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赤羽説明員 防衛庁の
会計課長でございます。お手元に配りました「
昭和三十六
年度防衛庁予算要求案の大要」について御
説明申し上げます。
まず一ページをごらんいただきますと、
防衛関係費の
推移表という表がございます。これは
あとに御
説明申し上げまして、二ページを開いていただきます。そこに
昭和三十六
年度と三十五
年度との対比を行いまして、
防衛庁費、三十六
年度歳出予算が
組織別にあがってございます。三十六
年度の
歳出予算の
合計額、一番下の
合計欄をごらんいただきますと、千七百十七億一千六百万円でございます。これは
昭和三十五
年度の千五百十六億三千七百万に比較いたしまして、二百億七千九百万円の増に相なっております。
増減の伸びを
パーセンテージにいたしますと、約一三%ということに相なっております。
この千七百十七億一千六百万円の
防衛庁三十六
年度歳出予算が、
国民所得、
一般会計歳出規模に比較いたしまして何%に相なるかというのが、最初の一ページのところでございます。一ページの表をごらんいただきますと、まず一番上の欄に
防衛関係費とあがってございます。今まで
防衛関係費もしくは
国防費総額と申し上げておりますのは、
防衛庁費それ
自体と、そのほか
防衛支出金を合わせまして、
防衛関係費と申し上げておるわけでございます。それから
国民所得の
数字があがっておりまして、
一般会計歳出の
規模があがっておるわけでございます。その次の
パーセンテージをごらんいただくわけでございますが、
C分のA、つまり
国民所得に対しまして
防衛関係費が何%に相なるかという
数字が、三十
年度からずっとあがっておるわけでございます。三十六
年度のただいま申し上げました
防衛庁費千七百十七億と、それに
防衛支出金の六十億と合わせまして千七百七十七億という
防衛関係費が、
国民所得に対しまして
昭和三十六
年度においては一・四三%に相なっております。三十五
年度におきましては一・三九%に相なっておるわけでございます。次に
一般会計歳出と
防衛関係費の
規模におきましては、三十六
年度におきまして九・一〇%、三十五
年度におきまして九・一六%ということに相なっております。次に
防衛庁費それ
自体と
国民所得及び
一般会計歳出との
比率でございますが、三十六
年度におきまして一・三八%でございます。三十五
年度におきましては一・三四%、
一般会計歳出に対する
防衛庁費それ
自体の
比率といたしましては、三十六
年度が八・七九%でございまして、三十五
年度が八・八一%ということに相なっております。なおここに使用いたしておりますところの
国民所得の三十五
年度並びに三十六
年度の
数字は、昨年暮れ経済企画庁におきまして「経済の見通し」というのを発表いたしました。その中で使用いたされております
数字をそのまま使っております。毎年の例によりますと、その後
国民所得の
数字が変わる
可能性がございますので、その点お含み置き願いたいと思います。
それから三ページをごらんいただきます。三ページには
国庫債務負担行為の
総額が出てございます。一番下の欄をごらんいただきますと
昭和三十六
年度におきまして二百四十九億三千五百万という
数字に相なっております。この
数字は先ほど
長官から御
説明申し上げました
国庫債務負担行為の
数字とは違っております。これは対前
年度の比較上、
国庫債務負担行為の後
年度の
負担分だけをここに書いてございまして、
当該年度の
歳出分を含めました
金額を合わせて書いてございませんので、その点お含み置き願いたいと存じます。
昭和三十六
年度二百四十九億三千五百万円の
国庫債務負担行為と相なっております。
昭和三十五
年度におきましては九百十八億六千五百万円、
差引増減六百六十九億三千万円ということに相なっております。これは御存じの
通り昭和三十五
年度におきましては104
関係の
国庫債務負担行為がこの中に大部分を占めておりますので、それを差し引きますと、
昭和三十五
年度におきましては二百三億一千二百万というような
数字に相なっておるわけでございます。
次に四ページでございますが、そこに
継続費の表がございます。
昭和三十六
年度新たに
継続費として要求いたしておりますのは、下の方の欄でございます(2)の
新規分としてございます。そこのところが
昭和三十六
年度の新しいものでございます。三十六
年度の
乙型警備艦建造費といたしまして
総額四十億七千九百万円、
昭和三十六
年度潜水艦建造費といたしまして三十五億一千二百万円、合わせまして七十五億九千万という新しい
継続費を要求いたしておる次第でございます。
次に五ページをごらんいただきます。そこに
定員関係の表が
組織別にあがっております。一番左の欄に
昭和三十五度末
予算定員というのがございまして、
まん中の欄に
昭和三十六
年度増勢定員というものがございます。一番右に
