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1961-04-06 第38回国会 衆議院 逓信委員会 第19号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十六年四月六日(木曜日)委員会において、 次の通り小委員追加選任した。  電波監理及び放送に関する小委員       上林山栄吉君    廣瀬 正雄君     ————————————— 昭和三十六年四月六日(木曜日)     午前十時五十三分開議  出席委員    委員長 山手 滿男君    理事 秋田 大助君 理事 大上  司君    理事 佐藤洋之助君 理事 廣瀬 正雄君    理事 森本  靖君       大高  康君    上林榮吉君       志賀健次郎君    椎熊 三郎君       鈴木 善幸君    竹山祐太郎君       寺島隆太郎君    羽田武嗣郎君      橋本登美三郎君    星島 二郎君       大柴 滋夫君    受田 新吉君       谷口善太郎君  出席国務大臣         郵 政 大 臣 小金 義照君  出席政府委員         郵政事務官         (大臣官房長) 荒巻伊勢雄君         郵政事務官         (郵務局長)  板野  学君         郵政事務官         (貯金局長)  大塚  茂君         郵政事務官         (経理局長)  佐方 信博君  委員外出席者         専  門  員 吉田 弘苗君     ————————————— 本日の会議に付した案件  小委員追加選任に関する件  郵便為替法の一部を改正する法律案内閣提出  第七七号)  郵政事業に関する件  電気通信に関する件      ————◇—————
  2. 山手滿男

    山手委員長 これより会議を開きます。  郵政事業及び電気通信に関する件について調査を進めます。  質疑通告がありますので、これを許します。森本靖君。
  3. 森本靖

    森本委員 大臣に緊急に質問申し上げたいと思います。七日に全逓が二時間の職場大会を全国的に行なうということを新聞で見たわけでありますが、この間の事情はどうなっておりますか。
  4. 小金義照

    小金国務大臣 私もそういう報告を承りまして、もともと電通合理化というような問題に関連しての職場大会と承知いたしておりますので、これは組合及び組合員の良識によって差し控えてもらいたい。その理由は、先般来問題になっております電気通信事業合理化は、時勢の進運であるし、国民の福祉、利害に重大な影響がありますので、これはどうしてもやっていかなければならぬ問題でございます。それに関連して生ずる過員、剰員の問題がございますから、その処理あるいはまた労働条件等の保護に手落ちがないようにする意味で、俗にいう事前協議と申しますか、そういう問題で今全逓本部郵政省の方で話が進行中でございますから取りやめてもらいたいという警告をきょうはあらためて私から出したのでございます。そういうようないきさつで、今せっかく話し合いの最中でございますから、何とかしてこれは取りやめてもらいたいということを申し入れた次第でございます。
  5. 森本靖

    森本委員 私の方からは多くを申しませんけれども、この前の委員会でも私が申し上げましたように、この電通事業合理化ということについては、確かに時代の進展に伴って機械化でありますので、これにまっこうから反対するわけにはおそらく参らないというふうに考えることは考えますけれども、その反面、大臣が言いまするように、やはり配置転換になり、あるいはまた自分の仕事内容が変わってくるというような身分の変動につきましては、その労働者にとりましては一生を通じてのきわめて重要な問題であるわけでありまして、その間において事前にどういうふうにこれを取り扱うかという協約の問題でおそらく郵政省全逓組合が対立しており、その関係で明日職場大会ということになったのであろうと想像するわけでありますけれども、私はそういう内容についてここでとやかく言おうとは考えておりません。いずれにいたしましてもそういう職場大会が行なわれずに、事業が円満に遂行できることが一番望ましいわけでありますから、円満に郵政省全逓との間に話し合いが進められまして、事業がスムーズにいきますことを私は心から念願をするわけであります。明日の職場大会までまだかなりの時間もありますので、一つきょうからあすにかけて、郵政省としては労働組合と鋭意話し合いを持っていただいて、そして話し合いの糸口を見つけ、話し合い話し合いを持っていって、最終的には何とかして話し合いで解決をつけて円満に仕事が遂行される方向にいくことを私は心から望んでおるわけでありますので、一つその方向大臣部局長を督励して、今夜中に御努力を願いたい、こう思うわけでありますが、どうでしょう。
  6. 小金義照

    小金国務大臣 全く同感でございまして、その線に沿って極力お互いに努力するよう、ただいまも所管の部局長に私から特に命じて参りました。話の妥結点がどこに帰着するかは別といたしまして、とにかくこちらとしても、電電公社とすでに話し合いの機関を新しく設けまして、せっかくその線に沿っていけるように、大事な従業員のことでありますから、将来を不安にれないように極力努力をいたさせるつもりでございます。
  7. 森本靖

    森本委員 もう一つこの際大臣に申し上げておきたいと思いますことは、この間私とわが党の国会対策委員長の山本氏と二人で、大臣に非公式にお話をいたしました、実は例の日本電信電話公社組合に対する処分の問題でありますが、これは今までの三公社五現業の中で、一番過酷な処分を発表しておるわけであります。その中には、われわれが調査をしたところによりますと、ある程度の行き違いの点もなきにしもあらずというような処分内容もあるではないかということが若干見えるわけであります。全部が全部私は号うであるとは申しませんけれども、やはり中にはそういうふうな行き過ぎた処分内容もあるではないかということも考えられますし、それからまた考え方によりましては、あり処分というものが、三十一日の公労協の半日ストのいわゆる予防処分というふうにもとられがちな場合もあるわけであります。幸い三十一日のあの闘争というものが、ああいう形で妥結をしたということについては、いろいろ御意見はあろうと思いますけれども、事業の観点からいきました場合には、私は喜ばしい事実であるというふうに率直に言えると思うわけであります、そういうあらゆる情勢を検討した場合に、やはり私は一度処分をした者でも、場合によってはこれを撤回し、あるいはまたその処分を是正をするということがあっても、私は何ら差しつかえないというふうに考えておるわけであります。現に昭和二十四年に、私も委員長をやっておりました当時に首を切られた経験を持っておるわけてありますが、その場合は明らかに郵政省が間違いがあったということによって、一カ月後に私が復職をしたという経験も持っておるわけでありまして、今まで郵政省関係でそういうふうなことをやったこともないわけではないのであります。そういう点も考え合わせてみますると、この前の電電公社における処分というものは、私は今までかつてない処分である、だから将来にわたっても、これは労務行政についてもあるいはまた電気通信事業の伸展上からいきましても、あまり好結果をもたらさないというふうに考えますので、一つこの処分については十分に再検討を願って、率直にこれは悪いというところがあればそれを、あやまちを訂正するにやぶさかでない——あやまちがなければこれは仕方がないわけでありますけれども、若干でもあやまちがあれば、そのあやまちを是正するにやぶさかでないというふうな態度を私は電電公社がとってもらいたい、こう思うわけであります。電電公社監督権郵政大臣にあるわけでありますが、ただしかしそういう労務行政その他の直接の命令は大臣にないわけでありますけれども、当委員会において大臣にもそういう委員の方から要望があったということを、一つ電電公社の方にも大臣の方からお伝えを願いたい、こう思うわけでありますが、その点についての御回答を願っておきたい。
  8. 小金義照

    小金国務大臣 あれは三月の十六日だったかと思いますけれども、職場大会という名のもとにおいて、保安要員も一人も残らず、全部休ませてしまう一すべての場合において、保安要員を一人もなくするまでの状態を作るということは大へんなことなので、私はもっぱらそれを心配いたしました。しかし、ただ、今の具体的な問題につきましては、御趣旨に沿いましてよく検討いたします。なお、電電公社にも御趣旨は伝えて検討いたします。      ————◇—————
  9. 山手滿男

    山手委員長 この際、小委員追加選任についてお諮りをいたします。  先ほど設置されました電波監理及び放送に関する小委員会の小委員の数を二名増加し、その追加選任を行ないたいと思いますが、委員長において指名するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 山手滿男

    山手委員長 御異議なしと認め、上林榮吉君及び廣瀬正雄君を小委員に指名いたします。      ————◇—————
  11. 山手滿男

    山手委員長 郵便為替法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。  質疑通告がありますので、順次これを許します。  受田新吉君。
  12. 受田新吉

    受田委員 郵便為替法改正は十年ぶりにされるという提案理由説明でございますが、この十年間に他の公共料金はそれぞれ、国鉄運賃にしましても何回か改正されて、郵便為替料金は十年間据え置きされたというので、その引き上げの率を、国鉄運賃引き上げ率などに比較して大幅にされたという理由政府の御見解でございましたようですので、まずこれをお尋ねいたします。
  13. 大塚茂

    大塚政府委員 おっしゃられます通りでございまして、ほかの公共料金について、十年間に何%上がったかという資料を詳細ここに持ち合わせておりませんけれども、大体そういうふうな考え方でございます。
  14. 受田新吉

    受田委員 十年間郵便関係料金が据え置かれた部分があることは、何か特殊の事情郵便業務の中にひそんでいたのではないかとい思うのでございますがいかがでしょう。
  15. 佐方信博

    佐方政府委員 郵便関係を主として申し上げますと、二十六年に値上げいたしまして、それからたびたびベース・アップや物件費増加等がありましたけれども、物数がある程度伸びて参りまして、年々、予算上は五、六%の増を見ましても、結果的には一割も伸びたこともあるというようなことでまかなって参ったわけであります。ところが、この両三年前から、郵便の中で収支がペイいたしておりませんところの第三種とか第五種だとかいうものが非常に伸びて参りまして、ある程度ペイしておりましたところの第一種や第二種等が伸びがとまってきたということで、一両年前から非常に財政状態が苦しくなって参ったというのが、今度料金問題に踏み切った理由でございます。あわせまして、為替等もそういう一連の仕事でございますので、この際一挙に解決したいということでいたしたわけであります。
  16. 受田新吉

    受田委員 郵便為替取り扱い件数は漸減しているということを承っておりますが、これはどういうことでしょう。それとこの料金引き上げ——激増ということと減少ということとの関係で御説明を願います。
  17. 佐方信博

    佐方政府委員 郵便の方は、中の異同はございますけれども、非常に進んで参りまして、為替の方は、二十六年の郵便料金改正によりまして、現金郵便で送れることになりましたので、非常に減って参った。しかしその分が郵便の方にずっと移行してきておるということだと思います。
  18. 受田新吉

    受田委員 取り扱い件数が減ること高めなければならぬということとは根拠が違うと思うのですが、その説明を願いたい。現金書留がふえたからということは別に、為替取り扱い件数が減っているにかかわらず料金引き上げるという説明が、別の意味から必要じゃないか。
  19. 大塚茂

    大塚政府委員 昭和二十六年に現金書留制度というのができまして、現金をそのまま封筒に入れて書留で送れるということになりました結果、従来郵便為替を使っておりました方々の中で、この現金書留を使うという人が次第にふえて参ったわけでございます。その結果郵便為替の方がだんだん減少して参りまして、その減少してきたということが、為替におきます収支を悪化させるという一つの大きな原因になっておるわけでございます。それで、減っておるときに、さらに料金引き上げて減らすというような結果になる措置をとるのはどういうわけかという御趣旨の御質問と思うのでございますが、そういうふうに現金書留にだんだん移行いたしまして、郵便為替は減って参っておりますけれども、ただ為替には為替としての存在理由がございまして、大体現金書留に移るべきものは、この十年間にもうほとんど移ってきておる。今為替を使っておりますのは、大体において現金書留では十分な目的を達し得ないという人々が使っておる。従って、全然減らぬとは申し上げられませんけれども、大体において郵便為替の需要といいますのは、この十年たった今日においてはほとんど固定に近いものになってきているのではないかというふうに考えておりますので、料金を上げたことによって、それは多少減ることは減りますけれども、急激にこれが減少するということはないんじゃないかと考えておるわけであります。
  20. 受田新吉

