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説明員(内海倫君) では、お答え申し上げます。
最近新聞等で伝えられております交通規制の問題でございますが、大阪の方につきましては、二月十六日に大阪府の警察本部案というものを作りましたので一応案がございますが、東京の方につきましては、まだ何ら案はできておりませんで、目下実態
調査を続けておる途中でございまして、私から東京はどういうふうになるかという事柄につきましての具体的な案を御
説明することができないのは大へん残念でございますが、まだ案ができておりません。
そこで、最初に
考え方でございますが、東京にしましても大阪にしましても、たとえば新聞に伝えられておりますような意味で貨物自動車の通行を制限するような、ただそれだけの
目的でもって制限を
考えておるというふうなことはございませんで、私ども何べんも大阪の方に連絡をいたしまして、その点は念を押してきておるわけでございますが、要するに大阪の実情から
考えてみますと、非常に狭い道路が多うございまして、そこのところに大型の貨物自動車が入りますと、それがもとになりまして非常に交通渋滞が起きてくる。そういうようなことで真にやむを得ざる措置として案を
考えたようでございます。で、私どもの
考えといたしましても、できるならばすべての自動車が自由に交通できるようにする、そのためのあらゆる
努力をすることが私どもの任務でありまして、言ってみれば、自動車等の通行を一時的にせよ禁止、制限するというふうなことは、全くわれわれとしては本来ならばしたくない問題でございます。ただ、御承知のような東京なり大阪の、特に中心部の交通の状態というものが、毎日毎日悪化して参りまして、今まで一時間かかっておるところが、だんだん時間がふえてくるというふうな状態もございまするし、できるだけそういう意味で交通というものが致命的な状態にならないようにするためには、どういうふうな規制をすることが必要であるかという観点からいろいろ研究をしておるわけでございまして、そのためには何と申しましても、現在ある道路をできるだけ利用しやすくしていくということが建前だろうと思いますので、によりましては駐車禁止をする、あるいは一方通行をする、あるいは右折禁止をして流通をはかる、あるいは信号等の設備を設けまして、極力円滑化をはかっていく、その他あらゆる角度から交通を円滑に流して、そうしてまた安全に
流れる、こういうことを中心に
考えるべきもので、そういう観点から検討をしておるわけです。
そこで具体的に、まず大阪で案を出しておりますものを申し上げたいと思います。
この案につきましては、一番最初に案ができまして、直ちに大阪府会の警察担当の常任
委員会にも諮って、さらに関係行政機関にすべて
説明をいたし、さらに
労働組合の方にも
説明するとともに、関係業界についてはすべて漏れなく
説明をいたしました。その他大阪府が設置しております有識者等をもって組織されておる交通懇談会というふうなものにもかけ、あるいは府及び市の商工会議所にも諮る、こういうふうな、あらゆる関係機関または団体にこの案を示しまして
説明して、さらにこれについて
意見がある場合にはどんどん申し出ていただきたい。場合によれば対案を示していただきたいということで、現在それを求めておるところでございます。従いまして、きのうさらに大阪府の方に私聞きましたところ、きよう御
説明申し上げる案とさらにだいぶ変わった形になるやに聞いておるのであります。変わった形といいますのは、どういうふうに変わるかは、それぞれの関係方面から出てきた
意見を調整した上で変わるものと思いまするが、その
内容につきましてはまだ私詳しく承知いたしておりません。
これは大阪の市内地図でございますが、非常に小さいので見にくくて申しわけないんでございますが、今大阪が
考えております規制を申しますと、この大阪駅前のところでさらに淀川がありまして、この川からこの青でしるしをやっておりますところ、この中には全部——これはよくおわかり願えないと思いますが、各道路につきまして交互に全部一方通行にいたしております。これは現に実施いたしておるところであります。それから、その他一部こういうところに一方通行道路を設けておりますが、これらの一方通行道路を若干増加していくという
考え方を持っておるわけであります。それからこの中におきまする駐車禁止は、すでに一部についてやっておりますが、一方通行にいたしておりまするところは、大阪は非常に路上面積が少ないために、車の持って行きどころがございませんので、一方通行にしておる道路は、原則的には車の駐車を認めておるようであります。その他のこういう茶色の線を引きましたような路線につきまして駐車禁止を今後していきたいという
考えのようであります。それからごく一部でありますが、こういうふうなところに
関連する場所におきまして、歩行者の安全をはかるために、幾分歩行者には迷惑がかかりますが、場所によりましては歩行者の横断禁止地域も設定するというふうな
考えも打ち出しておるようでございます。
そこで、今一番問題になっておりますのは、大型の貨物自動車の通行制限、それから長大物件を乗っけた車の通行制限というものが問題になるわけでございますが、この地図で申しますと、御道筋という、大阪では割合に条件のいい道路があるわけでございますが、これは非常に交通量が多くて、しかも混雑をいたしております。そこでここを
通り抜ける形の五トン以上の大型の貨物自動車の通行を午前八時から夕方の八時まで制限する。それから、この南北線で
中央郵便局前から肥後橋までの間を同様に制限する。ただし、いずれも路線バスは除いておるわけでございます。それから赤で斜線を引いております区域、具体的には大阪のおもな問屋街になっております道修町、あるいはこっちの方が料理屋、飲食店街になる宗右衛門町、こういうものを結びますこの区間につきまして、東西にわたりまして二本の幹線道路及び準幹線道路、それから南北にわたりまして五本の幹線道路または準幹線道路を除いて、朝八時から夜八時までの大型貨物の乗り入れを制限する。ただし、路線を定められて連行しておる路線トラックは、この地域についても除く。こういう案であります。それからその下の方の、結局、宗右衛門町の料理屋、飲食店街からこの黄色でマークしました部分は、タクシーの流しを禁止して、必要な個所に駐車場を設定して、車の通行の緩和をはかる。
こういうのが、現在大阪が
考えております主たる規制の問題です。それから十二メーター以上の長大物件を積んだトラックの通行を、こういう
範囲で大阪の中心街の線を時間制限する、こういう
考え方であります。今まで私が聞いておりますこの案に基づく修正
意見としては、こういう場合の制限の時間をさらに検討しまして、ラッシュ・アワーのような時間になるたけ縮減していって、時間制限をできるだけ少なくする。それから、広い地域にあるものをもう少しぐっと圧縮するというふうなことを、各方面からの
意見を参考にして、今修正の検討をいたしておるということであります。大体、大阪の規制
内容のおもな点は、以上のような点でございます。
そこで、ちょっともう少しつけ加えますと、大阪で事情を聞いてみますと、なぜあの赤のところをそのいうふうな措置をとるかという点を聞いてみますと、先ほど申しました東西二本及び南北五本でございますか——の道路を除きますと、大体道路幅が六メーター前後の幅で、しかも駐車を、そこで一方通行にしておりますために、認めざるを得ない状況でございまして、有効利用がほとんど四メーター以下になるようでございます。しかも、そういう狭い道路の交錯する交差点が非常に多くて、その交差点を回るのに二回ないし三回ハンドルを切らなければ回れないという状態のために、非常にそこが渋滞の場所になってくるというふうな実態に着目して、検討を加えたように伺っておるのであります。