であるのか、まず、それをお聞かせ願いたいのであります。
  71. 国友弘康

    政府委員(国友弘康君) 全国的に申し上げますのには……。実は傾向といたしましては、六大都市そのほか、一年ないし一年半に一回は、最近増車新免をいたして参っておりまして、その全国集計につきましては、今ちょっと集計をしなければなりませんので、東京都を主体にいたしました主要都市について申し上げたいと思いますが、まず東京につきましては、現在ハイヤー・タクシーの車両は、東京の特別区におきまして一万六千百十三台嫁働いたしておりますが、これに対しまして、昨年の十二月二十四日に二千両程度の増車につきましての答申がございまして、本年の二月十一日に申請を締め切りました結果が、個人申請三千七百九十六人、車両数で三千七百九十六両、それから法人が四百七十五事業者、車両数にいたしまして一万四百三十六両、このような状況でございまして、これにつきましての審査を現在進めているわけでありまするが、大体個人におきましては、これの六三%、法人におきましては、大体五七%程度新免をいたしております。さらに既存業者の関係におきましては、四月の十日に三百三十四業者に千二百五両の認可をいたしまして、できるだけ早く増車をする態勢に持っていきたいという考え方で措置をいたしているわけでありまするが、従いまして、今後、今申し上げました新免の法人と個人につきましては、ほぼ半分以上の審査が進んでいるわけでございまするが、これらに対しまして、大体八百両程度のものにつきまして免許なりがなされると考えているわけでございまするが、これらの傾向につきましては、名古屋はすでに八百両の答申がございまして、この五月二十七日に申請の締め切りをいたしております。大阪の地区におきましては、この五月二十四日に、関西地区の答申、自動車運送協議会の答申がございましたが、五月二十四日に、大阪地区千三百両、京都市が四百六十両、神戸地区が——これは神戸その他の市が入っておりますが、五百四十両という状況でございます。そのほか福岡市におきましては、この五月四日に新免及び増車をいたしましたのでありまするが、札幌等におきましても処理をいたしまして、現在個人タクシーにつきましては全国で千九百七十五人、千九百七十五両の個人タクシーを免許いたしておるのでありまして、東京におきまする、たとえば八百両についての法人と個人との割当の問題等に関しましては、ただいま審査を進めておりますので、その審査が終了いたしましたあとで、適当と認められるものが免許になりますので、まだこれの割当の両数等については考えられておりません。審査のあとで決定をいたしたいと思っているわけであります。
  72. 重盛壽治

    ○重盛壽治君 この東京の個人の三千七百九十六人、それから業者の四百七十五人、一万四百三十六両の個人六三%、新免五七%というのは、これはどういう意味ですか。それじゃこれから割当になると、こういう……。
  73. 国友弘康

    政府委員(国友弘康君) 個人につきましては三千七百九十六人のうち二千三百七十三人が聴聞を済ましておりますので、それが六三%、法人におきましても、そのような状況で五七%ということを申し上げたのでございます。
  74. 重盛壽治

    ○重盛壽治君 それでは、去年許可するときに、いろいろ私はこの協議会について注文を申し上げたが、それは結果からいくと、あまり好ましい結果は率直に言って出なかった。もっと露骨に言うと、最も慎重を期し、しかも公平な立場において自動車の新免許可というようなことをやるべきであるということで、あなたは、そういうことでやろうということで進んできたのだが、現実には、どの程度の——真偽のほどは私は知りませんが、陸運局にも汚職があったとかないとかというようなことがあり、さらにまた現実に許可されたものの内容等を、全部私どもは調査する資格がないから見ておりませんが、聞きますと、かなり優秀なものが取り払われて許可にならずに、そうして今局長の言われたように、よいものから適当と認めるものからという言葉がありまするが、適当と思われるものが除外され、あの程度は適当の分に入らぬであろうというようなものまで入ったような傾向すらあるように考える。  私は、こういう点について、これは局長の意見を聞きたいのだが、その聞く前に、もう一つ、大臣がお忙しいようだから、私は大臣にお伺いをしておきたいのだが、今秋の申し上げるような点を、その後陸運局に対して、どういう考え方、どういう指示を与えたかということと、もう一つ、御承知のようにこの新しい自動車の許可ということは、交通全般の緩和ということに一番基本があることはもちろんであります。と同時に、それの基本になった一点としては、かって閣議で決定をした駐留軍労務者を、どう収拾していくか、その収拾の方法一つとして、この問題が前楢橋運輸大臣によって取り上げられてきた。さらに今度は、新しい問題として一つでき上がっておるのが、石炭産業の合理化によって、これの犠牲となった人たちの中から、自動車の免許証を持っている者がかなり多く現われた。そういう者にあるいは新免を出し、個人タクシーを出し、あるいは雇用関係になっていることも考えられる。従って私どもは、いわゆる公平に、最もよい者からとっていくというこの基本線は当然くずしてはなりませんけれども、そういう中に、今言う離職対策というようなものも一部考慮の中に入れて、私はやるべきであろうかと考えるが、そういう面に対して運輸大臣は、どういう指示をなされたのか、どういうふうに処置なさろうというお考えであるのか、大臣の私は意向をお聞きしたいのであります。
  75. 木暮武太夫

