○滝井委員 どうしても補正
予算を組まなければならぬということになれば組む、こういうことになってきたわけです。これははっきりしてきたわけです。そうしますと、
医療費も同じです。
医療費も一円を相当上回る額をやりますと、こうおきめになったのでしょう。おきめになって、そうして今度は四十六億の中で幾らですかというと、これははっきりしない。仲裁裁定の方は一生懸命にきのうあたり出たものをおやりになっているわけでしょう。そうすると、
医療費の方は約一カ月前に出たのですから、もう大蔵省がやるのと同じように
厚生省は検討済みでなければならぬはずなんです。ここなんですよ、古井さん、こういうところが、もう少しやはりあなたが誠意を持ってスピード・アップしてやらなければならぬところなんですよ。いいですか。
国民健康保険その他の零細な大衆なんですよ。それは言い方が悪いかもしれぬけれども、公労協の人たちと零細な
国保に加入しておる人たちとの所得の
状態を比べてごらんなさい、そうでしょう。(「そうだよ」と呼ぶ者あり)そうだという声が与党の中にある、そのことさえもやってない。だから、これは並行しなければいかぬ。補正
予算を検討してお組みになる、その検討した結果が出るならば、組まなければいかぬというならば、
医療費も早く検討してお組みにならなければいかぬわけですよ。あるいは炭鉱災害だって同じです。こういうようなものをやはり総合して補正
予算をお組みになるときは、ばらばらとやるわけにはいかぬですよ。こういう点、古井さんの熱意がどうも少し薄い。だからいろいろ外から非難を受ける。私はあなたを個人的には尊敬しておる。しかしあなたは、私をして言わしむれば、三月三日以来あなたは非常に迫力がなくなったですよ。お互いに人間だから、やり合ってみればよくわかる。それだけお気の毒だと思っている。しかしお気の毒だけれども、これを乗り切るだけの熱意があなたになければいかぬですよ。ところがそれは、どうもあれ以来あなたの行政の切先が鈍った。だから私は実はあなたにあまり
質問をしたくないけれども、きょうは実はどうしてもはっきりさせたい、こういうことでやっておるわけです。
次は、総理も
御存じのように、この春闘の中で今一番、大して目立たないけれども深刻な様相を示しておるのは病院ストです。特にその中で公的
医療機関と言われる日赤です。これも総理、日赤の中央病院に行ってごらんなさい。東条さんじゃないけれども一応民情視察のために行ってごらんなさい。もうロック・アウトと同じです。日赤の病院は
全国で百有余ありますよ。もう
五つ、六つは麻痺
状態ですよ。(「つぶれかかっておる」と呼ぶ者あり)つぶれかかっておるという声が出ております。そればかりではございませんよ。公的
医療機関の日赤がそういう
状態であるばかりでなくて、
厚生省所管の古井さんの足もとにおける
健康保険の病院です。これもストライキでどうにもならない。それから船員
保険の病院もそうです。これは一体どういう
理由かという
理由を聞いてみたんです。これは
厚生省がみずから御証明になった。そこの病院の給料が低い。労働条件が悪いからです。そうして病院の運営管理がよくない。失礼な言い分ですが、日赤なんかは全然経理がわからないんですよ。経理がはっきりしないんです。国会で経理を出して下さいと言ったって、葛西副社長以下、ここで経理の説明が全然できない。運営管理がよくない。そうしてしかも診療報酬が適正でない。診療報酬が適正でないために、独立採算制をとらせられておるから、労働
組合と団体交渉ができない。団体交渉をやる責任者がいない。経理がはっきりしないから責任を持てないんですよ。そうしていわば医療制度が全般的に古くなっている。そうして病院の労使関係が非常に未熟である。こういう
五つ、六つの原因が重なって病院ストは深刻になっているわけです。これはこの医療制度が悪いとか、あるいは労使関係が未熟だというようなことは、なかなか短兵急にはいかぬです。これは医療制度は、臨時医療制度調査会というものを今作って
厚生省がおやりになっておる。しかし労働条件が悪くて給料が安いとか、あるいは運営管理をもう少しよくするとか、あるいは診療報酬を適正にするということは、今回のこの単価の問題が決定をすれば、この一二つの問題は割合にスムーズに解決する問題なんです。ところがこれが右往左往して何にも出さないので、日赤その他の経営者にしても出しようがないんですよ。労働
組合と団体交渉をしようもない。先がまっ暗なんだから、一体一円を幾ら上げてくれるのかわからないんですよ。これが日赤なり公的
医療機関あるいは古井さん自身の足もとの病院にストが起こってなかなか解決しないという
一つの原因なんです。この事態になって公労協を片つけられたのですから、こういうものについても片づけるためのやはり指針を、
方向をお出しになる必要があるんですよ。さいぜん古井さん、なかなかうまいことをてれんぼれんてれんぼれん言って、ここをのがれようとしておりますけれども、事態は人間の命に関する問題ですよ。ちょうど汽車がとまると同じ
状態が日赤の中で出ているんです。今お産をして出血しようとする患者を日赤は入れないんですね。医者が診療を拒否すると業務命令を出すけれども、経営者が患者を入れないというときには、
厚生省は業務命令を出さない、こういう実態ですよ。どうですか池田総理、これをすみやかにやはり解決するように、基本的な
方針を命令する必要があると思うんです。