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飛鳥田委員 それでは時間もありませんから、間接侵略の話はこの程度にして、また
あとで伺うことにしますが、直接侵略の問題について、さっき申し上げたように
自衛隊はどう対処なさろうとしておるのか、こういうことを私
たちは一つも聞かしていただけませんので、まあわれわれはわれわれなりに想像をするより仕方がありません。一体直接侵略の任務ということについて、
自衛隊が今までどう
考えてきたかということを見れば、これは子供でも北海道と九州に集中をしてきたという事実を見のがすわけにはいかないわけです。一体それは何のためだろうということも
考えざるを得ません。いずれにせよそういう
意味で一番集中度の強い北海道を見ますと、北海道では毎年
演習をやっていらっしゃるわけです。しかも大
演習というものは、みなと言っては語弊があるかもしれませんが、ほとんどその大
部分は北海道に集中なさっていらっしゃるわけです。たとえば
昭和三十三年十月十七日から六日間、さらに三十二年十一月二十六日から三日間、あるいは三十年十月十日から三日間、こういうようなことをみなやっていらっしゃるわけです。三十四年にもやっていらっしゃる。北部方面隊特科
演習、第七混成団秋季
演習、第五管区秋季
演習、こういうことをしげくやっていらっしゃるわけです。なるほど北海道と九州に集中をし、そして北海道でそのような
演習をたくさんやっていらっしゃるという事実は、
自衛隊が何を
考えているかということを想像するにかたくない事実だろう、こう私
たちは
考える。そうして
自衛隊の直接侵略というものに対するかまえというものを、私
たちはこの中で見ざるを得ないわけです。こうした場合にそれでは一体どんな
演習をやっていらっしゃるだろうかと調べてみますと、私
たちにはよくわかりませんが、その表題としては上陸及び反上陸
演習、こういうようなことをやっていらっしゃる、こういうこともわかります。その一例をあげてみますと、根釧原野に対して何個師団が空艇隊を先頭にして上陸してきた、これをささえ、水ぎわに追い込み、追い落とすまでの
演習をやるだろうということも、新聞等で拝見するわけです。この場合に、もう私は仮想敵がだれだなんてやぼな
質問はしません。一体そういう
演習の中で想定をなさる場合に、上陸してくる敵軍はどのような兵站線を持ち、どのようなところからやってきたのだという想定なしに、ちゃんとした
演習はできないはずです。
演習は少なくとも彼我の兵站線というものを
考えないわけにいかないでしょう。また来た部隊は、全然空中からの援護なしに来たという想定もナンセンスでしょう。ですから、どこからか空中援護を受けるものという御想定があったはずです。こういう点は一体どのように想定なすっておやりになっておったのか。もう仮想敵がどこだなんということを
言葉としては伺いません。しかしそういう事実を一つ伺わしていただいて、直接侵略というものに対してどう皆さん方が対処しようとなすっていらっしゃるのかを、明らかにしていただきたいと思います。