    国務大臣木暮武太夫君) この新免の問題は、非常に多くの申請の中から適正妥当なものを公平に選ぶということでございまするが、なかなか非常にむずかしい問題でございますので、まず公平、適正、妥当というようなことをもととしてやるようにということは、常に自動車局長にも、私話しておりますわけでございます。  それから、ただいまのお話の石炭の仕事の不況のために離職した人たちの申請であるとか、それから駐留軍の関係の人たちが企業組合か何かを作りましておやりになるということにつきましては、これは閣議の決定の趣旨を十分尊重してやるようにということは、自動車局長を通じまして、各陸運局長によく話をしてございますので、現に、もう福岡のようなところは決定して、その方が、自分たちは——まあつまり、これはなにか離職者、今の駐留軍関係の離職者でしたが——今度は新免になったなんというあいさつにおいでになったのを、まあ名前は覚えておりませんが、野党の国会議員の方がお連れになりまして、ごあいさつに来たのを、名前を覚えておりませんが、記憶しておりますから、そういうものが、閣議の決定の趣旨に沿うて本省からの心がまえを言うたことが実現をしておるようにも考えられますのでございますが、ただいま申し上げましたように、気の毒な人たちに対するあたたかい手を差し伸べますることについては、閣議の決定の趣旨を通すようにということは、自動車局長から、よく話をしてあるわけでございます。その他は、まあきわめて公平適切にやるという、なかなか同じような条件の者がそろっておるので、なかなかこれは、どうもえこひいきだというような、あとで議論が起こるので困ったものだと始終考えておるのでございまして、私は、なるべくたくさん許可しちゃどうだという、しろうと考えでおりますし、場合によっちゃ、同じような条件の者がそう集まったら、くじでも引かしたら一番公平じゃないかというような、そうでないと、陸運局の者がどうしたとか、こうしたとかいう御議論をよく聞くのが、私どもとしては、まことに不愉快千万でありますし、その局に当たる運輸省の役人の人としちゃ、非常に不愉快を通り越して憤慨にたえないように思うだろうと思う。  それでまあ、今は、そうは急にいきませんけれども、条件が同じような者がたくさんあった場合には、これはくじでも引かしたら一番公平じゃないかというようなしろうと考えをちょっと持ちますが、こういうことも、なかなかそういうことは、法律でできないのかもしれませんけれども、そういう趣旨では、公平適切、妥当に、非難のないように、一つこの面をやるようにということを始終言うておりますわけであります。
  76. 重盛壽治

    ○重盛壽治君 先ほど来の運輸大臣のお言葉を聞くと、なかなか忙しい中で、いろいろなことがやれないということであって、私は、今言ったように、出していただいたものを一応信じますが、実際には、そのことが、陸運局長のところに自動車局長を通じて、あるいは業務局長といいますか、通じて、私は入っておらぬのではないかというように感ぜられる。  従って、もうあなたが、そういうふうにお考えになっておられるなら、その考えを一つ中心にし、それを通すように、今度はぜひやってもらいたいし、しかも、最後に言われた、全く同じような者がある場合に、一つ宝くじをやるように抽せんでもやろうかという、非常におもしろいケースですから、そのくらい一つ、どこからも非難のないような形で収拾をしてもらいたいと思います。なかなか困難な問題であろうと思う。同時にやはり将来、ここでだめになっても、全く同じようなものは、将来の希望があるようなことをやってやる方がいいのじゃないか。これは私の意見でありますが、そういう意見一つつけ加えて、ことし切った、しかし、来年も、東京の実情、大阪の実情、あるいはその他の六大都市の実情等を考えれば、当然やはりふやしていかなければならぬだろうし、私は、自動車関係のことを端的に言うならば、大企業に多くの増車をするということも考えられるが、よりやはり経験の深い個人タクシー、戦前は、みんなほとんど個人タクシーでありました。それが戦争の犠牲によって統一され、そうして個人ができなくなったのだが、別な仕事は別として、全部あらゆる自動車が、これに包含されるとは私は思いませんが、タクシーに関する限りは、個人タクシーの方がかなりいい。安全運転をし、いい成績を上げているじゃないか。従って、個人タクシーというようなものをふやす場合には、そういう点に重点を置いていかれるように考えられたいと思うのです。  運輸大臣の先ほど来、非常に正直な御答弁があって、いつまでやっておるか、私もわかるわけじゃないのだから、そう一々心配し得ないという弁があったようでありますが、しかし、少なくとも、一こま一こまにおいて、新しい角度でものをやるように、時代に適応した方向で、しかも、こういう問題は非常にむずかしい問題でありますから、ほんとうに今度は厳正にやるということを、一つはっきりさしていただきたいと思います。これに対して運輸大臣の……。
  77. 木暮武太夫