昭和三十六
年度末
予算定員という表になっておるわけでございます。三十六
年度の
増勢分を見ていただきますには、
まん中の欄の一番下を見ていただくわけでございます。
自衛官と非
自衛官と両方合せまして一万三千五百三十六名ということに相なっております。その上にちょこっと△一名というのがありますが、これは外務省へ振替をいたしまして海外に駐在する
自衛官の分を差し引くわけでございまして、従いまして
純増分といたしましては一万三千五百三十五名ということに相なっておるわけでございます。
六ページをごらんいただきますと、以下——ただいままでは総体的な御
説明であったのでございますが、三
自衛隊別にその
重点事項を書いてございます。読みながら御
説明いたして参ります。
4
予算要求の
重点事項 三十六
年度の
予算要求は、
業務計画の
方針にのっとり、
下記諸点に
重点を置いた。
(1)
陸上自衛隊、(イ)
防衛力及び
警備力の
向上をはかるため現在の六個
管区隊、四
混成団を
昭和三十六
年度—三十七
年度の二カ
年度にわたり十三個
師団(仮称、以下同じ)に
改編する。
うち昭和三十六
年度においては、北部、東部、
中部方面隊の四個
管区隊、一個
混成団を
師団八個に
改編するということに相なっております。
(ロ)
自衛官千五百人の
増員と
既存部隊の
改編による千人とをもって
施設部隊の
拡充をはかり、
施設作業能力を
向上して
民主協力に資する。
自衛官千五百人の
増員を行っておりますが、その
内容といたしまして
地区施設隊が五、
施設大隊が一、
建設大隊が二と書いてございますが、この千五百人の
増員をもって行ないます
建設大隊の増設は二のうち一でございます。その一が七百三十名をもって
編成をするということになっております。
あとの一の方は
既存部隊の
改編による千人をもってというのがございます。そこから生み出されるわけでございます。従いまして千五百人の
増員をもって行ないますのが、
地区施設隊五の五百名、
施設大隊一の二百七十名、
建設大隊一、七百三十名、これが千五百人の
増員をもって行なわれます。
あと千人をもって
編成いたされますのが
建設大隊一とそれから
ダンプ車両中隊と、それから若干ほかに
車両の
整備要員等を含めまして、千名をもって
施設部隊の
拡充をはからんといたしておる次第でございます。
その次に
予備自衛官二千人を
増員する。
予備自衛官といたしまして現在
法律定員は一万五千人ということに相なっておるのでございますが、三十六
年度におきましてさらに二千人を
増員することといたしまして、三十六
年度末人員一万七千ということにいたしたいと存じております。
(ニ) 前
年度に引続き第七
混成団の
機甲化を推進し、あわせて
装備の
充足改善をはかる。
混成団機械化といたしまして、
昭和三十六
年度十七億七千三百万、カッコして十五億三千九百万という
数字がございますが、これは
国庫債務負担行為でございます。
部隊装備の
充実といたしまして、八億六千五百万円の
歳出、七億二千万の
国庫債務負担行為、合わせまして二十六億三千八百万円の
歳出予算、二十二億四千九百万円の
国庫債務負担行為を要求いたしておる次第でございます。その
内容につきましては次に書いてございますが、この
混成団の
機械化の方におきましては、中特車十両、装甲車三十両、その他ということに相なっております。
一般の
部隊装備の
改善充実の方におきましては、百六ミリの無
反動砲、これは対
戦車砲でございますが、ジープに載せます百六ミリの無
反動砲、これが百門、それから
ヘリコプターH—19これは
中型でございますが、これが三機、それから
H—13、これは小さい方でございますが十六機と相なっております。合わせまして八億六千五百万円の
歳出、七億二千万円の
国庫債務負担行為ということに相なっておるわけでございます。
次に(ホ)
弾薬の
国内調達を推進する。三十六
年度十四億六千四百万の
歳出と、五億九百万の
国庫債務負担行為ということに相なっております。
弾薬につきましては、毎年その
年度の訓練射耗を調達するということにいたしておりまして、毎
年度ほぼこの程度の
予算を要求いたしておる次第でございます。
トン数にいたしますと、その下に書いてございますが、三十六
年度のところを見ていただきますと、
実包類と
空包類ということに分かれておりまして、
実包類のところの
数字が十三億三千万というのがあがっておりますが、これが
金額でございます。
空包類の一億三千四百万、これも同じく
金額でございます。その横に書いてございますのが
トン数に相なっておりまして、
実包類が九百六十九トン、
国庫債務負担行為が四百十二トン、
空包類が二百十八トン、合わせまして千百八十七トン、
国庫債務負担行為のものが四百十二トンでございまして、合わせまして千五百九十九トンという
数字に相なっておる次第でございます。これに対しまして
昭和三十五
年度におきましては、