    受田委員 料金を上げたから取り扱い件数がますます減るということはないであろうという考え方でございますが、私は郵便為替利用する国民大衆というものは、生活的にも苦労の多い立場人たちである。おおむね豊かな暮らしをする人々銀行為替送金利用しております。ところが豊かな生活をされる立場に立つ方々は、銀行為替送金で五千円以下は五十円、それをこえる金額に対しては最高制限額なく百円となっております。非常なサービスをしておるわけです。一方、日々勤労にいそしみ、生活苦にあえぐ人々は、そのわずかな金額送金にあたってもさらに高率為替料金を賦課されるということになりますと、私はその豊かな暮らしをする人、銀行為替送金利用する人と、さにあらざる郵便為替制度利用される人との間にますます大きな開きができる危険があると思うんです。これは国民生活の上に一つ問題点を投げかけると思うのでございますが、いかがでしょうか。銀行為替送金制度郵為替制度との比較検討の上に立って政府の御所信を御表明願いたいと思います。
  21. 大塚茂

    大塚政府委員 銀行送金郵便為替利用の仕方でございますが、銀行送金比較的富裕な人々が使っておるということは、これはおっしゃる通りと思います。しかるに郵便為替に比べて銀行送金料金の方が低いじゃないかというお話でございますが、三千円までの送金につきましては、郵便為替の方が安いかまたは銀行為替送金と同等でございます。ただ三千円から五千円までのクラスが十円だけ高くなります。また五千円から二万円までのクラス銀行送金料金が同じ。従いまして、大体一万円までは銀行送金と同じ料金為替料金もいっておる。ただその途中、三千円から五千円のクラスに十円高い分があるということでございまして、為替を使っておる階層銀行を使う階層に比べて特に不利だというのは、結局一万円をこえた多額送金をする場合ということでございます。これは銀行におきましては、多額送金を扱うような人はいいお得意さんという考え方から原価を無視しまして、まあサービスという気持でこの送金事務を取り扱っておるようでありまして、私どもそれに対して対抗するということはむずかしくもありますし、また一万円以上の送金をするものについて郵便為替として特に安くするという必要はない。むしろ一万円以下の小額についてこそ安くすることをわれわれとしては考えるべきだというふうな考え方から今回の料金改定を行なったわけでございます。結論的に申し上げますと、小額送金をする階層については、銀行送金に対して必ずしも不利でないという料金になっておるということを申し上げたいと思います。
  22. 受田新吉

    受田委員 たとえば今指摘されました一万円の送金の場合に、普通為替送金料でありますならば、為替料が今度百円になって、今までよりも三十五円高くなる。郵便料書留料を合わせると百五十円となるわけです。今御指摘の小額の三千円までにいたしましても百円かかるわけです。これは銀行お得意さんサービスをするといいましても、お得意さんといっても、そう大したお得意さんでなくてもやってくれるのです。実際は銀行で大へん預金をしなくても為替送金はやってくれますし、銀行頼みに行きさえすれば、だれでも、お前は日ごろこの銀行に奉仕していないから断わるとはやっていません。ちゃんと百円で送金してくれるのです。ところが郵便局では、一万円を送るのにも百五十円という料金が要るわけなんです。これは非常に大きな差であろうと思うんでございますが、郵便利用する方が、たとい一万円の送金をするにしても五十円も高くつくのだ、こういう問題が起こるので、社会政策的に見ても、公共性を重視する国の事業として、銀行為替利用するよりもさらに高率料金を必要とするという制度をここでお作りになるということには、私は問題があるのじゃないかと思うのですが、いかがでしょう。
  23. 大塚茂

    大塚政府委員 先生多少誤解しておられると思いますが、銀行送金におきましても五十円あるいは百円といいますのは送金の手数料だけでございまして、送金小切手というものを送金依頼者に出すわけでございます。そうしますと、送金者はそれを普通郵便あるいは書留郵便受取人に送付しなければならぬのでございまして、郵便料がかかるという点においては郵便為替と同じでございます。従ってこの五十円なり百円なりというものに、送金小切手書留で送るということになれば、さらに五十円ずつプラスになるわけでございまして、その点は郵便為替と同条件でございますので、一万円の送金について郵便為替の方が郵便料で五十円高くなるということはございません。その点は同じでございます。  それから、大体において、銀行と全然取引のない、銀行に入ったことのない人がこの銀行送金だけを銀行依頼に行くということはまずないのでございまして、しょっちゅう銀行預金その他で出入りをして、なれておる人、いわゆる銀行のお得意が銀行利用する場合がほとんど大部分でございますので、やはり銀行としてはお得意に対するサービスという考え方でやっておるようでございます。
  24. 受田新吉

    受田委員 銀行送金の場合は、その通知書というものは、普通の郵便料支払いしても、もしそれが事故があれば一方から通知された分と照合しますから差しつかえないわけです。書留にしなくてもいいわけです。ところが為替の方は一万円書留で送る、これは、書留で送らなくて事故が起こったときには、銀行為替送金よりももっと危険が大きいわけなんです。そういう問題がありますので、必ず書留にするということで、一万円ぐらいの金額になるとみんな書留にします。そうすると書留料金だけが高くつく。  それから銀行は、全然銀行関係がなくても、どの銀行に行っても為替送金についてはサービスをするという建前になっておるのです。局長さんのお説のように、いなかのこの銀行の受け取りに出してくれと頼みに行って、あなたはうちのお得意でないのでお断わりしますといって断わる銀行はありません。これは私が保証します。この間の説明を願います。銀行はお得意以外に引き受けないというお説はお取り消しにならないと、銀行政府に大文句を言うことになりますので、一つ…。
  25. 大塚茂

    大塚政府委員 私の言葉が足りなかったようでございますが、私は銀行がお得意でなければ引き受けないということは決して申しておるわけではございませんで、大体、銀行へ行く利用者、しょっちゅう銀行に出入りしておるような人でなければ、送金だけを依頼に行く人はほとんどいないだろうということを申し上げたわけでございます。  それから郵便料金の問題でございますが、確かにおっしゃられますように、銀行送金については送金案内というものが送金先銀行に参ります。ところが郵便為替についてはその案内をいたしておりません。そういう面において銀行送金の方が両方突き合わして支払うことになりますから、支払いにおいて確実だということは確かにございますが、それでは書留でなしに送れば銀行送金小切手の方が安全かといいますと、これは大体為替の場合と同じでありまして、途中で郵便から抜き取りその他によってとりました者が、印鑑その他を偽造して銀行からその送金小切手を使って現金を詐取するという点については為替の場合とほとんど相違がないのじゃないかというふうに考えます。
  26. 受田新吉

    受田委員 抜き取りの事例をあげましたけれども、抜き取られたとしても向こう案内書がいっておるのですから、それと照合しますし、それから顔、見知りの人でありますから、抜き取りをして代人が来たということになればおおむね犯罪を犯しているということはわかることなんです。銀行支払いなども怪しいやつが来たときにそう簡単に支払うはずはないわけです。だから安全度という点においては、書留にしないで普通の郵便料を払って郵便為替を送った場合と、銀行為替を送った場合とでは、銀行為替の方が安全度が高い、こう私は了解する。例外の問題でなくて原則的な比較論でございますが、いかがでしょう。
  27. 大塚茂

    大塚政府委員 一般的に申し上げますと、確かに銀行送金の方が安全といいますか、案内書があるだけに確実さが多いということは言えると思います。
  28. 受田新吉

    受田委員 私はなぜこういうことを申し上げるかと申しますと、郵便為替料金は十年間据え置きにされた、ここに一つの大きな根拠を私は見出すわけなんです。これが時勢の波に乗って、もし原価計算の上で必要があるとするならば、当然途中で何回か料金改定がされていなければならなかった。今日までこれが据え置かれたという理由は、もちろん現金書留の進出ということもございましたでしょうけれども、銀行為替送金との比較あるいは一般大衆へのサービスを顧慮された郵政当局の御意見が今日までこの改定を決意するに至らなかったと私は思うのです。そうじゃないですか。
  29. 大塚茂

    大塚政府委員 確かにわれわれとして料金はできるだけ公衆のために安くしておきたいという気持から、とにかく現行料金で間に合うといいますか、何とかやりくりのつく間は据え置きたいという気持が十年間もそのままになっておった一つの大きな原因だというふうに考えます。
  30. 受田新吉

    受田委員 このたびの普通為替現金書留送金料比較を先般私は資料要求としてお願いしましたところ、さっそく御提出をいただきましてありがとうございました。この政府から私にお出し下さいました資料によりましても、現金書留の場合は、従来の料金の最高額である五万円に例をとりましても、現金書留の方は百七十三円が百七十八円で、わずかに五円しか値上がりしていない。ところが普通為替の五万円までの場合、現行の百九十円が一躍二百五十円と、六十円も値上がりしている。これをながめますと、為替を送ってさらに向こう郵便局に取りに行くという不便な郵便為替の方が料金がばかに値上がりして、現金をそのまま受け取る現金書留の方はわずかに五円しか上がっておらぬ。こういうことを見ると、結局為替送金はおやめなさい、現金書留を御奨励申し上げますという郵政省の高いPRの現われがここにひそんでおるのではないかと思うのですが、いかがでしょう。
  31. 大塚茂

    大塚政府委員 先ほど申し上げましたように、現金書留に対しまして、為替におきましてはそれだけの存在理由というものがあるわけでございます。おっしゃられますように、為替を持ってもう一ぺん郵便局の窓口に行かなければ現金化されないという不便は確かにございますが、その半面におきまして現金書留の場合は、はたして五万円なら五万円を確実に送ったかどうかという証拠がどこにも残っておらぬわけであります。郵便局で立ち会って封筒に入れるわけでございませんので、送った側が確かに五万円封入して送ったと言っても受け取り側がいや五万円は受け取らなかったと言えば水かけ論になりまして、受け取った方にも確かに五万円受け取ったという証拠現金書留においては残らぬわけでございます。従って非常に信頼関係にあります両当事者間の送金の場合は現金書留で問題を起こさないのでありますが、これがそういう信頼関係に立ちません場合は、為替でないと送った方にも証拠が残らぬし、受け取った方にも受け取ったという証拠が残らない。従って普通の場合ですと、現金書留が非常に便利でございますので、この方の利用が非常にふえておるわけでございます、これが大衆の要望でもあり、要求に合致するということであるならば、私どもは現金書留をどんどん使っていただいてけっこうでありますが、先ほど申し上げましたように、どうしても現金書留では証拠が残らぬから困るというような送金については、多少高くはなりますけれども、そういう証拠力という点を買って為替をお使いになるという必要がまだ相当あるのじゃないかというふうに考えるわけでございまして、そういう必要性の面から見て、多少料金は高くても為替を使うという分野が私どもは相当残っておるというふうに考えております。またそういう分野においては為替を大いに使っていただきたいというふうに考えておるわけでございます。
  32. 受田新吉