    国務大臣木暮武太夫君) ただいま繰り返し申し上げましたように、こういう問題は、落ちた人からいうと、どうも自分の方へ当然来るのが落ちたのだというふうなわけで、どうしても人を恨むようなことになるものですから、いろいろな問題があるのでありまして、もう公平とか、あるいは公正とかいうことを、ほんとうに厳重に守っていかないと、いろいろの問題が起こるように思いますし、運輸省の役人の人たちも、こういうことについては、非常に潔癖以上に潔癖におやりになっておるようでありますので、この上ともに公平に、これをやるように注意をしてみたいと思います。これはなかなかむずかしいので、私は運輸大臣になる前のことですが、ある知り合いなどが出願したなんという話を聞いて、こういうものはいいだろうと思うと、やはりそういうのは落ちております。ですから、どこが悪いのだか、わからない。ですから、これはどうも運もあるのだろうと思う。まるで、大勢だから、くじを引くようなのもある。なかなかむずかしいところがあるのだと思うが、局に当たる者は、やはりだれから突っつかれても、間違いのないようなことだけは一つやってほしいということを、私は常に言っておりますようなわけでございまして、至らないものですけれども、そういう正しいことだけは、一つ筋を通したいと私は考えておりますので、どうぞ御信用いただきたいと思います。
  78. 重盛壽治

    ○重盛壽治君 けっこうです。
  79. 小酒井義男

    小酒井義男君 関連して。自動車局長からお答えをいただけばいいと思うのですが、現在、全国に個人タクシーを許可しておる、個人タクシーが営業しておる県ですね、これと、全然許可をしておらない所とあるのじゃないかと思うのですが、それはどんなふうになっておりますか。
  80. 国友弘康

    政府委員(国友弘康君) 小酒井先生にお答えをいたします前に、もう大臣の答弁で十分だと思います。大臣の方針で、私どもやっておりますのですが、陸運局について汚職ありというようなことを言われました点は、実は私、ぜひお答えしなければなりませんので、今度の場合、陸運局には汚職は起こりませんでした。その点は私どもとしては、それはやはり多くの審査でございますから、あるいは批判されるところはあったかもしれませんけれども、われわれとしては、厳正公平にやることで指導し、その点は、もう十分われわれとしてはやれるだけのことはやったという点でございます。  それから駐留軍関係及び三井鉱山の三池鉱業所の関係の離職者につきましては、自動車局長名をもちまして、閣議決定で、駐留軍関係につきましては、三回ほど申しております。それから三井鉱山の三池鉱業所の離職者対策につきましては、自動車局長から陸運局長に通達をいたしまして、すでに、これらにつきましては、先ほど大臣からお答えのありましたように、福岡県その他において、相当数免許をいたしておりますことを申し上げたいと思うのであります。  それから小酒井先生の個人タクシーにつきましては、現在、個人タクシー、これは、一人一車制の個人タクシーをわれわれは個人タクシーと呼んでおりまして、地方におきましては、個人で免許を受けておりますが、一両ないし二両を非常にいなかで運営しておるものがございますが、これを除きまして、いわゆる一人一車制の個人タクシーとしておりますのを申し上げますと、東京都、それから大阪市、京都市、神戸市、横浜市、川崎市、横須賀市、札幌市、名古屋市、広島市、福岡市、小倉市、八幡市、熊本市、鹿児島市、長崎市、佐世保市、これだけで、一人一車制の個人タクシーを免許いたしておりまして、この合計が千九百七十五ございます。
  81. 小酒井義男

    小酒井義男君 その他の都市ですね、そういう所では、運輸省の方針としては、個人タクシーの免許をできるだけ許可するようなふうに行政指導されておるのか。そうでなく、小さいところでは、個人タクシーはやらせない方がいいのだというふうな、そういう方針をお持ちになっているのか、どうなんでしょう。
  82. 国友弘康

    政府委員(国友弘康君) 個人タクシーにつきましては非常に評判がいいのでありまして、この点は厳正に適正に審査をして、事故のない経験の豊富な等々の要件を考えながら免許いたしておりますので、非常に評判がいいわけでありまするが、そういう評判のいい個人タクシーというものは、今後伸ばしていくべきだと思っております。  ただ、大体今申し上げましたような地区は流し運転をしている所でございまして、やはり一人一車制の個人タクシーになりますと、ある程度の収入を確保させなければいけませんので、やはり私どもとしては、流し運転等が許されておる都市においては、これは許されてしかるべきだと思っておりまするが、それら以外の小都市におきましては、許されてもあるいは収支償っていかない場合があるのではないかと考えますので、それらの点とにらみ合わせながら、具体的な事情に応じて免許、却下をきめていかなければなりませんと思います。で、私どもといたしましては、現在のような評判のいい個人タクシーは伸ばしていきたいという気持でおります。
  83. 重盛壽治