金額にいたしまして
実包、空包両方合わせて十億九千九百万円、
国庫債務負担行為が三億六千万円、
トン数にいたしまして千五百十九トンということに相なっておる次第でございます。
次に
海上自衛隊でございます。(イ)三十六
年度就役艦の
海上要員、
航空機の
増強に伴う
航空要員及び
後方、
補給教育要員確保のため、
所要の
自衛官及び非
自衛官を
増員する。そこに
陸上要員、
海上要員、それから
海上要員に対する
予備員、
航空要員、
付属機関というように分かれておりますが、
自衛官と非
自衛官とを合わせまして、一番右の欄でございますが、
自衛官が四千四百三十一名、非
自衛官が一千二百四十九名、合わせて五千六百八十名の
増員を要求いたしております。
その次に
艦船建造でございますが、(ロ)
艦艇建造については、
老朽艦の
除籍計画に基づく
計画的代艦確保を
主眼として、特にその
性能向上に留意し、
警備艦、
潜水艦、
駆潜艇、
掃海艇——「等」が入っていると存じますが、「等」を消していただきます。掃海艇の
建造に着手するということに相なっております。
昭和三十六
年度におきましては、
乙型警備艦二隻、
トン数にいたしまして二千九百トンであります。二千九百トンというのは二隻分でございますので、一隻分は千四百五十トンだということに相なっております。大型
潜水艦一隻千五百トンでございます。それから
駆潜艇二隻、
トン数にいたしまして九百トン、一隻四百五十トン、それから
中型掃海艇二隻、
トン数六百八十トン、一隻三百四十トン、
合計いたしまして七隻でございます。
トン数にいたしまして五千九百八十トンでございまして、総計の
金額が九十八億一千七百万円ということに相なっております。そのうち三十六
年度の
歳出分といたしましては、十八億八千二百万円ということに相なっております。三十五
年度におきましては、隻数はことしと同じく七隻でございますが、
トン数は八千四百六十トンと上がっております。それはこの中身をごらんいただきますと、給油艦という船がおしまいの方にございます。これが一隻で三千五百トンという大きな船でございますが、これは
建造単価が安くて
トン数が多いという船でございます。従いまして隻数は同じで
トン数が上がっておりますが、
金額は下がっておるという格好に相なっております。三十五
年度で八十九億三千万という
数字でございます。八十九億のうち、
当該年度の
歳出が十五億七千三百万ということに相なっております。
九ページをごらんいただきますと、上記の結果、三十六
年度末保有及び
就役艦艇は下記の
通りである。そこに
保有艦艇と
就役艦艇と二つに分けてございます。
保有艦艇の方は三十六
年度末において現実に就航しているいないにかかわらず、
建造中のものを含んで、要するに
予算がついておるというものの隻数は全部合わせておるわけでございます、
保有艦艇の方で見ますと四百七十六隻でございまして、
トン数は十四万二千七百四トンということになっております。一方現実に三十六
年度末に動いている船は何隻かと申し上げますと、四百六十四隻でございまして、十三万一千六十四トンということに相なっております。
その次に(ハ) 既定計画によりP2Vの
生産を行なうとともに、引き続き対潜
ヘリコプター等の
増強と
練習機の更新に着手するということにしております。P2Vは御存じの
通り昭和三十三年から
生産準備に入ったものでございますが、三十四
年度三機、三十五
年度十機、三十六
年度十四機、三十七
年度十五機の
生産計画をもって順調に
生産を行なっております。三十六
年度分といたしまして、P2Vの
関係が四十九億六百万、国庫債務負担金が六億九千二百万ということに相なっております。その他というのがありますが、その他と申しますのは
練習機の更新でございます。ただいま海幕におきましてはSNJという初級の
練習機、それからSNBという中級の
練習機、ともにアメリカからもらったものでございますが、だんだん古くなって参りますので、その更新を考えております。SNJの更新といたしましてはKM2という国産の
練習機でございますが、これが十機、それからSNBの、中級の
練習機の更新に対しましてはB65、これはアメリカから輸入いたす輸入機でございまして、これが三機と、その他
ヘリコプターが若干入っているわけでございます。上記の結果、三十六
年度末保有及び就航
航空機数は、下記の
通りとなる。保有及び就航の観念は艦艇と同じでございます。保有機数二百五十八機、それから就航機数が二百二十三機ということに相なっております。
十ページを開いていただきます。(3)
航空自衛隊、(イ)
防空能力等を強化し、各
航空団の配置と
指揮機能の
適正化をはかり、警戒管制
機能の全面的引き継ぎと相待って、全国
防空警戒態勢の
基盤を概成するため、
西部航空方面隊の
編成、
航空団二、偵察航空隊一の新編、及びこれ等
部隊の
後方支援能力を強化するため第一補給処入間支処の新編、その他保安管制気象団の
増強等に要する