    受田委員 局長さんの今の御答弁によると、現金書留は非常に権威のないものだ、危険なものだという印象を与えるわけです。そういう制度郵政省がお認めになっておること自体が問題なんです。不安のある人は郵便為替の方にしてもらいたい、少々ごまかされても差しつかえない人は現金書留を御利用願いたいということで、現金書留というものははなはだ不安定なもので、その送金する金額も本人が言う通りでごまかされてもしょうがないのだというような制度郵政省がお認めになっておるそのこと自身からこの問題が起こるだろうと思うのです。これは非常に重大な問題が一つあると思うのです。政府がやる事業に、はなはだ危険な要素のひそんでいる制度があるということになるのですが、いかがでしょう。
  33. 大塚茂

    大塚政府委員 私からお答えするのが適当かどうか存じませんが、要するに、何も現金書留で送る場合が郵便局内において非常に犯罪その他の危険があるという意味においての不安ということでなしに、送り人と受取人との間において論争を起こす危険はあるという意味で申し上げたわけでございまして、それは結局送る人の認定によりまして、あれに送る場合にはこれで差しつかえないという認定でお送りになる場合においては、これは非常に料金も安いし、けっこうな制度である。そういう場合が非常に多いがゆえに、現在現金書留利用が非常にふえてきているというふうに考えておるわけでございまして、これを悪用しょうという者があります場合においては、これはほかの郵便でもいろいろ悪用の仕方はあるのでございまして、全然悪用の仕方のない制度だけしか作っちゃいかぬということも、私は少し言い過ぎになるのではなかろうかというふうに考えております。
  34. 受田新吉

    受田委員 これは郵政省のやられる事業として、そういう危険な要素のひそんだ制度をお認めになっていることそのものが問題があると思うのです。もし現金書留に欠陥があるならば、幾ら中へ封入するかという金額を、一応郵便局で確認するという制度にお変えになればいい。そして送金料金の方は、金額によって格差が出ているのでございまして、たとえば五万円ならば、従来であれば百七十三円と出ている。それで内容を五万円と認定していただいたときには、送金人が五万円送ったということは、書留の受付票の中へ、五万円というのが局で承認されるわけなんです。それが四万九千円という場合も、料金が同じであるので、そのときには四万九千円とちゃんと中身の金額を明記して、書留受付票に書き込んでおくという制度をお作りになればいいわけです。だから幾ら送ったかは、こちらの郵便局で確認をして、しかも証拠を残しておく。もし問題があったら、受付局の書留受付票を見ればすぐ証拠がわかるという、こういう副票もつければいいのでありますから、そういう送金の額の確認ということはできるわけです。もし受け取る方が、中をあけてみたら千円足らなかったとか、一万円足らなかったとか、そういうなにがあるならば、現金書留料金を少し高くしてでも、為替料金よりは少し安く、従来の現金書留よりは少し高くてもいいから、確実にあったかどうかを郵便局員が立ち会ってからこれを渡す、こういうような制度をお作りになればいいのであって、現金書留の安全性ということを確認する方法は幾らでもある。ちょっとの手続で、これは幾らでもできるわけです。そういうものを、盲点を残しておいて、兄弟とかなんとかいうのならいいが、そのほか向こうが信用できぬところへ送るときには、現金書留をお使いにならないように、危険がありますから、と言っておられるならいいが、そういう指導はされないで、書留というから一応安心して送っておる。ところがもらった方は、為替よりも不安定な状況で、ごまかしがきくのだということになれば、これは重大な制度郵政省はお認めになっているということになる。国の制度として非常に問題があると思うのですが、郵政大臣、この問題点をどう解決されるか、小金さんの賢明なる裁断を仰ぎたいと思います。
  35. 小金義照

    小金国務大臣 危険かあるのは郵便局ばかりではなく、銀行でも非常に危険がある。大口の危険は、むしろ銀行にございます。危険を勘定に入れて議論を立てますと、金を持っていく以外には危険防止の方法はなくなるわけです。これはある種の機関、国家機関、民間の金融機関を利用するのですから、ある程度の危険というものは当然伴うわけです。そこで大衆の便益をはかる数多い事業でございますから、コストをなるべく安くして、サービスをなるべくよくするのでありますが、特別会計というか、あるいは独立採算制と申しますか、いずれにしても、やはりそういう限度も設けておかなければ、一般会計から補うということになると、これは利用しない人の納めている税金で、これを利用する人にサービスするということになりますので、特別会計でやるという建前をとられておるのです。そういうことになりますと、今のような事務的の手続がとれるかとれないか、また従来のいろいろないきさつ等から見まして、今にわかにすべての安全をはかり、また双方納得のできるような証拠をそろえるということが可能かどうかということは、私まだ結論に到達いたしておりませんが、今まで事務を扱ってきた政府委員から補足さしていただきます。
  36. 受田新吉

    受田委員 私は、この現金書留の権威が非常に薄れてきた感じがする。私自身も、これに不安になってきたわけです。私は、最近為替などを使っておりません。相手が信用される人であろうとなかろうと、全部現金書留利用させていただいておる一人です。普通為替などというものは、送金票を比較してみても、このように非常に大きな差があるから、現金書留でぴしっと、山奥であろうと島であろうと送る。それはそのまま向こうへいって、郵便局へ行く手数も要らないし、郵便局へ行く電車賃も汽車賃も要らない、こういうことになるので、もらった方も便利がいい、送る方も助かる、こういう意味現金書留利用させていただいております。ところが、この現金書留制度の上で、手続上の問題として残るものは、今の金額内容が幾らであるか表示するという制度一つお作りになればいい。それを書留受付票に記入するという手続だけで済むわけです。この料金は、結局送金額によって差が出ておるのでございますし、送金額で幾らの切手を張ってあるかがわかるのですから、その金額表示という手続を、現金書留制度に付加されれば、簡単に手続上の一つの心配が利用者に解消されることになる。それからもう一つ現金書留に対する賠償制度というのがあると思うのです。この賠償制度というものは、これは抜き取られたとかいう場合に、これを賠償すると思うのでありますが、ただ私が現金書留一つ不安を抱いているのは、中へ五万円入れておいても、二万円しか入っておらないと本人から申し出があるならば、その通りの手続をされるという不安がある。おそらくこの制度利用して、五万円入れておいて二万円くらいに言うて、中に厚紙を入れたりして送金料を節約するみみっちい人もおるのじゃないかと思う。だから、金額を数えるという時間がよけいかかりますけれども、ちゃんと封入された現金を局で確認して、そして局員が、書留受付票に送金額を明記しておくという手続だけよけい要りますけれども、それを一応おとりになる方が、そういうところが料金をごまかされるという方の損害もなくなり、それから損害補償をされる際に、実際入っていなかったのに、それが入っていたようにやられた場合に、補償額の節約もできるということになるので、この点は、現金書留制度の上において、一つの新しい道をお開きになって、送金者に不利を与えないようにしていただきたい。ただ取扱者が、幾分事務量がふえるという点がございますが、その部分については、現金書留料金を、業務量の増加による引き上げということを考える分なら、普通為替料金をこのように上げるのよりは、はるかに弊害が少ない、こう私は思うのです。いろいろと検討された結果、この改定案をお出しになったと思いますけれども、今私が申し上げておるようなところまで十分検討されて、現金書留の長所短所、為替制度の長所短所を御研究された、その結果の御提案であるかどうかを、一つお答えいただきます。
  37. 板野学

    ○板野政府委員 現金書留制度につきまして、いわゆる損害の要償額をどのくらいにするかということは、その申し出の額によって、それが書留の封皮に大体書かれるわけであります。従ってただいま先生がおっしゃいましたように、実際は三千円入れていないけれども、入っているのだという申し出によって、その料金をとるというような事故ももちろんございますけれども、そういう事故につきましては、いろいろ調査いたしまして、実際入っていなければ、損害は弁償しないということになる次第でございますが、確かにそういう欠点はございます。従いまして、そういう面について、私どももさらに今後検討いたしたいと思いますが、大体の事故率を申し上げますと、十万通に約二件くらいの事故率を現在持っておる次第でございます。(森本委員「そんなことを言ったって、信書の秘密になるからできないんだよ」と呼ぶ)中に入れる場合に、何ぼ中に入れるかその金額を窓口で見て入れればいいじゃないかという先生のお話でございますが、これは確かに非常に手数を要することでございまするので、ただいまはそういうことをやっておりませんが、何かそういうごまかしというようなものが防げる方法がもしあれば、われわれ今後検討いたしたいと思います。
  38. 受田新吉

    受田委員 私が申し上げているのは、現金書留を送る場合は、その封をする前に現金を入れる部分だけを郵便局員が確認する、こういうことをやればいい。だから、現金を幾ら入れたかという現金部分だけを認定する制度をお作りになればいい。その手数がかかるということと、もう一つは、確実な送金ということと比重をはかったとき、手数がかかる業務量の増大という部分については、その分は現金書留料金を幾分引き上げていいと私は思う。そういう制度にしないと、送金額を幾らしたかという認定ができない。それから、幾らしか入っていなかったとか、あとから、送ったのは幾ら送ったとか言われて非常に困る場合もあるわけで、そういうところを十分検討をされて、今の現金書留の不安定性を是正せなければならぬ。そういうことになれば、為替料金引き上げなくても、現金書留部分を幾分引き上げるということで、現金書留制度も大いに利用されるし、それから普通為替利用する人は普通為替の従来の料金でこの制度利用するということになる。この普通為替利用する人がばかに料金を高くされて現金書留とのバランスがとれなくなっているというところに、私は今回の改定案の一つ問題点がひそんでいると思うのです。これは私、研究問題として、郵政省で十分省議の際にも議題にしていただいて、御検討願いたいということで、条件を付してこの問題は一応とどめておきます。  それから次の問題として、最高制限額をどこへ置くかということ、これはやはり大衆に便益を供与する立場から重大なことだと思うのです。郵便業務銀行業務を侵してはならないという、そういう限界もありましょうが、十万円という限度は適当かどうか。また従来の五万円という制度ができて以来のいろいろな行きがかりもありましょうけれども、十万円というこの金額利用する者、これ以上を利用しようとする者、いろいろとその利用予定者なども検討されたと思うのですが、十万円を中心にした政府利用者に対する考え方というものはどういうふうになっておりますか。
  39. 大塚茂

    大塚政府委員 現在の五万円という制限ができましたのは、やはり二十六年でございまして、そのときも五万円というものがきわめて合理的に計算された結果出た数字ではないのでございますが、そのときに比べまして、相当物価も上がっておりますし、生活レベルも、十年たって上がってきておりますので、そういう点を考慮し、さらに、現在為替でこの五万円をこえておりますものが全体の約三%、それから電信為替につきましては約六%もありまして、これがだんだんふえる傾向にもありますので、この際十万円といたしたというわけでございます。
  40. 受田新吉