    ○重盛壽治君 自動車局長は、陸運局の中に汚職は断じてなかったと、もちろん私もそれを信じたい。非常に昨年のこうした同じ問題を扱った中には、今大臣の言われたようにやっかんでくるのか、いろいろな問題があろうが、かなりいろいろな風評がからみ、しかも交通新聞等には、東京陸運局の措置は必ずしも公正でなかったと、かなり明確に出ているはずであります、それは自動車局長ごらんになれば。従って、私は意地悪いものの言い方をしたくないが、それでは、たとえば申請されたもの、許可になったもの、不許可になったもの、それらのものを比較検討して出す資料ができるかどうか。もしそういうものが、こういうことのために許可、不許可に決定したのだという資料が出し得るというならば、きょうでなくてもいいからお出しを願いたい。  大臣には、やはりあくまで先ほど言われた形で、お忙しいそうですから、私に関する限りはもうお立ちになってもけっこうでございまするが、先ほどあなたが言われたような意味で処理していただきたいのだが、その中で、今自動車局長の言われた炭鉱労務者が三井炭鉱だけだという限定は、私はやはりよくないではないか。それは先ほど言われるように、石炭の産業、石炭事業の産業合理化ということで、全国的に石炭労務者は、炭鉱労務者は締め出しを食っているわけです。そういう意味合いから、これはもう、いいかげんなものであってはならぬと思います。思いまするが、全く三井三池と同じような状態にあるものは、やはり同列に扱ってやるくらいの幅広い考えであるかどうか、また、そうしてやるべきだと私は考えます。その点二点一応お伺いしておきます。
  84. 国友弘康

    政府委員(国友弘康君) 昭和三十五年九月二十七日の閣議決定では、三井鉱山三池鉱業所の離職者対策についての決定をいたしたわけでありまして、この閣議決定の線に沿って、私どもは陸運局長に指示をしているわけでございますが、従いまして、他の鉱山におきましては、閣議決定の線には入っておらないわけであります。  従いまして、正面から閣議決定の線に沿ってというわけではございませんけれども、やはり、これらの炭鉱離職者等につきましては、私どもとしては、このような三井鉱山三池鉱業所についての閣議了解を各陸運局長に流しております。そういう点も考えながら処理すると考えております。  それから資料提出を求められましたのでありまするが、実は昭和三十五年度の東京におきまする処分は個人で六千三百五十四人、法人で五百三十四業者、四法人の申請がございます。これらにつきましては、一つ一つ免許すべきものは免許、それから却下すべきものは却下の理由を明らかにして書類として保存してあるのでありまするが、非常に膨大なものでございまして、ちょっと私どもとして提出いたしますのは非常に大へんなんでございますが、この点はもし具体的な、どれかということでありますれば御提出いたしたいと思うのでありますが、全部でございますと、とても大へんなので、その点御容赦を願いたいと思っているのであります。
  85. 大倉精一

    ○大倉精一君 免許に関連して、局長にちょっとお伺いしたいのですが、前にも問題があったのですが、免許業者の資格要件ということですね。これが免許を取る当時と著しく変わったという現象が起こったらどうするか。たとえば具体的に言うならば、横浜の相鉄タクシーというところが、ちょっと新聞を見ますと、暴力団が入って大へんなさわぎが起きました。NHKでも放送しておりましたが、これは明らかに暴力団を一日千円で雇って、仕事をすればさらに千円追加ということでもって雇った、こういう新聞報道にも、NHKもあるのですが、こういう点については、運輸省あるいは局長さんあたりが一応調査されているかどうか、そういうものに対しては警告なり何なりするのか、放っておくのか、これは単なる労働争議に介入ということにはならぬと思います。いやしくも国が免許するのですから、適格だといって免許しておりますから、それが暴力団を雇って、そして労働者の争議にこれを利用するということ、傷害が三十何名重軽傷があったのです。こういうのは、どうですかね。免許業者としての適格性について、どういう工合にお考えですかね。
  86. 国友弘康

    政府委員(国友弘康君) 免許業者の資格要件の変わった場合ということで、最初の御質問、こういうのですが、免許に関しましては、先ほどから申し上げておりますように、厳正公平に審査をいたしておるのでありまするが、この中で、たとえば資格要件が変わりましたという中で、たとえば株式が譲渡されるというような場合があると思うのでございますが、こういう場合には、実は私どもの方へ出て参りますのは重役の交代とかいうような形で出て参りますので、これらの点に関しましては、それはよほど違法をしない限りは、それは認めていかざるを得ない、こういう状況でございます。  従いまして、今の実は相鉄タクシーの内容につきまして、私十分にまだ調査いたしておりませんのですが、その事業の運営に関しまして、道路運送法に違反をするような事実が出て参りました場合には、そういう会社に対しましては、それに該当する処分をすべきであると私は考えております。
  87. 大倉精一

