○大堀
政府委員 第一の御
質問の点は、電灯と
電力の原価配分の問題かと思いますが、私
ども原価計算いたします場合には、個別原価計算と申しておりますが、水力、火力の発電端における経費、それから送変電、配電費、それから
需用の末端まで配ります場合の費用、そういう個別の段階ごとの原価計算をいたします。たとえて見ますと発電費につきましては、大きな
需用家でございますと発電端から第一次変電所に行って、それから直ちに
需用家の手に届けられる。その原価計算で参りますが、家庭に参ります場合には、第二次変電所、第三次変電所、さらにそれから先にこまかい配電網を経まして家庭に届けられる。その送配、変電費というものが、家庭の場合非常に高くつくわけであります。また家庭用の電灯といいますのはいつでも使われる。ことに夕方の非常に電気の忙しいときに電灯をつける、あるいは炊事用の電気を使うということで、電気としては非常に質のいい電気、常時いつでも使われる電気であります。しかも使う割合が、常時使っておるわけではなく、つけるときだけつけて、あとは休んでしまう、非常に利用率の悪い電気でございます。そういう点を計算いたしまして原価計算をいたしてみましても、現在の大口
電力、あるいは小口
電力——小口
電力あたりになりますと、大口よりも、さらに第二次変電所あたりからとる、第三次変電所からとるというように、逐次経費が違って参りますが、そういう個別原価の計算をいたしまして、家庭用
電力の経費の配分をいたしますが、それから見まして決して一方にかけているということじゃございませんで、原価によって配分をいたしておるわけであります。
アンペア制の点につきましては、たとえば電灯だけつけておる家庭、あるいは電灯とラジオ
程度を使っておる家庭、あるいは電気がまとかテレビを使っておる家庭、さらには電気冷蔵庫とか、
相当電気器具をよけい使っておる家庭、電気器具をよけいお使いになる家庭は、やはり一瞬間に
相当な電気を使う場合があるわけでございます。それに対して
相当大きな発電の供給余力を持たなければならぬ。従いまして、どうしてもそういう家庭向けのものはアンペア制によって、五アンペア、あるいは十アンペア、十五アンペアという、アンペアによる基本
料金を取りまして、それ以外に使った電気について、一キロワット・アワー当たり幾らという使った量に応じた
料金、両方合わせて
料金をきめるわけでございます。私
どもとしましては、
料金制度調査会におきましても、この方向が正しい
料金の公平な
負担の仕方であるという
考え方で、アンペア制そのものは、やはり今後この
方法でやるべきが、
負担の公平から見ましても適当であると
考えておりますが、ただこの切りかえの際にあまり大きな
影響が出ますことは、私
ども適当でないと
考えております。あまり大きな
影響はいかぬと思いますので、その点は十分慎重に検討いたしまして、先ほど申し上げましたように、アンペア制に切りかえるために出る
影響は、この際最小
限度にとどめるように、
料金制度の方を現在手直しさせていきたいと
考えております。