    受田委員 現に十万円送る場合は、五万円二つ為替を切らなければならぬ。十五万円送るには三つ切らなければならぬ不便がある。実際は三%というのは取り扱い件数であって、金額からいったら相当なものになると私は思うのです。それで、最高制限額を一応十万円にふまえてやってみて、さらにそれよりも高いのが出たという場合にはこれまた改定するということになるだろうと思いますが、今三%ないし二%、六%の数字が出たわけです。それはさしあたりは十万円をこえてはならぬという社会情勢になっているわけですか。それから、それをこえると銀行送金を阻害するという理由、たとえば郵便貯金とか、保険の場合は民間保険と簡易保険の場合とか、郵便貯金と銀行預金の場合との気がねが政府にあって十万円の限度をこえてはならないというようなことがこの場合にもあるのかどうか。この場合、送金については、そういう気がねは一般の民間には差しつかえないということになっているのかどうか、その観点からの御答弁を願います。
  41. 大塚茂

    大塚政府委員 民間銀行送金その他に対する気がねといいますか、それとの競争関係から十万円以下に限定されたではないかという点、そういうことはございません。この最高制限の立法理由は非常に古いのでございますが、むしろ観点といたしましては、為替事業の自衛的な立場から、為替金が詐取されたりなんかします危険を防止するという意味から、一枚についての金額は制限しておいた方が安全だというような考え方でこの最高制限額というものがきめられてきております。そういう観点からきめたものでございまして、他の送金手段との競争的な関係で制限をしたというようなものではございません。
  42. 受田新吉

    受田委員 その点はよくわかりました。危険負担の度合いによる問題だということでございます。そういう危険を感ずるというような場合、たとえば郵便業務に携わる職員の中から犯罪が起こったという場合が一番多いと思います。その場合の危険負担について、損害の与えられることが大きくなるのでなるべく上を押えていくのだというお考えですね。そう考えていいですか。それで今まで五万円で押えた、今度も十万円で押えた、民間の他の送金手段等の関係は一切考慮する必要はこの場合ないのだ、郵便貯金の場合は民間貯金の方があるし、簡易保険の場合にも民間保険の関係があるので、この場合は制限額をどこへ持っていっても原則としてはよいのだという観点から今私のお尋ねしたことをお答え願います。
  43. 大塚茂

    大塚政府委員 これは一枚の金額が五万円ということでございまして、何枚も送れるわけでございますから、さっき申し上げましたように、民間との競争上金額を制限したというものではございません。それから、危険負担という点も、局員がどうこうということよりも、為替証書が盗まれた、そうして金額印とか日付印が盗用されて為替が詐取されるというような場合、あるいはすでに金額、日付印等押された為替証書が盗まれまして、それがほかの人によって郵便局から現金化されるというような場合の危険を考えまして、為替証書一枚についての制限額を設けた、こういうわけでございます。
  44. 受田新吉

    受田委員 今のお答えでは、いろいろな角度から、為替証書が盗まれる場合がある、その場合の損害をなるべく軽くしたいということでございます。しかし、よく考えてみると、十五万円送金しようという場合に、五万円を三口やっても十五万円一口にしても被害は同じじゃないですか。そしてこれを利用する側の人から見たら、十五万円の一本でいくよりは五万円の三本でいく方が為替料金が高いのだというところで、その三枚分で一枚分よりもよけい得るところの料金でその損害補償に役立たせようということになると、あまりにもみみっちい話ですからね。その点では、為替料金を枚数をよけいやってかせぐよりも、もっと別の意味からそういう危険をなくす努力をする方がよっぽど気が楽でいいと思うのです。いかがでしょう。
  45. 大塚茂

    大塚政府委員 立法理由は先ほど申し上げたようなことでございますが、その必要性がどの程度あるか。それからおっしゃられますように、一口の金額を上げるということとそれを何枚かに分割するということとの利害得失ということになりますと、今日においては相当問題もあるかと思いますので、そういう点も一つ十分研究をいたしたいと考えております。
  46. 受田新吉

    受田委員 今度の改正案の中で、いわゆる小型の為替、定額小為替という制度が生まれておるようであります。この定額小為替ということになりますと、たとえば千二百円ほど送りたい、千二百円の会費を送金、徴収するという場合は、千円券と二百円券と二つ作らなければならないのですか。
  47. 大塚茂

    大塚政府委員 さようでございます。
  48. 受田新吉

    受田委員 そうしますと、たとえば千三百五十円というような場合には、これは五十円というのがないのでございますが、定額であるがゆえにせっかくの低率のこの制度利用できない、かえって小型の送金の方が、こういう制度ができたばかりに、目の前に非常に低料金制度がありながらも、実は二枚も三枚も切らなければならぬことになり、あるいは普通の為替にしなければならぬということで、こういうものを見せつけられてかえって不便を感ずる人もできてくると思うのです。いかがでしょう。
  49. 大塚茂

    大塚政府委員 おっしゃられますように、五十円とか三十円というような端数がつきますものにつきましては、定額小為替利用の道がございませんで、そういう場合には郵便切手を入れるとか、あるいは普通為替を組むということになるわけでございます。そういうものの救済をできるだけしたいということでいろいろ私どもも研究をしたのでございますが、どういたしましてもこれを低料金で扱いますためには数を限定してやらないと取り扱いが簡便になりません。結局現在の普通為替と同じような扱い方になりますし、原価的に見てとてもこの料金ではやれないということになりますので、そういう面からやむを得ずこの端数のつかない金額の十四種類に限定せざるを得なかったというわけでございます。
  50. 受田新吉

    受田委員 これは、千二百円とか三百円とかいう場合が、千五百円とぴちっと切ってしまうと、千円から千五百円までの中にないのですから、利用者にとっては、そういう小型の場合にはむしろ百円刻みで三千円まで全部ずっとやられてもいいと私は思うのです。実際に小型の場合には、千円とか二千円とかかっちりいく場合はなくて、百円刻みということが一番多いと思うのです。ところが、千二百円送る場合には、千円券と二百円券、こういうふうに二枚必ずやらなければいけないことになるので、合計すると従来の為替よりも高いものにつくということになる。こういう不便をなくして、三千円以下の送金は、百円未満の端数をつけない場合は、たとえば千二百円の場合、千円券と二百円券と二枚切っても、三千円以下の料金あるいは千円から千五百円までの料金の額とするとかいうような便益を供与しておかれるようにされてはいかがですかね。実際問題として、利用者の側から見たときには、千二百円、千三百円の送金の場合に、今までよりも複雑なやり方で、料金も高いということになる。その場合は普通為替利用しなさいといわれればそれまでですけれども、せっかくそういう制度ができる以上は、三千円以下の送金は、特に大衆にサービスをする目的をもって、たとい二枚使われてもそれは一枚の料金と同額でけっこうですというような、後ほどこの規定の中にも出ておりますような、いろいろな証書の再交付などのときの手数料を全部廃止されるとかそういうサービスをうんとやられておるのですから、この際、三千円以下の送金で定額小為替をお使いになる場合は、千二百円の場合に二枚にわたっても千五百円までの送金と同率とします、こういうような規定にされてはどうでしょうかね。
  51. 大塚茂

    大塚政府委員 それはおっしゃられるようになっておるのでありまして、たとえば千四百円なり千二百円送ります場合は、千円券と四百円券なりと二枚でございますが、その料金は合わせて二十円でございます。従って、千五百円まで二十円でございますから、その一枚の千五百円よりも高くはならないわけでございます。それからたとい二枚送りましても、三千円以下でございますと、普通為替を送る場合よりはずっと安くなっております。そういうことでございますので、先ほど申し上げましたように、種類を限定しないと簡便な取り扱いができない、従って料金も安くできないという必要性から、やむを得ず私どもとしてはこういう形をとった次第でございまして、将来事務にも慣熟をいたしますし、機械化その他の設備が整って、さらに種類をふやすことが可能であるということになりましたら、御説のような点を取り入れて、さらに種類をふやしていきたいというふうに考える次第でございます。
  52. 受田新吉

    受田委員 そうしますと、千五百円及び二千円の場合は二十円、それから二千百円の場合は十円と二十円で三十円ということと同じだ、こういうことになるわけですね。この規定は二千五百円及び三千円の場合が三十円、こうあるから、一件々々合計すると、結局料金は合計したものが同じことになるのだ、こういう計算でいくわけですね。そう了解していいですね。別にこの中間が書いてなくても、その場合は合計したら同じことになるのだから差しつかえないわけですね。
  53. 大塚茂

    大塚政府委員 さようでございます。
  54. 受田新吉

    受田委員 それではおしまいにもう一つお尋ねを申し上げたいことは、こうした為替業務とか郵便業務とかいう業務収入が、人件費の非常な増加等で高まってこなければならぬぞという建前から、「個別原価主義をとることなく、郵便為替事業郵便為替貯金事業との両事業を通じまして、」 「収支の改善をはかる」云々と書いてあります。そういうことを御提案になっておる以上は、もう一つ根本的な問題があると思うのです。それは昭和三十六年度の予算予定額総括表を郵政事業特別会計で拝見しますと、業務収入をあなたの方で六百六十九億九千五百万予定されておりますね。その中に郵便業務収入、為替貯金業務収入がありますが、他会計よりの受け入れという中に郵便貯金特別会計、簡易保険特別会計よりの受け入れがあげてある。この業務収入を無理をされなくても、他会計よりの受け入れの郵貯会計、簡保会計から今受け入れられている金額をほんのちょっと増額すれば、この業務収入の不足額がまかなえるのではないでしょうか。いかがでしょう。
  55. 佐方信博

    佐方政府委員 御承知のように郵政会計は郵便為替振替を郵政省が自分でまかなわなくちゃならぬ仕事だ、それから郵便貯金と簡易保険と電信電話からの委託料、その他たくさんの会計からのいわゆる国庫金の取り扱い業務というものをやっているわけでございまして、その際にはその必要な経費を各会計からもらうのだという建前になっておりますので、為替や振替の分が収支不足になったという場合に、それを簡易保険からもらうということになりますと、簡易保険の特別会計の建前としても、国民の皆さんからお預かりしておる簡易保険でございます。その金で為替振替の不足もまかなうということは非常な大きな異論が出るわけであります。そういうことで今私の方といたしましてはできるだけ他会計からもらいたいわけでございますけれども、筋としてはやはりこれは郵政固有の立場でまかなっていかなくちゃならぬのではないか、こういうやり方をいたしております。
  56. 受田新吉

    受田委員 これは原則的なお考えとしてはうなずける節があるのですけれども、郵政省郵政事業特別会計という全体の問題からいったときに、それぞれの会計から少しずつのサービスをしてもらうということも、郵政業務全般を円満に運営する上からは納得してもらえると思うのです。これは根本的な考え方が、そういう他の郵貯とかあるいは簡保、電電公社、その他のいろいろな特別会計と性格が違うからという御意見でございますが、その郵政事業そのものは総括して一つの特別会計を作っておる。その作っている特別会計の全体のバランスをとる上に、こうした大衆サービス部門に他の会計から少しずつ応援をしてもらうということは、それは郵政省全体の立場からは許されるのではないか。これは一般会計と特別会計の関係においてもそういうことが言えるわけなんです。いわんや郵政業務という特別会計のワク内操作というものは、一般国民に与える便益ということを考える場合に、ある程度の協力を求めるということは決して矛盾したことではないと思うのです。これを金科玉条として、もうそれぞれの会計に関係したもの以外には出さぬのだという原則がはっきり何かに書いてあるなら別ですが、どうなっているのですか。それは何かの法規に限定されたものがあるのですか。
  57. 佐方信博