    ○大倉精一君 まあ、道路運送法違反に対する対策、処分といいますか、こういう御答弁ありましたが、しかし、資格要件の中には、刑法にひっかかったものというものは、これはいけないのですね。たとい刑法にひっかからなくても、それ以上に悪質なものだと思うのですね。暴力団を百何人か雇って、しかも明らかに一日千円の日当で雇って、仕事をやったら千円加えてやる。そうして夜中の三時になぐり込みをかけて重軽傷者を出す。こういうような経営者は、はたして国家が免許を与えるに値する人格者であるかどうかということ、これはどうなんでしょうかね。しようがないといって、ほうっておくのですか。  さらにまた、これは問題が多岐になるからやめますけれども、今の株式譲渡であっても、特に犯罪的なものがなければ免許するということについても、いろいろ免許の資格要件からは疑義があると思うが、これはきょうは触れませんけれども、そういう現在起こっている問題は、どうなんですかね。前には滝野川タクシーとか、起こりました。あるいは京都でも起こりました。あるいはメトロタクシーもありました。とにかくタクシー会社の争議には、暴力団がつきものというような現状になっているのですね。これを一体、監督官庁として、これは単なる労働問題として看過するというのか。あるいは国家として免許したものが、こういうような状態になった場合に、何か考慮する必要がないのか。この辺ですね。
  88. 国友弘康

    政府委員(国友弘康君) 労働争議に関しましては、労使間の交渉に待つ場合が多いのでありまするが、今大倉先生のおっしゃったような暴力行為になりますと、これはむしろ刑法上の問題になると思うのでございますね。そうして、そういう点に関しましては、これは警察当局等とも連絡をとりながら措置をしなければならないと思うのでありますが、私どもとしても、そういうことの起こりました会社につきましては、われわれ及び陸運局を通じて十分に調査をいたしまして、どういう扱いをすべきかということを考慮して参りたいと思っております。
  89. 大倉精一

    ○大倉精一君 これはほんとうは、もっと早く考慮してもらわなければいかぬと思うのですね。ずっと前からあったのだから。私、実はこれは新聞を見て、ラジオを聞いて、この間の日曜日一日おったものだから、現場に行って見てきました。そうすると、いろいろ——組合の諸君が、バリケードを張って大へんな騒ぎをやっているわけですね。夜中の三時というので、すぐ警察に連絡したのですけれども、そういう気配があったので、そこにおったのですね。——逮捕してくれと言ったら、いや証拠がないからと言って、何にもしなかった。しかも、暴力団はこの会社の中に入り、車庫の中に入り、そうして三十数名の重軽傷を出しておる。逆に労働組合の方は、出入口を締めちゃって、どうしても警察でやってくれなければおれたちがやる、こういうので、友誼団体を入れて、やっと追い出したという状態なんですね。  ですから、これを見ても、警察と連絡すると言いますけれども、やはり暴力団を使うようなやつは——やっと言っては語弊がありますけれども、そういうものは、やはり警察と連絡があるのですね。これは私の憶測かもしれませんけれども。そういう状態のものを国家が免許する対象になっている、しておくということ自体が、どうも解せないのですね。ですから、これはもう簡単ですからさっそく調査をされて、そうして実情に即した何らかの考え方をまとめてもらわないと、これは非常に問題が大きくなるんじゃないかと思うのです。  さらにまた、そういうケースがたくさんあると思うのですけれども、いわゆる私が当初に申し上げたように、免許するときに、書類その他の形式上の条件はそろっておるから差しつかえないと思って免許されるのが、往々にしてそういう、はなはだしい当時と違った事実がわかってきた場合にはどうするか、こういう一般的な質問をしたのですが、そういう点については、どうなんですかね。  もう一つの例を申し上げますと、たとえば、免許をするときには、その事業所というものの場所も適格であるといって免訴をした。ところがその後において、事業所、車庫というものを、別の土地を入手をして、そうしてたとえば主要道路に出るまでには四メートルの幅員がなければならぬ道路が、四メートルない所に、どういうわけか営業所を持って、そうしてどこへ届けたかわかりませんけれども、そういう経営者があったと仮定したならば、こういう経営者の免許については、どう取り扱うのですかね。
  90. 国友弘康

    政府委員(国友弘康君) この相鉄タクシーの問題につきましては、さっそく十分調査してみたいと思っております。  それから免許の要件について、変わった点がある場合ということで、たとえば営業所なり車庫なりを免許の当時よりは違った場所に移したいというような場合に、これはもちろん事業計画の変更の認可事項にかかっておまりすので、その認可をするかどうかということによりまして、認可された場合に移転することが許されるわけであります。それらを見ておるのでありますので、要件が、たとえば車庫が変わったからといって、それがすぐ取り消し事由にはならないと思うのでありまするが、そのように事業計画の変更の認可手続をとらして、認可をされた者が移転を許されるという形で運営されております。さらに今例を引かれました、たとえば三メートルとか四メートルとかの道幅の所に車庫を移したというような場合には、これは事業計画変更の認可を受けておりますれば、これはその点も関係の陸運局、あるいは陸運事務所で調査をしたと思うのでありまするが、しないで、そういう所に移しておりましたら、これはその情状によって車両の使用停止とか、営業の停止とかいうこともいたさなければならないと考えます。  さらに道幅等につきまして、四メートルあるいは三メートルの所でありますると、私どもが現在建設省と折衝しておりますいわゆる車両制限令等々の関係におきまして、このような営業所は、あるいは車庫は、使えなくなるじゃないかと思います。これらに関しましては、さらに営業所なり車庫なりを移転するか、あるいは事業をやめるかしなければならぬというような状況になると思います。
  91. 大倉精一

