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飛鳥田委員 もう
大臣に先手を打たれてみんな私の言いたいことを言われてしまったのですが、ともかく同時にまた
科学技術
会議の幹事も
関係行政機関の職員が全部握る、こういうことになっておるはずです。この点も事務局の問題と同様な
意味を持っていはしないだろうか、私はこういうことを
考えるわけです。たとえばこの
科学技術
会議の分科会に出ていらっしゃる
専門委員の先生方に伺ったりいたしますと、第一
専門委員の人選それ自身が事務局から出てくる。すなわち
日本学術
会議というちゃんとした
会議がありながら、その中から
官僚の方々が自分の思うがままの先生方をひっこ抜くという弊害が出ている。また
会議に行っても、その日に議題を配付されて、勝手なことを言って帰ってくるよりしようがない、こういうようなことをおっしゃる方もあるわけです。なるほど報告書を見ますと、各先生方の独自の
意見がばらばら木に竹を継いだようにちりばめられてはおりますが、総合的な討論として確定したようには私
たちしろうとが見ても見えないわけです。そういうようないろいろな弊害を、この事務局を
計画局に置くということ、さらにはまた幹事を
関係行政機関の職員が握っていくということ、そういうことの中に発見していいのじゃないかと思うのです。この点は
大臣、私の
意見に賛成の模様ですから、至急是正をしていただきたいと思います。よその官庁の
意見を絶対聞いてはいかぬなんというのは、私はあまり賛成いたしません。
一つぜひこの事務局問題と幹事問題だけはお改めいただくようにお願いしたいと思います。
そこでそれの非常に大きな弊害として現われているもの、そういうものを実はこれを読んでいるうちに感じたわけです。たとえば一号
答申を拝見いたしますと、「三、方策策定の構想と課題」という項目があります。この中に「十年間における社会経済活動と密接な関連のあるものを所得倍増経済
計画達成のためのうらづけとして設定し、」こう書いてあります。すなわちこの一号
答申には、この基礎をなすものとして
池田さんが発表をなすった所得倍増
計画というものを採用しているわけです。所得倍増
計画に基礎を置いて書いてあります。ですが、この一号
答申が各分科会の
意見を集約なすったのは、昭和三十五年八月三十日、ここで内容が確定されているわけです。この八月三十日というのは
池田総理
大臣が登場して何日目ですか。そして
池田総理
大臣が所得倍増ということを
内閣の政策として発表なすってから何日目ですか。おそらく一週間か十日しかたっていないですよ。一週間か十日しかたっていないものが、直ちに十年後を目標とする
科学技術振興の総合基本方策の基本にいつの問にか入ってきてしまうということは、一体どういうことでしょうか。なるほどこういうふうに伺いますと、きっとあなた方は、経済企画庁に経済規模倍増
計画というのがあった、こうおっしゃるでしょう。ですが、企画庁が内々に進めてきた経済規模倍増
計画の基本構想というものは、まだオーソライズされていないわけです。これは企画庁の内部企画にすぎない。総理
大臣によってはっきり打ち出された国の政策ではないのです。従ってそれがこの
科学技術
会議の
答申の基本になるということは、あり得ないでしょう。従って経済企画庁と連絡をとりながら、経済規模倍増
計画に基礎を置いたのだという御説明は、何ら説明になりませんよ。それはあらかじめお断わりしておきます。しかも経済規模倍増という言葉と、所得倍増という言葉は、経済学的には全然異質のものです。範囲が違うはずです。この点もきちっとお
考えに入れて、なぜ八月三十日にもう分科会の報告が全部集まって実質的には内容が確定したものが、たった一週間か十日のうちに
池田さんの政策を取り入れて、十年間の基本政策をお引きになったのか、それほどそそっかしい作業が行なわれていいのか、こういうことを
一つ伺いたいと思います。しかし私は別にあなたを責めているわけではありませんよ。と申しますことは、そういうことは何もかも事務局をあなた方
計画局が握っているというところに、そういうすりかえの手品があるのじゃないかと思いますので、その点に重点を置いて伺っているのです。