    佐方政府委員 郵政会計に貯金、保険、電電公社等からもらいました金は、これは御承知のように一体的に運営いたしております。実行上はそういうような金に色目がついておるわけではございませんので一体的に運営いたしておる。それはまた何ら差しつかえないことでございます。ただ予算を作りますときに、先生のおっしゃいましたように他会計よりできるだけもらう、それは私たちの熱望でございますし、努力しておりますが、逆に出す方からいたしますと、なかなかそういうことにならないということで、予算を作りますときには大蔵省が中に入りましてこれをあっせんいたしておりますが、やはり大蔵省が中に立って各会計を説得しなければならぬものですから、郵政の赤を埋めるためだということは大蔵省もなかなかいれないし、私どももできるだけ理屈をつけてとりたいと思いますけれども、やはり筋道が強く通っておりませんと相手を説得することができない。もちろん入りました金は、今申し上げましたように郵政省一体で運営しなければならぬわけですから、それは彼此融通しながら使っていくことはできるわけでございます。
  58. 受田新吉

    受田委員 そこに問題があるわけです。一ぺんに入ってくると今度郵政省全体で運営するということになるので、郵便貯金特別会計から入った分は郵便貯金に関係した業務以外に使ってはならないのだ、簡保の分は簡保の業務以外に使ってはならぬぞというワクをはめられて、そのワク内で、郵政事業特別会計の中でそれぞれの部門にだけしか協力ができないというような形でこれが受け入れられているのではない。表面はそういう名目であっても、実際は郵政事業特別会計の全体の立場から運用されている、こういうことになるわけですね。それであれば今の郵貯、簡保の方からどうせほかのところへ持っていかれるよりは郵政業務の方へ持っていかれた方がいい場合が考えられるわけなのですから、積立金の方などでほかの方へ運用される他省の関係よりも、郵政省の内部で使われる方がはるかにいい場合が多いと思います。そういう意味で、他の特別会計からの受け入れ額を少しでも増額して、  一般郵便業務の不足分をまかなうという考え方にお立ちになる必要があるのじゃないかと私は思うのです。大臣、これは政策の問題に今度入ってくると思うのです。いかがお考えですか。
  59. 小金義照

    小金国務大臣 今経理局長が申し上げましたように、一般会計とあるいは特別会計相互間の出し入れの問題は、非常に技術的にも法律的にも私どもには実はよくわからない点があります。今おっしゃいましたように、こういう大衆サービスのものについてはなるべく料金を安くして、融通のきく限り他会計から導入してこれをまかなうという考え方は私も同意でありまして、努力はいたすつもりでありますが、根本的に今会計相互間のやりとりをどうするかということは非常に技術的にもなりますので、御意見はよく承りまして研究いたします。
  60. 受田新吉

    受田委員 一般会計から特別会計への繰り入れということもあるわけなのです。国民に負担をかけないでこうした大衆サービス料金というものをなるべく引き上げないという方針をお立てになる根本的な御検討を願わなければならぬと思うのです。そういうことを御研究されるそうでございますから、私その御研究の成果に御期待を申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。
  61. 山手滿男

  62. 谷口善太郎

    ○谷口委員 森本さんと受田さんの質問で大体問題の所在が明らかになったと思うのですけれども、なお二、三点私に納得できないところがありますので伺いたいと思うのです。  これは郵便法の改正のときに当然論議になることだと思うのですが、今度の改正案の中で、第十九条で御承知の通り現金または貴金属その他を送る場合には書留にしなければならないと改正されるようであります。関係がありますからこの場所で聞くのですが、もし書留にしないで従来の通り現金を手紙に入れて普通郵便で出した場合には、これは何か罰則の規定があるのですか。それとも料金をあらためて微収するというような規定にかかるのですか。
  63. 板野学

    ○板野政府委員 別に罰則の規定は設けておりません。ただそういうことが万一わかるという場合には、成規違反として差出人に返すというだけのことでございます。
  64. 谷口善太郎

    ○谷口委員 そうしますと郵便法の八十三条に、法律に規定してある通りにやるべきであるし、またそれをやらせるようにしなければならないが、それに反した場合には云々という罰則規定がございますね。現金を入れて書留にしなかった場合にもこれにはかからないわけですね。
  65. 板野学

    ○板野政府委員 これにかからないと考えております。
  66. 谷口善太郎

    ○谷口委員 そうしますと、わかった場合にはあとから料金を徴収するというようなことになるのですか。
  67. 板野学

    ○板野政府委員 ただ成規違反といたしまして、それは本人に差し戻すだけということになっております。
  68. 谷口善太郎

    ○谷口委員 普通郵便に今まで通り現金を入れてやるところを書留にしなければならないというふうに改正される。これはさっき申しました通りに、郵便法の改正のときに詳しくお尋ねしますが、関係があるから伺うのです。これはどういう理由からああいうふうに改正になるのですか。
  69. 板野学

    ○板野政府委員 通常郵便物に現金を封入するということは、利用者の面から考えれば非常に便利な制度でございまするが、現金が中にある普通郵便がありますために、またいろいろ事故のおそれもございます。また御承知のように最近はだんだんたくさん百円の硬貨が出て参りまして、あるいは封書から脱落するというような危険もございます。またそういう現金普通郵便に入ったというために、いろいろ局内で従事する人々にも何か不安感が与えられる。また万一なくなった場合におきましても、そこに何の証拠書類もございませんので、事後の取り扱い等、いろいろな問題がそこに起きてくるわけでございまして、私どもといたしましては、別に書留という制度もございますので、この機会に現金封入を一つやめたい、こういうように考えておる次第でございます。
  70. 谷口善太郎

    ○谷口委員 一番問題になるのは、危険さが多いということ、それからなくなったりなんかしましても補償することができない、そういう不備がある点。それから従業員が取り扱う場合に、不安を感ずる。常に封筒の中に現金が入っているかもしれない、そういうものを取り扱うので不安があるというようなところに理由があるように、今のお答えでは了解するわけであります。危険の問題は、さっきから出ておりますが、現金を入れた普通郵便であろうと、書留にいたしましょうと、あるいは為替にいたしましょうと、さっき受田委員おっしゃったように、一応その面からいえばずっとつきまとう、避けることのできないある限界があるんじゃないかという問題があると思います。だから普通郵便現金を入れて——これは私どもは非常に便利に考えておったわけです。これが今後はできなくなるわけでありますが、それがそういう理由ですと、私ども少し了解しにくい面があるんです。危険の問題は、今までの状況ではどのくらいありますか。それから書留のことを聞くのではなくて、現金を入れた普通郵便ですね。これの危険さの率はどれくらいですか。
  71. 板野学

    ○板野政府委員 通常郵便物がどのくらいの損害と申しますか、額かということにつきましては、実はちょっと調べる証拠がないものですから、ここではっきりお答えするだけの資料を持っておりません。ただ、先ほどから申し上げましたように、通常郵便物というのはどのくらいの事故があるかということは何分証拠をとってないものですから、そういうわけでちょっと資料として持ち合わしておらぬ次第でございます。
  72. 谷口善太郎

    ○谷口委員 そうしますと危険だという問題から従来のように普通郵便物に現金を入れるということはよろしくない、あるいはそれを制度として改めるということの理由は、あまり出ませんね。あなた方資料を持っていらっしゃらないでわからないのだから、ただ想像で言っていらっしゃるんですね。
  73. 板野学

    ○板野政府委員 ただ犯罪とか事故として発見されるもので、普通郵便物の中に現金が入ったものをとるというような事件は相当ございますので、私どもはやはりこれは改正したらいいんじゃないかというふうに考えておる次第でございます。
  74. 谷口善太郎

    ○谷口委員 これは普通郵便物だけですが、書留、それから現金書留、あるいは為替書留というようなもののそういう犯罪といいますか、事故はどうですか。
  75. 板野学

    ○板野政府委員 現金書留等につきましては、先ほど申し上げましたように、大体十万件につきまして約二通程度の事故率でございます。
  76. 谷口善太郎

    ○谷口委員 私もわかりませんけれども、普通の郵便物でも現金が入っておるということの事故、それと現金書留で起こる事故の率、今おっしゃったように十万通に対してごくわずかですね。ほとんど事故と言えないような、こういう事故は何にでもありまして、そういう率はあると思いますが、そういう点で普通郵便物と、書留にするとか為替にするとかいう郵便物との間の事故率は、そんなに変わらぬと違いますか。どうでしょう。
  77. 板野学

    ○板野政府委員 先ほど申し上げましたように通常郵便物でございますので、どうもその件数というものははっきりいたしませんけれども、最近の犯罪等の中には、普通郵便からこれを抜き出すというような件数が相当上がっております。先ほどちょっと申し上げましたように、ただ危険があるということもございますけれども、そういう危険が起こるかもしれないというような不安感というものが郵便局の中にもございまして、やはりそういう事故が起こりますと、どうしても従事員といたしましても、作業上と申しますか、仕事をやっていきます場合に、何だか疑心暗鬼を生むと申しますか、そういう面からいたしましても、事業の運営上も適当でないのではないかというふうに考えている次第でございます。
  78. 谷口善太郎

    ○谷口委員 この事故を起こすのはやはり局内で起こすのではないですか。先ほどから局内だけでなくて、内部でなくて外でも起こるというふうなお話がございましたが、主として郵便物を抜き取るということなんだそうですけれども、そういう場合には局内の方が非常に多いのではないですか。最近の例から申しますと、新聞なんかでそういうふうな犯罪の報道をよく見ます。局内で割合多いのじゃないですか。その点はどうですか。
  79. 小金義照

    小金国務大臣 今、谷口さんのおっしゃったように、普通の封筒現金を入れて送ることは、私どもも利用して非常に便利である。私も就任後四カ月ばかりで、いろいろな御意見も、実例等も調べてみました。今局長からお答え申し上げましたように、書留になっているものの故障は件数がはっきり出ておりますが、普通郵便物はわからない。今、谷口さんのおっしゃったように、これは局内における犯罪もあるし、またなくなったときに、書留のようなはっきり証拠のあるようなものは別ですが、普通郵便物ですと、なくなったということが伝わると、だれかとったんじゃないかというような疑心暗鬼をお互いに持つ。またもう一つ、今御指摘のように、局外においてもその犯罪がある。たとえば封筒でこの中に現金が入っていそうだというものを何らかの形で抜き取ります。しかも開いてほんとうに入っているものだけが抜き取られるのであれば、これは金が入っていたのだからまだしも仕方がないが、入っていそうなものが一緒に四十通、五十通とられ、あけてみてない郵便物は棄却されて届かなかったということが、大へん申しにくいことですが、私が就任以来、事故として調べた中に数件出ておりますので、便益からだけ申しますと、受田さんもおっしゃったように、受田さんも御愛用なさっていて下さるようですけれども、だれもそう考えると思うのですが、これは預かる方から言いますと、犯罪の防止という上から言いましても、これは局員であるなしにかかわらず、完全な部外者でありましても、個人の家に郵便受け箱があり、その中がのぞいて見えるような場合に、この中に現金があるかもしれないということで盗み、取り出してそれが何にもなかったらもとに戻してくれるならばいいのですが、盗んだ人はそのまま持ち帰ってしまうというようなことで、統計上表われていない非常な故障があるのではないか。そうして私の記憶では、約十年くらいの体験と申しますか、経験等から申しまして、この際は十九条によって書留にして下さい——それは書留になれば受取人に直接渡すわけですから、そういう安全率をとった方がいい。普通郵便物は盗まれてもその中にお金がありませんというふうな観念を抱かせる、というと語弊がありますが、そういう常識に持っていかないと、今のところは何がしか封筒を取れば金が中に入っている。入っていそうなものについては盗まれるおそれがあるというような状態でございますので、十年間の実績あるいはまた扱いの第一線の職員諸君等の気持等からも察しまして、この際はやはりもとへ戻した方がいいのではないかということで、実はもとへ戻すという意味でございますから、その点を御了承願いたいと思います。
  80. 谷口善太郎

