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小林(進)
委員 私は医療費の問題は別にいたしまして、実はこれから本論に入ろうと思って楽しみにしてここまで序論を述べてきたのでございまするが、時間がないというので、私は問題だけ提起しておきまして、そして日を改めて
一つ質問をしたいと思う。
それは病院管理の問題についてです。
厚生省では、何ですか、病院ストの跡始末について病院懇談会だとか、あるいは、これは新聞の報道ですけれ
ども、
厚生省は激化している病院ストの対策の一環として医務局の機構改革に着手をせられて、そしてそのために一千五百余万円の
予算を獲得せられて、四月から医務局に指導課を創設して、病院に対する行政指導を強化する、病院管理研修所を研究所に昇格させて、何か九人から十七人に増員して、そして病院ストの抜本的対策を講ずる、こういうことになっているそうでございます。時間もないのですから、私は問題だけ出しておきますが、病膏肓に達して、ここまで追い詰められてから初めてこういうどろなわ式に病院懇談会を作ったり——この懇談会も結論が出たのかどうか私は知りませんが、懇談会の性格もこの前の滝井
委員の
質問に対する御
答弁を聞いていると、実にあいまいもこたるもので、現状のままで何とか修正したい、改革できるのか、あるのかないのかというような抽象的な結論しか聞かれないようなものでありまするが、そういうものを作って、世間を、われわれからいわせればごまかしてみたり、あるいはまたこういうストに便乗して、役所のセクトとも申し上げたいように
予算を獲得して、指導強化などというような形で、そして将来はこういうことをやりますなどというおっちゃ
らかしの形でおやりになっているが、私の言いたいのは、今まで何をしてこられたか、今まで、今日ここに至るまで
一体厚生省の医務局は何をしてこられたかということを私はお聞きしたいのでございます。その結論は今までの問題の中に出ていなかった。滝井さんが専門で全部やりましたから、滝井さすの
質問にないのだけ私は言うのだけれ
ども、
厚生省は、今までずっと病院管理研修所というものがあって、何かやはり病院の管理をやっおられたでしょう。九人もおられた研修所というのは
一体今まで何をやってきたのです。今まで病院管理のどのようなことをおやりになってきたのかということを私は聞きたい。特に国立病院は国立大学の付属病院、こういう病院についての医療行政の指導をどのように具体的に
一体おやりになってきたのか、私はそれを聞きたい。これは国立病院や国立大学の付属病院だけではない。日赤の中央病院においてもしかり、私立大学の付属病院等にも見られるが、そういう病院の管理指導を今日までどのようにやってこられたかということを聞きたい。特にその病院管理指導の中において、月給をとっている部長や数名の医局員のほかに、
日本特有の無給の研究生というものがいる、これを今まで
一体どう扱われてきたかということを実はお問いしたがったのです。この無給の研究生、医学部を卒業してから一年間無給で働く、これはインターンとは違うのです。インターンとは違う制度であって、インターンが終って、国家試験に合格したあと、いわゆる一人前の医者になるための修業に五年、十年、ほとんど無給で働いている。しかもその間に医学博士の学位までもとってしまうようなお偉い方も出てきているのでありまするが、こうした者の存在を
厚生省は知っておられたのかどうか。いわゆる病院の指導管理をおやりになっからには知っておられたはずでありましょう。こういう人たちの身分、生活あるいは俸給、あるいは社会保障、健康保険あるいは恩給、特に国立病院なんかの場合のそういう関係、病院との雇用関係、あるいは国家との雇用関係、そういうのは
一体どうなっているのでございますか。これは、私は相当長い期間でありまするからお調べになっておると思いまするし、特にこの国立病院の問題については、多くの問題が出てきております。これは
大臣に申し上げまするが、国立病院においてはこういう無給の研究員と称する者が——これは、国立病院なら、医師は、医師であると同時に国家公務員のはずだ。ところがこれは国家公務員じゃないのだ。国とも契約していないのだ。しかしこの人たちが現実において主治医と称しておる。主持医と称して、重大なる診療、医療に携わっております。こういう人たちがもし過失を起したら、これは
一体だれが責任を持ちますか。こういう問題も含めておりますし、現実にその問題が起きている。これは私が具体的に名前を言わぬでも、
医務局長、次長も御存じでしょう。御存じだと思うが、御存じありませんか。これは基本的な人権の問題であり、人の生命にも関する問題であります。これは、現在起こっている病院ストとはもっとかけ離れた、基本的な、
日本の医療行政全般に関する重大問題でございまするから、私はここでおっちゃ
らかしの
答弁はお聞きしたくなない。この問題だけでもきょうは私は半日くらい
一つ厚生大臣の胸をはたいて医療行政の根本的なあり方の問題として
お尋ねしたかったのでありますが、残念ながら時間がありません。何といっても時間がございませんから、これは問題だけを提起しておきます。
資料はこれです。これだけあるのです。そのために大事な命を失った者の切々たる記録もこの中にあるのです。私は、この責任を
一体厚生省の医務局がどうとっていただくかという問題も含めて、私は後日あらためてお伺いしたいと思います。