    ○大倉精一君 そうしますと、大体事業計画の変更ということで、車庫の移転等については、あらかじめその車庫の移転場所を検討して、それから許可をする、こういうことになるのですね。そのタクシー等の車庫の場所の要件というのは、どういう要件になっておるのか。たとえば住宅地あたりでも差しつかえないのか、あるいは出入り口あるいは主要道路に通ずる道路の要件というものをちょっと参考のために聞かしてもらいたい。
  92. 国友弘康

    政府委員(国友弘康君) この点は、私詳細なことを申し上げる資料を今持って参りませんでしたが、たとえば交通頻繁な十字路の直接の角であるとか、そういう所はいけませんですが、さらに抽象的に申し上げますと、その車庫から大きなメインストリートまで出ますのに、やはり自動車が行き違いができる程度の——一方交通でない限りは、自動車が行き違いができる程度の広さの道路でなければいけない、こういうふうに考えます。まあ車庫を置きます場合に一番必要なのは、メインストリートに出る道幅の問題が一番大きいと思いまするが、住宅地等におきましては、これはあるいは場所によりましては、東京都その他の関係官庁に意見をただすこともございますわけですが、さらに東京都の中に、都市計画の方で、ここでは困るというような場所がございますので、そういう場所には、もちろん設けられないわけであります。その他の、住宅地であるから一般的に車庫、営業所が設けられないということはございませんので、それらは、具体的な事情、事情に応じて、その場所々々に応じて審査をしていくという状況になっておるわけであります。
  93. 大倉精一

    ○大倉精一君 一つだけお伺いしておきたいのですが、これは私のところで、場所は言いませんけれども、新しく三十台くらいの車庫ができて、非常に困るという苦情が来ておるわけなんですけれども、この苦情を一体どこへ持って行ったらいいかと、こういう話なんですね。  それはその辺が、寮とかアパート、住宅というのが多くて、勤め人が多いわけなんです。ところが、夜中の二時か三時に大きな声でぎゃあぎゃあやられるし、あるいは朝の交代時間なんか非常なもので、安眠妨害で困る、こういうことなんですけれども、そういう苦情は、どこへ持って行くのか、窓口はどこなんですか。
  94. 国友弘康

    政府委員(国友弘康君) これはハイヤー・タクシーの車庫でございますか。
  95. 大倉精一

    ○大倉精一君 ええ。
  96. 国友弘康

    政府委員(国友弘康君) この点に関しましては、窓口は、やはり陸運局自動車部でございますが、そのほかに東京都におきましても、こういう環境の方面を担当しておる部署がございます。そういう方面と私どもとで打ち合わせをしておる状況はございますが、やはりハイヤー・タクシーの車庫に関しましては、一応陸運局が窓口でございます。
  97. 重盛壽治

    ○重盛壽治君 ちょっと僕は、先ほど自動車局長に聞いた個人タクシーあるいは新免の許可になる時期がいつごろかというこの期間の問題、それからもう一つは、そういった前に許可になった比較対照表は、非常に困難だから出すことはお許しを願いたいというお話だったが、それはいいと思う。できなければいいが、この前の、新しい許可をする場合には、こういう基準で許可をします、それを書類によって出さずに、あなたが説明したと思うのが、あの程度のことならば、私は基準は、こういうところへ置きます、個人タクシーはこういう基準、それから新免はこういう基準をもって許可する、こういう二点くらいはいいと思うので、そういう資料を出してもらいたい。  それからもう一点は、私がお聞きしようとすることを、大倉委員がだいぶ聞かれたのだが、問題は自動車のストライキが特に京都で起こって、非常に長い間ストライキをやっておる。この結果を一体大阪陸運局長としては、ただ見ておるかどうかという問題、行政措置を何かしたかしないか、それと同時に、私はこれはやるべきだと思う。ということは、やはり自動車の争議というものは、非常に露骨な言い方をすると、資本家は、経営者はあまり痛くないのですね。一般製造事業や何かのストライキをやるのと違って、車は使わないし、痛まないし、ガソリンは要らないし、まあまあちっとがまんしていれば、そのうちに往生するだろうというような妙な考え方を持つ。これは一体どこにあるかというと、今大倉氏の言ったように、許可はするけれども、そのあとの行政指導、指導監督というものがはっきり行なわれていない。公共性を持つ交通事情に必要な事業だということで許可をしたのであるとすれば、やはり長い間ストライキをやり、それの解決がつかぬというような状態であるとするならば、これは労働者に対するいろいろな意見もあろうけれども、まず許可をとって営業をしておるものは、それで公共専業としての任務が完遂できるのかどうか。特に京都のように観光客の多いところでは非常に迷惑する。従って普通のストライキというと、ストライキをかければ、資本家が迷惑をするというのが常識であるが、タクシーのストライキという場合には、利用者いわゆるお客さんの方が迷惑をする。京都のような場合には、観光客が非常に迷惑して、せっかく京都見物に行ったけれども、タクシーのストライキをやっておるために、思うように見てこられなかった。はなはだしいのは、自家用車を頼んでようやく歩いた。もっと、今の現状はどうなっておるかというと、大阪、兵庫全部あの付近の白タクが集まって、白タクの絶好のかせぎ場所として、京都の遊覧客が使われている、こういう現状が出ておるわけです。  従って、自動車局長は御存じだと思いますが、こういう状況を放置しておいて、やかましいことを言って許可をしながら、あとの監督権はどこにあるのかわからない。やはり今のような状態に陥ったときに、これは労使間の問題であるといって、一般産業並みに扱うというようなことはもってのほかである。やはりそういうときには、非常に極端な例ですよ、だが長い間交通機関としての任務の遂行ができないような実態にあるものは、それは許可の取り消しをするとか何か制裁規定がなければ、そのために、白タクがどんどん横行する、今白タクの方が便利じゃないか、いっそそういうものはどんどん個人タクシーなり何なりに切りかえてやらせるということをしなければならぬと思う状態です。  そういう点、私はえらい長い答弁は要りませんが、結論をいただければいいのだが、ぜひやはり行政措置をして、大阪陸運局長をして解決に当たらしめてもらいたい、そうして、こういうタクシーの争議に対する基本的な考え方というものを、きょう私は答弁を聞かなくてもいいが、これはやはりタクシーの許可をする自動車局長あるいは陸運局長あたりが考え、その指導方針というものを把握しておらぬと、まことにまずい事態が生まれるのじゃないか、いずれあとで、こういう問題を質問いたしますが、一応、その点だけを御答弁願っておきます。
  98. 国友弘康