    ○谷口委員 これは冒頭に申しましたように、郵便改正のときにもう少し詳しく突っ込んで伺いたいと思いますが、書留であろうと、為替であろうと、現金があろうと、あるいは普通郵便物に現金を入れた郵便物であろうと、危険という問題は部内の問題としてわれわれは非常に重大にこれを考えていかなければならない。部外で受取人とか差出人とか、あるいは受け取ってからどうだという問題は、郵政の仕事とは別なところにある。そうしますと、最近の事例で見ますと、郵便物の事故の起こる原因にはやはり一つ理由がある。これは私、この前にも一言言ったのですが、従業員の中に若いまだ世の中に立って一人前でない人を安い賃金で使っている。そういう制度がありまして、これはやはりわれわれとしては真剣に考えなければならぬ問題があるのではないか。危険な点がある。そういう点は考えるべきで、これは郵便改正のときに申しましょう。ただ、この案との関連で考えますと、普通郵便物に現金を入れて送って、若干の危険もあるし、事故もあるのだが、非常にたくさんの人が便宜を受けている。これは事実なのです。それをこういうふうに変えていくということは、そういう意味ではむしろ現金輸送の方は危険があるぞ、危険負担はしないぞ、だから為替をやれといって為替に押し込んでおいて為替料金を高くするそういう考えは今度の改正案の中には政府としてないだろうが、しかし結果としてそういうことになっているという問題、この問題はやはりわれわれとしては論議しておく必要があると思って、それでこの問題を聞いたわけです。ではこれはまた別にやります。  それから料金格差の問題について先ほどから論議がございましたが、私もやはりまだ納得できない。現金書留の場合と普通為替で送る場合の料金が、為替の方が高くて現金書留の方が料金が安い。これはずいぶんいろいろきのうからきょうにかけて皆さんも御答弁なさっていらっしゃるけれども、私ども納得がいかない。安いことは事実でしょう。現金で送る場合と普通為替にしてやる場合と、現金の方が安いわけでして、どうも為替料金を上げましても、現金輸送する方がやはり安いから需要者が多いんじゃないか。これはお認めになりませんか。そういうことになっている。理屈は為替の方がこういう便宜があるとかいろいろおっしゃいましたが、あれを一々分析していきますと、結局は水かけ論でありまして、為替だから、相手に幾ら送ったということも相手にわかるし、補償もできる。現金だとそれがあいまいになるということは、これは受田さんもおっしゃったが、そういう言い方自身は、現金書留に対する郵政省の信頼感の非常にない立場に立ってこういう法律改正をなさっているということにもなりますし、そういう理屈をいえばいろいろ反論もできる。だけれども、料金のことをいえば現金書留が安いでしょう。それをお認めになりますね。どうです。
  81. 大塚茂

    大塚政府委員 現金書留の方が安いということは、先ほどから申しております通り、間違いない事実でございます。
  82. 谷口善太郎

    ○谷口委員 そこから一つの問題が引き出されると思いますが、それはあとにいたします。  それからもう一つ料金の格差の問題で、これはさっき受田さんもおっしゃったが、銀行送金料金、手数料といいますが、郵便局のやろうとしている料金は、銀行の方が安い、これは事実ですね。お認めになりますね。
  83. 大塚茂

    大塚政府委員 先ほど申し上げましたように、一万円までの送金についてはほとんど同じ、それ以上のものについては銀行の方が安い、こういうことでございます。
  84. 谷口善太郎

    ○谷口委員 そういうふうにおっしゃいますとこまかいことを言わなくてはなりませんが、あなたがおっしゃったから私触れなくてもいいと思いますが、一万円以下の場合においては安くつく、電報で送る場合は非常に安い。これはここに皆さんお出しになった資料がございますから、これは論議の余地はない、はっきりしている。つまり郵便局送金手段を利用した場合と銀行送金手段を利用した場合と大まかに言えばなるほど小額の千円、二千円、それ以上のものは、今度定額為替ができましたから安くなりますけれども、しかし全体から見れば銀行の方が安いということは明らかですね。これはどうです、やはりお認めになりますか。
  85. 大塚茂

    大塚政府委員 先ほど申し上げましたようにいろいろ種類がございますので、それをこまかく申し上げないと何でございますが、普通為替におきましては、先ほど申し上げましたように一万円まではほとんど同じでございますけれども、三千円から五千円までの間のものが十円だけ郵便為替が高いことになっておるわけでございます。普通為替は大体五千円以下が六〇何%を占めております。一万円以下が全体の為替の八五%ぐらいまででございますから、普通為替においては八五%のものについては銀行とほとんど同じ、中にちょっと十円だけ高い分がある、こういうことでございます。  それから電信為替におきましては、五千円までが銀行と同じでございます。これが大体三八、九%、四割近くまで、九千円でございますと四割近いものまでは銀行と同じ、それ以上の高額のものについては銀行よりも少し高くなる、こういうことでございます。
  86. 谷口善太郎

    ○谷口委員 そこらの割合をおっしゃったのは参考なりましたが、その割合をお聞きするとそういうことになりますけれども、料金の表を見ますと一これは皆さんお出しになっておりますものに今おっしゃったこと書いてあるから私ども承知しているわけでありますが、要するにこの料金比較表を見ますと割合の問題がありまして、従って利用者の数からいったら非常にたくさんのものに対してはそう高くないというふうにおっしゃろうとしていらっしゃると思います。しかし料金表のこれで言えば千円から始まって十万円までありますね。普通為替現金書留銀行の普通送金、電信為替銀行の電信送金と書いてある。これを全体で見ますと決して安くない、銀行の方が安いです。皆さんがさっき受田君の質問の中で、銀行利用して送金するのは取引のある人たちだろう、そうでない者は銀行へ行かないだろうと、こうおっしゃっておりますが、それは私、両面の真理があると思う。山間僻地の銀行のないところでは確かに郵便局に行きますが、都会ではこのごろはそうでない。そういう議論をやっていましても切りがありませんから私は大ざっぱに言いますが、料金はここに書いてある通り銀行の方が安い。そこをやはり認める必要があると思う。  そこでちょっと伺いたのですが、この銀行料金改定させるというようなことはあるのですか。これは銀行の自主性だと思うのですが、こういう料金改正する場合は政府が認可するとかなんとか、何かそういうことになっておるのですか。これは郵政省の方じゃないかもしれませんが。
  87. 大塚茂

    大塚政府委員 私も詳しくは存じませんが、送金協定をいたしますと独占禁止法違反になりますので現在協定ということが行なわれないのでございますが、現在きめました銀行送金料金というのは、昭和二十三年に協定できめたものがそれ以降もそのまま残っておるという形でございまして、現在この料金改定するということになりますと、結局個々の銀行で自主的に変えるということになるようでございます。
  88. 谷口善太郎

    ○谷口委員 それについて、これは郵政当局で御答弁いただくことかどうかわかりませんが、政府としてこの郵便局為替料金改定に際しまして銀行送金のいろいろな種類の料金改定なんかについて何か指導でもなさっておられるのですか、それはしない方針ですか。
  89. 小金義照

    小金国務大臣 ただいま局長から申し上げました通り、独占禁止法の関係もありまして正面切って金利のような指導と申しますか連絡はとれない実情でございます。そこで銀行業務も利子を引き下げたり預金が減ったりしますので、何らかの曲り角にきたというような話も聞いております。さしあたって銀行筋と相談してきめたということはないと私は信じております。また私の方の為替送金関係する料金を上げるから銀行はどうだという意向も正式にはただしておりません。
  90. 谷口善太郎

    ○谷口委員 一方に送金額の総額を十万円まで引き上げられて、五万円以上の送金も大いに郵便局利用してもらう。現金輸送は五万円が限度でありますが、これもさっきおっしゃったように二つにすればやれるわけです。そういうふうに相当多額送金郵便事業でやろうという計画を立てておって、しかも料金の面では五千円以下あるいは一万円以下の点では銀行よりも安いとかあるいは同等、それ以上は高いというやり方をやっているというところに私は大きな矛盾があるように思う。つまり非常に勘ぐった言い方をすれば、銀行が安いままでこっちが高くするということになれば、郵便局に頼んで送金するよりも銀行の方に行きますよ。こういう点の御討議をなさったのですか。
  91. 大塚茂

    大塚政府委員 その点について私どももよく研究をいたしたのでございますが、銀行送金におきましては、相手方の受け取り銀行というものを必ず指定します。案内がいきますものですから、従って相手方が住んでいるところにどういう銀行の支店があるか、それから受取人の最も近い銀行はどこかということがはっきりわかった場合でないと、払い渡し銀行を指定します関係上送れないわけでございます。従って銀行の支店というのはそうたくさんあるわけでございませんし、しかもその銀行は相互に送金契約を結んだ銀行相互間においてのみ——自行内はどこでもいいのでありますが、他行との関係になります場合には、送金契約を結んだ銀行の相互間でなければ送金ができないというふうなことにもなっておりますので、結局銀行送金を使うという場合は非常に限定をされる。それから先ほど申し上げましたように、銀行に行ったこともないような人が送金のためだけに銀行に行くということは、実際問題としてなかなか行きにくいというような点もありまして、まあ銀行の方が半分以上、あるいは電信為替につきましても四割までの少額送金については私どもの方が安いと思っておりますが、私どもが高い部分につきましても、銀行送金利用するという部分は限られた人になるというふうに考えておりまして、そう全部が全部銀行送金に移るというふうには考えていないわけであります。
  92. 谷口善太郎