自衛官及び非
自衛官を
増員する。
増員の
合計は六千四名ということに相なっております。
部隊の新編に伴うものといたしましては、第六
航空団並びに第七
航空団、それからそこに書いてございますところの偵察航空隊、
西部航空方面隊の
編成というようなものがございます。それから(b)の航空警戒管制団の昇格及び
装備改善に伴うものというのがございます。航空警戒管制団の昇格と申しますのは、ただいま全国二十四カ所のレーダー・サイトを管轄しておりますところの管理本部と申しますか、そういったものは航空警戒管制群という名前になっております。全国に三つございますが、これを団
組織に昇格をいたします、その昇格に伴う分でございます。八百十七名。それから保安管制気象団の
増強に伴うものというのがございます。保安管制気象団というのは、各管理飛行場の航空管制及び航空気象をつかさどっておるところでありまして、本部は府中にございますが、それの
整備増強に伴うものといたしまして五百六十二名という
数字でございます。そのほか既設
部隊等——補給
関係でございますとか、航空救難群でございますとか、輸送
航空団の
関係でございますとかいったものが集まっております、その
関係が千四百十名。合わせて六千四名という
増員に相なっておるわけでございます。
(ロ) 既定計画によりT—1A、
H—19
ヘリコプター及び
F—104Jの
生産を行なうとともに、T—1A二十機の第三次
生産に着手する。このT—1Aと申しますのは、国産を行なっておりますところのジェットの
練習機でございます。これはただいままでに第一次
生産といたしまして二十機、第二次
生産といたしまして同じく二十機、第三次
生産といたしまして三十六
年度にまたさらに二十機の
生産を認められたものでございます。それから
H—19の
ヘリコプターでございますが、これが三機。そのほか、昨
年度の
国庫債務負担行為の
歳出分でございますが、104の
関係がございます。
生産分といたしましては、三十七年の三月に一機だけでき上がるという計画に相なっておるわけでございます。その
関係全部を合わせまして九十四億七千百万円の
歳出予算と二十五億八千四百万円の
国庫債務負担行為ということに相なっております。
昭和三十五
年度におきましては二十二億五千三百万円の
歳出と七百二十四億三千五百万円の
国庫債務負担行為ということに相なっておるものでございます。
十一ページに、上記の結果、三十六
年度末保有及び就航
航空機数は下記の
通りとなるということで、三十六
年度末の保有並びに就航機数の見込みがあげてございます。保有機数が千三百二十七機、就航機数が千百四機、その差額の大部分と申しますのは104の二百機の
関係でございます。
それから十二ページでございます。三
自衛隊関係以外におきまして、特に
重点事項と思われるものをそこに書いてございます。(4) その他、(イ) 体育学校を新設し体育の振興をはかる。これは
金額はきわめてわずかなものでございます。三百万円でございますが、体育振興のために器材を買うという
予算でございます。
(ロ) 対空誘導兵器の導入に備え、GM研究を推進する。その下に誘導兵器
関係の研究費が書いてございます。これは
技術研究本部において行なっておりますところの研究費の
総額でございます。
昭和三十六
年度におきましては八億二百万円の
歳出予算、三億八千四百万円の
国庫債務負担行為でございます。
昭和三十五
年度におきましては七億円の
歳出予算と四億一千万円の
国庫債務負担行為ということに相なっております。
(ハ) 騒音防止対策をさらに推進する。三十六
年度におきましては六億二千九百万円の
歳出でございます。それに対しまして、三十五
年度一億九千万円の
予算でございましたので、三倍以上という格好に相なっておるわけでございます。なおこの六億二千九百万円の中には、騒音防止工事費の
関係のほかに、基地で使います飛行機のエンジンの始動のときにそのエンジンの騒音を押えるサイレンサーという機械を新しく
購入することにいたしております。その
予算が二千万円ばかりそこに入っておるわけでございます。
その下に事務的に使用いたしております書類なものでございますので、国会に正式に提出を申し上げるときにあるいは落としたかもしれませんが、MAPの援助の期待額が書いてあるわけでございます。これは御存じの
通りこれからまだ中で相談いたしまして正式にやらなければなりませんので——事務的に、
予算要求いたしますと、これは必ず大蔵省あたりで聞かれるものでございまして、実はつけておったのであります。まだきまっていないのでございますが、MAPの中身が中に書いてございます。その
総額は約二百五十億ばかりでございますが、その一々について、これは必ずもらえるかというお話になりますと、私どもといたしましては何とも申し上げようがないことなんで、そこら辺のところでごかんべん願いたいと思います。
以上
防衛庁費の概算要求の大要について御
説明申し上げました。