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岡本(隆)
分科員 これはあなた方の非常な決意を持った御協力のない限り
大臣の夢に終わりますから、そういうことを懸念するので、しかと念を押した次第でございますから、
一つその点はお忘れないように、これは
日本の国民全体にとって、
日本の社会保障
制度をりっぱなものにするためには、どうしてもこういうことを決意を持ってやっていただかなければならぬと思うから、私は念を入れて申し上げるので、その辺、御理解を願いたいと思います。
そこで問題は小さな雑件に入っていきますが――それよりも、もう
一つ大きな問題があるのです。
先ほど
厚生大臣はいろんな問題を、
医療費問題は
軌道に乗せてもらいたい、筋を通してもらいたい、だから中央
医療協議会にかけた方がいい、こういうようなことをおっしゃっていました。しかしながらそれと同時に、中央
医療協議会を
改組したい、こういうような御意向が発表されたわけです。中央
医療協議会がどのようなものでなければならないかという性格の問題になります。私は、
厚生大臣が絶えず筋を通そう、中央
医療協議会で話し合おうじゃないですかといつもおっしゃっている言葉を聞いて、そういうこと自体が筋が通らないのだ、こう私は思っているのです。それはどうしてかといいますと、中央
医療協議会がもはや公正な
医療担当者の処遇をきめる場でないということは、三年も四年も前からいわれておるのです。私もかつてたしか健康
保険法の
改正のときだったと思いますが、私は本
会議でもって岸総理に、公正な
医療担当者の処遇をきめる場は中央
医療協議会のような場ではだめだ。各界のそれぞれの利害の
担当者が集まって、そこでわいわいがやがやけんかするような場であっては、結局その多数決は
ほんとうの正しい多数決というよりも、ねじ伏せの場になるのです。だから、そういうようなところでは正しい
医療費というものは出てこない。しかも適正な
医療費がきめられなかったということが今日このような
医療の混乱の原因になっている。これはもう数年前から指摘されているのです。中央
医療協議会はだめだ。だから公正なそういうふうな
医療費をきめる場というものを作らなければならない。それにはやはり純粋に第三者の立場に立って、しかもいろいろな科学的な基礎を築き上げて、その上でもって適正な
医療費というものをきめるために、人事院のごとき性格を持った全くの公正な機関を作らなければだめだということを私は本
会議で言ったのです。岸さんもそのときにはいかにもその通りだと思う、だから、早急にそういう機関を作りたいと思う、こういうようなことを本
会議の席上で
答弁しておられる。委員会でも私はそういうことを何べんか歴代の
厚生大臣に申して参っております。そういうことが絶えず指摘されておりながら、そういうふうな公正な
医療費の決定機関というものが生まれてこなかったところに今日の混乱の原因がある。だからそれは、厚生省は監督者であると一緒に
保険者なんです。二重の性格を持っているから、そういうようなことにすら熱意を持たない。
保険者としての立場なら、やはりできるだけ
医療費を低くしておきたいというふうな、公正なということよりも
保険財政とにらみ合わせた上での
医療費というようなものにこだわって、公正さというものをまず第一に置かない。これは高くも低くも、公正なものであれば、
医療担当者もそれに従わなければならない。しかしながらそれが、人事院のごとき全く離れた特別な機関でそういうものが作られないところに、やはり
保険者としての
考えがその中に入ってくるから、
医療費というものが混乱を招くようなことになってくる。だからそういう適切な機関を作らなかったということは歴代の
厚生大臣の
責任です。あなたの
責任じゃないですがね。しかしながら厚生省は、
自分の今までやってきた怠慢をたなに上げて、昔のままの古います、それはたががはずれてしまって、じゃあじゃあ漏るような、そういう古いますを持ち
出して、それではかろうじゃありませんか。筋を通して、ますではからなければものはわからないから、
一つこのますではかろうじゃありませんか。こういうふうなことをあなたが幾らおっしゃっても、それはきわめて筋の通らない話なんです。だから、今中央
医療協議会の
改組というものを持ち出されたことは、これは私はあなたの御明察の
一つだと思う。しかしながら、その中央
医療協議会というものも、ただ単に人的構成をいじるというような程度のものであっては、それは五十歩百歩です。そんなものは、各利害
関係者が寄って、そこでまた公益
代表というようなものがあっても、公益
代表はだれが選ぶのかといったら、
保険者である
厚生大臣が任命するのでしょう。任命されたら、やはり多少光栄にも感ずるでしょうし、あるいは中央
医療協議会の委員はある程度の手当も出るかもしれない。そういうようなことから幾分やはり
厚生大臣の顔色を見るということもあり得ると思う。だから全く公正な機関というものはやはりもっともっと機構的に構成しなければならぬ。しかも独立したビューローを持って、みずからの手足をもって、適正な
医療費を算定して積み上げていく、こういう機関を作る。また
医療費というものは今だけの問題じゃない。今
解決しても、また物価の変動とともに絶えず問題がある。だから恒久的にして、これほど国民の健康というものに大きな影響のあるもの、しかも一切の現在の経済というものは自由主義経済で、統制というものはないのです。その中で
医療機関だけが統制を受けるのです。そのことについては
医療担当者は非常に不満を持っているのです。その不満を押えるためには、やはり公正にあなた方の給与はきめられておりますよと言えるようにしなければならぬ。公務員はそういう
意味においては、公務員たるゆえをもって思うように給与が上がらない。不満を持ってはいかぬからというので人事院がある。だからそういうような機関を作らなければならないと私は思っているのですが、
一つ大臣のお
考えを承りたい。