    政府委員(国友弘康君) 最初に許可をする期間はいつごろかというお話でございましたのですが、これは、各都市によって非常にまちまちでございまして、東京の場合には、法人及び個人の新規に免許いたしますのは、現在先ほど申し上げましたような審査の状況でありまして、大体この秋には処理ができるように考えておるのでございます。  それから免許の場合の基準等につきましては、これは抽象的なあれにもなると思いますが、その点は、何らかの形でお示しをいたしたいと思います。  それから労働争議等に関しましては、これは確かに今私どもとしても、争議に対する一つのわれわれの考え方というものをまとめなければならないと思っております。で、これらの点については、現在私としても検討をいたしているのでありますが、京都の場合には、事務所長から事業者に対しての勧告をいたした例がございますが、ただ、先ほど重盛先生から、ちょっと御発言がありましたのですが、やはり労働争議の関係は、労使間の交渉に待つのが第一義であり、さらに地方労働委員会が、この京都のタクシーの場合には、聴聞その他いろいろな措置をいたしておりますので、この地方労働委員会検討の線があると思うのでありますが、その方向への推進ということを、やはり陸運局長なり陸運事務所長なりはやるべきだと思います。それで、この京都のタクシー争議に関しましては、京都の陸運事務所長から四月一日付で、各経営者に対しまして、すみやかに事態を収拾して公共の利益の増進に寄与するようにという勧告をいたしたわけでありまして、こういうような考え方は、私どもとして持っておりますので、先ほど申し上げましたような労使間の交渉及び地方労働委員会の考え方というのもあると思いますが、その方向で解決に向かっていくと思っておりますが、私どもとしても、その線でやっていく。  京都の場合は、私どもも、できるだけ早く解決に近づけたいと思って努力もしているのですが、だんだんに労使間の歩み寄りができてきておりますので、解決の時期も割合近いのではないかと私は考えているのでございます。
  99. 鳥畠徳次郎

    鳥畠徳次郎君 ちょっと関連いたしましてお尋ねしたいと思いますが、新免の申請ですね。新免の申請のあった場合に、先刻運輸大臣お話では、同じ条件の場合は、実際に気持においては、抽せんでもいいというくらいまでに正しく公平にやりたいというような、非常に熱意のあるほんとうの御答弁があったようでありますが、最近のこの東京都、あるいは大阪市というような大都市の新免の許可になる場合ですね、おおむね中央とか、現在タクシー、ハイヤーが非常にたくさん密集しておって、何もこれ以上必要としないという場所が、しかもその条件が合っているというか何といいますか、許可される割合が多いのですね、パーセンテージから見ると。そうして、むしろ東京都の端々の郊外に近いところですね、あるいは大阪市でも端々に近いところでは、もう病人だの急患ですら輸送する車もないというような形で、たとえば東京でいえば、銀座あるいは数寄屋橋は、ほとんど交通麻痺の状態に近づいている。しかしながら一たび郊外、都市の中心部との境へ参りますというと、いわゆる急患あるいは産婆さんの輸送、そういうようなことまで事欠くというような個所が、最近非常に多いように、われわれ思っているわけなんであります。  そこで最近ちょいちょい、この新免の申請をした個所で、その付近の区民といいますか、町民といいますか、そういう人たちが、どうしてもここにはタクシーなり、あるいはハイヤーの許可をしてもらいたい、そうしないと、われわれ非常にこういう面において困っているというような、区民が陳情書というか請願書というか、をまとめてそれに調印をして、そうして申請する業者というか、申請者に協力している。そこまで協力してでも、何とかこの辺に一つ自動車会社をほしい、あるいは個人でもいいからほしいというような、非常な熱意を持った場所が、ちょいちょい最近あるように思うのです。まあはなはだしいのでは、区長といいますかね、東京などの場合区長が、急用のときに車がない、これでは、どうにも困る、非常の場合は困るというようなことで、その申請書類に、そういう書類をつけて訴願しているというものが、最近ちょいちょいあるようにわれわれ聞いているのですが、許可の条件の内容が、大体まあ資力信用といいますか、いろいろな面において大体同じような条件だ、しかし今のような、そういう関係地方民が、切実に困っているというような陳情書を出しているとか、あるいはまた、陸運局なり、あるいはまた陸運事務所へ、その地方の人が押しかけて行ってまでお願いに行っている、陳情をしているというものがあったとすれば、そういうものは、やはり許可に対しての優先的な一つの基礎であるかないかということについては、どういうお考えでありますか。それを一つお聞きしておきたいと思います。
  100. 国友弘康

