○川俣
委員 農林大臣の示唆を受けての御
答弁だとすれば、農林大臣は米価の上がることをおそれて作業を変えるという意図があるから、そういう耳打ちをしたものと理解をいたします。(
池田(勇)
国務大臣「何も聞いておりません。」と呼ぶ)そう断定してかかります。(重政
委員「食管法できめておる
通りだ」と呼ぶ)せっ
かく重政さん、食管法できめておる
通りだということになりますれば、今日の作業を取り上げるという自民党の中にも御意思があると理解いたしまして次に移ります。
次に、基本法の中に一つ欠けておるものがあるとお気づきになっておると思うのです。この点について触れたいと思います。それは
生産構造についてはいろいろと
検討を加えられた
方針が出ておりますが、消費構造と申しますか、需要構造については何らの
検討が行なわれていないのです。ところが大臣、今度洋行されればわかりますが、
アメリカにおきましても小麦の需要構造、消費構造についていろいろな研究がなされております。これは
アメリカばかりでない、欧州においてもなされておる。
日本は米麦というと、粒で食うか粉で食うか、粒食か粉食より方法がないような
考え方を今もなお続けておられる。ところがヨーロッパに行かれましても
アメリカに行かれましても、粒食と粉食の食い方があるなんていっても、これは理解しませんよ。中国は幾らかそれがありましょうが、あとほかの国では粒食、粉食というような理解はないのです。御
承知でもございましょうが、大体
世界的に穀物の食い方といたしましては四色に分かれておるようでございます。一つはかゆにして食うという食い方、おかゆです。英国のオートミルのようなものが穀物の発生の過程のようです。次が焼いて食う、粉を焼いて食うといういわゆるビスケットのようなもの、あるいは
日本でいうともち菓子であるとかというやり方、次にパンであります。第四に醸造飲用酒、これが穀物の食い方の四つの
世界的な一つの分類になるようでございます。
日本は米というものはたいて食うものというけれ
ども、
日本のうどんあるいはそばもまた、かゆのうちの一つに入るのだという学説さえ行なわれておる。時間がないので詳しく申し上げませんが、そこで、ポーリッジといいますか、オートミル・ポーリッジ、あるいはフラットブレッドというのはビスケットだ。それからソ連のカーシャというのは、これもまたおかゆなんです。そういうふうに食い方が国によってもいろいろ違う。発生によって違っている。それを
日本は米というものはたいて食うのだ、こういうことだけで消費構造は将来どうするのだということに対しては何ら
検討がない。また農林省は
——これは聞いてほしい。
今後大麦は食わなくなって小麦を食うのだと言いますけれ
ども、だんだん
先進国はむしろ小麦を食わなくなってきている。
アメリカの統計を見てごらんなさい。これを一つ例を申し上げましょうか。
世界を四つの型に分類いたしまして、A型、これは減少型といわれておりますが、
先進国に属する国でオーストラリア、カナダ、
アメリカ、ベルギー、ルクセンブルグ、フランス、スペイン、スイス、イギリス及びエール、ニュージーランドの十一カ国が、これが小麦の減少型でございます。それからB型といわれるのは中間型でございまして、大体
伸びもしなければ減りもしないというのが、デンマーク、フィンランド、ドイツ、オランダ、ノルウェー、スウェーデン、この六カ国は小麦が主食だが、そのほかにライ麦やばれいしょの比重がかなり高い国で、戦争でかなり減少したけれ
ども、大勢としてはふえている。しかしあまり
伸びるような傾向も減退する傾向もないような型をB型といわれておるようであります。これは分類の仕方です。C型が今後幾らか
増加する型でございまして、小麦が主食として圧倒的に多く、ますますその比重を高めている国として、アルゼンチン、ブルガリア、ハンガリー、ルーマニア、ユーゴスラビア、チリ、ウルグァイ、ギリシア及びイタリアの九カ国、
日本はD型の範疇に入るそうでありますが、小麦以外の穀物が主要な地位を占める諸国で、一人当たりの小麦の消費量はA型、B型、C型に比べて少ないけれ
ども、幾らか今後消費量がふえる国の中に仏領モロッコ、チュニジア、ポーランド、ポルトガル、エジプト、インド、このエジプト、インドと並んで
日本が入っておるというので、これから幾らか
伸びる方向にはありますけれ
ども、エジプト、インドよりも文明が進むといたしますならば、蛋白質の方へ参りまして、穀物の消費が減ってくるというのが
世界の食物の大勢でございます。それを一方酪農だ、鶏卵だということで、蛋白質を多く食わせるような
状態を作り出す
生産を進めて参りまするならば、小麦の消費量というものは変わってこなければならない、
見込み違いがくるのではないかと思う。そこでやはり一番
生産性の高い大麦の消化のことについてもこれは
検討していかなければならぬじゃないか。適しない、経費をかけて、しかも小麦のごときは雨にたたかれますとくず小麦が出まして、これは食糧にならない。えさにはなりますけれ
ども、食糧にならない。大麦が割合対抗力を持っておる、
日本の国土に向いたものです。しかも
生産性の高いものをやめるというのはどういう
考え方なんですか、詳しいことは別ですよ。
総理にそのくらいのことなら御
答弁できるということで一々お聞きしておるのですが、どうです。