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永井委員 私は、電力料金の問題については値上げの問題からずっと知っておりますし、アンペア制に切りかえて、
計算の単価をずらして、前のものと比較できないような形においてごまかして値段を上げておる。あるいは冬料金の高い料金から夏料金に切りかわる時期に、従来ずっと高い料金を納めてきたのに、その高い冬料金のまま夏料金に滑り込んで
消費者をごまかしておる。こういういろいろなやり方等をもっとこまかく時間があれば申し上げて話し合いをしたいのでありますが、これだけではありませんから、なおあとにたくさん質問を控えておりますので、これを省略いたしますが、何としても電力の
関係については、これは外からなかなかわからない。それから原価
計算の方式なんかもなかなかむずかしくて、しろうとにはわからない。こういうややこしい形を通して質の悪い
電気をごまかしてなにをしている。質の悪いあるいは質のいい電力ということを申しましたけれども、われわれの
家庭に送電されている電力が、はたして約束
通りのものが約束
通り来ているかということについては、問題があると私は思うのです。そういう点は
関係の行政庁が、ちゃんと
消費者の代理としてこれを管理する
役割があると思うのであります。
電力の問題についてもう
一つ伺いたいのでありますが、公益事業でありますから、また
電気の性質上これは生活必需品であると私は思うのであります。この生活必需品が公益事業として地域独占を認めさせている以上は、その地域については、公益事業としての公的な任務があると思うのでありますが、たとえば農村電化のような場合、不採算であるからここは引かない、こういうようなことを平気でやっているわけです。たとえばこういう
関係については農林省が補助を出しております。確かに二万円前後の補助は出ております。しかし電灯が普通の
状態でつかないような地域というものは非常に不便なところで、生活の
条件からいえば、開拓農民その他食うや食わずの人々が住んでいる地帯、そういう地帯に電灯を
一つつけるのに十五万、二十万の自己負担をしなければ電灯がつかないという
状態になっている。それに対して二万円前後の農林省の補助があります。この補助だって、農家のふところに入るのではなくて、農家のふところを通して
電気会社の方に吸い上げられるのでありますから、
電気会社に対する間接補助といってもよろしいと思うのであります。農家に対する補助ではありません。これは十五万、二十万の負担をするのであります。その負担をさせた上に、お前のところは単価が高くなるからといって、普通の
家庭電力よりも五割も六割も高い電力料金を取っておる。農林省から補助を受けて十五万、二十万の電灯をつけた施設は、自分たちで電柱を山から切り出してきて、規格
通りのものをやるというような形においてやりますけれども、これが十年、十五年たちますと、施設が腐朽してくる。施設を交換しなければならぬ。これは今施設を更新しなければならぬという時期にだいぶあちこちでかかってきているわけです。そうしますと、五十戸、六十戸の
一つの部落がこの送電施設を自分の負担で更新しなければならないために、一千万、一千数百万円という負担をしなければ電灯
一つ引けない、こういう
状態に放置しているのですよ。今問題は、二万円の補助があるからというので、とりあえず二十万前後の負担なら借金してもということでやりますけれども、この一千万、一千四、五百万という施設を自分たちの負担で更新しなければならないとしたら、これは大へんなものです。この
状態が放置されているのです。こういう公益事業というものがありますか。こういうような
状態が
現実にあるのです。そうして一方においては、先ほど
家庭電灯が、これはいろいろこまかく分けるから、設備がかかるからというけれども、各
家庭における
消費量というものは単価がうんとふえていると思うのです。原価
計算を出したときには、うんと会社においては有利な
条件で推移していると思うのです。こういう貧しい農民を切り捨てて、しわ寄せを全部ここに置いて、大企業が採算的に成り立つような
条件ばかりを電力料金で値上げをしていくというやり方は、私はどうしても納得できない。この点は、技術的な
内容については
農林大臣、
通産大臣から承りますし、電力料金のあり方について、基本的な態度については
総理大臣から伺いたいと思います。