    ○谷口委員 あなたの話を聞いていると、銀行利用されない、利用する人は少ないということばかり、そこのところから立論されているのですね。これはちょっと違うんじゃないかと思うのです。たとえば電信為替の場合、あなたは五千円までが四〇%、ところが一万円以上になりますとこっちの方は料金が三百円以上になりますね。銀行の方は二百五十円です。その二百五十円で向こうが送っている。つまりこっちが三百円以上になりますね。これからが四〇%だとおっしゃったでしょう。そうすると、六〇%というものは高いものでこっちでやろう、そうじゃないですか。銀行の方が安いわけですね。銀行利用する人間は少ないとか——それはさっき言いましたように私ども認めているのです。郵便局のないところ以外はやらないだろうし。だけれども、こういう銀行の方が安くて郵便局の方が高いという点はいなむことのできない事実じゃないですか。ここのところにやはり私は問題があるように思うのです。これを明らかにされることが必要じゃないかと思うのです。さっきお聞きしますと、独占禁示法とかなんかありまして、銀行送金料金の改定ということにつきましては、これは向こうの自主性だとおっしゃった。私もそうだと思うのですが、その場合は、やはりこっちを高くすることによって銀行送金手段を利用する方向国民を追いやる結果になりませんか。それらについての不安はありませんか。利用する者は少なかろうということであなた方言っていらっしゃるけれども、利用する者の方がそういうふうに安ければ向こうへいきますね、その点はどうです。
  93. 大塚茂

    大塚政府委員 先ほども一万円以下あるいは五千円以下の送金になっては決して私どもの方が高くないということを申し上げました。そのとき私ちょっと落としておりますが。電報送金につきましては、私どもの方の電信為替はこのままの料金で全部足りるわけでありますが、銀行の方の電信送金につきましては、案内はもちろん引き受けた銀行から受け取り銀行の方へいくわけでございますが、送った本人から別に受取人にこの金をこれこれの銀行経由で送ったからという電報を打つ。ほかに別に打たなければならぬということになるわけであります。従って二百五十円と書いてありますが、大体その字数が平均しまして九十円から百円くらいの電報になるようでございます。だから銀行の電信送金についてはこの二百五十円というほかにさらに九十円または百円の送ったからという電報の料金が実際問題としては加わるということになりますので、その電報料金を加えて計算をいたしますと、それでも私どもの方が多少高い部分があるかもしれませんが、大体において高くなる部分は高額のきわめて少ない部分になるというふうに考えているわけでございます。
  94. 谷口善太郎

    ○谷口委員 郵便局の場合には電報は必要でなくて、銀行は必要だというが、それだったら同じことじゃないですか。こっちだってお金を送ったというだけであって、何のためにどうして送ったということをやれば、やはり電報は要るわけですから、そこらのところは私は論議の対象にしないで、私どもは皆さんのお出しになった資料によって判断しておりますから、率直にもう少し話していただけませんか。銀行の方が料金が安いということとこっちが高くなるということの間に、郵便事業として取り扱うこの為替送金事業が、今後見通しが非常に困難なことにならないかという問題を私は言っているわけです。そこらについては確信があるのですか。その点どうですか。
  95. 大塚茂

    大塚政府委員 先ほど申し上げましたように、料金面から見ましても必ずしも高くございません。高い部分も一部ございますけれども、さっき言いました銀行の店舗との関係というようなことを考えますと、郵便為替から銀行の方に全然移らないとは申し上げませんけれども、大量に移るというようなことはないというように考えられます。
  96. 谷口善太郎

    ○谷口委員 皆さんの出していらっしゃる資料から見まして、郵便局でやろうとしているこの為替事業が、将来銀行との関係から見ましても、そう皆さんの思っていらっしゃるようなことじゃなくて、非常に先細りするような条件がこの中に入っているように私どもは思うわけです。そういう点について若干のことをお聞きしたわけですが、私は次に移ります。  第三の問題は、今度新しく定額小為替制度ができるわけで、これはある意味で非常に便利だろうと思う。さっき受田さんがおっしゃったように不便も若干あるようでありますが、安く少額の金を送るという場合にこれを利用することは便利だと思うのですけれども、しかしこのために郵便局事業量が相当ふえるのじゃないか、そういう点についての見通しはどうなんですか。新しく制度を作って、小さな百円、二百円、千円というようなものを一々やるというのですが、そこらの事業量の増加といいますか、そういう見通しはどうですか。
  97. 大塚茂

    大塚政府委員 確かにふえる面もございますが、料金をこれだけ安くできたというのは、取り扱い手続が結局簡便になっておるからということでございまして、その人数もきわめて少なくて済む。しかも普通為替からこの方へ移る分がございます。それについては普通為替の半分以下の手数でやりますので、普通為替に従事しておった人がこの倍くらいの定額小為替の処理ができるというふうに考えておりますので、さしあたって要員という問題は起こらないけれども、しかし将来これが非常にふえました場合には、要員措置等についても考慮しなければいかぬと考えております。
  98. 谷口善太郎

    ○谷口委員 そうしますと、今のところ大体現状でいけるだろうという見通しで、要員措置はないのですか。
  99. 大塚茂

    大塚政府委員 さようでございます。
  100. 谷口善太郎

    ○谷口委員 これはやってごらんになればわかることでありますし、そうでなければわからないとおっしゃるのも当然だと思いますが、そうしますと、郵便局の中でこれを実施する場合に、労働組合との間に、担務変更その他の問題についてのいろいろな問題がきっと起きると思いますが、それらについては組合の方へ何か申し出られたとか、何かそういう交渉をやられたとか、そういう御準備があるのですか。
  101. 大塚茂

    大塚政府委員 これは同じ郵便局為替貯金の窓口で扱い得るものでございますから、普通為替から定額為替に移行した分については別に担務変更、配置転換という問題は起こらないと考えております。
  102. 谷口善太郎

    ○谷口委員 それは起こらないというふうにおっしゃるけれども、それでいいですか。
  103. 大塚茂

    大塚政府委員 将来非常に多くなった場合は別でございますが、さしあたりは起こらないと考えております。
  104. 谷口善太郎

    ○谷口委員 それでは最後のところを伺います。ここのところに、さっき受田さんもちょっと触れていらしたのですけれども、他会計からの繰入金というのがございます。これは非常に事務的なことで、皆さんの方からちょっとだけおっしゃっていただけばいいのですが、数字が変わっておりますけれども、これは何か別な根拠があるだろうと思うのですが、それはどうなんでしょうか。ここに出ております郵政事業特別会計の予算書の中の五百六十二ページになりますが、ここのところの他会計より受け入れの中に、郵便貯金特別会計から二百十六億ほどのものが入ってくる。それから簡易生命の方から二百九十二億ほどのものが入ってくるわけですが、これはこちらの郵便貯金の特別会計の方のここへ繰り入れたという額と若干違っておりますが、これは別なことがあるのでしょうか。
  105. 佐方信博

    佐方政府委員 ただいまの御質問は、五百六十二ページの郵貯から入ります数字と、どことの食い違いでございましょうか。
  106. 谷口善太郎

    ○谷口委員 特別会計の六百二ページの郵政事業特別会計へ繰り入れという数字とが違っておる、これは関連はありませんか。
  107. 佐方信博

    佐方政府委員 五百六十二ページに書いてありますのは、郵政事業の業務運営に要する経費、いわゆる損益費でございます。おそらく郵便貯金会計からの繰り入れとこれとの差額は、五百六十四ページに設備負担金という事項がございます。そこに郵便貯金特別会計から四億二千万入ることになっておりますので、建設勘定に入る分と損益勘定に入る分と合わせますと、郵貯会計の歳出になる、こういうことだと思います。
  108. 谷口善太郎

    ○谷口委員 了解しました。  一般会計からこの郵政事業特別会計へ二十億余り入っておりますね。これはどういう意味を持っているのかということです。
  109. 佐方信博

    佐方政府委員 御承知のように、郵便局では国税金の取り扱いでありますとか、恩給の支給事務でありますとか、そういうたくさんの国庫の仕事をしているわけでございます。その取り扱い経費を一般会計から事務費として繰り入れておるというわけでございます。
  110. 谷口善太郎

    ○谷口委員 そうすると、これはそういうふうにちゃんと使途が明らかにされているというものなんですか。
  111. 佐方信博

    佐方政府委員 いわゆる郵政会計の赤字を補てんするというものでございませんで、当然一般会計が出すべき筋の金を仕事の対価として出しておる。こういうふうに御了解願いたいと思います。
  112. 谷口善太郎

    ○谷口委員 先回りしておっしゃって、なかなか頭がよろしい。こういう国家がやるサービス事業の場合、これは料金その他でまかなっていくというのが建前になっていると思うのですが、この場合に一般会計との関係、今おっしゃったように国庫で負担しなければならない、一般会計で負担しなければならないような事務を郵政事業の中でやっているということに対する金というよりも、郵政事業全体に対する一般会計からの支出ということを考えていいんじゃないかというふうに考えるわけなんです。この点について、これはこの前も私伺ったのですが、そうはなかなかいけないという建前に現行の財政計画ではなっておるように思うのですけれども、そこらについて郵政大臣いかがですか。私は思うのですが、こういう郵便事業につきまして、はがきや郵便貯金なんかにつきましても、また上がることの改正案が出るわけですが、今度の場合でも私はほかから見たらそう料金が高くなるとは思わぬ。共産党がこういうことを申しますとちょっと皆さん意外に思うかもしれませんが、ある部分今申しましたようにいろいろな不合理がありまして、銀行との関係の問題があるとか、あるいは現金書留為替との関係の問題で格差があるとか、いろいろございますが、しかしいろいろな物価から見てそう料金が高くなるとは思わぬ。にもかかわらずこれはおそらく社会党も民社党もみんな反対するだろうと思うし、私も反対いたしますが、国民全体、特に零細な生活をしている人たらはこういう料金の値上げに反対する。普通に見ますればそう大して値上げじゃないのにみんなが反対するという理由は一体何だろうか。この前、私、NHKのときに申しましたが、料金は当然サービスの代価としてとるべきだろうという意見は私も言っておった。あの問題もそうじゃありませんか。しかし料金を上げたりあるいは当然なくすべき部分をなくせという意見なんかやはり国民から出てくる。上げるに反対するという意見が出てくる。この場合でも私はごうごうの反対が出る、まして郵便料金の値上げなんか非常に猛烈な反対が出てくると思う。当然上げてもいいような状態でありながら国民全体が反対するというその根拠についてお考えになったことがありますか。そこらはどうでしょう。
  113. 小金義照

    小金国務大臣 特別会計の制度をとっておる建前上、これは郵便やこういう制度利用する人のために一般税金の中から繰り入れるというところまでは私どもは踏み切りません。なお郵便料金を含めて反対の声が強いとおっしゃいますけれども、諸般の物価指数、また生活の向上、経済の拡大等から考えまして、私どもはこれは至当な値上げだと思っておりますので、今おっしゃったような考えには踏み切らないわけであります。
  114. 谷口善太郎

    ○谷口委員 こういう論議は根本的な問題でありますから、郵政大臣は木で鼻をくくったような御答弁をなさいますけれども、料金として考えてみた場合にそんなに高く上げるんじゃないのだ、にもかかわらず料金値上げに反対だということが出てくるのには、国の税金にしろ、こういう料金にしろ、ほんとうに国民に対するサービス、あるいは国民の要求、国民気持というものを基礎にして政治が行なわれている場合は、これは当然必要なものは喜んで出すと思う。そうでない場合、普通の経済的な条件から見ましたら妥当だと思うようなものであってもこれに反対することになるということが起こってくる。一般会計から繰り入れることはできないんだとおっしゃいますけれども、一般会計から繰り入れることは幾らでもできると私は思うのです。  (「すべきでないんだ」と呼ぶ者あり)すべきでないという建前をとってしかも一般会計の中から国民にとってむしろ有害な方向へどんどん金を出しているというところに今の政治の本質があると思うのです。そういう問題との関連で国民はこういうものを見ますから、非常に事務的に済んでいいはずの郵政事業郵便料金を上げるとかいう問題にどんどん反対するというこの事実を皆さん方はお考えになったことがあるかどうか。私どもはそういう点からやはり根本的に国が人民相手に、人民の要求に基づいて、人民の利益のためにやっている、こういう郵政事業の場合には、もっと根本的に考えてみる時期にきているのじゃないかと思うのです。  最後に、これは御答弁いただかなくてもけっこうでありますが、さっき伺いますと検討をやらないようでありますからつけ加えておきます。土八尾党はこの値上げ案には反対でありまして、その点をはっきりさせまして私の質問を終わらせていただきます。
  115. 山手滿男