    政府委員(国友弘康君) 免許の申請の審査にあたっても、抽せんという問題が先ほどからお話出ますが、この問題に関しましては、現在の道路運送法では、だいぶ問題があると思いまするが、これらの方法も、一つ検討事項だと思って、私どもは実は検討を加えておる状況でございます。  それから今の御質問の、中央に相当免許が多くて、郊外地帯に少ないというお話の点に関しましては、実はこれは、ハイヤーとタクシーと違いまして、タクシーでは免許されました場合には、やはり都心に出てきてしまいますので、やはり郊外地帯自動車を置いておこうとするためには、ハイヤー制度にして、その営業所に必ず置いておかせなければなりませんので、まあこれは最近の傾向といたしましては、そのようなハイヤー制度というものをとって参っております。免許されました両数のうちの何両かは、ハイヤーにしなければならないというようなことで免許をいたして参っておりまして、それらの点に関しまする需要に応ずるように考えておるわけでありまするが、切実な陳情のあります場合には、これはやはりその地帯に、そういう必要性が強いということであろうと思いますので、これらの必要な地帯ということは、やはり一つの要件でありますので、そういう地帯には有利になると思います。ただ、そのほかに免許基準の中で、資力信用の問題とか、あるいは事業経営上の問題、たとえば車庫の問題とか営業所の問題とか、あるいは労務管理の問題とかいうのがございますので、たとえば車庫の位置がまずいというようなことがありましたら、これはいけませんし、労務管理等におきましても、いい場合と悪い場合とございますので、それらについては全般的な、全部の基準、要件を比較検討した上で免許、却下をきめるという状況でございます。
  101. 鳥畠徳次郎

    鳥畠徳次郎君 それでは、大体まあ今のお答えで、よくわかりましたが、同じような条件であると甲乙丙、ABC、同じような条件にあるものに対して、そういう判定がついたものがあれば、それは優先されると考えていいわけなんですか。
  102. 国友弘康

    政府委員(国友弘康君) これは具体的な場合に応じまして考えなければ、ちょっと抽象的にお答えすることは非常にむずかしいのでありますが、要しまするに、先ほどから申し上げておりますいろいろな要素がございますので、それらの要素を全部総合的ににらみ合わせまして勘案した上で、必要性に応じて、あるいは適切性に応じて免許するという形をとっておりますので、そういう場合に何か差別、あるいは今おっしゃいましたような地域でございますと、同じところに三つも四つも固まるということもある場合もございますけれども、割合少ないし、距離が離れております場合の比較は、またむずかしいことにもなりまするし、具体的な事情に応じて審査するということを申し上げたいと思います。
  103. 重盛壽治

    ○重盛壽治君 今の関連に対してまた関連だが、それは、特に東京などではお願いしたいことであって、比較的やはり中央にのみ車庫があるし、その方が業者は便利である。しかし先ほどから言うように、自動車の使命というものは、やはり使う方の立場になってもらわなければならぬと思うから、私は東京都で例を引く場合に、今のような事態が生まれた場合には、できるだけやはり郊外の方に重点を置くという考え方を持ってやってもらうように要望しておきます。なかなかむずかしいことだと思いますが、そういう方向づけをしなければ、首都圏をどうするの、都市の中央の人口をどうするとか、いろいろな問題が起きておりますが、なかなか既成事実がどんどんできてしまう。それを新しい方へ新しい方へと、すべてこれからのものができていくという形を作り上げていくためにも、ただ、自動車の許可云々という問題じゃなくて、相当大きな意味からも効果があろうかと存ずるので、できるだけいわゆる郊外の方へ許可をするという考え方を持っていっていただきたい。これは要望しておきます。   —————————————
  104. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) 次に、継続調査についてお諮りいたします。  今会期において、当委員会運輸事情等に関する調査を行なって参ったのでありますが、閉会中においても継続して調査を行ないたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  105. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  つきましては、要求書の作成及び手続等につきましては、委員長に御一任願います。  暫時休憩いたします。    午後六時三十一分休憩  〔休憩後開会に至らなかった〕