  116. 森本靖

    森本委員 もう時間も迫って参りましたので簡単にいたしますが、ただきのうの私の質疑応答で、若干政府委員の中で答弁がちくはぐであったり、間違った点がありましたので、代金引きかえの為替証書の送り方について、どなたでもけっこうですので、統一ある答弁をしてもらいたい、こう思うわけです。
  117. 大塚茂

    大塚政府委員 昨日は勉強不足でまことに申しわけありませんでした。帰りましてよく調べました結果を申し上げますと、代金引きかえでとりました代金を為替証書で送ります場合には、書留によって送ってほしいという請求をすることはできないという制度になっております。それは結局届くまでは郵便局側の責任でございまして、受取人としは届かなければいつまででもその請求ができるということでございますので、特別に書留にする必要がないという理由からきておるわけでございますが、ただ金額が高くなりました場合には部内での自衛措置といいますか、部内の取り扱いの慎重を期するという意味におきまして、一万円をこえた代金を請求者に送ります場合には、内部手続として書留郵便によって送るという取り扱いをいたしておる次第でございます。
  118. 森本靖

    森本委員 その一万円以上だけを無料書留で送るということについても、実はこれは考えてみるとおかしいわけであります。最初に貯金局長が答弁をせられたような趣旨でこれは書留でやらない、こういう原則であるとするならば、一万円以上についてもこれは書留で送る必要はない、こういうことになるわけであります。しかし部内犯罪その他のことを考えて、自衛措置として一万円以上の金額についてはこれを書留にするということであるとするならば、少なくとも公衆の方から要求があれば、五千円でも七千円でも書留にするということが正しいわけであります。これは法律においてやられるわけではなしに、施行規則においてやられておりますので、これは郵政省の中において十分検討して改正することもできると思いますから、今言った書留における不合理性については、将来ともこれは郵政省の内部においていま少ししっかりした理論と現実にマッチするように御検討を願いたい、こう思うわけでありますが、この点については一つ大臣から聞いておきたい。
  119. 小金義照

    小金国務大臣 ごもっともでございますので十分検討いたします。
  120. 森本靖

    森本委員 それから、この普通為替と定額小為替料金については質問がありましたけれども、電信為替料金の値上がりについては質問が全然なされておりませんので、この点をちょっと質問をしておきますが、ここで問題になりますのは、先ほど貯金局長が言いましたように、電信為替の字数は大体九十円ないし百円程度の字数である、こういうふうにおっしゃいましたが、ここで具体的に質問をいたしますと、たとえば七万円をこえ、十万円以下の場合の電信為替料金が四百七十円になっておりますが、かりに三千円をこえ五千円以下の場合の百二十円というものが、この百二十円と四百七十円の料金でありますが、この場合、この電信為替を送るところの字数が著しく違うかどうか、字数についてはほとんど同一の字数になるのではないか、ただ十万円ということになってくると、零が一つ多いから、いう字が一つ多くなる、ただ一字か二字程度多くなるという程度ではないか、こういうように考えるわけですが、どうですか。
  121. 大塚茂

    大塚政府委員 十万円までのものが四百七十円と申しますのは、これは電信為替としての基本的な料金でございまして、その上に電報料百三十円というものが加わるわけであります。その百三十円は三千円であっても一万円であっても同じでございます。
  122. 森本靖

    森本委員 その電報料金の場合、三千円をこえて幾種類あるところの為替料金、これ以外の電報料金というものがそれぞれの金額において違うわけですか。
  123. 大塚茂

    大塚政府委員 電報料金金額において差はございませんので、百三十円均一でございます。
  124. 森本靖

    森本委員 その場合、普通為替は、七万円をこえ十万円以下の場合は三百円、それから電信為替は、七万円をこえ十万円以下の場合は四百七十円、こいうことになってくるわけでありますが、この差というものは一体どこから出てくるわけですか。
  125. 大塚茂

    大塚政府委員 一言に申しますと、取り扱いの手数は電信為替の方がよけいかかるという点と、利用者の面から見ましても、電信為替の方が非常に早く着きますので効用が大きい、そういう点を考慮しまして、この差額が出ておるわけでありまして、手数の方面から申しますと、一々電信為替を受け付けましてそれを電報局へ行って電報を打つという手数がよけいにかかるわけでございます。そのほかこまごました手数が相当かかるわけでございまして、そういう手数と、先ほど申しました電信為替普通為替に対して利用者の面から見て効用が大きいという点を考慮してつけたのであります。
  126. 森本靖

    森本委員 そうすると、普通為替の場合と電信為替の場合とずっと上がっていく金額を見た場合に、一体電信為替料金をきめるのは金額においてきめておるわけですか。
  127. 大塚茂

    大塚政府委員 結局手数としては幾らでも同じでございますが、利用者の効用の面から見ますと、金額が大きいほど効用が大きいものでございますから、効用の大きいものに料金をよけい負担していただくという考え方料金をきめたわけであります。
  128. 森本靖

    森本委員 この電信為替料金をきめた基礎計算というものはどうなっておるわけですか。どう考えてみても、普通為替料金と電信為替料金比較した場合同じ金額であって、電信為替普通為替の場合に百七十円金額が違うということは妙に納得がいかぬわけですがね。
  129. 大塚茂

    大塚政府委員 電信為替におきましては普通為替料金を基礎にいたしておるわけでございます。それにプラスしまして、先ほど申し上げましたように手数がよけいかかるというそのよけいかかる分と、それから普通為替よりも効用が大きい、早く着くだけ利用者面から見ても非常に利便だという点、それは金額の大きいものを送るほどやはり利便は大きいというふうな点を考慮しまして、普通為替料金の上につけ加えたというわけでございます。
  130. 森本靖

    森本委員 これは、ここで私が具体的にいろいろ聞いておるともっと長くなりますし、またあなたの方も答弁に困ると思うので、私一つ将来の参考に、自分でも研究してみたいと思いますが、この普通為替と電信為替料金をきめた基礎計算は、たとえば金額の多寡によって何%程度とっておるか、それからその労力においてどの程度とっておるか、そういうふうな基礎計算方式ですね。おそらくこれは頭から四百七十円と三百円、百七十円の差があったらよろしいというきめ方ではないと思う。やはり基礎計算の積算根拠というものがあると思うのです。おそらく昔の積算根拠に今回の値上げ率をかけてこれは出したと思うが、その根本になりますいわゆる基礎計算の計算方法、それを一つ具体的に資料としてお出しを願いたい、こう思うわけであります。  ほかにもいろいろ質問がありますけれども、この程度で私の質問を終わりますが、最後に、これは討論もありませんので、私の意見を一応若干申し上げておきたいと思います。  今回のこの料金値上げの問題については、値上げをしなければならぬということについてはある程度われわれとしてもうなずける点はございます。ございますけれども、ただこれを政治的に考えた場合に、わずか三億六千万円程度の赤字を解消するということにおいて、値上げ率としては三二%ないし三一%という高額の値上げ率を示すということについては、いま少し政治力が足らぬのではないか、この程度の金額であるとするならば、どこか他会計からの繰り入れその他のことを考えて、この値上げ程度は今回は見送って、こういう値上がりムードのまっただ中においてこれを改定するということについては、私はいささか政治的に考慮することが必要じゃないかという点がまず第一番目の反対の理由でございます。少なくとも、こういう三億六千万円程度については、一般会計から補てんをするなりその他の方法を講ずればいいんで、この三二%、三一%というのは比較高率の値上げ率になるので、そういう点についても十分に考えていかなければならぬ、そういう点からわれわれはこれに反対するわけであります。  同時に、いま少しこの料金体系について根本的な検討を要する時期ではないか、昔からの積算根拠をそのままにして、その上に値上げ率をかけて値上げの料金額を出すということも必要だと思いますけれども、その根本の積算根拠についても、さらに現金書留の点についても、為替料金についても、そういう総合した料金体系の検討が必要ではないか。今回の場合は、現金書留の方がずっと安くなって、この法律が施行されますと、郵政省は何といたしましても為替の方はもうだんだんやめていくのだ、現金書留の方に変わるのだという方向をとられましてもいたし方がない、こういう形に現在現場においてもなっておるわけでありますから、そういう点については将来十分に考慮しなければならぬ。  最後に私が申し上げておきたいことは、当委員会におきましては、まだあとで振替貯金法、郵便法の改正、いろいろの法律の改正がございますけれども、こういうふうな法律施行にあたりましてのいわゆる取り扱い状況ということについては、法律案件が施行されなければそういう取り扱い内容については下部に申達することはできません。しかし、きのうまたその前の答弁を聞いておりましても、それぞれの責任者が案外現場の事務になれていないということが率直に言えるのではないか。私は、現場の係長なり主事程度に詳しく局長が知っておれということを言うわけではございません。しかしながら、政府委員としての局長というものは、やはり全体的に仕事をしておる方々でございますから、少なくとも現場における業態については通暁しておるのが当然の任務であると私は考えるわけであります。そういう点からいたしますと、若干不勉強のそしりを免れない点もあるのではないか、そういう点については、事業の推進のために一そう勉強せられまして、下部の従業員の信頼を得られるようにせっかく将来の御努力を願いたい。同時に、こういう面の取り扱い等については、下部の管理者等の意見も十分に吸い上げて、そうして施行の際には万遺憾なきを期せられたい、こういうことを希望条件として申し上げまして、私の質問を終わります。
  131. 山手滿男

    山手委員長 ほかに御質疑もないようでございますから、本案に対する質疑は終了いたします。     —————————————
  132. 山手滿男

    山手委員長 これより討論に入るわけでありますが、討論の通告もありませんので、これより直ちに採決に入ります。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  133. 山手滿男

    山手委員長 起立多数。よって、本案は原案の通り可決いたしました。  この際、小金郵政大臣より発言を求められております。これを許します。小金郵政大臣
  134. 小金義照

    小金国務大臣 この郵便為替法の一部改正法律案の御審議に際しましては、大へん有益な御意見を聞かせていただき、また郵政省の今後の執務上にも大へん参考になることを示唆していただきましたことに対して、厚くお礼を申し上げます。ありがとうございました。
  135. 山手滿男

    山手委員長 本案に関する委員会報告書の作成等につきましては、先例により委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  136. 山手滿男

    山手委員長 御異議なしと認め、さよう決します。  本日はこの程度にとどめ、次会は公報をもってお知らせすることとし、これにて散会いたします。    午後一時十分散会      ————◇—————